「素材の特性を生かす」「お店の特製ソース」。どちらも「とくせい」と読みますが、「特性」と「特製」は意味がまったく異なる言葉です。
例えば、新しい素材が熱に強いことや、水分を吸収しやすいことを説明する場合には、「素材の特性」という表現が自然です。一方、飲食店が独自のレシピで作ったソースを紹介する場合には、「特製ソース」が適しています。
また、商品開発の現場では、「特性を調べる」と「特製の商品を作る」のように、両方の言葉を使用することがあります。読み方が同じだからこそ、文章で使う際には意味を正しく理解しておくことが重要です。
「特性」は、そのものが特に備えている性質。「特製」は、特別に念を入れて作ること、またはそのように作られた品物を意味します。
この記事では、「特性」と「特製」の意味や使い分けを比較表で整理し、食品、商品、素材、品質管理、人物、広告などの例文を交えて解説します。さらに、「特徴」「性質」「特長」「手製」「特注」との違いや、間違えやすい表現も紹介します。
- 結論|「特性」は特有の性質、「特製」は特別に作られたもの
- 【徹底比較】「特性」と「特製」の違いを一覧表で解説
- 「特性」とは?意味・特徴・正しい使い方
- 「特製」とは?意味・特徴・正しい使い方
- 「商品の特性」と「特製の商品」はどう違う?
- 食品では「特性」と「特製」をどう使い分ける?
- 品質管理では「特性」と「特製」をどう使い分ける?
- 「特性」と「特製」の例文を場面別に比較
- 「特性」と「特徴」の違いとは?
- 「特性」と「性質」の違いとは?
- 「特性」と「特長」の違いとは?
- 「特製」と「手製」の違いとは?
- 「特製」と「特注」の違いとは?
- 「特製」と「製作」の違いとは?
- 「特製」は必ず高級品や限定品を意味する?
- 【実践】「特性」と「特製」を間違えないための3つの判断基準
- ビジネスメールでの「特性」と「特製」の使い分け
- 「特性」と「特製」を使う際によくある3つの間違い
- 参考リンク
- FAQ|「特性」と「特製」に関するよくある質問
- まとめ|「特性」は特有の性質、「特製」は特別に作ったもの
結論|「特性」は特有の性質、「特製」は特別に作られたもの
「特性」と「特製」は、どちらも「とくせい」と読みます。しかし、言葉が表す内容は大きく異なります。
- 特性(とくせい):そのものが特に備えている性質。他のものと異なる、そのものに特有の性質。
- 特製(とくせい):特別に念を入れて作ること。また、そのように作られた品物。
例えば、「この素材には熱を伝えにくい特性がある」という文章では、素材が備えている性質を説明しています。
一方、「当店特製のドレッシングを使用しています」という文章では、お店が特別に作ったドレッシングであることを説明しています。
つまり、どのような性質を持っているかを伝えるなら「特性」、特別に作ったものであることを伝えるなら「特製」と考えると、使い分けやすくなります。
なお、「特性」は必ずしも長所だけを意味するわけではありません。また、「特製」と書かれているからといって、必ず手作りや高級品であるとは限りません。
【徹底比較】「特性」と「特製」の違いを一覧表で解説
| 比較項目 | 特性 | 特製 |
|---|---|---|
| 読み方 | とくせい | とくせい |
| 基本的な意味 | そのものが特に備えている性質 | 特別に念を入れて作ること、またはその品物 |
| 中心となる内容 | 対象が持つ性質 | 対象の作り方や、特別に作られた品物 |
| よく使う対象 | 素材、製品、物質、人、地域、機械など | 料理、食品、商品、道具、衣装など |
| 代表的な表現 | 素材の特性、製品特性、個人の特性 | 特製ソース、特製弁当、特製品 |
| 性質の評価 | 優れた点にも注意すべき点にも使える | 特別に作ったことを表すが、性能の優劣は別 |
| 人への使用 | 個人の特徴や傾向を説明できる | 通常、人そのものを説明するためには使わない |
| 作り方との関係 | 特定の作り方を意味しない | 通常とは異なる工夫や、特別に作ったことに関係する |
| 例文 | 素材の特性を調べる。 | 特製のソースを作る。 |
両者の違いを覚える際には、漢字に注目すると分かりやすくなります。
「特性」の「性」は、性質や性格の「性」です。一方、「特製」の「製」は、製造や製作の「製」です。
つまり、「性質」を説明するのか、「製造・製作」に関係することを説明するのかが、使い分けの基本です。
「特性」とは?意味・特徴・正しい使い方
特性の基本的な意味
「特性」は、そのものが特に備えている性質を意味します。
例えば、次のような表現があります。
- 素材の特性を調べる。
- 製品の特性を理解する。
- 地域の特性を生かした商品を開発する。
- 個人の特性に応じた指導方法を考える。
- 機械の動作特性を評価する。
これらに共通するのは、対象が持っている特徴的な性質に注目していることです。
例えば、金属、樹脂、木材などには、それぞれ異なる性質があります。製品を開発する際には、使用する素材が備えている特性を理解し、用途に適した材料を選ぶことが重要です。
特性は素材や製品についてよく使われる
例えば、軽量で加工しやすい素材や、熱を伝えにくい素材などについて、それぞれの特徴的な性質を説明する場合には、「素材の特性」という表現が自然です。
また、製品についても、使用する環境や条件によって、注目すべき特性が異なります。
例えば、防水性が重視される製品では水に対する特性が重要になります。一方、熱を加える環境で使用する製品では、温度に関係する特性が重要になるでしょう。
このように、特性は、対象を特徴づける性質を説明する際に役立つ言葉です。
特性は必ずしも優れた性質だけを意味しない
「特性」という言葉は、製品の長所を紹介する場合によく使われます。
例えば、「この素材の優れた特性を生かす」という文章です。
しかし、特性そのものが必ず長所を意味するわけではありません。
例えば、ある素材が水分を吸収しやすい場合、その性質が求められる用途では長所になるかもしれません。
一方、水分を避ける必要がある用途では、管理上の注意点になる可能性があります。
そのため、製品の特性を評価する際には、使用目的や使用環境などを踏まえて判断する必要があります。
「特製」とは?意味・特徴・正しい使い方
特製の基本的な意味
「特製」は、特別に念を入れて作ること、またはそのように作られた品物を意味します。
例えば、次のような表現があります。
- 当店特製のソースを使用する。
- シェフ特製の料理を楽しむ。
- 記念日のために特製ケーキを用意する。
- 特製の道具を作る。
- イベント限定の特製グッズを販売する。
これらの文章では、通常とは異なる工夫を加えたり、特別な目的に合わせて作ったりしたことを表しています。
特製は食品や料理の紹介によく使われる
「特製」という言葉を目にする機会が多いのは、飲食店や食品の広告です。
例えば、「当店特製ラーメン」「料理長特製のソース」「特製デザート」などの表現があります。
この場合、店独自の工夫を加えたり、通常とは異なる材料や作り方を用いたりして、特別に作ったことを伝えています。
ただし、具体的に何が特別なのかは、商品や店によって異なります。
特製という言葉だけで、使用している材料や製法、品質などの詳細が分かるわけではありません。
特製は食品以外にも使用できる
特製は、食品だけに使われる言葉ではありません。
例えば、特別な用途のために作った道具や、イベントのために用意した記念品などについても使用できます。
「大会のために特製の衣装を用意した」「展示会で特製グッズを配布した」という表現も自然です。
このように、特製は、特別に作ったものであれば、食品以外の品物についても幅広く使用できます。
「商品の特性」と「特製の商品」はどう違う?
「特性」と「特製」の違いを理解するには、商品を例にすると分かりやすくなります。
商品の性質を説明するなら「商品の特性」
例えば、ある収納容器が軽量で、耐久性のある素材を使用している場合を考えてみましょう。
その容器が持っている性質について説明する場合には、「商品の特性」という表現が自然です。
「商品の特性を理解したうえで、用途に合った使い方をしてください」という文章も使えます。
特別に作られた商品を説明するなら「特製の商品」
一方、通常販売している収納容器とは異なり、特定の用途に合わせて材料や寸法などを工夫して製造した場合には、「特製の収納容器」と表現できます。
ここでは、商品が備えている性質そのものではなく、特別に作られたという点を強調しています。
一つの商品に特性と特製の両方が関係する場合もある
例えば、特別な用途のために作られた収納容器について、耐熱性や耐久性などを評価する場合を考えてみましょう。
この場合、次の文章が自然です。
「特製の収納容器について、素材の特性を評価する。」
「特製」は特別に作られた容器であること、「特性」はその容器の素材が備えている性質を表しています。
このように、両者は対立する言葉ではなく、同じ商品について異なる観点から説明する場合にも使用できます。
食品では「特性」と「特製」をどう使い分ける?
食品の開発や販売では、特性と特製の両方が使われる場合があります。
食品の性質を説明する場合は「特性」
例えば、食品の原材料について、水分を吸収しやすい性質や、加熱によって状態が変わる性質などを調べる場合には、「原材料の特性」という表現が自然です。
また、食品を製造する際に、原材料の特性を考慮して製造方法を決める場合もあります。
ただし、実際の食品の性質は、原材料の種類や加工条件、保存環境などによって異なります。
特別なレシピや製法で作った食品は「特製」
一方、飲食店が独自のレシピで作ったソースや、記念日のために用意したケーキなどについては、「特製」が適しています。
例えば、「当店特製のドレッシング」「料理長特製のデザート」という表現です。
ここでは、その店や料理人が特別に作ったことを伝えています。
「特製」だけでは品質や安全性は判断できない
「特製」と記載されている商品を見ると、一般的な商品よりも品質が高いという印象を持つ人もいるでしょう。
しかし、特製は特別に作ったことを表す言葉であり、それだけで品質や安全性が保証されるわけではありません。
例えば、食品を購入する際には、必要に応じて原材料やアレルゲン、保存方法などの情報を確認することが重要です。
また、実際に食品を販売する場合には、商品の説明や広告が消費者に誤解を与えないよう注意する必要があります。
品質管理では「特性」と「特製」をどう使い分ける?
品質管理や製品開発では、「特性」という言葉が頻繁に使用されます。
品質特性は製品の品質を評価するための項目
「品質特性」は、製品やサービスの品質を評価するうえで注目する性質や特徴を表す言葉です。
例えば、食品では、製品に応じて塩分、水分、色、粘度などが重要な評価項目になる場合があります。
また、機械部品では、寸法、硬さ、強度などが品質特性として管理される場合があります。
何を品質特性とするかは、製品の用途や求められる品質などによって異なります。
特製品についても品質特性の確認は必要
例えば、特別な注文に合わせて製造した製品について、通常品とは異なる材料や加工方法を使用した場合を考えてみましょう。
この場合、「特製品」という表現が使えることがあります。
ただし、特別に作ったという理由だけで、品質が十分であると判断することはできません。
必要に応じて、寸法や強度などの品質特性を確認し、要求されている条件を満たしているか評価することが重要です。
品質管理の文書では対象を具体的に書く
例えば、「特性を確認した」という文章だけでは、何の特性を確認したのか分かりません。
そのため、正式な報告書などでは、「素材の耐熱特性を確認した」「製品の寸法特性を評価した」など、対象となる項目を具体的に示しましょう。
一方、「特製品を評価した」という文章では、特別に作られた製品を評価したという意味になります。
このように、品質管理の文章では、漢字の違いによって説明する内容が大きく変わります。
「特性」と「特製」の例文を場面別に比較
| 場面 | 特性を使った例文 | 特製を使った例文 |
|---|---|---|
| 食品 | 原材料の特性を生かして製品を開発する。 | 料理長特製のソースを使用する。 |
| 商品 | 商品の特性を理解する。 | 特製の商品を数量限定で販売する。 |
| 素材 | 新素材の特性を調べる。 | 特別な用途に合わせた特製の部品を作る。 |
| 品質管理 | 重要な品質特性を評価する。 | 特製品について、品質検査を実施する。 |
| 人物 | 個人の特性に応じた指導方法を考える。 | その人が特別に作った料理を「本人特製の料理」と呼ぶ。 |
| 広告 | 素材の特性を分かりやすく紹介する。 | 当店特製のデザートを紹介する。 |
| イベント | 会場の特性を踏まえて設営方法を決める。 | イベント限定の特製グッズを販売する。 |
このように、特性は対象が備えている性質、特製は特別に作ったものについて説明する場合に使用します。
「特性」と「特徴」の違いとは?
「特性」と混同しやすい言葉に「特徴」があります。
どちらも、そのものをほかのものと区別する際に使われることがありますが、中心となる意味は異なります。
特徴は、ほかと比べて目立つ点
「特徴」は、ほかのものと区別する際に、特に目立つ点を意味します。
例えば、「この商品の特徴は、軽量で持ち運びやすいことです」という文章です。
この場合、商品の目立った点を説明しています。
特性は、そのものが備える特有の性質
一方、「特性」は、そのものに特有の性質を意味します。
例えば、「この素材には熱を伝えにくい特性がある」という文章です。
ここでは、素材が備えている性質について説明しています。
ただし、「特徴」と「特性」は意味が重なる場合もあります。例えば、製品の耐熱性について、商品の特徴として紹介することも、製品の特性として説明することもできます。
詳しくは、「特徴」と「特性」の違いと具体的な使い分けをご覧ください。
「特性」と「性質」の違いとは?
「特性」と意味が近い言葉に「性質」があります。
「性質」は、人や物が本来備えている特徴や傾向などを広く表す言葉です。
一方、「特性」は、そのものが特に備えている性質や、対象を特徴づける性質を意味します。
例えば、「物質の性質を調べる」と「物質の特性を調べる」は、どちらも自然です。
ただし、前者は物質が備えている性質を幅広く調べるという意味合いがあり、後者は物質を特徴づける性質に注目する印象があります。
また、「性質」は人の気質や傾向を説明する場合にも使われます。
例えば、「慎重な性質の人だ」という表現です。
人についての「性格」と「性質」の違いは、「性格」と「性質」の違いと具体的な使い分けでも解説しています。
「特性」と「特長」の違いとは?
「特性」とよく似た言葉に「特長」があります。
「特長」は、ほかのものと比べて特に優れている点や、長所として取り上げられる特徴を表す言葉です。
一方、「特性」は、そのものに特有の性質を表します。
例えば、ある素材が軽量であることを、ほかの素材と比べた優れた点として紹介する場合には、「軽量であることがこの素材の特長です」と表現できます。
一方、「この素材には水分を吸収しやすい特性がある」という文章では、その性質が長所なのか短所なのかは、使用目的によって異なります。
そのため、特性と特長は、意味が重なる場合があっても、必ずしも同じではありません。
「特製」と「手製」の違いとは?
「特製」と意味が近い言葉に「手製」があります。
どちらも、何かを作ることに関係していますが、中心となる意味は異なります。
特製は特別に念を入れて作ったもの
例えば、「当店特製のソース」という場合、店が独自の工夫を加えたり、特別に作ったりしたソースであることを表します。
ただし、それが必ず手作業だけで作られているとは限りません。
手製は自分の手で作ること
一方、「手製」は、自分の手で作ること、またはその品物を意味します。
例えば、「母の手製の弁当」「手製の飾り」などの表現です。
この場合、作り手が自分の手で作ったことが中心です。
特製と手製の両方が当てはまる場合もある
例えば、家族の誕生日のために、材料や飾り付けを工夫してケーキを手作りした場合を考えてみましょう。
この場合、「特製ケーキ」と「手製のケーキ」の両方が自然です。
ただし、前者は特別に作ったこと、後者は自分の手で作ったことを強調しています。
「特製」と「特注」の違いとは?
「特製」と似た言葉に「特注」があります。
「特注」は、特別に注文すること、または特別な注文によって作られた品物を意味します。
例えば、既製品では寸法が合わないため、特別なサイズの家具を注文する場合には、「特注の家具」という表現が自然です。
一方、「特製」は、特別に念を入れて作ることや、その品物を意味します。
例えば、飲食店が独自の工夫を加えて作った料理については、「特製料理」と表現できます。
この場合、誰かから特別な注文を受けていなくても、「特製」という言葉を使用できます。
つまり、特注は特別な注文に、特製は特別に作ることに注目する言葉です。
「特製」と「製作」の違いとは?
「特製」の「製」は、製作や製造などにも使われる漢字です。
しかし、「特製」と「製作」は、同じ意味ではありません。
「製作」は、物品などを作ることを意味します。
例えば、「特別な用途に合わせた装置を製作する」という文章です。
一方、「特製」は、特別に念を入れて作ること、またはその品物を意味します。
例えば、「特製の装置を製作する」という文章では、特別に作られた装置を製作することを表しています。
なお、物を作ることを説明する言葉には、「制作」や「作製」などもあります。
これらの詳しい違いについては、「制作」と「製作」の違いと具体的な使い分けも参考になります。
「特製」は必ず高級品や限定品を意味する?
「特製」という言葉は、商品の広告などで、特別感を伝えるために使われることがあります。
しかし、特製そのものに、高級品や限定品という意味が含まれているわけではありません。
特製は価格の高さを意味しない
例えば、「当店特製のソース」と書かれていても、そのソースが必ず高価な材料で作られているとは限りません。
店独自のレシピや、通常とは異なる工夫を加えている場合などに使用されます。
特製は数量限定を意味しない
また、「特製弁当」という商品が、毎日販売されている場合もあります。
そのため、特製という言葉だけで、販売数や販売期間が限定されていると判断することはできません。
本当に数量限定であることを伝えたい場合には、「数量限定」「期間限定」など、別の表現を用いて具体的に説明する必要があります。
特製は手作りだけを意味しない
特製は、特別に念を入れて作ることを意味しますが、製造方法が必ず手作業であるとは限りません。
例えば、機械を使用して特別な仕様の製品を作った場合にも、「特製品」という表現が使われることがあります。
手作業によって作ったことを強調したい場合には、実際の製法に応じて「手製」「手作り」などの言葉を使用しましょう。
【実践】「特性」と「特製」を間違えないための3つの判断基準
1. 性質や特徴を説明するなら「特性」
例えば、素材や製品が備えている特徴的な性質について説明する場合には、「特性」が自然です。
- 素材の特性を調べる。
- 製品の特性を評価する。
- 個人の特性に応じた指導方法を考える。
- 地域の特性を生かす。
これらの文章では、対象がどのような性質を備えているかが中心です。
2. 特別に作ったものを説明するなら「特製」
例えば、飲食店が独自のレシピで作った料理や、イベントのために特別に用意した記念品について説明する場合には、「特製」が適しています。
- 当店特製のソースを使用する。
- 特製のケーキを用意する。
- イベント限定の特製グッズを販売する。
- 特別な用途に合わせた特製品を作る。
3. 「とくせい」と入力したら、前後の言葉を確認する
パソコンやスマートフォンで文章を入力する際には、「とくせい」と入力すると、「特性」と「特製」の両方が変換候補に表示される場合があります。
そのため、文章を作成した後には、前後の言葉と意味が合っているか確認しましょう。
例えば、「素材の特製を調べる」と書かれている場合、素材が備えている性質を調べるという意味なら、「素材の特性を調べる」が適切です。
一方、「料理長の特性ソース」と書かれている場合、料理長が特別に作ったソースという意味なら、「料理長の特製ソース」が適切です。
ビジネスメールでの「特性」と「特製」の使い分け
例文1:素材の特性について問い合わせる場合
件名:新規材料の特性に関するお問い合わせ
〇〇株式会社
技術部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
現在、弊社では新しい製品の開発に向けて、貴社の材料の使用を検討しております。
つきましては、当該材料の耐熱性や耐水性など、基本的な特性について確認できる資料がございましたら、ご提供いただけますでしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
この例文では、材料が備えている性質について確認することが目的なので、「特性」が自然です。
例文2:特製品の製造を依頼する場合
件名:特製品の製造についてのご相談
〇〇株式会社
営業部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
このたび、弊社では新しい製品の発売に向けて、特別な仕様の部品を検討しております。
つきましては、添付資料の仕様に基づく特製品の製造が可能か、ご相談させていただきたく存じます。
対応可能な場合には、概算費用や納期についてもご教示いただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
この例文では、特別な仕様に合わせて作られる品物について説明しているため、「特製」が適しています。
例文3:特製品の品質特性を評価する場合
件名:特製品の品質特性の評価について
関係者各位
お疲れさまです。
現在、試作中の特製品について、品質特性の評価を進めております。
評価項目は、寸法、強度および耐熱性を予定しております。
評価結果を取りまとめた後、量産化に向けた課題を整理する予定です。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
この例文では、特別に作られた製品を「特製品」、その製品が備えている品質上の特徴を「品質特性」として区別しています。
「特性」と「特製」を使う際によくある3つの間違い
1. 「商品の特製」と「商品の特性」を混同する
例えば、商品の耐熱性や耐久性について説明したい場合には、「商品の特性」が自然です。
一方、特別に作られた商品を紹介する場合には、「特製の商品」という表現が適しています。
商品の性質を説明しているのか、特別に作った商品であることを説明しているのかを確認しましょう。
2. 「特製」を必ず手作りの意味で使う
特製は、特別に念を入れて作ることを意味しますが、必ずしも手作業で製造することを意味しません。
手作りであることを正確に伝えたい場合には、実際の製造方法に応じて「手製」「手作り」などの言葉を使用する必要があります。
3. 「特性」は必ず良い性質を意味すると考える
特性は、そのものが特に備えている性質を表す言葉です。
使用目的によっては、長所になる性質もあれば、注意が必要になる性質もあります。
そのため、特性という言葉だけで、対象が優れていると判断することはできません。
参考リンク
FAQ|「特性」と「特製」に関するよくある質問
Q1. 「特性」と「特製」は同じ意味ですか?
いいえ。どちらも「とくせい」と読みますが、意味は異なります。「特性」はそのものが特に備えている性質、「特製」は特別に念を入れて作ること、またはその品物を意味します。
Q2. 「特性」と「特製」は、どちらも「とくせい」と読みますか?
はい。どちらも「とくせい」と読みます。同じ読み方ですが、漢字と意味が異なるため、文章で使用する際には前後の言葉を確認しましょう。
Q3. 「商品の特性」と「特製の商品」はどう違いますか?
「商品の特性」は、商品が備えている特徴的な性質を意味します。一方、「特製の商品」は、特別に念を入れて作られた商品を意味します。
Q4. 「特製」は必ず手作りを意味しますか?
いいえ。特製は特別に念を入れて作ることを意味しますが、必ずしも手作業で製造することを意味しません。手作りであることを強調したい場合には、実際の製法に応じて「手製」や「手作り」などを使用します。
Q5. 「特製」は必ず高級品を意味しますか?
いいえ。特製は特別に作ったことを表す言葉であり、必ずしも高級品や高品質の商品を意味するわけではありません。具体的な品質や材料については、商品の説明などを確認する必要があります。
Q6. 「特性」と「特徴」はどう違いますか?
「特性」は、そのものが特に備えている性質を意味します。一方、「特徴」は、ほかのものと区別する際に特に目立つ点を意味します。意味が重なる場合もありますが、性質そのものを説明する場合には「特性」が自然です。
Q7. 「特性」と「特長」は同じ意味ですか?
完全に同じではありません。「特性」はそのものに特有の性質を意味します。一方、「特長」は、ほかのものと比べて特に優れている点や、長所として取り上げられる特徴を意味します。
Q8. 「特製」と「特注」はどう違いますか?
「特製」は、特別に念を入れて作ること、またはその品物を意味します。一方、「特注」は、特別に注文すること、または特別な注文によって作られた品物を意味します。特製は、誰かから特別な注文を受けていなくても使用できます。
Q9. 「料理長特性のソース」という書き方は正しいですか?
料理長が特別に作ったソースという意味なら、「料理長特製のソース」が適切です。「特性」は性質を表す言葉なので、この文脈では「特製」を使用します。
Q10. 「製品の特性を生かす」は正しい表現ですか?
正しい表現です。製品が備えている特徴的な性質を理解し、その性質を用途や設計などに役立てることを意味します。一方、特別に作られた製品を説明する場合には、「特製品」などの表現が適しています。
まとめ|「特性」は特有の性質、「特製」は特別に作ったもの
「特性」と「特製」は、どちらも「とくせい」と読みますが、意味は大きく異なります。
- 特性:そのものが特に備えている性質。素材の特性、製品特性、個人の特性などの表現で使用する。
- 特製:特別に念を入れて作ること、またはその品物。特製ソース、特製弁当、特製品などの表現で使用する。
例えば、新しい素材が備えている性質を説明する場合には「素材の特性」、飲食店が独自の工夫を加えて作ったソースを紹介する場合には「特製ソース」が自然です。
また、特性は必ずしも優れた性質だけを意味するわけではありません。一方、特製と書かれていても、必ず高級品や手作りの商品であるとは限りません。
使い分けに迷ったときは、漢字に注目しましょう。「特性」の「性」は性質の「性」、「特製」の「製」は製造や製作の「製」です。
対象が持つ性質を説明するなら「特性」、特別に作ったことや品物を説明するなら「特製」と理解すると、商品紹介やビジネス文書でも正しく使い分けられます。
