「賃金日額」と「基本手当日額」の違いとは?失業保険の計算方法・給付率・上限額を解説

「失業保険の計算に使う賃金日額とは?」「基本手当日額は退職前の給与の何%になる?」「月給30万円なら、失業保険を1日いくら受け取れる?」など、退職後の生活費を考える際に気になるのが、雇用保険の基本手当の金額です。

失業給付の説明では、「賃金日額」と「基本手当日額」という二つの用語が登場します。どちらも1日当たりの金額を表すため、同じものだと勘違いしやすい言葉です。

しかし、両者は異なります。

「賃金日額」は離職前の賃金を基に計算する1日当たりの賃金額、「基本手当日額」は賃金日額を基に計算した、実際の失業給付の1日当たりの支給額です。

例えば、離職前6か月の賃金総額が144万円だった場合、単純計算による賃金日額は8,000円です。この8,000円に年齢や賃金水準に応じた給付率を適用し、上限額や下限額も踏まえて基本手当日額を決定します。

つまり、賃金日額が8,000円だからといって、失業保険を1日8,000円受け取れるわけではありません。

この記事では、賃金日額と基本手当日額の違いを比較表で整理し、離職前6か月の給与からの計算方法、残業代や賞与の扱い、年齢別の給付率、2026年8月からの上限額・最低額、受給総額の考え方まで詳しく解説します。

  1. 「賃金日額」と「基本手当日額」の違い【結論】
  2. 【徹底比較】「賃金日額」と「基本手当日額」の違いを比較表で整理
  3. 「賃金日額」とは?意味と計算方法
    1. 賃金日額は、離職前の給与を1日当たりに換算した金額
    2. 賃金日額は、手取り給与ではなく原則として総支給額を基に計算する
    3. 残業代や通勤手当は原則として含まれる
    4. 賞与や退職金は原則として含まれない
  4. 「基本手当日額」とは?意味と計算方法
    1. 基本手当日額は、失業保険として1日当たりに支給される金額
    2. 給付率は原則として50~80%
    3. 基本手当日額には上限額がある
    4. 基本手当日額には最低額もある
  5. 【2026年8月改定】基本手当日額の上限額と最低額
    1. 年齢別の上限額
    2. 最低額は2,562円
    3. 上限額・最低額は今後も変わる可能性がある
  6. 【計算例】月給24万円なら、賃金日額はいくら?
  7. 【計算例】賃金日額が高額な場合はどうなる?
  8. 基本手当日額と所定給付日数を掛ければ、受給総額がわかる?
  9. 基本手当日額と実際の振込額は同じではない
    1. 基本手当日額は、あくまで1日当たりの金額
    2. 失業認定によって実際の支給日数が決まる
    3. 基本手当は原則として非課税
  10. 【実践】賃金日額と基本手当日額を確認する5つのポイント
    1. 1. 離職直前6か月間の対象賃金を整理する
    2. 2. 離職票の賃金額を確認する
    3. 3. 離職時の年齢を確認する
    4. 4. 所定給付日数と受給期間を確認する
    5. 5. 実際の金額は雇用保険受給資格者証などで確認する
  11. 「賃金日額」「基本手当日額」と似た言葉の違い
    1. 「基本手当」との違い
    2. 「所定給付日数」との違い
    3. 「受給期間」との違い
    4. 「給付基礎日額」との違い
    5. 「平均賃金」との違い
  12. 「賃金日額」と「基本手当日額」の3秒判定
  13. よくある間違いと注意点
    1. 「賃金日額が1万円なら、基本手当日額も1万円」は誤り
    2. 「失業保険の計算には、手取り給与を使う」は誤り
    3. 「賞与が多いほど、基本手当日額も必ず高くなる」は誤り
    4. 「退職前の給与が高ければ、失業保険も無制限に増える」は誤り
    5. 「基本手当日額は、退職時に決まったら絶対に変わらない」は誤り
  14. 「賃金日額」と「基本手当日額」の例文12選
    1. 「賃金日額」を使った例文
    2. 「基本手当日額」を使った例文
  15. FAQ|「賃金日額」と「基本手当日額」のよくある質問
    1. Q1. 「賃金日額」と「基本手当日額」は同じ意味ですか?
    2. Q2. 賃金日額はどのように計算しますか?
    3. Q3. 基本手当日額は退職前の給与の何%ですか?
    4. Q4. 2026年の基本手当日額の上限額はいくらですか?
    5. Q5. 2026年の基本手当日額の最低額はいくらですか?
    6. Q6. 基本手当日額が6,000円なら、毎月18万円受け取れますか?
    7. Q7. 残業代は基本手当日額の計算に反映されますか?
    8. Q8. 賞与は賃金日額に含まれますか?
    9. Q9. 基本手当日額がわかれば、失業保険の総額もわかりますか?
    10. Q10. 自分の賃金日額や基本手当日額は、どこで確認できますか?
  16. まとめ|賃金日額は計算の基礎、基本手当日額は実際の1日当たりの支給額
  17. 参考資料・出典

「賃金日額」と「基本手当日額」の違い【結論】

賃金日額と基本手当日額を区別する際は、「計算の基礎になる金額」なのか、「実際に支給される金額」なのかに注目しましょう。

  • 賃金日額:原則として、離職直前6か月間の賃金総額を180で割って求める、基本手当の計算の基礎となる金額。
  • 基本手当日額:賃金日額に年齢や賃金水準に応じた給付率を適用し、上限額・下限額などを踏まえて決まる、基本手当の1日当たりの支給額。

例えば、賃金日額が1万円だったとしても、基本手当日額がそのまま1万円になるわけではありません。

基本手当日額は、原則として賃金日額のおよそ50~80%で、離職時の年齢が60歳以上65歳未満の場合は、およそ45~80%です。

また、基本手当日額には年齢別の上限額と共通の最低額があります。

したがって、「賃金日額=基本手当日額」ではなく、「賃金日額を基に基本手当日額を計算する」という関係です。

【徹底比較】「賃金日額」と「基本手当日額」の違いを比較表で整理

比較項目 賃金日額 基本手当日額
読み方 ちんぎんにちがく きほんてあてにちがく
意味 失業給付の計算の基礎となる1日当たりの賃金額 基本手当として1日当たりに支給される金額
主な計算方法 原則として離職直前6か月の賃金総額÷180 賃金日額に所定の給付率を適用
残業代の扱い 原則として計算に含まれる 賃金日額を通じて反映される
賞与の扱い 原則として除外される 原則として計算の基礎に含まれない
年齢による違い 上限額などが異なる 給付率や上限額が異なる
基本手当との関係 支給額を算定するための基礎 実際の支給額を計算する基礎
所定給付日数との関係 直接、給付日数を決定するものではない 所定給付日数を掛けることで受給総額の目安を計算できる

賃金日額と基本手当日額の両方を知ることで、退職前の給与が失業保険の金額にどのように反映されるのか理解しやすくなります。

「賃金日額」とは?意味と計算方法

賃金日額は、離職前の給与を1日当たりに換算した金額

賃金日額とは、雇用保険の基本手当を計算するために使用する、1日当たりの賃金額です。

原則として、離職直前6か月間に支払われた賃金総額を180で割って算出します。

例えば、離職前6か月の賃金総額が180万円だった場合は、次のようになります。

1,800,000円 ÷ 180日 = 10,000円

この場合、単純計算による賃金日額は1万円です。

ただし、実際には算定対象となる賃金の範囲や、賃金日額の上限額・下限額などを確認する必要があります。

賃金日額は、手取り給与ではなく原則として総支給額を基に計算する

賃金日額の計算では、通常、給与から所得税や社会保険料などが差し引かれる前の賃金を基にします。

例えば、毎月の総支給額が30万円で、税金や社会保険料を差し引いた手取り額が24万円だった場合です。

基本手当の計算では、原則として手取り24万円ではなく、対象となる賃金30万円を基に考えます。

ただし、総支給額に含まれているすべての項目が、必ず賃金日額の計算対象になるわけではありません。

残業代や通勤手当は原則として含まれる

賃金日額の算定では、基本給のほか、残業代や通勤手当なども、原則として対象となります。

例えば、次のような給与を受け取っている場合です。

給与の項目 毎月の金額
基本給 220,000円
残業代 30,000円
通勤手当 10,000円
合計 260,000円

仮に6か月間、毎月同じ賃金が支払われた場合、賃金総額は156万円になります。

その場合の賃金日額は、単純計算で約8,666円です。

ただし、実際の給与項目や支給方法によって扱いが異なる場合があるため、給与明細や離職票の内容を確認する必要があります。

賞与や退職金は原則として含まれない

賃金日額の計算では、原則として賞与などの臨時に支払われる賃金や、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含まれません。

例えば、毎月の給与とは別に、夏と冬にボーナスを受け取っている場合です。

このボーナスを、通常の月給と合わせて6か月分の賃金総額に加えるわけではありません。

また、退職金も、原則として賃金日額の計算対象には含まれません。

ただし、「賞与」という名称でも、実際の支給方法や賃金の性質によって扱いを確認する必要があります。

「基本手当日額」とは?意味と計算方法

基本手当日額は、失業保険として1日当たりに支給される金額

基本手当日額とは、雇用保険の基本手当について、1日当たりいくら支給されるかを表す金額です。

原則として、賃金日額に一定の給付率を適用して計算します。

例えば、賃金日額が8,000円だった場合、その8,000円に年齢や賃金水準に応じた給付率を適用します。

ただし、賃金日額が8,000円だからといって、基本手当日額を単純に8,000円の80%と決めてよいわけではありません。

実際の給付率は、賃金日額や離職時の年齢によって異なります。

給付率は原則として50~80%

基本手当日額の給付率は、原則として賃金日額のおよそ50~80%です。

ただし、離職時の年齢が60歳以上65歳未満の場合は、およそ45~80%となります。

一般的に、賃金日額が低い人ほど給付率が高く、賃金日額が高い人ほど給付率が低くなる仕組みです。

これは、失業中の生活を支えるという雇用保険の目的に基づくものです。

基本手当日額には上限額がある

基本手当日額には、離職時の年齢に応じた上限額があります。

例えば、退職前の給与が高額だった人でも、基本手当日額が無制限に高くなるわけではありません。

また、上限額は毎年見直されるため、実際に受給する時期に適用される金額を確認することが重要です。

基本手当日額には最低額もある

基本手当日額には、上限額だけでなく最低額も設けられています。

2026年8月1日から適用される基本手当日額の最低額は、2,562円です。

ただし、最低額があるという理由だけで、雇用保険の受給資格がない人も基本手当を受け取れるわけではありません。

実際の受給には、雇用保険の加入期間や失業の状態など、所定の条件を満たす必要があります。

【2026年8月改定】基本手当日額の上限額と最低額

基本手当日額の上限額と最低額は、原則として毎年8月に見直されます。

厚生労働省は、2026年8月1日から基本手当日額を改定しました。

年齢別の上限額

離職時の年齢 2026年8月1日からの基本手当日額の上限
30歳未満 7,450円
30歳以上45歳未満 8,270円
45歳以上60歳未満 9,110円
60歳以上65歳未満 7,830円

基本手当日額の上限額は、離職時の年齢によって異なります。

例えば、45歳以上60歳未満の人については、2026年8月1日からの上限額が9,110円です。

一方、30歳以上45歳未満の人については、上限額が8,270円です。

ただし、実際の基本手当日額が必ず上限額になるわけではありません。賃金日額を基に計算した結果が上限額を超える場合に、上限額が適用されます。

最低額は2,562円

2026年8月1日からの基本手当日額の最低額は、2,562円です。

これは、前年度の2,411円から151円引き上げられたものです。

なお、実際の支給額については、受給資格や賃金日額の算定、適用される制度などに基づいて判断されます。

上限額・最低額は今後も変わる可能性がある

基本手当日額の上限額や最低額は、毎年度の賃金水準などを踏まえて見直されます。

そのため、2026年8月1日からの金額を、数年後の退職にそのまま当てはめることはできません。

実際に退職する際には、ハローワークや厚生労働省の最新情報を確認しましょう。

制度改定に伴って従来の金額が新しい金額へ変わる場合の表現については、「変更」と「修正」の違いも参考になります。

【計算例】月給24万円なら、賃金日額はいくら?

ここでは、毎月の賃金が24万円で、離職直前6か月間の対象賃金がすべて同じだった場合を考えます。

計算項目 金額
毎月の対象賃金 240,000円
6か月間の賃金総額 1,440,000円
賃金日額 8,000円

この場合、賃金日額は8,000円です。

しかし、基本手当日額は8,000円とは限りません。

賃金日額8,000円に、離職時の年齢と賃金水準に応じた給付率を適用して計算する必要があります。

また、算定した基本手当日額が所定の上限額を超える場合には、上限額が適用されます。

【計算例】賃金日額が高額な場合はどうなる?

例えば、30歳以上45歳未満の人について、離職前6か月間の対象賃金総額が360万円だったとします。

この場合、単純計算による賃金日額は次のとおりです。

3,600,000円 ÷ 180日 = 20,000円

しかし、基本手当日額は賃金日額の50%である1万円を、そのまま受け取れるわけではありません。

2026年8月1日からの30歳以上45歳未満の基本手当日額の上限は、8,270円です。

そのため、この例では、実際の基本手当日額に上限額が適用されます。

賃金日額が高額であっても、基本手当日額が一定の金額で頭打ちになる点に注意しましょう。

基本手当日額と所定給付日数を掛ければ、受給総額がわかる?

基本手当日額と所定給付日数がわかれば、基本手当をすべて受給した場合の総額を計算できます。

例えば、基本手当日額が6,000円で、所定給付日数が90日の場合です。

6,000円 × 90日 = 540,000円

この例では、90日分をすべて受給した場合、合計54万円です。

ただし、この金額が必ず全額支給されるというわけではありません。

例えば、受給期間が満了した場合や、途中で再就職した場合などには、所定給付日数のすべてを受け取れないことがあります。

また、失業認定を受けられない日や、就労・収入によって給付が調整される日なども関係します。

基本手当日額と実際の振込額は同じではない

基本手当日額は、あくまで1日当たりの金額

基本手当日額は、基本手当として1日当たりに支給される金額です。

そのため、銀行口座へ振り込まれる金額は、基本手当日額に実際の支給対象日数を掛けた金額になります。

例えば、基本手当日額が6,000円で、28日分が支給対象となった場合、単純計算では16万8,000円です。

ただし、初回の認定期間などでは、支給対象日数が28日にならない場合があります。

失業認定によって実際の支給日数が決まる

基本手当を受給するには、原則としてハローワークで失業の認定を受ける必要があります。

失業認定では、求職活動の状況や、アルバイトなどによる就労・収入の有無などを確認します。

例えば、失業認定の対象期間中にアルバイトを行った場合、働いた時間や収入などによって、基本手当の支給に影響することがあります。

そのため、基本手当日額に28を掛けた金額が、毎回必ず振り込まれるわけではありません。

基本手当は原則として非課税

雇用保険の基本手当は、原則として所得税が課されません。

したがって、基本手当そのものについて、通常の給与のように所得税が源泉徴収されるわけではありません。

ただし、基本手当を受けている期間の健康保険料や国民年金保険料などについては、別途確認する必要があります。

【実践】賃金日額と基本手当日額を確認する5つのポイント

1. 離職直前6か月間の対象賃金を整理する

まず、離職直前6か月間の給与明細などを用意しましょう。

基本給だけでなく、残業代や通勤手当など、賃金日額の計算対象となる項目を確認します。

また、賞与など、原則として算定対象に含まれない項目が混ざっていないかについても確認しましょう。

2. 離職票の賃金額を確認する

会社から交付される離職票には、賃金額などの情報が記載されています。

賃金日額の算定に関係する内容なので、給与明細と比較して確認しましょう。

記載内容に疑問がある場合は、会社やハローワークに説明を求めることが考えられます。

書類に書かれた金額を確かめることと、実際の給与記録に照らして正確性を検証することの違いについては、「確認」と「検証」の違いも参考になります。

3. 離職時の年齢を確認する

基本手当日額の上限額や給付率は、離職時の年齢によって異なります。

例えば、30歳未満と30歳以上45歳未満では、基本手当日額の上限額が異なります。

また、60歳以上65歳未満の場合は、給付率の下限が45%になります。

そのため、正確な支給額を知りたい場合は、離職時の年齢も確認しましょう。

4. 所定給付日数と受給期間を確認する

基本手当日額がわかっても、それだけでは受給総額はわかりません。

実際の受給総額を考える際には、所定給付日数と受給期間も重要です。

例えば、基本手当日額が同じ6,000円でも、所定給付日数が90日の人と150日の人では、すべて受給した場合の総額が異なります。

また、受給期間の満了日までに所定給付日数をすべて使い切れない場合もあります。

5. 実際の金額は雇用保険受給資格者証などで確認する

ハローワークで受給資格の決定を受けた後は、雇用保険受給資格者証などで、基本手当日額や所定給付日数、受給期間満了年月日などを確認できます。

自分で計算した金額と異なる場合は、算定対象となる賃金や適用された上限額などについて、ハローワークへ確認しましょう。

実際に疑問や問題が発生した際の行動の違いについては、「対応」と「対処」の違いも参考になります。

「賃金日額」「基本手当日額」と似た言葉の違い

「基本手当」との違い

基本手当は、雇用保険の一般被保険者が離職し、所定の受給資格を満たした場合に支給される、いわゆる失業給付です。

一方、基本手当日額は、その基本手当について1日当たりいくら支給されるかを表します。

例えば、基本手当日額が6,000円であれば、支給対象となる1日について6,000円の基本手当が支給される計算です。

「所定給付日数」との違い

所定給付日数は、基本手当を最大何日分受け取れるかを表す日数です。

例えば、一般的な離職者では、被保険者であった期間などによって90日・120日・150日となります。

一方、基本手当日額は1日当たりの金額です。

基本手当日額と所定給付日数を掛けることで、すべて受給した場合の総額の目安を計算できます。

「受給期間」との違い

受給期間は、基本手当を受け取ることができる期限です。

原則として、離職日の翌日から1年間と定められています。

一方、基本手当日額は1日当たりの支給額、所定給付日数は最大支給日数です。

これら三つは、それぞれ異なる意味を持っています。

「給付基礎日額」との違い

給付基礎日額は、主に労災保険の給付額を計算する際に使用する金額です。

原則として、労働基準法上の平均賃金に相当する額を基にします。

一方、雇用保険の賃金日額は、原則として離職直前6か月間の賃金総額を180で割って計算するものです。

似たような名称ですが、関係する保険制度や計算方法が異なります。

「平均賃金」との違い

平均賃金は、労働基準法で定められた、解雇予告手当や休業手当などを計算する際に使われる金額です。

原則として、算定すべき事由の発生した日以前3か月間の賃金総額を、その期間の暦日数で割って計算します。

一方、雇用保険の賃金日額は、原則として離職直前6か月間の賃金総額を180で割って算出します。

そのため、同じ人について計算した場合でも、平均賃金と賃金日額が同じになるとは限りません。

「賃金日額」と「基本手当日額」の3秒判定

伝えたい内容 使いやすい言葉
離職前6か月の対象賃金を180で割って計算する 賃金日額
基本手当の算定に使う1日当たりの賃金額 賃金日額
失業保険として1日当たりいくら支給されるか 基本手当日額
給付率や年齢別上限額を適用して決まる金額 基本手当日額
基本手当を最大何日分受け取れるか 所定給付日数
基本手当をいつまで受け取れるか 受給期間
労災保険の給付額を計算する際の基礎となる日額 給付基礎日額
解雇予告手当などの計算に使う金額 平均賃金

失業保険の計算の基礎なら「賃金日額」、実際の1日当たりの給付額なら「基本手当日額」と覚えましょう。

よくある間違いと注意点

「賃金日額が1万円なら、基本手当日額も1万円」は誤り

賃金日額は、基本手当日額の計算の基礎となる金額です。

実際の基本手当日額は、賃金日額に年齢や賃金水準に応じた給付率を適用し、上限額や下限額などを踏まえて決まります。

「失業保険の計算には、手取り給与を使う」は誤り

賃金日額は、原則として離職直前6か月間に支払われた対象賃金を基に計算します。

通常、税金や社会保険料を差し引いた後の手取り給与ではなく、差し引く前の対象賃金を基にします。

「賞与が多いほど、基本手当日額も必ず高くなる」は誤り

賃金日額の計算では、原則として賞与など、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含まれません。

そのため、年収が同じでも、毎月の給与が多い人と、賞与の割合が高い人とでは、賃金日額が異なる場合があります。

「退職前の給与が高ければ、失業保険も無制限に増える」は誤り

基本手当日額には、離職時の年齢に応じた上限額があります。

例えば、2026年8月1日からの30歳以上45歳未満の上限額は8,270円です。

退職前の給与が非常に高額だった場合でも、この上限額を超えて基本手当日額が増えるわけではありません。

「基本手当日額は、退職時に決まったら絶対に変わらない」は誤り

基本手当日額の上限額や最低額などは、原則として毎年8月に見直されます。

そのため、受給期間中に制度上の改定が行われ、基本手当日額が変更される場合があります。

実際の金額については、ハローワークからの案内を確認しましょう。

「賃金日額」と「基本手当日額」の例文12選

「賃金日額」を使った例文

  1. 離職直前6か月間の賃金総額から、賃金日額を計算した。
  2. 残業代が賃金日額に反映されるか確認した。
  3. 賞与は原則として賃金日額の計算対象に含まれない。
  4. 賃金日額の算定方法について、ハローワークに問い合わせた。
  5. 退職前の給与明細を確認し、賃金日額の概算を出した。
  6. 賃金日額の金額によって、基本手当日額の給付率が異なる。

「基本手当日額」を使った例文

  1. 雇用保険受給資格者証で、基本手当日額を確認した。
  2. 基本手当日額に所定給付日数を掛け、受給総額の目安を計算した。
  3. 基本手当日額には、年齢別の上限額がある。
  4. 2026年8月から、基本手当日額の上限額と最低額が改定された。
  5. 基本手当日額が6,000円の場合、28日分の支給額は16万8,000円となる。
  6. 失業保険の受給額を確認するため、ハローワークで基本手当日額を調べた。

FAQ|「賃金日額」と「基本手当日額」のよくある質問

Q1. 「賃金日額」と「基本手当日額」は同じ意味ですか?

同じ意味ではありません。賃金日額は、原則として離職直前6か月間の対象賃金を180で割って計算する金額です。一方、基本手当日額は、賃金日額を基に計算した、実際の基本手当の1日当たりの支給額です。

Q2. 賃金日額はどのように計算しますか?

原則として、離職直前6か月間に支払われた対象賃金の総額を180で割って計算します。基本給だけでなく、残業代や通勤手当なども原則として含まれます。一方、賞与などは原則として含まれません。

Q3. 基本手当日額は退職前の給与の何%ですか?

原則として、賃金日額のおよそ50~80%です。離職時の年齢が60歳以上65歳未満の場合は、およそ45~80%です。ただし、実際の給付率は賃金日額や年齢によって異なり、上限額や下限額も設けられています。

Q4. 2026年の基本手当日額の上限額はいくらですか?

2026年8月1日からの上限額は、30歳未満が7,450円、30歳以上45歳未満が8,270円、45歳以上60歳未満が9,110円、60歳以上65歳未満が7,830円です。

Q5. 2026年の基本手当日額の最低額はいくらですか?

2026年8月1日から適用される基本手当日額の最低額は、2,562円です。ただし、基本手当を受け取るためには、雇用保険の受給資格など、所定の条件を満たす必要があります。

Q6. 基本手当日額が6,000円なら、毎月18万円受け取れますか?

必ずしもそうではありません。例えば、28日分が支給対象となった場合は、6,000円×28日で16万8,000円です。しかし、実際の振込額は失業認定期間や就労の有無などによって異なります。

Q7. 残業代は基本手当日額の計算に反映されますか?

残業代は、原則として賃金日額の計算対象に含まれます。そのため、離職直前6か月間の残業代が、基本手当日額の算定に影響する場合があります。ただし、基本手当日額には上限額があるため、残業代が多ければ必ず支給額も増えるというわけではありません。

Q8. 賞与は賃金日額に含まれますか?

原則として、3か月を超える期間ごとに支払われる賞与などは、賃金日額の計算対象に含まれません。ただし、実際の支給方法や賃金の性質などによって、個別に確認が必要な場合があります。

Q9. 基本手当日額がわかれば、失業保険の総額もわかりますか?

基本手当日額に所定給付日数を掛けることで、すべて受給した場合の総額の目安を計算できます。ただし、実際には受給期間や失業認定などの条件があり、必ず所定給付日数のすべてを受け取れるわけではありません。

Q10. 自分の賃金日額や基本手当日額は、どこで確認できますか?

ハローワークで受給資格の決定を受けた後、雇用保険受給資格者証などで基本手当日額を確認できます。賃金日額の計算内容などについて疑問がある場合も、ハローワークへ相談しましょう。

まとめ|賃金日額は計算の基礎、基本手当日額は実際の1日当たりの支給額

「賃金日額」と「基本手当日額」は、どちらも雇用保険の基本手当に関係する用語ですが、役割が異なります。

  • 賃金日額:原則として離職直前6か月間の対象賃金総額を180で割って計算する、基本手当の算定基礎となる金額。
  • 基本手当日額:賃金日額に年齢や賃金水準に応じた給付率を適用し、上限額や下限額などを踏まえて決まる、実際の1日当たりの支給額。
  • 2026年8月からの金額:基本手当日額の上限額は離職時の年齢に応じて7,450~9,110円、最低額は2,562円。

特に重要なのは、賃金日額がそのまま失業保険として支給されるわけではないことです。

実際の基本手当日額は、賃金日額や離職時の年齢によって変わり、上限額や下限額も適用されます。

また、基本手当日額がわかっても、それだけでは受給総額は決まりません。所定給付日数や受給期間、失業認定なども関係します。

退職後の生活費を見積もる際には、離職直前6か月間の対象賃金を確認し、賃金日額と基本手当日額を区別して計算しましょう。

参考資料・出典

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