「進言」と「具申」の違いとは?意味・使い分けを上司・組織・ビジネスの例文で解説

「社長に改善案を進言する」「上司に現場の事情を具申する」など、「進言」と「具申」は、目上の人や上位の組織に意見を伝える場面で使われる言葉です。

どちらも上の立場にある相手に考えを申し述べるという意味を持っていますが、まったく同じように使えるのでしょうか。

結論からいうと、「進言」は目上の人に意見を申し述べること、「具申」は意見や事情などを詳しく申し述べることです。具申は、特に上司や上位機関に対して使われます。

例えば、部下が社長に「新しい販売方法を導入すべきだ」と意見を伝えることは「進言」と表現できます。一方、現場の状況や改善が必要な理由、具体的な対策などを詳しく説明して上司に申し出ることは「具申」と表現できます。

ただし、両者は辞書でも類語として扱われており、同じ場面で使用できることもあります。「進言は口頭、具申は書面」「進言は個人、具申は組織」などと厳密に区別する決まりはありません。

この記事では、「進言」と「具申」の基本的な意味を比較表で整理し、企業や行政、ビジネスメールなどでの具体的な使い分けを解説します。さらに、「上申」「提言」「建議」「答申」との違いや、上司に意見を伝える際の実践的な表現も紹介します。

  1. 「進言」と「具申」の違い【結論】
  2. 【徹底比較】「進言」と「具申」の違いを比較表で整理
  3. 「進言」とは?意味と正しい使い方
    1. 進言は、目上の人に意見を申し述べること
    2. 進言は単なる反対意見ではない
    3. 進言は必ず採用されるわけではない
    4. 「進言」の例文
  4. 「具申」とは?意味と正しい使い方
    1. 具申は、意見や事情を詳しく申し述べること
    2. 具申では事実関係や事情の説明も重要
    3. 具申は行政や組織内の文書でも使われる
    4. 「具申」の例文
  5. 「進言」と「具申」の決定的な違い
    1. 違い1:目上の相手に意見を述べるか、事情を詳しく説明するか
    2. 違い2:進言は意見、具申は意見や事情を対象とする
    3. 違い3:どちらも口頭・書面で使用できる
  6. 【実践】場面別に「進言」と「具申」を使い分ける
    1. 場面1:部下が社長に経営方針について意見を述べるとき
    2. 場面2:現場の責任者が上司に改善案を伝えるとき
    3. 場面3:行政組織で上位機関に事情を説明するとき
    4. 場面4:上司が進めている計画に懸念があるとき
    5. 場面5:会議で経営陣に意見を伝えるとき
  7. 上司に進言・具申するときの4つのポイント
    1. 1. 最初に何を伝えたいのかを明確にする
    2. 2. 自分の意見と確認できる事実を分ける
    3. 3. 事情を詳しく述べる場合は、必要な情報を整理する
    4. 4. 意見が採用されるかどうかと、意見を述べることを区別する
  8. 「進言」「具申」と似た言葉の違い
    1. 「上申」との違い
    2. 「提言」との違い
    3. 「建議」との違い
    4. 「答申」との違い
    5. 「報告」との違い
    6. 「問題」と「課題」の違いも理解しておこう
  9. 「進言」と「具申」の3秒判定
  10. よくある間違いと注意点
    1. 「進言」は必ず反対意見を述べることではない
    2. 「具申」は必ず文書で提出することではない
    3. 「進言」と「具申」は必ず使い分けなければならないわけではない
    4. 日常的なビジネス会話では、わかりやすい表現を選ぶ
  11. 「進言」と「具申」の例文10選
    1. 「進言」を使った例文
    2. 「具申」を使った例文
  12. FAQ|「進言」と「具申」のよくある質問
    1. Q1. 「進言」と「具申」は同じ意味ですか?
    2. Q2. 「進言」と「具申」は、どちらが丁寧な言葉ですか?
    3. Q3. 進言は口頭、具申は書面で行うものですか?
    4. Q4. 「進言」と「提言」はどう違いますか?
    5. Q5. 「具申」と「上申」はどう違いますか?
    6. Q6. ビジネスメールで「進言いたします」は使えますか?
    7. Q7. 同じ立場の同僚に「進言する」と表現できますか?
    8. Q8. 進言や具申した意見が採用されなかった場合、どう表現しますか?
  13. まとめ|進言は目上への意見、具申は意見や事情を詳しく述べること
  14. 参考資料・出典

「進言」と「具申」の違い【結論】

「進言」と「具申」は、どちらも上の立場にある相手へ意見を申し述べる場面で使われる言葉です。一般的には、次のような違いがあります。

  • 進言:目上の人に対して、自分の意見を申し述べること。
  • 具申:物事について詳しく申し述べること。特に、上司や上位機関に対して意見や事情を詳しく述べること。

例えば、次の二つの文章を比較してください。

  • 部長に、新しい業務システムの導入を進言した。
  • 部長に、現行システムの問題点と更新が必要な事情を具申した。

一つ目は、部長という目上の相手に、自分の意見を伝えたことが中心です。

二つ目は、現在の状況や問題点などについて、詳しく申し述べたことが中心です。

もちろん、システム導入の必要性を詳しく説明しながら進言することもできます。また、具体的な改善案を具申することも可能です。

したがって、意見を述べる相手が目上であることに着目するなら「進言」、意見や事情を詳しく述べることに着目するなら「具申」を基本的な目安にすると理解しやすくなります。

【徹底比較】「進言」と「具申」の違いを比較表で整理

比較項目 進言 具申
読み方 しんげん ぐしん
基本的な意味 目上の人に意見を申し述べること 意見や事情などを詳しく申し述べること
意味の中心 目上の相手に意見を伝える 事情や意見を具体的・詳細に伝える
主な相手 上司、経営者、目上の人など 上司、経営者、上位機関など
伝える内容 意見、考え、改善案など 意見、事情、改善案、経緯など
代表的な表現 社長に進言する 上司に事情を具申する
使われやすい場面 経営判断への意見、上司への提案など 組織内での詳細な意見表明、事情説明など
伝える方法 口頭・書面の両方 口頭・書面の両方
共通点 目上の人や上位の組織に意見を申し述べる場面で使われ、意味が重なることもある

なお、「進言は短い意見」「具申は必ず長い文書」という決まりはありません。

進言するときにも詳しい資料を用意することがありますし、具申を口頭で行う場合もあります。実際の文章では、伝える相手や内容、組織内での慣用的な表現を考慮しましょう。

「進言」とは?意味と正しい使い方

進言は、目上の人に意見を申し述べること

「進言」とは、目上の人に対して意見を申し述べることです。

例えば、会社の経営方針について、部下が社長や役員に自分の考えを伝える場合、「社長に進言する」と表現できます。

また、上司が検討している計画について、部下が別の方法を提案する場合にも使用できます。

進言という言葉では、何を述べたのかだけでなく、意見を伝える相手が目上の立場にあることが重要です。

そのため、同じ立場の同僚に意見を伝える場合は、「進言する」よりも「提案する」「意見を述べる」「助言する」などのほうが自然な場合があります。

進言は単なる反対意見ではない

進言という言葉には、目上の人に反対するという意味が必ず含まれているわけではありません。

例えば、上司が検討している新しい企画について、追加の施策を提案することも進言と表現できます。

また、上司がまだ気づいていない改善の可能性について、自分の考えを伝えることも進言の一例です。

一方、上司が進めようとしている計画に問題があると考え、その問題を指摘して計画の見直しを勧める場合にも使えます。

進言は、賛成か反対かによって決まる言葉ではなく、目上の人に意見を申し述べるという関係性に重点があります。

進言は必ず採用されるわけではない

進言は、自分の意見を目上の人に伝える行為ですが、その意見が必ず採用されるわけではありません。

例えば、部下が社長に新しい設備の導入を進言しても、予算や事業計画などの事情によって、採用が見送られる場合があります。

このような場合、「進言したが採用されなかった」「進言が受け入れられた」などと表現できます。

進言することと、進言した内容が正式に決定されることは、別の段階です。

「進言」の例文

  • 部長に業務手順の見直しを進言した。
  • 社長に新しい市場への参入を進言する。
  • 上司に計画の延期を進言した。
  • 部下からの進言を受け、経営方針を再検討した。
  • 役員に対して、組織体制の変更を進言した。

「具申」とは?意味と正しい使い方

具申は、意見や事情を詳しく申し述べること

「具申」とは、物事について詳しく申し述べることです。特に、上司や上位機関に対して、意見や事情などを詳しく説明する場合に使われます。

例えば、現場の担当者が、業務上の問題について部長に詳しく説明し、改善策を申し出る場合、「改善案を具申する」と表現できます。

また、下位の組織が上位の組織に対して、特定の問題が発生した事情や今後の対応案などを詳しく伝える場合にも使用できます。

具申という言葉では、単に意見が存在することだけでなく、その意見や事情を詳しく申し述べるという点が重要です。

具申では事実関係や事情の説明も重要

進言では目上の人に意見を伝えることが中心ですが、具申では、意見だけでなく、その背景にある事情なども詳しく述べる場合があります。

例えば、製造現場で同じ不具合が繰り返されているとします。

現場の責任者が上司に対し、不具合の発生状況、考えられる原因、現在の対策、追加で必要な措置などを説明し、設備の更新を申し出る場合は、「設備更新の必要性を具申する」と表現できます。

ただし、具申する内容に必ずすべての事実や資料を含めなければならないという決まりはありません。

何をどの程度説明する必要があるのかは、組織の制度や具申する内容によって異なります。

具申は行政や組織内の文書でも使われる

具申は、企業だけでなく、行政やその他の組織でも使われることがあります。

例えば、下位の機関から上位の機関に対して、ある事情を詳しく述べたり、意見を提出したりする場合です。

また、組織によっては「意見具申」「具申書」といった名称が使用されることがあります。

ただし、「具申」という言葉が使われているからといって、必ず書面で提出する必要があるわけではありません。具体的な手続きや文書形式は、各組織の規程などによって異なります。

「具申」の例文

  • 現場の責任者が、改善案を部長に具申した。
  • 担当者は、業務上の問題が発生した事情を詳しく具申した。
  • 設備更新の必要性について、上司に意見を具申する。
  • 関係部署から寄せられた意見を整理し、上位機関に具申した。
  • 現場の実情を踏まえた具申を受け、対応方針が検討された。

「進言」と「具申」の決定的な違い

違い1:目上の相手に意見を述べるか、事情を詳しく説明するか

進言と具申を区別するうえで、最もわかりやすいのは、それぞれの言葉が何に重点を置いているかという点です。

進言は、目上の人に意見を申し述べることに重点があります。

一方、具申は、意見や事情などを詳しく申し述べることに重点があります。

例えば、「社長に新しい販売戦略を進言した」という文章では、社長に自分の意見を伝えたことが中心です。

一方、「市場調査の結果や販売実績を踏まえて、販売戦略の見直しを具申した」という文章では、意見の背景となる事情などを詳しく説明した印象があります。

ただし、実際には同じ行為を進言とも具申とも表現できる場合があります。

違い2:進言は意見、具申は意見や事情を対象とする

進言は、主に自分の意見を目上の人へ伝えることを表します。

一方、具申は、意見だけでなく、事情などを詳しく述べる場合にも使用できます。

例えば、上司に「この企画は来月から始めるべきだ」と意見を伝える場合は、進言という表現が自然です。

一方、「現在の人員配置では来月の開始が難しい」という事情を具体的に説明する場合は、具申という表現も適切です。

ただし、意見と事情は密接に関係するため、両者の違いを厳密に区切ることはできません。

違い3:どちらも口頭・書面で使用できる

進言と具申について、「進言は口頭で、具申は書面で行う」と説明される場合があります。

しかし、辞書上は、このような厳密な区別はありません。

例えば、上司との面談で詳しく事情を説明することは、具申と表現できます。

また、役員への意見を文書にまとめて提出する場合も、進言と表現できます。

組織内で定められた正式な文書名や手続きがある場合は、その名称に従うことが大切です。

【実践】場面別に「進言」と「具申」を使い分ける

場面1:部下が社長に経営方針について意見を述べるとき

部下が社長に対して、新しい事業に取り組むべきだと意見を伝える場合は、「社長に進言する」という表現が自然です。

例えば、次のように使えます。

「市場の変化を踏まえ、新しい事業分野への参入を社長に進言した。」

この文章では、目上の相手に自分の考えを伝えたことが中心です。

ただし、市場調査の結果や事業計画などを詳しく説明しながら申し出た場合には、「具申する」という表現も使えます。

場面2:現場の責任者が上司に改善案を伝えるとき

現場の責任者が、作業上の問題や改善の必要性を詳しく説明する場合は、「具申する」が使いやすいでしょう。

例えば、次のような文章です。

「不良品の発生状況と現行設備の問題点を整理し、設備の更新を部長に具申した。」

この場合、現場の状況を詳しく述べ、その情報を基に改善案を申し出ています。

一方、上司との会話の中で、「この設備は早めに更新したほうがよいと思います」と意見を述べた場合は、進言と表現できます。

場面3:行政組織で上位機関に事情を説明するとき

行政組織などでは、下位の機関が上位の機関に対して、ある事項について意見や事情を詳しく述べる場合があります。

このような場面では、「具申」が使用されることがあります。

例えば、ある事業の実施に際して、現場で確認された事情や必要な対応について、上位機関へ詳しく説明する場合です。

ただし、実際の行政手続きでは、「上申」「具申」「報告」など、個別の法令や規程で定められた用語が使用されることがあります。

そのため、正式な文書を作成する場合は、一般的な辞書の意味だけで判断せず、該当する制度で定められた名称を確認する必要があります。

場面4:上司が進めている計画に懸念があるとき

上司が進めようとしている計画に問題があると感じた場合、部下が別の方法を進言することがあります。

例えば、「現在の人員では期限内の実施が難しいため、開始時期を見直すべきだ」と伝える場合です。

このように、目上の相手に自分の意見を述べる場面では、進言が使えます。

一方、具体的な業務量や人員配置、実施に必要な期間などを資料にまとめ、計画の見直しを詳しく申し出る場合は、具申という表現も自然です。

場面5:会議で経営陣に意見を伝えるとき

経営会議などで、部下や現場の責任者が役員に意見を伝える場合にも、進言や具申が使えます。

例えば、現場の実情を踏まえて経営方針の見直しを求める場合は、進言という表現が使えます。

また、現場で発生している問題や業務上の事情を詳しく説明し、必要な対応を申し出る場合は、具申という表現が使えます。

ただし、通常のビジネス会話では、「提案する」「意見を伝える」「改善案を提出する」などのほうが自然な場合もあります。

上司に進言・具申するときの4つのポイント

1. 最初に何を伝えたいのかを明確にする

上司や経営者に意見を伝える場合は、最初に何について話すのかを明確にすると、理解してもらいやすくなります。

例えば、設備の更新を提案したい場合は、「設備の更新について、ご相談したいことがあります」と伝える方法があります。

そのうえで、現在の設備の状態や更新が必要だと考える理由を説明します。

2. 自分の意見と確認できる事実を分ける

進言や具申を行う際には、自分の意見と、確認できる事実を区別することが大切です。

例えば、「現行設備では先月3回の故障が発生した」という内容と、「そのため、新しい設備を導入すべきだ」という内容は異なります。

前者は記録などによって確認できる事実であり、後者は、その事実を踏まえた意見や提案です。

それぞれを区別して伝えると、相手は判断に必要な情報を整理しやすくなります。

意見や考え方の表し方については、「意見」と「見解」の違いも参考になります。

3. 事情を詳しく述べる場合は、必要な情報を整理する

具申する際には、単に多くの情報を伝えればよいというわけではありません。

相手が事情を理解し、必要な判断を行えるよう、重要な情報を整理して伝えることが大切です。

例えば、設備の更新について具申する場合は、次のような情報が考えられます。

  • 現在の設備で発生している問題
  • 問題の発生頻度や業務への影響
  • 現時点で実施している対策
  • 改善のために必要と考えられる方法
  • 必要な費用や実施期間

ただし、どのような情報が必要なのかは、具申する内容や組織の仕組みによって異なります。

4. 意見が採用されるかどうかと、意見を述べることを区別する

上司に進言や具申を行ったとしても、その意見が必ず採用されるとは限りません。

例えば、設備更新の必要性を説明した場合でも、経営上の事情や予算などによって、導入時期が変更されることがあります。

そのため、意見を述べた後に、どのような判断が行われたのかを確認することが重要です。

また、正式な決定には、組織内での承認などが必要になる場合があります。

関連する表現については、「承認」と「了承」の違いも参考になります。

「進言」「具申」と似た言葉の違い

「上申」との違い

「上申」は、上役や上級の官庁などに対して、意見や事情などを申し述べることです。

具申と意味が非常に近く、組織内で上位の相手に意見や事情を伝える場面で使われます。

ただし、実際の行政手続きでは、「上申書」や「具申書」など、個別の制度や組織で決められた名称が使用される場合があります。

正式な文書名を勝手に言い換えず、定められた用語を使うことが大切です。

「提言」との違い

「提言」は、意見や考えを示して、相手に提案することです。

進言は目上の人に意見を述べることですが、提言は、必ずしも目上の人だけを対象とするわけではありません。

例えば、専門家が社会全体に向けて制度の見直しを提言する場合があります。

一方、部下が経営者に制度の見直しを進言する場合は、相手との上下関係が明確です。

ただし、経営者に提出した意見が提言であり、同時に進言でもあるという場合もあります。

「建議」との違い

「建議(けんぎ)」は、意見を申し立てることです。特に、官公庁などに対して意見を申し立てる場合に使われます。

進言や具申も上位の人や機関に意見を伝える言葉ですが、建議は、個人や団体が政府などに対して意見を示す場合に使われることがあります。

ただし、具体的な制度で使われる「建議」については、法律や規則などで意味が定められている場合もあります。

「答申」との違い

「答申(とうしん)」は、上司などからの問いに対して意見を申し述べることです。

特に、審議会などの諮問機関が、行政機関から諮問された事項について意見をまとめて述べる場合に使われます。

進言や具申は、自分から意見を申し述べる場合にも使われますが、答申は、問いや諮問に応じて意見を述べるという点に特徴があります。

例えば、行政機関が審議会に特定の問題について意見を求め、審議会が検討結果をまとめて提出する場合、「審議会が答申する」と表現します。

「報告」との違い

「報告」は、ある出来事や調査結果などについて、知らせることです。

例えば、業務の進捗状況や、現場で発生した問題について、上司に伝える場合に使われます。

一方、進言は目上の人に意見を述べること、具申は意見や事情などを詳しく申し述べることです。

単に事実を伝える場合は報告が自然ですが、その事実に基づいて改善案を示したり、詳しく事情を申し述べたりする場合は、進言や具申という表現も使えます。

「問題」と「課題」の違いも理解しておこう

進言や具申では、問題点を示すだけでなく、今後何に取り組むべきかを整理する場面もあります。

例えば、製造工程で不良品が多く発生している場合、その発生状況は問題として取り上げられます。

そのうえで、不良率を低減するために取り組むべきことを課題として整理する方法があります。

問題と課題の使い分けについては、「問題」と「課題」の違いでも解説しています。

「進言」と「具申」の3秒判定

どちらを使うか迷ったときは、次の表を参考にしてください。

伝えたい内容 使いやすい言葉
部下が社長に意見を述べる 進言
上司に計画の見直しを勧める 進言
現場の事情を上司に詳しく説明する 具申
改善案とその背景を上位機関に詳しく伝える 具申
上役や上級の官庁に意見や事情を述べる 上申・具申
専門家が社会に向けて意見を示す 提言
行政機関からの諮問に応じて意見を述べる 答申
上司に業務の進捗状況を伝える 報告

目上の人に意見を申し述べるなら「進言」、事情や意見を詳しく申し述べるなら「具申」を目安にすると、基本的な使い分けができます。

ただし、同じ行為が進言にも具申にも当たる場合があります。実際の組織で定められた文書名や手続きがある場合は、その用語を優先しましょう。

よくある間違いと注意点

「進言」は必ず反対意見を述べることではない

進言は、目上の人に意見を申し述べることです。

そのため、上司の方針に反対する場合だけでなく、追加の施策を提案したり、新しい取り組みを勧めたりする場合にも使えます。

進言は、意見の内容が賛成か反対かによって決まる言葉ではありません。

「具申」は必ず文書で提出することではない

具申は、意見や事情などを詳しく申し述べることです。

組織によっては具申書などの文書が使用される場合がありますが、言葉そのものに書面で提出しなければならないという意味はありません。

口頭で事情を詳しく説明する場合にも使用できます。

「進言」と「具申」は必ず使い分けなければならないわけではない

進言と具申は、どちらも上の立場にある相手へ意見を申し述べる場面で使われます。

例えば、部下が社長に経営方針の見直しを詳しく説明し、改善案を伝える場合、進言と具申のどちらも使用できることがあります。

このような場面では、目上の人に意見を述べたことを強調したいのか、意見や事情を詳しく説明したことを強調したいのかによって選びましょう。

日常的なビジネス会話では、わかりやすい表現を選ぶ

進言や具申は、一般的な「提案する」「意見を述べる」などに比べると、改まった印象を与える場合があります。

例えば、上司に対して「進言したいことがあります」と伝えるよりも、「業務の進め方について、ご提案があります」と伝えるほうが自然な場合もあります。

また、具申という言葉になじみがない相手には、「現場の状況と改善案を詳しくご説明します」と伝えたほうが、意図が明確になります。

実際のビジネスでは、言葉の意味だけでなく、相手に伝わりやすい表現を選ぶことも重要です。

「進言」と「具申」の例文10選

「進言」を使った例文

  1. 部長に業務手順の見直しを進言した。
  2. 社長に新しい市場への参入を進言する。
  3. 上司に計画の延期を進言した。
  4. 部下からの進言を受け、経営方針を再検討した。
  5. 役員に対して、組織体制の変更を進言した。

「具申」を使った例文

  1. 現場の責任者が、改善案を部長に具申した。
  2. 担当者は、業務上の問題が発生した事情を詳しく具申した。
  3. 設備更新の必要性について、上司に意見を具申する。
  4. 関係部署から寄せられた意見を整理し、上位機関に具申した。
  5. 現場の実情を踏まえた具申を受け、対応方針が検討された。

FAQ|「進言」と「具申」のよくある質問

Q1. 「進言」と「具申」は同じ意味ですか?

どちらも上の立場にある相手へ意見を申し述べる場面で使われ、辞書でも類語として扱われています。ただし、進言は目上の人に意見を伝えること、具申は特に上司や上位機関に意見や事情を詳しく申し述べることに重点があります。

Q2. 「進言」と「具申」は、どちらが丁寧な言葉ですか?

どちらも改まった場面で使われる言葉ですが、一般的にどちらがより丁寧かを決めることはできません。進言と具申は、敬語の丁寧さを比べる言葉ではなく、意見を伝える行為の性質を表す言葉です。

Q3. 進言は口頭、具申は書面で行うものですか?

そのような決まりはありません。進言も具申も、口頭・書面の両方で使用できます。ただし、組織によって正式な文書名や提出方法が定められている場合は、その規程に従う必要があります。

Q4. 「進言」と「提言」はどう違いますか?

進言は、目上の人に意見を申し述べることです。一方、提言は、意見や考えを示して相手に提案することです。提言は、必ずしも目上の人だけを対象とするわけではありません。ただし、目上の人に提言することが、同時に進言にも当たる場合があります。

Q5. 「具申」と「上申」はどう違いますか?

具申は、意見や事情などを詳しく申し述べることです。一方、上申は、上役や上級の機関に対して、意見や事情などを申し述べることです。意味が重なる部分が多いため、実際の行政手続きや組織内で使用する場合は、定められた用語を確認することが重要です。

Q6. ビジネスメールで「進言いたします」は使えますか?

目上の人に意見を申し述べる場面では使用できます。ただし、通常の業務連絡では、「ご提案いたします」「意見を申し上げます」などのほうが自然な場合もあります。相手との関係や、メールの目的に応じて選びましょう。

Q7. 同じ立場の同僚に「進言する」と表現できますか?

進言は、目上の人に意見を申し述べることを意味します。そのため、同じ立場の同僚に意見を伝える場合は、「提案する」「助言する」「意見を述べる」などのほうが自然です。

Q8. 進言や具申した意見が採用されなかった場合、どう表現しますか?

「進言したが採用されなかった」「具申したものの、見送られた」などと表現できます。進言や具申は意見を申し述べる行為を表すため、その意見が採用されたかどうかとは区別して考える必要があります。

まとめ|進言は目上への意見、具申は意見や事情を詳しく述べること

「進言」と「具申」は、どちらも上の立場にある相手へ意見を申し述べる場面で使われますが、一般的には着眼点に違いがあります。

  • 進言:目上の人に対して、自分の意見を申し述べること。
  • 具申:意見や事情などを詳しく申し述べること。特に、上司や上位機関に対して使われる。
  • 共通点:上の立場にある相手へ意見を申し述べる場合に使われ、意味が重なることもある。

部下が社長や上司に改善案などの意見を伝える場合は「進言」、現場の事情や改善が必要な理由などを詳しく説明する場合は「具申」が使いやすいでしょう。

ただし、両者は完全に区別されるわけではありません。進言でも詳しい説明を行うことがあり、具申でも改善案などの意見を伝えます。

実際の文章では、誰に対して何を伝えるのか、意見や事情をどの程度詳しく述べるのかを考えて、適切な言葉を選ぶことが大切です。

参考資料・出典

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