「指名」と「指定」の違いとは?意味・使い分けを会議・人事・契約・行政の例文で徹底解説

「会議の司会者を指名する」「会議の開催日時を指定する」。仕事や日常生活では、「指名」と「指定」という言葉をよく使います。

どちらも、複数の候補の中から特定のものを示したり、決めたりすることに関係しています。しかし、意味がまったく同じというわけではありません。

例えば、会議で司会を担当する社員を名前で選ぶ場合には、「司会者を指名する」という表現が自然です。一方、会議を開催する日時や使用する会議室を決める場合には、「日時を指定する」「会議室を指定する」と表現します。

では、「担当者を指名する」と「担当者を指定する」では、何が違うのでしょうか。また、行政で使われる「指名競争入札」と「指定管理者」は、それぞれどのような意味なのでしょうか。

「指名」は、名前を挙げて特定の人などを示すこと。「指定」は、人・日時・場所・物事などを、特にそれと決めることです。

この記事では、指名と指定の違いを比較表で整理し、会議、人事、業務の担当者、契約、行政、イベントなどの具体例を交えて解説します。さらに、「任命」「指示」「選定」との違いや、ビジネスメールでの自然な使い分けも紹介します。

  1. 結論|「指名」は名前を挙げること、「指定」は対象を特定して決めること
  2. 【徹底比較】「指名」と「指定」の違いを一覧表で解説
  3. 「指名」とは?意味・特徴・正しい使い方
    1. 指名は、名前を挙げて特定の人などを示すこと
    2. 人の名前を挙げる場合に使いやすい
    3. 指名は、特定の会社などについても使われる
    4. 指名しただけで、正式な役職に就いたとは限らない
  4. 「指定」とは?意味・特徴・正しい使い方
    1. 指定は、人・日時・場所・物事などを特定して決めること
    2. 指定は、人以外にも幅広く使える
    3. 指定は、人を対象にする場合もある
    4. 指定は、行政上の正式な用語にもなる
  5. 「担当者を指名する」と「担当者を指定する」はどう違う?
    1. 「担当者を指名する」は、特定の人を名前で選ぶことに注目する
    2. 「担当者を指定する」は、誰が担当するかを決めることに注目する
    3. どちらも使える場合は、文章の目的で選ぶ
  6. 会議では「指名」と「指定」をどう使い分ける?
    1. 司会者や発表者を選ぶなら「指名」
    2. 開催日時や場所を決めるなら「指定」
    3. 発表者の順番や持ち時間も「指定」できる
  7. 人事では「指名」と「指定」をどう使い分ける?
    1. 候補者を名前で示すなら「指名」
    2. 業務を担当する人を決めるなら「指定」も自然
    3. 人事上の正式な手続きは、規程に合わせる
  8. 「指名」と「任命」の違いとは?
    1. 指名は、特定の人を名前で示すこと
    2. 任命は、特定の役職に就けること
    3. 指名と任命が、別々の手続きになる場合もある
  9. 「指名」と「指定」は、行政でどう使い分けられる?
    1. 指名競争入札では、参加する事業者を指名する
    2. 指定管理者制度では、公の施設を管理する団体を指定する
    3. 指名と指定は、法律上の効果も異なる
  10. 「指名競争入札」と「指定管理者」はどう違う?
  11. 「日時を指名する」と「日時を指定する」は、どちらが正しい?
    1. 日時は「指定する」
    2. 日時について「指名する」は通常使わない
    3. 担当者と日時を一つの文章で使い分ける
  12. 「場所を指名する」と「場所を指定する」は、どちらが正しい?
    1. 集合場所を決めるなら「指定」
    2. 会議室や座席についても「指定」
    3. 人を選ぶ場合と、場所を決める場合を区別する
  13. 「指名」と「指示」の違いとは?
    1. 指名は、誰に任せるかを示すこと
    2. 指示は、何をどのように行うかを示すこと
    3. 指名した後に、指示する場合もある
  14. 「指名」と「選定」の違いとは?
    1. 指名は、名前を挙げて特定の人などを示すこと
    2. 選定は、条件に合うものを選んで決めること
    3. 選定した後に、指名する場合もある
  15. 「指名」と「指定」の例文を場面別に比較
  16. 【実践】「指名」と「指定」を迷わず使い分ける3つの判断基準
    1. 1. 名前を挙げて特定の人などを示すなら「指名」
    2. 2. 日時・場所・物事などを特定して決めるなら「指定」
    3. 3. 正式な制度については、法令や規程の用語を確認する
  17. ビジネスメール・社内通知での「指名」と「指定」の使い分け
    1. 例文1:会議の司会者を指名する場合
    2. 例文2:会議の日時と場所を指定する場合
    3. 例文3:担当者を指名し、作業場所を指定する場合
  18. 「指名」と「指定」を使う際によくある5つの間違い
    1. 1. 指名は、必ず人だけに使うと考える
    2. 2. 指定は、人には使えないと考える
    3. 3. 人を指名すれば、正式な任命も完了すると考える
    4. 4. 指定は、必ず一人の判断で決まると考える
    5. 5. 指名競争入札で指名されたら、契約が決まったと考える
  19. 参考リンク
  20. FAQ|「指名」と「指定」に関するよくある質問
    1. Q1. 「指名」と「指定」は同じ意味ですか?
    2. Q2. 「指名」と「指定」は、それぞれ何と読みますか?
    3. Q3. 「担当者を指名する」と「担当者を指定する」は、どちらが正しいですか?
    4. Q4. 「日時を指名する」と「日時を指定する」は、どちらが正しいですか?
    5. Q5. 「場所を指名する」という表現は使えますか?
    6. Q6. 「指名」と「任命」はどう違いますか?
    7. Q7. 「指名」と「指示」はどう違いますか?
    8. Q8. 「指名競争入札」とは何ですか?
    9. Q9. 「指定管理者」とは何ですか?
    10. Q10. 「指名」と「選定」は、どちらも人を選ぶことですか?
    11. Q11. 指名されたら、必ずその役職に就くことになりますか?
    12. Q12. ビジネスメールでは、「指名」と「指定」のどちらを使えばよいですか?
  21. まとめ|「指名」は名前を挙げること、「指定」は対象を具体的に決めること

結論|「指名」は名前を挙げること、「指定」は対象を特定して決めること

指名と指定の最も大きな違いは、名前を挙げて特定の人などを示すことに重点を置くのか、対象を特定して決めることに重点を置くのかという点です。

  • 指名(しめい):名前を挙げて、特定の人などを示すこと。会議の司会者、役職の候補者、仕事の担当者などについて使われる。
  • 指定(してい):人・日時・場所・物事などを、特にそれと決めること。集合場所、作業日時、使用する設備、担当者など、幅広い対象に使われる。

例えば、会議で発言してもらう人を選び、「次は田中さんにお願いします」と名前を挙げる場合には、「田中さんを指名する」が自然です。

一方、会議の開催場所を第2会議室に決める場合には、「会議室を指定する」と表現します。

ただし、「担当者を指名する」と「担当者を指定する」のように、どちらも使用できる場面があります。

その場合には、特定の人を名前で選ぶことを強調するなら「指名」、業務を担当する人を具体的に決めることを強調するなら「指定」と考えると使い分けやすくなります。

【徹底比較】「指名」と「指定」の違いを一覧表で解説

比較項目 指名 指定
読み方 しめい してい
基本的な意味 名前を挙げて特定の人などを示すこと 人・日時・場所・物事などを特定して決めること
主な着眼点 誰を選んだのか どの人・物・日時・場所などに決めたのか
代表的な対象 人、候補者、担当者、会社など 人、日時、場所、物、方法、範囲など
人について使えるか 使える。特によく使われる 使える
日時について使えるか 通常は使わない 使える
場所について使えるか 通常は使わない 使える
代表的な表現 司会者を指名する、指名を受ける、指名競争入札 日時を指定する、指定席、指定管理者
例文 部長が次の発表者を指名した。 部長が発表の順番と時間を指定した。

例えば、「会議の発表者を指名した」と「会議の発表者を指定した」は、どちらも意味が通じます。

ただし、「指名した」という文章では、特定の人を名前で選んだことが伝わりやすくなります。

一方、「指定した」という文章では、発表する人を特定して決めたことが中心になります。

ただし、指名も指定も、必ず一人の判断だけで決まるとは限りません。正式な役職や制度については、適用される法令や規程を確認する必要があります。

「指名」とは?意味・特徴・正しい使い方

指名は、名前を挙げて特定の人などを示すこと

「指名」は、名前を挙げて、特定の人などを示すことを意味します。

例えば、次のような表現があります。

  • 会議の司会者を指名する。
  • 次の発表者として、田中さんを指名する。
  • 委員長の候補者を指名する。
  • 取引先から担当者の指名を受ける。
  • 入札への参加を認める会社を指名する。

これらに共通するのは、誰を対象とするのかを明確に示している点です。

人の名前を挙げる場合に使いやすい

例えば、会議で複数の参加者が発言を希望している場合を考えてみましょう。

司会者が「次は佐藤さんに発言していただきます」と伝えた場合には、「佐藤さんを指名した」という表現が自然です。

この場合、参加者の中から、発言する人を名前で示しています。

指名は、特定の会社などについても使われる

例えば、「指名競争入札」という言葉があります。

この制度では、一定の条件のもとで、入札に参加してもらう事業者を指名します。

このように、指名は個人について使われることが多いものの、会社などの組織を対象とする場合もあります。

指名しただけで、正式な役職に就いたとは限らない

例えば、会社でプロジェクト責任者の候補者として、特定の社員が指名されたとします。

しかし、会社の規程によって、正式な任命には別の手続きが必要になる場合があります。

そのため、候補者として指名されたことと、正式に任命されたことは、必ずしも同じではありません。

「指定」とは?意味・特徴・正しい使い方

指定は、人・日時・場所・物事などを特定して決めること

「指定」は、人・日時・場所・物事などを、特にそれと決めることを意味します。

例えば、次のような表現があります。

  • 会議の開催日時を指定する。
  • 集合場所を指定する。
  • 使用する設備を指定する。
  • 作業の担当者を指定する。
  • 必要な書類の提出方法を指定する。

これらに共通するのは、複数の選択肢が考えられる中で、対象を具体的に定めていることです。

指定は、人以外にも幅広く使える

例えば、イベントの集合場所を駅前の広場に決める場合には、「集合場所を指定する」という表現が自然です。

また、資料の提出期限を10月10日に決める場合には、「提出期限を指定する」と表現できます。

このように、指定は、日時や場所、方法など、人以外の対象についても広く使用できます。

指定は、人を対象にする場合もある

例えば、会社の業務管理システムで、ある案件の担当者を鈴木さんに決める場合を考えてみましょう。

この場合、「担当者に鈴木さんを指定する」という表現が自然です。

人を対象にしているからといって、必ず指名を使わなければならないわけではありません。

指定は、行政上の正式な用語にもなる

例えば、地方自治法では、公の施設の管理について「指定管理者」という制度が定められています。

このように、指定は、行政機関が法令などに基づいて特定の資格や地位を与える場合にも使用されます。

ただし、一般的な「指定する」という言葉と、法律上の指定では、必要な手続きや効果が異なります。正式な制度について説明する場合には、根拠となる法令を確認しましょう。

「担当者を指名する」と「担当者を指定する」はどう違う?

指名と指定の使い分けで特に迷いやすいのが、「担当者」を対象にする場合です。

「担当者を指名する」は、特定の人を名前で選ぶことに注目する

例えば、部長が新しい案件について、複数の社員の中から田中さんを担当者として選ぶ場合を考えてみましょう。

「今回の案件について、田中さんを担当者に指名しました。」

この文章では、特定の人を名前で選んだことが中心になります。

「担当者を指定する」は、誰が担当するかを決めることに注目する

一方、業務管理システムで担当者を登録する場合には、次のような文章が自然です。

「案件ごとに担当者を指定してください。」

この場合、業務を進めるために、担当する人を具体的に決めることが中心です。

どちらも使える場合は、文章の目的で選ぶ

例えば、「新しい案件の担当者を指名した」と「新しい案件の担当者を指定した」は、どちらも自然な場合があります。

前者は、特定の人を選んだことに、後者は、担当者を特定して決めたことに重点が置かれています。

ただし、会社の規程などで正式な用語が定められている場合には、その表記を優先しましょう。

会議では「指名」と「指定」をどう使い分ける?

会議では、指名と指定の両方が使用されます。

司会者や発表者を選ぶなら「指名」

例えば、会議の司会者を選ぶ場合には、次のような文章が自然です。

「本日の司会者として、佐藤さんを指名します。」

この場合、複数の参加者の中から、特定の人を名前で選んでいます。

開催日時や場所を決めるなら「指定」

一方、会議の開催日時や会議室を決める場合には、「指定」が適しています。

「会議の開催日時を指定する。」

「使用する会議室を指定する。」

日時や場所については、通常「指名」を使用しません。

発表者の順番や持ち時間も「指定」できる

例えば、複数の社員が順番に発表する会議では、司会者が発表者を指名し、各自の発表時間を指定する場合があります。

このように、一つの会議の中で、指名と指定を使い分けることができます。

人事では「指名」と「指定」をどう使い分ける?

会社の人事では、候補者の指名、担当者の指定、役職への任命など、複数の言葉が使用されます。

候補者を名前で示すなら「指名」

例えば、新しい部長の候補者として、特定の社員を選ぶ場合には、「部長候補として〇〇氏を指名する」という表現が考えられます。

ただし、候補者を指名したことと、正式に部長へ任命したことは、必ずしも同じではありません。

業務を担当する人を決めるなら「指定」も自然

例えば、顧客からの問い合わせについて、担当部署が対応する社員を決める場合には、「問い合わせごとに担当者を指定する」という表現が自然です。

人事上の正式な手続きは、規程に合わせる

例えば、会社の社内規程で「管理責任者を任命する」と定めている場合には、正式な通知でも「任命」を使用することが適切です。

単に人を選んだことを説明する場合と、正式な役職を与える場合とでは、必要な表現が異なることがあります。

「指名」と「任命」の違いとは?

指名と似た言葉に「任命」があります。

指名は、特定の人を名前で示すこと

例えば、会議の司会者として特定の社員を選ぶ場合には、「司会者を指名する」という表現が自然です。

この場合、誰を選ぶのかという点が中心です。

任命は、特定の役職に就けること

一方、正式にプロジェクト責任者の役職を与える場合には、「責任者に任命する」という表現が使われます。

指名と任命が、別々の手続きになる場合もある

例えば、日本国憲法では、内閣総理大臣について、国会による指名と、国会の指名に基づく天皇による任命が、それぞれ定められています。

このように、指名されたことと、任命されたことは、制度上、異なる段階を表す場合があります。

詳しくは、「任命」と「指名」の違いを解説した記事をご覧ください。

「指名」と「指定」は、行政でどう使い分けられる?

行政の分野では、指名と指定が、それぞれ正式な制度名に使用されています。

ただし、名称が似ていても、法律上の目的や手続きは異なります。

指名競争入札では、参加する事業者を指名する

例えば、地方公共団体が一定の条件のもとで指名競争入札を行う場合には、入札への参加資格を持つ事業者の中から、参加してもらう事業者を指名します。

この場合、どの事業者を入札に参加させるのかを示すことが中心です。

指定管理者制度では、公の施設を管理する団体を指定する

一方、地方自治法第244条の2では、地方公共団体が、公の施設の管理を行う団体を指定管理者として指定できることが定められています。

指定管理者の指定には、条例や議会の議決など、法律上の手続きが関係します。

指名と指定は、法律上の効果も異なる

例えば、指名競争入札で参加者として指名された事業者は、その時点で必ず契約の相手方に決まったわけではありません。

一方、指定管理者として指定された団体には、法令や条例などに基づく、施設の管理に関する地位が与えられます。

このように、指名と指定は、単に言葉のニュアンスが異なるだけでなく、制度によって法的な意味も異なります。

「指名競争入札」と「指定管理者」はどう違う?

行政の文書に登場する「指名競争入札」と「指定管理者」は、どちらも特定の事業者や団体を選ぶことに関係しますが、制度の目的が異なります。

比較項目 指名競争入札 指定管理者制度
中心となる行為 入札に参加する事業者を指名する 公の施設を管理する団体を指定する
主な目的 契約の相手方を決めるための入札を実施する 公の施設を管理する団体を定める
指名・指定された後 入札手続きが行われる 指定管理者として施設の管理を担う
根拠となる主な法令 地方自治法・地方自治法施行令など 地方自治法第244条の2など

なお、上記は地方公共団体の制度を中心とした一般的な説明です。具体的な手続きや対象となる事業者の条件などは、適用される法令や条例、個別の制度によって異なります。

「日時を指名する」と「日時を指定する」は、どちらが正しい?

日時を具体的に決める場合には、「指定する」が自然です。

日時は「指定する」

例えば、次のような文章です。

「面接の日時を指定する。」

「会議の開催日時を指定する。」

「商品の配達日時を指定する。」

いずれも、日時を具体的に決めることを表しています。

日時について「指名する」は通常使わない

「指名」は、名前を挙げて特定の人などを示すことです。

そのため、通常、「面接の日時を指名する」「配達時間を指名する」とは表現しません。

担当者と日時を一つの文章で使い分ける

例えば、次のような文章が考えられます。

「面接担当者を指名し、面接日時を指定しました。」

この文章では、担当者については「指名」、日時については「指定」を使用しています。

「場所を指名する」と「場所を指定する」は、どちらが正しい?

場所を具体的に決める場合にも、「指定する」が自然です。

集合場所を決めるなら「指定」

例えば、「集合場所を駅前の広場に指定する」という文章です。

この場合、複数の場所の中から、集合する場所を具体的に決めています。

会議室や座席についても「指定」

例えば、「使用する会議室を指定する」「参加者の座席を指定する」などの表現です。

なお、「指定席」という言葉も、あらかじめ座席が決められていることを意味します。

人を選ぶ場合と、場所を決める場合を区別する

例えば、イベントの受付担当者を選び、その人が待機する場所を決める場合には、次のように書けます。

「受付担当者を指名し、待機場所を指定しました。」

このように、何を決めたのかを明確にすると、自然に使い分けられます。

「指名」と「指示」の違いとは?

指名と混同しやすい言葉に「指示」があります。

指名は、誰に任せるかを示すこと

例えば、「田中さんを会議の司会者に指名する」という文章です。

この場合、誰を司会者として選ぶかという点が中心です。

指示は、何をどのように行うかを示すこと

一方、「田中さんに会議の進行方法を指示する」という文章では、担当者に対して、具体的な行動や方法を伝えています。

指名した後に、指示する場合もある

例えば、ある社員をプロジェクトの担当者に指名した後、作業手順や期限について指示する場合があります。

この場合、指名と指示は、異なる行為です。

また、「指示」と「指定」の違いについては、「指示」と「指定」の違いを詳しく解説した記事も参考になります。

「指名」と「選定」の違いとは?

「指名」と似た意味を持つ言葉に「選定」があります。

指名は、名前を挙げて特定の人などを示すこと

例えば、会議の発表者として特定の社員を名前で選ぶ場合には、「発表者を指名する」という表現が自然です。

選定は、条件に合うものを選んで決めること

一方、「選定」は、複数の候補の中から、条件に合うものを選んで決めることを意味します。

例えば、「複数の候補から、新しい取引先を選定する」という文章です。

選定した後に、指名する場合もある

例えば、ある会議の発表者について、経験や担当業務などを考慮して適任者を選定し、その後、発表者として正式に指名する場合があります。

この場合、候補を比較して決めることと、名前を挙げて示すことを区別できます。

詳しくは、「選択」と「選定」の違いを解説した記事をご覧ください。

「指名」と「指定」の例文を場面別に比較

場面 指名を使った例文 指定を使った例文
会議 司会者として田中さんを指名する。 会議の開催日時を指定する。
業務分担 部長が新しい担当者を指名する。 案件ごとに担当者を指定する。
人事 新しい部長の候補者を指名する。 特定の業務を担当する社員を指定する。
イベント 代表者として佐藤さんを指名する。 イベントの集合場所を指定する。
契約 契約交渉を担当する人を指名する。 商品の納品場所を指定する。
行政 入札に参加する事業者を指名する。 公の施設の指定管理者を指定する。
システム レビュー担当者を指名する。 ファイルの保存先を指定する。

このように、指名は、名前を挙げて特定の人などを示す場合に使いやすく、指定は、人・日時・場所・物事などを具体的に決める場合に幅広く使用できます。

【実践】「指名」と「指定」を迷わず使い分ける3つの判断基準

1. 名前を挙げて特定の人などを示すなら「指名」

例えば、会議の司会者や、プロジェクトの候補者などについて、特定の人を名前で選ぶ場合には、「指名」が自然です。

  • 会議の司会者を指名する。
  • 次の発表者を指名する。
  • 部長候補として〇〇氏を指名する。

2. 日時・場所・物事などを特定して決めるなら「指定」

例えば、会議の開催日時や集合場所、使用する設備などを具体的に決める場合には、「指定」が適しています。

  • 会議の日時を指定する。
  • 集合場所を指定する。
  • 作業に使用する設備を指定する。
  • 書類の提出方法を指定する。

3. 正式な制度については、法令や規程の用語を確認する

例えば、地方公共団体の指名競争入札では、入札に参加する事業者を指名します。

一方、指定管理者制度では、公の施設を管理する団体を指定します。

このように、法令や規程で正式な用語が決まっている場合には、その表記を優先することが重要です。

ビジネスメール・社内通知での「指名」と「指定」の使い分け

例文1:会議の司会者を指名する場合

件名:次回会議の司会者について

関係者各位

お疲れさまです。

次回の定例会議について、司会者を決定いたしましたので、お知らせいたします。

今回の司会者には、田中さんを指名いたしました。

田中さんには、会議当日の進行および議題の確認をお願いいたします。

なお、会議の開催日時および会場につきましては、改めてご案内いたします。

よろしくお願いいたします。

この例文では、特定の社員を名前で選んでいるため、「指名」が自然です。

例文2:会議の日時と場所を指定する場合

件名:打ち合わせ日時および会場のご案内

〇〇株式会社
営業部 〇〇様

いつも大変お世話になっております。

先日ご相談いたしました打ち合わせについて、開催日時と会場が決まりましたので、ご案内いたします。

日時:〇月〇日 午後2時から
会場:弊社第2会議室

当日は、上記の日時と会場にてお待ちしております。

ご不明な点がございましたら、お知らせください。

何卒よろしくお願い申し上げます。

この例文では、日時と場所を具体的に決めています。社内向けの説明文では、「日時と会場を指定しました」と表現できます。

例文3:担当者を指名し、作業場所を指定する場合

件名:設備点検の担当者および実施場所について

関係者各位

お疲れさまです。

来週実施する設備点検について、担当者および実施場所が決まりましたので、ご案内いたします。

今回の点検担当者には、鈴木さんを指名いたしました。

また、点検の実施場所については、第3工場の設備エリアを指定しております。

作業内容や安全上の注意事項などにつきましては、添付資料をご確認ください。

よろしくお願いいたします。

この例文では、担当者について「指名」、作業場所について「指定」を使用しています。

「指名」と「指定」を使う際によくある5つの間違い

1. 指名は、必ず人だけに使うと考える

指名は、人を名前で選ぶ場合によく使用されますが、会社などの組織についても使われる場合があります。

例えば、「指名競争入札」では、入札に参加する事業者を指名します。

2. 指定は、人には使えないと考える

指定は、日時や場所などに幅広く使われる言葉ですが、人を対象にすることもできます。

例えば、「案件の担当者を指定する」という文章は自然です。

3. 人を指名すれば、正式な任命も完了すると考える

例えば、プロジェクト責任者の候補として指名された人が、正式な任命手続きを経ていない場合があります。

候補者として指名されたことと、正式に役職へ就いたことは、必要に応じて区別しましょう。

4. 指定は、必ず一人の判断で決まると考える

例えば、行政上の指定については、法令や条例に基づく手続きが必要になる場合があります。

そのため、指定という言葉だけで、誰がどのように決定するかを判断することはできません。

5. 指名競争入札で指名されたら、契約が決まったと考える

指名競争入札で事業者が指名されたことは、通常、入札に参加する対象として選ばれたことを意味します。

その時点で、必ず契約の相手方に決まったわけではありません。

正式な契約の相手方がどのように決まるかは、適用される法令や入札手続きなどを確認する必要があります。

参考リンク

FAQ|「指名」と「指定」に関するよくある質問

Q1. 「指名」と「指定」は同じ意味ですか?

意味が重なる部分はありますが、中心となる意味は異なります。指名は、名前を挙げて特定の人などを示すことです。一方、指定は、人・日時・場所・物事などを、特にそれと決めることを意味します。

Q2. 「指名」と「指定」は、それぞれ何と読みますか?

「指名」は「しめい」、「指定」は「してい」と読みます。

Q3. 「担当者を指名する」と「担当者を指定する」は、どちらが正しいですか?

どちらも文脈によって使用できます。特定の人を名前で選ぶことに注目するなら「指名」、誰が担当するかを具体的に決めることに注目するなら「指定」が使いやすいでしょう。

Q4. 「日時を指名する」と「日時を指定する」は、どちらが正しいですか?

日時を具体的に決める場合には、「日時を指定する」が自然です。指名は、主に名前を挙げて特定の人などを示す場合に使用されます。

Q5. 「場所を指名する」という表現は使えますか?

通常、場所を具体的に決める場合には、「場所を指定する」と表現します。例えば、「集合場所を指定する」「会議室を指定する」などが自然です。

Q6. 「指名」と「任命」はどう違いますか?

指名は、名前を挙げて特定の人などを示すことです。一方、任命は、ある人を特定の官職や役職に就かせることを意味します。指名と任命が別々の手続きとして設けられている場合もあります。

Q7. 「指名」と「指示」はどう違いますか?

指名は、特定の人などを名前で示すことです。一方、指示は、何をどのように行うかなどを示すことを意味します。例えば、社員を作業担当者に指名した後、その社員に作業手順を指示する場合があります。

Q8. 「指名競争入札」とは何ですか?

一定の条件のもとで、入札に参加してもらう事業者を指名し、その事業者によって入札を行う方式です。地方公共団体の指名競争入札については、地方自治法や地方自治法施行令などに規定があります。

Q9. 「指定管理者」とは何ですか?

地方自治法に基づき、地方公共団体が公の施設の管理を行わせるために指定する法人その他の団体のことです。具体的な指定手続きは、法令や条例などによって定められています。

Q10. 「指名」と「選定」は、どちらも人を選ぶことですか?

指名は、名前を挙げて特定の人などを示すことです。一方、選定は、条件に合うものを選んで決めることを意味し、人だけでなく、商品やサービス、取引先などについても使用できます。

Q11. 指名されたら、必ずその役職に就くことになりますか?

必ずしもそうではありません。例えば、ある役職の候補者として指名された場合でも、正式な任命や選任など、別の手続きが必要になる場合があります。

Q12. ビジネスメールでは、「指名」と「指定」のどちらを使えばよいですか?

特定の社員や候補者を名前で選ぶ場合には「指名」、日時や場所、作業方法などを具体的に決める場合には「指定」が使いやすいでしょう。ただし、担当者など、人を対象にする場合には、どちらも自然なことがあります。

まとめ|「指名」は名前を挙げること、「指定」は対象を具体的に決めること

「指名」と「指定」は、どちらも特定の対象を示したり、決めたりすることに関係していますが、中心となる意味には違いがあります。

  • 指名:名前を挙げて特定の人などを示すこと。会議の司会者、役職の候補者、仕事の担当者などについて使われる。
  • 指定:人・日時・場所・物事などを、特にそれと決めること。集合場所、作業日時、使用する設備、担当者など、幅広い対象に使用できる。

例えば、会議の司会者として特定の社員を選ぶ場合には、「司会者を指名する」という表現が自然です。

一方、会議の開催日時や会議室を具体的に決める場合には、「日時を指定する」「会議室を指定する」と表現します。

ただし、「担当者を指名する」と「担当者を指定する」のように、どちらも使用できる場面があります。その場合には、名前を挙げて特定の人を選ぶことを強調するのか、担当する人を具体的に決めることを強調するのかによって選びましょう。

また、指名競争入札や指定管理者制度のように、行政では指名と指定が、それぞれ正式な制度名として使用される場合があります。

名前を挙げて特定の人などを示すなら「指名」、人・日時・場所・物事などを具体的に決めるなら「指定」。正式な制度や人事手続きでは、法令や規程で定められた用語を使用すると理解すると、会議、人事、契約、行政、ビジネス文書などでも自然に使い分けられるでしょう。

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