ビジネス文書やニュース、改まった挨拶などで、
- 謝意を伝える
- 謝意を表す
- 謝意を示す
という表現を目にすることがあります。
どれも似たような意味に感じられるため、
- 「謝意を伝える」と「謝意を表す」は何が違うのか
- 「謝意」は感謝と謝罪のどちらを意味するのか
- ビジネスメールで「謝意を伝える」と書いてよいのか
- 「謝意を受ける」「謝意をいただく」は自然なのか
- 「謝意を表します」と「感謝申し上げます」はどう違うのか
と迷う人も少なくありません。
結論から言えば、「謝意を伝える」は相手に感謝やお詫びの気持ちを届けることに重点があり、「謝意を表す」は言葉・態度・行動などによって、その気持ちを外に表現することに重点があります。
ただし、実際には両者の意味はかなり近く、多くの場面で大きな違いなく使えます。
さらに注意したいのが、「謝意」という言葉そのものです。
「謝意」には、
- 感謝の気持ち
- 自分の過ちをわびる気持ち
という二つの意味があります。
つまり、「謝意を伝える」という表現だけでは、文脈によって「ありがとうという気持ちを伝える」場合もあれば、「申し訳ないという気持ちを伝える」場合もあります。
この記事では、「謝意を伝える」と「謝意を表す」の違いを中心に、「謝意を示す」「謝意を受ける」「謝意をいただく」などの使い方も、ビジネス・式典・感謝・謝罪の例文を使って詳しく解説します。
- 結論:「伝える」は相手に届けること、「表す」は気持ちを外に示すこと
- そもそも「謝意」とは?
- 「謝意を伝える」とは?
- 「謝意を表す」とは?
- 「謝意を表す」と「謝意を表する」はどちらが正しい?
- 「謝意を伝える」と「謝意を表す」は言い換えられる?
- 「謝意を示す」とは?
- 「謝意を伝える」は感謝の意味で使うことが多い?
- 「謝意」は感謝と謝罪のどちらなのか
- 「感謝」と「謝意」の違い
- 「謝意を伝える」と「感謝を伝える」の違い
- ビジネスで「謝意を伝える」は自然?
- メールで「謝意を表します」は使える?
- 「深い謝意を表す」は自然?
- 「心から謝意を表す」は自然?
- 「深甚なる謝意」とは?
- 「謝意を申し上げる」は自然?
- 「謝意を受ける」とは?
- 「謝意をいただく」は自然?
- 「謝意を頂戴する」はどう?
- 「謝意を述べる」とは?
- 「謝意を表明する」は使える?
- 「謝意を伝達する」は自然?
- 第三者を通じて謝意を伝える場合
- 贈り物で謝意を表すことはできる?
- 式典では「謝意を表す」が使いやすい
- 退職・退任の挨拶ではどう使う?
- ニュースで「謝意を表した」と書かれる場合
- 謝罪として「謝意」を使う場合は誤解に注意
- 感謝として「謝意」を使う場合も文脈を明確にする
- 「感謝の意」と「謝意」の違い
- 「お礼」と「謝意」の違い
- 「御礼申し上げます」と「謝意を表します」の違い
- 「謝意」と「深謝」の違い
- ビジネスメールで使える自然な例文
- 謝罪の場合の例文
- 「謝意を伝える」の言い換え
- 「謝意を表す」の言い換え
- 「謝意を伝える」は話し言葉として自然?
- 「謝意を表す」は日常会話ではさらに硬い
- 「謝意」は目上の人にも使える?
- 「謝意」は目下の人にも使える?
- 「感謝と謝意」を重ねて使っていい?
- 「謝意と敬意を表す」は自然?
- 過剰に硬い表現には注意
- 「謝意を伝える」と「謝意を表す」の使い分けを具体例で確認
- 一目で分かる使い分け一覧
- よくある質問
- Q1. 「謝意」の読み方は?
- Q2. 「謝意を伝える」は正しい日本語ですか?
- Q3. 「謝意を表す」は正しいですか?
- Q4. 「謝意を伝える」と「謝意を表す」はどちらが正しいですか?
- Q5. 「謝意」は「ありがとう」という意味ですか?
- Q6. 「謝意」は謝罪という意味でも使えますか?
- Q7. 「謝意を示す」と「謝意を表す」の違いは?
- Q8. 「謝意を受ける」は正しいですか?
- Q9. 「謝意をいただく」は正しいですか?
- Q10. ビジネスメールでは「謝意を表します」と書いていいですか?
- Q11. 「謝意を表す」と「御礼申し上げる」はどちらが丁寧ですか?
- Q12. 迷ったら「謝意」と「感謝」のどちらを使えばいいですか?
- まとめ
- 参考資料
結論:「伝える」は相手に届けること、「表す」は気持ちを外に示すこと
まず、「謝意を伝える」と「謝意を表す」の違いを整理してみましょう。
| 項目 | 謝意を伝える | 謝意を表す |
|---|---|---|
| 中心となる意味 | 謝意を相手に届ける | 謝意を言葉・態度・行動などに表現する |
| 注目する点 | 相手に届くこと | 気持ちを外に示すこと |
| 日常的な分かりやすさ | 比較的分かりやすい | やや改まった表現 |
| 式典・声明・文書 | 使える | 特に使いやすい |
| 感謝の意味 | 使える | 使える |
| 謝罪の意味 | 文脈によって使える | 文脈によって使える |
たとえば、長年協力してくれた取引先について、
「担当者に直接謝意を伝えた。」
と書けば、感謝の気持ちを本人に届けたことが中心です。
一方、
「式典において関係者に謝意を表した。」
とすれば、挨拶などを通じて感謝の気持ちを正式に表現したことに重点があります。
簡単に覚えるなら、
- 相手に届ける → 謝意を伝える
- 気持ちを表現する → 謝意を表す
と考えるとよいでしょう。
そもそも「謝意」とは?
「謝意」は「しゃい」と読みます。
「謝」という漢字から「謝罪」の意味だけを想像する人もいるかもしれませんが、「謝意」には二つの意味があります。
1. 感謝の気持ち
人から受けた親切・協力・厚意などに対して、「ありがたい」と思う気持ちです。
たとえば、
- 協力してくれた関係者に謝意を表す
- 長年の支援に対して謝意を伝える
- 寄付者に深い謝意を示す
などです。
2. 過ちをわびる気持ち
もう一つは、自分の過失や問題について「申し訳ない」とわびる気持ちです。
たとえば、
「責任者は謝意を表して辞任した。」
などとすれば、文脈によっては謝罪の意味になります。
したがって、「謝意」を見ただけで「感謝」と決めつけることはできません。
「謝意を伝える」とは?
「謝意を伝える」とは、感謝またはお詫びの気持ちを、相手に分かる形で届けることです。
「伝える」という言葉には、情報・考え・気持ちなどを相手に知らせる意味があります。
そのため、「謝意を伝える」では、
謝意が相手に届くこと
が重要になります。
「謝意を伝える」の例文
- これまで協力してくれた関係者に謝意を伝えた。
- 社長は長年勤務した社員一人一人に謝意を伝えた。
- 支援してくれた地域住民へ改めて謝意を伝える。
- 直接訪問し、協力に対する謝意を伝えた。
- 手紙を通じて恩師に謝意を伝えた。
- 関係者への謝意を伝えるため、記念式典を開催した。
特定の相手に対して「ありがとう」という気持ちを届ける場合に非常に使いやすい表現です。
「謝意を表す」とは?
「謝意を表す」は、感謝やお詫びの気持ちを、言葉・態度・行動などで外に示すことです。
「表す」には、心の中にあるものを外に現すという意味があります。
そのため「謝意を表す」は、
心の中にある感謝・お詫びの気持ちを、何らかの形として示す
という意味になります。
「謝意を表す」の例文
- 多大な支援をいただいた皆様に深い謝意を表します。
- 関係者の尽力に対して謝意を表した。
- 式典の冒頭で協力者に謝意を表した。
- 長年の功績に対し、会社として謝意を表する。
- 心から謝意を表します。
- 今回の不手際について謝意を表した。
特に、式辞・声明・文章・公式な挨拶などで使いやすい、やや硬めの表現です。
「謝意を表す」と「謝意を表する」はどちらが正しい?
どちらも使われます。
「表す」は「気持ちを外に示す」という一般的な表現です。
一方、「謝意を表する」という形も、改まった文章でよく使われます。
たとえば、
「ここに深甚なる謝意を表します。」
「関係者各位に対し、心より謝意を表する。」
などです。
一般的な文章なら「謝意を表す」、より格式のある文書・式辞などでは「謝意を表する」という形も選択肢になります。
「謝意を伝える」と「謝意を表す」は言い換えられる?
多くの場合、意味を大きく変えずに言い換えられます。
たとえば、
「関係者に謝意を伝えた。」
「関係者に謝意を表した。」
はいずれも、関係者への感謝などを示したことを表せます。
ただし、微妙な焦点が異なります。
相手とのコミュニケーションを重視するなら「伝える」
「本人に直接伝えた」
「電話で伝えた」
「手紙で伝えた」
のように、誰かに気持ちが届くことを強調したい場合は「謝意を伝える」が自然です。
公に表現したことを重視するなら「表す」
式典・会見・声明・文章などを通じて、感謝や謝罪の姿勢を示したことを強調するなら「謝意を表す」が使いやすくなります。
「謝意を示す」とは?
「謝意を示す」もよく使われます。
「示す」は、気持ち・考え・態度などを相手に分かるようにするという意味です。
そのため「謝意を示す」は、
言葉だけでなく態度や行動も含めて、感謝・お詫びの気持ちが分かるようにする
という表現として使えます。
例文
- 協力してくれた社員に謝意を示した。
- 贈り物を渡して謝意を示した。
- 関係者に対し、改めて謝意を示す必要がある。
「伝える」「表す」「示す」の違いを整理すると、
| 表現 | 重点 |
|---|---|
| 謝意を伝える | 相手に気持ちを届ける |
| 謝意を表す | 気持ちを言葉・態度などに表現する |
| 謝意を示す | 気持ちが分かる形にする |
となります。
「謝意を伝える」は感謝の意味で使うことが多い?
実際の文章では、「謝意を伝える」は感謝の意味で使われることが多くあります。
たとえば、
「長年支援してくれた皆様に謝意を伝える。」
といえば、「ありがとうございます」という気持ちです。
ただし、「謝意」そのものには謝罪の意味もあるため、文脈によってはお詫びの意味にもなり得ます。
読み手に誤解させたくない場合は、
- 感謝の意を伝える
- お詫びの意を伝える
- 感謝と謝意を表す
- 謝罪の意を示す
など、意味を明確にする方法もあります。
「謝意」は感謝と謝罪のどちらなのか
これは非常に重要なポイントです。
「謝意」には両方の意味があります。
| 意味 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 感謝 | ありがたいと思う気持ち | ご支援に謝意を表す |
| 謝罪 | 申し訳ないと思う気持ち | 不手際について謝意を示す |
そのため、前後の文脈が非常に重要です。
この違いについては、「謝意」と「謝罪」の違いとは?謝意は感謝とお詫びのどっち?意味・使い分けを例文で徹底解説で詳しく解説しています。
「感謝」と「謝意」の違い
「謝意」が感謝の意味で使われる場合、「感謝」とかなり近い意味になります。
ただし、一般的には「感謝」のほうが幅広く日常的です。
「ありがとう。とても感謝しています。」
は自然ですが、日常会話で、
「あなたに謝意を感じています。」
とすると、かなり硬い印象になります。
「謝意」は、
- 式辞
- 公式文書
- 挨拶状
- 報道
- 改まったスピーチ
などに向いています。
「感謝」と「謝意」の基本的な違いについては、「感謝」と「謝意」の違いは?意味・使い分けを例文でわかりやすく解説も参考にしてください。
「謝意を伝える」と「感謝を伝える」の違い
どちらも自然ですが、文体の硬さが違います。
感謝を伝える
日常からビジネスまで幅広く使えます。
例:
「これまで支えてくれた家族に感謝を伝えたい。」
謝意を伝える
より改まった印象があります。
例:
「長年ご協力いただいた関係機関に謝意を伝えた。」
家族・友人への普通の会話なら「感謝を伝える」、式典やビジネスなどでは「謝意を伝える」も使いやすいでしょう。
ビジネスで「謝意を伝える」は自然?
はい。自然な表現です。
特に改まった報告・スピーチ・社内文書などで使えます。
たとえば、
「先方には弊社社長から謝意を伝える予定です。」
「プロジェクト終了にあたり、協力各社に謝意を伝えた。」
などです。
ただし、相手本人へのメールでは、「謝意」という抽象的な言葉より、
「心より御礼申し上げます」
「ご協力いただき、誠にありがとうございます」
のように、具体的に感謝を述べたほうが自然な場合も多くあります。
メールで「謝意を表します」は使える?
使うことはできます。
たとえば、
「これまでの多大なるご支援に対し、改めて謝意を表します。」
などです。
ただし、やや格式の高い表現です。
日常的な取引先メールなら、
「これまでのご支援に心より御礼申し上げます。」
としたほうが自然で温かみのある文章になる場合があります。
「深い謝意を表す」は自然?
はい。よく使われる表現です。
たとえば、
「本事業に多大なご協力をいただいた皆様に、深い謝意を表します。」
と使えます。
「深い」を付けることで、感謝の程度が大きいことを表します。
「心から謝意を表す」は自然?
自然です。
「心から謝意を表します」
「心より謝意を表します」
などの表現があります。
ただし、文章によっては、
「心より御礼申し上げます」
のほうが読み手に意味が直感的に伝わりやすい場合もあります。
「深甚なる謝意」とは?
「深甚(しんじん)」は、程度が非常に深いことを表す硬い言葉です。
そのため、
「深甚なる謝意を表します」
とすれば、非常に深い感謝の気持ちを表す改まった表現になります。
ただし、日常的なメールでは硬すぎる場合があります。
式辞・公式声明・謝辞などに向いた表現です。
「謝意を申し上げる」は自然?
意味は理解できますが、「謝意を表します」「御礼申し上げます」のほうが一般的に使いやすいでしょう。
「申し上げる」は相手に何かを言う謙譲表現なので、
「感謝申し上げます」
「御礼申し上げます」
は非常によく使われます。
「謝意」という名詞と組み合わせるなら、慣用的には「謝意を表す」「謝意を示す」「謝意を伝える」が分かりやすい表現です。
「謝意を受ける」とは?
「謝意を受ける」は、相手から感謝や謝罪の気持ちを示されることを意味します。
たとえば、
「長年の活動に対し、関係者から謝意を受けた。」
という使い方が考えられます。
ただし、日常的には、
- 感謝された
- 御礼を受けた
- 謝辞を受けた
などのほうが自然な場合もあります。
「謝意を受ける」はやや硬く、ニュース記事・報告書などに合いやすい表現です。
「謝意をいただく」は自然?
文脈によって使うことはできますが、やや抽象的な表現です。
たとえば、
「先方から丁重な謝意をいただきました。」
とすれば、相手から感謝やお詫びの意を示されたことを表せます。
しかし、意味を明確にするなら、
「先方から丁重なお礼のお言葉をいただきました。」
「先方から謝罪のお言葉をいただきました。」
のように具体化するほうが読み手に伝わりやすい場合があります。
「謝意を頂戴する」はどう?
「いただく」よりさらに改まった言い方として「頂戴する」があります。
ただし、
「謝意を頂戴しました」
とすると非常に硬い印象です。
一般的なビジネスメールでは、無理に格式の高い表現を使わず、
「ありがたいお言葉をいただきました」
などとしたほうが自然な場合もあります。
「謝意を述べる」とは?
「謝意を述べる」は、言葉によって感謝・お詫びの気持ちを言い表すことです。
「表す」よりも、実際に言葉として発言・記述したことに重点があります。
たとえば、
「受賞者は支援してくれた家族に謝意を述べた。」
という使い方です。
整理すると、
- 謝意を伝える=相手に届ける
- 謝意を表す=外に表現する
- 謝意を示す=分かる形で示す
- 謝意を述べる=言葉で述べる
となります。
「謝意を表明する」は使える?
使えます。
「表明」は、自分の考え・意思・立場などをはっきり外に示すことです。
「謝意を表明した」とすれば、公に感謝や謝罪の気持ちを示したという硬い表現になります。
特にニュース・声明などでは使われる可能性があります。
ただし、普通のビジネスメールなら「謝意を表す」のほうが簡潔です。
「謝意を伝達する」は自然?
意味は理解できますが、「伝達」は情報・命令・連絡などを別の人へ伝えるという事務的な印象が強い言葉です。
気持ちについては、一般的に「謝意を伝える」のほうが自然です。
たとえば、
「社長からの謝意を関係者に伝える」
で十分です。
第三者を通じて謝意を伝える場合
本人が直接相手に伝えなくても、「謝意を伝える」と表現できます。
たとえば、
「社長は担当者を通じて現場の社員に謝意を伝えた。」
という文章です。
「伝える」は、直接・間接を問わず、気持ちや情報が相手に届くことを表せるためです。
贈り物で謝意を表すことはできる?
できます。
「表す」は必ずしも言葉だけを意味しません。
たとえば、
「長年の協力への謝意を表すため、記念品を贈呈した。」
と書くことができます。
この場合、贈り物という行動によって感謝の気持ちを外に示しています。
式典では「謝意を表す」が使いやすい
表彰式、退任式、創立記念式典などでは「謝意を表す」が使いやすい表現です。
たとえば、
「長年にわたり本会の発展に尽力された皆様に、心から謝意を表します。」
などです。
式典では、多数の相手に対して公に感謝を示すことが多いため、「伝える」より「表す」が文章になじみやすい場合があります。
退職・退任の挨拶ではどう使う?
たとえば退任する人が関係者への感謝を述べるなら、
「これまで支えてくださった皆様に、改めて謝意を表します。」
という文章が使えます。
ただし、親しみを出したい場合は、
「これまで支えてくださった皆様に、心より感謝申し上げます。」
のほうが温かい印象になることもあります。
ニュースで「謝意を表した」と書かれる場合
ニュースでは、人物の発言を簡潔にまとめるため、
「○○氏は関係者に謝意を表した」
という表現が使われることがあります。
これは、本人が具体的に「ありがとう」と述べた場合だけでなく、声明・会見などを通じて感謝の姿勢を示したことをまとめて表せる便利な言葉です。
謝罪として「謝意」を使う場合は誤解に注意
「謝意」には謝罪の意味がありますが、現在の文章では感謝の意味で受け取る人も多いため、謝罪を明確に伝えたい場合には注意が必要です。
たとえば、重大なミスについて、
「当社は謝意を表します。」
だけでは、感謝なのか謝罪なのか分かりにくい可能性があります。
その場合は、
「深くお詫び申し上げます。」
「謝罪の意を表します。」
などと書いたほうが明確です。
感謝として「謝意」を使う場合も文脈を明確にする
同様に、
「謝意を表します」
だけより、
「長年のご支援に対し、深い謝意を表します。」
とすれば、感謝であることが明確になります。
「何に対する謝意なのか」を具体的に書くことが大切です。
「感謝の意」と「謝意」の違い
「感謝の意」は、「ありがたいと思う気持ち」という意味が明確です。
「謝意」には感謝と謝罪の二つの意味があるため、曖昧さを避けたい場合には「感謝の意」を使う方法があります。
たとえば、
「協力してくださった皆様に感謝の意を表します。」
なら、謝罪と誤解される可能性はほとんどありません。
「お礼」と「謝意」の違い
「お礼」は日常的で分かりやすい言葉です。
「謝意」は改まった硬い言葉です。
たとえば、
「友達にお礼を伝える。」
は自然ですが、
「友達に謝意を伝える。」
とすると、かなり硬く感じられます。
一方、会社の公式な挨拶なら「謝意」も適しています。
「御礼申し上げます」と「謝意を表します」の違い
どちらも改まった感謝表現ですが、文章の性格が少し違います。
御礼申し上げます
相手に直接お礼を言う表現です。
例:
「日頃より格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。」
謝意を表します
感謝の気持ちを外に示すという、やや客観的・格式のある言い方です。
例:
「本事業に尽力された関係者の皆様に、深い謝意を表します。」
相手へのメールなら「御礼申し上げます」、式辞や報告書などでは「謝意を表します」が使いやすいことがあります。
「謝意」と「深謝」の違い
「深謝(しんしゃ)」は、深く感謝すること、または深くわびることを意味する言葉です。
「謝意」は感謝・謝罪の「気持ち」そのものに注目します。
「深謝」は、その感謝・謝罪の程度が深いことを強調します。
たとえば、
「皆様のご支援に深謝いたします。」
という表現があります。
「深謝」と「感謝」の違いについては、「深謝」と「感謝」の違いとは?お礼と謝罪の2つの意味・ビジネスメールでの使い分けを徹底解説も参考にしてください。
ビジネスメールで使える自然な例文
取引先への感謝
「このたびは多大なるご協力を賜り、心より御礼申し上げます。弊社一同、深い謝意を表しております。」
プロジェクト終了時
「本プロジェクトの完遂にあたり、ご尽力いただいた皆様に改めて謝意を表します。」
社内報告
「先方を訪問し、これまでのご協力に対する謝意を直接お伝えしました。」
式典案内
「創立以来ご支援いただいた関係者の皆様に謝意を表するため、記念式典を開催いたします。」
謝罪の場合の例文
「謝意」を謝罪の意味で使うこともできますが、誤解を避けるため前後を明確にしましょう。
例:
「今回の不手際について、責任者は関係者に謝意を示した。」
ただし、一般の読み手に確実に謝罪だと伝えたいなら、
「責任者は関係者に謝罪した。」
「責任者は深くお詫びした。」
のほうが明確です。
「謝意を伝える」の言い換え
文章が硬すぎると感じる場合は、次のように言い換えられます。
- 感謝を伝える
- お礼を伝える
- 感謝の気持ちを伝える
- 御礼を申し上げる
- 感謝の意を示す
- 感謝を表す
日常会話なら「感謝を伝える」「お礼を言う」のほうが自然です。
「謝意を表す」の言い換え
- 感謝の意を表す
- 感謝を示す
- 御礼を申し上げる
- 感謝の気持ちを表す
- 感謝を表明する
文章の相手・場面に応じて選びましょう。
「謝意を伝える」は話し言葉として自然?
意味としては自然ですが、やや硬めです。
日常会話で、
「昨日、お母さんに謝意を伝えたよ。」
と言うと、少し堅苦しく聞こえます。
普通は、
「昨日、お母さんにありがとうって伝えたよ。」
などと言うでしょう。
「謝意」は主に文章・改まった発言に向いています。
「謝意を表す」は日常会話ではさらに硬い
「謝意を表す」は、式典・報告書・ニュースなどに向いているため、普通の会話ではかなり硬い表現です。
家族や友人への感謝なら、「ありがとう」「感謝している」と伝えるほうが自然です。
「謝意」は目上の人にも使える?
使えます。
たとえば、
「先生の長年にわたるご指導に、深い謝意を表します。」
という表現が可能です。
ただし、目上の人への直接のメールでは、抽象的に「謝意を表します」とするより、
「長年ご指導いただき、心より御礼申し上げます。」
としたほうが自然なこともあります。
「謝意」は目下の人にも使える?
使えます。
「謝意」は相手の上下関係を限定する言葉ではありません。
社長が社員に、
「長年の尽力に謝意を表する」
という使い方もできます。
「感謝と謝意」を重ねて使っていい?
意味が重なるため、文章によっては冗長になります。
たとえば、
「心からの感謝と謝意を表します。」
という表現は意味を理解できますが、感謝の意味で「謝意」を使っているなら内容が重なります。
通常は、
「心から感謝申し上げます。」
または、
「深い謝意を表します。」
のどちらかで十分です。
「謝意と敬意を表す」は自然?
自然です。
「謝意」は感謝、「敬意」は尊敬する気持ちを表すため、意味が異なります。
たとえば、
「長年にわたるご功績に対し、謝意と敬意を表します。」
とすれば、
- ありがとうございました
- 尊敬しています
という二つの気持ちを示せます。
過剰に硬い表現には注意
「謝意」は便利な改まった言葉ですが、硬い表現を重ねすぎると読みにくくなります。
たとえば、
「このたびのご高配に対し深甚なる謝意を謹んで表明申し上げます。」
のように、多くの改まった語を重ねると、場面によっては過剰に感じられる可能性があります。
相手や場面に合わせて、
「ご協力に心より感謝申し上げます。」
のような分かりやすい表現を選ぶことも大切です。
「謝意を伝える」と「謝意を表す」の使い分けを具体例で確認
例1:取引先へ直接挨拶する
○「取引先を訪問し、これまでの協力に対する謝意を伝えた。」
相手本人に気持ちを届けているため、「伝える」がよく合います。
例2:式典で挨拶する
○「式典の挨拶で、関係者に深い謝意を表した。」
公の場で気持ちを表現しているため、「表す」が自然です。
例3:記念品を渡す
○「謝意を表すため、長年勤務した社員に記念品を贈呈した。」
行動によって感謝を形にしています。
例4:恩師へ手紙を書く
○「手紙を通じて恩師に謝意を伝えた。」
特定の相手に気持ちを届けています。
例5:公式声明
○「声明の中で協力国に謝意を表した。」
公に示したことが中心なので「表す」が使いやすいでしょう。
一目で分かる使い分け一覧
| 場面 | 使いやすい表現 |
|---|---|
| 本人に直接感謝する | 謝意を伝える |
| 手紙で感謝する | 謝意を伝える |
| 式典で公式に感謝する | 謝意を表す |
| 声明で感謝を示す | 謝意を表す/示す |
| 行動で感謝を示す | 謝意を示す/表す |
| 日常的にお礼を言う | 感謝を伝える/お礼を言う |
| 重大な問題を謝罪する | 謝罪する/お詫びする |
よくある質問
Q1. 「謝意」の読み方は?
「しゃい」と読みます。
感謝の気持ち、または自分の過ちをわびる気持ちを意味します。
Q2. 「謝意を伝える」は正しい日本語ですか?
はい。正しい表現です。
感謝やお詫びの気持ちを相手に伝える意味で使えます。
Q3. 「謝意を表す」は正しいですか?
はい。
特に式典・公式文書・改まった挨拶などでよく使われる表現です。
Q4. 「謝意を伝える」と「謝意を表す」はどちらが正しいですか?
どちらも正しいです。
相手に気持ちを届ける点を強調するなら「伝える」、気持ちを言葉・態度などで外に示す点を強調するなら「表す」が適しています。
Q5. 「謝意」は「ありがとう」という意味ですか?
感謝の意味があります。
ただし、それだけでなく、過ちをわびる「謝罪の気持ち」という意味もあります。
Q6. 「謝意」は謝罪という意味でも使えますか?
はい。
ただし、現在の文章では感謝と受け取られる可能性もあるため、重要な謝罪では「謝罪」「お詫び」などの明確な言葉を使ったほうがよい場合があります。
Q7. 「謝意を示す」と「謝意を表す」の違いは?
非常に近い表現です。
「示す」は相手に分かる形にすること、「表す」は心の中の気持ちを外に表現することに重点があります。
Q8. 「謝意を受ける」は正しいですか?
使えます。
相手から感謝や謝罪の気持ちを示されるという意味です。
ただし、文脈によっては「感謝された」「お礼を受けた」などのほうが自然です。
Q9. 「謝意をいただく」は正しいですか?
使うことはできますが、やや硬い表現です。
具体的な内容を示したいなら「お礼のお言葉をいただく」「謝罪のお言葉をいただく」などのほうが分かりやすい場合があります。
Q10. ビジネスメールでは「謝意を表します」と書いていいですか?
はい。
ただし、通常の取引先メールでは「心より御礼申し上げます」のほうが自然で直接的なこともあります。
Q11. 「謝意を表す」と「御礼申し上げる」はどちらが丁寧ですか?
単純に丁寧さの上下で分けるより、文章の性格が異なると考えましょう。
「御礼申し上げる」は相手へ直接お礼を述べる表現、「謝意を表す」は感謝の気持ちを公的・客観的に示す表現として使いやすい言い方です。
Q12. 迷ったら「謝意」と「感謝」のどちらを使えばいいですか?
一般的な文章なら「感謝」のほうが分かりやすく、誤解も少ないでしょう。
式典・報告書・公式な挨拶など、改まった文章では「謝意」が適しています。
まとめ
「謝意を伝える」と「謝意を表す」は非常に近い表現ですが、焦点に少し違いがあります。
| 表現 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| 謝意を伝える | 感謝・お詫びの気持ちを相手へ届ける | 相手に届くことを重視 |
| 謝意を表す | 感謝・お詫びの気持ちを言葉・態度などで表現する | 外に表現することを重視 |
| 謝意を示す | 謝意が分かる形にする | 言葉・態度・行動まで幅広い |
| 謝意を述べる | 言葉で謝意を表現する | 発言・文章に重点 |
特に覚えておきたいのは、「謝意」そのものに、
- 感謝の気持ち
- 謝罪の気持ち
という二つの意味があることです。
現在の文章では感謝の意味で「謝意を伝える」「謝意を表す」と書かれることが多いものの、前後の文脈によっては謝罪を意味することもあります。
そのため、読み手に誤解させたくない場合には、
「長年のご支援に対して謝意を表す」
「今回の不手際について謝罪の意を示す」
など、何についての気持ちなのかを明確にするとよいでしょう。
また、普通の会話・メールでは、無理に「謝意」という硬い言葉を使う必要はありません。
「ありがとうございます」
「心より感謝申し上げます」
「御礼申し上げます」
などのほうが、相手に気持ちが直接伝わることもあります。
使い分けに迷った場合は、
「気持ちを相手に届けることを言いたいのか、それとも気持ちを何らかの形で示したことを言いたいのか」
を考えてください。
相手へ届けるなら「謝意を伝える」、公式な言葉・態度・行動として示すなら「謝意を表す」と考えると、自然に使い分けられるでしょう。
参考資料
- コトバンク「謝意」 ― 「感謝の気持ち」と「自分の過ちをわびる気持ち」という二つの意味を確認
- 漢字ペディア「謝意」 ― 「お礼の気持ち・感謝の心」「おわびの気持ち・謝罪の心」という意味を確認
- 文化庁「現代社会における敬意表現―言葉遣いの中の敬意表現」 ― 相手・場面に配慮して表現を選ぶという敬意表現の考え方を確認
- 文化庁「現代社会における敬意表現―敬意表現についての留意点」 ― 場面に合わない過剰な敬意表現への注意を確認
