「資料を拝見しました」「Webサイトを閲覧しました」など、「拝見」と「閲覧」は、どちらも何かを見る場面で使われる言葉です。
そのため、
「資料を拝見する」と「資料を閲覧する」は何が違う?
「Webサイトを拝見しました」は正しい?
「上司が拝見しました」と言ってよい?
「拝見いたしました」は二重敬語?
「ご拝見ください」は正しい敬語?
などと迷うことがあります。
簡単にいうと、「拝見」は「見る」をへりくだって表現し、見る対象に関係する相手を立てる謙譲表現です。一方、「閲覧」は書類・本・Webページなどの内容を見る・読む行為を客観的に表す言葉です。
たとえば、取引先から送られてきた企画書を見たことを相手へ伝えるなら、
「企画書を拝見しました」
と表現できます。
一方、利用者がWebサイトを見る行為について説明するなら、
「スマートフォンからWebサイトを閲覧する」
が自然です。
つまり、
拝見=「私が見ました」をへりくだって伝える
閲覧=「資料などを見る・読む」という行為を表す
という違いがあります。
「拝見」のポイントは敬語であること、「閲覧」のポイントは見る対象や行為の性質にあります。
この記事では、「拝見」と「閲覧」の辞書上の意味から、資料・メール・Webサイト・本・写真などでの使い分け、「拝見しました」「拝見いたしました」「拝見させていただきました」の違い、「ご覧になる」「確認する」との違いまで詳しく解説します。
- 「拝見」と「閲覧」の違い【結論】
- 「拝見」とは?
- 「閲覧」とは?
- 「拝見」と「閲覧」の決定的な違い
- 同じ資料でも「拝見」と「閲覧」を使い分けられる
- 「Webサイトを拝見しました」は正しい?
- 「メールを拝見しました」と「メールを閲覧しました」の違い
- 「資料を拝見する」と「資料を確認する」の違い
- 「拝見した」だけでは「確認した」とは限らない
- 「拝見しました」と「拝見いたしました」の違い
- 「拝見させていただきました」は間違い?
- 「ご拝見ください」は正しい?
- 「先生が拝見しました」は正しい?
- 「拝見」と「ご覧になる」の違い
- 「拝見」と「拝読」の違い
- 「閲覧」と「回覧」の違い
- 「閲覧」と「縦覧」の違い
- 「閲覧」と「参照」の違い
- 「閲覧」と「鑑賞」の違い
- 「拝見」と「閲覧」で迷ったときの3秒判定
- 「拝見」の例文
- 「閲覧」の例文
- ビジネスメールでの使い分け例
- 「拝見」と「閲覧」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考資料・出典
「拝見」と「閲覧」の違い【結論】
| 比較項目 | 拝見 | 閲覧 |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 「見る」をへりくだっていう | 書物・書類・Webページなどを見る・読む |
| 言葉の種類 | 謙譲表現 | 一般的・客観的な表現 |
| 敬意 | 相手側を立てる働きがある | それ自体に敬意はない |
| 主な主体 | 自分・自分側 | 誰についても使える |
| よく使う対象 | 相手の資料・メール・作品・Webサイトなど | 書類・本・新聞・資料・Webページなど |
| 代表表現 | 資料を拝見しました | 資料を閲覧しました |
| 一言でいうと | 丁寧に「見ました」 | 資料などを「見た・読んだ」 |
3秒で判断するなら、
「相手に対して、自分が見たことをへりくだって伝える?」 → 拝見
「資料やWebページを見る行為を客観的に表す?」 → 閲覧
と考えるとわかりやすいでしょう。
「拝見」とは?
「拝見」の意味
「拝見(はいけん)」とは、「見ること」をへりくだって表す言葉です。
辞書では、「見ることをへりくだっていう語」「謹んで見ること」などと説明されています。
たとえば、
- お手紙を拝見しました。
- 資料を拝見しました。
- 御社のWebサイトを拝見しました。
- 先生の作品を拝見しました。
- 先ほどメールを拝見しました。
などと使います。
共通しているのは、自分が見るという行為を低く表現することで、見る対象に関係する相手を立てていることです。
「拝見」は「見る」の謙譲表現
文化庁の「敬語の指針」では、敬語を尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ(丁重語)・丁寧語・美化語の5種類に整理しています。
謙譲語Ⅰは、自分側から相手側などへ向かう行為について、その向かう先を立てて述べる表現です。
「拝見」も、自分が相手に関係するものを見る行為をへりくだって表現する語として使われます。
したがって、「拝見」は単に「見る」の難しい言い換えではありません。
相手への敬意を含めて「見る」と伝えるための言葉です。
取引先の資料なら「拝見しました」が自然
たとえば、取引先から企画書が届いたとします。
内容を見たことを相手へ伝えるなら、
「お送りいただいた企画書を拝見しました」
と書けます。
単に、
「企画書を見ました」
とするよりも、相手に対する敬意が表れます。
ビジネスメールでは非常によく使われる表現です。
「閲覧」とは?
「閲覧」の意味
「閲覧(えつらん)」とは、書物・新聞・書類・Webページなどの内容を調べながら読むこと、または見ることです。
たとえば、
- 図書館で資料を閲覧する。
- Webサイトを閲覧する。
- 電子文書を閲覧する。
- 申請書類を閲覧する。
- 閲覧履歴を確認する。
- 閲覧者数を集計する。
などと使います。
「閲覧」そのものは敬語ではありません。
自分にも相手にも第三者にも使えます。
「閲覧」は資料を利用する行為を客観的に表す
たとえば、
「利用者は館内で資料を閲覧できます」
という文章があります。
ここでは誰かを立てたり、自分をへりくだったりしているわけではありません。
単に、利用者が資料を見る・読むという行為を説明しています。
国立国会図書館でも、書庫内の資料を館内で読むことや、デジタル化された資料を見ることについて「閲覧」という言葉を使用しています。
Webの世界でも「閲覧」を使う
「閲覧」は紙の書類だけに使う言葉ではありません。
辞書でもWebページが対象として挙げられており、
- Webサイトを閲覧する
- 閲覧履歴
- 閲覧数
- 閲覧者
- スマートフォンで閲覧する
などの表現が一般的です。
Webアクセスの説明では、「ページが閲覧された」「閲覧数が増えた」のように客観的なデータを示す言葉としても使われます。
「拝見」と「閲覧」の決定的な違い
違い1:「敬語」か「行為の名称」か
最も大きな違いです。
「拝見」は敬語としての働きを持つ言葉です。
一方、
「閲覧」は資料などを見る行為を示す一般的な言葉です。
たとえば、取引先に、
「御社の資料を拝見しました」
と伝えれば、相手に敬意を示しています。
一方、社内のアクセス記録について、
「昨日、この資料を30人が閲覧しました」
と書けば、単に見るという行為を客観的に説明しています。
違い2:「誰が見るか」の扱いが違う
「拝見」は謙譲表現なので、基本的には自分・自分側の「見る」という行為について使います。
たとえば、
「私が資料を拝見しました」
は自然です。
一方、相手の行為について、
「部長がこの資料を拝見されました」
のように、「拝見」を相手を立てる尊敬語として使うことは避けます。
目上の相手が見る場合は、
「部長が資料をご覧になりました」
などと表現します。
「閲覧」は敬語ではないため、
- 私が閲覧した
- 利用者が閲覧した
- 社員が閲覧した
- 顧客が閲覧した
のように、主体を問わず使えます。
違い3:「拝見」は対人関係、「閲覧」は対象物に注目する
「拝見しました」という言葉では、
「誰のものを見たのか」
という対人関係が重要になります。
たとえば、
「先生の論文を拝見しました」
という表現では、論文を見る自分の行為をへりくだることで、先生を立てています。
一方、
「図書館で論文を閲覧しました」
では、論文という資料を利用した事実が中心です。
誰に敬意を示すかという点は、言葉の中心ではありません。
同じ資料でも「拝見」と「閲覧」を使い分けられる
同じ資料について、どちらの言葉も成立する場合があります。
たとえば、A社から事業計画書を送ってもらった場合です。
A社の担当者へのメールなら、
「先ほど事業計画書を拝見しました」
が自然です。
一方、社内でアクセス状況を説明するなら、
「事業計画書は関係者のみ閲覧できます」
と表現できます。
| 文章 | 焦点 |
|---|---|
| 資料を拝見しました | 相手に敬意を示して、自分が見たことを伝える |
| 資料を閲覧しました | 資料を見た・読んだという行為を客観的に述べる |
つまり、対象物だけで「拝見」「閲覧」が決まるのではありません。
何を伝えたいのかによって選びます。
「Webサイトを拝見しました」は正しい?
自然な表現です。
たとえば、初めて取引したい会社へメールを送る際に、
「御社のWebサイトを拝見し、ご連絡いたしました」
と書けます。
ここでは、相手企業が公開しているWebサイトを自分が見たことをへりくだって伝えています。
一方、
「御社のWebサイトを閲覧し、ご連絡しました」
でも意味は通じますが、相手へのメールとしては少し事務的・客観的な印象になります。
アクセス分析なら「閲覧」が自然
同じWebサイトでも、アクセス状況を説明するなら「閲覧」が適しています。
たとえば、
- スマートフォンから閲覧したユーザーが多い。
- この記事の閲覧数が増えている。
- 会員のみ閲覧できるページです。
などです。
この場合は敬意を示す必要がないため、「拝見」ではなく「閲覧」が自然です。
「メールを拝見しました」と「メールを閲覧しました」の違い
取引先から届いたメールへの返信では、
「メールを拝見しました」
が自然です。
相手から届いた内容を見たことを丁寧に伝えられます。
一方、
「メールを閲覧しました」
は間違いではありませんが、システム上の操作・記録について説明するような印象になりやすくなります。
たとえば、
「管理画面からメールの閲覧状況を確認できます」
なら「閲覧」がよく合います。
「資料を拝見する」と「資料を確認する」の違い
「拝見」と特に混同しやすいのが「確認」です。
拝見は、自分が見ることをへりくだって表現した言葉です。
確認は、内容・事実・状態などに間違いがないか確かめることです。
たとえば、
「送っていただいた資料を拝見しました」
なら、資料を見たことを丁寧に伝えています。
一方、
「資料に記載された金額を確認しました」
なら、金額が正しいかなどを確かめています。
つまり、
拝見=見る行為を丁寧に表す
確認=間違いがないか確かめる
という違いがあります。
相手へ書類を送る際の「ご確認」と「ご査収」の使い分けについては、「ご確認」と「ご査収」の違いも参考になります。
「拝見した」だけでは「確認した」とは限らない
これは実務で注意したいポイントです。
たとえば、契約書を一度読んだだけなら、
「契約書を拝見しました」
とは言えます。
しかし、
- 金額が正しいか
- 契約期間が正しいか
- 会社名に誤りがないか
- 条件に問題がないか
まで確かめたとは限りません。
そのため、内容まで確かめたことを明確にしたいなら、
「契約書を拝見し、内容を確認いたしました」
のように表現できます。
さらに、根拠やデータを使って正しさを詳しく調べる「検証」との違いについては、「確認」と「検証」の違いで詳しく解説しています。
「拝見しました」と「拝見いたしました」の違い
ビジネスメールでは、
「拝見しました」
と、
「拝見いたしました」
の両方を見かけます。
「拝見しました」
「拝見」の時点で、すでに「見る」をへりくだった表現です。
そのため、
「資料を拝見しました」
だけでも十分に丁寧です。
簡潔でわかりやすいため、迷った場合はこちらを使うことができます。
「拝見いたしました」
「いたす」は「する」の謙譲語Ⅱ(丁重語)として使われます。
文化庁の分類では、「拝見」のように相手側を立てる謙譲語Ⅰと、自分側の行為を相手に丁重に述べる謙譲語Ⅱは、敬語としての働きが異なります。
そのため、「拝見いたしました」を、尊敬語を同じ語に二重に重ねた「ご覧になられる」のような典型的な二重敬語と、単純に同一視する必要はありません。
実際のビジネスでも「拝見いたしました」は広く使われています。
ただし、必要以上に長くしたくない場合は、
「拝見しました」
でも十分です。
「拝見させていただきました」は間違い?
「拝見させていただきました」も、実際の会話・メールでよく見かける表現です。
ただし、「させていただく」は何にでも付ければ丁寧になる表現ではありません。
文化庁は「(さ)せていただく」について、基本的には、
- 相手側または第三者の許可を受けて行う
- そのことによって自分が恩恵を受ける
という事実・気持ちがある場合に使うと説明しています。
したがって、相手が「ぜひこの作品を見てください」と特別に閲覧を許可してくれたような場面なら、「拝見させていただく」という発想がなじむ場合があります。
一方、相手から普通に届いたメールや資料について、単に「読みました」と伝えるだけなら、
「拝見しました」
「拝見いたしました」
とすれば十分です。
丁寧にしようとして、常に「させていただきました」を付ける必要はありません。
「ご拝見ください」は正しい?
基本的には避けるのがよいでしょう。
「拝見」は、自分側の「見る」をへりくだって表す言葉です。
そのため、相手に、
「この資料をご拝見ください」
と言うと、相手の「見る」という行為に謙譲表現を使うことになってしまいます。
相手に見てもらいたい場合は、
「こちらの資料をご覧ください」
「資料をご確認ください」
などと表現します。
| 誰が見る? | 表現例 |
|---|---|
| 自分が相手の資料を見る | 資料を拝見します |
| 相手が資料を見る | 資料をご覧ください |
「先生が拝見しました」は正しい?
「先生」のように立てたい相手本人の行為を表すために、「拝見」を尊敬語のように使うのは適切ではありません。
たとえば、先生が資料を見たことを先生への敬意を込めて表すなら、
「先生が資料をご覧になりました」
などとします。
「拝見」は「相手が見る」の尊敬語ではなく、自分側が見るときに使う謙譲表現であることを覚えておきましょう。
「拝見」と「ご覧になる」の違い
この2つは、見る人が反対です。
拝見するは、自分の行為をへりくだる表現です。
ご覧になるは、相手・目上の人の「見る」を高める尊敬表現です。
たとえば、
「私は先生の作品を拝見しました」
「先生は私の作品をご覧になりました」
と使い分けます。
| 表現 | 見る人 |
|---|---|
| 拝見する | 自分・自分側 |
| ご覧になる | 相手・立てる相手 |
「拝見」と「拝読」の違い
「拝読(はいどく)」もビジネスで使われる謙譲表現です。
拝見は「見る」の謙譲表現です。
拝読は「読む」の謙譲表現です。
そのため、
「先生の著書を拝読しました」
なら、その文章・内容を読んだことに重点があります。
一方、
「先生の作品集を拝見しました」
なら、文章に限らず写真・図・作品全体などを見る意味にも使えます。
メールについては「拝見しました」も「拝読しました」も成立する場合がありますが、文章を読んだことを明確にしたいなら「拝読」が適しています。
「閲覧」と「回覧」の違い
「閲覧」と似た言葉に「回覧」があります。
閲覧は、資料などの内容を見る・読むことです。
回覧は、一つの文書などを複数の人へ順番に回して見てもらうことです。
たとえば、
「社内資料を閲覧する」
なら、自分が資料を見ています。
「社内通知を各部署へ回覧する」
なら、その文書を関係者へ順番に回しています。
「閲覧」は見る側の行為、「回覧」は資料を回す仕組み・行為という違いがあります。
「閲覧」と「縦覧」の違い
行政手続などでは「縦覧(じゅうらん)」という言葉も使われます。
「縦覧」は、書類などを広く一般の人に見せること、または自由に見て回ることを表します。
行政では、一定期間、関係書類を住民などが見られる状態にする制度に「縦覧」という語が使われることがあります。
一方、「閲覧」はより広く、図書・書類・Webページなどを見る行為そのものを表します。
専門的な制度名では「閲覧」と「縦覧」が区別される場合があるため、公的手続では制度ごとの正式な用語を確認することが大切です。
「閲覧」と「参照」の違い
「参照」は、ほかの資料・情報などと照らし合わせたり、参考として見たりすることです。
たとえば、
「詳しくは別紙を参照してください」
といいます。
一方、
「別紙を閲覧する」
なら、別紙そのものを見る・読む行為を表します。
つまり、
閲覧=資料を見る
参照=必要な情報を得るため、別の資料を見る
と考えるとわかりやすいでしょう。
「閲覧」と「鑑賞」の違い
作品を見る場合には「鑑賞」という言葉もあります。
閲覧は、資料・文書などを見る・読む行為を客観的に表します。
鑑賞は、芸術作品などを味わい、そのよさを理解しようとすることです。
たとえば、
「美術館で絵画を鑑賞する」
が一般的です。
美術館の作品を単純に「閲覧する」とすると、資料を調査するような事務的な印象になる場合があります。
何を見るのかだけでなく、見る目的によっても言葉が変わります。
「拝見」と「閲覧」で迷ったときの3秒判定
| こんな場合 | 選びやすい言葉 |
|---|---|
| 取引先から届いた資料を見たことを伝える | 拝見 |
| 上司から届いたメールを読んだことを伝える | 拝見 |
| 相手企業のWebサイトを見て連絡する | 拝見 |
| 図書館で資料を読む | 閲覧 |
| Webページを見る行為を説明する | 閲覧 |
| Webページを見た人数を集計する | 閲覧 |
| 自分が相手の作品を敬意を込めて見る | 拝見 |
| 利用者が資料を見る制度・機能を説明する | 閲覧 |
迷った場合は、
「相手への敬意を込めて、自分が見たと伝える?」 → 拝見
「資料などを見る行為を客観的に表している?」 → 閲覧
と考えてください。
「拝見」の例文
- 先ほどお送りいただいた資料を拝見しました。
- 御社のWebサイトを拝見し、ご連絡いたしました。
- 先生の新しい作品を拝見しました。
- メールを拝見しました。早速ご返信いただきありがとうございます。
- ご提案書を拝見し、社内で検討しております。
- 公開されているインタビューを興味深く拝見しました。
「閲覧」の例文
- 国立国会図書館で資料を閲覧しました。
- このページは会員のみ閲覧できます。
- スマートフォンからWebサイトを閲覧する人が増えています。
- 社員は社内システムからマニュアルを閲覧できます。
- 文書の閲覧履歴を確認しました。
- この記事は公開後1週間で多くの利用者に閲覧されました。
ビジネスメールでの使い分け例
取引先から資料が届いた場合
資料をお送りいただき、ありがとうございます。早速拝見しました。
内容につきまして、社内で検討の上、改めてご連絡いたします。
相手のWebサイトを見て問い合わせる場合
貴社Webサイトを拝見し、○○サービスについてお伺いしたくご連絡いたしました。
システム上の資料について説明する場合
マニュアルは、ログイン後の管理画面から閲覧できます。
資料を見たうえで内容まで確認した場合
お送りいただいた契約書を拝見し、記載内容を確認いたしました。
この例では、「見る」という敬語表現と、内容を確かめたことを分けて伝えています。
「拝見」と「閲覧」に関するよくある質問
Q1. 「拝見」と「閲覧」は同じ意味ですか?
どちらも「見る」ことに関係しますが、役割が異なります。
「拝見」は「見る」の謙譲表現で、相手への敬意を示します。「閲覧」は書類・本・Webページなどを見る・読む行為を客観的に表します。
Q2. Webサイトに「拝見」は使えますか?
使えます。
相手企業などに対して「御社のWebサイトを拝見しました」と伝えるのは自然です。
一方、Webサイトを見る一般的な行為・利用状況を説明するなら「閲覧」が適しています。
Q3. 「拝見しました」と「確認しました」は同じですか?
同じではありません。
「拝見しました」は敬意を込めて「見ました」と伝える表現、「確認しました」は内容や状態に間違いがないか確かめたことを表します。
Q4. 「拝見いたしました」は間違いですか?
「拝見」は謙譲語Ⅰ、「いたす」は謙譲語Ⅱとして異なる働きを持つと整理できます。「拝見いたしました」は実際にも広く用いられています。
ただし、「拝見しました」だけでも十分に丁寧なので、簡潔にしたい場合は「拝見しました」で問題ありません。
Q5. 「拝見させていただきました」は使えますか?
文脈によります。
文化庁は「させていただく」を、基本的には相手の許可と、それによる自分側の恩恵がある場合に使うと説明しています。
単に届いた資料を読んだことを伝えるだけなら、「拝見しました」「拝見いたしました」で十分です。
Q6. 「ご拝見ください」は正しいですか?
相手の「見る」という行為に「拝見」を使うのは適切ではありません。
相手に見てもらいたいなら「ご覧ください」「ご確認ください」などを使います。
Q7. 「拝見」と「拝読」はどう違いますか?
「拝見」は「見る」、「拝読」は「読む」の謙譲表現です。
文章を読んだことに焦点を当てるなら「拝読」、資料・写真・作品などを見ることを広く表すなら「拝見」が使いやすいでしょう。
Q8. 「閲覧」は人に対する敬語として使えますか?
「閲覧」自体は敬語ではありません。
必要なら、「閲覧しました」「閲覧いたしました」のように文全体を丁寧にします。
相手への敬意を込めて「あなたの資料を見ました」と伝える目的なら、「拝見しました」の方が適する場合があります。
まとめ
「拝見」と「閲覧」は、どちらも「見る」ことに関係する言葉ですが、中心となる意味は異なります。
| 拝見 | 閲覧 |
|---|---|
| 「見る」をへりくだった謙譲表現 | 資料などを見る・読む行為 |
| 相手への敬意を示す | 敬意の有無とは直接関係しない |
| 主に自分・自分側の行為に使う | 誰の行為にも使える |
| 資料を拝見しました | 資料を閲覧しました |
覚え方としては、
拝見=「敬意を込めて、自分が見ました」
閲覧=「資料・Webページなどを見ました」
とするとわかりやすいでしょう。
たとえば、取引先に、
「御社の資料を拝見しました」
と伝えれば、相手への敬意が含まれます。
一方、
「この資料は登録利用者のみ閲覧できます」
なら、資料を見るという利用行為を説明しています。
また、「拝見」と「確認」も同じではありません。
資料に目を通しただけなら「拝見しました」、内容に誤りがないかまで確かめたなら「確認しました」と表現できます。
文章で迷った場合は、
「誰かへの敬意を込めて、自分が見たことを伝えるのか」
「単に資料・Webページなどを見る行為について説明するのか」
を確認してください。
前者なら「拝見」、後者なら「閲覧」が自然になりやすいでしょう。
参考資料・出典
本記事は、以下の辞書・公的機関の資料を参照し、内容を整理したうえで作成しています。
-
コトバンク「拝見」
― 「見ることをへりくだっていう語」という基本的な意味 -
コトバンク「閲覧」
― 書物・書類・Webページなどの内容を調べながら読むという意味 -
文化庁「第二話『敬語の基本』理解度チェックの解答」
― 尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ・丁寧語など、敬語の働きの解説 -
文化庁「第四話『間違いやすい敬語(1)~尊敬語 VS 謙譲語Ⅰ』」
― 相手側の行為に謙譲語を用いないことなど、尊敬語と謙譲語の使い分け -
文化庁「第三話『敬語のTPO~依頼の仕方~』」
― 「(さ)せていただく」を使う際の「許可」「恩恵」という考え方 -
国立国会図書館「サービス概要」
― デジタル資料・館内資料などにおける「閲覧」の公的な使用例 -
国立国会図書館サーチ「個人登録利用者の方へ」
― 書庫内資料の「閲覧」「閲覧予約」などの実際の用例
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