ビジネスの場面でよく使われる、
「失礼いたします」
と、
「失礼しました」。
どちらも「失礼」という言葉を使っているため、
「入室するときはどちら?」
「電話を切るときは失礼いたします?」
「間違えたあとなら失礼しました?」
「失礼いたしましたとの違いは?」
「失礼しますと失礼いたしますではどちらが丁寧?」
と迷うことがあります。
簡単にいうと、「失礼いたします」は、これから行う、または今まさに行っている行為について、相手への配慮を示す表現です。一方、「失礼しました」は、すでに起きた行為について、礼儀を欠いたことを詫びる表現です。
たとえば、上司の部屋へ入る直前なら、
「失礼いたします」
が自然です。
一方、人にぶつかったあとなら、
「失礼しました」
と謝ります。
つまり、
失礼いたします=「これから/今、失礼します」
失礼しました=「先ほどは失礼しました」
と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、「失礼いたします」は未来だけに使う表現ではありません。
部屋に入りながら、席を立ちながら、電話を終えようとしながら使うこともあるため、正確には「これから・今行う行為への配慮」を示す表現です。
この記事では、「失礼いたします」と「失礼しました」の意味、入室・退室・電話・会話・メールでの使い分け、「失礼します」「失礼いたしました」「申し訳ありません」との違いまで詳しく解説します。
- 「失礼いたします」と「失礼しました」の違い【結論】
- 「失礼」とは?
- 「失礼いたします」とは?
- 「失礼しました」とは?
- 決定的な違い1:行動の「前・最中」か「後」か
- 決定的な違い2:挨拶か謝罪か
- 入室するときは「失礼いたします」
- 退室するときも「失礼いたします」
- 会社で先に帰るなら「お先に失礼いたします」
- 電話を切るときは「失礼いたします」
- 間違い電話をしたなら「失礼しました」
- 人にぶつかったあとなら「失礼しました」
- 言い間違えたあとも「失礼しました」
- 「失礼しました」と「失礼いたしました」の違い
- 「失礼します」と「失礼いたします」の違い
- 「失礼いたします」は未来形?
- メールの冒頭で「失礼いたします」は使える?
- メールの最後で「失礼いたします」は使える?
- 「先日は失礼しました」はどんな意味?
- 「失礼しました」と「すみません」の違い
- 「失礼しました」と「申し訳ありません」の違い
- 「失礼ですが」は何が違う?
- 「ちょっと失礼いたします」は使える?
- 会議で発言を訂正するときはどちら?
- 「失礼いたします」と「失礼しました」で迷ったときの3秒判定
- 「失礼いたします」を使った例文
- 「失礼しました」を使った例文
- ビジネス例文:取引先との電話を終える
- ビジネス例文:発言を訂正する
- ビジネス例文:会議を途中で退出する
- ビジネス例文:過去の無礼を丁重に詫びる
- よくある間違い1:過去のミスに「失礼いたします」を使う
- よくある間違い2:これから帰るのに「失礼しました」と言う
- よくある間違い3:重大な謝罪を「失礼しました」だけで済ませる
- よくある間違い4:丁寧にするため何でも「失礼いたします」にする
- 「失礼いたします」と「失礼しました」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考資料・出典
「失礼いたします」と「失礼しました」の違い【結論】
| 比較項目 | 失礼いたします | 失礼しました |
|---|---|---|
| 時間の向き | これから・今行うこと | すでに起きたこと |
| 主な役割 | 行動前・行動中の配慮、別れの挨拶 | 行動後の謝罪・振り返り |
| よく使う場面 | 入室・退室・電話終了・中座 | 言い間違い・ぶつかった後・無作法の後 |
| 敬語の度合い | 「失礼します」より改まった表現 | 丁寧な過去形 |
| 代表例 | それでは失礼いたします | 先ほどは失礼しました |
3秒で判断するなら、
「これから退出・入室・中断する?」 → 失礼いたします
「すでに何かしてしまった?」 → 失礼しました
と考えてください。
「失礼」とは?
「失礼」には複数の意味がある
「失礼」には、大きく分けて次のような意味があります。
- 礼儀を欠くこと
- 人に尋ねたり、頼んだり、行動したりするときに配慮を示す挨拶
- 人のもとを立ち去ることを丁寧にいう表現
たとえば、
「失礼な発言」
なら、礼儀を欠いた発言という意味です。
「失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」
なら、相手に質問する前の配慮を示しています。
「では、これで失礼します」
なら、相手のもとを立ち去る挨拶です。
同じ「失礼」でも、文脈によって役割が変わります。
「失礼いたします」とは?
「失礼します」をより改まって表現した言葉
「失礼いたします」は、
「失礼します」
を、より丁重に表現した言い方です。
「いたす」は、「する」の謙譲語Ⅱ(丁重語)として使われます。
そのため、
失礼します
より、
失礼いたします
の方が改まった印象になります。
取引先・顧客・上司など、丁寧さが求められる場面で使いやすい表現です。
これから行うことへの配慮を示す
たとえば、部屋へ入る前に、
「失礼いたします」
と声をかけることがあります。
これは、
「これからお部屋に入らせていただきます」
という行為について、相手に配慮を示していると考えられます。
ほかにも、
- 先に帰る
- 席を立つ
- 会議から退出する
- 電話を切る
- 人の前を横切る
など、「相手に対して少し礼を欠く可能性のある行動」をするときに使えます。
「失礼しました」とは?
すでに起きた失礼について詫びる表現
「失礼しました」は、
すでに行った言動について「礼を欠きました」「申し訳ありませんでした」と詫びる表現です。
たとえば、
- 人にぶつかった
- 電話番号を間違えた
- 言い間違えた
- 相手の話を遮った
- 失礼な質問をした
といったあとに使います。
文化庁の日本語教材でも、電車で人の足を踏んだ場面や、人にぶつかった場面で、
「失礼しました」
という表現が示されています。
間違い電話でも使える
たとえば、
「○○さんのお宅でしょうか」
と電話をかけ、番号を間違えていた場合、
「失礼しました。間違えました。」
と謝ることができます。
ここでは、間違い電話をかけてしまったという出来事がすでに発生しています。
そのため、「失礼いたします」ではなく「失礼しました」が自然です。
決定的な違い1:行動の「前・最中」か「後」か
最も分かりやすい違いです。
「失礼いたします」は、これから、または今まさに行う行動について使います。
一方、
「失礼しました」は、すでに終わった行動について使います。
| 状況 | 自然な表現 |
|---|---|
| これから部屋に入る | 失礼いたします |
| これから帰る | お先に失礼いたします |
| 電話を終える | それでは失礼いたします |
| 人にぶつかった | 失礼しました |
| 間違った発言をした | 失礼しました |
| 間違い電話をかけた | 失礼しました |
決定的な違い2:挨拶か謝罪か
「失礼いたします」は、必ずしも「自分が悪いことをした」という謝罪ではありません。
たとえば、勤務時間が終わって先に帰る際に、
「お先に失礼いたします」
と言います。
先に帰ること自体が悪いわけではありません。
相手がまだ仕事をしている中、自分だけ先に退出することへの配慮を示す挨拶です。
一方、
「先ほどは失礼しました」
には、すでに起きた言動について、礼を欠いたことを詫びる意味が強くあります。
したがって、
失礼いたします=配慮を示す挨拶として使いやすい
失礼しました=軽い謝罪として使いやすい
という違いがあります。
入室するときは「失礼いたします」
上司・面接官・取引先などがいる部屋へ入る際には、
「失礼いたします」
と声をかけてから入ることができます。
一般的な流れは、
- ドアをノックする
- 入室の許可を得る
- 「失礼いたします」と言って入る
です。
ここでは、「これからあなたのいる空間へ入ります」という配慮を示しています。
「失礼しました」と言って入ると、まだ何もしていないのに過去形で謝ることになり、通常の入室挨拶としては合いません。
退室するときも「失礼いたします」
面談・面接・打ち合わせなどを終えて部屋を出る際にも、
「失礼いたします」
と挨拶できます。
この場合も、これから退出することへの配慮です。
たとえば、
「本日はありがとうございました。それでは失礼いたします。」
と伝えて退室します。
会社で先に帰るなら「お先に失礼いたします」
自分より後まで仕事をしている人がいる中で帰る場合、
「お先に失礼します」
または、
「お先に失礼いたします」
と挨拶します。
文化庁も「お先に失礼します」を、相手や場面への配慮を示す定型的な挨拶表現として挙げています。
「失礼いたします」の方が「失礼します」より改まった表現なので、上司・社外の人などがいる場合にも使いやすいでしょう。
電話を切るときは「失礼いたします」
取引先などとの電話を終えるときには、
「それでは、失礼いたします」
が自然です。
たとえば、
「承知いたしました。それでは、明日までに資料をお送りいたします。失礼いたします。」
という形です。
これから電話を終了するため、過去形の「失礼しました」ではなく、「失礼いたします」を使います。
間違い電話をしたなら「失礼しました」
一方、自分から電話をかけ、相手を間違えた場合には、
「失礼しました。番号を間違えたようです。」
などとします。
電話をかけ間違えたという出来事がすでに起きているためです。
最後に、
「大変失礼しました。それでは失礼いたします。」
とすれば、
前半の「失礼しました」は間違い電話への謝罪、
後半の「失礼いたします」は電話を終える挨拶となります。
同じ会話の中でも、役割が違うことが分かります。
人にぶつかったあとなら「失礼しました」
電車・駅・オフィスなどで人にぶつかった場合には、
「失礼しました」
と謝ることができます。
「ぶつかる」という失礼がすでに起きているからです。
ただし、強くぶつかった、物を壊した、相手にけがをさせたなど、問題が大きい場合には、
「申し訳ありません」
「大変申し訳ございません」
など、より明確な謝罪表現が必要になる場合があります。
言い間違えたあとも「失礼しました」
会議中に名前・数字などを言い間違えた場合、
「失礼しました。正しくは○○です。」
と訂正できます。
実際、公的な会議録などでも、発言の誤りに気づいたあと、
「失礼いたしました」
と訂正する例があります。
この場合は過去の失礼を詫びているため、後述する「失礼いたしました」も適しています。
「失礼しました」と「失礼いたしました」の違い
どちらも、すでに起きたことについて詫びる表現です。
違いは主に丁重さです。
失礼しました
は、一般的な丁寧表現です。
失礼いたしました
は、「する」を丁重にした「いたす」を使った、より改まった表現です。
| 表現 | 印象 |
|---|---|
| 失礼しました | 丁寧・日常的 |
| 失礼いたしました | より改まった・丁重 |
取引先・顧客への言い間違いや、会議中の訂正などでは、
「大変失礼いたしました」
とすると、より丁寧です。
「失礼します」と「失礼いたします」の違い
どちらも、入退室・別れ・中座などで使えます。
「失礼します」は、丁寧で一般的な表現です。
「失礼いたします」は、「いたす」を使い、より改まって丁重に述べた表現です。
たとえば社内で同僚に、
「お先に失礼します」
と言うのは自然です。
一方、取引先との電話なら、
「それでは失礼いたします」
とすると、より丁寧な印象になります。
「失礼いたします」は未来形?
厳密に「未来だけ」と考える必要はありません。
日本語の「〜ます」は英語のような未来形ではなく、文脈によって現在・未来の出来事を表します。
「失礼いたします」も、
「これから失礼な行動をします」
だけではなく、
「今、入室しています」
「今、席を立ちます」
「今、退出します」
という場面で使われます。
そのため、
失礼いたします=行動前・行動中
失礼しました=行動後
と考える方が実用的です。
メールの冒頭で「失礼いたします」は使える?
状況によって使えます。
たとえば、初めてメールを送る相手に、
「突然のご連絡、失礼いたします。」
と書くことがあります。
これは、「面識がないのに突然連絡する」という行為について、あらかじめ配慮を示しています。
ただし、
「突然のご連絡失礼いたします」
は一種の定型表現になっているため、すべてのメールで必ず書く必要はありません。
メールの最後で「失礼いたします」は使える?
使えます。
たとえば、
「それでは、失礼いたします。」
とメールを締めることができます。
ただし、ビジネスメールでは、
「何卒よろしくお願いいたします」
「ご確認のほどよろしくお願いいたします」
など、用件に合った結びの表現を使うことも多くあります。
「失礼いたします」を付ければ必ず丁寧になるわけではないため、メールの内容に応じて選びましょう。
「先日は失礼しました」はどんな意味?
「先日は失礼しました」
は、以前の出来事を振り返り、何らかの失礼があったことを詫びる表現です。
たとえば、
- 会話を途中で切り上げた
- 急に帰った
- 失礼な発言をした
- 十分に挨拶できなかった
といった場合に使えます。
また、日本語では、前回のやり取りを振り返る挨拶として「先日はどうも失礼しました」が使われることもあります。
そのため、文脈によっては、強い謝罪というより、
「先日はどうも」
に近い社交的な挨拶として機能することもあります。
「失礼しました」と「すみません」の違い
どちらも軽い謝罪に使えます。
ただし、
「失礼しました」は、礼儀を欠いた行為に焦点があります。
一方、
「すみません」は、謝罪・依頼・呼びかけ・感謝など非常に幅広く使える表現です。
たとえば、人の足を踏んだ場合、
「失礼しました」
「すみません」
のどちらも使えます。
一方、店員を呼ぶときは、
「すみません」
が自然で、
「失礼しました」
とは言いません。
「失礼しました」と「申し訳ありません」の違い
「失礼しました」は、比較的軽い礼儀違反や、その場での小さなミスに使いやすい表現です。
一方、
「申し訳ありません」
は、相手へ迷惑・損害・不利益を与えたことについて、より明確に謝罪する表現です。
たとえば、
名前を言い間違えた → 「失礼しました」
納期を大幅に遅らせた → 「大変申し訳ございません」
のように、問題の大きさ・内容によって使い分けます。
重大なミスを、
「失礼しました」
だけで済ませると、謝罪が軽すぎると受け取られることがあります。
「失礼ですが」は何が違う?
「失礼ですが」
は、これから質問・発言などをする際の前置きです。
たとえば、
「失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか。」
と使います。
これは、
「これから少し踏み込んだことを尋ねますが」
という配慮を示しています。
「失礼いたします」と似ていますが、
失礼ですが → 後ろに質問・発言が続く
失礼いたします → 入退室・退出・電話終了など、行動そのものに使いやすい
という違いがあります。
「ちょっと失礼いたします」は使える?
使えます。
たとえば、会議中に一時的に席を外す場合、
「申し訳ありません。少し失礼いたします。」
と断って中座できます。
また、人の前を通るときにも、
「失礼いたします」
と声をかけながら通ることがあります。
ここでも、今まさに行う行為への配慮です。
会議で発言を訂正するときはどちら?
すでに誤った発言をしてしまった場合は、
「失礼しました。先ほどの数字を訂正いたします。」
または、
「大変失礼いたしました。正しくは○○です。」
とします。
誤りが過去に起きているため、「失礼しました」「失礼いたしました」が適しています。
文化庁の会議録でも、発言の間違いを訂正する際に「失礼いたしました」と述べる例があります。
「失礼いたします」と「失礼しました」で迷ったときの3秒判定
| こんな場合 | 選びやすい表現 |
|---|---|
| これから入室する | 失礼いたします |
| これから退室する | 失礼いたします |
| 先に帰る | お先に失礼いたします |
| 電話を切る | 失礼いたします |
| 会議を途中で抜ける | 失礼いたします |
| 人にぶつかった | 失礼しました |
| 名前を言い間違えた | 失礼しました |
| 間違い電話をした | 失礼しました |
| 過去の言動を丁重に謝る | 失礼いたしました |
迷ったら、
「まだ行動する前・今しているところ?」 → 失礼いたします
「もう行動が終わった?」 → 失礼しました
と考えると使い分けやすいでしょう。
「失礼いたします」を使った例文
入室
失礼いたします。
退室
本日はありがとうございました。それでは失礼いたします。
退勤
お先に失礼いたします。
電話
それでは、明日10時にお願いいたします。失礼いたします。
中座
申し訳ありません。少し失礼いたします。
突然の連絡
突然のご連絡、失礼いたします。
「失礼しました」を使った例文
ぶつかった
あ、失礼しました。
言い間違えた
失礼しました。正しくは10月15日です。
間違い電話
失礼しました。番号を間違えたようです。
会話を遮った
お話の途中で失礼しました。
前回の出来事を詫びる
先日は大変失礼しました。
ビジネス例文:取引先との電話を終える
承知いたしました。
それでは、修正版を本日中にお送りいたします。
お電話ありがとうございました。失礼いたします。
ビジネス例文:発言を訂正する
失礼しました。先ほど「9月30日」と申し上げましたが、正しくは「10月30日」です。
訂正してお詫びいたします。
ビジネス例文:会議を途中で退出する
申し訳ございません。次の予定がございますので、ここで失礼いたします。
本日はありがとうございました。
ビジネス例文:過去の無礼を丁重に詫びる
先ほどはお話を遮ってしまい、大変失礼いたしました。
改めてお話を伺えればと存じます。
よくある間違い1:過去のミスに「失礼いたします」を使う
たとえば、名前を間違えたあとに、
×「失礼いたします。お名前を間違えました。」
とすると、時間関係がやや不自然です。
すでにミスをしたので、
○「失礼しました。お名前を間違えました。」
または、
○「大変失礼いたしました。」
とします。
よくある間違い2:これから帰るのに「失礼しました」と言う
退勤時の通常の挨拶なら、
「お先に失礼します」
「お先に失礼いたします」
を使います。
「お先に失礼しました」では、すでに先に帰ったあとに振り返っているような意味になり、帰る瞬間の挨拶としては合いにくくなります。
よくある間違い3:重大な謝罪を「失礼しました」だけで済ませる
「失礼しました」は便利ですが、重大なミス・損害・強い迷惑をかけた場合には、謝罪として軽く感じられることがあります。
その場合は、
「大変申し訳ございません」
「深くお詫び申し上げます」
など、問題の程度に合った謝罪を選びましょう。
よくある間違い4:丁寧にするため何でも「失礼いたします」にする
「失礼いたします」は丁寧ですが、すべての状況に使える万能表現ではありません。
すでに何か失礼なことをしてしまったなら、過去形の、
「失礼しました」
「失礼いたしました」
が合います。
敬語は長くすることより、時間関係・場面に合っていることが大切です。
「失礼いたします」と「失礼しました」に関するよくある質問
Q1. 「失礼いたします」と「失礼しました」は同じ意味ですか?
共通して相手への配慮・礼儀に関係する表現ですが、時間の向きが異なります。
「失礼いたします」はこれから・今行う行為、「失礼しました」はすでに起きた行為について使うのが基本です。
Q2. 部屋に入るときはどちらですか?
「失礼いたします」が自然です。
これから入室することへの配慮を示します。
Q3. 部屋から出るときはどちらですか?
退出する直前なら「失礼いたします」を使えます。
「本日はありがとうございました。それでは失礼いたします」といった形です。
Q4. 電話を切るときはどちらですか?
「それでは失礼いたします」が自然です。
これから電話を終了するためです。
Q5. ミスをしたあとならどちらですか?
「失礼しました」または、より丁重に「失礼いたしました」を使います。
Q6. 「失礼します」と「失礼いたします」はどちらが丁寧ですか?
「失礼いたします」の方が、より丁重で改まった表現です。
ただし、「失礼します」も十分に丁寧で、職場などで広く使われています。
Q7. 「失礼しました」と「失礼いたしました」はどう違いますか?
どちらも過去の行動について使います。
「失礼いたしました」の方が、より改まって丁重な表現です。
Q8. 「失礼しました」と「申し訳ありません」はどう使い分けますか?
軽い礼儀違反・言い間違いなどなら「失礼しました」が使いやすいでしょう。
相手へ大きな迷惑・損害を与えた場合には、「申し訳ありません」「申し訳ございません」など、より明確な謝罪表現が適します。
まとめ
「失礼いたします」と「失礼しました」は、どちらも「失礼」という言葉を使いますが、使うタイミングと役割が異なります。
| 失礼いたします | 失礼しました |
|---|---|
| これから・今行うことへの配慮 | すでに起きたことへの謝意 |
| 入室・退室・電話終了など | ミス・無作法・言い間違いなど |
| 挨拶として使いやすい | 軽い謝罪として使いやすい |
| それでは失礼いたします | 先ほどは失礼しました |
最も簡単な覚え方は、
失礼いたします=「これから/今、失礼します」
失礼しました=「先ほどは失礼しました」
です。
たとえば、部屋へ入るときなら、
「失礼いたします」
電話を終えるときなら、
「それでは失礼いたします」
とします。
一方、人にぶつかったあとなら、
「失礼しました」
発言を間違えたあと、より丁重に詫びるなら、
「大変失礼いたしました」
とできます。
また、「失礼いたします」は必ず未来だけを表すわけではありません。
入室・退出など、今まさに行動している最中にも使います。
そのため、
行動前・行動中 → 失礼いたします
行動後 → 失礼しました/失礼いたしました
と整理すると、多くの場面で迷わず使い分けられるでしょう。
参考資料・出典
本記事は、以下の辞書・文化庁資料等を参照し、内容を整理したうえで作成しています。
-
コトバンク「失礼」
― 礼儀を欠くこと、軽く謝る際の挨拶、人のもとを立ち去ることを丁寧にいう用法など -
コトバンク「致す」
― 「する」の謙譲語・丁寧な表現としての意味 -
文化庁「第二話『敬語の基本』理解度チェックの解答」
― 「いたす」を謙譲語Ⅱ(丁重語)として示した敬語の分類 -
文化庁「現代社会における敬意表現―敬意表現についての留意点」
― 「お先に失礼します」を相手・場面への配慮を示す定型的な挨拶表現として紹介 -
文化庁「文化審議会著作権分科会 小委員会(第9回)」
― 発言の誤りを訂正する場面での「失礼いたしました」の公的な使用例 -
文化庁「第17期文化審議会第1回総会 議事録」
― 過去の言動を振り返って詫びる「失礼しました」の実際の使用例
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