「助動詞」とは?国語での意味・種類・見分け方を例文でわかりやすく解説|「助詞」との違いと練習問題

国語の授業で「助動詞を抜き出しなさい」と言われたとき、「ました」は一つの単語なのか、「ない」はいつも助動詞なのかと迷うことはありませんか。とくに助詞との違いが分からないと、単語の区切り方から間違えてしまいがちです。

助動詞(じょどうし)は、ほかの語に付いて、打消し・希望・過去・丁寧さ・判断などの意味を加える品詞です。中学校の学校文法では、活用する付属語として扱います。

この記事では現代日本語の国語文法を対象に、代表的な助動詞の一覧、接続の規則、見分け方、助詞・補助動詞との違いを整理します。「ない」「だ」「そうだ」「れる・られる」の紛らわしい例に加え、解答と理由付きの練習問題も掲載しました。

  1. 【結論】助動詞とは?意味を簡単に解説
  2. 助動詞の代表的な一覧|意味と例文を先に確認
  3. 助動詞の3つの特徴|付属語・活用・意味を加える働き
    1. 特徴1:助動詞は付属語で、単独では通常一文節にならない
    2. 特徴2:助動詞には活用がある。ただし例外的な活用もある
    3. 特徴3:助動詞は動詞以外にも付く
  4. 助詞と助動詞の違い|同じ付属語でも働きが異なる
    1. 「私は帰りたい」の「は」と「たい」を比べる
    2. 助詞も意味を添えるので「意味があるか」だけでは判定できない
    3. 「が」「から」は助詞だが、使われ方で種類が変わる
  5. 助動詞の見分け方は4ステップ|単語の切れ目から考える
    1. 例1:「読みたい」は動詞+助動詞
    2. 例2:「読んだ」は「読む」+「た」
    3. 例3:「勉強している」の「いる」は助動詞ではない
  6. 助動詞の接続とは?どの活用形に付くかで見分ける
    1. 未然形に付く「ない」「れる」「せる」
    2. 連用形に付く「ます」「たい」「た」
    3. 「そうだ」は接続によって意味が変わる
  7. 助動詞の活用形|「ない」「たい」を例に整理
    1. 「活用の種類」と「活用形」は別の言葉
    2. 「う・よう・まい」は六つの形がそろわなくても助動詞
  8. 「ない」の見分け方|助動詞・形容詞・補助形容詞
    1. 「ぬ」に置き換える方法は便利だが万能ではない
    2. 「ない」が一つの形容詞の一部になっている場合もある
  9. 「だ」の見分け方|「先生だ」と「静かだ」は違う
  10. 「れる・られる」の4つの意味|受身・可能・自発・尊敬
    1. 「れる」と「られる」は、前の動詞の活用で使い分ける
    2. 「話せる」は可能の助動詞ではなく可能動詞
    3. 「ら抜き言葉」を練習問題でどう扱う?
  11. 「そうだ」「らしい」「ようだ」の違い|情報の受け取り方が鍵
    1. 「降りそうだ」と「降るそうだ」は必ず区別する
    2. 「らしい」「ようだ」は、断定の強さではなく根拠を考える
  12. 助動詞と補助動詞の違い|「読んでいる」「書いておく」は何?
    1. 「読んだ」の「だ」は助動詞「た」の変化した形
    2. 「読んでいる」の「いる」は補助動詞
  13. 現代国語・古文・英語の「助動詞」は同じではない
    1. 中学校の現代国語では、付属語として扱う
    2. 古文には、現代語と異なる助動詞の体系がある
    3. 英語の助動詞は、can・will・mustなどを指す
  14. 助動詞のテストでよくある間違い8選
    1. 1.語尾が同じなら同じ品詞だと考える
    2. 2.「静かだ」の「だ」を断定の助動詞とする
    3. 3.助詞と助動詞を意味だけで分ける
    4. 4.「読みました」を一単語と考える
    5. 5.「降りそうだ」と「降るそうだ」を同じ意味にする
    6. 6.「読める」を「読む+れる」と区切る
    7. 7.「いる」「おく」を助動詞と答える
    8. 8.複数の意味がある助動詞を一つの意味だけで覚える
  15. 練習問題24問|助動詞の抜き出し・品詞判定・意味の見分け方
    1. 基礎問題1〜8:注目する助動詞を答える
    2. 標準問題9〜16:同じ表記と接続を見分ける
    3. 応用問題17〜24:助動詞の意味と品詞の違い
  16. 練習問題の解答・解説|24問の正解と判断理由
  17. 助動詞についてよくある質問(FAQ)
    1. Q1.助動詞とは一言でいうと?
    2. Q2.助詞と助動詞の一番大きな違いは?
    3. Q3.助動詞は全部で何種類ありますか?
    4. Q4.助動詞は動詞にしか付きませんか?
    5. Q5.助動詞の見分け方のコツは?
    6. Q6.「ない」はいつでも助動詞ですか?
    7. Q7.「学生だ」と「静かだ」の違いは?
    8. Q8.「た」と「だ」は同じ助動詞ですか?
    9. Q9.「ます」と「です」は両方助動詞ですか?
    10. Q10.「う・よう」は何を表しますか?
    11. Q11.「れる・られる」には何種類の意味がありますか?
    12. Q12.「降りそうだ」と「降るそうだ」の違いは?
    13. Q13.「読んでいる」の「いる」は助動詞ですか?
    14. Q14.「読める」は可能の助動詞ですか?
    15. Q15.助動詞はいつも活用しますか?
    16. Q16.現代国語の助動詞と古文の助動詞は同じですか?
    17. Q17.英語の助動詞も「たい」「ない」なのですか?
    18. Q18.テストでは何から覚えるとよいですか?
  18. おわりに|助動詞は「前の語・接続・意味」の3点で判断する
  19. 参考リンク

【結論】助動詞とは?意味を簡単に解説

助動詞とは、動詞・形容詞・形容動詞・名詞などの後ろに付いて、文の意味を補ったり、話し手の判断を表したりする語です。学校文法でのポイントは「自立語ではなく付属語」「活用する品詞」という二つの性質です。

確認ポイント 内容 例
読み方 じょどうし —
品詞の分類 活用する付属語 「たい」「ない」「ます」など
基本的な働き 意味・判断・時制・丁寧さなどを添える 読む→読みたい
どの語に付く? 用言の活用形、名詞、ほかの助動詞など 先生だ/読みました
よく混同する品詞 助詞・形容詞・形容動詞 「は」と「たい」/二つの「ない」

例えば「本を読む」と「本を読みたい」を比べると、後者は単に読む動作を述べるだけでなく、話し手の希望を表しています。この「たい」が助動詞です。

一方、「本を」の「を」は助詞です。こちらは主に語句の関係を表します。名前が似ていますが、助動詞と助詞の役割は異なります。

助動詞の代表的な一覧|意味と例文を先に確認

学校文法では、助動詞の名前だけを丸暗記するより、どんな意味を付け足すのかを例文とセットで覚えると理解しやすくなります。以下は現代語で学ぶ代表例です。個々の助動詞には複数の意味を持つものがあります。

主な助動詞 主な意味 例文(太字なし)
ない・ぬ(ん) 打消し 今日は出かけない。
たい・たがる 希望 新しい本を読みたい。/弟は遊びたがる。
た(だ) 過去・完了など 昨日、手紙を書いた。
ます・です 丁寧 説明を聞きます。/兄は医師です。
だ 断定 あの人は研究者だ。
れる・られる 受身・可能・自発・尊敬 友人に褒められる。
せる・させる 使役 弟に野菜を食べさせる。
う・よう 意志・勧誘・推量 そろそろ帰ろう。
そうだ 様態・伝聞(別用法) 雨が降りそうだ。/雨が降るそうだ。
らしい・ようだ 推定・比況・例示など 明日は晴れるらしい。/夢のようだ。
まい 打消推量・打消意志など 二度と忘れまい。

「た(だ)」のように、前の音とのつながりによって表面の形が変わるものもあります。また、一覧には「様態のそうだ」と「伝聞のそうだ」のように、同じ表記でも接続と意味を区別して学ぶものが含まれています。

この表は主な助動詞の導入用です。教科書により、扱う助動詞や意味のまとめ方の細部は異なる場合があります。定期テストでは授業で使用している分類を優先してください。

助動詞の3つの特徴|付属語・活用・意味を加える働き

特徴1:助動詞は付属語で、単独では通常一文節にならない

助動詞は、前の語と結び付いて使われます。「読みたい」の「たい」だけを、独立した文節として切り離しません。文節としては「読みたい」で一つですが、単語としては「読み/たい」と分けます。

表現 単語の区切り 文節の区切り
本を読みたい。 本/を/読み/たい 本を/読みたい
家に帰った。 家/に/帰っ/た 家に/帰った
先生です。 先生/です 先生です
文章を読みました。 文章/を/読み/まし/た 文章を/読みました

「読みました」には「読む」の連用形「読み」、丁寧の助動詞「ます」の連用形「まし」、助動詞「た」が含まれています。一文節の中に二つ以上の助動詞が続くこともあるのです。

特徴2:助動詞には活用がある。ただし例外的な活用もある

「たい」は「読みたい・読みたく・読みたければ」、「ない」は「行かない・行かなく・行かなければ」のように形が変わります。これが活用です。

ただし「う・よう・まい」のように活用がほとんど見られないものも、学校文法では助動詞に数えます。「活用していない形を見たから助詞」と機械的に決めないことが大切です。

特徴3:助動詞は動詞以外にも付く

助動詞という名前から「動詞にだけ付く」と思われがちですが、そうではありません。「友達だ」の「だ」は名詞に付きます。「静かだった」では形容動詞の後に「た」が続きます。さらに「読みました」では助動詞「ます」に助動詞「た」が続いています。

つまり、助動詞を見分けるには、語尾だけを見るのではなく、前の語が何か、何の意味を加えているかを確かめる必要があります。

助詞と助動詞の違い|同じ付属語でも働きが異なる

助詞も助動詞も、ほかの語と結び付いて使う付属語です。もっとも基本的な違いは、学校文法では助詞は活用しない、助動詞は原則として活用することにあります。

比較項目 助詞 助動詞
品詞の大きな分類 活用しない付属語 活用する付属語(例外的な活用もある)
主な働き 語句の関係、限定、気持ちなど 打消し・希望・時制・判断などを加える
例 が・を・は・に・で・ね ない・たい・た・ます・だ
活用例 「は」を「はく」とは変えない たい→たく/たけれ
例文 友達と話す 友達と話したい

「私は帰りたい」の「は」と「たい」を比べる

「私は帰りたい。」を単語に分けると「私/は/帰り/たい」です。「は」は話題などを示す助詞で、「たい」は希望を表す助動詞です。「は」を取り除いても「私、帰りたい」と大意は伝わりますが、「たい」を取り除くと「帰りたい」という希望の意味がなくなります。

助詞も意味を添えるので「意味があるか」だけでは判定できない

助詞の「だけ」は限定を表し、終助詞の「ね」は話し手の気持ちを添えます。助詞にも意味があるため、「意味が増えるなら全部助動詞」という判定は誤りです。活用、前後との接続、学校文法での品詞分類を合わせて判断しましょう。

「が」「から」は助詞だが、使われ方で種類が変わる

「父が来た」の「が」は格助詞、「父は来たが、母は来なかった」の「が」は接続助詞です。「駅から歩く」の「から」は格助詞、「雨が降ったから帰る」の「から」は接続助詞です。どちらも助動詞ではありません。

10品詞をまとめて復習したい場合は、「品詞」とは?国語の10種類一覧と見分け方も参考になります。

助動詞の見分け方は4ステップ|単語の切れ目から考える

  1. 文節に区切る:まず「読みたい」「遊ばない」のような自然なまとまりを見つけます。
  2. 単語に分ける:「読み/たい」「遊ば/ない」のように、動詞の活用形と後に付く語を見分けます。
  3. 前の語と活用を確かめる:未然形に付くか、連用形に付くか、名詞に付くかなどを調べます。
  4. 文の意味を確認する:希望・打消し・丁寧・伝聞など、実際にどの働きか判断します。

例1:「読みたい」は動詞+助動詞

「図書館で本を読みたい。」の「読み」は動詞「読む」の連用形、「たい」は希望の助動詞です。「読みたくない」「読みたかった」のように形が変わることも確認できます。

例2:「読んだ」は「読む」+「た」

「昨日、雑誌を読んだ。」の「読ん」は動詞「読む」の連用形(音便形)、「だ」は過去などを表す助動詞「た」の音の変化した形です。名詞に付く断定の助動詞「だ」とは区別します。

例3:「勉強している」の「いる」は助動詞ではない

「勉強している」は学校文法で「勉強して/いる」と文節を区切り、後ろの「いる」は動作の継続などを表す補助動詞です。助動詞と補助動詞は名前が似ていますが、別のものです。

動詞の未然形・連用形や5種類の活用そのものが分からない場合は、「動詞」とは?活用の種類と活用形の解説で先に確認すると理解しやすくなります。

助動詞の接続とは?どの活用形に付くかで見分ける

「接続」とは、助動詞が前の語のどの形に付くかという決まりです。たとえば「読む」は未然形が「読ま」、連用形が「読み」です。そこに付く助動詞によって、「読まない」「読みたい」のように異なる形になります。

主な接続 代表的な助動詞 例
動詞の未然形 ない・れる/られる・せる/させる・う/よう 書かない/読まれる/書こう
動詞の連用形 ます・たい・た・様態のそうだ 読みます/読みたい/読んだ/降りそうだ
用言の終止形など 伝聞のそうだ・らしい 雨が降るそうだ/雨が降るらしい
名詞など だ・です・ようだ 医師だ/学生です/夢のようだ

ここで示したのは基本的な接続です。「た」は前の語が音便形になる場合があり、「だ・らしい・ようだ」などは付く語や形に細かな決まりがあります。試験では個別の助動詞の接続も確認しましょう。

未然形に付く「ない」「れる」「せる」

「読まない」の「読ま」、「書かれる」の「書か」、「歩かせる」の「歩か」はいずれも動詞の未然形です。形だけでなく、打消し・受身・使役という意味の違いも一緒に覚えると混乱しません。

連用形に付く「ます」「たい」「た」

「読みます」「読みたい」は、動詞「読む」の連用形「読み」に続きます。「読んだ」のような音便形も連用形の一種です。「読み/まし/た」のように助動詞が重なる場合は、直前の語の形を一つずつ確認します。

「そうだ」は接続によって意味が変わる

「雪が降りそうだ。」は、見た様子から「これから降りそう」と判断する様態の「そうだ」です。動詞の連用形「降り」に付きます。

「雪が降るそうだ。」は、聞いた情報を伝える伝聞の「そうだ」です。動詞の終止形「降る」に付きます。一文字の違いで意味が変わるので、練習問題でも取り上げます。

助動詞の活用形|「ない」「たい」を例に整理

助動詞は、動詞と同じく未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形という枠組みで学びます。ただし、全ての助動詞に六つの形がそろうわけではありません。

活用形 「ない」の形と例 「たい」の形と例
未然形 なかろ(行かなかろう) たかろ(読みたかろう)
連用形 なく・なかっ(行かなくて/行かなかった) たく・たかっ(読みたくて/読みたかった)
終止形 ない(行かない) たい(読みたい)
連体形 ない(行かない日) たい(読みたい本)
仮定形 なけれ(行かなければ) たけれ(読みたければ)
命令形 なし なし

「行かなかろう」「読みたかろう」は日常会話ではあまり使いませんが、活用形を確認するための文法的な例です。教科書に掲載された活用表を使い、形のつながりを把握しましょう。

「活用の種類」と「活用形」は別の言葉

「五段活用・上一段活用」などは主に動詞の活用の種類、「未然形・連用形」などは活用形の名称です。助動詞の「ない」を「形容詞型の活用」と説明することもありますが、学校の問題で「どの活用形か」と問われたときは、実際に出ている形が「なく」「ない」「なけれ」などのどれに当たるか答えます。

「う・よう・まい」は六つの形がそろわなくても助動詞

「明日は早く出よう」「二度と遅れるまい」などで使う「よう」「まい」は、典型的な活用表の各欄がそろいません。それでも助動詞であることに変わりはありません。活用の有無だけではなく、個別の語を正しく覚えることが必要です。

「ない」の見分け方|助動詞・形容詞・補助形容詞

「ない」の品詞判定は、助動詞の問題で特に重要です。「遊ばない」の「ない」と「時間がない」の「ない」は同じ品詞ではありません。

表現 「ない」の扱い 確かめ方
友達は来ない。 打消しの助動詞 来ぬ、に言い換えられる
今日は走らない。 打消しの助動詞 走らぬ、に言い換えられる
時間がない。 形容詞 時間がぬ、とは言えない
休みがない。 形容詞 「ある」の反対の意味
今日は楽しくない。 補助形容詞としての「ない」 「楽しくはない」のように「は」を挟める
少ない人数で始める。 形容詞「少ない」 「少」と「ない」に分けるものではない

「ぬ」に置き換える方法は便利だが万能ではない

「出かけない」→「出かけぬ」と言い換えられれば、打消しの助動詞と考えやすくなります。一方「希望がない」を「希望がぬ」とは言えません。

ただし、複雑な文では直前の語も確かめてください。「見たくない」の「ない」は、助動詞「たい」の連用形「たく」の後に付いた補助形容詞です。「ない」が含まれれば必ず打消しの助動詞、とは限りません。

「ない」が一つの形容詞の一部になっている場合もある

「危ない」「幼い」「少ない」は、それぞれ全体で一語の形容詞です。「危/ない」「少/ない」のように区切って助動詞と答えるのは誤りです。

「だ」の見分け方|「先生だ」と「静かだ」は違う

「だ」も語尾だけでは判定できません。中学校の学校文法では「先生だ」は名詞と断定の助動詞、「静かだ」は一語の形容動詞として扱います。

文 単語の区切り 判断
兄は先生だ。 先生/だ 名詞+断定の助動詞「だ」
この人は料理人だ。 料理人/だ 名詞+断定の助動詞「だ」
図書室は静かだ。 静かだ 形容動詞「静かだ」
その人は親切だ。 親切だ 形容動詞「親切だ」
昨日は雨だった。 雨/だっ/た 名詞+断定の助動詞「だ」+助動詞「た」

形容動詞の「静かだ」は「静かな場所」「静かに過ごす」「静かなら」と活用します。名詞「先生」に付く断定の助動詞「だ」とは単語のまとまりが異なります。

なお、現代日本語の文法理論には形容動詞の捉え方が異なるものもあります。この記事では学校の定期テストで一般的に用いられる分類を基準にします。

「れる・られる」の4つの意味|受身・可能・自発・尊敬

「れる・られる」は、同じ形でも文脈によって意味が変わる代表的な助動詞です。意味を確かめるには、だれが何をしたのか、行為ができるか、自然にそうなるか、敬意を示しているかを見ます。

意味 例文 判断の手掛かり
受身 先輩に名前を呼ばれた。 ほかの人から行為を受ける
可能 この高さなら飛び越えられる。 その行為をすることができる
自発 子どもの頃の景色が思い出される。 意図せず自然に心に浮かぶ
尊敬 校長先生が話される。 動作する人への敬意を示す

可能の意味を表す「られる」は「食べられる」「飛び越えられる」など、上一段・下一段活用の動詞にも付けられます。一方、五段活用動詞からできる「登れる」「読める」などは可能動詞です。意味が同じでも文法上の扱いが異なるため、区別しましょう。

「れる」と「られる」は、前の動詞の活用で使い分ける

「書く・取る」など五段活用の動詞には未然形+「れる」、「見る・食べる」など上一段・下一段活用の動詞には未然形+「られる」を使うのが基本です。

動詞 未然形+助動詞 元の活用
書く 書か+れる→書かれる 五段活用
取る 取ら+れる→取られる 五段活用
見る 見+られる→見られる 上一段活用
食べる 食べ+られる→食べられる 下一段活用

「話せる」は可能の助動詞ではなく可能動詞

「話せる」「読める」は、学校文法では可能動詞として扱われます。「話さ+れる」と単純に区切るものではありません。同じ「できる」という意味でも、品詞判定の答えが異なります。

「ら抜き言葉」を練習問題でどう扱う?

「食べれる」「見れる」といった形は日常会話で使われることがありますが、学校文法の基本問題では「食べられる」「見られる」という形で学ぶことが一般的です。会話上の用例と、テストで求められる標準的な表記を区別して考えましょう。

「そうだ」「らしい」「ようだ」の違い|情報の受け取り方が鍵

推定や伝聞を表す助動詞は、どれも「確実には分からないこと」を述べるように見えますが、情報の根拠が異なります。

表現 主な意味 何を根拠にする?
雲が広がり、雨が降りそうだ。 様態 目で見た様子から判断
天気予報では雨が降るそうだ。 伝聞 人や情報源から聞いたこと
雨は夜まで続くらしい。 推定・伝聞的判断 得られた情報などから推し量る
あの雲は綿のようだ。 比況 別のものにたとえる

「降りそうだ」と「降るそうだ」は必ず区別する

見た目から判断する「降りそうだ」は連用形接続、聞いた話を伝える「降るそうだ」は終止形接続です。「り」が入っているかどうかだけでなく、「様子を見ているか/話を聞いたか」を確認します。

「らしい」「ようだ」は、断定の強さではなく根拠を考える

「電気が消えているから、もう帰ったらしい」は状況から推定する表現です。「まるで絵のようだ」は比況の表現です。どちらも聞いた事実をそのまま断定する「だ」とは異なります。なお「ようだ」は推定・比況・例示などの用法があり、文脈で判断します。

助動詞と補助動詞の違い|「読んでいる」「書いておく」は何?

助動詞と補助動詞は、どちらも別の語の意味を支えるため、名前から混同しやすい語です。ただし、補助動詞は動詞が補助的な働きをするもので、学校文法では助動詞と同じ品詞として扱いません。

比較 助動詞 補助動詞
もとの品詞 助動詞 動詞
単独で文節を作れる? 基本的に作れない 補助的に使っても別文節になる
例 読んだ/読みたい 読んでいる/書いておく
文節の区切り 読んだ(1文節) 読んで/いる(2文節)

「読んだ」の「だ」は助動詞「た」の変化した形

「読んだ」は「読む」という動詞に過去・完了などの意味を添える助動詞「た」が付いた表現です。学校文法では、一つの文節として扱います。

「読んでいる」の「いる」は補助動詞

「資料を読んでいる。」なら「資料を/読んで/いる」と区切ります。「いる」は動作の継続を支える動詞です。したがって、文末付近にあるからといってすべて助動詞になるわけではありません。

この区別は、「文節」とは?区切り方と単語との違いでも詳しく解説しています。

現代国語・古文・英語の「助動詞」は同じではない

中学校の現代国語では、付属語として扱う

この記事の中心は「ない・たい・ます・れる」など、現代日本語の助動詞です。助詞との違いや活用形を判断する問題では、日本語の学校文法の考え方を使います。

古文には、現代語と異なる助動詞の体系がある

高校古文の「けり」「き」「む」「べし」「る・らる」などは、古語の活用と意味に基づいて学びます。現代語の「れる・られる」と似た意味がある場合も、古文の接続・活用をそのまま現代語の問題に持ち込まないようにしましょう。

英語の助動詞は、can・will・mustなどを指す

英語では「can」「will」「must」などが助動詞として学ばれます。日本語の助動詞と同じく文の意味を補う面はありますが、語順や動詞との結び付き方は異なります。「助動詞とは 英語」を調べている場合、現代国語の10品詞の説明と混同しないよう注意が必要です。

助動詞のテストでよくある間違い8選

1.語尾が同じなら同じ品詞だと考える

「勉強しない」の「ない」は助動詞ですが、「用事がない」は形容詞です。見た目ではなく前の語と接続から判断します。

2.「静かだ」の「だ」を断定の助動詞とする

学校文法では「静かだ」は一語の形容動詞です。「先生だ」の名詞+助動詞と区別しましょう。

3.助詞と助動詞を意味だけで分ける

「は」「も」「だけ」も意味を添えますが助詞です。活用の有無とその語の文法的な性質を確かめましょう。

4.「読みました」を一単語と考える

文節は一つでも、「読み/まし/た」のように複数の単語から構成されます。何を答える問題か確認しましょう。

5.「降りそうだ」と「降るそうだ」を同じ意味にする

前者は様態、後者は伝聞です。前に付く活用形も異なるため、文の意味まで読み取る必要があります。

6.「読める」を「読む+れる」と区切る

「読める」は五段活用動詞からできた可能動詞です。可能という意味だけで助動詞だと決めないでください。

7.「いる」「おく」を助動詞と答える

「読んでいる」「書いておく」の「いる」「おく」は補助動詞です。助動詞と補助動詞は異なる分類です。

8.複数の意味がある助動詞を一つの意味だけで覚える

「られる」は受身だけでなく可能・自発・尊敬にも使われます。「た」は単なる過去に限定されません。必ず文脈で判断してください。

練習問題24問|助動詞の抜き出し・品詞判定・意味の見分け方

次の問題に挑戦しましょう。答えは後の「解答・解説」にまとめています。注目する語はかぎ括弧で示します。

基礎問題1〜8:注目する助動詞を答える

  1. 「明日は山へ行きたい。」の「たい」は何の意味を加えますか。
  2. 「昨日、時計を買った。」の「た」の主な意味は何ですか。
  3. 「今日は部活を休まない。」の「ない」の品詞は何ですか。
  4. 「先生は毎朝歩きます。」の「ます」が表す働きは何ですか。
  5. 「父は料理人だ。」の「だ」は何の品詞ですか。
  6. 「弟に日記を書かせる。」の「せる」が表す意味は何ですか。
  7. 「駅で名前を呼ばれた。」の「れる」が表す意味は何ですか。
  8. 「一緒に帰ろう。」の「う」が表す意味として自然なのは何ですか。

標準問題9〜16:同じ表記と接続を見分ける

  1. 「時間がない。」の「ない」は何の品詞ですか。
  2. 「私は学生だ。」の「だ」は助動詞ですが、「部屋は静かだ。」の「静かだ」は何の品詞ですか。
  3. 「空が暗くなりそうだ。」の「そうだ」は様態と伝聞のどちらですか。
  4. 「ニュースによると雨が降るそうだ。」の「そうだ」は様態と伝聞のどちらですか。
  5. 「読んでいる。」の「いる」は助動詞ですか、補助動詞ですか。
  6. 「手紙を読みました。」の「ました」に含まれる助動詞を二つ、基本形で答えなさい。
  7. 「本を読みたい。」の「たい」は「読む」の何形に付きますか。
  8. 「試合に出よう。」の「よう」は「出る」の何形に付きますか。

応用問題17〜24:助動詞の意味と品詞の違い

  1. 「昔の景色が思い出される。」の「れる」は何の意味ですか。
  2. 「校長先生が話される。」の「れる」は何の意味ですか。
  3. 「この文章は子どもにも読める。」の「読める」は何という種類の動詞ですか。
  4. 「今日は楽しくない。」の「ない」は学校文法でどう扱いますか。
  5. 「少ない荷物で旅をする。」の「少ない」は何の品詞ですか。
  6. 「二度と約束を破るまい。」の「まい」はどんな意味を表しますか。
  7. 「鳥のようだ。」の「ようだ」が表す主な意味は何ですか。
  8. 「先生に質問したが、答えが分からなかった。」の「が」は助動詞ですか、助詞ですか。

練習問題の解答・解説|24問の正解と判断理由

番号 答え 解説
1 希望 「読みたい」「行きたい」などの「たい」は希望を添える。
2 過去 「買った」は過去の出来事を述べる。文脈により完了なども表す。
3 助動詞 「休まない」は「休まぬ」に置き換えられる。
4 丁寧 「ます」は丁寧な言い方にする。
5 断定の助動詞 名詞「料理人」に「だ」が付いている。
6 使役 書く動作を他者にさせる。
7 受身 ほかの人から名前を呼ばれる。
8 勧誘 「一緒に」とあるため、相手を誘う意味。
9 形容詞 「時間がぬ」とは言えず、存在しない意味。
10 形容動詞 「静かだ」は「静かな」「静かに」と活用する一語。
11 様態 「なり(連用形)+そうだ」。様子から判断する。
12 伝聞 「降る(終止形)+そうだ」。ニュースで聞いた情報。
13 補助動詞 動作の継続を補助する「いる」は動詞。
14 ます・た 「読み/まし/た」。助動詞「ます」の連用形が「まし」。
15 連用形 「読み」に希望の助動詞「たい」が続く。
16 未然形 「出(で)」は「出る」の未然形。「よう」が続く。
17 自発 意志と関係なく、自然に思い出される。
18 尊敬 校長先生の行為を高める表現。
19 可能動詞 「読む」からできた「読める」で、助動詞「れる」ではない。
20 補助形容詞「ない」 「楽しくはない」のように「は」を挟める。
21 形容詞 「少ない」全体が一つの形容詞。
22 打消意志 「〜するまい」は「〜しないつもりだ」の意。
23 比況 「鳥」にたとえている。
24 接続助詞 前後の内容を逆接で結ぶ「が」。

9・10・13・19・20・21・24は、そもそも助動詞ではない語を正しく見抜けるかを試す問題です。助動詞の名前だけを覚えるのではなく、単語の区切りと前後の接続を確認してください。

助動詞についてよくある質問(FAQ)

Q1.助動詞とは一言でいうと?

ほかの語に付いて、打消し・希望・丁寧さ・判断などの意味を加える品詞です。学校文法では活用する付属語に分類します。

Q2.助詞と助動詞の一番大きな違いは?

どちらも付属語ですが、助詞は活用せず、助動詞は原則として活用します。「は」は助詞、「たい」は助動詞です。

Q3.助動詞は全部で何種類ありますか?

学校文法で学ぶ助動詞は複数ありますが、教科書の一覧の数え方や意味の整理には違いがあります。まず「ない」「たい」「た」「ます」「だ」「れる」「られる」などの主要な語を覚えましょう。

Q4.助動詞は動詞にしか付きませんか?

いいえ。名詞の後の「学生だ」、ほかの助動詞に続く「読みました」などもあります。

Q5.助動詞の見分け方のコツは?

文節と単語を区切り、前の語の活用形を確認し、その助動詞が何の意味を加えるかを考えます。

Q6.「ない」はいつでも助動詞ですか?

いいえ。「遊ばない」は助動詞ですが、「時間がない」は形容詞、「楽しくない」は補助形容詞として扱います。

Q7.「学生だ」と「静かだ」の違いは?

「学生だ」は名詞と断定の助動詞、「静かだ」は中学校の学校文法で形容動詞です。

Q8.「た」と「だ」は同じ助動詞ですか?

「書いた」の「た」と「読んだ」の「だ」は同じ助動詞「た」の形の違いです。一方「先生だ」の「だ」は断定の別の助動詞です。

Q9.「ます」と「です」は両方助動詞ですか?

学校文法ではどちらも助動詞です。「読みます」は動詞に付き、「先生です」は名詞に付く例です。

Q10.「う・よう」は何を表しますか?

「行こう」の意志、「一緒に行こう」の勧誘、「きっと晴れよう」の推量など、文脈によって意味が異なります。

Q11.「れる・られる」には何種類の意味がありますか?

学校文法では、受身・可能・自発・尊敬の4つを基本として覚えます。

Q12.「降りそうだ」と「降るそうだ」の違いは?

「降りそうだ」は様態、「降るそうだ」は伝聞です。前者は連用形、後者は終止形に付くという違いがあります。

Q13.「読んでいる」の「いる」は助動詞ですか?

いいえ。補助動詞です。学校文法では「読んで/いる」と文節を分けます。

Q14.「読める」は可能の助動詞ですか?

「読める」は可能動詞です。五段活用動詞「読む」からできた動詞であり、助動詞「れる」とは分けません。

Q15.助動詞はいつも活用しますか?

典型的には活用しますが、「う・よう・まい」のように活用がほとんどないものも助動詞として扱います。

Q16.現代国語の助動詞と古文の助動詞は同じですか?

分類する考え方は似ていますが、助動詞の種類・意味・接続・活用が異なります。古文の問題では古文の助動詞表を使用します。

Q17.英語の助動詞も「たい」「ない」なのですか?

いいえ。英語ではcan・will・mustなどを助動詞として学びます。日本語の学校文法とは区別してください。

Q18.テストでは何から覚えるとよいですか?

まず「意味」と「接続」をセットで覚え、「ない」「だ」「そうだ」「れる・られる」などの紛らわしい例を比較してください。その後、短い例文の品詞判定と解答理由を練習するのがおすすめです。

おわりに|助動詞は「前の語・接続・意味」の3点で判断する

助動詞は、ほかの語に付いて希望・打消し・過去・丁寧さ・推定などの意味を加える品詞です。学校文法では原則として活用する付属語に分類されます。

覚えるときは、①前の語は何か、②どの活用形に付くか、③文中でどんな意味かをセットで確認しましょう。「ない」「だ」「そうだ」「れる・られる」のように見た目や意味が紛らわしい語でも、三つの視点を使えば整理しやすくなります。

まずは代表的な一覧表を確認し、その後に24問の練習問題を解いてみてください。正解したかどうかだけでなく、「なぜ助動詞なのか」「なぜ別の品詞なのか」を説明できるようになることが大切です。

参考リンク

本文の定義・分類・接続の説明にあたって、次の辞書・教育教材を参考にしました。リンク先は別タブで開きます。

タイトルとURLをコピーしました