「品詞」とは?国語の10種類一覧と見分け方をわかりやすく解説|自立語・付属語・活用の違いと練習問題

国語のテストで「次の言葉の品詞を答えなさい」と聞かれ、「名詞・動詞・形容詞は分かるけれど、連体詞や助動詞はどう見分けるの?」「品詞は10種類なのに、辞書では11種類と書いてあるのはなぜ?」と迷ったことはありませんか。

品詞(ひんし)とは、単語を文法上の性質や働きによって分類したグループのことです。中学校で学ぶ現代語の学校文法では、一般に10種類に分けます。

ただし、名前を10個覚えるだけでは、文章の中で「きれいな」「大きな」「速く」「ゆっくり」などを正しく判断できないことがあります。大切なのは、単語の区切り方を確かめ、自立語か付属語か、活用するかどうか、どのような働きをするかの順に考えることです。

この記事では、10品詞の一覧表を示したうえで、見分け方を例文から練習できるように説明します。「品詞と文の成分」「品詞と文節」「10品詞と11品詞」の違い、テストで間違えやすい例、解答・解説付きの練習問題までまとめました。

  1. 【結論】品詞とは?意味を簡単に説明
  2. 国語の10品詞一覧|名前・特徴・具体例をまとめて確認
  3. 品詞分類の全体図|自立語・付属語と活用の有無で4組に分かれる
    1. 自立語とは?単独で文節を作ることができる単語
    2. 付属語とは?自立語に付いて意味を添える単語
    3. 活用とは?後ろに続く語などによって形が変わること
  4. 品詞の見分け方は3ステップ|迷ったときの判断順序
    1. ステップ1:文節と単語を区切り、自立語か付属語か判断する
    2. ステップ2:活用するかどうか確認する
    3. ステップ3:活用しない自立語は働きで見分ける
  5. 活用する自立語3品詞|動詞・形容詞・形容動詞の違い
    1. 動詞:動作・作用・存在などを表す
    2. 形容詞:言い切りが基本的に「い」で終わる
    3. 形容動詞:言い切りが基本的に「だ」で終わる
  6. 活用しない自立語5品詞|名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞
    1. 名詞:人や物の名前だけでなく、事柄や代名詞も含む
    2. 副詞:主に用言を詳しくする
    3. 連体詞:名詞を修飾し、活用しない
    4. 接続詞:文や内容の関係を示してつなぐ
    5. 感動詞:感情・応答・呼びかけを表す
  7. 付属語2品詞|助詞と助動詞は何が違う?
    1. 助詞:ほかの語との関係などを表し、活用しない
    2. 助動詞:意味や判断を添える、活用する付属語
    3. 同じ「だ」でも「学生だ」と「静かだ」では考え方が違う
  8. 「体言」と「用言」とは?品詞とは別の大きなくくり
  9. 品詞は10種類?11種類?辞書によって数が違う理由
    1. 中学校の学校文法では一般に10品詞
    2. 辞書の11品詞では「代名詞」を独立させる
    3. 学校のテストでは何種類と答えればいい?
  10. 品詞と単語・文節の違い|区切る単位を間違えない
    1. 「単語」は意味や文法上の働きを持つ最小の単位
    2. 「文節」は意味の上で不自然にならない短いまとまり
    3. 「ね・さ・よ」を入れる方法は文節分けの補助
  11. 品詞と文の成分の違い|「赤い」は形容詞であり修飾語でもある
    1. 品詞は単語の種類を聞いている
    2. 文の成分は文章の中での働きを聞いている
    3. 「連体詞」と「連体修飾語」は同じ意味ではない
  12. 品詞を間違えやすい言葉の組み合わせ7選
    1. 1.「きれいだ」と「美しい」は別の品詞
    2. 2.「大きな」と「大きい」は別の品詞
    3. 3.「静かな」と「大きな」は同じ「な」でも違う
    4. 4.「速く」と「ゆっくり」はどちらも動詞を詳しくするが違う
    5. 5.「この」と「これ」は違う
    6. 6.「ない」は文章によって形容詞にも助動詞にもなる
    7. 7.「学生だ」と「静かだ」の「だ」は同じ扱いではない
  13. 品詞の見分け方が分かる例文10選
  14. 実践問題20問|国語の10品詞を自分で見分けてみよう
    1. 基礎問題1〜10|10品詞を一度ずつ確認
    2. 応用問題11〜20|似た言葉の区別を確認
  15. 練習問題の解答・解説|なぜその品詞になる?
  16. 品詞を効率よく覚えるための勉強法
    1. まずは4グループの表を覚える
    2. 自分で例文を作り、単語ごとに印を付ける
    3. 間違えたら、答えよりも判定の分かれ道を見直す
  17. 品詞に関するよくある質問(FAQ)
    1. Q1.品詞とは何ですか?小学生にも分かるように教えてください
    2. Q2.品詞は全部で何種類ありますか?
    3. Q3.国語の10品詞を全部教えてください
    4. Q4.品詞の見分け方で最初にすることは何ですか?
    5. Q5.品詞と文節は同じですか?
    6. Q6.品詞と文の成分は同じですか?
    7. Q7.自立語と付属語は何種類ずつですか?
    8. Q8.活用する品詞はどれですか?
    9. Q9.代名詞は10品詞のどれに入りますか?
    10. Q10.「きれい」は形容詞ではないのですか?
    11. Q11.「大きな」と「大きい」は同じ品詞ですか?
    12. Q12.「静かに」の品詞は副詞ですか?
    13. Q13.「ない」はいつも助動詞ですか?
    14. Q14.「だ」は必ず助動詞になりますか?
    15. Q15.英語の品詞と国語の品詞は同じですか?
    16. Q16.品詞の問題で点数を上げるにはどうすればよいですか?
  18. まとめ|品詞は「10種類の暗記」より「分類の順序」で理解する
  19. 参考リンク

【結論】品詞とは?意味を簡単に説明

品詞とは、単語を共通する文法上の特徴によって分けた種類の名前です。読み方は「ひんし」です。英語では「parts of speech」と呼びますが、この記事では日本語の現代語文法を扱います。

たとえば「小鳥が楽しそうに鳴く」という文章には、物の名前を表す言葉や、動作を表す言葉、ほかの言葉に意味を添える言葉が含まれています。これらは文中での性質や使い方が異なるため、同じ品詞にはなりません。

押さえる点 答え
「品詞」の読み方 ひんし
何を分類する? 単語
何を基準にする? 自立語・付属語の違い、活用の有無、文法上の働きなど
中学国語では何種類? 原則として10品詞
代表的な品詞 名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞・助詞・助動詞
注意点 「品詞」と「文の成分」は別の分類

一番大切なのは、「品詞は単語の分類、文の成分は文節の役割」という区別です。例えば「赤い花」の「赤い」は品詞でいうと形容詞ですが、文の中では名詞を詳しくする修飾語の働きをします。

国語の10品詞一覧|名前・特徴・具体例をまとめて確認

現代語の学校文法で扱う10品詞を、最初に一覧で確認しましょう。細かい特徴を覚える前に、どんな言葉がどの品詞に入るか、大まかな地図を頭に入れておくと理解しやすくなります。

品詞 主な特徴 単語の例 自立語・付属語
名詞 人・物・場所・事柄などの名前を表す 友人・公園・努力・私 自立語
動詞 動作・作用・存在などを表し、活用する 歩く・考える・ある 自立語
形容詞 性質・状態などを表し、活用する 明るい・深い・寒い 自立語
形容動詞 性質・状態などを表し、「だ」などに活用する 静かだ・親切だ・きれいだ 自立語
副詞 主に用言などを詳しく説明する ゆっくり・とても・必ず 自立語
連体詞 名詞などの体言を詳しく説明する この・あの・大きな 自立語
接続詞 前後の文や内容をつなぐ しかし・そして・だから 自立語
感動詞 感動・応答・呼びかけなどを表す ああ・はい・もしもし 自立語
助詞 ほかの語に付き、関係や気持ちなどを示す が・は・を・に・ね 付属語
助動詞 ほかの語に付き、意味や判断を加える た・ます・たい・ない 付属語

この表で特に大切なのは、自立語が8品詞、付属語が2品詞に分かれる点です。自立語・付属語の違いと活用の有無を合わせると、10種類を一度に暗記しなくても絞り込めます。

なお、「私」「これ」のような代名詞や、数を表す言葉の扱いは、学校文法と辞書・文法理論で違う場合があります。詳しくは後半で説明します。

品詞分類の全体図|自立語・付属語と活用の有無で4組に分かれる

品詞を見分けるための最も重要な道筋は、次の4つのグループです。

分類 活用する 活用しない
自立語 動詞・形容詞・形容動詞(3品詞) 名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞(5品詞)
付属語 助動詞(1品詞) 助詞(1品詞)

この表だけで3+5+1+1=10品詞を整理できます。ここから、それぞれの意味を確認しましょう。

自立語とは?単独で文節を作ることができる単語

自立語は、単独でも基本的な意味が分かり、一つの文節を作ることができる単語です。例えば「景色」「美しい」「眺める」は、それぞれ単独で文節になれます。

学校文法では、文節の先頭に現れる単語が基本的に自立語です。「友人が」なら「友人」が自立語、「静かに」なら形容動詞「静かだ」が活用した「静かに」が自立語に当たります。

付属語とは?自立語に付いて意味を添える単語

付属語は、自立語などの後ろに付き、文法上の関係や意味を加える単語です。「友人が」の「が」、「読みました」の「ます」「た」などが代表例です。

助詞と助動詞は、原則として単独で文節になりません。例えば「に」「を」だけを切り離して一文節にするのは、通常の文節の区切り方とは異なります。

活用とは?後ろに続く語などによって形が変わること

活用(かつよう)とは、単語が文中で使われるときに形を変えることです。例えば動詞「書く」は「書かない・書きます・書けば」、形容詞「高い」は「高く・高かった・高ければ」と変化します。

一方、「学校」が「学校く」「学校けれ」と変わることはありません。名詞には活用がないのです。

助動詞にも活用があるものが多く、学校文法では「活用する付属語=助動詞」という分類を使います。ただし「う・よう」など、実際の形の変化が限定的な助動詞もあるため、一つの語を機械的に変形するだけで全てを判定しないようにしましょう。

品詞の見分け方は3ステップ|迷ったときの判断順序

国語の品詞問題では、言葉の意味からいきなり答えを出すより、順番を決めて確認する方が確実です。

ステップ1:文節と単語を区切り、自立語か付属語か判断する

「わたしは新しい本を読んだ。」なら、文節は「わたしは/新しい/本を/読んだ」の4つです。

さらに単語に分けると、「わたし/は/新しい/本/を/読ん/だ」となります。助詞の「は」「を」と助動詞の「だ」は付属語です。

文章全体をひとかたまりで考えず、何の品詞を調べるのかをまず明確にしましょう。

ステップ2:活用するかどうか確認する

自立語で、活用するなら動詞・形容詞・形容動詞のいずれかです。基本形に戻し、動詞「読む」、形容詞「新しい」、形容動詞「静かだ」のように調べます。

付属語なら、学校文法では活用するグループが助動詞、活用しないグループが助詞です。「読んだ」の「だ」は過去・完了を表す助動詞「た」が濁音化した形です。

ステップ3:活用しない自立語は働きで見分ける

自立語で活用しない場合は、単語の働きに注目します。

  • 人・物・事柄などを指し、主語になれるなら名詞を考える。
  • 「ゆっくり走る」「とても明るい」のように主に用言などを修飾するなら副詞を考える。
  • 「この道」「大きな木」のように名詞などを直接修飾するなら連体詞を考える。
  • 「しかし」「だから」のように内容をつなぐなら接続詞を考える。
  • 「あっ」「はい」「もしもし」のように感動・応答・呼びかけを表すなら感動詞を考える。

この判断では、直前の文字や見た目だけでなく、前後の語との関係を必ず確かめます。

活用する自立語3品詞|動詞・形容詞・形容動詞の違い

動詞・形容詞・形容動詞は、まとめて用言(ようげん)と呼ばれます。いずれも活用し、述語になれることが共通点です。

動詞:動作・作用・存在などを表す

動詞は「進む」「描く」「調べる」「いる」「ある」などです。基本形の終わりは、現代語の学校文法ではウ段の音になります。

例文:「船が進む。」「地図を調べる。」

「調べた」「調べない」などの形で出てきても、基本形を「調べる」に戻すと動詞だと分かります。

形容詞:言い切りが基本的に「い」で終わる

形容詞は「青い」「苦しい」「遠い」のように、物事の性質や状態などを表します。「青く」「青かった」「青ければ」などに活用します。

例文:「今朝は空が青い。」「布を細く切る。」

「細く」は副詞のように動詞を詳しくしていますが、品詞は形容詞「細い」の連用形です。形容詞の活用表や見分け方は、別記事で詳しく説明しています。

形容動詞:言い切りが基本的に「だ」で終わる

形容動詞は「静かだ」「穏やかだ」「丁寧だ」などです。「静かな部屋」「静かに歩く」「静かならば」のように形が変わります。

例文:「図書室は静かだ。」「丁寧な説明を聞く。」

「きれいだ」も学校文法では形容動詞です。「きれい」が「い」で終わっていても、「きれいく」「きれいければ」とは活用しません。形容動詞の活用形・形容詞との違いも参考にしてください。

比較 動詞 形容詞 形容動詞
基本形 歩く 優しい 親切だ
活用例 歩かない・歩けば 優しく・優しければ 親切に・親切なら
主に表すもの 動作・作用・存在など 性質・状態・感情など 性質・状態など
言い切りの基本 ウ段の音 「い」 「だ」

活用しない自立語5品詞|名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞

ここからは、活用しない自立語の5種類です。形が変わらないため、主語になれるか、何を修飾するか、文をつなぐかなどが判断の中心になります。

名詞:人や物の名前だけでなく、事柄や代名詞も含む

名詞は「駅」「友達」「夏」「約束」「私」「これ」などです。人物・物・場所・時・事柄などを表し、「駅が」「私が」のように主語になることができます。

「これ」「あなた」「どこ」などは代名詞と呼ばれますが、中学校の10品詞では、一般に名詞の仲間として扱います。

例文:「星が見える。」「これは私のです。」

副詞:主に用言を詳しくする

副詞は「ゆっくり」「とても」「ぜひ」「決して」などです。「ゆっくり話す」「とても長い」のように、動詞や形容詞などを詳しく説明します。

例文:「列車がゆっくり進む。」「彼の説明はとても分かりやすい。」

副詞には状態・程度・呼応といった分類がありますが、この記事では10品詞の中での位置付けを中心に確認します。

連体詞:名詞を修飾し、活用しない

連体詞は「この」「あの」「大きな」「あらゆる」などです。「この写真」「大きな建物」のように、名詞などの体言を修飾します。

例文:「この道を右に曲がる。」「大きな木が庭にある。」

「大きな」は連体詞ですが、「大きい」は活用する形容詞です。同じように名詞を修飾しても、品詞まで同じとは限りません。詳しくは連体詞の見分け方と代表例をご覧ください。

接続詞:文や内容の関係を示してつなぐ

接続詞は「しかし」「そして」「だから」「ところで」などです。文章の内容を逆接・順接・話題の転換などで結びつけます。

例文:「今日は風が強い。しかし、予定どおり出発する。」

接続詞は、前後の文のつながりを手掛かりにすると見分けやすくなります。

感動詞:感情・応答・呼びかけを表す

感動詞には「おや」「ああ」「はい」「もしもし」などがあります。感情を表す語だけでなく、返事や呼びかけも含まれます。

例文:「おや、もう時間ですか。」「はい、承知しました。」

「はい」は意味が分かる独立した返事ですが、活用しません。したがって、感動詞に分類されます。

付属語2品詞|助詞と助動詞は何が違う?

付属語は助詞と助動詞の2種類です。どちらもほかの語に付いて働きますが、学校文法では活用の有無が区別の基本になります。

助詞:ほかの語との関係などを表し、活用しない

「鳥が飛ぶ」の「が」、「図書館で調べる」の「で」、「景色を眺める」の「を」は助詞です。

助詞は主に、語句同士の関係や取り立て、話し手の気持ちなどを表します。「が」「を」が別の語尾に活用することはありません。

助動詞:意味や判断を添える、活用する付属語

「昨日、映画を見た」の「た」は過去などを表す助動詞、「遠くへ行きたい」の「たい」は希望を表す助動詞です。「ます」「れる・られる」なども代表例です。

例文:「明日は早く帰ります。」「発表会を見に行きたい。」

助動詞は種類によって活用のしかたが違います。「たい→たく・たけれ」のように変化するものもあれば、活用が限定的なものもあります。単語の「意味」だけでなく、どの語に付くかも合わせて確かめます。

同じ「だ」でも「学生だ」と「静かだ」では考え方が違う

「兄は学生だ。」では「学生」が名詞、「だ」が断定を表す助動詞です。一方、「町は静かだ。」の「静かだ」は、中学校で学ぶ学校文法では形容動詞として扱います。

例 学校文法での区切り 品詞
兄は学生だ。 学生/だ 名詞+助動詞
町は静かだ。 静かだ 形容動詞
昨日は雨だった。 雨/だっ/た 名詞+助動詞「だ」+助動詞「た」
静かだった。 静かだっ/た 形容動詞+助動詞「た」

※「雨だった」の単語の区切りは、助動詞の活用形を考えるための示し方です。形容動詞を独立した品詞とみなさない文法体系もありますが、国語の定期テストでは使っている教科書・授業の分類に従いましょう。

「体言」と「用言」とは?品詞とは別の大きなくくり

国語文法では「体言」「用言」という語も出てきます。これは10品詞とは別に、新しい品詞が増えるわけではありません。複数の品詞をまとめたり、特定の品詞を指したりするための呼び方です。

用語 何を指す? 例
体言 名詞(学校文法では代名詞なども含む) 空・家・私・これ
用言 動詞・形容詞・形容動詞 走る・高い・静かだ
連体修飾 体言を詳しくする働き 「青い」空、「この」道
連用修飾 主に用言などを詳しくする働き 「ゆっくり」歩く、「高く」飛ぶ

「連体詞」は品詞の名前で、「連体修飾」は文中の働きです。「青い」は形容詞でも連体修飾ができます。このように、異なる観点の言葉を混同しないようにしましょう。

品詞は10種類?11種類?辞書によって数が違う理由

学校の教科書で「品詞は10種類」と習ったのに、国語辞典で「11品詞」と説明されているのを見ると、不安になるかもしれません。しかし、これは単純な誤記ではありません。

中学校の学校文法では一般に10品詞

中学校の現代語文法では、一般に名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞・助詞・助動詞の10品詞を基本として学びます。

この場合、「私」「あなた」「これ」などの代名詞は名詞の一種として数えます。したがって、代名詞を数えて11品詞にする必要はありません。

辞書の11品詞では「代名詞」を独立させる

小学館『デジタル大辞泉』の「品詞」の項目では、代名詞を名詞と別に数えて11品詞としています。同じ言葉を分類する場合でも、「代名詞を名詞に含めるか、独立させるか」で数が変わるのです。

分類例 代名詞の扱い 品詞の数
中学校で一般的な現代語の学校文法 名詞の一種として数える 10種類
小学館『デジタル大辞泉』に示される分類 名詞とは別に数える 11種類

さらに、数詞を独立して扱ったり、形容動詞を独立した品詞としなかったりする文法理論もあります。「品詞の数」は、分類の枠組みによって違いが生じます。

学校のテストでは何種類と答えればいい?

中学校の授業で「品詞はいくつありますか」と聞かれたら、通常は10種類と答えます。辞書で11種類と書かれていることを理由に、学校の分類を書き換える必要はありません。

ただし、学ぶ教科書・授業・文法理論が明確に指定されている場合は、その前提に従ってください。古文の品詞分類も、現代語の分類と全く同じとは限りません。

品詞と単語・文節の違い|区切る単位を間違えない

「文節は分けられるのに品詞が分からない」という場合は、品詞は単語を分類するものだという点に戻りましょう。

「単語」は意味や文法上の働きを持つ最小の単位

「弟は庭で遊んだ。」を単語に分けると「弟/は/庭/で/遊ん/だ」です。ここで「弟」は名詞、「は」は助詞、「遊ん」は動詞「遊ぶ」の連用形、「だ」は助動詞「た」が濁音化した形です。

一つ一つの単語について、名詞・動詞・助詞などの品詞を考えます。

「文節」は意味の上で不自然にならない短いまとまり

同じ文を文節に区切ると、「弟は/庭で/遊んだ」となります。

文節 含まれる単語 品詞
弟は 弟/は 名詞/助詞
庭で 庭/で 名詞/助詞
遊んだ 遊ん/だ 動詞/助動詞

このように、一つの文節が複数の単語からできていることがあります。文節のまま「遊んだは動詞」と答えると、設問が単語の品詞を聞いている場合には不十分になります。

「ね・さ・よ」を入れる方法は文節分けの補助

学校では、文を読むときに「ね」「さ」「よ」を自然に入れられる位置を探して文節に区切ることがあります。

例えば「弟はね/庭でね/遊んだよ」のようにすると、3文節のまとまりを感じやすくなります。ただし、この方法は万能ではありません。文として自然かどうかや、文節のまとまりを合わせて確認しましょう。

品詞と文の成分の違い|「赤い」は形容詞であり修飾語でもある

品詞と文の成分は、似た言葉が出てくるため混同されがちですが、質問している内容が違います。

比較 品詞 文の成分
何を分類するか 単語 文節・連文節が文の中で果たす働き
主な分類 名詞・動詞・形容詞など10品詞 主語・述語・修飾語・接続語・独立語
「赤い花」の「赤い」 形容詞 連体修飾語
「この花」の「この」 連体詞 連体修飾語

品詞は単語の種類を聞いている

「青い鳥が歌う。」の「青い」の品詞は形容詞です。活用し、言い切りが「青い」になるためです。

文の成分は文章の中での働きを聞いている

同じ「青い鳥が歌う。」でも、「青い」は「鳥が」を詳しくする修飾語です。「鳥が」は主語、「歌う」は述語です。

形容詞だから必ず修飾語というわけではありません。「空が青い。」なら「青い」は述語になります。

「連体詞」と「連体修飾語」は同じ意味ではない

「この写真」の「この」は連体詞であり、文の成分としては連体修飾語です。一方、「美しい写真」の「美しい」は形容詞ですが、同じく連体修飾語として働きます。

連体修飾語になる言葉が、すべて連体詞というわけではありません。品詞名か、文の中での役割かを切り分けることが重要です。

品詞を間違えやすい言葉の組み合わせ7選

ここからは、意味や見た目が似ているために間違えやすい例を比べます。

1.「きれいだ」と「美しい」は別の品詞

「きれいだ」は形容動詞、「美しい」は形容詞です。「きれいな」「きれいに」と変わるか、「美しく」「美しかった」と変わるかで判断しましょう。

2.「大きな」と「大きい」は別の品詞

「大きな」は連体詞、「大きい」は形容詞です。「大きな」は活用しませんが、「大きい」は「大きく」「大きければ」と活用します。

3.「静かな」と「大きな」は同じ「な」でも違う

「静かな」は形容動詞「静かだ」の連体形ですが、「大きな」は連体詞です。形容動詞なら「静かだ」「静かに」「静かなら」と変えられます。「大きだ」とは言えません。

4.「速く」と「ゆっくり」はどちらも動詞を詳しくするが違う

「速く走る」の「速く」は形容詞「速い」の連用形、「ゆっくり走る」の「ゆっくり」は副詞です。文中での働きが同じでも、品詞は違うことがあります。

5.「この」と「これ」は違う

「この花」の「この」は連体詞、「これが好き」の「これ」は名詞の一種である代名詞です。「これが」と主語にできても「このが」とは言えない点が手掛かりになります。

6.「ない」は文章によって形容詞にも助動詞にもなる

「休みがない」の「ない」は、存在しないことを表す形容詞です。一方、「遊ばない」の「ない」は、動詞に付いて打ち消す助動詞です。「遊ばぬ」と言い換えられるかが判断の手掛かりになります。

7.「学生だ」と「静かだ」の「だ」は同じ扱いではない

「学生だ」は名詞+助動詞、「静かだ」は形容動詞です。どちらも末尾に「だ」がありますが、単語の区切り方が違います。最後の1文字だけで品詞を決めてはいけません。

品詞の見分け方が分かる例文10選

一つの言葉に注目し、その品詞と判断理由を確認しましょう。例文は学校文法に基づくオリジナルの例です。

例文(注目語) 品詞 理由
「先生が話す」 名詞 人を表し、主語になれる
「雲が流れる」 動詞 作用を表し、活用する
「今日は涼しい」 形容詞 言い切りが「い」、活用する
「海は穏やかだ」 形容動詞 「穏やかな・穏やかに」と活用
「そっと閉める」 副詞 動作の様子を表し、活用しない
「あの島を目指す」 連体詞 名詞を修飾し、活用しない
「道が混んでいる。だから、早く出よう」 接続詞 前後の内容をつなぐ
「おお、すばらしい」 感動詞 感動を表す
「机の上」 助詞 語と語の関係を示す
「いつか行きたい」 助動詞 希望の意味を付け加える

品詞を調べるときは、上の表のように「答え+その理由」を一緒に説明できることを目標にしましょう。初めて見る例文でも判断しやすくなります。

実践問題20問|国語の10品詞を自分で見分けてみよう

ここまでの内容を踏まえて、確認問題に挑戦しましょう。太字の部分の品詞名を答えてください。解答は次の見出しにまとめています。

基礎問題1〜10|10品詞を一度ずつ確認

  1. 「時計が止まった。」の「時計」
  2. 「鳥が飛ぶ。」の「飛ぶ」
  3. 「道が狭い。」の「狭い」
  4. 「その人は親切だ。」の「親切だ」
  5. 「とても長い道。」の「とても」
  6. 「この箱を運ぶ。」の「この」
  7. 「雨が降り始めた。しかし、試合は続いた。」の「しかし」
  8. 「はい、分かりました。」の「はい」
  9. 「窓を開ける。」の「を」
  10. 「いつか旅に出たい。」の「たい」

応用問題11〜20|似た言葉の区別を確認

  1. 「大きな荷物を持つ。」の「大きな」
  2. 「大きい荷物を持つ。」の「大きい」
  3. 「静かな場所を探す。」の「静かな」
  4. 「足音を小さくする。」の「小さく」
  5. 「ゆっくり歩く。」の「ゆっくり」
  6. 「これが答えです。」の「これ」
  7. 「私は学生だ。」の「学生」
  8. 「私は学生だ。」の「だ」
  9. 「急いで帰らない。」の「ない」
  10. 「今日は時間がない。」の「ない」

「小さく」「静かな」などの活用した形を判定するときは、言い切りの形に戻して考えると解きやすくなります。

練習問題の解答・解説|なぜその品詞になる?

答え合わせでは、正解を覚えるだけでなく、似た表現とどう区別するかを確認しましょう。

番号 答え 解説
1 名詞 「時計」は物の名前を表すため。
2 動詞 「飛ぶ」は活用して動作を表すため。
3 形容詞 「狭い」は「狭く」「狭ければ」と活用するため。
4 形容動詞 「親切だ」は「親切な」「親切に」と活用するため。
5 副詞 「とても」は「長い」の程度を詳しくするため。
6 連体詞 「この」は名詞「箱」を修飾し、活用しないため。
7 接続詞 「しかし」は前の文と後の文を逆接でつなぐため。
8 感動詞 「はい」は応答を表すため。
9 助詞 「を」は語と語の関係を示す、活用しない付属語のため。
10 助動詞 「たい」は動詞に付いて希望の意味を表すため。
11 連体詞 「大きな」は活用せず名詞を修飾するため。
12 形容詞 「大きい」は「大きく」「大きければ」と活用するため。
13 形容動詞 「静かな」は形容動詞「静かだ」の連体形のため。
14 形容詞 「小さく」は形容詞「小さい」の連用形のため。
15 副詞 「ゆっくり」は活用せず、動作の様子を表すため。
16 名詞 「これ」は代名詞。学校の10品詞では名詞の一種のため。
17 名詞 「学生」は人の身分を表す名詞のため。
18 助動詞 「学生だ」の「だ」は名詞の後ろで断定を表すため。
19 助動詞 「帰らない」は「帰らぬ」に置き換えられる打ち消しの「ない」のため。
20 形容詞 「時間がない」は存在しないことを表す自立語の「ない」のため。

特に11〜14と17〜20は、見た目だけで判断すると間違えやすい問題です。品詞を答えるときは、必ず「何が自立語か」「基本形は何か」「どこまでが一つの単語か」を確かめてください。

品詞を効率よく覚えるための勉強法

まずは4グループの表を覚える

10品詞を順番に唱えるよりも、「自立語で活用する3種類」「自立語で活用しない5種類」「付属語で活用する1種類」「付属語で活用しない1種類」と分類して覚えると、初見の問題でも対応しやすくなります。

自分で例文を作り、単語ごとに印を付ける

たとえば「小さな鳥が静かに歩いた。」という文章を使って、連体詞「小さな」、名詞「鳥」、助詞「が」、形容動詞「静かだ」の連用形「静かに」、動詞「歩く」の連用形「歩い」、助動詞「た」を確認します。

一度に全部を覚えようとせず、最初は「名詞・動詞・助詞」、次に「形容詞・形容動詞・副詞・連体詞」と、似ている品詞を比べながら進めるとよいでしょう。

間違えたら、答えよりも判定の分かれ道を見直す

例えば「速く」を副詞だと間違えた場合は、形容詞「速い」へ戻せたかを確認します。「これ」を連体詞だと間違えた場合は、「これが」と主語になれることを確認します。

同じパターンで間違えないようにするには、単語をもう一度3ステップで調べ直すことが効果的です。

品詞に関するよくある質問(FAQ)

Q1.品詞とは何ですか?小学生にも分かるように教えてください

言葉を働きや形の特徴によって仲間分けしたものです。例えば「猫」は名前を表す名詞、「走る」は動作を表す動詞です。

Q2.品詞は全部で何種類ありますか?

中学校で学ぶ現代語の学校文法では、一般に10種類です。ただし、代名詞を独立させる辞書などでは11種類とする場合もあります。

Q3.国語の10品詞を全部教えてください

名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞・助詞・助動詞の10種類です。

Q4.品詞の見分け方で最初にすることは何ですか?

文を文節・単語に区切って、調べる単語が自立語か付属語かを判断します。その後、活用の有無と文中の働きを確認します。

Q5.品詞と文節は同じですか?

違います。文節は文を意味のまとまりに区切った単位で、品詞は単語を分類した名前です。一文節の中に、複数の単語が含まれることもあります。

Q6.品詞と文の成分は同じですか?

違います。品詞は名詞・動詞などの単語の種類、文の成分は主語・述語・修飾語などの働きを表します。「青い」は形容詞ですが、文中では述語にも修飾語にもなれます。

Q7.自立語と付属語は何種類ずつですか?

学校文法の10品詞では、自立語が8種類、付属語が2種類です。付属語は助詞と助動詞です。

Q8.活用する品詞はどれですか?

動詞・形容詞・形容動詞・助動詞の4品詞です。助動詞には活用が限定的なものもあります。

Q9.代名詞は10品詞のどれに入りますか?

中学校の学校文法では、一般に名詞に含めます。「私」「これ」「どこ」などが代名詞です。

Q10.「きれい」は形容詞ではないのですか?

学校文法では、形容動詞「きれいだ」の語幹です。「きれいな」「きれいに」と活用し、「きれいく」とはなりません。

Q11.「大きな」と「大きい」は同じ品詞ですか?

異なります。「大きな」は連体詞で活用しません。「大きい」は形容詞で、「大きく」「大きければ」と活用します。

Q12.「静かに」の品詞は副詞ですか?

中学校の学校文法では、「静かに」は形容動詞「静かだ」の連用形です。「ゆっくり」などの副詞と文中での働きが似ていても、品詞は同じではありません。

Q13.「ない」はいつも助動詞ですか?

いいえ。「行かない」の「ない」は助動詞ですが、「予定がない」の「ない」は形容詞です。前後のつながりで判断します。

Q14.「だ」は必ず助動詞になりますか?

必ずしもそうではありません。「彼は先生だ」の「だ」は助動詞ですが、「静かだ」は学校文法で形容動詞として扱います。

Q15.英語の品詞と国語の品詞は同じですか?

共通する名称はありますが、分類や文法的な性質が異なります。この記事の10品詞は日本語の現代語の学校文法を対象としています。

Q16.品詞の問題で点数を上げるにはどうすればよいですか?

10品詞の一覧を覚えるだけでなく、文節と単語を区切り、「自立語・付属語」「活用の有無」「働き」の順に判定する練習を繰り返しましょう。間違えた理由を一言で説明することも役立ちます。

まとめ|品詞は「10種類の暗記」より「分類の順序」で理解する

品詞とは、単語を文法上の性質や働きによって分類した名前です。中学校の現代語の学校文法では、基本的に10品詞を学びます。

品詞を見分けるときは、①自立語か付属語か、②活用するかどうか、③単語がどのように働いているか、の順に確認することが重要です。

また、「赤い」が形容詞であり修飾語でもあるように、品詞と文の成分は異なる観点の用語です。辞書に11品詞と書かれている場合は、代名詞などの分類の違いを確認すれば、矛盾しているわけではないと分かります。

まずは一覧表を手元に置き、練習問題の例文から一語ずつ分類してみてください。「なぜその品詞になるのか」を説明できるようになると、文法の問題がずっと解きやすくなります。

参考リンク

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