「この制度の対象です」「この条件に該当します」。行政手続きや会社の制度、キャンペーン、申請書などでよく見かける表現ですが、「対象」と「該当」にはどのような違いがあるのでしょうか。
例えば、「補助金の対象者」と「補助金の条件に該当する人」は、似た内容を表しているように見えます。しかし、「対象」と「該当」では、何に注目しているのかが異なります。
結論からいうと、「対象」は行為・調査・制度・サービスなどが向けられる相手や範囲を表す言葉です。一方、「該当」はある条件・資格・基準などに当てはまることを意味します。
例えば、「18歳以上の人を調査対象とする」という文章では、調査を向ける範囲を決めています。一方、「18歳以上という条件に該当する」という文章では、その人が条件に当てはまっているかどうかを示しています。
つまり、「対象」は誰・何を範囲に含めるか、「該当」は条件に当てはまるかどうかと考えると、違いを理解しやすくなります。
この記事では、「対象」と「該当」の意味や違いを比較表で整理し、対象者・該当者・申請条件・補助金・キャンペーン・社会保険・社内制度・アンケートなど、実務で迷いやすい場面を具体例とともに解説します。さらに、「適用」「適格」「対象外」「非該当」との違いも紹介します。
- 【結論】「対象」は範囲、「該当」は条件への当てはまり
- 【徹底比較】「対象」と「該当」の意味・使い方の違い
- 「対象」の意味と正しい使い方
- 「該当」の意味と正しい使い方
- 【実践】「条件に該当するから対象になる」の関係を理解する
- 【実践】申請・補助金ではどう使い分ける?
- 【実践】社会保険・行政制度ではどう使い分ける?
- 【実践】会社の社内制度ではどう使い分ける?
- 【実践】アンケート・調査ではどう使い分ける?
- 【実践】キャンペーンではどう使い分ける?
- 「対象」と「対象者」の違い
- 「該当」と「適用」の違い
- 「対象」と「対照」「対称」の違い
- 「該当」と「適合」の違い
- 「対象外」と「非該当」の違い
- 「対象者」と「該当者」は同じ?
- 「対象になる」と「該当する」はどちらが自然?
- 「対象に該当する」という表現は正しい?
- 申請書・フォームでの使い分け
- ビジネスメールでの「対象」と「該当」の使い分け
- 「対象」と「該当」を使い分ける際の5つの注意点
- 参考資料
- 「対象」と「該当」に関するよくある質問(FAQ)
- Q1. 対象と該当は同じ意味ですか?
- Q2. 対象と該当の違いを簡単に説明すると?
- Q3. 「対象者」と「該当者」は同じですか?
- Q4. 「条件の対象になる」は正しいですか?
- Q5. 「対象に該当する」という表現は間違いですか?
- Q6. 「対象外」と「非該当」はどう違いますか?
- Q7. 補助金では「対象」と「該当」をどう使いますか?
- Q8. 「対象になる」と「適用される」は同じですか?
- Q9. 「該当する」と「適合する」はどう違いますか?
- Q10. 「対象商品」と「該当商品」はどう違いますか?
- Q11. 「該当なし」と「対象外」は同じですか?
- Q12. 条件に該当すれば必ず対象になりますか?
- Q13. 「対象です」と言われたら申請できますか?
- Q14. 申請フォームでは「対象」と「該当」のどちらを使いますか?
- まとめ:「対象」は範囲、「該当」は条件への当てはまり
【結論】「対象」は範囲、「該当」は条件への当てはまり
「対象」と「該当」の違いを簡単に整理すると、次のようになります。
- 対象(たいしょう):行為・調査・意識などが向けられる相手や物事。制度やサービスなどでは、その範囲に含まれる人・物を表す。
- 該当(がいとう):ある条件・資格・基準などに当てはまること。
例えば、会社が「入社3年以内の社員を研修の対象とする」と決めた場合、「入社3年以内の社員」という範囲が研修対象です。
社員Aが入社2年目であれば、「社員Aは入社3年以内という条件に該当する」と表現できます。
そして、その結果として「社員Aは研修の対象者である」と判断される場合があります。
このように、実務では条件に該当するかを確認した結果、対象になるという関係がよく見られます。
【徹底比較】「対象」と「該当」の意味・使い方の違い
| 比較項目 | 対象 | 該当 |
|---|---|---|
| 読み方 | たいしょう | がいとう |
| 基本的な意味 | 行為などが向けられる相手・範囲 | 条件・資格などに当てはまること |
| 意味の重点 | 誰・何を含めるか | 条件を満たすか |
| 品詞・使い方 | 「対象となる」「対象者」「対象商品」など | 「該当する」「該当者」「該当項目」など |
| 代表的な場面 | 制度・調査・サービス・キャンペーン | 資格・要件・条件・チェック項目 |
| 判定との関係 | 範囲として設定される | 条件照合によって判断される |
| 反対の表現 | 対象外 | 非該当・該当しない |
| 例文 | 高校生を調査対象とする。 | 応募条件に該当する。 |
例えば、「65歳以上を対象としたサービス」という文章では、サービスを提供する範囲について説明しています。
一方、「65歳以上という条件に該当する」という文章では、個人が条件を満たしているかどうかを説明しています。
「対象」は範囲を設定する側から見た言葉、「該当」はその範囲を決める条件に当てはまるかを確認する側から見た言葉として使われることが多い、と考えるとわかりやすいでしょう。
「対象」の意味と正しい使い方
対象とは行為や意識が向けられる相手・物事
「対象」は、行為の目標となるもの、めあてとなるものを意味します。
例えば、「アンケートの対象」という表現では、誰にアンケートを実施するのかを示します。
また、「研究対象」であれば、研究によって調べる人・物・現象などを表します。
行政や会社の制度では、「対象者」「対象期間」「対象商品」「対象事業」などの表現も広く使われています。
対象を使う代表的な例文
- 全社員を研修の対象とする。
- 高校生を対象にアンケートを実施する。
- この商品はキャンペーンの対象です。
- 補助制度の対象となる事業を確認する。
- 今回の調査では30代から50代を対象とした。
- 対象期間は4月1日から9月30日までです。
- 割引対象の商品にはマークが表示されている。
- このサービスは法人だけを対象としている。
「対象者」とは何か
対象者とは、制度・調査・サービスなどが向けられる人です。
例えば、「健康診断の対象者」であれば、その健康診断を受ける範囲に含まれる人を意味します。
「研修対象者」であれば、その研修を受けることが想定されている人です。
ただし、「対象者」であることが、その制度を実際に利用できることまで必ず意味するとは限りません。
対象者の中から、さらに申請・審査・選考などが必要となる制度もあるためです。
「対象となる」とはどういう意味?
「対象となる」は、ある行為・制度・サービスなどの範囲に含まれることを意味します。
例えば、「購入金額が1万円以上の場合は送料無料の対象となります」という文章です。
この場合、一定の条件を満たした注文が、送料無料という制度の範囲に含まれます。
このように、「対象」と「条件」は密接な関係があります。
「該当」の意味と正しい使い方
該当とは条件や資格などに当てはまること
「該当」は、ある条件・資格などに当てはまることを意味します。
例えば、「次の条件のいずれかに該当する人」という文章では、列挙された条件に当てはまる人を示しています。
「該当する項目にチェックしてください」という文章も、申請書やアンケートでよく使われます。
該当は、ある人や物そのものを表すというより、条件との一致関係を表す言葉です。
該当を使う代表的な例文
- 応募条件に該当する人だけが申し込める。
- 次の項目に該当する場合はチェックしてください。
- この商品は返品条件に該当しない。
- 該当者には後日メールで連絡する。
- 複数の条件に該当する場合があります。
- 自分がどの区分に該当するか確認する。
- 免除要件に該当するかを調べる。
- 該当する項目がない場合は「なし」を選択する。
「該当者」とは何か
該当者とは、ある条件・資格・基準などに当てはまる人です。
例えば、「次の条件に該当する人へ手当を支給する」という制度であれば、その条件に当てはまる人が該当者です。
ただし、「該当者」というだけでは、何に該当しているのかがわからないことがあります。
正式な文書では、「支給条件の該当者」「次の要件に該当する者」など、判断基準を明確にするとよいでしょう。
「該当なし」とはどういう意味?
「該当なし」は、示されている条件や選択肢などの中に、自分や対象となるものに当てはまるものがないことです。
例えば、申請フォームに職業区分が並んでいて、どの区分にも当てはまらない場合には、「該当なし」を選択することがあります。
「対象外」と似ていますが、意味は完全には同じではありません。
【実践】「条件に該当するから対象になる」の関係を理解する
「対象」と「該当」は、実際の制度では一緒に使われることが多い言葉です。
例えば、次の制度を考えてみましょう。
- 対象者:18歳以上の市民
- 条件:申請日時点で市内に住所があること
Aさんが20歳で市内に住所を持っている場合、Aさんはそれぞれの条件に該当し、その結果、制度の対象者になります。
この関係を整理すると、次のようになります。
| 段階 | 確認内容 | 使う言葉 |
|---|---|---|
| 1 | 制度の範囲を決める | 対象 |
| 2 | 個人が条件を満たすか確認する | 該当 |
| 3 | 条件を満たした結果、制度の範囲に含まれる | 対象となる |
厚生労働省の資料にも、「対象者」を一定の抽出基準に該当した者として説明している例があります。
このように、「該当するかを判定した結果、対象になる」という流れは、行政制度や社内制度でよく見られます。
【実践】申請・補助金ではどう使い分ける?
制度が想定する範囲は「対象」
例えば、補助金について「中小企業を対象とする」と書かれていた場合、その制度が中小企業を支援範囲としていることを意味します。
また、「対象経費」「対象事業」「対象期間」などの表現もあります。
この場合は、制度の範囲を示しているため「対象」が適しています。
個別の要件に当てはまるかは「該当」
一方、補助金を申請する際には、「資本金が一定額以下」「指定された業種である」など、複数の条件を確認することがあります。
この場合は、「自社が要件に該当するか確認する」と表現できます。
条件に該当した結果、その企業が補助金の対象になる場合があります。
対象でも必ず受給できるとは限らない
制度の対象であることと、実際に給付・採択されることは同じではありません。
例えば、対象者であっても申請期限を過ぎていた場合や、必要書類が不足している場合には、給付を受けられないことがあります。
また、審査や選考が行われる制度では、対象者すべてが採択されるとは限りません。
制度を利用する際には、「対象者」と「支給要件」「申請条件」「採択条件」などを分けて確認することが重要です。
【実践】社会保険・行政制度ではどう使い分ける?
行政制度では、「対象」と「該当」が同じ説明の中で使われることがよくあります。
例えば、厚生労働省の社会保険適用拡大に関する説明では、「対象となる短時間労働者」について、複数の要件すべてに「該当する」人として説明されています。
ここでも、「対象」は制度の適用範囲、「該当」は具体的な条件に当てはまることを示しています。
例えば、次のように考えられます。
「社会保険の適用対象となるには、定められた要件に該当する必要がある。」
この一文だけでも、対象と該当の役割の違いがよくわかります。
なお、社会保険などの具体的な対象要件は法改正によって変わることがあるため、実際の手続きでは最新の公的情報を確認する必要があります。
【実践】会社の社内制度ではどう使い分ける?
制度の利用範囲を示す場合は「対象」
例えば、会社が資格取得支援制度を設け、「正社員を対象とする」と決めた場合を考えてみましょう。
この文章では、制度を利用できる基本的な範囲を示しています。
「資格取得支援制度の対象者は正社員です」という表現が自然です。
支給条件に当てはまるかは「該当」
さらに、「会社が指定する資格を受験すること」「上司の承認を得ること」などの条件が定められている場合があります。
この場合、社員がその条件に該当するかを確認します。
つまり、正社員として制度の対象であっても、個別の支給条件に該当しなければ、費用補助を受けられない場合があります。
「対象者」と「該当者」を混同しない
例えば、社内メールで「対象者には連絡します」と書く場合と、「該当者には連絡します」と書く場合ではニュアンスが異なります。
対象者は、制度や連絡の範囲に含まれる人です。
該当者は、特定の条件に当てはまった人です。
条件判定によって対象者を抽出した場合には、結果的に同じ人を指すこともあります。
【実践】アンケート・調査ではどう使い分ける?
調査する人や物は「対象」
アンケートや研究では、「調査対象」という言葉がよく使われます。
例えば、「20歳以上の男女1,000人を対象にアンケートを行った」という文章です。
ここでは、調査を向ける範囲を示しています。
回答内容が条件に当てはまる場合は「該当」
アンケートの回答者に「過去1年間に海外旅行をしましたか」という質問を行い、「はい」と回答した人を分析する場合を考えてみましょう。
その人について、「海外旅行経験ありという条件に該当する回答者」と表現できます。
また、「該当する選択肢を一つ選んでください」のように、回答欄でも「該当」が使われます。
【実践】キャンペーンではどう使い分ける?
キャンペーンに含まれる商品は「対象商品」
店舗で「対象商品を2点購入すると500円引き」というキャンペーンが行われている場合を考えてみましょう。
キャンペーンの範囲に含まれている商品は「対象商品」です。
すべての商品が対象になるとは限りません。
条件を満たした購入は「条件に該当」
例えば、「対象商品を2点以上購入」という条件がある場合、対象商品を3点購入した人は、その条件に該当します。
その結果、割引の対象になります。
一方、対象商品を1点しか購入していなければ、商品自体はキャンペーン対象でも、割引条件には該当しない場合があります。
このような場面では、「対象」と「該当」を区別すると制度の内容が明確になります。
「対象」と「対象者」の違い
対象は、人だけでなく物・事柄・期間など、幅広いものに使えます。
例えば、次のような表現があります。
- 調査対象
- 対象商品
- 対象期間
- 対象地域
- 対象事業
- 対象者
一方、「対象者」は、人に限定した表現です。
「この制度の対象」と書けば、人以外を含む可能性がありますが、「この制度の対象者」と書けば、制度の範囲に含まれる人を指します。
「該当」と「適用」の違い
該当と似た場面で使われる言葉に「適用」があります。
該当は、条件や資格などに当てはまることです。
一方、適用は、法律・規則・制度・方法などを、ある対象に当てはめて用いることを意味します。
例えば、「この条件に該当する人には、新しい規則が適用される」という文章です。
この場合、まず条件に当てはまるかどうかを「該当」で判断し、その人に規則を実際に当てはめることを「適用」と表現しています。
例えば次のように整理できます。
- 65歳以上という条件に該当する
- その人が制度の対象となる
- その人に特別料金が適用される
この3語は似ていますが、段階が異なります。
「適用」と似た「適応」との違いについては、関連記事の「適用」と「適応」の違いも参考にしてください。
「対象」と「対照」「対称」の違い
「対象」は、同じ読み方をする「対照」「対称」と混同されやすい言葉です。
それぞれの違いは次のとおりです。
- 対象:行為や意識などが向けられるもの。
- 対照:二つのものを照らし合わせて比べること。
- 対称:互いにつり合っていること。左右対称など。
例えば、「調査のたいしょう」は「対象」、「二つの商品をたいしょうする」は「対照」、「左右たいしょうの図形」は「対称」です。
詳しくは、関連記事の「対象・対照・対称」の違いをご覧ください。
「該当」と「適合」の違い
「該当」と意味が近い言葉に「適合」があります。
該当は、条件や資格などに当てはまることです。
一方、適合は、条件・規格・状況などによく合うことを意味します。
例えば、「申請条件に該当する」は、定められた条件に当てはまっていることを表します。
一方、「製品が安全規格に適合する」は、製品が規格の要求に合っていることを表します。
意味が重なる場合もありますが、「該当」は分類や条件判定、「適合」は基準・規格への一致という場面で使われやすいでしょう。
「対象外」と「非該当」の違い
対象外は制度や範囲に含まれないこと
「対象外」は、制度・サービス・調査などが向けられる範囲に含まれていないことを意味します。
例えば、「この商品は割引対象外です」という文章では、その商品が割引制度の範囲に入っていません。
非該当は条件に当てはまらないこと
「非該当」は、定められた条件などに当てはまらないことを表す言葉です。
例えば、審査で「要件非該当」と判断された場合は、必要な要件を満たしていないことを意味します。
実務では、「条件に該当しないため対象外となる」という関係になる場合があります。
「対象者」と「該当者」は同じ?
対象者と該当者は、同じ人を指す場合がありますが、必ず同じとは限りません。
例えば、ある健康支援事業で、40歳以上の全員を「対象者」としたとします。
さらに、その中から「血圧が一定の基準以上」という条件に該当する人だけに個別指導を行う場合を考えてみましょう。
この場合、40歳以上の人は全員対象者ですが、その全員が個別指導条件の該当者とは限りません。
逆に、制度設計によっては、複数の条件に該当した人だけを対象者として定義する場合もあります。
そのため、「対象者」と「該当者」を同義語として機械的に置き換えないことが重要です。
「対象になる」と「該当する」はどちらが自然?
どちらも自然ですが、文章の目的によって使い分けます。
例えば、次の2文を比較してみましょう。
- 条件Aを満たした場合、補助金の対象になります。
- あなたは条件Aに該当します。
前者は補助金制度の範囲に入ることを説明しています。
後者は、その人が条件に当てはまることを説明しています。
「何の範囲に入るか」を伝えたいなら対象、「どの条件に当てはまるか」を伝えたいなら該当を使うと自然です。
「対象に該当する」という表現は正しい?
「対象に該当する」という表現は日常的に使われることがありますが、文章によっては意味が重複してわかりにくくなる場合があります。
例えば、「この制度の対象に該当する人」という文章です。
意味は伝わりますが、より具体的にするなら、次のように書き分けられます。
- この制度の対象となる人
- この制度の要件に該当する人
何に当てはまっているのかを明確にしたい場合には、「要件に該当する」「条件に該当する」と書く方がわかりやすいでしょう。
申請書・フォームでの使い分け
「該当する項目にチェックしてください」
申請書では、複数の条件や選択肢の中から、自分に当てはまるものを選んでもらう場合があります。
この場合には、「該当する項目にチェックを入れてください」が自然です。
「対象する項目にチェックしてください」とは通常言いません。
「対象者は次のとおりです」
制度を利用できる人の範囲を説明する場合には、「対象者」を使います。
例えば、次のような文章です。
「本制度の対象者は、申請日時点で当社に在籍する正社員です。」
さらに条件を追加する場合には、次のように書けます。
「上記対象者のうち、次のいずれかの条件に該当する方が申請できます。」
対象と該当を適切に使い分けることで、制度説明が明確になります。
ビジネスメールでの「対象」と「該当」の使い分け
制度の対象であることを伝える場合
例えば、社員へ研修の対象になっていることを知らせる場合には、次のように書けます。
「本研修の対象者となっておりますので、期日までに受講をお願いいたします。」
ここでは、その社員が研修の範囲に含まれていることを伝えています。
条件に当てはまるか確認する場合
申請条件などを確認してもらう場合には、次のように書けます。
「下記の条件に該当するかご確認のうえ、該当する場合は申請をお願いいたします。」
ここでは、条件への当てはまりを確認しています。
よりわかりやすく書くなら条件を具体化する
「対象です」「該当します」という表現だけでは、何を意味しているのかわかりにくい場合があります。
重要な制度案内では、次のように具体的に書くとよいでしょう。
「入社3年以内の正社員が本研修の対象です。2024年4月1日以降に入社された方は、この条件に該当します。」
範囲と条件を分けて説明できるため、誤解を減らせます。
「対象」と「該当」を使い分ける際の5つの注意点
1. 条件そのものを「対象」と呼ばない
対象は、制度や行為などが向けられる範囲です。
例えば、「年齢が18歳以上であること」は通常、対象そのものではなく条件・要件として説明します。
そして、その条件に当てはまることを「該当する」と表現します。
2. 対象者だから必ず利用できるとは限らない
制度によっては、対象者であっても申請・審査・選考などが必要な場合があります。
「対象者=必ず給付を受けられる人」とは限りません。
制度案内では、対象者、申請要件、審査条件などを区別して確認しましょう。
3. 条件に該当した結果、対象となる場合がある
「対象」と「該当」は対立する言葉ではありません。
例えば、「一定の所得条件に該当する人が支援制度の対象となる」という関係があります。
同じ文章の中で両方を使うことも自然です。
4. 「該当」は条件を明確にするとわかりやすい
「あなたは該当します」とだけ書くと、何に該当しているのかわかりにくい場合があります。
「申請条件に該当します」「次の区分に該当します」のように、基準を具体的に示すと明確です。
5. 行政制度では正式な定義を確認する
「対象者」「対象事業」「対象経費」などは、制度ごとに正式な定義が定められている場合があります。
一般的な日本語の意味だけで判断せず、制度の要綱・公的な案内・関係法令などを確認することが重要です。
参考資料
- 小学館『デジタル大辞泉』「対象」(コトバンク)
- 小学館『デジタル大辞泉』「該当」(コトバンク)
- 厚生労働省「対象者の捉え方」(対象者と抽出基準への該当の関係を示した資料)
- 厚生労働省「社会保険適用拡大 Q&A」(対象者と要件への該当を用いた説明例)
「対象」と「該当」に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 対象と該当は同じ意味ですか?
同じではありません。対象は、行為・制度・サービスなどが向けられる範囲や相手を表します。一方、該当は、条件・資格などに当てはまることを意味します。
Q2. 対象と該当の違いを簡単に説明すると?
「誰・何を範囲に入れるか」が対象、「条件に当てはまるか」が該当です。例えば、「20歳以上を対象とする」「20歳以上という条件に該当する」と使い分けられます。
Q3. 「対象者」と「該当者」は同じですか?
同じ人を指す場合もありますが、必ず同じではありません。対象者は制度などの範囲に含まれる人、該当者は特定の条件に当てはまる人です。
Q4. 「条件の対象になる」は正しいですか?
意味が通じる場合はありますが、条件については「条件に該当する」「条件を満たす」の方が自然です。「対象」は制度・サービス・調査などの範囲について使うとわかりやすいでしょう。
Q5. 「対象に該当する」という表現は間違いですか?
意味は通じますが、「対象となる」「対象者に当たる」「要件に該当する」などと具体化した方が明確です。特に正式な文書では、何に該当しているのかを示すとわかりやすくなります。
Q6. 「対象外」と「非該当」はどう違いますか?
対象外は制度やサービスなどの範囲に含まれないこと、非該当は条件や資格などに当てはまらないことです。条件に該当しなかった結果として、制度の対象外になる場合もあります。
Q7. 補助金では「対象」と「該当」をどう使いますか?
補助金では、「対象事業」「対象者」「対象経費」のように制度の範囲を対象で表します。一方、「申請要件に該当する」のように、個別の条件への当てはまりを該当で表します。
Q8. 「対象になる」と「適用される」は同じですか?
同じではありません。対象になるとは、制度などの範囲に含まれることです。適用されるとは、規則・制度・料金などが実際にその人や物に当てはめられることです。
Q9. 「該当する」と「適合する」はどう違いますか?
該当するは、条件や資格などに当てはまることです。適合するは、規格・基準・条件などによく合っていることを意味します。申請条件なら「該当」、製品規格なら「適合」が使われやすいでしょう。
Q10. 「対象商品」と「該当商品」はどう違いますか?
対象商品は、キャンペーンや制度などの範囲に含まれる商品です。該当商品は、示された条件に当てはまる商品という意味になります。キャンペーン案内では通常「対象商品」が自然です。
Q11. 「該当なし」と「対象外」は同じですか?
同じとは限りません。「該当なし」は、提示された条件や選択肢に当てはまるものがないことです。「対象外」は、制度などの範囲に入っていないことです。
Q12. 条件に該当すれば必ず対象になりますか?
制度の設計によります。特定の条件に該当することが対象者となる条件であれば対象になりますが、ほかにも複数の要件がある場合は、一つに該当しただけでは対象にならないことがあります。
Q13. 「対象です」と言われたら申請できますか?
必ずしも申請できるとは限りません。対象者であっても、申請期間、必要書類、別の要件などが定められている場合があります。制度の詳しい条件を確認しましょう。
Q14. 申請フォームでは「対象」と「該当」のどちらを使いますか?
申請できる人の範囲を説明する場合には「対象者」、条件や選択肢から当てはまるものを選んでもらう場合には「該当する項目」が自然です。
まとめ:「対象」は範囲、「該当」は条件への当てはまり
「対象」と「該当」は、制度や申請、キャンペーンなどで一緒に使われることが多い言葉ですが、意味の中心は異なります。
- 対象:行為・調査・制度・サービスなどが向けられる人・物・範囲。
- 該当:条件・資格・基準などに当てはまること。
例えば、「18歳以上の人を対象とする」という文章では、制度や調査の範囲を示しています。
一方、「18歳以上という条件に該当する」という文章では、個人が条件に当てはまるかどうかを示しています。
実務では、条件に該当しているかを確認した結果、その人が制度の対象になるという流れがよくあります。
また、対象者であっても、申請条件や審査条件を満たさなければ実際の給付・サービスを受けられない制度もあります。
言葉選びに迷ったときは、「誰・何を範囲に含めるか」なら「対象」、「条件に当てはまるかどうか」なら「該当」と考えると、自然に使い分けられます。
