「一次判定」と「二次判定」の違いとは?要介護認定の仕組み・判定基準・結果が変わる理由を徹底比較

「介護認定の一次判定と二次判定は何が違う?」「コンピュータが要介護2と判定したのに、最終結果が要介護1になることはある?」「認定調査のときに普段の介護の大変さをうまく伝えられなかったら、どうなる?」など、要介護認定を申請すると、判定の仕組みが気になることがあります。

介護保険の要支援・要介護認定は、調査員が訪問した際の印象や、主治医が記載した病名だけで決まるわけではありません。

公平で客観的な認定を行うため、原則としてコンピュータによる一次判定と、介護認定審査会による二次判定の二段階で審査します。

結論からいうと、「一次判定」は認定調査の結果などからコンピュータが介護の必要度を推計する判定、「二次判定」は専門家が一次判定を原案として、特記事項や主治医意見書を踏まえ、介護に必要な手間を総合的に評価する判定です。

例えば、認定調査の基本項目だけでは十分に表れなかった介助の頻度や、日常生活で必要な見守りなどについて、特記事項や主治医意見書に具体的な記載があれば、二次判定で検討されます。

ただし、家族が介護の大変さを訴えたからといって、必ず要介護度が上がるわけではありません。全国共通の判定基準に沿って、介護に必要な手間を審査します。

この記事では、一次判定と二次判定の違いを比較表で整理し、認定調査の仕組み、要介護認定等基準時間、判定結果が変わる理由、要支援2と要介護1の違い、家族が準備しておきたい情報、認定結果に疑問がある場合の手続きまで詳しく解説します。

  1. 「一次判定」と「二次判定」の違い【結論】
  2. 【徹底比較】「一次判定」と「二次判定」の違いを比較表で整理
  3. 「一次判定」とは?コンピュータが介護の必要度を推計する仕組み
    1. 認定調査の結果などを基に判定する
    2. 過去の介護時間に関する統計データを利用する
    3. 要介護認定等基準時間を算出する
    4. 基準時間は、家族が実際に介護している時間とは異なる
  4. 【一覧表】一次判定で使われる要介護認定等基準時間
  5. 「二次判定」とは?介護認定審査会が専門的に審査する仕組み
    1. 介護認定審査会が一次判定を原案として検討する
    2. まず、基本調査の選択が適切か確認する
    3. 特記事項から、具体的な介護の手間を検討する
    4. 必要な根拠があれば、一次判定の結果を変更する場合がある
  6. なぜ一次判定と二次判定で結果が変わることがある?
    1. 理由1:認定調査の基本項目だけでは表れない介助がある
    2. 理由2:主治医意見書に、医学的な情報が記載されている
    3. 理由3:基本調査の選択に不整合が見つかった
    4. 理由4:要支援2と要介護1の境界に該当した
  7. 「要支援2」と「要介護1」は、二次判定でどう区別する?
    1. 認知機能の低下により、介護予防サービスを適切に利用することが難しい場合
    2. 心身の状態が安定せず、短期間で再評価が必要な場合
    3. 二次判定でも特記事項や主治医意見書を確認する
  8. 認定調査の「基本調査」と「特記事項」の違い
    1. 基本調査は、全国共通の選択肢で状態を評価する
    2. 特記事項は、具体的な状況や介護の手間を記録する
    3. 家族は、普段の介助内容を具体的に伝える
  9. 【実践】一次判定・二次判定で伝わりやすい介護の状況
    1. 場面1:歩けるが、毎回見守りが必要
    2. 場面2:食事は自分でできるが、準備や後片付けが難しい
    3. 場面3:認知機能の低下で服薬管理が難しい
    4. 場面4:日によって介護の必要度が大きく変わる
    5. 場面5:入院前後で介護の必要度が大きく変わった
  10. 二次判定で要介護度が変わると、サービスにも影響する?
    1. 要支援から要介護へ変わる場合
    2. 要介護度が上がる場合
    3. 要介護度が下がる場合
  11. 一次判定や二次判定の結果は、本人や家族が確認できる?
  12. 認定結果に納得できない場合はどうする?
    1. まず市区町村に判定結果について相談する
    2. 認定後に状態が変わった場合は区分変更申請を検討する
    3. 認定処分そのものに不服がある場合は審査請求が関係する
  13. 「一次判定」「二次判定」と似た言葉の違い
    1. 「認定調査」との違い
    2. 「主治医意見書」との違い
    3. 「介護認定審査会」との違い
    4. 「認定結果」との違い
  14. 「一次判定」と「二次判定」の3秒判定
  15. よくある間違いと注意点
    1. 「一次判定の結果が、そのまま最終的な要介護度になる」は誤り
    2. 「二次判定では、専門家が自由に要介護度を決められる」は誤り
    3. 「主治医に要介護3と書いてもらえば、必ず要介護3になる」は誤り
    4. 「家族が介護している時間が、そのまま基準時間になる」は誤り
    5. 「認定調査の日に本人が元気なら、普段の介護は考慮されない」は誤り
  16. 「一次判定」と「二次判定」の例文12選
    1. 「一次判定」を使った例文
    2. 「二次判定」を使った例文
  17. FAQ|「一次判定」と「二次判定」のよくある質問
    1. Q1. 一次判定と二次判定の最も大きな違いは何ですか?
    2. Q2. 一次判定で要介護2だった場合、最終結果も要介護2になりますか?
    3. Q3. 二次判定では、一次判定より要介護度が下がることもありますか?
    4. Q4. 一次判定は、何を基に計算しますか?
    5. Q5. 要介護認定等基準時間とは何ですか?
    6. Q6. 二次判定は誰が行いますか?
    7. Q7. 認定調査当日に普段より元気だった場合はどうなりますか?
    8. Q8. 認知症があると、必ず要介護認定になりますか?
    9. Q9. 要支援2と要介護1は、一次判定でどう区別しますか?
    10. Q10. 一次判定の結果や認定調査票を確認できますか?
    11. Q11. 認定結果に納得できない場合はどうすればよいですか?
    12. Q12. 認定後に状態が悪化した場合は、次の更新まで待つ必要がありますか?
  18. まとめ|一次判定はコンピュータによる推計、二次判定は専門家による審査
  19. 参考資料・出典

「一次判定」と「二次判定」の違い【結論】

一次判定と二次判定の違いは、判定する主体と、審査に使用する情報の範囲です。

  • 一次判定:認定調査の基本項目などを基に、コンピュータが介護の必要度を推計し、認定区分の原案を作成する段階。
  • 二次判定:介護認定審査会が、一次判定の結果、認定調査の特記事項、主治医意見書などを検討し、介護の必要度を審査する段階。

一次判定は、全国共通の判定方法を用いて、介護に必要な手間を客観的に推計します。

一方、二次判定では、基本調査の選択肢だけでは十分に表現できない介護の具体的な内容や頻度などについて、専門家が確認します。

なお、二次判定は一次判定の結果を必ず変更する手続きではありません。追加の情報を検討した結果、一次判定と同じ区分になる場合もあります。

【徹底比較】「一次判定」と「二次判定」の違いを比較表で整理

比較項目 一次判定 二次判定
判定する主体 コンピュータ 介護認定審査会
主な役割 全国共通の方法で介護の必要度を推計する 一次判定を原案として、介護に必要な手間を総合的に審査する
主な資料 認定調査の基本項目、主治医意見書の一部の情報など 一次判定結果、認定調査の特記事項、主治医意見書など
判定方法 統計データに基づく推計 専門家による審査判定
具体的な介助の頻度 調査項目を通じて反映される 特記事項などの具体的な記載を踏まえて検討する
判定結果 認定区分の原案 介護認定審査会としての審査判定結果
一次判定と異なる結果 該当しない 具体的な根拠があれば変更される場合がある
最終的な認定 一次判定だけでは確定しない 審査会の判定結果などに基づき市区町村が認定する

一次判定は全国共通の客観的な判定の基礎となり、二次判定はその結果を踏まえた個別の審査という役割を持っています。

「一次判定」とは?コンピュータが介護の必要度を推計する仕組み

認定調査の結果などを基に判定する

一次判定では、認定調査員が調べた本人の心身の状態や日常生活の状況などを基に、コンピュータが介護に必要な手間を推計します。

認定調査には、身体機能や生活機能、認知機能などに関する基本調査項目があります。

例えば、寝返り、立ち上がり、歩行、食事、排せつ、認知機能、日常生活上の行動などです。

これらの情報を、全国共通の判定方法に当てはめて、要介護認定等基準時間などを算出します。

過去の介護時間に関する統計データを利用する

厚生労働省によると、一次判定には、約3,500人の高齢者を対象に、48時間にわたって実際の介護の内容や時間を調べたデータが利用されています。

このデータを基に、認定調査の結果が近い人の介護に必要な手間を推計する仕組みです。

そのため、一次判定は、認定調査員が個人的な印象で要介護度を決めるものではありません。

要介護認定等基準時間を算出する

一次判定では、介護に必要な手間を、要介護認定等基準時間という指標で表します。

主に次の五つの分野について、必要な時間を推計します。

  • 直接生活介助
  • 間接生活介助
  • 認知症の行動・心理症状に関連する行為
  • 機能訓練関連行為
  • 医療関連行為

これらの時間と所定の加算などを基に、要介護認定等基準時間が算出され、一次判定の結果が示されます。

基準時間は、家族が実際に介護している時間とは異なる

要介護認定等基準時間は、介護の必要度を評価するための統計的な指標です。

例えば、要介護認定等基準時間が60分と推計された場合でも、実際に家族が毎日60分だけ介護しているという意味ではありません。

また、訪問介護を毎日60分利用できることを示すものでもありません。

本人の状態や介護に必要な手間を比較するための、全国共通の「ものさし」です。

【一覧表】一次判定で使われる要介護認定等基準時間

厚生労働省が示す、要介護認定等基準時間の基本的な目安は次のとおりです。

認定区分 要介護認定等基準時間
非該当 原則25分未満
要支援1 25分以上32分未満
要支援2・要介護1 32分以上50分未満
要介護2 50分以上70分未満
要介護3 70分以上90分未満
要介護4 90分以上110分未満
要介護5 110分以上

各区分には、表の基準時間に相当すると認められる状態も含まれます。

また、要支援2と要介護1は同じ基準時間に該当するため、認知機能の低下や心身の状態の安定性などを踏まえて区別されます。

「二次判定」とは?介護認定審査会が専門的に審査する仕組み

介護認定審査会が一次判定を原案として検討する

二次判定では、保健・医療・福祉の専門家で構成される介護認定審査会が、一次判定の結果を原案として審査します。

審査には、認定調査の特記事項や主治医意見書などが使用されます。

これにより、基本調査の選択肢だけでは十分に把握できない介護の手間を、より具体的に検討します。

まず、基本調査の選択が適切か確認する

介護認定審査会では、最初に、基本調査の選択結果と、特記事項や主治医意見書の記載との整合性を確認します。

例えば、基本調査では「介助されていない」と選択されているものの、特記事項には、本人の状態から見てその介助方法が明らかに不適切であることを示す記載がある場合です。

基本調査の選択に誤りが確認されたときには、所定の手順に従って修正し、必要に応じて一次判定をやり直します。

ただし、基本調査の選択を修正することと、二次判定で介護の手間を評価して認定区分を変更することは、別の手続きです。

特記事項から、具体的な介護の手間を検討する

次に、一次判定の結果を原案として、特記事項や主治医意見書を踏まえ、介護に必要な手間について審査します。

例えば、歩行は可能と判定されていても、転倒を防ぐため、移動するたびに家族の見守りが必要な場合です。

また、認知機能の低下によって、服薬や日常生活の管理などに、通常より多くの介助を要する場合もあります。

このような具体的な介護の内容や頻度が、審査の材料となります。

必要な根拠があれば、一次判定の結果を変更する場合がある

一次判定の結果と、具体的な介護の手間が一致しないと判断される場合、介護認定審査会は所定の手順に従って認定区分を変更することがあります。

例えば、一次判定では要介護2だったものの、特記事項や主治医意見書から、通常よりも多くの介護の手間が必要と判断された場合です。

ただし、一次判定と異なる結果にする場合は、特記事項や主治医意見書に記載された具体的な根拠が必要です。

介護認定審査会が自由に認定区分を決められるわけではありません。

なぜ一次判定と二次判定で結果が変わることがある?

理由1:認定調査の基本項目だけでは表れない介助がある

認定調査の基本項目は、全国共通の基準で本人の状態を評価するために設けられています。

しかし、個々の生活場面で発生するすべての介護の手間を、選択肢だけで表現できるとは限りません。

例えば、認定調査では歩行が可能と評価されたものの、自宅では転倒を防ぐために、毎回家族が付き添っている場合です。

こうした具体的な介助の内容や頻度について、特記事項に記載されていれば、二次判定で検討されます。

理由2:主治医意見書に、医学的な情報が記載されている

主治医意見書には、本人の疾病や心身の状態、日常生活への影響などが記載されます。

例えば、認定調査当日は比較的安定していたものの、病気の症状によって日常的に介助の必要度が変わる場合です。

医学的な情報を踏まえることで、介護に必要な手間が追加的に検討される場合があります。

理由3:基本調査の選択に不整合が見つかった

基本調査の結果と、特記事項や主治医意見書の記載に不整合がある場合、介護認定審査会が基本調査の選択を修正することがあります。

ただし、修正できるのは、基本調査項目の定義に照らして不整合が確認できる場合です。

単に一次判定の結果が低いと感じるから、選択肢を変更するわけではありません。

理由4:要支援2と要介護1の境界に該当した

要支援2と要介護1は、どちらも要介護認定等基準時間が32分以上50分未満という共通の基準を持ちます。

このため、認知機能の低下や心身の状態の安定性などによって、認定区分が分かれます。

一次判定で示された区分について、特記事項や主治医意見書などの情報を基に、二次判定で検討することがあります。

「要支援2」と「要介護1」は、二次判定でどう区別する?

要支援2と要介護1の違いは、単に必要な介護時間の長さだけで決まるわけではありません。

同じ基準時間の範囲に該当する人について、主に認知機能の低下と心身の状態の安定性が検討されます。

認知機能の低下により、介護予防サービスを適切に利用することが難しい場合

例えば、認知症などによって、介護予防サービスを利用するための適切な理解が困難な場合です。

こうした状態に該当すると判断される場合は、要介護1と判定されることがあります。

ただし、認知症という病名があれば、必ず要介護1になるというわけではありません。

心身の状態が安定せず、短期間で再評価が必要な場合

例えば、病気やけがなどによって心身の状態が安定しておらず、短期間で介護の必要度が大きく変わる可能性が高い場合です。

このような状態についても、要支援2と要介護1の判定で検討されます。

厚生労働省の判定資料では、おおむね6か月程度以内に再評価が必要となる可能性などが、判断の目安として示されています。

二次判定でも特記事項や主治医意見書を確認する

一次判定で要支援2または要介護1と示された場合も、介護認定審査会は特記事項や主治医意見書の記載を確認します。

その結果、認知機能の状態や心身の安定性について具体的な根拠が認められれば、一次判定で示された区分が変更される場合があります。

認定調査の「基本調査」と「特記事項」の違い

基本調査は、全国共通の選択肢で状態を評価する

基本調査では、本人の身体機能や生活機能、認知機能などについて、全国共通の基準に従って調査します。

例えば、立ち上がりや歩行、食事、排せつなどについて、所定の選択肢から該当する状態を選びます。

この結果が一次判定の基礎となります。

特記事項は、具体的な状況や介護の手間を記録する

特記事項では、基本調査の選択理由や、日常生活で必要な具体的な介護の内容、頻度などを記載します。

例えば、「移動には見守りが必要」と記載するだけでなく、どのような場面で、どの程度の頻度で見守りが必要なのかなどを説明することが重要です。

こうした情報は、介護認定審査会で、基本調査の選択が適切か確認する際や、介護の手間を検討する際に使用されます。

家族は、普段の介助内容を具体的に伝える

本人が認定調査当日に普段より調子がよく、日常生活で必要としている介助が調査員へ十分に伝わらない場合があります。

そのため、家族などが普段の介助内容や頻度を整理しておくと、実際の状態を説明しやすくなります。

例えば、歩行、入浴、排せつ、服薬管理、夜間の見守りなどについて、具体的な状況を整理しておきましょう。

調査項目の記載を確かめることと、普段の生活状況を照らし合わせて内容の妥当性を調べることの違いについては、「確認」と「検証」の違いも参考になります。

【実践】一次判定・二次判定で伝わりやすい介護の状況

場面1:歩けるが、毎回見守りが必要

本人は歩行できるものの、転倒の危険があり、家族が移動のたびに付き添っている場合です。

この場合は、本人が歩けるかどうかだけでなく、実際にどのような見守りが必要で、どのくらいの頻度で行っているかが重要です。

場面2:食事は自分でできるが、準備や後片付けが難しい

本人は食事を自分で口に運べるものの、食事の準備や後片付けには家族の支援が必要な場合です。

食べる動作と、日常生活全体で必要な支援は異なります。

認定調査では、それぞれの状況を正確に伝えましょう。

場面3:認知機能の低下で服薬管理が難しい

身体機能は比較的保たれているものの、認知機能の低下によって、薬の飲み忘れや重複服用が起きる場合です。

このような場合は、実際に家族などが行っている服薬管理の内容や頻度を整理しておきましょう。

場面4:日によって介護の必要度が大きく変わる

病気や体調の変化によって、介助がほとんど必要ない日と、多くの介助が必要な日がある場合です。

認定調査当日の状態だけでなく、普段の状態や変動の頻度などを具体的に伝えることが重要です。

場面5:入院前後で介護の必要度が大きく変わった

入院前は自立して生活していたものの、退院後に移動や入浴などの介助が必要になった場合です。

主治医や認定調査員に、入院前後の変化や現在必要な介護について説明しましょう。

なお、介護認定の有効期間中に状態が大きく変わった場合は、更新時期を待たずに区分変更申請を検討することもできます。

二次判定で要介護度が変わると、サービスにも影響する?

二次判定の結果を踏まえて市区町村が認定区分を決定すると、利用できる介護保険サービスや区分支給限度基準額などに影響する場合があります。

要支援から要介護へ変わる場合

例えば、要支援2から要介護1へ変わった場合です。

利用できるサービスが、介護予防サービスなどから、介護給付によるサービスへ変わる場合があります。

また、ケアプランの作成を担当する事業所などが変わることもあります。

要介護度が上がる場合

要介護1から要介護2などに認定区分が変わった場合、所定の在宅サービスについては、区分支給限度基準額が増える場合があります。

ただし、要介護度が上がれば、すべてのサービスを無制限に利用できるわけではありません。

本人の状態やケアプラン、サービスの利用条件などを踏まえて検討する必要があります。

要介護度が下がる場合

以前よりも介護に必要な手間が少ないと判定された場合、認定区分が下がることもあります。

その場合は、現在利用している介護サービスの種類や回数、区分支給限度基準額などを確認する必要があります。

認定区分が変わった場合の手続きと、ケアプランの内容を見直すことは異なるため、担当ケアマネジャーなどへ相談しましょう。

一般的な言葉の使い分けについては、「変更」と「修正」の違いも参考になります。

一次判定や二次判定の結果は、本人や家族が確認できる?

要介護認定の結果は、市区町村から通知されます。

一方、一次判定の結果や認定調査票、主治医意見書などの認定資料については、市区町村が定める手続きに従って、開示や情報提供を受けられる場合があります。

ただし、本人や家族であれば、どの資料でも無条件に閲覧できるというわけではありません。

本人確認や同意、資料の利用目的などについて、所定の条件が設けられている場合があります。

認定結果に疑問がある場合は、市区町村の介護保険担当窓口へ、確認できる資料や手続きについて問い合わせましょう。

認定結果に納得できない場合はどうする?

まず市区町村に判定結果について相談する

認定結果が本人の普段の状態と合っていないと感じる場合は、まず市区町村の介護保険担当窓口へ相談しましょう。

例えば、日常的に介助が必要であるにもかかわらず、その状況が認定調査で十分に伝わっていなかったと考える場合です。

認定調査票などの資料を確認できるか、自治体に問い合わせましょう。

認定後に状態が変わった場合は区分変更申請を検討する

認定を受けた後に本人の心身の状態が変わり、現在の認定区分が実際の状態に合わなくなった場合は、区分変更申請が関係します。

例えば、認定後に転倒して歩行困難になり、新たに入浴や排せつなどの介助が必要になった場合です。

こうした場合は、担当ケアマネジャーや市区町村へ相談しましょう。

認定処分そのものに不服がある場合は審査請求が関係する

認定時点の状況について、認定処分そのものに不服がある場合は、都道府県の介護保険審査会への審査請求が関係することがあります。

審査請求には所定の期限や手続きがあります。

認定後の状態の変化を理由とする区分変更申請とは、目的が異なるため、どちらが関係するのか、市区町村へ確認しましょう。

疑問や問題が生じた場合に必要な行動を整理する際には、「対応」と「対処」の違いも参考になります。

「一次判定」「二次判定」と似た言葉の違い

「認定調査」との違い

認定調査は、市区町村の認定調査員などが、本人の心身の状態や日常生活の状況を調べる手続きです。

一方、一次判定は、その調査結果などを基にコンピュータが介護の必要度を推計する段階です。

つまり、認定調査で集めた情報が、一次判定の基礎となります。

「主治医意見書」との違い

主治医意見書は、本人の疾病や心身の状態、日常生活への影響などについて、主治医が医学的な立場から記載する書類です。

一次判定と二次判定は、このような資料などを用いて介護の必要度を判定する手続きです。

「介護認定審査会」との違い

介護認定審査会は、保健・医療・福祉の専門家などで構成される審査機関です。

一方、二次判定は、この介護認定審査会が行う審査判定の段階を指します。

「認定結果」との違い

認定結果は、一次判定や二次判定などの手続きを経て、市区町村が決定した要支援・要介護認定の結果です。

一次判定の結果だけで認定区分が確定するわけではありません。

「一次判定」と「二次判定」の3秒判定

確認したい内容 主に関係する段階
コンピュータが認定調査結果などを基に推計する 一次判定
要介護認定等基準時間を算出する 一次判定
一次判定を原案として専門家が審査する 二次判定
特記事項や主治医意見書を踏まえて介護の手間を検討する 二次判定
基本調査の選択に不整合がないか確認する 介護認定審査会における一次判定の修正・確定
具体的な根拠に基づいて一次判定の区分を変更する 二次判定
審査会の判定結果などに基づき認定区分を決定する 市区町村による認定

コンピュータによる客観的な原案が一次判定、専門家が資料を踏まえて審査するのが二次判定と覚えましょう。

よくある間違いと注意点

「一次判定の結果が、そのまま最終的な要介護度になる」は誤り

一次判定は、二次判定の原案となるものです。二次判定で特記事項や主治医意見書を踏まえて審査した結果、別の区分になる場合があります。

「二次判定では、専門家が自由に要介護度を決められる」は誤り

二次判定では、全国共通の基準や、特記事項・主治医意見書に記載された具体的な根拠に基づいて審査します。

一次判定と異なる結果にする場合も、適切な根拠が必要です。

「主治医に要介護3と書いてもらえば、必ず要介護3になる」は誤り

主治医意見書は、認定に使用する重要な資料ですが、主治医だけが要介護度を決めるわけではありません。

認定調査や介護認定審査会での審査などを経て、市区町村が認定します。

「家族が介護している時間が、そのまま基準時間になる」は誤り

要介護認定等基準時間は、統計データなどから推計された介護の必要度の指標です。

実際に家族が介護している時間や、利用できる訪問介護の時間とは異なります。

「認定調査の日に本人が元気なら、普段の介護は考慮されない」は誤り

認定調査では、調査当日の状態だけでなく、所定の調査基準に従い、普段の状況や介助の内容なども確認します。

家族が日常的に行っている介助や見守りについて、具体的に伝えることが重要です。

「一次判定」と「二次判定」の例文12選

「一次判定」を使った例文

  1. 要介護認定の一次判定では、認定調査の結果などを基にコンピュータが判定する。
  2. 父の一次判定では、要介護2という結果が示された。
  3. 一次判定で使われる要介護認定等基準時間について調べた。
  4. 一次判定は、全国共通の方法に基づいて行われる。
  5. 認定調査の基本項目に不整合が見つかったため、一次判定の修正が検討された。
  6. 一次判定の結果だけでは、最終的な要介護度は確定しない。

「二次判定」を使った例文

  1. 二次判定では、介護認定審査会が一次判定の結果を原案として審査する。
  2. 特記事項に記載された介護の手間が、二次判定で検討された。
  3. 主治医意見書の内容も、二次判定の重要な資料となる。
  4. 二次判定の結果、一次判定とは異なる認定区分になった。
  5. 要支援2と要介護1の区別について、二次判定で検討された。
  6. 二次判定では、認定調査の特記事項や主治医意見書を踏まえ、介護の必要度を総合的に判断する。

FAQ|「一次判定」と「二次判定」のよくある質問

Q1. 一次判定と二次判定の最も大きな違いは何ですか?

判定する主体と、使用する情報の範囲です。一次判定はコンピュータが認定調査の結果などから介護の必要度を推計します。二次判定は介護認定審査会が、一次判定を原案として、特記事項や主治医意見書なども踏まえて審査します。

Q2. 一次判定で要介護2だった場合、最終結果も要介護2になりますか?

必ずしもそうではありません。二次判定で具体的な介護の手間などが検討され、所定の根拠に基づいて認定区分が変更される場合があります。

Q3. 二次判定では、一次判定より要介護度が下がることもありますか?

あります。特記事項や主治医意見書などを踏まえた審査によって、一次判定よりも介護に必要な手間が少ないと判断される場合などです。ただし、変更には具体的な根拠が必要です。

Q4. 一次判定は、何を基に計算しますか?

認定調査の基本項目や主治医意見書の一部の情報などを基に、全国共通のコンピュータシステムで要介護認定等基準時間などを推計します。

Q5. 要介護認定等基準時間とは何ですか?

介護に必要な手間を評価するため、統計データなどから推計される時間です。家族が実際に介護している時間や、訪問介護を利用できる時間を示すものではありません。

Q6. 二次判定は誰が行いますか?

保健・医療・福祉の専門家などで構成される介護認定審査会が行います。一次判定の結果や特記事項、主治医意見書などを踏まえて審査します。

Q7. 認定調査当日に普段より元気だった場合はどうなりますか?

認定調査では、所定の基準に従って、普段の状態や介助の状況なども確認します。家族などが日常的に行っている介助や見守りについて、具体的な内容と頻度を伝えましょう。

Q8. 認知症があると、必ず要介護認定になりますか?

病名だけで認定区分が決まるわけではありません。身体機能や認知機能、日常生活で必要な介助などを総合的に評価します。

Q9. 要支援2と要介護1は、一次判定でどう区別しますか?

両者は要介護認定等基準時間が32分以上50分未満という共通の基準を持ちます。認知機能の低下や心身の状態の安定性などを基に区別され、二次判定でも特記事項や主治医意見書などを踏まえて審査します。

Q10. 一次判定の結果や認定調査票を確認できますか?

市区町村が定める手続きに従って、開示や情報提供を受けられる場合があります。ただし、本人確認や同意、資料の利用目的などについて、所定の条件が設けられている場合があります。

Q11. 認定結果に納得できない場合はどうすればよいですか?

まず、市区町村の介護保険担当窓口へ相談しましょう。認定処分そのものに不服がある場合は、介護保険審査会への審査請求などが関係します。

Q12. 認定後に状態が悪化した場合は、次の更新まで待つ必要がありますか?

必ずしも待つ必要はありません。心身の状態が大きく変わり、現在の認定区分が実際の状態に合わなくなった場合は、有効期間中でも区分変更申請を検討できます。

まとめ|一次判定はコンピュータによる推計、二次判定は専門家による審査

「一次判定」と「二次判定」は、要支援・要介護認定の公平性と個別の状況への対応を両立させるための、二段階の審査です。

  • 一次判定:認定調査の基本項目などを基に、コンピュータが全国共通の方法で介護の必要度を推計する段階。
  • 二次判定:介護認定審査会が一次判定を原案として、特記事項や主治医意見書などを踏まえ、介護に必要な手間を審査する段階。
  • 最終的な認定:介護認定審査会の判定結果などに基づいて、市区町村が要支援・要介護の認定区分を決定する。

特に重要なのは、一次判定の結果が必ず最終的な要介護度になるわけではないことです。

認定調査の基本項目だけでは十分に表現できない介助の内容や頻度などは、特記事項や主治医意見書を通じて、二次判定で検討されます。

そのため、本人や家族は、認定調査の際に、普段どのような介助や見守りが必要なのかを具体的に伝えることが重要です。

認定結果について疑問がある場合は、市区町村の介護保険担当窓口へ相談し、必要に応じて資料の確認や、状況に合った手続きを検討しましょう。

参考資料・出典

タイトルとURLをコピーしました