「仕事で成果を上げる」「これまでの実績を評価する」。ビジネスや就職活動などでは、「成果」と「実績」という言葉をよく使用します。
どちらも仕事や活動によって得られた結果に関係していますが、正確にはどのような違いがあるのでしょうか。
例えば、営業担当者が新しい販売方法を導入し、今月の売上を増やした場合には、「新しい販売方法によって成果を上げた」と表現できます。一方、その営業担当者が過去3年間に達成してきた売上目標や新規顧客の獲得件数などを紹介する場合には、「これまでの営業実績」と表現するのが自然です。
ただし、「今月の営業実績」「過去の研究成果」のような表現も使われます。そのため、成果は現在の結果、実績は過去の結果と単純に区別できるわけではありません。
「成果」は、ある取り組みによって得られた良い結果。「実績」は、実際に達成してきた功績や成績を意味します。
この記事では、「成果」と「実績」の意味や違いを比較表で整理し、営業、品質管理、人事評価、研究、履歴書、職務経歴書などの例文を交えて解説します。さらに、「結果」「効果」「業績」「経験」「成績」との違いや、実績が少ない場合の自己PRの書き方も紹介します。
- 結論|「成果」は取り組んで得た良い結果、「実績」は実際に示した功績や成績
- 【徹底比較】「成果」と「実績」の違いを一覧表で解説
- 「成果」とは?意味・特徴・正しい使い方
- 「実績」とは?意味・特徴・正しい使い方
- 「仕事の成果」と「仕事の実績」はどう違う?
- 「成果を上げる」と「実績を積む」の違い
- 人事評価では「成果」と「実績」をどう使い分ける?
- 履歴書・職務経歴書では「成果」と「実績」をどう使い分ける?
- 実績が少ない場合は、成果をどのように書けばよい?
- 営業では「成果」と「実績」をどう使い分ける?
- 品質管理では「成果」と「実績」をどう使い分ける?
- 「成果」と「実績」の例文を場面別に比較
- 「成果」と「結果」の違いとは?
- 「成果」と「効果」の違いとは?
- 「実績」と「業績」の違いとは?
- 「実績」と「経験」の違いとは?
- 「実績」と「成績」の違いとは?
- 成果が出ない場合と実績がない場合の違い
- 「成果」と「目標」の関係とは?
- 業務改善の成果と実績を分かりやすく書く方法
- 【実践】「成果」と「実績」を間違えないための3つの判断基準
- ビジネスメールでの「成果」と「実績」の使い分け
- 「成果」と「実績」を使う際によくある3つの間違い
- 参考リンク
- FAQ|「成果」と「実績」に関するよくある質問
- まとめ|「成果」は取り組んで得た良い結果、「実績」は実際に達成した功績や成績
結論|「成果」は取り組んで得た良い結果、「実績」は実際に示した功績や成績
「成果」と「実績」の違いは、取り組みによって何を得たのかを強調するか、実際に何を達成してきたのかを示すかという点です。
- 成果(せいか):あることに取り組んで得られた良い結果。努力や活動によって得たものを説明する際によく使われる。
- 実績(じっせき):実際に示した功績や成績。これまでに達成した仕事や活動の結果を説明する際によく使われる。
例えば、今月取り組んだ業務改善によって作業時間を短縮できた場合には、「業務改善の成果が出た」と表現できます。
一方、これまで複数の業務改善を担当し、作業時間の短縮や不良率の低減を達成してきたことを説明する場合には、「業務改善の実績がある」と表現できます。
ただし、同じ作業時間の短縮について、「今回の成果」とも「今月の実績」とも表現できます。
重要なのは、どちらも実際に得られた結果に関係しており、文脈によって重なる部分があるという点です。
【徹底比較】「成果」と「実績」の違いを一覧表で解説
| 比較項目 | 成果 | 実績 |
|---|---|---|
| 読み方 | せいか | じっせき |
| 基本的な意味 | 取り組みによって得られた良い結果 | 実際に示した功績や成績 |
| 主な着眼点 | 活動によって何を得たか | 実際に何を達成したか |
| 時間との関係 | 今回の結果にも過去の結果にも使える | 過去の蓄積にも当月・当期の成績にも使える |
| 代表的な表現 | 成果を上げる、研究成果、改善の成果 | 販売実績、導入実績、実績を積む |
| 評価の対象 | 取り組みによって生まれた良い結果 | 実際に達成した内容や積み重ねた成績 |
| 数値での説明 | 数値でも、数値以外でも説明できる | 数値や具体的な事例などで示す場合が多い |
| 履歴書・職務経歴書 | 仕事によって得られた結果を説明する | 担当してきた仕事や達成した成績を示す |
| 例文 | 業務改善によって大きな成果を上げた。 | 過去3年間の営業実績をまとめた。 |
例えば、新しい営業方法によって契約件数が増えた場合には、「営業活動の成果」と表現できます。
また、その契約件数を会社の営業成績として報告する場合には、「営業実績」と表現できます。
そのため、成果と実績を無理に区別するのではなく、文章の目的によって使い分けることが大切です。
「成果」とは?意味・特徴・正しい使い方
成果の基本的な意味
「成果」は、あることをして得られた良い結果を意味します。
例えば、次のような表現があります。
- 努力の成果が表れる。
- 研究の成果を発表する。
- 業務改善によって成果を上げる。
- 研修の成果を確認する。
- 新しい取り組みが成果につながる。
これらの文章では、努力や活動によって何らかの良い結果が得られたことが中心です。
成果は、取り組みと結果の関係を説明しやすい
例えば、会社で書類の確認方法を変更し、入力ミスを減らすための取り組みを行った場合を考えてみましょう。
その結果、入力ミスが減少したのであれば、「確認方法の見直しによって成果が得られた」と表現できます。
この文章では、どのような取り組みを行い、その結果として何を得たのかが重要です。
成果は必ずしも金額や件数で表されるわけではない
「成果」という言葉から、売上金額や契約件数などの数値を連想する人もいるでしょう。
しかし、成果は数値で表せるものだけではありません。
例えば、研究によって新しい知見が得られた場合や、社員研修によって必要な技能を習得できた場合にも、「成果」という言葉が使用できます。
ただし、正式な報告書では、どのような成果が得られたのかを具体的に説明することが重要です。
成果は、単なる作業の完了とは異なる
例えば、社員研修を予定どおり開催したことは、「研修を実施した」という事実です。
一方、研修によって社員が必要な知識を習得し、実際の業務で活用できるようになったことは、研修の成果として説明できるでしょう。
このように、何かを実施したことと、その取り組みによって成果が得られたことは、分けて考える必要があります。
「実績」とは?意味・特徴・正しい使い方
実績の基本的な意味
「実績」は、実際に現れた功績や成績を意味します。
例えば、次のような表現があります。
- 過去の販売実績を確認する。
- 豊富な導入実績がある。
- これまでの研究実績をまとめる。
- 実績を積んで信頼を得る。
- 当月の営業実績を報告する。
これらに共通するのは、実際に達成した結果や積み重ねてきた成績に注目していることです。
実績は、過去に達成したことを示す場合によく使われる
例えば、ある営業担当者が、過去3年間に複数の大口契約を獲得してきた場合には、「豊富な営業実績がある」と表現できます。
また、システム開発会社が、これまで多くの企業にシステムを導入してきた場合には、「多数の導入実績がある」と紹介できます。
このように、実績は、これまでに何をしてきたのかを具体的に示す際に役立つ言葉です。
実績は、当月や当期の成績にも使用できる
「実績」という言葉は、過去の蓄積だけに使用されるわけではありません。
例えば、企業では「今月の販売実績」「上半期の売上実績」などの表現も使われます。
この場合、予定や目標ではなく、実際に達成した成績や数値を示しています。
したがって、実績は必ず長期間の経験を表すと考えるのは正確ではありません。
実績があることと、現在も同じ結果を出せることは別
例えば、過去に優れた営業実績がある人でも、市場環境や担当する商品などが変われば、同じ結果が得られるとは限りません。
また、過去に多くのシステムを導入した実績がある企業でも、新しい技術や製品について、必ずしも同じ経験があるとは限りません。
実績は、その人や組織が実際に達成したことを示す重要な情報ですが、将来の結果を保証するものではありません。
「仕事の成果」と「仕事の実績」はどう違う?
仕事では、「成果」と「実績」の両方が頻繁に使用されます。
仕事の成果は、業務によって得られた良い結果
例えば、営業担当者が新しい提案方法を取り入れ、顧客からの契約を増やした場合には、「提案方法の見直しによって成果を上げた」と表現できます。
また、事務担当者が業務手順を改善し、処理時間を短縮した場合にも、「業務改善の成果が出た」と表現できます。
仕事の実績は、実際に達成してきた成績や功績
一方、「これまでの営業実績をまとめる」という場合には、過去に達成した売上金額や契約件数などを整理することが考えられます。
また、「業務改善の実績がある」という場合には、過去に実施し、実際に結果を出した改善活動などが関係します。
同じ出来事を成果と実績の両方で説明できる
例えば、ある社員が業務改善によって作業時間を20%短縮したとします。
この場合、「業務改善によって作業時間を20%短縮する成果を上げた」と表現できます。
一方、その社員の職務経歴を説明する際には、「作業時間を20%短縮した実績がある」と表現できます。
どちらも同じ出来事について説明していますが、前者は取り組みによって得た結果、後者は実際に達成したことを強調しています。
「成果を上げる」と「実績を積む」の違い
「成果」と「実績」の違いは、よく組み合わせられる動詞にも表れます。
成果を上げる|取り組みによって良い結果を得る
「成果を上げる」は、努力や活動によって、望ましい結果を得ることを意味します。
例えば、「新しい営業方法を導入し、大きな成果を上げた」という文章です。
ここでは、新しい営業方法によって何らかの良い結果を得たことが中心です。
実績を積む|実際に達成したことを積み重ねる
一方、「実績を積む」は、仕事や活動を通じて、実際に達成した結果を積み重ねていくことを意味します。
例えば、「複数のプロジェクトを担当し、実績を積んできた」という文章です。
この場合、一度だけの成功ではなく、これまでの活動によって達成してきた内容に注目しています。
「実績を上げる」という表現も正しい
ただし、「成果を上げる」と「実績を積む」だけが正しい組み合わせというわけではありません。
「実績を上げる」という表現も自然です。
例えば、「今年度は前年を上回る販売実績を上げた」と表現できます。
両者を使い分ける際には、特定の動詞だけで覚えるのではなく、文章全体の意味を考えましょう。
人事評価では「成果」と「実績」をどう使い分ける?
人事評価では、成果と実績が評価の対象として扱われる場合があります。
成果は、評価期間中の取り組みによって得た結果
例えば、社員が半年間の目標として「問い合わせ対応にかかる時間を短縮する」と設定した場合を考えてみましょう。
その期間に業務手順を見直し、実際に対応時間を短縮できたのであれば、その結果を成果として説明できます。
ただし、評価に用いる項目や基準は、会社の人事制度によって異なります。
実績は、実際に達成した内容や成績
一方、評価期間中に達成した売上金額や契約件数などは、「営業実績」などとして整理される場合があります。
また、複数年にわたって担当してきたプロジェクトや、過去に達成した改善活動なども、実績として紹介できます。
成果と実績を分けて記載する場合
例えば、人事評価シートで次のように整理できます。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 目標 | 問い合わせの平均対応時間を短縮する |
| 実施した取り組み | 問い合わせ内容を分類し、回答手順を見直した |
| 成果 | 平均対応時間を15%短縮した |
| 実績 | 半年間で問い合わせ対応を1,200件担当した |
この表は、成果と実績を書き分ける一例です。実際には、平均対応時間を15%短縮したこと自体も、業務改善の実績として説明できます。
重要なのは、どのような活動を行い、その結果として何を達成したのかを明確にすることです。
履歴書・職務経歴書では「成果」と「実績」をどう使い分ける?
転職活動では、これまでに担当した仕事や、達成した結果を分かりやすく説明することが重要です。
成果は、取り組みと結果をセットで説明すると分かりやすい
例えば、営業担当者が新規顧客への提案方法を改善し、契約件数を増やした場合には、次のように書けます。
「新規顧客向けの提案資料を改善し、前年同期間と比較して契約件数を20%増加させました。」
この文章では、何に取り組み、どのような成果が得られたのかが分かります。
実績は、具体的な数字や達成した内容で示す
一方、職務経歴書では、次のような実績の書き方が考えられます。
- 年間売上1,500万円を達成
- 新規顧客を年間30社獲得
- 3年間で5件の業務改善プロジェクトを担当
- 問い合わせ対応を年間2,000件担当
これらは架空の記載例です。実際の職務経歴書では、自分が達成した事実に基づいて記載する必要があります。
数字がない成果も、具体的に説明できる
例えば、社内のマニュアルを見直し、新入社員が業務を理解しやすくなった場合を考えてみましょう。
正確な時間短縮率などが分からなくても、実施した取り組みや、その後に確認できた変化を具体的に説明できます。
ただし、数値や根拠がないのに「作業効率を大幅に向上させた」などと断定することは避けましょう。
「新入社員向けの業務マニュアルを改訂し、教育担当者からの質問対応を整理しました」など、実際に行ったことを明確に示す方法もあります。
実績が少ない場合は、成果をどのように書けばよい?
就職や転職の際、「特別な実績がない」「大きな成果を出した経験がない」と悩む人もいるでしょう。
しかし、成果や実績として説明できる内容は、必ずしも大きな売上や受賞歴だけではありません。
日常業務で行った改善を整理する
例えば、担当業務の中で作業手順を見直した経験や、記録の整理方法を改善した経験などを振り返ってみましょう。
具体的な数値がなくても、課題に対してどのような取り組みを行い、その結果として何が変わったのかを説明できる場合があります。
担当した業務を実績として整理する
また、一定期間にわたって担当してきた業務の内容や、完了したプロジェクトなどを実績として整理することもできます。
ただし、単に担当しただけの業務について、「優れた成果を上げた」と表現するのは適切ではありません。
担当したこと、実際に達成したこと、改善できたことを区別して記載しましょう。
応募先の仕事との関連性を意識する
例えば、事務職に応募する場合には、正確な書類作成や業務手順の改善などが関係するかもしれません。
一方、営業職に応募する場合には、顧客との関係構築や提案活動の経験などが関係するでしょう。
実績の大きさだけでなく、応募先の業務にどのように生かせるのかを具体的に説明することが大切です。
営業では「成果」と「実績」をどう使い分ける?
営業の仕事では、売上や契約件数、顧客の獲得数などが、成果や実績として説明される場合があります。
営業成果は、活動によって得られた結果
例えば、営業担当者が顧客への提案方法を改善し、契約率を高めた場合には、「提案方法の改善によって営業成果が向上した」と表現できます。
この場合、取り組みと結果の関係が重要です。
営業実績は、実際に達成した売上や契約件数など
一方、月ごとの売上金額や契約件数などについては、「営業実績」「販売実績」という言葉がよく使用されます。
例えば、「先月の営業実績を報告する」という文章です。
ここでは、実際に達成した成績を確認することが中心です。
成果と実績の両方を使った例文
「新しい営業方法を導入した成果として、契約率が改善しました。その結果、今月の営業実績は前年同月を上回りました。」
この文章では、営業方法の改善によって得られた結果を成果、実際に達成した営業成績を実績として説明しています。
品質管理では「成果」と「実績」をどう使い分ける?
品質管理では、改善活動によって得られた結果と、実際に達成した検査件数や不良率などを整理する場合があります。
改善活動によって得られた結果は「成果」
例えば、製造工程の見直しによって、不良品の発生率を低減できた場合には、「品質改善の成果が得られた」と表現できます。
また、作業手順の見直しによって、検査記録の記載漏れが減少した場合にも、改善活動の成果として説明できます。
過去に達成した改善活動は「実績」
一方、過去に担当してきた改善活動をまとめる場合には、「品質改善の実績」という表現が自然です。
例えば、「これまでに3件の品質改善プロジェクトを担当し、複数の製造工程で不良率を低減した実績がある」という文章です。
成果を判断する際には、改善前後を比較する
例えば、不良率が5%から3%に低下した場合、改善活動による成果として説明できる可能性があります。
ただし、不良率の低下が本当にその改善活動によるものかどうかは、製造条件や検査方法などの影響も確認する必要があります。
改善の効果を評価する際には、数値が変化したという事実と、その変化が改善活動によって生じたという判断を区別しましょう。
「成果」と「実績」の例文を場面別に比較
| 場面 | 成果を使った例文 | 実績を使った例文 |
|---|---|---|
| 営業 | 新しい提案方法によって大きな成果を上げた。 | 過去3年間の営業実績をまとめた。 |
| 人事評価 | 今期の業務改善によって得られた成果を説明する。 | 評価期間中の業務実績を報告する。 |
| 転職活動 | 前職で取り組んだ業務改善の成果を紹介する。 | これまでの職務実績を整理する。 |
| 研究 | 研究成果を学会で発表する。 | 研究者としての実績をまとめる。 |
| 製造業 | 工程改善によって作業時間を短縮する成果を得た。 | これまでに達成した品質改善の実績を紹介する。 |
| 教育 | 研修によって得られた成果を確認する。 | 過去の研修実施実績を整理する。 |
| 経営 | 新規事業の成果を評価する。 | 過去の事業実績を分析する。 |
このように、成果は取り組みによって得られた良い結果、実績は実際に達成した功績や成績を説明する場合に適しています。
「成果」と「結果」の違いとは?
「成果」と意味が近い言葉に「結果」があります。
結果は、ある行為や原因によって生じた結末
「結果」は、ある行為や原因によって生じた結末や状態を意味します。
例えば、次のような表現があります。
- 試験の結果を確認する。
- 調査の結果を報告する。
- 努力した結果、目標を達成した。
結果には、良い結果だけでなく、悪い結果も含まれます。
成果は、取り組みによって得られた良い結果
一方、「成果」は、あることをして得られた良い結果を意味します。
例えば、営業活動によって契約件数が増えた場合には、「営業活動の成果」と表現できます。
しかし、売上が減少した場合に、単に「売上減少という成果が得られた」と表現するのは通常不自然です。
この場合には、「売上減少という結果になった」が適切です。
「成果」と「効果」の違いとは?
「成果」と混同しやすい言葉に「効果」があります。
成果は、取り組みによって得られた良い結果
例えば、社員研修によって、業務に必要な技能を習得できた場合には、「研修の成果が得られた」と表現できます。
効果は、ある働きかけによって生じる作用や結果
一方、「効果」は、ある行為や方法などによって生じる働きや、その結果を意味します。
例えば、「新しい確認手順には、入力ミスを減らす効果があった」という文章です。
ここでは、確認手順が入力ミスに対して、どのような働きをしたのかに注目しています。
成果と効果は、同じ取り組みについて使える
例えば、確認手順を改善したことによって、入力ミスが減った場合には、次のように説明できます。
「新しい確認手順には入力ミスを減らす効果があり、その結果、業務改善の成果が得られました。」
この場合、効果は手順がもたらした働き、成果は取り組みによって得られた良い結果を表しています。
詳しくは、「成果」と「効果」の違いと具体的な使い分けをご覧ください。
「実績」と「業績」の違いとは?
「実績」と意味が近い言葉に「業績」があります。
「業績」は、仕事や事業などによって達成した成果や成績を表す言葉です。
例えば、企業について「今年度の業績を発表する」と表現する場合には、売上や利益などの経営成績を示すことが一般的です。
一方、「実績」は、実際に達成した功績や成績を意味し、企業だけでなく、個人や団体の活動についても幅広く使用できます。
例えば、「販売実績」「導入実績」「研究実績」などです。
ただし、「営業実績」と「営業業績」のように、意味が重なる場合もあります。
実際の文書では、企業全体の経営成績を説明するのか、特定の仕事について実際に達成した内容を説明するのかによって選びましょう。
「実績」と「経験」の違いとは?
履歴書や職務経歴書では、「実績」と「経験」を区別して説明することが重要です。
経験は、実際に見聞きしたり、行ったりしたこと
例えば、営業職として顧客への提案を担当したことや、製造現場で検査業務を担当したことは、職務経験として説明できます。
ただし、ある仕事を経験したことだけで、必ず優れた成績を達成したとは限りません。
実績は、実際に達成した功績や成績
一方、担当した業務によって、具体的にどのような結果を達成したのかを説明する場合には、「実績」が適しています。
例えば、「新規顧客を年間20社獲得した」「不良率を低減した」などの表現です。
ただし、導入実績や対応実績のように、実際に行った件数そのものを実績として示す場合もあります。
職務経歴書では経験と実績を分けると伝わりやすい
例えば、次のように整理できます。
経験:製造業の品質管理部門で、製品検査や検査記録の作成を担当した。
実績:検査記録の確認方法を見直し、記載漏れの発生件数を減らした。
このように書き分けることで、何を経験し、実際に何を達成したのかが伝わりやすくなります。
「実績」と「成績」の違いとは?
「実績」と「成績」も、意味が近い言葉です。
「成績」は、仕事や学業などで得られた結果、またはその結果に対する評価を表します。
例えば、「試験の成績」「営業成績」「学業成績」などの表現が自然です。
一方、「実績」は、実際に示した功績や成績を意味します。
例えば、「研究者としての実績」「過去の販売実績」などです。
そのため、試験の点数や学業の評価については「成績」、実際に達成してきた仕事や研究などの功績については「実績」が使いやすいでしょう。
ただし、「営業成績」と「営業実績」のように、両方が自然な場合もあります。
成果が出ない場合と実績がない場合の違い
「成果が出ない」と「実績がない」は、似た表現ですが、意味は同じではありません。
成果が出ない|取り組んでも望ましい結果が得られていない
例えば、新しい営業方法を試しているものの、契約件数が増えていない場合には、「期待した成果が出ていない」と表現できます。
ここでは、取り組みに対して、望ましい結果が得られていないことを説明しています。
実績がない|実際に達成した経験や成績が示されていない
一方、「新しい分野での実績がない」という場合には、その分野で実際に達成した仕事や成績が、まだ存在しない、または示せないことを意味します。
例えば、ある企業が初めて海外市場へ参入する場合には、「海外での販売実績はまだない」と説明できるでしょう。
成果が出ていなくても、過去の実績はある場合がある
例えば、過去に優れた営業実績を持つ社員が、新しい商品を担当した直後には、期待した成果を得られていない場合を考えてみましょう。
この場合、「過去の実績はあるが、新しい商品の営業ではまだ成果が出ていない」という表現が自然です。
このように、成果と実績は、評価する期間や対象によっても使い分けられます。
「成果」と「目標」の関係とは?
成果について説明する際には、「目標」という言葉も重要です。
「目標」は、実現や達成を目指す具体的な到達点を意味します。
例えば、営業担当者が「今月の契約件数を20件にする」という目標を設定した場合を考えてみましょう。
その結果、実際に22件の契約を獲得できれば、目標を達成したことになります。
また、営業方法を改善したことによって契約件数が増えたのであれば、その取り組みの成果として説明することもできます。
一方、22件という契約件数は、当月の営業実績としても記録できます。
ただし、成果は必ずしも事前に設定した目標だけに限定されません。活動の過程で予想していなかった良い結果が得られた場合にも、成果と表現できます。
目的と目標の違いについては、「目的」と「目標」の違いと具体的な使い分けも参考になります。
業務改善の成果と実績を分かりやすく書く方法
業務改善について報告する場合には、何を実施し、どのような結果が得られたのかを整理することが大切です。
改善前の状態を明確にする
例えば、書類の確認に時間がかかっていた場合には、改善前の平均作業時間や、作業に関係する問題点などを整理します。
ただし、改善前のデータがない場合には、根拠のない数値を推定して記載しないよう注意しましょう。
実施した取り組みを具体的に示す
例えば、確認項目の整理や、業務手順書の見直し、入力画面の改善など、実際に行った内容を説明します。
「業務改善に取り組んだ」という文章だけでは、具体的な活動が分かりにくいため、実際に何を変更したのかを示すことが重要です。
得られた成果を確認する
例えば、改善前後で作業時間を比較し、平均作業時間が30分から20分に短縮されたことが確認できた場合には、その結果を成果として説明できます。
ただし、比較する期間や作業条件などが異なる場合には、単純な比較だけで改善の効果を判断できないことがあります。
達成した内容を実績として記録する
実際に達成した改善内容について、今後の人事評価や職務経歴書などで活用できるように記録しておくことも役立ちます。
例えば、「検査記録の確認作業を見直し、平均作業時間を短縮した」という実績として整理できます。
改善と改良の違いについては、「改善」と「改良」の違いと具体的な使い分けをご覧ください。
【実践】「成果」と「実績」を間違えないための3つの判断基準
1. 取り組んで得た良い結果を強調するなら「成果」
例えば、業務改善や研究、社員研修などによって良い結果が得られた場合には、「成果」が自然です。
- 努力の成果が表れた。
- 業務改善によって成果を上げた。
- 研究成果を発表した。
- 研修の成果を確認した。
2. 実際に達成してきた功績や成績を示すなら「実績」
例えば、これまでに担当してきた仕事や、過去に達成した成績などを具体的に説明する場合には、「実績」が適しています。
- 過去の営業実績をまとめる。
- 導入実績が豊富な企業を選ぶ。
- これまでの研究実績を紹介する。
- 実績を積んで信頼を得る。
3. 両方が使える場合は、文章の目的で選ぶ
例えば、ある営業担当者が今月20件の契約を獲得した場合には、成果とも実績とも表現できます。
営業方法を見直したことによって得られた結果を説明する場合には、「営業活動の成果」が自然です。
一方、実際に獲得した契約件数を報告する場合には、「今月の営業実績」が適しています。
どちらか一方だけが正しいと考えるのではなく、読み手に何を伝えたいのかを考えて選びましょう。
ビジネスメールでの「成果」と「実績」の使い分け
例文1:業務改善の成果を報告する場合
件名:業務改善の成果について
〇〇部長
お疲れさまです。
先月から取り組んでいる業務改善について、成果をご報告いたします。
作業手順の見直しと確認項目の整理を行った結果、対象業務の平均作業時間を短縮することができました。
詳細な数値と実施内容については、添付資料にまとめております。
今後も改善後の状況を確認し、必要に応じて追加の見直しを進めてまいります。
よろしくお願いいたします。
この例文では、取り組みによって得られた良い結果を報告しているため、「成果」が自然です。
例文2:営業実績を報告する場合
件名:今月の営業実績について
〇〇部長
お疲れさまです。
今月の営業実績について、ご報告いたします。
売上金額、契約件数および新規顧客の獲得件数を、添付資料にまとめました。
目標との比較や、前月からの変化についても併せて記載しております。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
この例文では、実際に達成した営業成績を報告しているため、「実績」が適しています。
例文3:成果と実績を併せて報告する場合
件名:業務改善の成果および実績のご報告
関係者各位
お疲れさまです。
今年度の業務改善活動について、成果と実績を取りまとめました。
今回の改善活動では、確認手順の見直しによって、作業時間の短縮という成果が得られました。
また、これまでに実施した改善活動と、その達成実績についても、資料に整理しております。
今後の業務改善に向けた参考資料として、ご活用いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
この例文では、今回の改善によって得られた結果を「成果」、これまでに達成した内容を「実績」として区別しています。
「成果」と「実績」を使う際によくある3つの間違い
1. 成果は現在、実績は過去だけを意味すると考える
成果は、今回の活動で得られた結果だけでなく、過去の研究成果などにも使用できます。
一方、実績は、過去の蓄積だけでなく、「今月の売上実績」のように、特定の期間における実際の成績を表すこともできます。
そのため、時間だけで両者を区別するのは適切ではありません。
2. 作業を完了しただけで成果が得られたと考える
例えば、研修を予定どおり開催したことと、研修によって必要な知識や技能を習得できたことは別です。
研修の成果について説明する場合には、受講者が何を得たのかなど、取り組みによって生まれた結果を具体的に確認する必要があります。
3. 実績を示すために、根拠のない数字を使用する
例えば、職務経歴書に「業務効率を50%向上させた」と記載する場合には、その数値について説明できる根拠が必要です。
正確な数字が分からない場合には、無理に数値化せず、実際に取り組んだ内容や確認できた結果を具体的に説明しましょう。
参考リンク
FAQ|「成果」と「実績」に関するよくある質問
Q1. 「成果」と「実績」は同じ意味ですか?
意味が重なる部分はありますが、中心となる意味には違いがあります。「成果」は、取り組みによって得られた良い結果です。一方、「実績」は、実際に示した功績や成績を意味します。同じ出来事について、両方の言葉を使用できる場合もあります。
Q2. 「成果を上げる」と「実績を上げる」はどちらが正しいですか?
どちらも正しい表現です。「成果を上げる」は、取り組みによって良い結果を得ることを意味します。「実績を上げる」は、実際に優れた成績や功績を達成することを意味します。
Q3. 「仕事の成果」と「仕事の実績」はどう違いますか?
「仕事の成果」は、業務に取り組んだことで得られた良い結果を説明する場合に使われます。一方、「仕事の実績」は、実際に達成してきた成績や功績を説明する場合に適しています。ただし、同じ仕事の結果を成果と実績の両方で説明できる場合もあります。
Q4. 「成果」と「結果」の違いは何ですか?
「結果」は、ある行為や原因によって生じた結末や状態を意味し、良い場合にも悪い場合にも使用できます。一方、「成果」は、あることに取り組んで得られた良い結果を意味します。
Q5. 「成果」と「効果」の違いは何ですか?
「成果」は、取り組みによって得られた良い結果です。一方、「効果」は、ある行為や方法などによって生じる働きや、その結果を意味します。例えば、新しい確認方法に入力ミスを減らす効果があり、その結果として業務改善の成果が得られた、という使い分けができます。
Q6. 「実績」と「経験」はどう違いますか?
「経験」は、実際に見聞きしたり、行ったりしたことです。一方、「実績」は、実際に示した功績や成績を意味します。仕事を経験したことと、その仕事で具体的な成果を達成したことは、分けて説明すると分かりやすくなります。
Q7. 「実績」と「業績」は同じ意味ですか?
意味が重なる場合はありますが、実績は実際に達成した功績や成績を幅広く表します。一方、業績は、仕事や事業などによって達成した成果や成績を表し、企業の売上や利益などの経営成績についてもよく使用されます。
Q8. 「成果が出ない」と「実績がない」はどう違いますか?
「成果が出ない」は、取り組んでも望ましい結果が得られていないことを意味します。一方、「実績がない」は、特定の仕事や分野で実際に達成した功績や成績が、まだ存在しない、または示せないことを意味します。
Q9. 履歴書や職務経歴書では、成果と実績のどちらを使いますか?
どちらも使用できます。業務に取り組んで得られた良い結果を説明する場合には「成果」、これまでに達成してきた仕事や成績を整理する場合には「実績」が適しています。実際の記載では、何に取り組み、何を達成したのかを具体的に示すことが重要です。
Q10. 実績が少ない場合は、何を書けばよいですか?
特別な受賞歴や大きな売上がなくても、これまでに担当した仕事や、日常業務で行った改善などを具体的に説明できます。ただし、担当しただけの業務と、実際に達成した成果は区別しましょう。根拠のない数字を使用せず、確認できる事実に基づいて記載することが大切です。
まとめ|「成果」は取り組んで得た良い結果、「実績」は実際に達成した功績や成績
「成果」と「実績」は、どちらも仕事や活動によって得られた結果に関係していますが、中心となる意味が異なります。
- 成果:あることに取り組んで得られた良い結果。業務改善の成果、研究成果、研修の成果などの表現で使用する。
- 実績:実際に示した功績や成績。営業実績、販売実績、研究実績、導入実績などの表現で使用する。
例えば、新しい営業方法によって契約件数を増やした場合には、「営業活動の成果が得られた」と表現できます。一方、過去3年間に達成してきた契約件数や売上金額などを紹介する場合には、「これまでの営業実績」が自然です。
ただし、成果が必ず現在の結果、実績が必ず過去の結果を意味するわけではありません。「過去の研究成果」「今月の売上実績」のように、どちらもさまざまな期間の結果について使用できます。
また、同じ出来事を成果と実績の両方で説明できる場合もあります。
取り組みによって何を得たのかを強調するなら「成果」、実際に何を達成してきたのかを示すなら「実績」と理解すると、仕事の報告書や人事評価、履歴書・職務経歴書などでも自然に使い分けられるでしょう。
