ビジネスメールの最後でよく使われる、
「よろしくお願いいたします」
と、
「よろしくお願い申し上げます」。
どちらも非常に丁寧な表現なので、
「結局、何が違うの?」
「お願い申し上げますの方が敬語として上?」
「取引先へのメールならどちらを使えばいい?」
「毎回『お願い申し上げます』では堅すぎる?」
「お願いいたしますは二重敬語?」
と迷うことがあります。
簡単にいうと、「お願いいたします」は日常的なビジネスメールから改まった依頼まで幅広く使いやすい丁寧な表現です。一方、「お願い申し上げます」は、より改まった文書・公式な挨拶・強く敬意を示したい場面で使われやすい表現です。
たとえば、取引先へ資料の確認をお願いするなら、
「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」
が自然です。
一方、年始の挨拶や正式な案内文で、
「本年も変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます」
とすれば、より改まった印象になります。
ただし、
「お願いいたします」は普通の敬語
「お願い申し上げます」はそれより上の敬語
と単純に上下関係で考えるのはおすすめできません。
どちらも正式な敬語表現であり、違いは主に文章の改まり度・場面・語感にあります。
この記事では、「お願いいたします」と「お願い申し上げます」の敬語としての仕組みから、ビジネスメール・依頼文・案内文・挨拶状での使い分け、「よろしくお願いします」との違い、二重敬語なのかどうかまで詳しく解説します。
- 「お願いいたします」と「お願い申し上げます」の違い【結論】
- 「お願いいたします」とは?
- 「お願い申し上げます」とは?
- 文化庁では両方とも実際に使われている
- 決定的な違い1:「いたす」と「申し上げる」の敬語としての働き
- 決定的な違い2:「お願い申し上げます」の方が改まった印象になりやすい
- 「お願い申し上げます」の方が必ず丁寧?
- 「よろしくお願いいたします」と「よろしくお願い申し上げます」の違い
- 普段の取引先メールならどちら?
- 正式な案内・挨拶なら「お願い申し上げます」が使いやすい
- 具体的な作業を頼むなら「お願いいたします」が自然なことが多い
- 「お願いいたします」は二重敬語?
- 「お願い申し上げます」は二重敬語?
- 「お願いします」と「お願いいたします」の違い
- 「致します」と漢字で書く?「いたします」とひらがなで書く?
- 「何卒よろしくお願いいたします」と「何卒よろしくお願い申し上げます」
- 「ご理解のほどお願いいたします」は使える?
- 「ご協力をお願いいたします」と「ご協力をお願い申し上げます」の違い
- 「お願い申し上げます」を繰り返しすぎない
- 「お願い申し上げます」が合わない場面もある
- メールの締めならどう使い分ける?
- 「お願いいたします」と「お願い申し上げます」で迷ったときの3秒判定
- 「お願いいたします」を使った例文
- 「お願い申し上げます」を使った例文
- ビジネスメール例文:通常の確認依頼
- ビジネスメール例文:正式な協力依頼
- ビジネスメール例文:日程調整
- 挨拶状の例文
- よくある間違い1:「お願い申し上げます」でなければ失礼だと思う
- よくある間違い2:丁寧さを出すため毎回「お願い申し上げます」を使う
- よくある間違い3:「いたします」を漢字にすればより丁寧だと思う
- よくある間違い4:依頼内容を曖昧にしたまま「よろしく」で終わる
- 「お願いいたします」と「お願い申し上げます」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考資料・出典
「お願いいたします」と「お願い申し上げます」の違い【結論】
| 比較項目 | お願いいたします | お願い申し上げます |
|---|---|---|
| 基本的な役割 | 丁寧にお願いする | 相手を立てて改まってお願いする |
| 使いやすい場面 | 一般的なビジネスメール・会話・依頼 | 公式文書・案内状・挨拶状・特に改まった依頼 |
| 印象 | 丁寧で自然 | より改まった・格式のある印象になりやすい |
| 日常的なメール | 非常に使いやすい | 場合によっては少し硬い |
| 公式な挨拶 | 使える | 特に使いやすい |
| どちらが正しい? | どちらも正しい敬語表現 | |
実務上は、
通常のビジネス連絡 → お願いいたします
特に改まった挨拶・文書 → お願い申し上げます
と考えると使い分けやすいでしょう。
「お願いいたします」とは?
「いたす」は「する」の丁重な表現
「いたす」は、「する」をへりくだって、また改まって表現する言葉です。
辞書でも「する」の謙譲的・丁重な表現として説明されています。
たとえば、
- 確認いたします。
- 対応いたします。
- ご連絡いたします。
- ご案内いたします。
- お願いいたします。
などと使います。
文化庁は「お(ご)〜いたす」という形について、相手側を立てる働きと、話し相手へ丁重に述べる働きを持つ敬語として整理しています。
「お願いいたします」は幅広い場面で使える
「お願いいたします」は、ビジネスメールで非常に使いやすい表現です。
たとえば、
- ご確認をお願いいたします。
- ご返信をお願いいたします。
- ご対応のほどお願いいたします。
- ご理解いただきますようお願いいたします。
- 今後ともよろしくお願いいたします。
などです。
取引先・上司・顧客など、丁寧さが必要な相手に幅広く使えます。
丁寧でありながら、過度に儀礼的になりにくいことが大きな特徴です。
「お願い申し上げます」とは?
「申し上げる」は謙譲語Ⅰ
「申し上げる」は、「言う」をへりくだって表現する言葉として知られています。
また、文化庁は、
「お(ご)〜申し上げる」
を謙譲語Ⅰの一般的な形として示しています。
たとえば、
- お礼申し上げます。
- お詫び申し上げます。
- ご報告申し上げます。
- お願い申し上げます。
などです。
行為の向かう先である相手を立てながら、自分側の行為を表します。
「お願い申し上げます」は改まった印象が強い
「お願い申し上げます」は、日常的なメールにも使えますが、特に、
- 挨拶状
- 年賀・年始の挨拶
- 公式な案内文
- 企業から顧客への通知
- 式典などの挨拶
- 継続的な支援・協力をお願いする文書
などでよく使われます。
たとえば、
「今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます」
という表現です。
「お願いいたします」よりも文章語的で、格式のある印象になりやすいと考えるとわかりやすいでしょう。
文化庁では両方とも実際に使われている
「お願いいたします」と「お願い申し上げます」は、どちらか一方だけが正式な表現というわけではありません。
文化庁の資料・会議録でも、
「御検討のほどよろしくお願いいたします」
という表現と、
「御審議してくださるようお願い申し上げます」
という表現が、同じ公的な場面で実際に使われています。
これは、両者が「正しい・間違い」で分かれるのではなく、文章の流れや改まり度に応じて選ばれていることを示す一例です。
決定的な違い1:「いたす」と「申し上げる」の敬語としての働き
敬語の仕組みから見ると、両者には違いがあります。
「いたす」は、自分側の行為を丁重に表現する働きを持ちます。
一方、「申し上げる」は、行為の向かう先である相手を立てる謙譲語Ⅰです。
そのため、
お願いいたします
には、自分が「お願いする」という行為を丁寧・丁重に述べる感覚があります。
一方、
お願い申し上げます
は、お願いの向かう相手を立てて述べる性格がよりはっきりしています。
ただし、実際の使用場面では両者の敬意はかなり重なっており、日常のビジネスでは厳密な文法分類を毎回意識する必要はありません。
決定的な違い2:「お願い申し上げます」の方が改まった印象になりやすい
たとえば、通常の社外メールなら、
「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」
で十分丁寧です。
一方、顧客全体に向けた正式な挨拶文で、
「今後とも弊社製品をご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」
とすれば、より儀礼的・改まった印象になります。
つまり、
お願いいたします=実務的な丁寧さ
お願い申し上げます=公式・儀礼的な丁寧さと相性がよい
という傾向があります。
ただし、これは絶対的な境界ではありません。
「お願い申し上げます」の方が必ず丁寧?
必ずしも「敬語として上」と考える必要はありません。
確かに、「お願い申し上げます」は非常に改まった響きを持っています。
しかし、「お願いいたします」も十分に丁寧で正式な敬語です。
たとえば取引先へ、
「明日までにご返信をお願いいたします」
と書いても、敬意が不足しているわけではありません。
むしろ、通常の実務メールでは簡潔で自然です。
重要なのは、
より長い敬語を使えば、必ずより良い文章になるわけではない
という点です。
「よろしくお願いいたします」と「よろしくお願い申し上げます」の違い
最も迷いやすい組み合わせです。
よろしくお願いいたします
一般的なビジネスメールの締めとして非常に幅広く使えます。
たとえば、
「お忙しいところ恐縮ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。」
という形です。
日常的な社外メールなら、ほとんどの場面で使いやすいでしょう。
よろしくお願い申し上げます
より改まった文章で使いやすい表現です。
たとえば、
「今後とも一層のお引き立てを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」
という形です。
挨拶状・公式なお知らせ・年末年始の挨拶などと特に相性がよい表現です。
普段の取引先メールならどちら?
通常の業務連絡なら、
「よろしくお願いいたします」
で十分です。
たとえば、
「見積書を添付いたしました。ご確認のほどよろしくお願いいたします。」
という文章です。
毎日のようにやり取りする相手へのメールで毎回、
「何卒よろしくお願い申し上げます」
とすると、文脈によっては少し重々しく感じられることがあります。
敬語では、相手への敬意と同時に、場面にふさわしい自然さも大切です。
正式な案内・挨拶なら「お願い申し上げます」が使いやすい
たとえば会社から多数の顧客へ送る年末の挨拶なら、
「来年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。」
とすると自然です。
ほかにも、
- 今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
- 引き続きご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
- 末永いお付き合いのほどお願い申し上げます。
などがあります。
一回限りの具体的な作業を頼むというより、今後の関係・支援・協力などを改まってお願いする文章で特に使いやすい表現です。
具体的な作業を頼むなら「お願いいたします」が自然なことが多い
たとえば、
- 資料をご確認ください
- 書類をご提出ください
- 回答してください
- 日程を調整してください
といった具体的な業務上の依頼なら、
「ご確認をお願いいたします」
「ご提出をお願いいたします」
「ご回答をお願いいたします」
などが簡潔で使いやすいでしょう。
もちろん、
「ご確認くださいますようお願い申し上げます」
のような形も可能ですが、日常的な連絡としてはやや改まった文章になります。
なお、資料などについて相手に何をしてほしいのかを考える場合には、「ご確認」と「ご査収」の違いも整理しておくと表現を選びやすくなります。
「お願いいたします」は二重敬語?
「お願い」と「いたします」が組み合わさっているため、
「敬語が二つあるので二重敬語では?」
と疑問を持つ人もいます。
しかし、敬語が一つの文章に複数含まれていれば、すべて二重敬語になるわけではありません。
文化庁は、二重敬語を、一つの語について同じ種類の敬語を二重に使ったものと説明しています。
「お願いいたします」は一般に定着している敬語表現であり、ビジネスで普通に使用できます。
「お願い申し上げます」は二重敬語?
こちらも、「お願い」と「申し上げる」が組み合わされているから不自然なのでは、と疑問を持たれることがあります。
しかし、文化庁は謙譲語Ⅰの一般形として、
「お(ご)〜申し上げる」
を明確に挙げています。
したがって、
「お願い申し上げます」
という形自体を、「敬語が重なっているから誤り」とする必要はありません。
公的機関の文書・挨拶でも広く使われている定着した表現です。
「お願いします」と「お願いいたします」の違い
「お願いします」も丁寧な表現です。
たとえば社内の会話や、親しい取引先とのやり取りなら、
「確認をお願いします」
でも不自然ではありません。
一方、
「確認をお願いいたします」
とすると、より改まったビジネス表現になります。
| 表現 | 印象 |
|---|---|
| お願いします | 丁寧・比較的日常的 |
| お願いいたします | より改まったビジネス向き |
| お願い申し上げます | 特に改まった・文章語的 |
ただし、この表は「敬意の点数」を示すものではありません。
場面ごとの語感を整理した目安です。
「致します」と漢字で書く?「いたします」とひらがなで書く?
ビジネス文書では、
「お願いいたします」
とひらがなで書かれることが多くあります。
「いたす」が補助的に使われる場合には、ひらがな表記が読みやすく、一般的です。
一方、「不徳の致すところ」のように、「致す」が本来の意味を持つ場合には漢字で書きます。
そのため、通常のメールでは、
「よろしくお願いいたします」
とすれば自然です。
「何卒よろしくお願いいたします」と「何卒よろしくお願い申し上げます」
「何卒(なにとぞ)」を付ければ、お願いする気持ちを強めた改まった表現になります。
「何卒よろしくお願いいたします」
は、重要な依頼などで幅広く使えます。
一方、
「何卒よろしくお願い申し上げます」
は、さらに文章全体が改まった印象になります。
たとえば正式な協力依頼文なら、
「本事業の趣旨をご理解いただき、何卒ご協力賜りますようお願い申し上げます。」
といった表現が使えます。
「ご理解のほどお願いいたします」は使える?
使えます。
たとえば、サービス停止を案内する場合、
「ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどお願いいたします。」
と表現できます。
より改まって、
「何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。」
とすることもできます。
後者は公式な通知・案内文で使いやすい表現です。
「ご協力をお願いいたします」と「ご協力をお願い申し上げます」の違い
どちらも正しい表現です。
たとえば、社内でアンケート回答を依頼するなら、
「アンケートへのご協力をお願いいたします。」
で十分です。
一方、多数の関係者へ正式な協力要請を出すなら、
「本事業へのご理解とご協力をお願い申し上げます。」
とすると、より改まった印象になります。
「お願い申し上げます」を繰り返しすぎない
丁寧にしようとして、1通のメールに、
「ご確認をお願い申し上げます」
「ご返信をお願い申し上げます」
「今後ともよろしくお願い申し上げます」
と何度も書くと、文章が重く感じられることがあります。
たとえば、
「添付資料をご確認いただき、ご不明点がございましたらお知らせください。何卒よろしくお願い申し上げます。」
など、最後だけに使う方法もあります。
敬意表現では、同じ言葉をたくさん使うことより、文章全体が自然で分かりやすいことも大切です。
「お願い申し上げます」が合わない場面もある
たとえば、親しい同僚へのチャットで、
「明日の資料を送ってくださいますようお願い申し上げます」
と書けば、必要以上に堅く感じられるでしょう。
この場合は、
「明日の資料をお願いします」
「明日の資料を送ってもらえますか」
程度で十分です。
敬語は丁寧であればあるほどよいのではなく、相手との関係・媒体・状況に合わせて選ぶことが重要です。
メールの締めならどう使い分ける?
| 場面 | 使いやすい表現 |
|---|---|
| 日常的な取引先メール | よろしくお願いいたします。 |
| 資料確認の依頼 | ご確認のほどよろしくお願いいたします。 |
| 重要な依頼 | 何卒よろしくお願いいたします。 |
| 正式な挨拶状 | よろしくお願い申し上げます。 |
| 継続的な支援をお願いする公式文 | 今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。 |
| 年末年始の挨拶 | 来年も変わらぬお付き合いのほどお願い申し上げます。 |
「お願いいたします」と「お願い申し上げます」で迷ったときの3秒判定
| こんな場合 | 選びやすい表現 |
|---|---|
| 普段のビジネスメール | お願いいたします |
| 具体的な作業を頼む | お願いいたします |
| 確認・返信・提出を頼む | お願いいたします |
| 正式な挨拶状 | お願い申し上げます |
| 顧客全体への公式な案内 | お願い申し上げます |
| 今後の支援・協力を改まってお願いする | お願い申し上げます |
| どちらにするか迷う通常メール | お願いいたしますで十分 |
一言で判断するなら、
「普段の丁寧な依頼?」 → お願いいたします
「公式・儀礼的で特に改まった文章?」 → お願い申し上げます
と考えると使いやすいでしょう。
「お願いいたします」を使った例文
- 添付資料のご確認をお願いいたします。
- 9月30日までにご回答をお願いいたします。
- お手数ですが、ご返信をお願いいたします。
- 引き続きご協力をお願いいたします。
- 今後ともよろしくお願いいたします。
- ご不明点がございましたらご連絡をお願いいたします。
「お願い申し上げます」を使った例文
- 今後とも変わらぬご愛顧をお願い申し上げます。
- 引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
- 本事業へのご理解とご協力をお願い申し上げます。
- 末永いお付き合いを賜りますようお願い申し上げます。
- 今後とも一層のお引き立てをお願い申し上げます。
- 何卒ご高配賜りますようお願い申し上げます。
ビジネスメール例文:通常の確認依頼
いつもお世話になっております。
修正版の資料を添付いたしました。
お手数ですが、内容をご確認いただきますようお願いいたします。
ご不明な点がございましたら、お知らせください。
ビジネスメール例文:正式な協力依頼
平素より弊社事業に格別のご理解を賜り、厚く御礼申し上げます。
今後もより良いサービスの提供に努めてまいりますので、
引き続きご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
ビジネスメール例文:日程調整
恐れ入りますが、下記候補日の中からご都合のよい日時をお知らせください。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
挨拶状の例文
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
今後も皆様のご期待に添えるよう、一層努力してまいる所存です。
引き続き変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
よくある間違い1:「お願い申し上げます」でなければ失礼だと思う
取引先・顧客への通常のメールで、
「よろしくお願いいたします」
と書いても十分丁寧です。
「お願い申し上げます」にしなければ敬意不足ということはありません。
よくある間違い2:丁寧さを出すため毎回「お願い申し上げます」を使う
定型的な業務メールまで常に「お願い申し上げます」にすると、文章全体が過度に儀礼的になる場合があります。
相手との距離や内容に応じて、自然な表現を選びましょう。
よくある間違い3:「いたします」を漢字にすればより丁寧だと思う
「致します」と漢字にしたから敬意が強くなるわけではありません。
補助的に使う場合は、
「お願いいたします」
と書けば自然です。
よくある間違い4:依頼内容を曖昧にしたまま「よろしく」で終わる
たとえば、
「資料をお送りします。よろしくお願いいたします。」
だけでは、相手が、
- 読むのか
- 確認するのか
- 承認するのか
- 返信するのか
が分からない場合があります。
重要な依頼なら、
「内容をご確認いただき、9月30日までにご返信をお願いいたします。」
のように、相手にしてほしいことを明確にすると親切です。
「お願いいたします」と「お願い申し上げます」に関するよくある質問
Q1. 「お願いいたします」と「お願い申し上げます」は同じ意味ですか?
どちらも相手へお願いする丁寧な表現で、実際の意味はかなり重なります。
「お願いいたします」は幅広いビジネス場面で使いやすく、「お願い申し上げます」はより改まった文書・挨拶などで使われやすい傾向があります。
Q2. 「お願い申し上げます」の方が丁寧ですか?
より改まった印象になりやすいのは「お願い申し上げます」ですが、「お願いいたします」も十分に丁寧な敬語です。
単純な上下関係として覚える必要はありません。
Q3. 取引先へのメールならどちらがよいですか?
通常の業務メールなら「お願いいたします」が使いやすいでしょう。
正式な挨拶・特に改まった依頼なら「お願い申し上げます」も適しています。
Q4. 「よろしくお願い致します」は間違いですか?
意味は通じますが、補助的な「いたす」は、通常「よろしくお願いいたします」とひらがなで書くのが一般的です。
Q5. 「お願い申し上げます」は二重敬語ですか?
文化庁は「お(ご)〜申し上げる」を謙譲語Ⅰの一般形として示しています。
そのため、「お願い申し上げます」を単純に「二重敬語だから誤り」とする必要はありません。
Q6. 「何卒よろしくお願いいたします」と「何卒よろしくお願い申し上げます」はどちらがよいですか?
どちらも使えます。
通常の重要な依頼なら「何卒よろしくお願いいたします」、公式な案内・挨拶なら「何卒よろしくお願い申し上げます」が使いやすいでしょう。
Q7. 上司にも「お願いいたします」は使えますか?
使えます。
「○○についてご確認をお願いいたします」など、丁寧な依頼表現として使うことができます。
ただし、社内の人間関係や会社の慣習に応じて表現を調整するとよいでしょう。
Q8. メールの最後は毎回「よろしくお願いいたします」でよいですか?
多くの場合は問題ありませんが、メールの目的によって具体化すると、より分かりやすくなります。
たとえば、「ご確認をお願いいたします」「ご回答いただけますと幸いです」など、求める行動を明示する方法があります。
まとめ
「お願いいたします」と「お願い申し上げます」は、どちらも相手へお願いする正式な敬語表現です。
| お願いいたします | お願い申し上げます |
|---|---|
| 幅広いビジネス場面で使いやすい | より改まった文章と相性がよい |
| 具体的な依頼に使いやすい | 公式な挨拶・継続的なお願いに使いやすい |
| ご確認をお願いいたします | 変わらぬご支援をお願い申し上げます |
| 自然で実務的な丁寧表現 | 格式・儀礼性を感じさせやすい表現 |
最も実用的な覚え方は、
お願いいたします=「普段のビジネスで使いやすい丁寧なお願い」
お願い申し上げます=「特に改まった場面で使いやすいお願い」
です。
ただし、どちらか一方が正しく、もう一方が間違いという関係ではありません。
また、「お願い申し上げます」の方が必ず敬意が上という単純な順位付けも避けた方がよいでしょう。
通常の取引先メールで、
「ご確認のほどよろしくお願いいたします」
と書けば十分丁寧です。
一方、正式な挨拶文で、
「今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます」
とすれば、文章全体をより改まった印象にできます。
文章で迷った場合は、
「通常の実務上の依頼なのか」
「公式・儀礼的な挨拶や特に改まったお願いなのか」
を考えてください。
前者なら「お願いいたします」、後者なら「お願い申し上げます」が使いやすいでしょう。
参考資料・出典
本記事は、以下の辞書・文化庁資料等を参照し、内容を整理したうえで作成しています。
-
コトバンク「致す」
― 「する」の謙譲的・丁重な用法 -
コトバンク「申上げる」
― 「言う」の謙譲語、および「お・ご〜申し上げる」の用法 -
文化庁「第二話『敬語の基本』理解度チェックの解答」
― 「申し上げる」を謙譲語Ⅰとして整理した敬語の基本分類 -
文化庁「第四話『間違いやすい敬語(1)』」
― 「お(ご)〜申し上げる」「お(ご)〜いたす」の敬語としての形、二重敬語についての解説 -
文化庁「敬語の指針」資料
― 「お(ご)〜する」「お(ご)〜申し上げる」「お(ご)〜いたす」の仕組みについての詳細 -
文化庁「文化審議会 国語分科会 資料5」
― 「よろしくお願いいたします」と「お願い申し上げます」が同じ公的な挨拶の中で使われている実例
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