スマートフォンやパソコンをインターネットへ接続するとき、
「Wi-Fiにつなぐ」
「無線LANを利用する」
という2つの表現が使われます。
普段はほとんど同じ意味で使われているため、
「Wi-Fiと無線LANは何が違う?」
「Wi-Fiは無線LANの正式名称?」
「無線LANならすべてWi-Fi?」
「Wi-Fi=インターネット?」
「IEEE 802.11とは何?」
「SSIDとWi-Fiは同じ?」
と迷うことがあります。
結論からいうと、「無線LAN」はケーブルを使わず電波などで構成するLANの総称で、「Wi-Fi」はIEEE 802.11シリーズを基盤とする、現在もっとも広く普及している無線LAN技術・ブランドです。
日常生活では、
Wi-Fi=無線LAN
として扱ってもほとんど問題ありません。
しかし厳密には、
無線LAN=より広い概念
Wi-Fi=無線LANを実現する代表的な技術・ブランド
という関係です。
IEEE Standards Associationは、Wi-Fi技術がIEEE 802.11シリーズの無線通信規格を基盤としていると説明しています。
またIEEE 802.11は、Wireless LANのMAC層および物理層(PHY)の仕様を定める規格です。
一言で覚えるなら、
無線LAN=「無線で作るLANという大きな分類」
Wi-Fi=「その中で広く利用されているIEEE 802.11系の技術」
です。
この記事では、「Wi-Fi」と「無線LAN」の違いから、WLAN、IEEE 802.11、Wi-Fi Alliance、SSID、アクセスポイント、Wi-Fiルーター、2.4GHz・5GHz・6GHz、Wi-Fi 6・6E・7との関係まで詳しく解説します。
- 「Wi-Fi」と「無線LAN」の違い【結論】
- 「無線LAN」とは?
- 無線LANは「無線でインターネットにつなぐこと」?
- 「Wi-Fi」とは?
- 「Wi-Fi」は何の略?
- 「Wi-Fi Alliance」とは?
- IEEE 802.11とは?
- Wi-FiとIEEE 802.11は同じ?
- 無線LANならすべてWi-Fi?
- Wi-Fiと無線LANの関係を図式化すると?
- 「Wi-Fi=インターネット」ではない
- 「Wi-Fiはつながっているのにネットが使えない」のはなぜ?
- 「アクセスポイント」とは?
- 「Wi-Fiルーター」とアクセスポイントの違い
- ルーターがなくてもWi-Fiは使える?
- 「SSID」とは?
- SSIDとWi-Fiパスワードは同じ?
- 同じSSIDなら同じWi-Fi?
- 「BSSID」とは?
- Wi-FiではMACアドレスも使う?
- Wi-Fiは何GHzを使う?
- 2.4GHzと5GHzの違い
- 6GHzのWi-Fiとは?
- Wi-Fi 4・5・6・7とは?
- Wi-Fi 7とは?
- 「Wi-Fiの規格」と「インターネット回線速度」は別
- Wi-FiはEthernetより遅い?
- Wi-Fiは必ずルーターから出る?
- 「Wi-Fi中継機」は何をしている?
- 「メッシュWi-Fi」とは?
- 公衆Wi-Fiも無線LAN?
- 公衆Wi-Fiなら無料でインターネットが使える?
- Wi-Fiの安全性は無線LANだから低い?
- Wi-Fiのパスワードを知られたらインターネットのパスワードも知られる?
- 「Wi-Fi・無線LAN」で迷ったときの3秒判定
- 「Wi-Fi」を使った例文
- 「無線LAN」を使った例文
- 具体例で比較:自宅のWi-Fiルーター
- 具体例で比較:会社のネットワーク
- よくある間違い1:「Wi-FiはWireless Fidelityの略」と思う
- よくある間違い2:「Wi-Fi=インターネット」と思う
- よくある間違い3:「無線LANとWi-Fiは完全に同じ定義」と思う
- よくある間違い4:「Wi-Fiはルーターのこと」と思う
- よくある間違い5:「SSID=Wi-Fiパスワード」と思う
- よくある間違い6:「Wi-Fi 6Eは802.11axとは別規格」と思う
- よくある間違い7:「新しいWi-Fiならインターネットも必ず速くなる」と思う
- 「Wi-Fi」と「無線LAN」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考リンク・出典
「Wi-Fi」と「無線LAN」の違い【結論】
| 比較項目 | Wi-Fi | 無線LAN |
|---|---|---|
| 意味 | IEEE 802.11シリーズを基盤とする代表的な無線LAN技術・ブランド | 無線を使って構成するLANの総称 |
| 英語 | Wi-Fi | Wireless LAN / WLAN |
| 範囲 | 無線LANの代表的な一種 | より広い概念 |
| 代表規格 | IEEE 802.11シリーズ | Wi-Fiを含む無線LAN技術 |
| 認証 | Wi-Fi AllianceによるWi-Fi CERTIFIEDなど | 「無線LAN」という言葉自体は特定認証名ではない |
| 日常での使われ方 | 無線LANとほぼ同義で使われる | Wi-Fiを意味して使われることが多い |
| インターネットとの関係 | インターネット接続手段の一つ | インターネットがなくてもLANとして利用可能 |
3秒で判断するなら、
「ケーブルなしで作るLAN全体の呼び方?」 → 無線LAN
「IEEE 802.11系の一般的な無線接続?」 → Wi-Fi
と考えると分かりやすいでしょう。
「無線LAN」とは?
無線通信を使って構成するLANの総称
無線LANは、英語で、
Wireless Local Area Network
といいます。
略して、
WLAN
です。
LANは、
Local Area Network
の略です。
家庭・オフィス・学校など、比較的限られた範囲の機器を接続するネットワークを意味します。
そのLANをケーブルではなく無線で構成したものが、無線LANです。
CiscoはWLANについて、同じ場所にあるコンピューターや端末が、ケーブルではなく無線通信によってネットワークを構成するものと説明しています。
無線LANは「無線でインターネットにつなぐこと」?
厳密には違います。
無線LANは、
LANへ無線で接続する仕組み
です。
インターネット接続そのものとは別です。
たとえば自宅で、
- スマートフォン
- パソコン
- NAS
- プリンター
をWi-Fiで同じネットワークへ接続しているとします。
仮に光回線が停止してインターネットへ接続できなくても、無線LAN自体が正常なら、同じLAN内のNASやプリンターへ接続できる場合があります。
つまり、
無線LAN=インターネット
ではありません。
「Wi-Fi」とは?
IEEE 802.11を基盤とする代表的な無線LAN技術
Wi-Fiは、現在もっとも一般的に利用されている無線LAN技術です。
IEEE Standards Associationは、Wi-Fi技術が、
IEEE 802.11シリーズ
の無線通信規格を基盤としていると説明しています。
パソコン、スマートフォン、ゲーム機、テレビ、プリンターなどに「Wi-Fi対応」と記載されている場合、一般にIEEE 802.11系の無線LAN通信に対応していることを意味します。
「Wi-Fi」は何の略?
Wi-Fiは「Wireless Fidelity」の略ではありません。
ここは非常によくある誤解です。
CiscoはWi-Fiについて、頭文字を取った略語ではなく、マーケティングのために作られたブランド名であると説明しています。
そのため、
Wi-Fi=Wireless Fidelity
と正式名称のように説明するのは適切ではありません。
「Wi-Fi Alliance」とは?
Wi-Fiに関して重要な組織が、
Wi-Fi Alliance
です。
Wi-Fi Allianceは、Wi-Fi製品の相互運用性などに関する認証を行っています。
認証済み製品では、
Wi-Fi CERTIFIED
という認証表示が使われます。
Wi-Fi Allianceの認証資料では、Wi-Fi CERTIFIED製品について、相互運用性テストを完了した機能が認証対象として掲載されています。
つまり、
IEEE=技術規格を策定
Wi-Fi Alliance=Wi-Fiブランド・相互運用性認証などを担う
と整理すると分かりやすいでしょう。
IEEE 802.11とは?
IEEE 802.11は、無線LANの、
- MAC(Media Access Control)
- PHY(Physical Layer:物理層)
などの仕様を定める規格シリーズです。
IEEEの現行規格ページでは、
IEEE 802.11-2024
がWireless LANのMAC・PHY仕様をまとめた改訂規格として掲載されています。
さらに802.11シリーズには、性能や機能を追加・改善するさまざまな規格があります。
Wi-FiとIEEE 802.11は同じ?
完全な同義語ではありません。
IEEE 802.11は技術仕様です。
Wi-Fiは、そのIEEE 802.11シリーズを基盤として普及している無線LAN技術・ブランドです。
一般利用者向けには、
IEEE 802.11=技術規格
Wi-Fi=その規格を利用する身近な製品・ネットワークの呼び方
と理解するとよいでしょう。
無線LANならすべてWi-Fi?
厳密には、そうとは限りません。
無線LANは、
「無線で構成するLAN」
という一般概念です。
そのため理論上は、Wi-Fi以外の無線技術を使ってLANを構成することも考えられます。
一方、現在の家庭・企業・公共施設などで利用されている一般的な無線LANのほとんどはWi-Fiです。
そのため日常会話では、
無線LAN=Wi-Fi
として扱われることが多くあります。
Wi-Fiと無線LANの関係を図式化すると?
概念としては、
無線LAN(WLAN)
└ Wi-Fi(IEEE 802.11系)
という関係で考えると分かりやすいでしょう。
つまり、
Wi-Fiは無線LANの代表例
です。
「Wi-Fi=インターネット」ではない
Wi-Fiマークが表示されていても、必ずインターネットへ接続できるとは限りません。
たとえばスマートフォンがWi-Fiルーターへ正常に接続できても、
- 光回線が停止している
- ONUに障害がある
- ルーターのWAN接続に問題がある
- ISP側に障害がある
- DNSに問題がある
といった場合にはインターネットを利用できないことがあります。
つまり、
Wi-Fi接続成功=無線LANには接続できた
インターネット接続成功=さらにWAN側も正常
という違いがあります。
「Wi-Fiはつながっているのにネットが使えない」のはなぜ?
スマートフォンのWi-Fiアイコンは、基本的に、
端末と無線LAN側の接続状態
を表しています。
Wi-Fiアクセスポイントまで通信できても、その先にある、
アクセスポイント → ルーター → ONU → ISP → インターネット
のどこかに問題があれば、Webサイトへアクセスできません。
そのため、
「Wi-Fiがつながっている=インターネット回線も正常」
とは限りません。
「アクセスポイント」とは?
Wi-Fi端末を無線LANへ接続するための基地局となる機器が、
アクセスポイント(Access Point:AP)
です。
スマートフォンやパソコンはアクセスポイントと無線通信し、LANへ参加します。
企業・学校・ホテルなどでは、建物内に多数のアクセスポイントを設置し、広い範囲をWi-Fiでカバーすることがあります。
「Wi-Fiルーター」とアクセスポイントの違い
家庭向けの、
Wi-Fiルーター
は、一般に、
ルーター機能+無線LANアクセスポイント機能
を1台へまとめた機器です。
さらに製品によって、
- Ethernetスイッチ
- DHCPサーバー
- NAT・NAPT
- ファイアウォール
- DNS中継
なども搭載します。
したがって、
Wi-Fiルーター=Wi-Fiそのもの
ではありません。
Wi-Fiルーターという「機器」の中に、Wi-Fiアクセスポイント機能が入っています。
ルーターがなくてもWi-Fiは使える?
LANとしては可能です。
アクセスポイントと複数端末だけでも無線LANを構成できる場合があります。
たとえば、
PC ⇔ アクセスポイント ⇔ NAS
というローカルネットワークなら、インターネット接続がなくても通信できます。
ただしインターネットへ接続するには、通常は上位ネットワークへ接続するルーターなどが必要になります。
「SSID」とは?
Wi-Fi設定画面に表示される、
「〇〇-WiFi」
「Home-5G」
などのネットワーク名に関係するのが、
SSID(Service Set Identifier)
です。
利用者はSSIDを見て、どの無線LANへ接続するか選択します。
そのため初心者向けには、
SSID=Wi-Fiネットワーク名
と考えると分かりやすいでしょう。
SSIDとWi-Fiパスワードは同じ?
違います。
SSIDは、
「どのWi-Fiネットワークかを識別する名前」
です。
一方、Wi-Fi接続時に入力するパスワードは、そのネットワークへ接続する際の認証に利用されます。
したがって、
SSID=ネットワーク名
Wi-Fiパスワード=接続認証に利用する秘密情報
です。
同じSSIDなら同じWi-Fi?
必ずしも1台のアクセスポイントとは限りません。
企業やホテル、大きな住宅などでは、複数のアクセスポイントに同じSSIDを設定して、端末が移動しても同じネットワーク名で利用できるようにすることがあります。
つまりSSIDは、
アクセスポイント本体の固有名
とは限りません。
「BSSID」とは?
SSIDと一緒に出てくる用語に、
BSSID(Basic Service Set Identifier)
があります。
一般的なインフラストラクチャ型Wi-Fiでは、BSSIDとしてアクセスポイント側の無線インターフェースに関連するMACアドレスが利用されます。
そのため、同じSSIDを複数のアクセスポイントが提供していても、BSSIDによって個々の無線セル・アクセスポイント側を区別できます。
Wi-FiではMACアドレスも使う?
使います。
Wi-FiはIEEE 802.11のMAC層・物理層を基盤とするため、MACアドレスが重要な役割を持ちます。
端末やアクセスポイントは、無線LAN上でフレームをやり取りします。
現在ではプライバシー保護のため、スマートフォンなどが、
ランダム化されたMACアドレス
を使うこともあります。
Wi-Fiは何GHzを使う?
現在広く利用されるWi-Fiでは、規格や地域の電波制度などに応じて、主に、
- 2.4GHz帯
- 5GHz帯
- 6GHz帯
などが利用されます。
ただし、すべてのWi-Fi機器が3つすべての周波数帯へ対応しているわけではありません。
利用できる周波数帯はWi-Fi世代・端末・ルーター・国や地域の制度によって異なります。
2.4GHzと5GHzの違い
一般的には、
| 2.4GHz | 5GHz |
|---|---|
| 比較的遠くまで届きやすい | 2.4GHzより障害物の影響を受けやすい傾向 |
| 対応機器が多い | 高速通信に適した構成を取りやすい |
| ほかの機器と干渉しやすい場合がある | 利用可能なチャネルを多く確保しやすい |
という特徴があります。
ただし実際の速度・到達距離は、
- 建物
- 壁
- 混雑
- アンテナ
- ルーター
- 端末
などによって大きく変わります。
6GHzのWi-Fiとは?
6GHz帯を利用するWi-Fiとして、
Wi-Fi 6E
や、
Wi-Fi 7
があります。
Wi-Fi 6Eは、Wi-Fi 6で使われるIEEE 802.11ax技術を6GHz帯へ拡張したものです。
つまり、
Wi-Fi 6E=802.11axとは別の新しいIEEE規格
ではありません。
IEEE 802.11axの技術を6GHz帯でも利用するためのWi-Fi Alliance側の世代表現として理解すると分かりやすいでしょう。
Wi-Fi 4・5・6・7とは?
IEEE 802.11の規格名は一般利用者には分かりにくいため、Wi-Fi Allianceでは数字を使った世代表記が利用されるようになりました。
| 一般名称 | 主なIEEE規格 |
|---|---|
| Wi-Fi 4 | IEEE 802.11n |
| Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac |
| Wi-Fi 6 | IEEE 802.11ax |
| Wi-Fi 6E | IEEE 802.11axを6GHz帯へ拡張 |
| Wi-Fi 7 | IEEE 802.11be |
IEEEは、Wi-Fi技術がIEEE 802.11シリーズを基盤としていることを説明しており、IEEE 802.11beはWi-Fi 7として知られています。
Wi-Fi 7とは?
Wi-Fi 7は、
IEEE 802.11be
を基盤とする新しいWi-Fi世代です。
IEEE 802.11be-2024では、
- より高いスループット
- 320MHzチャネル
- 2.4GHz・5GHz・6GHz帯での動作
- 低遅延・効率向上につながる機能
などが盛り込まれています。
ただし、
Wi-Fi 7対応ルーターへ交換すればインターネット回線速度が必ず上がる
という意味ではありません。
回線、端末、電波環境なども速度へ影響します。
「Wi-Fiの規格」と「インターネット回線速度」は別
たとえば1Gbpsの光回線を契約しているとします。
Wi-Fiの理論上の最大通信速度がそれ以上あっても、インターネットへの通信は、
- 契約回線
- ISP
- ONU
- ルーター性能
- 相手サーバー
- 回線混雑
などの制限を受けます。
反対に10Gbps回線を契約していても、古いWi-Fi規格・端末がボトルネックになれば、十分な速度を利用できません。
したがって、
Wi-Fi速度=インターネット速度
ではありません。
Wi-FiはEthernetより遅い?
一律には決められません。
新しいWi-Fi規格では非常に高速な通信が可能です。
一方、無線通信は、
- 電波干渉
- 距離
- 壁
- 同時利用者
- チャネル混雑
などの影響を受けやすい特徴があります。
有線Ethernetは、適切なケーブル・機器を使えば比較的安定した通信を確保しやすいため、
- NAS
- デスクトップPC
- オンラインゲーム
- 大容量ファイル転送
などでは有線接続が適している場合があります。
Wi-Fiは必ずルーターから出る?
いいえ。
Wi-Fi電波を提供するのは、正確には、
無線LANアクセスポイント
です。
家庭ではルーターとアクセスポイントが一体化した「Wi-Fiルーター」が広く使われているため、ルーターがWi-Fiそのものを作っているように見えます。
企業などでは、
ルーターとアクセスポイントが別機器
という構成も一般的です。
「Wi-Fi中継機」は何をしている?
Wi-Fi中継機は、既存のWi-Fi電波を受信し、通信可能な範囲を広げるために利用する機器です。
ただし構成によっては、
- 実効速度が低下する
- 切り替えがスムーズでない
- 設置位置によって効果が大きく変わる
ことがあります。
広い住宅では、複数アクセスポイントやメッシュWi-Fiが適する場合もあります。
「メッシュWi-Fi」とは?
メッシュWi-Fiは、複数のWi-Fi機器を連携させ、家庭やオフィスの広い範囲を1つの無線ネットワークのように利用しやすくする仕組みです。
複数箇所に機器を配置して電波範囲を広げ、端末の移動に合わせて適切なアクセスポイントへ接続させます。
単純な中継機と比べ、複数ノードを一体的に管理できる製品があります。
公衆Wi-Fiも無線LAN?
はい。
カフェ、ホテル、駅、空港などで提供される、
公衆Wi-Fi
Wi-Fiスポット
も無線LANの利用例です。
Ciscoも、カフェ・ホテル・空港ラウンジなどのWi-Fiホットスポットへ接続すると、その施設の無線ネットワークへ接続することになると説明しています。
公衆Wi-Fiなら無料でインターネットが使える?
サービスによります。
無料で利用できる場合もあれば、
- 会員登録
- 利用料金
- ホテル宿泊者限定
- 通信事業者との契約
などの条件がある場合もあります。
またWi-Fiへ接続できても、利用規約への同意やブラウザ認証が完了するまでインターネットへ接続できないことがあります。
Wi-Fiの安全性は無線LANだから低い?
無線は電波を利用するため、物理ケーブルとは異なるセキュリティ上の配慮が必要です。
現在のWi-Fiでは、
- WPA2
- WPA3
などのセキュリティ方式が利用されています。
安全に利用するには、
- 適切な暗号化方式を利用する
- 推測されにくいパスワードを使う
- ルーターを最新状態に保つ
- 古い暗号方式を避ける
ことが重要です。
Wi-Fiのパスワードを知られたらインターネットのパスワードも知られる?
同じものではありません。
Wi-Fiパスワードは、無線LANへ接続するために利用される認証情報です。
一方、
- メール
- Googleアカウント
- 通販サイト
- 銀行
などのパスワードとは別です。
ただし第三者にWi-Fiへ無断接続されないよう、Wi-Fiパスワードも適切に管理する必要があります。
「Wi-Fi・無線LAN」で迷ったときの3秒判定
| こんな場合 | 答え |
|---|---|
| 無線で構成するLAN全般 | 無線LAN・WLAN |
| IEEE 802.11系の一般的な無線LAN | Wi-Fi |
| Wireless Local Area Network | 無線LAN |
| IEEE 802.11 | Wi-Fiの技術的基盤 |
| Wi-Fi CERTIFIED | Wi-Fi Allianceの認証 |
| ネットワーク名 | SSID |
| Wi-Fi端末をLANへ接続 | アクセスポイント |
| 802.11ax | Wi-Fi 6 |
| 802.11be | Wi-Fi 7 |
最も簡単に覚えるなら、
無線LAN=「カテゴリー名」
Wi-Fi=「そのカテゴリーで最も一般的な技術・ブランド」
です。
「Wi-Fi」を使った例文
- スマートフォンをWi-Fiへ接続する。
- Wi-Fiルーターを新しい機種へ交換する。
- Wi-Fi 7対応のアクセスポイントを導入する。
- ホテルのWi-Fiを利用する。
- Wi-FiのSSIDとパスワードを確認する。
「無線LAN」を使った例文
- オフィスに無線LANを導入する。
- 無線LANアクセスポイントを設置する。
- 無線LANと有線LANを併用する。
- スマートフォンを無線LANへ接続する。
- 無線LANの電波状況を確認する。
具体例で比較:自宅のWi-Fiルーター
自宅にWi-Fiルーターが1台あり、
- スマートフォン
- ノートPC
- テレビ
を無線で接続しているとします。
このネットワークは、
無線LAN(WLAN)
です。
そして使用しているIEEE 802.11系の無線通信技術が、
Wi-Fi
です。
日常会話ではどちらを使っても、ほぼ同じネットワークを指すことになります。
具体例で比較:会社のネットワーク
会社に100台の端末があり、オフィス内に複数のアクセスポイントを設置しているとします。
社員は、
Company-WiFi
というSSIDへ接続します。
これは会社の、
無線LAN
です。
その無線LANにIEEE 802.11準拠のWi-Fi機器を利用していれば、
Wi-Fiネットワーク
でもあります。
よくある間違い1:「Wi-FiはWireless Fidelityの略」と思う
Wi-Fiは正式な頭字語ではありません。
「Wireless Fidelity」が正式名称という説明は適切ではありません。
よくある間違い2:「Wi-Fi=インターネット」と思う
Wi-Fiは無線LAN通信の技術です。
インターネット接続がなくても、Wi-Fiを使って同じLAN内の端末同士で通信できます。
よくある間違い3:「無線LANとWi-Fiは完全に同じ定義」と思う
日常的にはほぼ同義ですが、厳密には無線LANのほうが広い概念です。
Wi-FiはIEEE 802.11を基盤とする代表的な無線LAN技術です。
よくある間違い4:「Wi-Fiはルーターのこと」と思う
Wi-Fiは無線LAN技術であり、ルーターはネットワーク間でIPパケットを転送する機器・機能です。
Wi-Fiルーターには両方の機能が入っているため混同されやすくなっています。
よくある間違い5:「SSID=Wi-Fiパスワード」と思う
SSIDはネットワークを識別する名前です。
接続用パスワードとは別です。
よくある間違い6:「Wi-Fi 6Eは802.11axとは別規格」と思う
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6で使われるIEEE 802.11axの技術を6GHz帯まで利用できるよう拡張したものです。
Wi-Fi 7はIEEE 802.11beを基盤とします。
よくある間違い7:「新しいWi-Fiならインターネットも必ず速くなる」と思う
Wi-Fiは端末からLANまでの通信区間です。
インターネットの実効速度には回線、ISP、ルーター、端末、相手サーバー等も影響します。
「Wi-Fi」と「無線LAN」に関するよくある質問
Q1. Wi-Fiと無線LANの一番簡単な違いは?
無線LANは無線で構成するLAN全般、Wi-FiはIEEE 802.11を基盤とした代表的な無線LAN技術です。
Q2. 普段はWi-Fiと無線LANを同じ意味で使ってよいですか?
一般家庭のネットワークについて話すなら、ほぼ問題ありません。
現在普及している家庭向け無線LANの大半がWi-Fiだからです。
Q3. Wi-Fiはインターネットですか?
違います。
Wi-Fiは端末を無線LANへ接続する技術です。
Wi-Fiへ接続していてもWAN側に障害があればインターネットへ接続できません。
Q4. Wi-Fiの正式名称はWireless Fidelityですか?
いいえ。
Wi-Fiは略語として作られた名称ではなく、ブランド名です。
Q5. IEEE 802.11とは何ですか?
無線LANのMAC層や物理層などを定めるIEEEの規格シリーズです。
Wi-Fi技術の基盤となっています。
Q6. SSIDとは何ですか?
無線LANのネットワークを識別するための名前です。
スマートフォンのWi-Fi設定画面などで表示されるネットワーク名として利用されます。
Q7. Wi-Fiルーターとアクセスポイントは同じですか?
完全には同じではありません。
アクセスポイントはWi-Fi端末をLANへ接続する機能です。
Wi-Fiルーターは通常、アクセスポイント機能とルーター機能を1台に統合しています。
Q8. Wi-Fi 6とWi-Fi 6Eの違いは?
Wi-Fi 6Eは、Wi-Fi 6で利用するIEEE 802.11ax技術を6GHz帯へ拡張したものです。
対応ルーターと端末、利用可能な地域の電波制度が必要です。
Q9. Wi-Fi 7は何という規格ですか?
Wi-Fi 7はIEEE 802.11beを基盤としています。
IEEE 802.11be-2024では、320MHzチャネルなど、高スループット・低遅延・効率改善につながる機能が規定されています。
Q10. Wi-Fiと有線LANはどちらがよいですか?
用途によります。
スマートフォンやノートPCのように移動しながら使いたい機器にはWi-Fiが便利です。
NAS、大容量データ転送、固定したデスクトップPCなど、安定性を重視する用途では有線Ethernetが適する場合があります。
まとめ
「Wi-Fi」と「無線LAN」は日常生活ではほとんど同じ意味で使われますが、厳密には概念の広さが異なります。
| Wi-Fi | 無線LAN |
|---|---|
| IEEE 802.11系を基盤とする技術・ブランド | 無線で構成するLANの総称 |
| 無線LANの代表的な一種 | より広い概念 |
| Wi-Fi Allianceの認証制度がある | 言葉自体は特定ブランドではない |
| 一般家庭で非常に普及 | Wireless LAN=WLAN |
最も簡単な覚え方は、
無線LAN=「無線で作るLANというカテゴリー」
Wi-Fi=「そのカテゴリーで広く普及しているIEEE 802.11系技術」
です。
そのため一般家庭で、
「無線LANにつなぐ」
と、
「Wi-Fiにつなぐ」
は、実際にはほぼ同じ操作を意味します。
ただしネットワークを正確に理解するなら、
Wi-Fi=インターネット
Wi-Fi=ルーター
SSID=パスワード
ではないことも重要です。
関係を整理すると、
LAN=限られた範囲のネットワーク
無線LAN・WLAN=無線で構成するLAN
Wi-Fi=IEEE 802.11を基盤とする代表的な無線LAN技術
アクセスポイント=Wi-Fi端末をLANへ接続する装置
Wi-Fiルーター=ルーター+アクセスポイントなどを一体化した機器
SSID=Wi-Fiネットワークを識別する名前
となります。
さらにWi-Fiの世代は、
Wi-Fi 4=802.11n
Wi-Fi 5=802.11ac
Wi-Fi 6=802.11ax
Wi-Fi 6E=802.11axを6GHz帯へ拡張
Wi-Fi 7=802.11be
と整理できます。
「Wi-Fi」と「無線LAN」は普段は同じ意味として使いつつ、技術的に説明するときには、
「無線LANという大きな分類の中に、Wi-Fiという代表的技術がある」
と覚えておくと迷いにくいでしょう。
参考リンク・出典
-
IEEE Standards Association「The Evolution of Wi-Fi Technology and Standards」
― Wi-Fi技術がIEEE 802.11シリーズの無線通信規格を基盤としていること、Wi-Fi世代とIEEE規格の関係などを解説 -
IEEE Standards Association「IEEE 802.11」関連規格情報
― IEEE 802.11-2024をWireless LANのMAC・PHY仕様として掲載し、IEEE 802.11ワーキンググループの関連規格を紹介 -
Cisco「What Is a Wireless LAN (WLAN)?」
― WLANを、近接する端末が有線ではなく無線通信によって構成するネットワークとして説明 -
Cisco「What Is Wi-Fi?」
― Wi-FiをIEEE 802.11を基盤とする無線ネットワーキング技術として説明し、Wi-Fiが頭字語ではなくブランド名であることも解説 -
Cisco「What Is Wi-Fi 6 vs. Wi-Fi 6E vs. Wi-Fi 7?」
― Wi-Fi 6=802.11ax、Wi-Fi 6E=802.11axを6GHz帯へ拡張、Wi-Fi 7=802.11beという関係を解説 -
IEEE Standards Association「IEEE 802.11 / 802.11be-2024」
― Wi-Fi 7の技術的基盤となるIEEE 802.11be-2024について、320MHzチャネル、高スループット、2.4GHz・5GHz・6GHz帯への対応等を掲載
※本記事では一般ユーザー向けに、「無線LAN=より広い概念」「Wi-Fi=IEEE 802.11シリーズを基盤とする代表的な無線LAN技術」と整理しています。家庭・オフィスなどの一般的な会話では「Wi-Fi」と「無線LAN」がほぼ同義で使われることがあります。
※「Wi-Fi」は「Wireless Fidelity」の正式な略称ではありません。一般にブランド名として扱われています。
※Wi-Fi Allianceによる「Wi-Fi CERTIFIED」は、認証対象となる機能について相互運用性試験などを行う認証制度です。「IEEE 802.11へ対応していること」と「Wi-Fi Allianceの認証を取得していること」は、厳密には同じ意味ではありません。
※Wi-Fi 6EはIEEE 802.11axとは別の新しいIEEE規格ではなく、802.11ax技術を6GHz帯へ拡張したWi-Fi世代・認証上の呼称です。Wi-Fi 7はIEEE 802.11beを基盤としています。
※利用できる周波数帯・チャネル・送信出力等は、国・地域の電波制度、ルーター・アクセスポイント・端末の対応状況によって異なります。
※Wi-Fi規格の理論上の最大速度と、実際のインターネット通信速度は同じではありません。回線契約、ISP、電波状況、距離、混雑、端末性能なども実効速度へ影響します。
