まだ答えがわかっていないことについて考えるとき、
「仮説」
「仮定」
「予想」
という言葉を使うことがあります。
どれも「確定していないことを考える」という共通点があるため、
- 仮説と仮定は何が違うのか
- 仮説と予想は同じではないのか
- 「もし○○なら」は仮説なのか仮定なのか
- 実験前に結果を考えるのは仮説?予想?
- 仕事で売上の数字を考えるときはどれを使うのか
- 仮説は必ず検証しなければならないのか
- 仮定は事実と違っていてもよいのか
- 「予想を立てる」「仮説を立てる」「仮定を立てる」は全部正しいのか
など、細かな違いがわかりにくいでしょう。
結論からいうと、3語は次のように分けると理解しやすくなります。
仮説=「なぜそうなるのか」を説明するために仮に立て、検証する考え
仮定=考えるために「ひとまずそうだ」と置く条件・前提
予想=「これからどうなるか・どんな結果になるか」を前もって考えること
つまり、
説明する → 仮説
前提として置く → 仮定
結果を見越す → 予想
という違いがあります。
この記事では、「仮説・仮定・予想」の違いを、研究・実験・仕事・会議・売上・日常生活などの具体例を使って詳しく解説します。
- 結論|仮説は「説明」、仮定は「前提」、予想は「結果」
- 「仮説」とは?意味をわかりやすく解説
- 「仮定」とは?意味をわかりやすく解説
- 「予想」とは?意味をわかりやすく解説
- 「仮説」と「仮定」の違い
- 「仮説」と「予想」の違い
- 仮説があるから予想できる場合もある
- 「仮定」と「予想」の違い
- 一つの場面で「仮説・仮定・予想」を全部使う例
- 研究・実験ではどう使い分ける?
- 「仮説」は必ず正しい必要がある?
- 「仮説を証明する」は正しい?
- 「仮定」は事実と違っていてもよい?
- 「予想」は根拠がなくても使える?
- 「もし~なら」は全部「仮定」?
- 数学では「仮定」をよく使う
- ビジネスでは「仮説」がよく使われる
- ビジネスでは「仮定」も重要
- ビジネスで「予想」を使う場面
- 仮定値と予想値は同じではない
- 「仮説を立てる」は自然
- 「仮定を立てる」は正しい?
- 「予想を立てる」は正しい?
- 「仮説が当たる」と「予想が当たる」の違い
- 「仮定が当たる」は自然?
- 原因を考えるなら「仮説」、結果を考えるなら「予想」
- 仮説にも未来についての内容はある
- 「仮説」と「想定」の違い
- 「仮定」と「前提」の違い
- 「予想」と「予測」の違い
- 日常生活での「仮説・仮定・予想」の例
- 会議での使い分け例
- 品質管理・製造業での使い分け例
- 「仮説・仮定・予想」の自然な例文
- 不自然になりやすい使い方
- 3語の使い分け早見表
- 迷ったときの簡単な判断方法
- 「仮説・仮定・予想」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考リンク・出典
結論|仮説は「説明」、仮定は「前提」、予想は「結果」
まず、3語の違いを表で確認しましょう。
| 比較項目 | 仮説 | 仮定 | 予想 |
|---|---|---|---|
| 読み方 | かせつ | かてい | よそう |
| 意味の中心 | 現象などを説明するための仮の考え | 考えるために仮に置く条件・前提 | 将来の成り行き・結果について見当をつける |
| 主な問い | なぜそうなる? | もし○○だとしたら? | これからどうなる? |
| 検証との関係 | 検証することが重要 | 必ずしも検証目的ではない | 後で結果と比較できる |
| 時間 | 現在・過去・未来を説明できる | 時間を問わず条件として置ける | 未来・まだ判明していない結果で使いやすい |
| 代表表現 | 仮説を立てる | ○○と仮定する | 結果を予想する |
| 例 | 売上減少は値上げが原因ではないか | 価格を据え置くと仮定する | 来月の売上は500万円と予想する |
3語すべてに「まだ確定していない」という要素はあります。
しかし、考える目的が違います。
「原因や仕組みの説明」を作りたいなら仮説。
「考察を進めるための条件」を置きたいなら仮定。
「結果や将来」を見越したいなら予想。
この違いを押さえるだけで、かなり使い分けやすくなります。
「仮説」とは?意味をわかりやすく解説
「仮説」は、
仮説(かせつ)
と読みます。
辞書では、ある現象を合理的に説明するために仮に立てる説であり、実験・観察などによって検証していくものと説明されています。
簡単にいうと、
「今のところ、こういう理由なのではないか」という仮の説明
です。
たとえば、ある店で急に売上が減ったとします。
そこで、
「近隣に競合店が開店したことが、売上減少の原因ではないか」
と考えたとします。
これは「仮説」です。
まだ本当に競合店が原因なのかは確定していません。
そこで、
- 競合店の開店日
- 来店客数の変化
- 顧客アンケート
- 競合店との価格差
- 前年同月との比較
などを調べて、仮説が妥当なのかを確かめます。
この「仮の説明を立て、事実と照らして確かめる」という流れが、仮説の大きな特徴です。
「仮定」とは?意味をわかりやすく解説
「仮定」は、
仮定(かてい)
と読みます。
未定・不確かなことについて、考えるために「ひとまずこうだ」と定めることです。
たとえば、
「来年度の原材料価格が今年と同じだと仮定して、利益を計算する。」
という文章があります。
原材料価格が本当に今年と同じになると主張しているわけではありません。
計算・検討を進めるために、
「いったん同じということにして考えよう」
としているだけです。
このように、仮定は議論・計算・思考を進めるための仮の条件として使われます。
仮定について詳しく知りたい場合は、「仮定」と「前提」の違いとは?意味・使い分けを仕事・議論・数学・「もし〜なら」の例文で徹底解説も参考にしてください。
「予想」とは?意味をわかりやすく解説
「予想」は、
予想(よそう)
と読みます。
物事の成り行きや結果について、前もって見当をつけることです。
たとえば、
- 明日は雨になると予想する
- 今年の売上を予想する
- 試合の勝敗を予想する
- テストの結果を予想する
- 道路が混雑すると予想する
などと使います。
「予想」で注目しているのは、主に「結果として何が起きるか」です。
「なぜ雨が降るのか」という説明そのものではなく、
「明日は雨が降りそうだ」
という結果について考えるなら「予想」が自然です。
「予想」そのものについては、「予想」とは?意味・読み方・使い方をわかりやすく解説|「予測・推測・見込み・予報」との違いと例文でも詳しく解説しています。
「仮説」と「仮定」の違い
「仮説」と「仮定」は特に混同しやすい言葉です。
どちらも「仮」という漢字を使っていますが、役割が異なります。
仮説=説明として正しいか確かめる対象
仮定=考えるために一時的に置く条件
とするとわかりやすいでしょう。
仮説の例
「製品Aの不良率が上がったのは、原材料Xの変更が原因ではないか。」
これは、不良率上昇という現象の理由を説明しようとしています。
その後、原材料別の不良率を調査すれば、仮説を検証できます。
仮定の例
「原材料Xの価格が今後も変わらないと仮定して、来年度の製造原価を計算する。」
これは、「価格が変わらない」という条件を一時的に置いて計算しています。
価格が変わらないこと自体を証明しようとしているわけではありません。
より詳しい2語の比較は、「仮説」と「仮定」の違いは?意味・使い分け・検証や前提条件を例文で解説も参考になります。
「仮説」と「予想」の違い
「仮説」と「予想」は、学校の理科や研究でも混同されやすい言葉です。
非常に簡単に区別すると、
仮説=なぜその結果になるのかという説明
予想=どんな結果になるのかという見込み
です。
たとえば、植物を使った実験を考えてみましょう。
「日光が多いほど植物の成長が速くなるのは、光合成が活発になるからではないか。」
というのは仮説です。
その仮説をもとに、
「日光を8時間当てた植物は、4時間当てた植物より大きく成長するだろう。」
と考えるのが予想です。
つまり、
仮説 → 理由・仕組みについての考え
予想 → その考えが正しければ起きるはずの結果
という関係になることがあります。
仮説があるから予想できる場合もある
科学的な探究では、仮説をもとに結果を予想し、その予想と実際の結果を比べることがあります。
流れを簡単にすると、
観察・疑問
↓
仮説を立てる
↓
その仮説なら何が起きるか予想する
↓
実験・観察する
↓
結果を比較する
↓
仮説を検討する
となります。
たとえば、
「水温が高いほど砂糖が早く溶けるのではないか」
という考えを立てた場合、
「80℃の水では20℃の水より短時間で溶けるだろう」
と具体的な結果を予想できます。
このように、仮説と予想は関連しますが、同じ役割ではありません。
「仮定」と「予想」の違い
「仮定」と「予想」は、未来について話す場合に混同しやすくなります。
違いは、
仮定=その条件をいったん採用する
予想=実際にそうなりそうだと考える
という点です。
たとえば、
「来年の売上が1億円だと仮定して、人員計画を作る。」
という場合、売上1億円になると本気で予測している必要はありません。
シミュレーションの条件として1億円を置いているだけでも成立します。
一方、
「来年の売上は1億円になると予想している。」
なら、現在の情報をもとに、実際に1億円程度になるだろうと考えています。
| 文章 | 意味 |
|---|---|
| 売上1億円と仮定する | 計算・検討上、ひとまず1億円という条件を置く |
| 売上1億円と予想する | 実際に1億円程度になると見込む |
一つの場面で「仮説・仮定・予想」を全部使う例
3語の違いは、一つの事例に当てはめると非常にわかりやすくなります。
ある飲食店で売上が前年より20%減少したとします。
仮説
「近くに競合店が開店したため、客数が減ったのではないか。」
→ 売上が下がった理由を説明する仮の考えです。
仮定
「競合店の価格と客数が今後3か月変わらないと仮定する。」
→ 分析を進めるための条件です。
予想
「対策をしなければ来月の売上も前年を15%ほど下回ると予想する。」
→ 今後起きる結果についての見込みです。
つまり、
「なぜ?」→ 仮説
「もし○○なら?」→ 仮定
「どうなる?」→ 予想
と置き換えると違いを理解しやすくなります。
研究・実験ではどう使い分ける?
研究や実験では、3語を混同すると文章の意味が曖昧になります。
仮説
研究対象について、検証可能な形で暫定的な説明を立てます。
例:
「睡眠時間が短い学生ほど、授業中の集中力が低下するのではないか。」
仮定
分析を進めるための条件・前提を置きます。
例:
「その他の生活習慣による影響は一定であると仮定する。」
予想
実験・調査を行ったときに得られそうな結果を前もって考えます。
例:
「睡眠時間6時間未満の群では、集中力テストの平均点が低くなると予想する。」
このように、研究の中で3語がそれぞれ別の役割を持つことがあります。
「仮説」は必ず正しい必要がある?
いいえ。
仮説は、最初から真実だと確定しているものではありません。
むしろ、正しいかどうかを調べるために仮に立てるのが仮説です。
調査・実験をした結果、仮説に合わない結果が出ることもあります。
それ自体が失敗というわけではありません。
仮説が支持されなかったことも、新しい原因を考える重要な情報になります。
「仮説を証明する」は正しい?
日常的には「仮説を証明する」という言い方を見かけることがあります。
ただし、研究・科学の文脈では、
- 仮説を検証する
- 仮説が支持される
- 仮説を棄却する
- 仮説と結果が一致する
など、より慎重な表現が使われることがあります。
一度の実験結果だけで、どのような仮説でも完全に絶対的な真実として確定するとは限らないためです。
「仮定」は事実と違っていてもよい?
はい。
仮定は、現実に正しいとわかっている必要はありません。
たとえば、
「もし地球の重力が今の半分だと仮定すると……」
と考えることができます。
実際の地球の重力が半分でなくても、思考実験としては成立します。
重要なのは、
「この条件を仮に置いたら、そこから何が導けるか」
です。
「予想」は根拠がなくても使える?
「予想」は、幅広い場面で使える言葉です。
十分なデータをもとにした予想もあれば、経験・直感をもとにした予想もあります。
たとえば、
「過去10年のデータから来年度の需要を予想する。」
も、
「なんとなく今日は混みそうだと予想した。」
も意味として成立します。
より客観的・分析的な推定を強調したい場合には、「予測」が使われることもあります。
「もし~なら」は全部「仮定」?
「もし」という言葉があるからといって、必ず専門的な意味での「仮定」になるわけではありません。
しかし、
「もしAだとしたら、その場合Bになる」
という形で条件を置いて考えているなら、仮定の考え方に近くなります。
たとえば、
「もし売上が20%減少すると仮定した場合、現在の人員数を維持できるか。」
は典型的な仮定です。
一方、
「来月は売上が20%減るだろう。」
と実際の将来を見込んでいるなら「予想」になります。
数学では「仮定」をよく使う
数学では、ある条件を前提として論理を進めるため、「仮定」がよく使われます。
たとえば、
「xが正の整数であると仮定する。」
と置き、その条件のもとで式を展開します。
ここで「xが正の整数である」ということを将来予想しているわけではありません。
論理を進めるための条件なので「仮定」です。
ビジネスでは「仮説」がよく使われる
ビジネスでは、原因を考えたり改善策を検討したりするときに「仮説」という言葉が使われます。
たとえば、
- 売上が下がった原因について仮説を立てる
- 顧客が離脱する理由について仮説を立てる
- 広告の反応が悪い原因を仮説化する
- 仮説をもとに施策を実施する
- 結果を見て仮説を修正する
などです。
単に「何となくこうなると思う」という予想ではなく、現象の理由を説明して次の検証・行動につなげる点に特徴があります。
ビジネスでは「仮定」も重要
予算、事業計画、シミュレーションでは、「仮定」が欠かせません。
将来のすべての条件を確定できないため、
- 為替レートを1ドル150円と仮定する
- 人件費上昇率を3%と仮定する
- 顧客数が前年と同じと仮定する
- 原材料価格が変わらないと仮定する
など、一定の条件を置いて計算します。
この数字は必ずしも「そうなると予想している数字」と同じとは限りません。
ビジネスで「予想」を使う場面
予想は、実際の将来について見込みを示す際に使います。
- 来月の来店客数を予想する
- 商品の販売数量を予想する
- 市場の反応を予想する
- 繁忙期の問い合わせ件数を予想する
などです。
「仮定した数値」と「予想した数値」を明確に分けると、ビジネス資料もわかりやすくなります。
仮定値と予想値は同じではない
たとえば、事業計画で次の二つを考えてみましょう。
仮定:
「計算上、客単価を5,000円で固定すると仮定する。」
予想:
「実績と予約状況から、来月の平均客単価は5,200円程度になると予想する。」
前者は計算条件。
後者は現実に起きそうな結果です。
同じ数字に関する話でも、文章の役割が違います。
「仮説を立てる」は自然
「仮説」と一緒によく使う動詞は、
「立てる」
です。
たとえば、
- 仮説を立てる
- 仮説を設定する
- 仮説を検証する
- 仮説を修正する
- 仮説を棄却する
などと使います。
「仮定を立てる」は正しい?
意味が通じる場合はありますが、一般には、
「○○と仮定する」
の形が非常に使いやすい表現です。
たとえば、
「人口が変化しないと仮定する。」
「Aが正しいと仮定して議論を進める。」
などです。
また、文脈によって「仮定を置く」という表現も使われます。
「予想を立てる」は正しい?
「予想を立てる」も使われることはありますが、一般的には、
- 予想する
- 予想をする
- 予想を立てる
- 予想を示す
など、文脈に応じて使います。
一方、結果が判明した後には、
予想が当たる
予想が外れる
という表現がよく使われます。
「仮説が当たる」と「予想が当たる」の違い
日常会話では「仮説が当たった」と言うこともあります。
ただし、研究・分析の文章では、
「仮説が支持された」
「仮説と整合する結果が得られた」
などのほうが正確な場合があります。
一方、
「予想が当たった」
は非常に自然です。
予想は結果について前もって見当をつけることなので、実際の結果と一致したかどうかを「当たる・外れる」で表現できます。
「仮定が当たる」は自然?
一般には、「仮定が当たる」より、
- 仮定が正しかった
- 仮定が現実と一致した
- 仮定した条件に近かった
などと表現するほうが自然です。
仮定は、そもそも「当てるため」に置くとは限らないからです。
原因を考えるなら「仮説」、結果を考えるなら「予想」
迷った場合に便利なのが、原因と結果で分ける方法です。
たとえば、機械が突然停止したとします。
仮説:
「モーターの過熱が停止原因ではないか。」
予想:
「モーターを交換すれば正常に動作するだろう。」
厳密には文脈によって両者の境界が重なる場合もありますが、
原因・仕組みを説明する考え → 仮説
これから得られる結果 → 予想
という整理が役立ちます。
仮説にも未来についての内容はある
「仮説=過去の原因」「予想=未来」とだけ覚えるのは正確ではありません。
仮説が未来の現象について述べることもあります。
重要なのは時間ではなく、役割です。
たとえば、
「価格を下げると購入率が上がるのは、価格への心理的抵抗が下がるためではないか。」
は未来の施策について考えていても、仕組みを説明する仮説です。
その仮説をもとに、
「10%値下げすれば購入率は5ポイント上がるだろう。」
と具体的な結果を考えれば予想になります。
「仮説」と「想定」の違い
「想定」も似た言葉です。
想定は、ある状況・条件などをあらかじめ考えておくことです。
たとえば、
「大地震を想定した訓練」
「アクセス集中を想定してサーバーを増強する」
などと使います。
仮説のように現象の理由を説明して検証することが中心ではありません。
また、仮定に近い場合もありますが、「想定」は実際に起こり得る状況をあらかじめ思い描くニュアンスがあります。
「仮定」と「前提」の違い
「前提」は、考え・議論・行動などの土台となる条件です。
仮定は、その前提を仮に置く行為・内容として使われます。
たとえば、
「全員が参加することを前提に会場を予約する。」
では「全員が参加する」が計画の土台です。
「全員が参加すると仮定して必要な座席数を計算する。」
では、計算のために仮の条件を置いています。
「予想」と「予測」の違い
「予想」と「予測」は非常に近い言葉です。
どちらも将来の成り行き・結果を前もって考える意味があります。
一般には、
予想=日常的な見込み・期待・結果の見当にも広く使える
予測=データや状況などをもとに将来を推し量る印象が強い
という傾向があります。
たとえば、
「優勝チームを予想する」
は自然ですが、
人口・需要・気象などでは、
「将来人口を予測する」
「需要を予測する」
などもよく使われます。
日常生活での「仮説・仮定・予想」の例
仮説
「最近スマートフォンの電池が早く減るのは、新しく入れたアプリが原因ではないか。」
→ 原因についての仮の説明。
仮定
「毎月1万円ずつ貯金すると仮定して、5年後の金額を計算する。」
→ 計算するための条件。
予想
「このペースなら、今年中に目標額まで貯まりそうだ。」
→ 将来の結果についての見込み。
会議での使い分け例
会議では、3語を正確に使い分けると議論が整理しやすくなります。
仮説
「顧客離れの原因について、まず仮説を立てましょう。」
仮定
「人員数は現在と変わらないと仮定して試算します。」
予想
「この施策を実施した場合、問い合わせは約20%増えると予想しています。」
この3つを区別すれば、
「原因について話しているのか」
「計算条件について話しているのか」
「将来の結果について話しているのか」
が明確になります。
品質管理・製造業での使い分け例
仮説
「充填温度の変化が製品重量のばらつきに影響しているのではないかという仮説を立てた。」
仮定
「原料ロットによる差はないものと仮定して分析を行った。」
予想
「温度を一定にすれば、重量のばらつきは小さくなると予想した。」
製造現場でも、原因解析と条件設定、結果の見込みを分けることで、報告書の論理が明確になります。
「仮説・仮定・予想」の自然な例文
仮説の例文
- アクセス数が減った原因について仮説を立てる。
- 実験によって仮説を検証する。
- 調査結果を受けて当初の仮説を修正した。
- いくつかの仮説を比較して、最も妥当なものを検討する。
- その現象を説明できる新しい仮説を提示した。
仮定の例文
- 参加者が100人だと仮定して会場費を計算する。
- 価格が変わらないと仮定して試算した。
- Aが正しいと仮定すると、この結論が導かれる。
- 為替レートを1ドル150円と仮定する。
- すべての条件が同じだと仮定して比較する。
予想の例文
- 明日は道路が混雑すると予想される。
- 今期の売上は前年を上回ると予想している。
- 試合の結果を予想する。
- 予想以上に多くの人が参加した。
- 結果は当初の予想と大きく異なった。
不自然になりやすい使い方
「明日の天気の仮説を立てる」
通常、明日の天気がどうなるかを単純に考えるなら「予想」です。
○「明日は雨になると予想する。」
一方、
「なぜこの地域だけ雨量が多くなるのか」
という原因を説明するなら仮説を立てられます。
「条件を予想して計算する」
将来実際にそうなると見込んでいるなら「予想」でもよいですが、単なる計算条件なら、
○「条件を仮定して計算する。」
のほうが明確です。
「仮定を検証して真実にする」
仮定そのものを確認する場合もありますが、研究上の「検証対象」という意味を強く表したいなら「仮説」のほうが適するケースがあります。
何のために仮の考えを置いているのかを確認しましょう。
3語の使い分け早見表
| 言いたいこと | 適した言葉 |
|---|---|
| 原因を考えたい | 仮説 |
| 現象の仕組みを説明したい | 仮説 |
| 実験で確かめたい考えを立てる | 仮説 |
| 計算条件を一時的に置く | 仮定 |
| 「もし○○なら」と考える | 仮定 |
| 論理の出発点を置く | 仮定 |
| 明日の結果を考える | 予想 |
| 売上がいくらになるか考える | 予想 |
| 試合の勝者を考える | 予想 |
| 仮説が正しければ起きる結果を考える | 予想 |
迷ったときの簡単な判断方法
「なぜ?」への答えを考えている?
→ 仮説
例:「なぜ売上が落ちた?」→ 値上げが原因ではないかという仮説。
「もし○○なら?」と条件を置いている?
→ 仮定
例:「もし売上が20%減ったら?」→ 20%減ると仮定する。
「どうなる?」という結果を考えている?
→ 予想
例:「来月の売上はどうなる?」→ 10%減ると予想する。
この3つの質問に置き換えると判断しやすくなります。
「仮説・仮定・予想」に関するよくある質問
Q1.仮説・仮定・予想の違いを一言でいうと?
仮説は説明、仮定は前提、予想は結果です。
Q2.仮説と仮定は同じではないのですか?
同じではありません。
仮説は現象などを説明するための暫定的な考えで、検証することが重要です。仮定は議論・計算などを進めるために一時的に置く条件です。
Q3.仮説と予想の違いは?
仮説は「なぜそうなるか」という説明、予想は「どんな結果になるか」という見込みです。
Q4.仮定と予想の違いは?
仮定は考えるために条件を置くこと、予想は現実に起こりそうな結果について見当をつけることです。
Q5.「もし○○なら」は仮定ですか?
条件を一時的に置いて考える場合は、仮定と考えられます。
Q6.実験前に結果を考えるのは仮説ですか?
結果そのものについて「こうなるだろう」と考えるなら予想です。
その結果が起きる理由・仕組みを説明する考えなら仮説になります。
Q7.仮説は必ず検証できますか?
科学的・研究的な仮説では、観察・実験などによって検討できることが重要です。
日常会話では「仮説」がより広い意味で使われる場合もあります。
Q8.仮定は間違っていてもよい?
思考・計算上の条件として置くのであれば、現実と一致している必要はありません。
ただし、その仮定から得られた結論を現実へ適用するときは、仮定が妥当か確認する必要があります。
Q9.予想には根拠が必要?
必ず高度なデータが必要というわけではありません。
経験や直感をもとにした予想もあります。ただし、説得力を求める場面では根拠を示したほうがよいでしょう。
Q10.「仮説を予想する」は自然?
一般には、「仮説を立てる」「結果を予想する」と使い分けるほうが自然です。
Q11.「仮定を予想する」は自然?
通常はあまり使いません。
「条件を仮定する」「将来を予想する」とすると意味が明確です。
Q12.「仮説が当たった」は間違い?
日常会話では意味が通じます。
ただし研究文書などでは、「仮説が支持された」「仮説と一致する結果が得られた」などの表現が適することがあります。
Q13.「予想が外れた」は自然?
自然です。
予想した結果と実際の結果が異なったことを表します。
Q14.仮説と予想は両方同じ実験で使えますか?
使えます。
仮説を立て、その仮説が正しければどんな結果が得られるか予想し、実験結果と比べるという流れがあります。
Q15.仕事ではどれを一番よく使いますか?
目的によって異なります。
原因分析なら「仮説」、シミュレーション条件なら「仮定」、売上・需要などの将来値なら「予想」が使いやすいでしょう。
Q16.仮説と予想のどちらが確実ですか?
確実性の高低だけで分ける言葉ではありません。
仮説は説明の役割、予想は結果の見込みという役割の違いがあります。
まとめ
「仮説・仮定・予想」は、どれも確定していないことについて考える言葉ですが、役割が異なります。
仮説=ある現象を説明するために仮に立て、検証する考え
仮定=議論・計算などを進めるために一時的に置く条件・前提
予想=物事の成り行き・結果について前もって見当をつけること
です。
最も簡単に整理すると、
「なぜ?」→ 仮説
「もし○○なら?」→ 仮定
「どうなる?」→ 予想
と考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば売上が下がっている場合なら、
「競合店の出店が原因ではないか」
は仮説。
「競合店の状況が今後も同じとする」
は仮定。
「来月も売上が10%減少するだろう」
は予想です。
また、研究・実験では、
仮説を立てる → 結果を予想する → 実験する → 仮説を検証する
という関係になることもあります。
3語を「確実か不確実か」だけで分けるのではなく、その考えが何のために置かれているのかを見ることが、正しく使い分けるポイントです。
参考リンク・出典
-
コトバンク「仮説」
仮説(カセツ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 仮説の用語解説 - ある現象を合理的に説明するため、仮に立てる説。実験・観察などによる検証を通じて、事実と合致すれば定説となる。仮定・想定・設定 -
コトバンク「仮定」
仮定(カテイ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 仮定の用語解説 - [名](スル)1 未定のこと、不確かなことを仮にこうと定めること。また、仮に定めた事柄。「今ここにコップがあると仮定してみよう」「仮定の上に立って物を言う」2 論理学などで、ある命題を導き出す推論の出... -
コトバンク「予想」
予想(ヨソウ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 予想の用語解説 - [名](スル)物事の成り行きや結果について前もって見当をつけること。また、その内容。「予想が当たる」「混雑が予想される」予想・予期――「結果は予想(予期)したとおりだった」「予想(予期)に反して、不作... -
J-STAGE「理科の問題解決における仮説設定の研究動向」
理科の問題解決における仮説設定の研究動向J-STAGE -
J-STAGE「学術論文へのアプローチ」
学術論文へのアプローチJ-STAGE
