仕事や行政、学校、団体などでは、
「候補者を選定する」
「代表者を選出する」
という表現が使われます。
どちらも「複数の候補の中から選ぶ」という点では似ているため、
- 「選定」と「選出」は何が違う?
- 人を選ぶときは「選定」「選出」のどちら?
- 委員を選ぶならどちらが正しい?
- 代表者は「選定」ではなく「選出」?
- 業者や商品を選ぶときに「選出」は使える?
- 候補者を「選定する」と「選出する」はどう違う?
- 「選考」「選任」とは何が違う?
と迷うことがあります。
結論からいうと、「選定」は目的・条件・基準などに合うものを選んで決めること、「選出」は複数の人・候補などの中から特定の人やものを選び出すことです。
簡単に整理すると、
選定=条件に合うものを選んで決める
選出=候補の中から選び出す
という違いがあります。
特に「代表者」「委員」「議長」など、人を集団の中から選び出す場面では「選出」がよく使われます。
一方、業者・候補地・製品・方式・対象事業など、人以外も含めて条件に合うものを決める場合には「選定」が使いやすい言葉です。
この記事では、「選定」と「選出」の意味・違いから、「選考・選任・選抜・選択」との違い、人・委員・候補者・業者・作品など対象別の使い分けまで詳しく解説します。
- 結論:「選定」は選んで決める、「選出」は選び出す
- 「選定」とは?
- 「選出」とは?
- 「選定」と「選出」の最大の違い
- 漢字を見ると違いがわかりやすい
- 人を選ぶ場合は「選定」「選出」どちら?
- 「委員を選定する」と「委員を選出する」の違い
- 「代表者を選定する」と「代表者を選出する」はどちらが自然?
- 「議長を選定する」と「議長を選出する」はどちら?
- 「役員を選定する」と「役員を選出する」の違い
- 「候補者を選定する」と「候補者を選出する」の違い
- 業者を選ぶ場合は「選定」が自然
- 候補地を選ぶ場合も「選定」が自然
- 商品・設備・材料を選ぶ場合は?
- 作品は「選定」と「選出」のどちら?
- 「選出」は投票するときだけ使う?
- 「選定」は客観的な基準が必要?
- 「選定」と「選出」は結果にも違いがある?
- 「選定」と「選考」の違い
- 「選考」と「選出」の違い
- 「選定」と「選任」の違い
- 「選定」と「選抜」の違い
- 「選出」と「選抜」の違い
- 「選定」と「選択」の違い
- 「選出」と「選択」の違い
- 「選定」と「決定」の違い
- 「選定」と「選別」の違い
- 「人選」と「選出」の違い
- 「推薦」と「選出」の違い
- 「指名」と「選出」の違い
- 選ぶ方法によって「選出」の意味は変わる?
- 「互選」と「選出」の関係
- 「選定された」と「選出された」の違い
- 「代表に選定された」は間違い?
- 「選定委員」と「選出委員」は同じ?
- 採用では「選定」と「選出」のどちら?
- コンテストでは「選定」「選出」「選考」のどれ?
- 行政では「選定」と「選出」をどう使い分ける?
- 会社ではどう使い分ける?
- 「候補を選定する」は自然?
- 「候補を選出する」は自然?
- 選定基準と選出基準の違い
- 「選定する人」と「選出する人」は誰?
- 「選定」と「選出」の例文を比較
- 一つの流れの中で「選定」と「選出」を使う例
- 「選定→選出」という順番になる?
- どちらを使うか迷ったときの判断方法
- よくある誤解1:「選定」は物、「選出」は人
- よくある誤解2:「選出」は選挙でしか使わない
- よくある誤解3:「選定」は最終決定と同じ
- よくある誤解4:「選出された」=必ず投票で選ばれた
- FAQ:「選定」と「選出」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考リンク・出典
結論:「選定」は選んで決める、「選出」は選び出す
まず、両者の違いを表で確認しましょう。
| 言葉 | 基本的な意味 | 重点 | よく使う対象 |
|---|---|---|---|
| 選定 | 目的・条件などに合うものを選び定める | 選んで「決める」 | 業者・候補地・方式・商品・委員など |
| 選出 | 複数の中から人やものを選び出す | 候補から「選び出す」 | 代表者・議長・委員・候補者・作品など |
たとえば、新しい取引先を複数社から選ぶ場合、
「委託業者を選定する」
が自然です。
価格・実績・技術力などの条件を比べ、最も適切な会社を選んで決めるからです。
一方、会議で参加者の中から議長を一人決める場合は、
「議長を選出する」
が自然です。
こちらは、複数の人の中から議長となる人を選び出すことに重点があります。
「選定」とは?
選定(せんてい)とは、多くの候補の中から、目的・条件・基準などに合うものを選んで決めることです。
たとえば、
- 委託業者を選定する
- 候補地を選定する
- 採用するシステムを選定する
- 使用する材料を選定する
- 委員を選定する
などと使います。
「選定」で重要なのは、単に「選ぶ」だけではなく、何らかの目的や条件に照らして、最終的に対象を定めるというニュアンスがあることです。
「選定」という言葉そのものについては、「選定」とは?意味・読み方・使い方をわかりやすく解説|「選択・選考・選別・決定」との違いと例文でも詳しく解説しています。
「選出」とは?
選出(せんしゅつ)とは、複数の人・ものなどの中から、特定の人やものを選び出すことです。
特に、
- 代表者
- 議長
- 委員
- 役員
- 候補者
など、人を集団の中から選ぶ場面でよく使われます。
たとえば、
- 委員の中から委員長を選出する
- 各クラスから代表者を選出する
- 会員の互選によって役員を選出する
- 優秀作品を10点選出する
などです。
「選出」は、候補・集団の中から対象を外へ取り出すように選ぶイメージを持つと理解しやすいでしょう。
「選定」と「選出」の最大の違い
最大の違いは、
選定=何が適切かを判断して決める
選出=誰・何を選び出したかに重点を置く
という点です。
たとえば10人の候補者がいる場合でも、
「経験・資格・適性を基準に候補者を選定した」
なら、基準に照らして候補者を決めたことに重点があります。
一方、
「10人の中から代表者3人を選出した」
なら、集団の中から代表となる3人を選び出したことに重点があります。
漢字を見ると違いがわかりやすい
選定の「定」
「定」には、
定める・決める
という意味があります。
そのため、
選定=選んで定める
です。
選出の「出」
「出」には、外へ出すという意味があります。
そのため、
選出=候補の中から選び出す
と覚えることができます。
漢字の違いを意識すると、かなり使い分けやすくなります。
人を選ぶ場合は「選定」「選出」どちら?
どちらも使えます。
「選定は物にしか使えない」「選出は人にしか使えない」という区別ではありません。
重要なのは、何に重点を置くかです。
たとえば、
「専門家を選定する」
なら、知識・経験・資格などの条件に照らして適任者を決めるニュアンスがあります。
一方、
「代表者を選出する」
なら、集団の中から代表となる人物を選び出すニュアンスがあります。
「委員を選定する」と「委員を選出する」の違い
どちらも可能ですが、意味の焦点が異なります。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| 委員を選定する | 資格・経験・分野などの条件から適切な人物を決める |
| 委員を選出する | 候補者・構成員の中から委員となる人物を選び出す |
たとえば事務局が、
- 専門分野
- 実務経験
- 地域
- 男女比
などを考慮して委員候補を決めるのであれば、
「委員を選定する」
がよく合います。
一方、会員の中から投票などによって委員を選ぶ場合には、
「委員を選出する」
が自然です。
「代表者を選定する」と「代表者を選出する」はどちらが自然?
一般的には、「代表者を選出する」が非常に自然です。
代表者は、複数の構成員の中からその集団を代表する人を選び出すためです。
たとえば、
「各班から代表者を1名選出してください。」
という表現はよく使われます。
一方、代表者について、資格・適性・経験などを審査して事務局が決める場合には、
「代表者を選定する」
と表現できることもあります。
「議長を選定する」と「議長を選出する」はどちら?
一般には、
「議長を選出する」
が自然です。
会議の構成員などから議長を選び出すためです。
特に、
- 選挙
- 互選
- 投票
などを経て議長が決まる場合、「選出」がよく使われます。
「役員を選定する」と「役員を選出する」の違い
役員についても両方使える場合があります。
役員を選定する
なら、役員としてふさわしい人物を条件などに照らして決めることに重点があります。
役員を選出する
なら、会員・構成員などの中から役員を選び出すことに重点があります。
ただし、会社法・定款・規約などで「選任」という用語が正式に使われている場合には、その用語を優先します。
「候補者を選定する」と「候補者を選出する」の違い
「候補者」は少し注意が必要です。
候補者になる人を条件・基準に基づいて決めるなら、
「候補者を選定する」
が自然です。
一方、複数の候補者の中から最終候補・代表候補などを選び出すことを強調する場合は、
「候補者を選出する」
も使えます。
つまり、「候補者」という言葉だけで決まるのではなく、選ぶ過程をどう捉えているかで変わります。
業者を選ぶ場合は「選定」が自然
取引先・委託先・施工会社などを選ぶ場面では、通常、
「業者を選定する」
が自然です。
たとえば、
- 価格
- 実績
- 技術力
- 納期
- 品質
- サポート体制
などを比較して最も適した業者を決めるためです。
「業者を選出する」と書いても意味がまったく通らないわけではありませんが、一般的なビジネス文書では「選定」のほうが自然です。
候補地を選ぶ場合も「選定」が自然
建物・工場・店舗などの候補地を選ぶ場合も、
「候補地を選定する」
がよく使われます。
たとえば、
- 交通アクセス
- 土地価格
- 面積
- 周辺環境
- 災害リスク
などを比較して一つの場所を決めるためです。
「候補地を選出する」より、条件に合う場所を選び定める「選定」が適しています。
商品・設備・材料を選ぶ場合は?
商品・機器・設備・材料なども、基本的には「選定」が使いやすい対象です。
例:
- 用途に適した材料を選定する。
- 新しい生産設備を選定する。
- 導入するパソコンを選定する。
- 使用する測定機器を選定する。
スペック・価格・品質などの条件を比較して決定するからです。
作品は「選定」と「選出」のどちら?
作品の場合は、文脈によってどちらも使えます。
「掲載作品を選定する」
なら、掲載基準などに合う作品を決めるニュアンスです。
「応募作品の中から優秀作品を10点選出する」
なら、多数の作品から対象作品を選び出すニュアンスです。
「選出」は人に限らず、作品などにも使えます。
「選出」は投票するときだけ使う?
いいえ。
「選出」は投票・選挙の場面でよく使われますが、投票が必須というわけではありません。
たとえば、
「審査員が応募作品から優秀作品を選出した。」
という場合、必ずしも投票によって決めたとは限りません。
重要なのは、複数の候補から特定の対象を選び出すことです。
「選定」は客観的な基準が必要?
「選定」は目的・条件などに合うものを選び定める意味を持つため、何らかの基準がある場面で特に使いやすい言葉です。
ただし、必ず数値化された正式な「選定基準」が必要という意味ではありません。
たとえば、
「参加者の希望を踏まえて会場を選定した。」
のように、複数の事情を総合的に考慮して決める場合にも使えます。
「選定」と「選出」は結果にも違いがある?
両方とも、最終的に何かが選ばれるという点では共通しています。
ただし表現としては、
選定=選んだ結果、それに決める
選出=集団から選ばれた対象が出てくる
というイメージの違いがあります。
そのため、
「採用製品を選定した」
では、「どの製品にするか決めた」という意味が強く、
「代表選手を選出した」
では、「誰が代表として選ばれたか」という意味が強くなります。
「選定」と「選考」の違い
「選考」は、能力・適性・実績などを調べて、ふさわしい人・作品などを選ぶことです。
特に、
- 採用
- 入試
- 賞
- コンクール
などでよく使われます。
一般的には、
選考=審査しながら選ぶ過程
選定=条件に合う対象を選んで決める
という違いがあります。
たとえば求人では、
「応募者を選考する」
が自然です。
一方、業者選びでは、
「委託業者を選定する」
が自然です。
「選考」と「選出」の違い
「選考」と「選出」も似ています。
選考は、審査・評価を行いながらふさわしい対象を選ぶ過程に重点があります。
選出は、その過程などを経て実際に対象を選び出すことに重点があります。
たとえば、
「応募者を選考し、最終的に5名を選出した。」
とすれば、
選考=評価・審査
選出=最終的に選び出す
という違いがわかります。
詳しくは、「選考」と「選出」の違いとは?意味・使い分けを採用・役員・代表者選びの例文で徹底解説も参考にしてください。
「選定」と「選任」の違い
「選任」は、特定の役目・職・役職などに就く人を選んで任せることです。
人を選ぶ言葉という点では「選出」とも似ています。
簡単に整理すると、
選定=条件に合う人・ものを選び決める
選出=候補・集団から選び出す
選任=役職・任務などを任せる人を選ぶ
です。
たとえば、
「委員候補者を選定する」
「委員の互選で委員長を選出する」
「監査役を選任する」
のように使い分けられます。
「選定」と「選任」の違いについては、「選定」と「選任」の違いとは?意味・使い分けを人選・役員・代表者・業者選びの例文で徹底解説で詳しく解説しています。
「選定」と「選抜」の違い
選抜は、多くの中から優れたもの・条件に合ったものを選び抜くことです。
たとえば、
- 選抜チーム
- 選抜選手
- 選抜試験
などと使います。
選定は必ずしも「優秀なもの」を選ぶとは限りません。
目的に最も合っているものを決めることが中心です。
一方、選抜には、能力・成績などによって絞り込むイメージが比較的強くあります。
「選出」と「選抜」の違い
「選出」は選び出すこと全般に使えます。
「選抜」は、能力・成績・条件などにより、より優れた対象を絞り込む意味を持ちやすい言葉です。
たとえば、
「代表選手を選出する」
なら、代表選手を決める結果に重点があります。
「選抜選手」
なら、多くの選手から優秀な人を選び抜いたニュアンスがあります。
「選定」と「選択」の違い
選択は、複数の中から一つまたはいくつかを選ぶことを広く表す言葉です。
日常生活でも、
- 進路を選択する
- 支払方法を選択する
- メニューを選択する
などと使えます。
「選定」は「選択」よりもやや硬く、目的・条件などを検討したうえで正式に決める場面で使われやすい言葉です。
「選出」と「選択」の違い
「選択」は、選ぶ行為そのものを広く表します。
一方「選出」は、ある集団・候補の中から、代表などとして特定の対象を選び出すニュアンスがあります。
たとえば、
「好きな色を選択してください」
は自然ですが、
「好きな色を選出してください」
は通常不自然です。
「選出」は何でも選ぶ場合に使える一般語ではありません。
「選定」と「決定」の違い
「決定」は、物事を最終的に決めることです。
「選定」には、その前提として、複数候補から選ぶという意味があります。
たとえば、
候補地を比較する
↓
候補地を選定する
↓
移転先として正式決定する
という流れになることがあります。
ただし、実際の仕事では「選定した時点で決定」と扱うケースもあり、必ず別工程になるわけではありません。
「選定」と「選別」の違い
選別は、複数のものを基準に従ってより分けることです。
製造業なら、
良品
不良品
規格外品
のように分ける作業が「選別」です。
一方、選定は、複数候補から「これを採用する」と決めることです。
つまり、
選別=分ける
選定=選んで決める
という違いがあります。
「人選」と「選出」の違い
人選とは、ある役割・仕事などにふさわしい人物を選ぶことです。
そのため、
「委員の人選を進める」
なら、誰を委員にするか検討する意味です。
「委員を選出する」
なら、最終的に誰が委員となるかを選び出す意味です。
人選は人物を選ぶ作業全体、選出はその中から対象を選び出す行為という違いがあります。
「推薦」と「選出」の違い
推薦は、「この人がふさわしい」と他者へ勧めることです。
推薦された時点では、まだ正式に選ばれていないことがあります。
たとえば、
候補者を推薦する
↓
審査する
↓
代表者を選出する
という流れです。
したがって、推薦と選出は同じ意味ではありません。
「指名」と「選出」の違い
指名は、特定の人を名指しして選ぶことです。
選出は複数の中から選び出すことを表します。
たとえば、
「会長が司会者を指名した」
なら、会長が特定の人物を直接選んでいます。
「会員の中から司会者を選出した」
なら、複数候補から何らかの方法で選び出したニュアンスになります。
選ぶ方法によって「選出」の意味は変わる?
「選出」という言葉だけでは、どの方法で選んだのかまでは決まりません。
たとえば、
- 投票で選出する
- 互選で選出する
- 審査によって選出する
- 推薦者の中から選出する
など、さまざまな方法があります。
選出方法まで明確にしたい場合には、前後に方法を加えます。
「互選」と「選出」の関係
互選とは、構成員が互いの中から特定の役職者などを選ぶことです。
たとえば、
「委員の互選により委員長を選出する」
という表現ができます。
この場合、
互選=選び方
選出=選び出すこと
という関係です。
「選定された」と「選出された」の違い
受け身にすると違いがよりわかりやすくなります。
「採用製品として選定された」
なら、条件・基準などを検討した結果、その製品に決まったという意味です。
「日本代表に選出された」
なら、多くの候補者の中から日本代表として選び出されたという意味です。
スポーツでは特に、
「代表メンバーに選出された」
という表現がよく使われます。
「代表に選定された」は間違い?
必ずしも間違いではありません。
代表者を一定の基準によって決めることに重点を置くなら、「代表に選定された」という表現も成立します。
ただし、一般的にスポーツ代表・団体代表などを複数候補から選び出したことを表したい場合は、
「代表に選出された」
のほうが自然な場面が多いでしょう。
「選定委員」と「選出委員」は同じ?
同じとは限りません。
選定委員は、何かを選定する役割を持つ委員という意味で使えます。
たとえば、業者・受賞作品・候補地などを選定する委員です。
一方、
選出委員
という表現は、何を意味するのか文脈によって曖昧になる場合があります。
「委員を選出する人」なのか、「選出された委員」なのかを明確にしたい場合は、文章で説明したほうが安全です。
採用では「選定」と「選出」のどちら?
求人・人材採用では、一般的には「選考」が最も自然です。
応募者の、
- 経験
- 能力
- 資格
- 適性
などを審査して採用者を決めるからです。
ただし、採用プロジェクトの責任者を社内メンバーから選ぶのであれば、
「責任者を選定する」
「代表者を選出する」
などが使われる場合があります。
何を選んでいるのかを確認することが大切です。
コンテストでは「選定」「選出」「選考」のどれ?
コンテストでは三つとも使える可能性があります。
たとえば、
応募作品を選考する
→ 内容を審査する。
受賞作品を選定する
→ 評価基準に照らして受賞作品を決める。
最終候補作品を10点選出する
→ 多数の作品から10点を選び出す。
このように、同じコンテストでも工程や強調したい意味によって言葉が変わります。
行政では「選定」と「選出」をどう使い分ける?
行政文書でも、基本的な違いは同じです。
たとえば、
「委託事業者を選定する」
なら、評価基準などに基づいて事業者を決める意味です。
「委員の互選により委員長を選出する」
なら、委員の中から委員長を選び出す意味です。
正式な制度では、条例・規則・要綱などで「選任」「選出」「指名」など使用する用語が決まっている場合があります。
その場合は、一般的な言葉のニュアンスよりも根拠となる規定の文言を優先します。
会社ではどう使い分ける?
会社では、
選定が自然な例
- 仕入先を選定する
- 外注業者を選定する
- 導入システムを選定する
- 研修会場を選定する
- 採用する方式を選定する
選出が自然な例
- プロジェクト代表者を選出する
- チームの中からリーダーを選出する
- 委員の中から委員長を選出する
- 社内表彰の候補者を数名選出する
「物・方法・会社などを条件に照らして決める」なら選定、「集団から人・対象を取り出す」なら選出と考えると使い分けやすいでしょう。
「候補を選定する」は自然?
はい。
「候補を選定する」は非常によく使える表現です。
候補そのものを一定の条件から決める意味になります。
たとえば、
「複数の地域から建設候補地を3か所選定した。」
という表現です。
この時点では最終決定ではなく、「候補として3か所に絞った」という意味でも使えます。
「候補を選出する」は自然?
使える場合もあります。
特に、人・作品などについて、候補群から一定数を選び出すことを強調する場合です。
ただし、
「候補地」
「設備候補」
「業者候補」
などでは「選定」のほうが自然なケースが多いでしょう。
選定基準と選出基準の違い
どちらの表現も成立します。
選定基準は、何を採用対象として決めるか判断するための基準です。
例:
- 業者選定基準
- 候補地選定基準
- 機種選定基準
選出基準は、候補の中から誰・何を選び出すか判断するための基準です。
例:
- 代表選手の選出基準
- 受賞作品の選出基準
後ろに付く対象を見ると使い分けやすくなります。
「選定する人」と「選出する人」は誰?
言葉そのものから、特定の主体が決まっているわけではありません。
選定する主体には、
- 担当部署
- 選定委員会
- 責任者
- 審査員
などがあります。
選出する主体には、
- 会員
- 委員
- 審査員
- 選挙権を持つ構成員
などがあります。
文書では、誰が選ぶ権限を持つのかを明確にすると誤解を防げます。
「選定」と「選出」の例文を比較
選定の例文
- 複数社から委託業者を選定する。
- 新工場の候補地を選定した。
- 目的に適した機器を選定してください。
- 経験や専門分野を考慮して委員候補を選定した。
- 利用者数を踏まえて開催会場を選定する。
選出の例文
- 委員の中から委員長を選出する。
- 各クラスから代表者を2名選出した。
- 応募作品の中から優秀作品を5点選出する。
- チームの代表として3名が選出された。
- 会員の互選によって新しい役員を選出した。
一つの流れの中で「選定」と「選出」を使う例
両者は同じプロセスの中で使われることもあります。
たとえば委員会を設置する場合、
「専門分野や経験を踏まえて委員候補者を選定し、その候補者の中から各分野の代表委員を選出した。」
という文章が考えられます。
ここでは、
選定=条件を踏まえて候補者を決める
選出=その候補者の中から代表を選び出す
という違いがあります。
「選定→選出」という順番になる?
そうなるケースもありますが、必ずではありません。
たとえば、
候補者を選定する
↓
候補者の中から代表者を選出する
という流れはあり得ます。
しかし最初から全構成員を対象に投票して代表者を選出する場合には、明確な「選定」の工程がないこともあります。
両者は固定された工程名ではなく、選び方を表す言葉です。
どちらを使うか迷ったときの判断方法
条件・目的に照らして「これに決める」?
→ 選定
例:
「使用する原材料を選定する。」
集団・候補から「この人・これを選び出す」?
→ 選出
例:
「代表者を3名選出する。」
能力・実績などを審査する?
→ 選考
例:
「採用候補者を選考する。」
役職・任務を任せる人を決める?
→ 選任
例:
「取締役を選任する。」
単純に複数から選ぶ?
→ 選択
例:
「希望するコースを選択する。」
よくある誤解1:「選定」は物、「選出」は人
完全には正しくありません。
「選定」は人にも使えます。
「選出」は作品など人以外にも使えます。
対象が人か物かだけでなく、選ぶ目的・過程・結果のどこに重点があるかを見ることが大切です。
よくある誤解2:「選出」は選挙でしか使わない
違います。
選挙・投票以外にも、審査・推薦などを通じて対象を選び出す場合に使えます。
よくある誤解3:「選定」は最終決定と同じ
必ずしもそうではありません。
「最終候補を3案選定した」のように、最終決定前の候補絞り込みにも使われます。
文脈によって選定の段階は異なります。
よくある誤解4:「選出された」=必ず投票で選ばれた
これも違います。
「選出」という言葉だけでは、投票・審査・推薦など具体的な選出方法まではわかりません。
必要なら、
「投票によって選出された」
「審査委員会によって選出された」
などと方法を明記します。
FAQ:「選定」と「選出」に関するよくある質問
Q1.「選定」と「選出」の違いを一言でいうと?
「選定」は条件に合うものを選んで決めること、「選出」は候補の中から対象を選び出すことです。
Q2.人を選ぶ場合は「選定」と「選出」のどちらですか?
どちらも使えます。
適性・条件から人を決めるなら「選定」、集団から代表などを選び出すなら「選出」が自然です。
Q3.代表者は「選定」と「選出」のどちら?
一般的には「代表者を選出する」が自然です。
ただし、一定の資格・条件から事務局などが代表候補を決める場合は「選定」も使えます。
Q4.委員は「選定」と「選出」のどちら?
条件に照らして委員を決めるなら「選定」、構成員などから委員を選び出すなら「選出」です。
Q5.議長はどちら?
通常は「議長を選出する」が自然です。
Q6.業者はどちら?
通常は「業者を選定する」が自然です。
価格・実績・能力などの条件を比較して決めるためです。
Q7.候補地はどちら?
一般的には「候補地を選定する」が自然です。
Q8.作品には「選出」を使えますか?
はい。
「応募作品から優秀作品を10点選出する」のように使えます。
Q9.「選出」は投票が必要ですか?
いいえ。
投票以外の審査・推薦などで選び出す場合にも使えます。
Q10.「選定」と「選考」はどう違いますか?
選定は条件に合う対象を選んで決めること、選考は能力・適性などを審査してふさわしい対象を選ぶことです。
Q11.「選定」と「選任」はどう違いますか?
選定は人・物を広く対象にできます。
選任は、役職・職務などを任せる人を選ぶ意味です。
Q12.「選出」と「選任」はどう違いますか?
選出は候補・集団の中から選び出すこと、選任は特定の役職・任務を任せるために人を選ぶことです。
Q13.「選定された」と「選出された」はどう違いますか?
「選定された」は条件・目的に合う対象として決められたニュアンス、「選出された」は候補の中から選び出されたニュアンスがあります。
Q14.日本代表に「選定された」は間違いですか?
文法的に絶対の誤りとはいえませんが、一般には「日本代表に選出された」のほうが自然です。
多数の選手の中から代表として選び出されたことを表せるからです。
まとめ
「選定」と「選出」は、どちらも複数の候補から何かを選ぶ言葉ですが、意味の重点が異なります。
- 「選定」は目的・条件などに合うものを選んで決めること
- 「選出」は複数の候補・集団から対象を選び出すこと
- 「選定」は業者・候補地・設備・方式などに使いやすい
- 「選出」は代表者・議長・委員・代表選手などに使いやすい
- 選定は人にも使える
- 選出は作品など人以外にも使える
- 「選出」は必ずしも投票・選挙を意味しない
- 「選考」は能力・適性などを審査する過程に重点がある
- 「選任」は役職・職務を任せる人を選ぶ意味がある
- 「選択」は複数から選ぶことを最も広く表す
最も簡単に覚えるなら、漢字の違いに注目してください。
選定=選んで「定める」
選出=候補から選び「出す」
です。
どちらか迷ったときは、条件を比較して最適な対象に決めるのか、それとも候補の中から代表などを選び出すのかを考えると、自然に使い分けやすくなります。
