裁判・法律関係のニュースなどで、
- 請求を棄却した
- 控訴を棄却した
- 審査請求を棄却した
という表現を見かけることがあります。
そこで気になるのが、
「棄却の反対語は何?」
という疑問です。
「棄却」が「認めない」という意味なら、反対は、
- 認容
- 承認
- 受理
- 採択
- 採用
- 可決
のどれなのでしょうか。
結論からいうと、「棄却」の反対語は文脈によって変わります。
特に民事訴訟で、
「原告の請求を棄却する」
の反対方向の結果を表すなら、
「原告の請求を認容する」
が最も対応関係のわかりやすい表現です。
そのため、
請求棄却 ⇔ 請求認容
という組み合わせで覚えることができます。
ただし、どんな「棄却」に対しても「認容」が反対語になるわけではありません。
たとえば行政上の不服申立てでは、申立てが認められた結果として「取消し」「変更」といった裁決が行われることがあります。
また、請願なら「採択・不採択」、議案なら「可決・否決」という別の言葉を使います。
この記事では、「棄却」の意味と反対語を中心に、「認容」「却下」「受理」「採択」「承認」「可決」との違いまで、できるだけわかりやすく解説します。
- 結論:「棄却」の反対語は文脈によって異なる
- 「棄却」とは?
- 「棄却」を簡単にいうと?
- 「棄却」の反対語として最もよく挙げられるのは「認容」
- 「請求認容」と「請求棄却」の違い
- 「認容」とは?
- 「認容」と「承認」は同じ?
- 「棄却」と「却下」の違い
- 「却下」は棄却の反対語ではない
- 「受理」は棄却の反対語ではない
- 「受理された=認められた」ではない
- 「採択」は棄却の反対語?
- 国会の請願では「採択」と「不採択」
- 「可決」は棄却の反対語?
- 「採用」は棄却の反対語?
- 「承認」は棄却の反対語?
- 「容認」は棄却の反対語?
- 「認容」と「容認」を覚えるコツ
- 行政上の不服申立てでは「認容」だけが反対ではない
- 民事訴訟と行政不服申立てを比較
- 「全部認容」と「一部認容」とは?
- 「一部認容・一部棄却」とは?
- 裁判所でも「棄却・認容・却下」は区別されている
- 一般語としての「棄却」の反対は?
- 「棄却」と「否決」の違い
- 「棄却」と「不採用」の違い
- 「棄却」と「拒否」の違い
- 「棄却」を使った例文
- 「認容」を使った例文
- 「棄却」の類語
- 「棄却」の反対方向の言葉一覧
- 「棄却の反対語」を間違えやすい理由
- 「何を認めるのか」を考えると使い分けやすい
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
- 参考リンク
結論:「棄却」の反対語は文脈によって異なる
最初に結論を表で整理しましょう。
| 場面 | 退ける側の表現 | 認める側の表現 |
|---|---|---|
| 民事訴訟の請求 | 棄却 | 認容 |
| 行政上の審査請求 | 棄却 | 取消し・変更など |
| 請願 | 不採択 | 採択 |
| 議案・動議 | 否決 | 可決 |
| 採用選考 | 不採用 | 採用 |
| 一般的な案・意見 | 退ける・採用しない | 採用する・受け入れる |
したがって、単純に、
「棄却の反対語=必ず認容」
と覚えてしまうのは少し危険です。
正確には、
民事訴訟などで請求を認める・認めないという関係なら、「認容」と「棄却」が対になる
と考えるのがよいでしょう。
「棄却」とは?
「棄却」は、
ききゃく
と読みます。
一般的には、
取り上げずに退けること
という意味があります。
法律分野、とくに民事訴訟では、裁判所が請求内容について審理したうえで、
「その請求には理由がない」
として退けることを「棄却」と呼びます。
例
原告:
「被告に100万円を支払うよう求めます。」
裁判所が審理した結果、原告の請求に理由がないと判断した。
→
「原告の請求を棄却する」
という形です。
「棄却」を簡単にいうと?
法律用語としての「棄却」を簡単に説明すると、
「内容まで調べたうえで、理由がないので認めないこと」
です。
ここで重要なのが、
内容を判断している
という点です。
この点が、後で説明する「却下」と大きく異なります。
「棄却」の反対語として最もよく挙げられるのは「認容」
民事訴訟における請求について考える場合、「棄却」と対になる表現として理解しやすいのが、
「認容」
です。
「認容」は、
にんよう
と読みます。
一般的には、認めて受け入れることを意味します。
民事訴訟では、原告などの請求について理由があると判断し、その請求を認めることを「認容」と表現します。
対比
請求に理由がある。
→ 請求を認容する
請求に理由がない。
→ 請求を棄却する
この関係から、
認容 ⇔ 棄却
と理解することができます。
「請求認容」と「請求棄却」の違い
| 項目 | 請求認容 | 請求棄却 |
|---|---|---|
| 読み方 | せいきゅうにんよう | せいきゅうききゃく |
| 請求 | 認める | 認めない |
| 理由 | 請求に理由がある | 請求に理由がない |
| 内容の審理 | 行ったうえで判断 | 行ったうえで判断 |
たとえば、原告が100万円を請求したとします。
全部認められた場合
100万円の支払いを命じる。
→ 請求認容
まったく認められなかった場合
100万円の請求を退ける。
→ 請求棄却
一部だけ認められた場合
100万円のうち40万円だけ認める。
→ 一部認容・一部棄却という形になることがあります。
つまり「認容」と「棄却」は、同じ請求について一部ずつ成立することもあります。
「認容」とは?
「認容」は、一般的には、
認めて受け入れること
を意味します。
法律用語としては、裁判所が請求・申立てなどに理由があると判断し、それを認める場合に使われます。
例文
- 原告の請求を認容する。
- 請求の一部が認容された。
- 損害賠償請求が認容された。
日常会話で頻繁に使う言葉ではありませんが、裁判関係の記事・判決文などでは重要な言葉です。
「認容」と「承認」は同じ?
「認容」と「承認」は漢字も意味も似ていますが、同じではありません。
認容は、認めて受け入れること。
承認は、ある事実・行為などを正当・適当なものとして認めることや、正式に認めることです。
認容
「裁判所が原告の請求を認容した。」
承認
「上司が申請を承認した。」
会社の申請・稟議などで「認容」を使うことは通常ありません。
反対に、裁判所が原告の請求を認めることを、通常「請求を承認した」とは表現しません。
似ていても、使われる分野が異なります。
「棄却」と「却下」の違い
「棄却」と特に混同しやすい言葉が、
「却下」
です。
どちらも「認めない」「退ける」という意味を持っています。
しかし、法律上は重要な違いがあります。
棄却は、内容を審理して「理由がない」と判断して退けること。
却下は、手続き・形式などの要件を満たしていないため、内容の判断に入らず退けることです。
| 比較項目 | 棄却 | 却下 |
|---|---|---|
| 読み方 | ききゃく | きゃっか |
| 内容を判断するか | 原則として判断する | 原則として実質判断に入らない |
| 理由 | 主張・請求に理由がない | 手続き・形式などが不適法 |
| 結果 | 退ける | 退ける |
棄却のイメージ
「内容まで調べました。しかし、あなたの主張には理由がありません。」
却下のイメージ
「そもそも、この申立ては必要な条件を満たしていないので、内容の判断には入りません。」
という違いです。
より詳しい違いはこちらの記事で解説しています。
「棄却」と「却下」の違いは?意味・使い分けを例文でわかりやすく解説
「却下」は棄却の反対語ではない
「棄却」と「却下」は一緒に説明されることが多いため、
「反対語なのでは?」
と考える人もいます。
しかし、これは違います。
両方とも申立て・請求などを認めず、退ける方向の言葉です。
違うのは「なぜ退けたのか」です。
棄却=中身を判断したが理由がなかった
却下=中身を判断する前の要件に問題があった
と覚えるとわかりやすいでしょう。
「却下」の意味はこちらの記事でも詳しく解説しています。
「却下」とは?意味・読み方・使い方をわかりやすく解説|「棄却・否決・不採用」との違いと例文
「受理」は棄却の反対語ではない
「棄却」の反対として、
「受理」
を思い浮かべる人もいます。
しかし、「受理」と「棄却」は判断する段階が異なるため、基本的には反対語ではありません。
「受理」は、提出された書類・申立てなどを正式に受け付けることを意味します。
つまり、
受理=手続きを受け付ける
ということです。
受理された後に内容が審査され、その結果として棄却されることもあります。
イメージ
申立書を提出する。
↓
受け付けてもらう。
→ 受理
↓
内容を審理する。
↓
理由がないと判断される。
→ 棄却
このように、「受理」と「棄却」は同じ段階の言葉ではありません。
「受理された=認められた」ではない
ここは特に注意が必要です。
書類・申立てなどが受理されたからといって、その主張・請求の内容まで認められたとは限りません。
受理=受付
認容=内容を認める
と整理するとわかりやすいでしょう。
したがって、
「訴えが受理された」
と
「訴えが認められた」
は意味が違います。
「採択」は棄却の反対語?
「採択」は、提案・意見・請願などを取り上げて採用することを意味します。
そのため、一般的な意味では「棄却」の反対方向に感じられることがあります。
ただし、法律上の裁判の「棄却」と直接対になる専門用語ではありません。
「採択」は、
- 請願
- 決議案
- 提案
- 国際会議の文書
などで使われます。
例
「請願が採択された。」
「提案が採択された。」
この場合の反対方向の表現は、一般に、
「不採択」
です。
国会の請願では「採択」と「不採択」
参議院では、提出され受理された請願について審査を行い、採択すべきものか不採択とすべきものかを決定します。
つまり、請願では、
採択 ⇔ 不採択
という関係です。
ここで「不採択」を「棄却」と言い換える必要はありません。
制度ごとに正式に使われる用語を使うことが重要です。
「可決」は棄却の反対語?
「可決」は、議案・動議などについて賛成多数などにより、議決して認めることを意味します。
反対は、
「否決」
です。
したがって、
可決 ⇔ 否決
であり、
可決 ⇔ 棄却
ではありません。
例
「議案が可決された。」
「議案が否決された。」
裁判上の「請求棄却」とは別の場面で使う言葉です。
「採用」は棄却の反対語?
一般的な日本語としては、内容によって「棄却」と「採用」が反対方向になることがあります。
たとえば、
「意見を棄却する」
の反対を、
「意見を採用する」
と表現できる場合があります。
しかし、「採用」という言葉には、
- 人を雇う
- 案・方法を取り入れる
- 意見を取り上げる
などの意味があります。
そのため、法律用語として「棄却の正式な反対語=採用」とは考えません。
「承認」は棄却の反対語?
「承認」は、ある行為・事実・申請などを正式に認めることです。
会社では、
- 申請を承認する
- 稟議を承認する
- 上司の承認を得る
などと使います。
「認める」という意味では棄却と反対方向ですが、裁判上の「請求棄却」に直接対応する専門用語ではありません。
裁判上の請求なら、通常は、
棄却 ⇔ 認容
と考えます。
「容認」は棄却の反対語?
「容認」は、差し支えないものとして認めることです。
「認容」と漢字の順番が逆なので混同しやすい言葉です。
認容
にんよう
→ 認めて受け入れる。
容認
ようにん
→ 許容して認める。
日常的には「その行為を容認する」などと使います。
裁判上の請求を認める意味では「認容」が使われるため、「容認」と取り違えないよう注意しましょう。
「認容」と「容認」を覚えるコツ
混同する場合は、
請求を「認」めて「容」れる → 認容
と覚えるとよいでしょう。
裁判の記事では、
「請求を認容した」
という形をよく覚えておけば区別しやすくなります。
行政上の不服申立てでは「認容」だけが反対ではない
ここが「棄却の反対語」を考えるうえで重要なポイントです。
行政上の不服申立てでは、審査請求人の主張が認められた場合、制度によって、
- 原処分の全部取消し
- 原処分の一部取消し
- 原処分の変更
といった結果になることがあります。
国税不服審判所では、裁決を、
- 全部取消し
- 一部取消し
- 変更
- 棄却
- 却下
に分けて説明しています。
ここでは、請求が認められなければ「棄却」、認められれば「取消し」「変更」などになります。
したがって、
行政手続きでは「棄却の反対=認容」と一語で決められない場合がある
ということです。
民事訴訟と行政不服申立てを比較
| 場面 | 認める方向 | 退ける方向 |
|---|---|---|
| 民事訴訟の請求 | 認容 | 棄却 |
| 行政上の審査請求 | 取消し・変更など | 棄却 |
| 形式要件に問題がある場合 | ― | 却下 |
言葉だけを暗記するより、
「何について、どの制度で判断しているのか」
を見ることが重要です。
「全部認容」と「一部認容」とは?
請求がすべて認められる場合を、文脈によって、
全部認容
と表現することがあります。
請求の一部分だけが認められれば、
一部認容
です。
例
原告が100万円を請求。
裁判所が100万円すべてを認めた。
→ 全部認容
40万円だけ認めた。
→ 一部認容
まったく認めなかった。
→ 全部棄却
という整理ができます。
「一部認容・一部棄却」とは?
一つの請求のうち一部だけが認められる場合には、
一部認容・一部棄却
という状態になることがあります。
つまり、「認容」と「棄却」は、必ずどちらか一方だけになるとは限りません。
請求内容が複数あったり、請求金額の一部だけ認められたりすれば、同じ判決の中に両方が存在することがあります。
裁判所でも「棄却・認容・却下」は区別されている
裁判所が公表している訴訟統計でも、判決内容について、
- 棄却
- 認容
- 却下
などが別々の結果として整理されています。
このことからも、「棄却」と「却下」が同じではなく、また「認容」が棄却とは反対方向の判決結果として使われていることがわかります。
一般語としての「棄却」の反対は?
「棄却」は法律だけでなく、一般的に、
捨てて取り上げない
という意味でも使われます。
この場合は、対象によって反対表現が変わります。
| 棄却する対象 | 反対方向の表現 |
|---|---|
| 案 | 採用する |
| 提案 | 採択する・受け入れる |
| 意見 | 採用する・受け入れる |
| 請求 | 認容する |
つまり、一般語まで含めると、
棄却の反対語は一つではない
という結論になります。
「棄却」と「否決」の違い
「否決」も「認めない」という意味を持っています。
しかし、使われる対象が違います。
棄却は、訴訟上の請求・申立てなどについて使われます。
否決は、会議・議会などで議案に賛成せず、成立させない場合に使われます。
例
「裁判所が請求を棄却した。」
「議会が議案を否決した。」
「議案を棄却した」とすると、通常の議会用語としては不自然です。
「棄却」と「不採用」の違い
「不採用」は、人・案・方法などを採用しないことです。
採用試験で、
「応募者を棄却した」
とは通常言いません。
「不採用とした」
と表現します。
逆に、裁判上の請求について、
「原告の請求を不採用とした」
とは通常表現せず、
「原告の請求を棄却した」
といいます。
「棄却」と「拒否」の違い
「拒否」は、相手から求められたことなどを受け入れず断ることです。
非常に意味の広い言葉です。
たとえば、
- 要求を拒否する
- 面会を拒否する
- 受け取りを拒否する
などと使います。
「棄却」は、特に法律上の請求・申立てなどを判断して退ける意味で使われるため、「拒否」より専門的な言葉です。
「棄却」を使った例文
- 裁判所は原告の請求を棄却した。
- 請求には理由がないとして棄却された。
- 審査請求は棄却された。
- 本件控訴を棄却する。
- 原告のその余の請求を棄却する。
- 申立てが棄却された理由を確認する。
- 一部の請求は認容され、その余は棄却された。
- 棄却と却下では理由が異なる。
- 裁判では認容・棄却などの結論が示される。
- 主張が認められず、請求棄却となった。
「認容」を使った例文
- 裁判所は原告の請求を認容した。
- 損害賠償請求の一部が認容された。
- 請求を全部認容する判決が出た。
- 一部認容、一部棄却となった。
- 請求に理由があるとして認容された。
- 原告の主張が認められ、請求認容となった。
- 認容された金額を確認する。
- どの部分が認容されたのか判決文を確認する。
「棄却」の類語
「棄却」に近い意味を持つ言葉には、
- 却下
- 拒否
- 排斥
- 不採用
- 否決
- 退ける
などがあります。
ただし、これらはすべて同じ意味ではありません。
特に法律・行政・議会などでは、用語によって結果・手続きが異なるため、安易に言い換えないことが重要です。
「棄却」の反対方向の言葉一覧
| 言葉 | 意味 | 棄却との関係 |
|---|---|---|
| 認容 | 請求などを理由ありとして認める | 民事訴訟では最も対応がわかりやすい |
| 承認 | 正式に認める | 直接の反対語ではない |
| 受理 | 正式に受け付ける | 判断する段階が違う |
| 採択 | 案・請願などを取り上げ採用する | 請願・提案などの文脈 |
| 採用 | 人・案・方法を取り入れる | 一般語では反対方向になり得る |
| 可決 | 議案を議決して認める | 否決の反対語 |
| 取消し・変更 | 行政処分を取り消す・変更する | 行政上の不服申立てで請求が認められた場合 |
「棄却の反対語」を間違えやすい理由
間違えやすい最大の理由は、
日本語の「認める」に相当する専門用語が、分野によって違うから
です。
日常会話なら、
「認める」
だけで済む場面でも、専門分野では、
- 認容
- 承認
- 採択
- 可決
- 受理
- 採用
などを使い分けます。
そのため、「棄却=認めない」だけを見て、反対語を一つに決めようとすると混乱します。
「何を認めるのか」を考えると使い分けやすい
迷ったら、対象を確認しましょう。
裁判上の請求を認める
→ 認容
社内申請を認める
→ 承認
請願を認める
→ 採択
議案を認める
→ 可決
書類を正式に受け付ける
→ 受理
案・方法を取り入れる
→ 採用
このように考えると、用語の違いが整理しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q1.「棄却」の反対語は何ですか?
文脈によって異なります。
民事訴訟の「請求棄却」と対になる表現としては、「請求認容」が最もわかりやすいでしょう。
Q2.「棄却」の反対は「認容」で合っていますか?
民事訴訟の請求については、基本的にその理解でよいでしょう。
ただし、行政上の審査請求などでは、認められた結果が「取消し」「変更」になることもあります。
Q3.「棄却」と「却下」は反対語ですか?
いいえ。
どちらも請求・申立てなどを退ける方向の言葉です。
棄却は内容を判断したうえで理由がないとして退けること、却下は形式・手続きなどに問題があるため実質判断に入らず退けることです。
Q4.「棄却」と「受理」は反対語ですか?
いいえ。
「受理」は正式に受け付けることです。
受理された後に内容が審理され、棄却される場合もあります。
Q5.「棄却」と「承認」は反対語ですか?
直接対応する法律用語ではありません。
社内申請などを認める場合は「承認」、裁判上の請求を認める場合は「認容」を使います。
Q6.「認容」と「容認」は同じですか?
同じではありません。
「認容」は認めて受け入れること、「容認」は差し支えないとして認めることです。
裁判上の請求については「請求を認容する」と表現します。
Q7.「採択」は棄却の反対ですか?
一般的には反対方向の意味になる場合がありますが、裁判上の「棄却」に直接対応する言葉ではありません。
請願なら「採択」と「不採択」が対になります。
Q8.「可決」は棄却の反対ですか?
いいえ。
「可決」の反対は「否決」です。
可決・否決は議案などについて使われます。
Q9.「請求を受理した」と「請求を認容した」は何が違いますか?
「受理」は受け付けたこと、「認容」は内容を審理して請求を認めたことです。
段階がまったく異なります。
Q10.「一部認容・一部棄却」とは?
請求の一部分だけを認め、残りを認めなかった場合です。
たとえば100万円を請求して40万円だけ認められた場合などが考えられます。
Q11.行政上の審査請求が認められたら「認容」ですか?
制度によって用語が異なります。
国税不服審判所では、審査請求が認められた場合には「全部取消し」「一部取消し」「変更」といった裁決が行われます。
Q12.最も簡単な覚え方は?
次のように整理するとわかりやすいでしょう。
請求に理由あり → 認容
請求に理由なし → 棄却
そもそも手続き上の条件を満たさない → 却下
まとめ
「棄却」は、
「ききゃく」
と読みます。
民事訴訟では、請求内容について審理した結果、理由がないとして請求を退けることを意味します。
そして、民事訴訟で請求を認める側の言葉として使われるのが、
「認容」
です。
そのため、最も基本的には、
請求認容 ⇔ 請求棄却
と覚えることができます。
ただし、「棄却の反対語」は文脈によって異なります。
| 場面 | 認める | 認めない |
|---|---|---|
| 民事訴訟の請求 | 認容 | 棄却 |
| 行政上の審査請求 | 取消し・変更など | 棄却 |
| 請願 | 採択 | 不採択 |
| 議案 | 可決 | 否決 |
| 採用選考 | 採用 | 不採用 |
また、「棄却」と「却下」も混同しないことが重要です。
棄却=中身を調べた結果、理由がないので退ける
却下=形式・手続きなどに問題があり、中身の判断に入らず退ける
という違いがあります。
「受理」も反対語ではありません。
受理はあくまで「受け付けること」であり、受理された後に棄却されることもあります。
使い分けに迷ったら、
「何を、どの制度で、どの段階で認める・認めないのか」
を確認してみましょう。
裁判上の「請求」を認める・認めないという関係なら、
認容 ⇔ 棄却
という組み合わせが最も基本的です。
