会社の組織図や求人情報、役職名などを見ていると、
「複数の部署を統括する」
「統括責任者」
「統括部長」
「統括マネージャー」
といった表現を目にすることがあります。
しかし、「統括」は日常会話ではそれほど頻繁に使わないため、
- 「統括」とは簡単にいうと何なのか
- 「統括する」とはどのような意味なのか
- 「統括責任者」は普通の責任者と何が違うのか
- 「統括部長」「統括マネージャー」はどのくらい偉いのか
- 「統括」と「総括」は何が違うのか
- 「管理・監督・主管・管掌」とどう使い分けるのか
- 「統括」の言い換えや英語表現は何か
など、さまざまな疑問があります。
結論からいうと、「統括」とは、複数の人・部署・業務・意見など、分かれているものを一つのまとまりとしてまとめることです。
仕事や組織について使う場合は、単にまとめるだけではなく、
「全体を見ながら、複数の部署・業務・担当者などをまとめて管理する」
というニュアンスを持つことがあります。
この記事では、「統括」の意味・読み方・使い方から、「統括する・統括責任者・統括部長・統括マネージャー」の意味、「総括・管理・監督・主管・管掌」との違い、言い換え・英語・例文まで詳しく解説します。
結論|「統括」とは複数のものを一つにまとめること
「統括」は、
とうかつ
と読みます。
意味を簡単にいうと、
ばらばらになっている複数のものを、一つにまとめること
です。
たとえば、複数の部署を一人の責任者がまとめて見ている場合、
「複数部署を統括する」
と表現できます。
また、全国に複数の営業所があり、それらを本社の一部門がまとめて管理しているなら、
「全国の営業拠点を統括する部署」
という使い方もできます。
| 言葉 | 簡単な意味 |
|---|---|
| 統括 | 複数のものを一つにまとめる |
| 統括する | 全体を見ながら複数の対象をまとめる |
| 統括責任者 | 複数の業務・組織などをまとめる責任者 |
| 統括部長 | 複数部門などをまとめる立場の部長 |
| 統括マネージャー | 複数のチーム・業務などをまとめる管理職 |
「統括」をもっと簡単にいうと?
できるだけ簡単にいうなら、
「いくつかに分かれているものを、全体としてまとめる」
という意味です。
たとえば、営業部門に、
- 法人営業
- 個人営業
- 営業企画
- 営業支援
という複数の部署があったとします。
それぞれに責任者がいたとしても、さらに上の立場から営業部門全体をまとめる人がいる場合、その人について、
「営業部門全体を統括している」
と表現できます。
つまり「統括」には、
個別を見るのではなく、全体をまとめる
という意味が含まれています。
「統括する」とは?
「統括」は、
「○○を統括する」
という形でよく使われます。
「統括する」とは、
複数の人・部署・業務・意見などを、一つのまとまりとして取りまとめること
です。
仕事では、
- 複数部署を統括する
- 全国の支店を統括する
- プロジェクト全体を統括する
- 営業部門を統括する
- 複数チームを統括する
などと使います。
単に一つの仕事を担当するというより、複数の対象を全体的な視点からまとめる場合に使いやすい言葉です。
「統括責任者」とは?
「統括責任者」とは、一般的には、
複数の部署・業務・担当者などをまとめ、全体について責任を持つ人
を意味します。
たとえば、複数のチームで一つの大規模プロジェクトを進めている場合、各チームに責任者がいて、その上に全体をまとめる「統括責任者」を置くことがあります。
イメージとしては、
各チーム責任者 → 個別チームを見る
統括責任者 → チームを横断して全体を見る
という違いです。
統括責任者には、組織によって、
- 全体方針の決定
- 各部門との調整
- 進捗確認
- 問題への対応
- 人員・予算の調整
- 上位者への報告
などの役割が与えられる場合があります。
ただし、「統括責任者」という名称だけで具体的な権限が全国共通に決まっているわけではありません。
会社・組織・制度によって役割は異なるため、実際の職務内容は規程・職務分掌などを確認する必要があります。
「統括部長」とは?
「統括部長」とは、会社などで使われる役職・呼称の一つです。
一般的には、
複数の部署・部門などをまとめる立場の部長
という意味で使われます。
たとえば、
- 第一営業部
- 第二営業部
- 営業企画部
という複数部署をまとめて見る部長について、会社によっては「営業統括部長」などと呼ぶことがあります。
ただし、「統括部長」という役職の位置づけは会社によって異なります。
ある会社では通常の部長より上位でも、別の会社では単に担当範囲の違いを示しているだけということもあります。
そのため、
「統括部長=必ず部長より上」
とは一律にはいえません。
社内の役職序列を確認したい場合は、その会社の組織図や職制規程を見る必要があります。
「統括マネージャー」とは?
「統括マネージャー」も、複数のチーム・店舗・拠点・業務などをまとめる管理職として使われることがあります。
たとえば、
- 複数店舗を統括するマネージャー
- 複数の営業チームを見る統括マネージャー
- 複数拠点を管理する統括マネージャー
などです。
一般のマネージャーが一つのチームを見るのに対して、統括マネージャーは、
複数のチーム・責任者をまとめる立場
として置かれる場合があります。
ただし、これも会社独自の役職名です。
会社によっては、
- エリアマネージャー
- シニアマネージャー
- ゼネラルマネージャー
- 統括責任者
など、別の名称を使うこともあります。
「統括」と「総括」の違い
「統括」と非常によく似ている言葉が、
「総括」
です。
読み方も、
統括=とうかつ
総括=そうかつ
と似ています。
意味も「まとめる」という点では共通していますが、使われ方に違いがあります。
簡単に整理すると、
統括=複数のものを一つにまとめ、全体として管理する
総括=全体をまとめ、締めくくる
です。
| 比較 | 統括 | 総括 |
|---|---|---|
| 読み方 | とうかつ | そうかつ |
| 意味の中心 | 複数のものを一つにまとめる | 全体をまとめて締めくくる |
| よく使う対象 | 部署・組織・業務・人 | 意見・活動・結果・議論 |
| 時間的イメージ | 継続的にまとめる場合も多い | 最後に振り返ってまとめる場合が多い |
| 例 | 全国の営業所を統括する | 一年間の活動を総括する |
たとえば、
「営業所を統括する」
は、複数の営業所を全体としてまとめて管理する意味です。
一方、
「今年度の活動を総括する」
なら、一年間の活動を振り返り、まとめる意味になります。
覚え方としては、
統括=「まとめて動かす」
総括=「まとめて締めくくる」
と考えると使い分けやすいでしょう。
「統括」と「管理」の違い
「管理」は、人・物・情報・業務などを適切な状態に保ち、運営することを広く表します。
一方「統括」は、
複数のものをまとめて全体を見る
ことに重点があります。
たとえば、
「在庫を管理する」
は自然ですが、
「在庫を統括する」
は通常あまり自然ではありません。
一方、
「全国の在庫管理部門を統括する」
なら、複数の部門を全体としてまとめる意味になるため自然です。
つまり、
管理=個別の対象を維持・運営する
統括=複数の管理対象・部署などをまとめる
という違いがあります。
「統括」と「監督」の違い
「監督」は、
人・業務などが適切に行われているかを見守り、必要に応じて指導すること
です。
一方「統括」は、複数の対象を一つにまとめることが中心です。
そのため、
監督=正しく行われているかを見る
統括=複数のものを全体としてまとめる
と整理できます。
統括責任者が、各部門を監督することもあります。
つまり「統括」と「監督」は、同じ人が両方を行うことはあっても、言葉の意味そのものは異なります。
「統括」と「主管」の違い
「主管」は、
主となる立場で仕事・業務を管理すること
を意味します。
「統括」との違いを簡単に整理すると、
統括=複数のものを全体としてまとめる
主管=ある仕事について中心的な立場になる
です。
たとえば、複数部署が関係するプロジェクトで、人事部が中心となって進める場合、人事部を「主管部署」とすることがあります。
一方、その複数部署全体を一人の責任者がまとめている場合、その責任者がプロジェクトを「統括する」と表現できます。
「主管」の意味については、「主管」とは?で詳しく解説しています。
「統括」と「管掌」の違い
「管掌」も会社組織で使われる似た言葉です。
「管掌」は、
ある職務・業務・部門を、自分の責任ある職務として受け持つこと
です。
一方「統括」は、
複数の人・部署・業務などを一つにまとめること
です。
簡単にいえば、
管掌=責任ある範囲として受け持つ
統括=複数の対象をまとめる
という違いがあります。
たとえば、
「A取締役が営業部門を管掌する」
なら、A取締役が営業部門を責任ある職務として受け持つ意味です。
「A取締役が全国の営業拠点を統括する」
なら、全国に分かれている営業拠点を一つのまとまりとしてまとめる意味が強くなります。
「管掌」の詳しい意味については、「管掌」とは?も参考にしてください。
「統括」と「管轄」の違い
「管轄」は、
ある機関・組織などが権限を持って取り扱う範囲
を表します。
一方「統括」は、
複数の対象を一つにまとめる行為・役割
に重点があります。
たとえば、
「関東地区を東京支社が管轄する」
なら、東京支社の権限・担当範囲を表します。
一方、
「関東地区の各支店を本部長が統括する」
なら、複数の支店を本部長がまとめていることを表します。
「管轄」について詳しくは、「管轄」とは?で解説しています。
「統括」と「統合」の違い
「統合」は、
複数のものを合わせて一つにすること
です。
「統括」と似ていますが、重要な違いがあります。
たとえば、
「二つの部署を統合する」
なら、部署自体を一つにまとめます。
一方、
「二つの部署を一人の部長が統括する」
なら、部署自体は別々に存在したまま、一人の部長がまとめて見ることもできます。
つまり、
統合=複数のもの自体を一つにする
統括=複数のものを残したまま、全体としてまとめる場合もある
という違いがあります。
「統括」の類語・言い換え
「統括」は、文脈によって次のような言葉に言い換えられます。
| 言葉 | ニュアンス |
|---|---|
| まとめる | 最も一般的な言い換え |
| 取りまとめる | 複数の意見・業務などを整理する |
| 統合する | 複数のものを一つにする |
| 管理する | 適切に維持・運営する |
| 監督する | 業務・人を見守り指導する |
| 統率する | 人・集団をまとめて率いる |
| 統轄する | まとめて支配・管理する |
| 取り仕切る | 全体の運営を受け持つ |
ただし、完全に同じ意味ではありません。
会社の正式な役職名や規程では、「統括」を単純に別の言葉へ置き換えないほうがよい場合があります。
「統括」の英語は?
「統括」は、英語では文脈によって表現が異なります。
代表的には、
- oversee
- supervise
- coordinate
- manage
- be in charge of
などが使われます。
たとえば、
「複数の部署を統括する」
なら、
oversee several departments
などと表現できます。
複数の業務・部門を調整しながらまとめる意味を強調するなら、
coordinate
が合う場合もあります。
「統括」は日本語でも意味の幅が広いため、英語では、
- 管理するのか
- 監督するのか
- 調整するのか
- 全体責任を負うのか
によって訳し分ける必要があります。
「統括する」の例文
- 本部長が全国の営業拠点を統括している。
- 新設された部署が海外事業を統括する。
- 統括責任者が各チームの進捗を確認した。
- 複数のプロジェクトを一人のマネージャーが統括する。
- 営業・販売・マーケティング部門を統括している。
- 地域ごとの支店を本社が統括する。
- プロジェクト全体を統括する責任者を任命した。
- 複数部署の意見を統括し、方針をまとめた。
役職名で使う「統括」の例
会社では、次のような役職・呼称に「統括」が使われることがあります。
- 営業統括部長
- 事業統括部長
- 統括責任者
- 統括マネージャー
- エリア統括
- 店舗統括
- 事業統括責任者
ただし、これらの肩書が示す権限や序列は会社によって異なります。
「統括」という文字が付いているからといって、必ず特定の役職より上位になるわけではありません。
「統括」を使うときの注意点
1.単なる担当と同じではない
一つの仕事を担当するだけなら、「担当する」のほうが自然です。
「統括」は、複数の人・部署・業務をまとめる意味が強い言葉です。
2.役職名の意味は会社ごとに異なる
統括部長・統括マネージャー・統括責任者などは、会社独自の役職名として使われることがあります。
具体的な権限・待遇・序列は、その会社の規程や組織図を確認しましょう。
3.「総括」と混同しない
「統括」と「総括」は非常に似ています。
迷ったときは、
今ある複数のものをまとめて動かす → 統括
これまでの内容・活動をまとめて締めくくる → 総括
と考えるとわかりやすいでしょう。
4.専門用語の「統括」は別に確認する
「統括安全衛生責任者」「統括防火管理者」など、「統括」を含む法律・制度上の専門用語もあります。
これらは一般的な「統括」の意味だけでは判断できないため、該当する制度・法令の定義を確認する必要があります。
FAQ|「統括」についてよくある質問
Q1.「統括」とは簡単にいうと?
複数に分かれているものを、一つのまとまりとしてまとめることです。
Q2.「統括」の読み方は?
「とうかつ」と読みます。
Q3.「統括する」とは?
複数の人・部署・業務などを、全体的な立場から一つにまとめることです。
Q4.「統括責任者」とは?
複数の部署・業務・担当者などをまとめ、全体について責任を持つ人を指す場合があります。
Q5.統括責任者は普通の責任者より上ですか?
必ずしもそうとは限りません。ただし、複数の責任者や部門をまとめる役割として置かれる場合があります。
Q6.「統括部長」とは?
複数の部署・部門などをまとめる立場の部長として使われることがあります。ただし役職の位置づけは会社によって異なります。
Q7.「統括マネージャー」とは?
複数のチーム・店舗・拠点などをまとめるマネージャーを意味する場合があります。
Q8.「統括」と「総括」の違いは?
統括は複数のものをまとめて全体を管理すること、総括は全体をまとめて締めくくることです。
Q9.「統括」と「管理」の違いは?
管理は対象を適切に維持・運営すること、統括は複数の対象を全体としてまとめることです。
Q10.「統括」と「主管」の違いは?
統括は複数のものをまとめること、主管は特定の仕事について中心的な立場で管理することです。
Q11.「統括」と「管掌」の違いは?
統括は複数の対象をまとめること、管掌はある業務・部門を責任ある職務として受け持つことです。
Q12.「統括」と「統合」の違いは?
統合は複数のもの自体を一つにすることです。統括は、それぞれを別組織のまま残しながら全体をまとめる場合もあります。
Q13.「統括」の言い換えは?
文脈によって「まとめる・取りまとめる・管理する・監督する・統率する・取り仕切る」などがあります。
Q14.「統括」の英語は?
文脈によって「oversee」「supervise」「coordinate」「manage」などが使われます。
まとめ|「統括」は複数のものを全体としてまとめること
「統括」とは、ばらばらになっている複数の人・部署・業務・意見などを、一つのまとまりとしてまとめることです。
ポイントをまとめると、
- 「統括」の読み方は「とうかつ」
- 統括=複数のものを一つにまとめること
- 仕事では「全体を見ながら複数の部署・業務をまとめる」意味で使われる
- 「統括責任者」は全体をまとめる責任者
- 「統括部長」は複数部門などをまとめる部長として使われる場合がある
- 「統括マネージャー」は複数のチーム・店舗・業務などをまとめる管理職として使われる
- 統括は「まとめて管理する」、総括は「まとめて締めくくる」
- 管理は個別対象の維持・運営、統括は複数対象をまとめることに重点がある
- 主管は中心的な立場で管理すること
- 管掌は責任ある職務として受け持つこと
- 統合は複数のもの自体を一つにすること
- 統括を含む役職名の位置づけは会社によって異なる
と整理できます。
最も簡単に覚えるなら、
統括=「ばらばらのものを、全体としてまとめる」
です。
「管理・主管・管掌・総括」などと迷ったときは、複数の人や部署などを横断して一つにまとめる場面かどうかを考えると、「統括」を使うべき場面がわかりやすくなります。
