「両社が契約条件に合意した」「個人情報の利用に同意する」など、「合意」と「同意」はどちらも人の意思に関係する言葉です。
意味がよく似ているため、
「契約に合意する」と「契約に同意する」は何が違う?
「相手の意見に合意する」と「同意する」はどちらが自然?
「合意を得る」と「同意を得る」はどう使い分ける?
と迷うこともあるでしょう。
簡単にいうと、「合意」は複数の当事者の意思や意見が一致すること、「同意」は相手から示された意見・提案・条件などに賛成し、受け入れる意思を示すことです。
たとえば、会社Aと会社Bが契約条件について話し合い、双方が「この条件で進めよう」と意思を一致させれば、「両社が契約条件に合意した」と表現できます。
一方、サービス利用者が個人情報の取扱方法について説明を受け、「その取扱いでよい」と意思を示すなら、「個人情報の取扱いに同意した」と表現できます。
つまり、「同意」は一方の人が示された内容を受け入れる行為を表すことができ、その結果として複数の意思が一致すれば「合意」が成立する場合もあります。
この記事では、「合意」と「同意」の基本的な意味から、契約・会議・個人情報・医療・ビジネスでの使い分け、迷ったときの判断方法まで詳しく解説します。
- 「合意」と「同意」の違い【結論】
- 「合意」とは?
- 「同意」とは?
- 「合意」と「同意」の決定的な違い
- 「合意」と「同意」はどちらも契約で使われる
- 労働契約法では「合意」が重要な言葉として使われる
- 個人情報では「本人の同意」が使われる
- 医療でも「同意」が重要な意味を持つ
- 「合意を得る」と「同意を得る」の違い
- 具体例で「合意」と「同意」の違いを理解しよう
- 「合意」と「了承」はどう違う?
- 「合意」と「承認」はどう違う?
- 「合意」と「同意」は両方成立することがある
- 「全員の同意」と「全員の合意」はどう違う?
- 「合意形成」とは?
- 条件を変えたら「同意・合意」を取り直す必要があることも
- 「合意」と「同意」で迷ったときの3秒判定
- 「合意」と「同意」の例文
- 「合意」と「同意」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考資料・出典
「合意」と「同意」の違い【結論】
まずは、2つの違いを比較表で整理しましょう。
| 比較項目 | 合意 | 同意 |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 互いの意思・意見が一致する | 他人の意見などに賛成する |
| 注目する点 | 複数の当事者の意思が一致した状態 | 一方が示された内容を受け入れる意思 |
| 人数・関係 | 複数の当事者を前提としやすい | 一人が相手の提案などに示すことができる |
| よく使う場面 | 契約・交渉・協議・共同決定など | 契約・個人情報・医療・規約・提案など |
| よくある表現 | 合意に達する・合意形成・基本合意 | 同意を得る・同意書・本人の同意 |
| 例 | 両社が契約条件に合意した | 利用規約に同意した |
一言で覚えるなら、
合意=「お互いの意思が一致した」
同意=「私はその内容に賛成・承諾します」
と考えるとわかりやすいでしょう。
「合意」とは?
「合意」の意味
「合意」とは、互いの意思が一致することです。
辞書では、法律上の意味として、当事者の意思表示が合致することとも説明されています。
たとえば、
- 両社が契約条件について合意する。
- 話し合いの結果、合意に達した。
- 労使双方が新しい条件に合意した。
- 離婚条件について夫婦が合意する。
- 参加者全員の合意を形成する。
などと使います。
「合意」の「合」には、「合う」「一つになる」といった意味があります。
そのため、合意では複数の人・組織の意思が同じ地点に到達したことが重要になります。
「合意」は話し合いの結果を表すことが多い
「合意」は、交渉・協議・話し合いなどの結果として使われることが多い言葉です。
たとえば、会社Aと会社Bが商品の価格について交渉していたとします。
会社Aは1個1,000円を希望し、会社Bは900円を希望していました。
話し合いの結果、両社が950円で納得したのであれば、
「両社は1個950円という価格で合意した」
と表現できます。
重要なのは、どちらか一方だけが賛成したことではありません。
双方の意思が一致したことが「合意」です。
「合意に達する」という表現が自然な理由
「合意」では「合意に達する」という表現がよく使われます。
これは、それぞれ異なる考えを持っていた当事者が、話し合いや交渉を経て一つの結論にたどり着くイメージがあるためです。
たとえば、
「長時間の交渉の末、両社は合意に達した」
という文章では、
意見が異なる状態
↓
話し合い・交渉
↓
意思が一致する
という流れがあります。
「同意」とは?
「同意」の意味
「同意」とは、他人の意見などに対して賛成することです。
また、「同じ意見」「同じ考え」という意味もあります。
たとえば、
- 相手の意見に同意する。
- 契約内容に同意する。
- 個人情報の利用に同意する。
- 手術について説明を受け、同意する。
- 提案に同意する。
などと使います。
「同意」の「同」は「同じ」、「意」は考え・意思を表します。
そのため、相手から示された内容について、「自分もその内容でよいと考えます」と意思を示すニュアンスがあります。
「同意」は一人の意思表示として使える
「合意」との違いを理解するうえで重要なのが、この点です。
「合意」は複数の当事者の意思が一致した状態を表します。
一方、「同意」は、一人の人が相手から提示された内容について承諾の意思を示す場合にも使えます。
たとえばウェブサービスで、
「利用規約に同意する」
というボタンを押す場合です。
利用者は、事業者から提示された利用規約について、「この内容を受け入れます」と意思を示しています。
このような場面では「合意する」より「同意する」が一般的です。
「合意」と「同意」の決定的な違い
違い1:「双方の一致」が合意、「一方の賛成」が同意
最もわかりやすい違いです。
たとえば、AさんがBさんに次のように提案したとします。
Aさん:「来週の会議は火曜日に変更しませんか?」
Bさんが、
「はい、その案に同意します」
と答えました。
この時点でBさんは、Aさんの提案に「同意」しています。
そしてAさんとBさんの両方が火曜日開催を望んでいるので、
「2人は火曜日開催で合意した」
とも表現できます。
つまり、
Bさん側から見る → 同意
AさんとBさん全体を見る → 合意
という違いがあります。
違い2:「合意」は関係全体、「同意」は個人の意思に注目しやすい
「合意」は、当事者同士の関係に注目します。
たとえば、
「会社と労働者が合意した」
という文章では、双方の意思が一致したことがポイントです。
一方、
「労働者が変更に同意した」
なら、労働者側が変更を受け入れたかどうかに焦点があります。
この違いは、契約や労働条件などを説明するときにも重要です。
違い3:「同意」は提示された内容に対して使いやすい
「同意」は、相手や事業者などから示された内容について意思を示す場面と特に相性があります。
たとえば、
- 利用規約に同意する
- 個人情報の利用に同意する
- 治療に同意する
- 提案に同意する
- 条件変更に同意する
などです。
いずれも、すでに何らかの内容が提示されており、それについて「受け入れるかどうか」を判断しています。
「合意」と「同意」はどちらも契約で使われる
契約では「合意」と「同意」の両方が使われるため、特に混同しやすくなります。
ただし、注目している部分が異なります。
「合意」は当事者の意思が一致したこと
たとえば、会社と労働者が労働条件について話し合い、双方が変更内容を受け入れた場合、
「労働条件の変更について合意した」
と表現できます。
厚生労働省が解説する労働契約法第8条でも、
労働者と使用者が合意すれば、労働条件を変更できる
という考え方が示されています。
ここで重要なのは、一方的な意思ではなく、労働者と使用者という当事者双方の意思が一致することです。
「同意」は当事者の一方が受け入れたこと
一方、同じ労働条件変更についても、
「労働者が変更に同意した」
と表現できます。
この場合は、変更案を提示された労働者側が、それを受け入れる意思を示したことに焦点があります。
したがって、
当事者全体を見て意思が一致した → 合意
一方の当事者が内容を受け入れた → 同意
という違いを意識すると理解しやすくなります。
労働契約法では「合意」が重要な言葉として使われる
厚生労働省は、労働契約法第8条について、労働者と使用者が「合意」することによって労働条件を変更できると説明しています。
さらに、当事者の合意によって契約が変更されることは契約の一般原則であり、労働契約でも同様であるとして、これを「合意の原則」と説明しています。
たとえば会社側が、
「来月から給与を変更します」
と考えただけでは、労働者との「合意」が成立したことにはなりません。
双方の意思が一致して初めて「合意」と呼べるのが基本です。
この公的な用例からも、「合意=複数の当事者の意思の一致」という特徴がよくわかります。
個人情報では「本人の同意」が使われる
個人情報の分野では、「合意」よりも「同意」という言葉を頻繁に目にします。
個人情報保護委員会のガイドラインでは、「本人の同意」を、本人の個人情報について事業者から示された取扱方法で取り扱われることを承諾する本人の意思表示としています。
具体的な方法としては、
- 口頭で同意する
- 書面で同意する
- メールで同意する
- 同意欄にチェックする
- ウェブサイト上の同意ボタンをクリックする
などが例として挙げられています。
つまり、ここでの「同意」は、
事業者が示した取扱方法
↓
本人が内容を判断する
↓
本人が承諾する意思を示す
という構造です。
このような場面では「本人の合意」より「本人の同意」という表現が一般的です。
医療でも「同意」が重要な意味を持つ
医療分野でも「同意」は重要な言葉です。
特に「インフォームド・コンセント(説明と同意)」という考え方があります。
厚生労働省では、治験について、医師から治験の目的・方法・予想される効果や副作用などについて十分な説明を受けたうえで、患者自身の自由な意思による同意が必要であると説明しています。
つまり、
十分な説明を受ける
↓
内容を理解する
↓
自分の意思で参加するか判断する
↓
同意する
という流れです。
ここでも、「同意」は単なる「説明を聞いた」という意味ではありません。
本人が自分の意思でその内容を受け入れることが重要です。
「合意を得る」と「同意を得る」の違い
この2つも似ていますが、文章としての視点が異なります。
「合意を得る」
複数の関係者の意思を一致させることを表します。
たとえば、
- 関係部署の合意を得る
- 取引先との合意を得る
- 労使の合意を得る
- 参加者全員の合意を得る
などです。
「それぞれ異なる立場の人たちの考えを一致させる」というニュアンスがあります。
「同意を得る」
特定の相手に内容を提示し、その人から受け入れる意思を示してもらうことです。
たとえば、
- 本人の同意を得る
- 患者の同意を得る
- 保護者の同意を得る
- 利用者の同意を得る
などです。
したがって、
複数の関係者の意思を一つにまとめる → 合意を得る
特定の相手から「受け入れます」という意思表示をもらう → 同意を得る
と考えるとわかりやすいでしょう。
具体例で「合意」と「同意」の違いを理解しよう
会社同士の契約の場合
会社Aが会社Bへ契約条件を提案したとします。
会社B:「その条件に同意します」
会社Bが条件を受け入れたことに注目すれば「同意」です。
そして最終的に両社の意思が一致した状態については、
「両社は契約条件について合意した」
と表現できます。
相手へ案を出す「提案」と、社会や組織へ考えを示す「提言」の違いについては、「提案」と「提言」の違いは?意味・使い分けを例文でわかりやすく解説も参考にしてください。
社内会議の場合
会議で新しい運用方法について意見が分かれていたとします。
最終的に参加者全員が同じ案を支持したなら、
「参加者の合意が形成された」
と表現できます。
一方、ある参加者について、
「Aさんもその案に同意した」
と表現することもできます。
全体の一致を見れば「合意」、個人の賛成を見れば「同意」です。
個人情報の場合
ウェブサイトで個人情報の利用目的が表示され、利用者がチェックボックスを選択したとします。
この場合は、
「利用者から個人情報の利用について同意を得た」
という表現が自然です。
「利用者との合意を得た」とすると、契約交渉などによって双方の条件をまとめたような印象が強くなります。
医療の場合
患者が治療内容・リスク・代替方法などについて説明を受け、治療を受けることを自分の意思で受け入れた場合は、
「患者が治療に同意した」
と表現します。
この場合も、本人の意思表示に焦点があるため「同意」が適しています。
「合意」と「了承」はどう違う?
「合意」と「了承」も似ています。
「合意」は、複数の当事者の意思が一致することです。
一方、「了承」は、相手の事情や内容を理解し、納得したうえで受け入れることです。
たとえば、
「両社が契約条件について合意した」
なら双方の意思が一致しています。
一方、
「取引先に納期変更の事情を説明し、了承を得た」
なら、相手に事情を理解して受け入れてもらったことに焦点があります。
「承認」と「了承」の違いについては、「承認」と「了承」の違いは?意味・使い分けを例文でわかりやすく解説で詳しく解説しています。
「合意」と「承認」はどう違う?
「承認」は、対象を正当・適切なものとして認めたり、正式に許したりすることです。
「合意」は、複数の当事者の意思が一致することです。
たとえば、会社のプロジェクトなら、
関係部署同士が進め方について合意する
↓
その計画を決裁権者が承認する
という流れもあります。
つまり、合意と承認は同じものではなく、一つの手続きの中で両方が必要になることもあります。
「合意」と「同意」は両方成立することがある
「合意」と「同意」は、どちらか一方しか成立しない概念ではありません。
たとえば、AさんがBさんへ条件を提示します。
A:「この条件で契約しませんか?」
B:「その条件に同意します。」
BさんはAさんの条件に「同意」しました。
その結果、AさんとBさんの意思が一致したので、
「両者は契約条件について合意した」
ともいえます。
このように、
個々の意思表示 → 同意
当事者間で意思が一致した結果 → 合意
という関係になることがあります。
「全員の同意」と「全員の合意」はどう違う?
どちらも使うことができますが、見る角度が異なります。
「全員の同意を得た」
は、一人ひとりがその案を受け入れる意思を示したことに焦点があります。
一方、
「全員の合意を得た」
は、参加者全体として意思が一致したことに焦点があります。
たとえば10人の委員がいる場合、
「委員10人全員から同意を得た」
という表現では、10人それぞれの意思表示を確認したニュアンスがあります。
「委員全員の合意が形成された」
なら、議論の結果として全体の意思が一つにまとまったニュアンスが強くなります。
「合意形成」とは?
「合意」から派生した重要な言葉に「合意形成」があります。
合意形成とは、複数の関係者が話し合いなどを通じて、意見や意思を一致させていくことです。
たとえば、
- 住民との合意形成を進める
- 関係部署間で合意形成を図る
- プロジェクト参加者の合意形成が必要だ
などと使います。
全員が最初から同じ意見とは限りません。
それぞれ異なる立場・利害・意見を持つ人たちが、説明、協議、修正などを繰り返しながら一致点を探します。
この点でも、「合意」は単なる一人の賛成より、複数の意思をまとめる意味が強いことがわかります。
条件を変えたら「同意・合意」を取り直す必要があることも
すでに同意・合意した内容を後から変更すると、以前の意思表示がそのまま新しい内容にも当てはまるとは限りません。
たとえば、
「契約価格は10万円」
という条件について双方が合意したあと、価格を15万円へ変えるのであれば、新しい条件について改めて双方の意思を確認する必要が生じる場合があります。
また、個人情報の取扱方法についても、当初示した利用方法と大きく異なる取扱いを行う場合には、法令やガイドライン上、新たな同意が必要となるケースがあります。
内容そのものを別のものへ変える「変更」と、誤り・不十分な点を直す「修正」の違いについては、「変更」と「修正」の違いは?意味・使い分けを例文でわかりやすく解説も参考にしてください。
「合意」と「同意」で迷ったときの3秒判定
| こんな場合 | 選びやすい言葉 |
|---|---|
| 複数の当事者の意思が一致した | 合意 |
| 交渉の結果、一つの結論にまとまった | 合意 |
| 双方が契約条件を受け入れた | 合意 |
| 相手の意見に賛成した | 同意 |
| 利用規約を受け入れた | 同意 |
| 個人情報の利用を承諾した | 同意 |
| 医療行為について説明を受け、受け入れた | 同意 |
迷ったら、次の質問をしてみてください。
「複数の人の意思が一致した状態を表したい?」 → 合意
「私はその内容を受け入れる、という意思を表したい?」 → 同意
この考え方なら、多くの場面で使い分けることができます。
「合意」と「同意」の例文
「合意」を使った例文
- 両社は新しい契約条件について合意しました。
- 長時間の交渉の末、双方が合意に達しました。
- 労働条件の変更について労使が合意しました。
- 関係部署との合意を形成してから実施します。
- 両国は共同声明の内容について合意しました。
- 夫婦は財産の分け方について合意しました。
- 参加者全員の合意を得て方針を決定しました。
「同意」を使った例文
- 私はその提案に同意します。
- 利用規約を確認してから同意しました。
- 個人情報の利用について本人の同意を得ます。
- 患者は十分な説明を受けたうえで治療に同意しました。
- 保護者の同意が必要です。
- 契約条件の変更に同意しました。
- 参加者から事前に同意を得たうえで調査を行います。
「合意」と「同意」に関するよくある質問
Q1. 「合意」と「同意」は同じ意味ですか?
意味が重なる部分はありますが、同じではありません。
「合意」は複数の当事者の意思が一致すること、「同意」は他人の意見や提示された内容に賛成・承諾することを表します。
Q2. 契約では「合意」と「同意」のどちらを使いますか?
どちらも使われます。
契約当事者全体の意思が一致したことを表すなら「合意」、一方の当事者が契約条件を受け入れる意思を示したことに焦点を当てるなら「同意」が使えます。
ただし、法律や契約書で用語が定義されている場合は、その定義に従うことが重要です。
Q3. 「合意に同意する」という表現は正しいですか?
文法的に成立する場合はありますが、文脈によっては意味が重複してわかりにくくなります。
たとえば、すでに他の人たちの間で成立している「合意内容」に対して、別の人が賛成するのであれば、
「その合意内容に同意する」
という表現は可能です。
一方、単に「条件に賛成する」という意味なら、「条件に同意する」など、より簡潔な表現が自然です。
Q4. 「同意」が集まれば必ず「合意」になりますか?
必ずとは限りません。
必要な全当事者が同じ内容について同意し、意思が一致して初めて合意と呼べる場面があります。
一部の人だけが同意していて、他の当事者が反対しているなら、全体として合意が成立したとはいえません。
Q5. 「多数決」と「合意」は同じですか?
同じではありません。
多数決では、反対者がいても多数の賛成によって結論を決めることがあります。
一方、「合意」は一般には当事者の意思が一致することを表します。
ただし、組織や会議によって「合意形成」の方法や決定ルールが異なるため、具体的な手続きは規程などを確認する必要があります。
Q6. 「同意」は必ず書面で行う必要がありますか?
一般的な日本語として、同意が必ず書面でなければならないわけではありません。
個人情報保護委員会も、本人の同意について、口頭、書面、メール、ウェブ上のチェックやボタン操作など複数の方法を例示しています。
ただし、法律・契約・医療などでは書面など特定の方法が求められる場合があるため、それぞれのルールを確認する必要があります。
Q7. 「同意」と「了承」はどう違いますか?
「同意」は相手の意見や提示された内容に賛成することです。
「了承」は相手の事情や内容を理解し、納得したうえで受け入れることです。
両者は近い意味ですが、「同意」は自分の意思として賛成・承諾する点、「了承」は事情をくんで受け入れる点に重点があります。
Q8. 医療ではなぜ「合意」ではなく「同意」を使うのですか?
医療では、患者本人が説明を受け、その治療や研究への参加を自分の自由な意思で受け入れることが重要だからです。
そのため、「患者の同意」「同意書」「説明と同意」といった表現が広く使われています。
まとめ
「合意」と「同意」はどちらも意思に関係する言葉ですが、見る視点が異なります。
| 合意 | 同意 |
|---|---|
| 互いの意思が一致する | 相手の意見・内容に賛成・承諾する |
| 複数の当事者全体に注目 | 一人・一方の意思表示に注目しやすい |
| 交渉・契約・協議などで使われやすい | 規約・個人情報・医療・提案などで使われやすい |
| 「双方が同じ結論になった」 | 「私はその内容を受け入れる」 |
覚え方としては、
合意=「お互いの意思が合った」
同意=「私はその内容でよいと意思を示した」
と考えるとわかりやすいでしょう。
特に重要なのは、「合意」と「同意」が完全に対立する言葉ではないことです。
一方の当事者が提示された条件に同意し、もう一方の意思と一致した結果、当事者間で合意が成立することもあります。
文章で迷った場合は、
「複数の当事者の意思が一致した状態について話しているのか」
「それとも、一人が提示された内容を受け入れる意思について話しているのか」
を考えてみてください。
前者なら「合意」、後者なら「同意」が自然になりやすいでしょう。
ただし、契約・個人情報・医療・行政手続きなどでは「合意」「同意」に法律上・制度上の意味が与えられていることがあります。重要な手続きでは、一般的な言葉の意味だけでなく、適用される法令・規約・契約書などを確認することが大切です。
参考資料・出典
本記事は、以下の辞書・公的機関の資料を参照し、内容を整理したうえで作成しています。
-
コトバンク「合意」
(デジタル大辞泉ほか) -
コトバンク「同意」
(デジタル大辞泉ほか) -
厚生労働省「労働契約法のあらまし」
― 労働契約法第8条の「合意の原則」と、労働条件変更における合意の考え方 -
個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
― 「本人の同意」の定義と同意取得方法の例 -
厚生労働省「インフォームド・コンセント」
― 治験における説明と患者本人の自由な意思による同意について
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