「社会は大きな変化を遂げた」
「この10年間で著しい変化を遂げた」
「技術の進歩によって急速な変化を遂げている」
文章の中で、このような「変化を遂げる」という表現を目にすることがあります。
しかし、「変化」自体が「変わること」という意味なのに、さらに「遂げる」を付けるため、
- 「変化を遂げる」は正しい日本語?
- 「変化する」だけで十分では?
- 意味が重複した二重表現ではない?
- 「変貌を遂げる」とは何が違う?
- 「変容を遂げる」という言い方もできる?
- ビジネス文章ではどう使えばいい?
と疑問に思う人もいるでしょう。
結論から言うと、「変化を遂げる」は正しい日本語であり、不自然な二重表現ではありません。
ただし、「変化する」と完全に同じニュアンスではありません。
「変化する」が単純に「状態・性質などが変わること」を表すのに対し、「変化を遂げる」には、ある過程を経た結果として変化したことや、まとまった・目立った変化に至ったことを強調するニュアンスがあります。
そのため、
「気温が変化する」
のような日常的・連続的な変化には「変化する」が自然です。
一方、
「この町は30年間で大きな変化を遂げた」
のように、一定期間を経て大きく変わった結果を強調したい場合には「変化を遂げる」がよく合います。
この記事では、「変化を遂げる」の意味・使い方から、「変化する・変貌を遂げる・変容する・進化を遂げる」などとの違い、自然な例文、避けたほうがよい使い方まで詳しく解説します。
- 「変化を遂げる」は正しい?【結論】
- そもそも「変化」とは?
- そもそも「遂げる」とは?
- 「変化を遂げる」は意味が重複した二重表現?
- 「変化する」と「変化を遂げる」の違い
- 「変化を遂げた」と「変化した」の違い
- 「変化を遂げる」には「大きな」などを付けると自然
- 「変化を遂げる」と「変貌を遂げる」の違い
- 「変化を遂げる」と「変容する」の違い
- 「変容を遂げる」という表現は正しい?
- 「変化を遂げる」と「進化を遂げる」の違い
- 「変化を遂げる」と「成長を遂げる」の違い
- 「変化を遂げる」と「変革する」の違い
- 「変化を遂げる」と「変動する」の違い
- 「変化を遂げる」は人に使える?
- 「変化を遂げる」は会社・企業にも使える?
- 「変化を遂げる」は街・地域に使える?
- 「変化を遂げる」は社会に使える?
- ビジネスで「変化を遂げる」は使える?
- 報告書では「変化を遂げる」より具体的な表現がよい場合も
- 「変化を遂げている」と「変化し続けている」の違い
- 「大きな変化を遂げる」は自然?
- 「急激な変化を遂げる」は自然?
- 「徐々に変化を遂げる」はおかしい?
- 「変化を遂げさせる」は自然?
- 「変化を遂げる」の言い換え
- 場面別|「変化を遂げる」の自然な使い分け
- 「変化を遂げる」を使うと大げさになるケース
- 「変化を遂げる」を使いすぎると文章が硬くなる
- 「変化を遂げる」の例文
- 「変化を遂げた」の言い換え例
- 3秒で判断|「変化する・変化を遂げる・変貌を遂げる」のどれ?
- よくある質問
- まとめ
- 参考リンク・出典
「変化を遂げる」は正しい?【結論】
「変化を遂げる」は、文法的にも意味的にも成立する正しい表現です。
「遂げる(とげる)」には、目的を果たす・成し終えるという意味のほか、最終的にある結果に至るという使い方があります。
そのため、
「変化を遂げる」
は、
「変化という結果に至る」
「ある過程を経て変わった状態になる」
と考えることができます。
代表的には、
- 大きな変化を遂げる
- 著しい変化を遂げる
- 急速な変化を遂げる
- 劇的な変化を遂げる
- 目覚ましい変化を遂げる
などと使われます。
単に変わったというだけでなく、変化の大きさ・過程・到達した結果を印象付けたいときに使いやすい表現です。
そもそも「変化」とは?
「変化(へんか)」とは、ある状態・性質などが、それまでとは異なる状態・性質になることを表します。
たとえば、
- 気温が変化する
- 社会が変化する
- 状況が変化する
- 考え方が変化する
- 色が変化する
などと使います。
「変化」は非常に幅広い言葉で、変わる程度の大小を問いません。
少し変わった場合にも、大きく変わった場合にも使えます。
また、よい方向への変化にも悪い方向への変化にも使える中立的な言葉です。
そもそも「遂げる」とは?
「遂げる」は「とげる」と読みます。
代表的な使い方には、次のようなものがあります。
- 目的を遂げる
- 志を遂げる
- 成長を遂げる
- 発展を遂げる
- 進化を遂げる
- 変貌を遂げる
「目的を遂げる」では「目的を果たす」という意味です。
一方、
「急成長を遂げる」
「大きな発展を遂げる」
などでは、一定の経過を経て、最終的にそのような結果へ至るという意味合いが強くなります。
「変化を遂げる」も、この後者の使い方と考えると分かりやすいでしょう。
「変化を遂げる」は意味が重複した二重表現?
基本的には二重表現ではありません。
確かに、「変化」はそれ自体で「変わること」を意味します。
しかし、「遂げる」はもう一度「変わる」という意味を重ねているわけではありません。
「遂げる」が加えるのは、
- ある結果に至った
- 一定の過程を経た
- まとまった変化が実現した
というニュアンスです。
そのため、
変化する=変わる
変化を遂げる=過程を経て変化という結果に至る
と考えることができます。
たとえば、
「日本の産業構造は変化した。」
と、
「日本の産業構造は数十年間で大きな変化を遂げた。」
では、後者のほうが、長い時間をかけて大きな変化に至った印象が強くなります。
「変化する」と「変化を遂げる」の違い
両者のもっとも大きな違いは、変化そのものを述べるか、変化に至った結果・過程を強調するかです。
| 比較項目 | 変化する | 変化を遂げる |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 状態などが変わる | 過程を経て変化という結果に至る |
| 変化の程度 | 小さな変化にも使える | 比較的大きな変化に使いやすい |
| 時間的な印象 | 瞬間的・連続的な変化にも使える | 一定の過程を感じさせやすい |
| 文章の印象 | 簡潔・客観的 | やや強調的・文章的 |
| 例 | 気温が変化する | 社会が大きな変化を遂げる |
日常的な変化なら「変化する」
たとえば、
「気温は時間帯によって変化する。」
は自然です。
これを、
「気温は時間帯によって変化を遂げる。」
とすると、少し大げさに感じられます。
単に数値が上下することを述べるだけなら、「変化する」で十分です。
大きな結果を強調するなら「変化を遂げる」
一方、
「この地域は新幹線の開業後、大きな変化を遂げた。」
なら自然です。
単に一部分が変わったのではなく、長い期間を通して街全体が大きく変化したことを表しています。
「変化を遂げた」と「変化した」の違い
過去形でも基本的な違いは同じです。
変化した
「消費者の考え方が変化した。」
単純に「以前とは変わった」という事実を表します。
変化を遂げた
「消費者の生活様式は、この20年間で大きな変化を遂げた。」
一定期間を経て、大きく変わったという結果を強調しています。
つまり、文章の意味を簡潔にしたいなら「変化した」、変化の規模や経過を印象付けたいなら「変化を遂げた」が使いやすいでしょう。
「変化を遂げる」には「大きな」などを付けると自然
「変化を遂げる」だけでも意味は成立します。
しかし、実際の文章では、変化の程度を表す言葉と組み合わせると、より自然になります。
代表的なのは、
- 大きな変化を遂げる
- 著しい変化を遂げる
- 急激な変化を遂げる
- 急速な変化を遂げる
- 劇的な変化を遂げる
- 目覚ましい変化を遂げる
- さまざまな変化を遂げる
などです。
「遂げる」には結果へ至ったという強い印象があるため、何がどの程度変わったのかを一緒に示すと文章が具体的になります。
「変化を遂げる」と「変貌を遂げる」の違い
「変化を遂げる」と非常によく似た表現が、「変貌を遂げる」です。
「変貌」は、姿・様子が変わることを表します。
そのため、「変貌を遂げる」は、以前とは見違えるほど姿・様子が変わる場合に特に向いています。
| 表現 | 意味 | 特徴 |
|---|---|---|
| 変化を遂げる | 状態・性質などが変わる | 対象が非常に広い |
| 変貌を遂げる | 姿・様子が大きく変わる | 見た目・様相の変わり方が強い |
たとえば、
「町は30年間で大きな変化を遂げた。」
なら、人口・産業・交通・生活など幅広い変化を含められます。
一方、
「かつて田畑だった地域は、高層ビルが立ち並ぶ街へと変貌を遂げた。」
なら、街の姿そのものが大きく変わったことが強調されます。
「変貌」の意味や「変貌を遂げる」の使い方は、「変貌」とは?意味・読み方・使い方でも詳しく解説しています。
「変化を遂げる」と「変容する」の違い
「変容」は、姿・形・状態・内容などが変わることを表します。
「変化」よりも、性質や中身を含めて姿が変わっていくような場面で使われやすい言葉です。
たとえば、
- 社会構造が変容する
- 価値観が変容する
- 都市が変容する
- 消費者行動が変容する
などです。
「変化を遂げる」は変わったこと全般に使えますが、「変容する」は、変わった結果として以前とは性質・様相そのものが異なる形になることを表現しやすいでしょう。
「変化」と「変容」の細かな使い分けについては、「変化」と「変容」の違いも参考にしてください。
「変容を遂げる」という表現は正しい?
「変容を遂げる」も意味の成立する表現です。
ただし、「変容する」と書くだけでも意味は十分に伝わります。
「遂げる」を加えると、
「長い期間を経て大きな変容に至った」
というように、変容の結果を強調できます。
たとえば、
「インターネットの普及によって、情報流通の仕組みは大きな変容を遂げた。」
という文章です。
単純に変わっている途中を説明するなら、
「情報流通の仕組みは変容している。」
でも十分です。
「変化を遂げる」と「進化を遂げる」の違い
「進化を遂げる」もよく使われる表現です。
ただし、「変化」と「進化」では重要な違いがあります。
「変化」は、単に以前とは異なる状態になることです。
よい方向への変化とは限りません。
一方、「進化」は、一般的な文章では、より高度・優れた状態へ発展する意味合いで使われることがあります。
たとえば、
「スマートフォンはこの10年間で大きな変化を遂げた。」
なら、形状・性能・利用方法などが以前とは変わったという中立的な表現です。
「スマートフォンはこの10年間で著しい進化を遂げた。」
とすると、技術が発展し、より高度になったという肯定的な方向性が強くなります。
「変化を遂げる」と「成長を遂げる」の違い
「成長を遂げる」は、規模・能力・程度などが大きくなる場合に使います。
たとえば、
- 企業が急成長を遂げる
- 選手が大きな成長を遂げる
- 市場が著しい成長を遂げる
などです。
成長も広い意味では変化の一種ですが、
変化=以前と異なる状態になる
成長=より大きく・成熟した状態になる
という違いがあります。
悪化した場合には「変化」は使えても、通常「成長」とは言いません。
「変化を遂げる」と「変革する」の違い
「変革」は、従来の制度・仕組み・考え方などを変え、新しいものにすることを表します。
単なる状態変化より、意図的・根本的に改めるニュアンスが強い言葉です。
たとえば、
「社会が大きな変化を遂げた。」
なら、自然発生的な変化も含められます。
一方、
「組織制度を変革した。」
なら、人が意図的に制度を改めたことを表します。
そのため、改革・制度変更など、誰かが主体となって大きく変える場合には「変革」が適することがあります。
「変化を遂げる」と「変動する」の違い
「変動」は、数値・価格・量などが上下したり、一定せず動いたりすることを表す場面でよく使います。
たとえば、
- 価格が変動する
- 株価が変動する
- 気温が変動する
- 為替相場が変動する
などです。
一方、「変化」はもっと広く、性質・考え方・社会・環境などにも使えます。
そのため、
「為替レートは一日の中で変動する。」
は自然ですが、
「為替レートは一日の中で変化を遂げる。」
とすると大げさです。
数値が細かく上下する場面では「変動」が適しています。
詳しくは、「変動」と「変化」の違いも参考にしてください。
「変化を遂げる」は人に使える?
使えます。
たとえば、
「彼は入社後、仕事に対する考え方に大きな変化を遂げた。」
という意味は理解できます。
ただし、日本語としては対象によって、
「仕事に対する考え方が大きく変化した」
「彼自身が大きく成長した」
などのほうが自然な場合があります。
人について「変化を遂げる」と表現するなら、
- 大きな変化を遂げた
- 精神的な変化を遂げた
- 劇的な変化を遂げた
など、何が変化したのかを明らかにすると分かりやすくなります。
「変化を遂げる」は会社・企業にも使える?
はい。企業・組織についても使えます。
例:
- 当社は創業以来、大きな変化を遂げてきました。
- 同社は事業構造の転換によって劇的な変化を遂げた。
- 市場環境に合わせて企業組織も大きな変化を遂げている。
ただし、企業が意図的に経営・制度を作り替えたことを強調するなら、
- 経営改革を進めた
- 組織を変革した
- 事業構造を転換した
などのほうが具体的な場合もあります。
「変化を遂げる」は街・地域に使える?
街や地域とは非常に相性のよい表現です。
例:
- 駅周辺は再開発によって大きな変化を遂げた。
- この地域は50年間で著しい変化を遂げている。
- かつての農村地域は、住宅地として大きな変化を遂げた。
ただし、外見・街並みが大きく変わったことを強調する場合は、
「街は大きな変貌を遂げた。」
のほうが印象的です。
「変化を遂げる」は社会に使える?
社会・文化・生活様式などにも使えます。
たとえば、
「日本社会は高度経済成長期に大きな変化を遂げた。」
という文章です。
社会制度・価値観・生活・産業構造など複数の要素が変わったことをまとめて表現できます。
より具体的に書くなら、
「社会構造が変容した」
「産業構造が変化した」
「制度が変革された」
など、何がどのように変わったのかを示すと文章の精度が上がります。
ビジネスで「変化を遂げる」は使える?
使えます。
特に、
- 会社沿革
- 事業紹介
- 経営資料
- 市場分析
- 業界レポート
- プレゼンテーション
などで使いやすい表現です。
会社沿革
「当社の事業は、市場環境の変化に対応しながら大きな変化を遂げてきました。」
市場分析
「国内市場は、この10年間で大きな変化を遂げています。」
業務改善
「デジタル化によって、業務プロセスは大きな変化を遂げました。」
ただし、ビジネス文章では「変化を遂げた」と書くだけでは具体性に欠けることがあります。
可能であれば、
「デジタル化によって手作業が削減され、業務プロセスは大きな変化を遂げた」
のように、何が変わったのかも説明しましょう。
報告書では「変化を遂げる」より具体的な表現がよい場合も
「変化を遂げる」は表現力のある言葉ですが、客観性を重視する報告書では少し抽象的になることがあります。
たとえば、
「売上構成は大きな変化を遂げた。」
だけでは、具体的に何が変わったのか分かりません。
その場合は、
「国内売上の構成比が60%から40%へ低下し、海外売上の比率が上昇した。」
などと数値や事実を示すほうが適切です。
「変化を遂げる」は、変化を総括する文章として使い、詳細部分では具体的な事実を示すと効果的です。
「変化を遂げている」と「変化し続けている」の違い
この二つも似ています。
変化を遂げている
現在までに、まとまった変化が進んでいる・実現している印象があります。
例:
「この業界は急速な変化を遂げている。」
変化し続けている
変化が途切れず継続していることに重点があります。
例:
「消費者の価値観は今も変化し続けている。」
したがって、
変化の結果・規模を強調 → 変化を遂げている
変化の継続性を強調 → 変化し続けている
と考えると分かりやすいでしょう。
「大きな変化を遂げる」は自然?
自然な表現です。
「変化を遂げる」は、特に「大きな」と相性がよい表現です。
たとえば、
- 社会が大きな変化を遂げる
- 企業が大きな変化を遂げる
- 地域が大きな変化を遂げる
- 生活様式が大きな変化を遂げる
などと使えます。
「大きく変化する」と言い換えることもできます。
両者を比較すると、
「社会が大きく変化した」
のほうが簡潔で、
「社会が大きな変化を遂げた」
のほうが、長い過程の末に現在の状態へ至った印象を出しやすいでしょう。
「急激な変化を遂げる」は自然?
こちらも使える表現です。
「急激」は、短い時間で大きく変わることを強調します。
例:
「市場環境は数年間で急激な変化を遂げた。」
ただし、単純に速度だけを説明するなら、
「市場環境が急激に変化した。」
のほうが簡潔です。
文章全体のリズムや、変化の結果をどの程度強調したいかによって選びましょう。
「徐々に変化を遂げる」はおかしい?
必ずしもおかしくありません。
「遂げる」という言葉から、急激な変化だけに使うように感じることがありますが、長い時間をかけて徐々に変わった場合にも使用できます。
たとえば、
「この地域の産業構造は、数十年をかけて徐々に変化を遂げてきた。」
と表現できます。
ただし、より簡潔にするなら、
「徐々に変化してきた」
でも十分です。
「変化を遂げさせる」は自然?
文法的には意味を理解できますが、多くの場合は別の言い方のほうが自然です。
たとえば、
「新しい制度が会社に大きな変化を遂げさせた。」
より、
「新しい制度が会社に大きな変化をもたらした。」
「新しい制度によって会社が大きく変化した。」
のほうが自然です。
「遂げる」は主体自身が結果に至る形で使うことが多いため、原因を主語にしたい場合は「もたらす」が便利です。
「変化を遂げる」の言い換え
文脈によって、次のように言い換えられます。
| 言い換え | ニュアンス |
|---|---|
| 変化する | もっとも簡潔・中立的 |
| 大きく変わる | 一般的で分かりやすい |
| 姿を変える | 外見・様子の変化 |
| 変貌する | 姿・様相が大きく変わる |
| 変容する | 姿・形・状態・内容が変わる |
| 様変わりする | 以前とは様子が大きく変わる |
| 発展する | 発達・向上の方向性を含む |
| 進化する | より高度な状態への変化を強調 |
| 転換する | 方向・仕組みなどを切り替える |
場面別|「変化を遂げる」の自然な使い分け
小さな数値変化
△「気温が1度の変化を遂げた。」
○「気温が1度変化した。」
小さな数値変化には「遂げる」は大げさです。
街の再開発
○「駅前は再開発によって大きな変化を遂げた。」
○「駅前は再開発によって大きく変貌した。」
企業
○「同社は創業から50年の間に大きな変化を遂げた。」
○「同社の事業構造は大きく変化した。」
価値観
○「働き方に対する価値観は大きな変化を遂げた。」
○「働き方に対する価値観は大きく変化した。」
商品
○「スマートフォンは登場以来、大きな変化を遂げてきた。」
機能・形状・用途など多面的な変化をまとめて表現できます。
「変化を遂げる」を使うと大げさになるケース
「遂げる」には、最終的にある結果に至ったという強い響きがあります。
そのため、日常の小さな変化に多用すると文章が大げさになります。
たとえば、
△「信号が赤から青へ変化を遂げた。」
△「午後になって気温が2度の変化を遂げた。」
△「髪型が少し変化を遂げた。」
などです。
これらは、
「信号が青に変わった」
「気温が2度変化した」
「髪型が少し変わった」
で十分です。
ある程度まとまった変化・大きな変化・長期的な変化に「遂げる」を使うと、自然な文章になりやすいでしょう。
「変化を遂げる」を使いすぎると文章が硬くなる
「変化を遂げる」は、報告書・論説・企業紹介などでは使いやすい一方、日常会話ではやや硬い表現です。
会話なら、
「この辺もずいぶん変わったね」
と言うところを、
「この地域は大きな変化を遂げましたね」
とすると、少し改まった印象になります。
文章の目的に応じて、
- 変わる
- 変化する
- 変化を遂げる
- 変貌を遂げる
を使い分けましょう。
「変化を遂げる」の例文
社会
- 社会はデジタル技術の普及によって大きな変化を遂げた。
- 人々の生活様式は、この数十年で著しい変化を遂げている。
- 働き方に対する考え方も大きな変化を遂げた。
企業・ビジネス
- 同社は創業以来、市場環境に合わせて大きな変化を遂げてきた。
- 事業構造は海外展開によって急速な変化を遂げた。
- デジタル化によって顧客との接点も大きな変化を遂げている。
街・地域
- 駅周辺は再開発によって大きな変化を遂げた。
- かつての工業地域は住宅地へと大きな変化を遂げている。
- 観光客の増加によって地域の様子も著しい変化を遂げた。
技術・商品
- 自動車技術はこの100年間で大きな変化を遂げてきた。
- 携帯電話はスマートフォンの登場によって劇的な変化を遂げた。
- 製造技術も自動化によって大きな変化を遂げている。
人・考え方
- 海外での経験を通じて、彼の価値観は大きな変化を遂げた。
- 長年の経験によって、仕事に対する考え方も変化を遂げていった。
人の場合は、「成長した」「考え方が変わった」などのほうが自然な場面もあるため、文脈に合わせて選びましょう。
「変化を遂げた」の言い換え例
文章が硬すぎる場合は、次のように言い換えられます。
「街は大きな変化を遂げた」
↓
- 街は大きく変わった
- 街の様子は大きく変化した
- 街は様変わりした
- 街は大きく変貌した
「企業は大きな変化を遂げた」
↓
- 企業は大きく変わった
- 企業の事業構造が大きく変化した
- 企業は組織変革を進めた
「変化を遂げる」を機械的に使うのではなく、具体的に何が変わったのかを表現できる言葉があるなら、そちらを選ぶのも有効です。
3秒で判断|「変化する・変化を遂げる・変貌を遂げる」のどれ?
- 単純に状態が変わる → 変化する
- 一定の過程を経て大きく変わる → 変化を遂げる
- 見た目・様子が見違えるほど変わる → 変貌を遂げる
- 性質・内容まで変わることを強調 → 変容する
- より高度・発達した状態になる → 進化を遂げる
- 制度や仕組みを根本的に改める → 変革する
迷った場合は、もっとも中立的な「変化する」を使えば、多くの場面で意味は通じます。
そこから、変化の規模・結果・内容を強調したい場合に「遂げる」「変貌」「変容」などを選ぶとよいでしょう。
よくある質問
「変化を遂げる」は正しい日本語ですか?
はい。正しい表現です。
「遂げる」には、最終的にある結果へ至るという意味があるため、「変化という結果に至る」という意味で「変化を遂げる」と表現できます。
「変化を遂げる」は二重表現ですか?
基本的には二重表現ではありません。
「変化」が「変わること」を表す一方、「遂げる」はその変化という結果へ至ったことを強調します。
「変化する」と「変化を遂げる」は同じですか?
基本的な内容は近いですが、ニュアンスが違います。
「変化する」は単純に変わること、「変化を遂げる」は一定の過程を経て、まとまった変化に至ったことを強調しやすい表現です。
「大きな変化を遂げる」は自然ですか?
自然な表現です。
社会・企業・街・技術・価値観などが長期的に大きく変わった場合に使いやすい表現です。
「急激な変化を遂げる」は正しいですか?
使えます。
短期間で大きく変わった結果を強調できます。
ただし、簡潔に書くなら「急激に変化する」でも十分です。
「変化を遂げている」は使えますか?
使えます。
現在までに大きな変化が進行・実現していることを表せます。
「この業界は急速な変化を遂げている」のように使います。
「変化を遂げる」と「変貌を遂げる」はどう違いますか?
「変化」は状態・性質などが変わること全般に使えます。
「変貌」は特に、姿・様子が以前とは大きく異なる状態になることを強調します。
「変容を遂げる」は正しいですか?
意味の成立する表現です。
ただし、「変容する」だけでも十分なことが多く、「遂げる」を付けると変容の過程や結果を強調する表現になります。
「変化を遂げる」の言い換えは?
文脈によって、
- 変化する
- 大きく変わる
- 様変わりする
- 変貌する
- 変容する
- 転換する
- 進化する
などに言い換えられます。
ビジネスで「変化を遂げる」を使ってもよいですか?
問題ありません。
会社沿革・市場分析・経営資料などで使えます。
ただし、報告書では「何がどう変わったのか」を具体的な数字や事実で補うと、より伝わりやすくなります。
「変化を遂げる」はよい変化だけに使いますか?
必ずしもよい変化だけに限定されません。
「変化」自体は中立的な言葉なので、文脈によっては好ましくない方向への変化にも使えます。
ただし、「成長を遂げる」「進化を遂げる」などは、一般的には肯定的な方向性を感じさせやすい表現です。
まとめ
「変化を遂げる」は、正しい日本語であり、不自然な二重表現ではありません。
「変化」は状態・性質などが変わること、「遂げる」は最終的にある結果へ至ることを表します。
したがって、「変化を遂げる」は、
「一定の過程を経て、変化という結果に至る」
というニュアンスを持つ表現です。
使い分けを整理すると、
- 変化する:単純に状態・性質などが変わる
- 変化を遂げる:過程を経て、まとまった・大きな変化に至る
- 変貌を遂げる:姿・様子が大きく変わる
- 変容する:姿・形・状態・内容などが変わる
- 進化を遂げる:より発達・高度な方向へ変わる
- 変革する:制度・仕組みなどを根本的に変える
「気温が少し変わった」のような小さな変化には、「変化する」「変わる」のほうが自然です。
一方、
「町が数十年間で大きな変化を遂げた」
「社会が急速な変化を遂げている」
のように、変化の大きさや結果を強調したいときには「変化を遂げる」が効果的です。
迷ったときは、単に変わったことを述べたいのか、それとも変化に至った過程・規模・結果まで印象付けたいのかを考えると、適切に使い分けられるでしょう。
参考リンク・出典
- コトバンク「変化」 — 「変化」が、ある状態や性質などが別の状態・性質に変わることを意味することを確認できます。
- コトバンク「遂げる」 — 「遂げる」には目的を果たす意味のほか、最終的にある結果に行き着くという用法があることを確認できます。
- コトバンク「変貌」 — 「変貌」が姿や様子が変わることを意味し、「変貌を遂げる」という用例も確認できます。
- コトバンク「変容」 — 「変容」が姿・形・状態・内容などが変わることを意味することを確認できます。
- コトバンク「変革」 — 「変革」が、従来の制度などを変えて新しいものにすることを意味することを確認できます。
