「仮定」と「想定」は、どちらも現時点では確定していないことを、いったん考えの中に置くときに使われる言葉です。
そのため、
- 「売上が10%増えると仮定する」
- 「売上が10%増えると想定する」
のように、一見するとどちらでもよさそうな場面があります。
しかし、実際にはニュアンスが少し異なります。
結論からいうと、
- 仮定:議論・計算・思考などを進めるために、ある条件を「仮に正しいもの」として置く
- 想定:将来起こり得る状況や具体的な場面を「あらかじめ思い描いて設定する」
という違いがあります。
簡単にいうなら、
「もし○○だとしたら」と条件を置くのが仮定
「○○という状況が起こるかもしれない」と場面を思い描くのが想定
と考えるとわかりやすいでしょう。
この記事では、「仮定」と「想定」の意味・違い・使い分けを、仕事、計画、災害、数学、議論、シミュレーションなどの具体例を交えて詳しく解説します。
- 結論:「仮定」と「想定」の違いを一言でいうと?
- 「仮定」の意味とは?
- 「想定」の意味とは?
- 「仮定」と「想定」の最大の違いは目的
- 「仮定」は論理寄り、「想定」は場面・状況寄り
- 同じ数字でも「仮定」と「想定」で意味が変わる
- 「もし〜なら」は基本的に「仮定」と相性がよい
- 「〜を想定する」は具体的な場面と相性がよい
- 災害では「仮定」より「想定」が自然
- 数学では「想定」より「仮定」が自然
- 仕事では「仮定」と「想定」をどう使い分ける?
- 売上予測ではどちらを使う?
- 計画では「想定」が使われやすい
- 「想定していない」と「仮定していない」は大きく違う
- 「想定外」はよく使うが「仮定外」は通常使わない
- 「仮定の話」と「想定の話」の違い
- 「仮定する」と「想定する」の違い
- 「〜と仮定する」と「〜を想定する」の助詞にも注目
- 「仮定」と「前提」の違い
- 「仮定」と「仮説」の違い
- 「想定」と「予想」はどう違う?
- 「想定」と「予測」の違い
- 「想定」と「設定」の違い
- ビジネスでよく使う「仮定」の例文
- ビジネスでよく使う「想定」の例文
- 商品開発では「想定」が非常に重要
- 防災訓練ではなぜ「想定」が使われる?
- シミュレーションではどちらを使う?
- 「最悪の場合を仮定する」と「最悪の場合を想定する」
- 「想定される」と「仮定される」の違い
- 「想定する」と「見込む」の違い
- 「仮定」と「想定」は置き換えられる場合もある
- 迷ったら「その後に何をするか」で判断する
- 「仮定」と「想定」の使い分け早見表
- よくある間違い1:「想定=予想」と考える
- よくある間違い2:「仮定=根拠のない予想」と考える
- よくある間違い3:「想定する」を何でも「仮定する」に置き換える
- よくある間違い4:「仮定」と「仮説」を同じにする
- よくある間違い5:「想定」と「設定」を同じにする
- よくある質問(FAQ)
- Q1. 「仮定」と「想定」の違いを簡単にいうと?
- Q2. 「もし〜なら」は仮定と想定のどちらですか?
- Q3. 防災訓練では「仮定」と「想定」のどちらですか?
- Q4. 数学ではどちらを使いますか?
- Q5. 「売上を1000万円と仮定する」と「想定する」はどちらが正しいですか?
- Q6. 「100人を仮定する」と「100人を想定する」の違いは?
- Q7. 「想定外」とは何ですか?
- Q8. 「仮定外」という言葉はありますか?
- Q9. 「想定内」と「仮定内」は?
- Q10. 「想定する」と「予想する」の違いは?
- Q11. 「想定する」と「見込む」の違いは?
- Q12. 「仮定する」と「前提とする」は同じですか?
- Q13. 「仮定」と「仮説」の違いは?
- Q14. 「想定」と「設定」の違いは?
- Q15. 「利用者を仮定する」と「利用者を想定する」はどちらが自然?
- Q16. 「最悪の場合」は仮定と想定のどちら?
- Q17. 「仮定」と「想定」は完全に使い分けなければいけませんか?
- まとめ
- 参考リンク・出典
結論:「仮定」と「想定」の違いを一言でいうと?
| 言葉 | 中心的な意味 | 主な目的 | よく使う場面 |
|---|---|---|---|
| 仮定 | ある事柄を仮にそうだと定める | 議論・計算・推論を進める | 数学、研究、議論、条件設定 |
| 想定 | ある状況・条件をあらかじめ思い描く | 予測・準備・計画・対策を行う | 災害、事業計画、訓練、リスク管理 |
たとえば、
「参加者が100人だと仮定して計算する」
では、計算を行うための条件を置いています。
一方、
「参加者100人を想定して会場を準備する」
では、実際に100人来る状況を思い描き、それに備えています。
この違いが、「仮定」と「想定」を使い分ける基本です。
「仮定」の意味とは?
「仮定(かてい)」とは、まだ確定していないことや実際には確認されていないことについて、ひとまず「そうである」と定めることです。
辞書では、不確かなことを仮に定めることや、論理・推論の出発点となる前提条件を表す言葉とされています。
つまり、「仮定」では、現実に本当にそうなのかどうかは必ずしも重要ではありません。
大切なのは、
「この条件が正しいものとして考えてみよう」
と一時的に条件を置くことです。
仮定の例
- 売上が前年比10%増えると仮定する
- Aさんが犯人ではないと仮定して考える
- 摩擦がないものと仮定する
- 参加人数を100人と仮定して費用を計算する
- もし明日雨が降ると仮定した場合、予定を変更する
いずれも「実際にそうなる」と断定しているわけではありません。
考えるための条件として、一時的に置いています。
「仮定」そのものの詳しい意味については、「仮定」とは?意味・読み方・使い方をわかりやすく解説|「仮説・前提・想定・設定」との違いと例文も参考にしてください。
「想定」の意味とは?
「想定(そうてい)」とは、ある条件・状況について、実際に起こる可能性などを考えながら、あらかじめ場面を思い描いて設定することです。
たとえば、
- 大地震を想定した防災訓練
- 利用者1000人を想定したシステム
- 海外からの観光客を想定した案内
- 最悪の事態を想定して準備する
- 家族連れを想定した商品
などと使います。
「想定」には、単なる思考上の条件というだけでなく、実際の計画・準備・設計につなげるために具体的な状況を考えるニュアンスがあります。
「仮定」と「想定」の最大の違いは目的
二つの言葉を区別するときは、「なぜその条件を置くのか」を考えるとわかりやすくなります。
仮定:考えるために条件を置く
仮定では、
「とりあえずこうだとして話を進めよう」
という思考上の役割が中心です。
例:
「1個100円と仮定して計算しましょう。」
実際の価格が100円である必要はありません。
計算を行うために100円という条件を置いているだけです。
想定:起こり得る状況を考えて備える
想定では、
「こういう状況になる可能性があるので、その場合を考えよう」
という意味が中心です。
例:
「来場者1000人を想定して警備員を配置します。」
1000人という具体的な状況を見込み、それに合わせて準備しています。
「仮定」は論理寄り、「想定」は場面・状況寄り
さらに簡単に整理すると、
仮定=論理・思考のための条件
想定=現実に起こり得る場面・状況
という傾向があります。
| 視点 | 仮定 | 想定 |
|---|---|---|
| 中心 | 条件を置く | 状況を思い描く |
| 現実性 | 現実に起こらなくてもよい | 現実に起こる可能性を考えることが多い |
| 目的 | 推論・議論・計算 | 準備・予測・計画 |
| 典型場面 | 数学、研究、議論 | 災害、企画、設計、リスク管理 |
同じ数字でも「仮定」と「想定」で意味が変わる
たとえば「参加者100人」という同じ数字を使ってみましょう。
100人と仮定する
参加者を100人と仮定して、一人当たりの費用を計算する。
→ 計算条件として100人を置いています。
100人を想定する
参加者100人を想定して、会場を準備する。
→ 実際に100人が参加する状況を考え、それに備えています。
ここを見ると違いがかなり明確です。
「もし〜なら」は基本的に「仮定」と相性がよい
「もし〜なら」という文は、まだ事実ではない条件を置くため、「仮定」と非常に相性があります。
たとえば、
もし売上が半分になったと仮定すると、現在の経費では赤字になります。
もしA案を採用すると仮定した場合、追加費用が必要です。
仮に全員が参加すると仮定して計算します。
などです。
「仮定」は、条件文を使った思考と強く結びつきます。
「〜を想定する」は具体的な場面と相性がよい
想定は、具体的な出来事や利用場面と一緒によく使われます。
たとえば、
- 火災を想定する
- 地震を想定する
- 事故を想定する
- 利用者を想定する
- 顧客を想定する
- 最悪の事態を想定する
- トラブルを想定する
などです。
「どういう状況が起こる可能性があるか」を具体的に考えるときに使われます。
災害では「仮定」より「想定」が自然
防災分野では、「想定」が非常によく使われます。
たとえば、
震度6強の地震を想定した訓練を実施する。
大規模火災を想定して避難経路を確認する。
河川の氾濫を想定した防災計画を策定する。
などです。
これらを「地震を仮定した訓練」と言っても意味は理解できますが、通常は「想定した訓練」のほうが自然です。
なぜなら、単なる論理上の条件ではなく、現実に起こる可能性がある状況を具体的に再現・予測しているからです。
数学では「想定」より「仮定」が自然
逆に数学・論理の世界では「仮定」がよく使われます。
たとえば、
xが正の整数であると仮定する。
二つの直線が平行であると仮定する。
摩擦がないものと仮定する。
などです。
ここでは「現実にその場面が起こるか」を予測しているのではなく、論理的な条件を置いて、その条件から何が導けるかを考えています。
仕事では「仮定」と「想定」をどう使い分ける?
ビジネスでは両方ともよく使われます。
数字を置いて試算するなら「仮定」
原材料価格が5%上昇すると仮定して、利益率を計算しました。
販売数量を月1万個と仮定して試算しています。
→ 計算・分析の条件。
事業環境や顧客像を考えるなら「想定」
30代の会社員を主要顧客として想定しています。
海外市場への進出を想定した商品設計です。
→ 実際の利用者・場面を思い描く。
売上予測ではどちらを使う?
売上については、文脈によって両方使えます。
計算条件なら「仮定」
月間売上を500万円と仮定して利益を計算します。
ここでは500万円が分析上の条件です。
現実的な見込みとして考えるなら「想定」
初年度は年間6000万円程度の売上を想定しています。
こちらは、実際にその程度の売上になると見込んで事業計画を作っています。
計画では「想定」が使われやすい
「計画」と「想定」は非常に相性のよい言葉です。
計画を作るには、
- 利用者数
- 売上
- 事故
- 需要
- 人員
- 費用
- リスク
など、将来あり得る状況を考える必要があります。
そのため、
「○○を想定した計画」
という表現がよく使われます。
「想定していない」と「仮定していない」は大きく違う
否定形にすると違いがよりわかりやすくなります。
想定していない
そのような大量アクセスは想定していませんでした。
→ その状況が起こることを事前に考えていなかった。
仮定していない
この計算では価格変動を仮定していません。
→ 計算条件として価格変動を置いていない。
前者は「予測・準備」、後者は「条件設定」の話です。
「想定外」はよく使うが「仮定外」は通常使わない
「想定」には、
想定外
という非常によく使われる言葉があります。
意味は、
事前に考えていた範囲を超えていること
です。
例:
想定外の大雨が発生した。
アクセス数が想定を大きく上回った。
想定外のトラブルが起きた。
一方、「仮定外」という言い方は一般的ではありません。
この点からも、「想定」は現実に起こり得る状況・範囲を考える語であることがわかります。
「仮定の話」と「想定の話」の違い
「これは仮定の話ですが」は自然な表現です。
意味は、
「実際にそうだと言っているのではなく、もしそうだとした場合の話です」
です。
例:
これはあくまで仮定の話ですが、もし会社を辞めたら何をしたいですか。
一方、「想定の話」という表現は、「仮定の話」ほど一般的ではありません。
想定の場合は、
「○○というケースを想定して話します」
のように表現するほうが自然です。
「仮定する」と「想定する」の違い
| 表現 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 仮定する | 条件をひとまず真として置く | 人数を100人と仮定する |
| 想定する | 起こり得る状況を思い描く | 100人が来場することを想定する |
数字だけを見ると似ていますが、動詞として使ったときにも「条件」と「状況」という違いがあります。
「〜と仮定する」と「〜を想定する」の助詞にも注目
典型的な文型にも違いがあります。
仮定
AをBと仮定する
○○であると仮定する
例:
商品の単価を1000円と仮定します。
想定
○○を想定する
○○という状況を想定する
例:
停電を想定します。
利用者が急増する状況を想定します。
もちろん例外はありますが、この文型の違いを覚えると使い分けやすくなります。
「仮定」と「前提」の違い
仮定と似た言葉に「前提」があります。
前提は、議論・判断などの基礎となる条件です。
違いを簡単にすると、
- 仮定:仮に条件を置く行為・条件
- 前提:その後の議論・計画の土台として扱う条件
です。
たとえば、
「売上が10%増えると仮定して計算した」
では、分析のために条件を設定しています。
「売上10%増を前提に採用計画を作った」
では、その条件を土台にして計画を作っています。
詳しくは、「仮定」と「前提」の違いとは?意味・使い分けを仕事・議論・数学・「もし〜なら」の例文で徹底解説をご覧ください。
「仮定」と「仮説」の違い
「仮説」もよく混同されます。
仮説とは、ある現象を説明するために仮に立てる考えで、通常は検証の対象になります。
一方、仮定は必ずしも検証する必要がありません。
たとえば、
「売上が100万円だと仮定して計算する」
場合、100万円が本当に正しいかを証明する必要はありません。
一方、
「価格を下げれば売上が増える」という仮説
を立てたなら、実際のデータで検証することが考えられます。
詳しくは、「仮説」と「仮定」の違いは?意味・使い分け・検証や前提条件を例文で解説も参考にしてください。
「想定」と「予想」はどう違う?
「予想」は、これから起こる結果について前もって見当をつけることです。
「想定」は、結果を当てることより、ある状況を考えの中に設定することに重点があります。
たとえば、
「明日の来場者は1000人と予想している」
なら、実際に1000人くらい来るだろうと見込んでいます。
「最大1000人の来場を想定して警備する」
なら、1000人来るケースに対応できるよう準備しています。
想定した人数が最も起こりそうな人数である必要はありません。
「想定」と「予測」の違い
予測は、データ・状況・傾向などから将来を見積もる意味が強い言葉です。
想定は、必ずしも高度な根拠に基づく必要はなく、準備のために条件や場面を置くことができます。
たとえば、
需要予測では来月の販売数を8000個と見込んでいる。
一方、
最大1万個の注文を想定して生産体制を整える。
という使い分けができます。
「想定」と「設定」の違い
「設定」は、条件・場所・数値・役割などを具体的に定めることです。
「想定」は、その前段階として状況を思い描く意味が強くなります。
たとえば、
高齢者の利用を想定する。
→ どのような人が利用するのかを考える。
文字サイズを18ポイントに設定する。
→ 具体的な値を決める。
このように、「想定した結果、具体的な設定を行う」という流れになることもあります。
ビジネスでよく使う「仮定」の例文
売上
売上高が前年と同程度で推移すると仮定して、来期の利益を試算します。
コスト
原材料費が10%上昇すると仮定した場合、製造原価は約5%上昇します。
人員
現在の人員数が変わらないと仮定して、生産能力を算出しました。
会議
仮にA社が参加しないと仮定すると、別の協力会社を探す必要があります。
ビジネスでよく使う「想定」の例文
顧客
本製品は20代から40代の利用者を想定しています。
販売
月間販売数5000個を想定して生産計画を立てています。
システム
同時アクセス1万人を想定したサーバー構成です。
トラブル
通信障害を想定し、予備回線を準備しています。
商品開発では「想定」が非常に重要
商品開発では、
想定ユーザー
想定顧客
想定利用シーン
などの表現が使われます。
たとえば、
この商品は一人暮らしの高齢者を想定しています。
という場合、単なる条件ではなく、実際に誰がどのように使うのかを思い描いています。
したがって「高齢者を仮定した商品」より、「高齢者を想定した商品」のほうが自然です。
防災訓練ではなぜ「想定」が使われる?
防災訓練では、実際の災害に近い状況を仮想的につくり、その状況にどう対応するか確認します。
そのため、
地震を想定した訓練
火災を想定した避難訓練
大雨による浸水を想定した訓練
という表現が自然です。
ここで重要なのは「その条件が正しいとして論理を進めること」ではなく、実際に発生した場合の状況を再現することだからです。
シミュレーションではどちらを使う?
シミュレーションでは両方使われる可能性があります。
計算条件
人口増加率を年1%と仮定する。
再現する場面
大規模停電を想定したシミュレーションを行う。
つまり、一つのシミュレーションの中でも、
「条件は仮定し、状況は想定する」
という使い分けができます。
「最悪の場合を仮定する」と「最悪の場合を想定する」
どちらも成立しますが、ニュアンスが違います。
最悪の場合を仮定する
「最悪のケースだと仮に決めて、その条件で計算・議論する」という意味です。
最悪の場合を想定する
「最悪の事態が実際に起こる可能性を考え、それに備える」という意味です。
リスク管理では後者の「最悪の事態を想定する」が特によく使われます。
「想定される」と「仮定される」の違い
受け身でも違いがあります。
想定される
多数の利用者が想定される。
→ 多数の利用者が利用する状況が考えられている。
仮定される
このモデルでは一定の成長率が仮定されている。
→ モデルの計算条件として一定の成長率が置かれている。
「想定する」と「見込む」の違い
「見込む」は、実際にそうなる可能性が高いと判断するニュアンスがあります。
一方、想定は、必ずしも最も可能性が高いケースだけを扱うわけではありません。
たとえば、
売上は年間1億円を見込んでいる。
なら、実際にその程度になると予測しています。
売上が5000万円まで落ち込むケースも想定している。
なら、そうなる可能性に備えているという意味です。
「仮定」と「想定」は置き換えられる場合もある
二つの言葉には意味の重なりがあるため、実際には両方使える文章もあります。
たとえば、
「来場者数を1000人と仮定する」
「来場者数を1000人と想定する」
はいずれも不自然ではありません。
ただし、
- 計算上の条件として1000人を置く → 仮定
- 実際に1000人来る場面を考えて準備する → 想定
というニュアンスの違いがあります。
迷ったら「その後に何をするか」で判断する
使い分けに迷った場合は、その条件を置いた後に何をするのか考えてみましょう。
その後に計算・推論・議論する
→ 仮定
例:
単価を500円と仮定して計算する。
その後に準備・設計・対策する
→ 想定
例:
利用者500人を想定して設備を準備する。
この判断方法は、実務でもかなり使いやすいでしょう。
「仮定」と「想定」の使い分け早見表
| 場面 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 数学の条件 | 仮定 | 論理・計算の条件を置くため |
| 研究上の計算条件 | 仮定 | 分析上の前提条件だから |
| 「もし〜なら」の話 | 仮定 | 事実ではない条件を置くため |
| 防災訓練 | 想定 | 具体的な災害状況を思い描くため |
| ターゲット顧客 | 想定 | 実際の利用者像を考えるため |
| システムの利用人数 | 想定 | 運用時の状況に備えるため |
| 試算用の人数 | 仮定 | 計算条件として置くため |
| リスク管理 | 想定 | 起こり得る事態に備えるため |
よくある間違い1:「想定=予想」と考える
想定は必ずしも「実際にそうなると思っている」という意味ではありません。
たとえば、
最悪の事態を想定する
という場合、最悪の事態が最も起こりやすいと予想しているわけではありません。
可能性は低くても、起きた場合に備えて考えているのです。
よくある間違い2:「仮定=根拠のない予想」と考える
仮定は「当てずっぽう」という意味ではありません。
論理・分析を行うために、意図的に条件を置くものです。
科学・数学・経済モデルなどでも普通に使われます。
よくある間違い3:「想定する」を何でも「仮定する」に置き換える
たとえば、
「大地震を仮定した防災訓練」
でも意味は伝わりますが、一般には、
「大地震を想定した防災訓練」
のほうが自然です。
現実的な状況を具体的に思い描き、それに備えるからです。
よくある間違い4:「仮定」と「仮説」を同じにする
仮説は通常、あとで検証するために立てる説明・考えです。
仮定は、思考・計算のために条件を置くことであり、必ずしも検証対象ではありません。
よくある間違い5:「想定」と「設定」を同じにする
想定は「こういう状況だろう・こういう状況もあり得る」と思い描くことです。
設定は、そのうえで数値・条件・役割などを具体的に定めることです。
たとえば、
高齢者の利用を想定し、文字サイズを大きめに設定する。
とすれば、両者の違いがよくわかります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「仮定」と「想定」の違いを簡単にいうと?
仮定は考えるために条件を仮に置くこと、想定は起こり得る状況をあらかじめ思い描くことです。
Q2. 「もし〜なら」は仮定と想定のどちらですか?
基本的には「仮定」と相性があります。
「もし○○なら」と条件を置いて、その条件のもとで考えるからです。
Q3. 防災訓練では「仮定」と「想定」のどちらですか?
一般的には「想定」です。
「地震を想定した防災訓練」「火災を想定した避難訓練」などと表現します。
Q4. 数学ではどちらを使いますか?
通常は「仮定」を使います。
「xを正の整数と仮定する」「摩擦がないと仮定する」など、論理・計算条件を置くからです。
Q5. 「売上を1000万円と仮定する」と「想定する」はどちらが正しいですか?
どちらも可能です。
試算のために1000万円という条件を置くなら「仮定」、実際の事業計画として1000万円程度になるケースを考えるなら「想定」がより自然です。
Q6. 「100人を仮定する」と「100人を想定する」の違いは?
100人という数字を計算条件として置くなら「仮定」、実際に100人来る状況を考えて準備するなら「想定」です。
Q7. 「想定外」とは何ですか?
事前に考えていた条件・範囲を超えていることです。
「想定外の事態」「想定外のアクセス数」などと使います。
Q8. 「仮定外」という言葉はありますか?
通常、「想定外」のような一般的表現として「仮定外」はあまり使いません。
計算条件を超えたという意味なら、「仮定した条件とは異なる」「仮定の範囲外」などと表現すると明確です。
Q9. 「想定内」と「仮定内」は?
「想定内」は一般的に使われます。
「仮定内」は一般的な定型表現ではありません。
Q10. 「想定する」と「予想する」の違いは?
予想は将来の結果について見当をつけることです。
想定は、結果を当てることよりも、ある条件・状況を思い描いて準備や計画に使うことに重点があります。
Q11. 「想定する」と「見込む」の違いは?
見込むは「実際にそうなる可能性が高い」と考える意味が強く、想定は可能性が低いケースも含め、準備のために考えることができます。
Q12. 「仮定する」と「前提とする」は同じですか?
似ていますが完全には同じではありません。
仮定は条件を仮に置くこと、前提はその条件を議論・計画などの土台として扱うことです。
Q13. 「仮定」と「仮説」の違いは?
仮定は思考・計算のための条件です。
仮説は、ある現象を説明するために仮に立て、検証していく考えです。
Q14. 「想定」と「設定」の違いは?
想定は状況や条件を思い描くこと、設定は条件・数値などを具体的に定めることです。
Q15. 「利用者を仮定する」と「利用者を想定する」はどちらが自然?
商品・サービスの利用者像を考える場合には、通常「利用者を想定する」のほうが自然です。
例:「このサービスは高齢者の利用を想定しています。」
Q16. 「最悪の場合」は仮定と想定のどちら?
計算・議論の条件として置くなら「最悪の場合を仮定する」。
実際に起こる可能性を考え、備えるなら「最悪の事態を想定する」が自然です。
Q17. 「仮定」と「想定」は完全に使い分けなければいけませんか?
意味の重なる部分があるため、どちらでも通じる文章もあります。
ただし、「計算・論理上の条件」なのか「現実に起こり得る状況への準備」なのかを意識すると、より自然で正確に使い分けられます。
まとめ
「仮定」と「想定」は、どちらも確定していない条件・状況を扱う言葉ですが、中心となる考え方が異なります。
| 言葉 | 意味 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 仮定 | 不確かなことを仮にそうだと定める | 「もし○○なら」と条件を置く |
| 想定 | ある条件・状況を仮に思い描いて設定する | 「○○が起きたら」と場面を考える |
迷った場合は、次のように判断するとわかりやすいでしょう。
- 計算・推論のための条件 → 仮定
- もし〜ならという思考 → 仮定
- 現実に起こり得る場面 → 想定
- 準備・計画・対策につなげる → 想定
- 数学・論理 → 仮定が多い
- 防災・商品設計・リスク管理 → 想定が多い
たとえば、
「参加者を100人と仮定して費用を計算する」
では、100人は計算のための条件です。
一方、
「参加者100人を想定して会場を準備する」
では、100人が実際に来場する状況を思い描いています。
この「条件を置く」のか「状況を思い描く」のかという違いを押さえておけば、「仮定」と「想定」をかなり迷わず使い分けられるようになります。
参考リンク・出典
-
コトバンク:仮定
仮定(カテイ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 仮定の用語解説 - [名](スル)1 未定のこと、不確かなことを仮にこうと定めること。また、仮に定めた事柄。「今ここにコップがあると仮定してみよう」「仮定の上に立って物を言う」2 論理学などで、ある命題を導き出す推論の出... -
コトバンク:想定
想定(ソウテイ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 想定の用語解説 - [名](スル)ある条件や状況を仮に設定すること。「火災を想定して避難訓練をする」仮定・設定・仮説 -
コトバンク:設定
設定(セッテイ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 設定の用語解説 - [名](スル)1 ある物事や条件をつくり定めること。「討論の場を設定する」「舞台を江戸時代に設定する」2 法律で、新たに権利を発生させること。「抵当権を設定する」仮定・想定・仮説 -
コトバンク:仮説
仮説(カセツ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 仮説の用語解説 - ある現象を合理的に説明するため、仮に立てる説。実験・観察などによる検証を通じて、事実と合致すれば定説となる。仮定・想定・設定 -
コトバンク:予想
予想(ヨソウ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 予想の用語解説 - [名](スル)物事の成り行きや結果について前もって見当をつけること。また、その内容。「予想が当たる」「混雑が予想される」予想・予期――「結果は予想(予期)したとおりだった」「予想(予期)に反して、不作...
