仕事のメールや会議、レポートなどで、
「まず大まかな概要をご説明します」
という表現を使ったことはないでしょうか。
意味は十分に伝わります。
しかし、あとから文章を読み返して、
- 「概要」の中にすでに「大まか」という意味が含まれているのでは?
- 「大まかな概要」は意味が重複している?
- 「頭痛が痛い」のような重言なの?
- ビジネス文書では避けたほうがいい?
- 「概要」「概略」「要約」のどれに言い換えればいい?
と気になることがあります。
結論からいうと、「大まかな概要」は意味の重なりがある表現です。
「概要」自体が、物事全体の要点をまとめたもの・あらましを意味するため、「大まかな」を付けると、
「大まかな、あらまし」
のように意味が重なるからです。
そのため、簡潔な文章を目指すなら、
「概要」
だけで十分な場合が多いでしょう。
ただし、「大まかな概要」が意味の通じない誤った日本語というわけではありません。
実際の会話では、
「本当にざっくりした内容だけ」
「概要の中でも、さらに大枠だけ」
という程度を強調するために使われることがあります。
したがって、
「大まかな概要」=絶対に間違い
と機械的に判断するより、
意味の重複を避けたい文章では「概要」「概略」「全体像」などへ言い換える
と考えるのが実用的です。
この記事では、「大まかな概要」はおかしいのかを中心に、「概要」の意味、「概略」「要約」「要旨」「全体像」「あらまし」との違い、ビジネスで使える自然な言い換えまで詳しく解説します。
- 結論:「大まかな概要」は意味が重なるが、必ずしも誤用ではない
- 「概要」とは?
- 「概要」を簡単にいうと?
- 「大まか」とは?
- なぜ「大まかな概要」は意味が重なる?
- 「大まかな概要」は重言?
- 「大まかな概要」が自然に感じられる理由
- それでも正式な文章では「概要」だけがすっきり
- 「大まかな概要」の自然な言い換え
- 最も簡単な修正は「大まかな」を取る
- 「大まかな内容」に言い換える
- 「全体像」に言い換える
- 「大枠」に言い換える
- 「概要」と「概略」の違い
- 「概要」と「概況」の違い
- 「概要」と「要約」の違い
- 「概要」と「要旨」の違い
- 「概要」と「あらまし」の違い
- 「概要」と「大要」の違い
- 「概要」と「全体像」の違い
- 「概要」と「アウトライン」の違い
- 「ざっくり概要」はどう?
- 「簡単な概要」はおかしい?
- 「概要を簡単に説明する」は自然
- 「概要をざっくり説明する」は?
- ビジネスメールで「大まかな概要」をどう直す?
- 「大まかな概要を教えてください」の言い換え
- 「大まかな概要を把握する」の言い換え
- 「大まかな概要をまとめる」の言い換え
- 「概要をまとめる」も重複?
- 重言はすべて間違いではない
- 重複表現を見つける方法
- 「概要」が向いている場面
- 「概略」が向いている場面
- 「要約」が向いている場面
- 「全体像」が向いている場面
- 「大枠」が向いている場面
- 「大まかな概要」を使った文章の修正例15選
- 「大まかな概要」があえて有効な場合
- 「大まかな概要」を避けたほうがよい場面
- 会話では神経質になりすぎなくてよい
- 「概要」と一緒に使いやすい表現
- 「大まかな」を使うなら何と組み合わせる?
- 「概要」を使った例文20選
- 「概要」の英語は?
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
- 参考リンク
結論:「大まかな概要」は意味が重なるが、必ずしも誤用ではない
最初に結論を整理しましょう。
| 確認ポイント | 答え |
|---|---|
| 「大まかな概要」は意味が通じる? | 通じる |
| 意味は重複している? | ある程度重複している |
| 絶対に間違った日本語? | 一律に誤りとは言い切れない |
| 正式な文章では? | 「概要」だけにすると簡潔 |
| さらにざっくり感を出したい場合 | 「大まかな内容」「全体像」「大枠」なども使える |
「概要」という言葉自体に、
細部ではなく、全体の要点をまとめたもの
という意味があります。
一方、「大まか」は、細かな部分にこだわらず、おおよその状態を表す言葉です。
そのため、両方を組み合わせると意味が一部重なります。
文章を短く整えたいなら、
「大まかな概要をご説明します」
より、
「概要をご説明します」
のほうがすっきりします。
「概要」とは?
「概要」は、
がいよう
と読みます。
辞書では、全体の要点を取りまとめたもの、あらまし、大要といった意味で説明されています。
つまり、ある物事について細部をすべて説明するのではなく、
「全体として何なのかがわかるように重要な部分をまとめたもの」
が概要です。
例
- 事業の概要
- 事件の概要
- 計画の概要
- 会社概要
- システム概要
- 調査概要
- プロジェクト概要
などと使います。
「概要」を簡単にいうと?
もっと簡単に言えば、
「全体をざっくり理解するためのまとめ」
です。
たとえば100ページある事業計画書について、
- 何をする事業なのか
- 誰を対象にしているのか
- いつ実施するのか
- どのくらいの規模なのか
など、重要な部分だけを短くまとめたものを「事業概要」と呼ぶことができます。
したがって、「概要」という言葉そのものが、すでに詳細ではなく全体像を簡潔に示す性質を持っています。
「大まか」とは?
「大まか」は、
おおまか
と読みます。
細かな点にこだわらないこと、緻密ではないこと、おおざっぱであることを表します。
よく使う例
- 大まかな予定
- 大まかな金額
- 大まかな流れ
- 大まかな計画
- 大まかな見積もり
- 大まかな内容
これらはいずれも、
「細部まで確定・把握しているわけではなく、大体のところ」
を意味します。
なぜ「大まかな概要」は意味が重なる?
二つの意味を並べてみるとわかります。
大まか=細部にこだわらず、おおよそ
概要=全体の要点をまとめた、あらまし
です。
どちらにも、
「細部ではなく全体をざっくり捉える」
という意味があります。
そのため、
「大まかな概要」
は、意味の構造として、
「大まかな、大まかな内容」
に近くなります。
この点から、重複感のある表現だと考えることができます。
「大まかな概要」は重言?
「重言」は、
じゅうげん
と読みます。
同じ意味を持つ語を重ねて使う表現のことです。
代表例としては、
- 馬から落馬する
- 後で後悔する
- 半紙の紙
などが挙げられます。
「大まかな概要」も意味が重なっているため、重言的な表現と考えることはできます。
ただし、「馬から落馬する」とまったく同じ構造ではありません。
「大まかな」は「概要」がどの程度詳しいのかを修飾している、と解釈することもできるからです。
つまり、
「概要の中でも特にざっくりした概要」
という程度の強調として理解することもできます。
そのため、
重複しているから必ず文法的に誤り
とまでは言い切れません。
「大まかな概要」が自然に感じられる理由
実際の会話では、「概要」にも詳しさの違いがあります。
たとえば、
「まず概要を説明してください」
と言われた場合でも、
30秒で説明する概要と、10分かけて説明する概要では情報量が違います。
そこで、
「まず本当に大まかな概要だけ説明します」
と言えば、
「細かい説明は後回しにして、最初は本当に大枠だけ話す」
という意味を強調できます。
つまり、「大まかな」は完全に無意味な飾りではなく、概要の詳しさ・粗さの程度を示している場合があります。
それでも正式な文章では「概要」だけがすっきり
意味は理解できますが、ビジネス文書・報告書・論文などでは、冗長な表現を避けたほうが文章が読みやすくなります。
変更前
「以下に、本プロジェクトの大まかな概要を記載します。」
変更後
「以下に、本プロジェクトの概要を記載します。」
意味はほとんど変わりません。
しかも、後者のほうが簡潔です。
したがって、特別に「かなりざっくりした説明」であることを強調する必要がなければ、「概要」だけで十分でしょう。
「大まかな概要」の自然な言い換え
表したいニュアンスによって、次のように言い換えられます。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| 概要 | 全体の要点をまとめる |
| 概略 | 細部を省いたおおよその内容 |
| 全体像 | 物事全体の構造・姿 |
| 大枠 | 細部を除いた大きな枠組み |
| あらまし | おおよその内容 |
| 大要 | 重要な部分を大きくまとめたもの |
| 概要だけ | 詳細には入らないことを明確にする |
| 簡単な概要 | 短く説明することを強調 |
最も簡単な修正は「大まかな」を取る
多くの場合、
「大まかな概要」
から
「大まかな」
を取るだけで自然になります。
変更前
「サービスの大まかな概要をご説明します。」
変更後
「サービスの概要をご説明します。」
これだけで十分です。
「大まかな内容」に言い換える
「概要」という硬めの言葉を避けたいなら、
「大まかな内容」
も自然です。
例
「まず大まかな内容をご説明します。」
この場合、
「内容」自体には「大まか」という意味が含まれていないため、意味の重複はありません。
会話・説明会などでは非常に使いやすい表現です。
「全体像」に言い換える
プロジェクトや制度の構造を説明したい場合は、
「全体像」
が適しています。
変更前
「最初に制度の大まかな概要を説明します。」
変更後
「最初に制度の全体像を説明します。」
「全体像」は、細かな部分ではなく、物事全体がどのように構成されているかを示すときに向いています。
「大枠」に言い換える
まだ詳細が決まっておらず、大きな方向性だけが決まっている場合には、
「大枠」
も使えます。
例
「新制度の大枠が決まりました。」
「まず計画の大枠をご説明します。」
「概要」よりも、枠組み・方向性というニュアンスが強い表現です。
「概要」と「概略」の違い
「大まかな概要」の言い換えとして、「概略」も候補になります。
「概要」と「概略」は非常に近い意味です。
概要は、全体の要点をまとめたもの。
概略は、おおよその内容・あらまし。
という意味です。
| 比較項目 | 概要 | 概略 |
|---|---|---|
| 読み方 | がいよう | がいりゃく |
| 中心 | 全体の要点 | おおよその内容 |
| よく使う例 | 会社概要、事業概要 | 事件の概略、計画の概略 |
| ニュアンス | 要点をまとめる | 細部を省いた大筋 |
そのため、
「まず大まかな概要を説明します」
を、
「まず概略を説明します」
とすれば、簡潔に表現できます。
「概要」と「概略」の詳しい違いはこちらの記事で解説しています。
「概要」と「概略」の違いとは?意味・使い分けをビジネスや文章の例文で解説
「概要」と「概況」の違い
「概況」も「概要」と似ていますが、意味は少し異なります。
概要は、物事全体の要点をまとめたもの。
概況は、現在の大まかな状況・ありさま。
を表します。
概要
「新事業の概要を説明する。」
→ 事業がどのようなものかをまとめる。
概況
「市場の概況を報告する。」
→ 現在、市場がどのような状況なのかを大きく説明する。
したがって、現在の状況を説明する場合には「概況」が適していることがあります。
「概要」と「概況」の違いとは?意味・使い分けを報告書・調査・ビジネスの例文で徹底解説
「概要」と「要約」の違い
「概要」と「要約」も混同されやすい言葉です。
概要は、物事全体の要点をまとめたものです。
要約は、もともと存在する文章・話などから重要な部分を抜き出し、短くまとめることです。
| 比較項目 | 概要 | 要約 |
|---|---|---|
| 中心 | 物事全体のあらまし | 文章・話の要点を短くまとめる |
| 対象 | 事業、会社、計画、事件など幅広い | 文章、講演、会議内容など |
| 例 | 会社概要 | 文章を要約する |
会社概要
会社の名称、所在地、事業内容などを簡潔にまとめる。
文章の要約
長い文章を読み、重要な内容を短くまとめ直す。
したがって、
「概要=全体像を示す」
「要約=元の内容を短くまとめる」
と覚えるとわかりやすいでしょう。
「要約」と関連する言葉についてはこちらの記事も参考になります。
「要約」と「要旨」の違いとは?意味・使い分けを例文でわかりやすく解説
「概要」と「要旨」の違い
「要旨」は、文章・発言などで述べようとしている主要な点を意味します。
たとえば、
- 講演の要旨
- 論文の要旨
- 発言の要旨
などです。
「概要」が物事全体について使えるのに対し、「要旨」は文章・発言・主張の中心部分という意味を持ちやすい言葉です。
「概要」と「あらまし」の違い
「あらまし」は、おおよその内容・概要を意味します。
意味としては非常に近い言葉です。
「概要」が漢語でやや硬いのに対し、「あらまし」は和語で少しやわらかい印象があります。
概要
「事件の概要を説明する。」
あらまし
「事件のあらましを説明する。」
どちらも使えますが、ビジネス資料・公式文書では「概要」のほうがよく使われます。
「概要」と「大要」の違い
「大要」は、物事の重要な部分を大きくまとめた内容を意味します。
「概要」とほぼ同じ方向の言葉です。
ただし、現代の一般的なビジネス文章では「概要」のほうが使う機会が多いでしょう。
「大要」はやや硬く、文章的な印象があります。
「概要」と「全体像」の違い
「全体像」は、物事全体の姿・構造・関係がわかる状態を表します。
「概要」は文章としてまとめた内容にも使えますが、「全体像」は、
- 組織の構造
- プロジェクトの流れ
- 問題の構造
- 制度全体の仕組み
などを把握するときに特に使いやすい言葉です。
概要
「新システムの概要を説明する。」
全体像
「新システム導入プロジェクトの全体像を説明する。」
後者は、関係部署・スケジュール・工程なども含めた構造を示すイメージがあります。
「概要」と「アウトライン」の違い
「アウトライン」も概要と訳されることがあります。
ただし、アウトラインには、
物事の輪郭・骨組み・構成
という意味があります。
プレゼン・文章では、
「本日の説明のアウトライン」
として、
- 背景
- 目的
- 方法
- スケジュール
のような構成を示す場合があります。
「概要」は内容の要点、「アウトライン」は構造・骨組みというニュアンスが強い場合があります。
「ざっくり概要」はどう?
会話や社内のカジュアルなやり取りでは、
「ざっくり概要を教えて」
といった表現も使われます。
これも「大まかな概要」と同じように意味は重なります。
ただし、「ざっくり」は口語的なので、
「短時間で本当に大枠だけ知りたい」
という気持ちは伝わりやすい表現です。
正式な文書なら、
「概要をお知らせください」
「要点をご説明ください」
などにするとよいでしょう。
「簡単な概要」はおかしい?
「簡単な概要」も意味が多少重なりますが、比較的自然に使われます。
ここでの「簡単な」は、概要の説明量・長さを表していると考えられるからです。
たとえば、
「詳細な概要資料」
と
「簡単な概要説明」
では情報量が異なります。
そのため、「簡単な概要」は必ずしも不自然とはいえません。
「概要を簡単に説明する」は自然
こちらは自然です。
「概要」そのものではなく、
「説明する」という行為を簡単に行う
という構造だからです。
自然な例
「プロジェクトの概要を簡単に説明します。」
これは、
「プロジェクト概要について、短く説明する」
という意味です。
「大まかな概要」と重複感が気になるなら、非常に使いやすい言い換えです。
「概要をざっくり説明する」は?
会話なら自然です。
「概要」という名詞ではなく、「説明する」という動作に「ざっくり」がかかっていると考えられます。
例
「会議の前に、企画の概要をざっくり説明してもらえますか。」
カジュアルな職場なら使いやすい表現です。
正式な場面では、
「企画の概要をご説明いただけますか」
で十分でしょう。
ビジネスメールで「大まかな概要」をどう直す?
変更前
「まず、本案件の大まかな概要についてご説明いたします。」
おすすめ1
「まず、本案件の概要についてご説明いたします。」
おすすめ2
「まず、本案件の全体像についてご説明いたします。」
おすすめ3
「まず、本案件の大枠をご説明いたします。」
おすすめ4
「まず、本案件の概要を簡単にご説明いたします。」
通常は1番が最も簡潔です。
「大まかな概要を教えてください」の言い換え
一般的
「概要を教えてください。」
ビジネス
「概要をご教示いただけますでしょうか。」
大枠だけ知りたい
「まず全体像をご説明いただけますでしょうか。」
詳細は不要
「まずは概要のみご説明いただければ幸いです。」
カジュアル
「まず大体の内容を教えてください。」
「大まかな概要を把握する」の言い換え
この表現も、
「概要を把握する」
だけで十分な場合があります。
変更前
「資料を読み、大まかな概要を把握した。」
変更後
「資料を読み、概要を把握した。」
または、
「資料を読み、全体像を把握した。」
でも自然です。
「大まかな概要をまとめる」の言い換え
変更前
「調査結果の大まかな概要をまとめる。」
変更後
「調査結果の概要をまとめる。」
「概要」にはすでに「まとめたもの」というニュアンスがあるため、場合によっては、
「調査結果の要点をまとめる」
のように表現するとさらに具体的になります。
「概要をまとめる」も重複?
「概要」が「要点をまとめたもの」なので、
「概要をまとめる」
も意味が重なっているように感じるかもしれません。
しかし、こちらは一般的に自然な表現です。
「概要」という成果物を作るために、情報を整理してまとめるという意味になるからです。
たとえば、
「会議の内容をまとめて、概要を作成する」
という行為は成立します。
言葉の意味が少し重なるだけで、すべて不自然になるわけではありません。
重言はすべて間違いではない
日本語では、意味が重なる表現がすべて禁止されているわけではありません。
長く使われる中で定着したものや、強調・わかりやすさのために意味を重ねる表現もあります。
重要なのは、
「文法的に絶対間違いか」だけではなく、「その文章が簡潔で読みやすいか」
です。
「大まかな概要」は意味が通じます。
しかし、
「概要」
だけで同じ内容を伝えられるなら、正式な文章では短くする価値があります。
重複表現を見つける方法
文章を書いたあと、次の方法で確認すると冗長な表現を減らせます。
1.修飾語を削除してみる
「大まかな概要」
↓
「概要」
意味がほぼ変わらなければ、削除を検討できます。
2.言葉の意味を辞書で確認する
熟語の中にすでに同じ意味が含まれている場合があります。
3.声に出して読む
同じ意味・音が繰り返されていると、声に出したときにくどさに気づきやすくなります。
4.何を強調したいのか考える
単なる重複なのか、「概要の中でも特にざっくり」という程度を伝えたいのかを考えます。
「概要」が向いている場面
- 会社紹介
- 事業説明
- 企画書
- プロジェクト説明
- 調査報告
- 事件・事故説明
- 制度説明
など、物事全体の主要な情報を短く示す場面です。
「概略」が向いている場面
細かな部分を省き、流れ・大筋を説明したい場合に向いています。
例
- 事件の概略
- 計画の概略
- 調査方法の概略
- 経緯の概略
「要約」が向いている場面
長い文章・発言などを短くまとめる場合です。
例
- 記事を要約する
- 論文を要約する
- 会議内容を要約する
- 説明を100字で要約する
「全体像」が向いている場面
複雑なものの構造・関係を理解してもらいたい場合です。
例
- 組織改革の全体像
- システムの全体像
- プロジェクトの全体像
- 制度改革の全体像
「大枠」が向いている場面
詳細がまだ決まっておらず、大きな方向性だけを示す場合です。
例
- 計画の大枠
- 予算の大枠
- 新制度の大枠
- 交渉の大枠
「大まかな概要」を使った文章の修正例15選
| 変更前 | おすすめ |
|---|---|
| 大まかな概要を説明します。 | 概要を説明します。 |
| 計画の大まかな概要です。 | 計画の概要です。 |
| 大まかな概要を教えてください。 | 概要を教えてください。 |
| 大まかな概要を把握しました。 | 概要を把握しました。 |
| まず大まかな概要を共有します。 | まず概要を共有します。 |
| 制度の大まかな概要をご覧ください。 | 制度の概要をご覧ください。 |
| 大まかな概要だけ説明してください。 | 概要だけ説明してください。 |
| 大まかな概要をまとめました。 | 概要をまとめました。 |
| 事業の大まかな概要を確認する。 | 事業概要を確認する。 |
| プロジェクトの大まかな概要を示す。 | プロジェクトの全体像を示す。 |
| 企画の大まかな概要を説明する。 | 企画の大枠を説明する。 |
| 大まかな概要を簡単に説明する。 | 概要を簡単に説明する。 |
| 会議の大まかな概要です。 | 会議内容のあらましです。 |
| 調査の大まかな概要を報告する。 | 調査概要を報告する。 |
| 最初に大まかな概要から話します。 | 最初に全体像からお話しします。 |
「大まかな概要」があえて有効な場合
意味の重複があるとはいえ、あえて使うことで意図が伝わる場合もあります。
たとえば会議で、相手が非常に詳しい説明を始めそうなときに、
「まずは本当に大まかな概要だけお願いします」
と言えば、
「細かな説明は今はいらない」
という意図を強く示せます。
この場合の「大まかな」は、情報量を意図的に制限する強調語として働いています。
会話では、このような重複がコミュニケーション上の役割を持つことがあります。
「大まかな概要」を避けたほうがよい場面
特に次のような文章では、「概要」だけにすることを検討するとよいでしょう。
- 報告書
- 論文
- 企画書
- 契約関連文書
- 公的文書
- 会社のWebサイト
- 商品・サービス説明
- プレスリリース
これらは文章の簡潔さ・正確さが求められやすいためです。
会話では神経質になりすぎなくてよい
日常会話・打ち合わせでは、
「大まかな概要だけ教えて」
と言っても、相手が意味を理解できなくなることは通常ありません。
むしろ、
「詳しくなくていいから、まずざっくり知りたい」
という気持ちは伝わります。
したがって、
会話で使ったら即座に間違い
というものではありません。
文章を推敲するときに、「概要だけでも十分では?」と考えてみる程度でよいでしょう。
「概要」と一緒に使いやすい表現
「大まかな」を避ける代わりに、次のような表現は自然に使えます。
- 概要を説明する
- 概要を示す
- 概要をまとめる
- 概要を確認する
- 概要を把握する
- 概要を共有する
- 概要を簡潔に説明する
- 概要だけを説明する
- 概要を以下に示す
- 概要についてご案内する
「大まかな」を使うなら何と組み合わせる?
「大まかな」という言葉自体が悪いわけではありません。
次のような名詞との組み合わせは自然です。
- 大まかな予定
- 大まかな金額
- 大まかな計画
- 大まかな日程
- 大まかな流れ
- 大まかな内容
- 大まかな見積もり
- 大まかな方向性
これらの名詞には「大まか」という意味が最初から含まれていないため、自然に意味を追加できます。
「概要」を使った例文20選
- まず計画の概要をご説明します。
- 新事業の概要を資料にまとめた。
- 事件の概要を確認する。
- プロジェクトの概要を共有してください。
- 会社概要はWebサイトに掲載されています。
- 調査概要を報告書の冒頭に記載する。
- 新制度の概要が発表された。
- まず概要を把握してから詳細を確認する。
- 会議の概要を簡単に説明した。
- サービス概要をご覧ください。
- 計画の概要だけ先に教えてください。
- 変更内容の概要を関係者へ伝えた。
- 事業概要について担当者から説明を受けた。
- 事故の概要を報告する。
- 契約内容の概要を確認した。
- システム概要を図で示した。
- まず資料の概要に目を通す。
- イベント概要をWebサイトで公開した。
- 研究の概要を説明する。
- 今回の変更について、以下に概要を示します。
「概要」の英語は?
「概要」は文脈によって、
- overview
- outline
- summary
- synopsis
などで表現されます。
たとえば、
project overview
なら「プロジェクト概要」。
outline
なら「概略・骨組み」。
summary
なら「要約・まとめ」という意味合いが強くなります。
日本語の「概要」が、どんな対象について使われているのかによって英語も変わります。
よくある質問(FAQ)
Q1.「大まかな概要」はおかしいですか?
意味は十分に通じます。
ただし、「概要」自体に全体の要点・あらましという意味があるため、「大まかな」と意味が重なります。
簡潔にするなら「概要」だけでよいでしょう。
Q2.「大まかな概要」は間違った日本語ですか?
一律に間違いと断定する必要はありません。
「概要の中でも特に大枠だけ」という程度を強調して使うこともできます。
ただし、文章では冗長に見える場合があります。
Q3.「大まかな概要」は重言ですか?
意味が重なっているため、重言的な表現と考えることができます。
ただし、「大まかな」が概要の詳しさの程度を修飾しているとも解釈できるため、典型的な重言と完全に同じとは限りません。
Q4.「大まかな概要」の一番簡単な言い換えは?
「概要」です。
多くの場合、「大まかな」を削除しても意味は変わりません。
Q5.ざっくりしたことを強調したい場合は?
「全体像」「大枠」「大まかな内容」「概要だけ」「概要を簡単に説明する」などが使えます。
Q6.「概要」と「概略」は何が違いますか?
意味は非常に近いですが、「概要」は全体の要点、「概略」はおおよその内容・大筋というニュアンスがあります。
Q7.「概要」と「要約」の違いは?
「概要」は物事全体のあらまし、「要約」は文章・発言などの重要部分を短くまとめることです。
Q8.「概要」と「全体像」は同じですか?
近い場合がありますが、「全体像」は物事の構造・関係を含む全体的な姿を表しやすい言葉です。
Q9.「概要を簡単に説明します」はおかしいですか?
自然な表現です。
「簡単に」は「説明する」にかかり、説明の長さ・詳しさを表しています。
Q10.「簡単な概要」はおかしいですか?
「概要」と意味が多少重なりますが、「短い・簡潔な概要」という程度を表すため、自然に使われることがあります。
Q11.ビジネスメールでは「大まかな概要」を使ってもよいですか?
意味は通じますが、「概要をご説明します」「全体像をご説明します」などのほうが簡潔で整った文章になります。
Q12.最も簡単な覚え方は?
次のように覚えるとよいでしょう。
概要=「全体の要点・あらまし」
大まかな概要=意味が少し重なる
正式な文章なら、基本的に「概要」だけで十分
まとめ
「大まかな概要」は、意味が通じる表現です。
しかし、
「概要」そのものに、全体の要点をまとめたもの・あらましという意味が含まれている
ため、「大まかな」を付けると意味が重なります。
そのため、
「大まかな概要をご説明します」
は、多くの場合、
「概要をご説明します」
とすれば十分です。
| 表現 | 特徴 |
|---|---|
| 大まかな概要 | 意味は通じるが重複感がある |
| 概要 | 最も簡潔で使いやすい |
| 概略 | 細部を省いた大筋 |
| 要約 | 文章・話を短くまとめる |
| 全体像 | 物事全体の構造・姿を示す |
| 大枠 | 細部を除いた大きな枠組み |
| 大まかな内容 | 重複せず「ざっくり」を表せる |
ただし、「大まかな概要」を絶対的な誤用と考える必要はありません。
会話では、
「まず本当に大まかな概要だけ教えてください」
のように、
「詳細は不要で、本当に大枠だけ知りたい」
ことを強調するために使われる場合があります。
つまり、判断するときのポイントは、
「大まかな」を付けることで、新しい意味・強調が生まれているか
です。
単に概要を意味しているだけなら、「概要」と短くしましょう。
本当に大枠だけを強調したいなら、
- 全体像
- 大枠
- 大まかな内容
- 概要だけ
- 概要を簡単に説明する
などへ言い換えると、意味がより明確になります。
文章で迷ったときは、まず「大まかな」を削って読んでみてください。
削ってもほとんど意味が変わらないなら、「概要」だけにする。
これが最も簡単で実用的な判断方法です。
