「計画の概略を説明する」「調査結果の概略をまとめる」「まず概略を教えてください」など、「概略」という言葉は仕事・報告書・研究・説明資料などで使われます。
意味はなんとなくわかっていても、実際に使おうとすると、
- 「概略」とは簡単にいうと何なのか
- 読み方は「がいりゃく」でよいのか
- 「概要」と「概略」は何が違うのか
- 「要約」「あらまし」「概観」とどう使い分けるのか
- 「概略を説明する」とはどこまで説明すればよいのか
- 「概略をまとめる」は意味が重複しているのか
- 「概略は以下の通り」と「概要は以下の通り」はどちらが自然なのか
- 「概略図」とはどの程度詳しい図なのか
- 仕事で「概略を教えてください」と言われたら何を伝えればよいのか
など、細かな疑問が生じます。
結論からいうと、「概略」とは、物事の細かな部分を省き、大体の内容・全体像を簡潔に示したものです。
簡単に言えば、
「細部に入る前に、その物事がだいたいどういうものなのかを示したもの」
と考えるとわかりやすいでしょう。
この記事では、「概略」の意味・読み方・使い方から、「概要・要約・あらまし・概観・大要・大略」との違い、「概略を説明する・まとめる・示す」「概略図・概略説明」の意味まで詳しく解説します。
- 結論:「概略」とは物事のおおよその内容・あらまし
- 「概略」をもっと簡単にいうと?
- 「概」と「略」から意味を考える
- 「概略」と「概要」の違い
- 「概略」と「要約」の違い
- 「概略」と「あらまし」の違い
- 「概略」と「概観」の違い
- 「概略」と「大要」の違い
- 「概略」と「大略」の違い
- 「概略」と「大筋」の違い
- 「概略」と「アウトライン」の違い
- 「概略を説明する」とは?
- 仕事で「概略を教えてください」と言われたら何を答える?
- 「概略をまとめる」はおかしい?
- 「概略を要約する」はおかしい?
- 「概略を簡単に説明する」は重複表現?
- 「概略を示す」とは?
- 「概略は以下の通りです」は正しい?
- 「概略は次のとおり」と「概要は次のとおり」はどちらが正しい?
- 「概略説明」とは?
- 「概略図」とは?
- 概略図と詳細図の違い
- 「概略設計」とは?
- 「概略工程」とは?
- 「概略」と「詳細」の違い
- 「概略」と「全体像」の違い
- 「概略」と「概況」の違い
- 「概略」と「要旨」の違い
- 「概略」と「粗筋」の違い
- ビジネスで「概略」を使う場面
- 「概略をご説明します」は丁寧?
- 「概略をご教示ください」は自然?
- 「概略を把握する」とは?
- 「概略だけ」では不十分な場面もある
- 「概略」を書くときのポイント
- 概略を書くときに省いてはいけないもの
- 「概略」を使った例文
- 「概略」の類語・言い換え
- 「概略」の反対語は?
- 「概略」に関するよくある質問
- Q1.「概略」とは簡単にいうと何ですか?
- Q2.「概略」の読み方は?
- Q3.「概略」と「概要」は何が違いますか?
- Q4.「概略」と「概要」は言い換えられますか?
- Q5.「概略」と「要約」の違いは?
- Q6.「概略」と「あらまし」の違いは?
- Q7.「概略」と「概観」の違いは?
- Q8.「概略」と「大要」の違いは?
- Q9.「概略を説明する」とは?
- Q10.「概略をまとめる」はおかしいですか?
- Q11.「概略を簡単に説明する」は重複ですか?
- Q12.「概略は以下の通りです」は正しいですか?
- Q13.「概略図」とは?
- Q14.概略図と詳細図は違いますか?
- Q15.「概略設計」とは?
- Q16.「概略を把握する」とは?
- Q17.「概略」と「詳細」は反対の意味ですか?
- Q18.仕事で「概略を教えて」と言われたら何を伝えればよいですか?
- Q19.「概要」と「概略」はどちらがビジネス向きですか?
- Q20.「概略」を「ざっくり」に言い換えられますか?
- まとめ
- 参考リンク
結論:「概略」とは物事のおおよその内容・あらまし
「概略」は、
概略(がいりゃく)
と読みます。
辞書では、
おおよその内容・あらまし・大略・概要
という意味で説明されています。
たとえば、あるプロジェクトについて、
- 細かな日程
- 担当者ごとの作業
- 詳細な予算
- 技術的な仕様
まで説明するのではなく、
- 何をする計画なのか
- なぜ行うのか
- いつごろ行うのか
- おおよそどのように進めるのか
を簡潔に説明したものが「計画の概略」です。
| 言葉 | 簡単な意味 | ポイント |
|---|---|---|
| 概略 | 物事のおおよその内容 | 細部を省いた大まかな内容 |
| 概要 | 全体の要点をまとめたもの | 全体+重要点を意識しやすい |
| 要約 | 文章などの要点をまとめること | 元の文章・話を短くする |
| あらまし | 物事のだいたいのところ | やわらかい日本語表現 |
| 概観 | 物事の大体のありさまを見渡すこと | 全体を広く眺めるニュアンス |
「概略」をもっと簡単にいうと?
「概略」を難しく感じる場合は、
「だいたいの内容」
と言い換えると理解しやすくなります。
たとえば上司から、
「新しいシステム導入計画の概略を説明してください」
と言われたとします。
この場合、最初からすべての仕様を細かく説明するのではなく、
- 何のために導入するのか
- どのようなシステムなのか
- いつ導入する予定なのか
- おおよその費用はいくらなのか
- 期待している効果は何なのか
などを簡潔に説明すれば、「概略」の説明になります。
つまり「概略」では、細部より先に全体像をつかんでもらうことが重要です。
「概」と「略」から意味を考える
「概略」の意味は漢字からも理解できます。
「概」には、物事を大体・おおむね捉える意味があります。
「略」には、細かな部分を省いたり、簡潔にしたりする意味があります。
そのため「概略」は、
細かな部分を省いて、大体のところを示す
というイメージになります。
「概略」と「概要」の違い
「概略」と最も混同しやすい言葉が「概要」です。
辞書上、両者は非常に近く、「概略」の説明に「概要」、「概要」の説明に「概略」が使われるほど意味が重なっています。
そのため、すべての文章で厳密に区別しなければならないわけではありません。
ただし、言葉の中心的なニュアンスを整理すると、
概略=細部を省いた、おおよその内容
概要=全体の重要なポイントをまとめたもの
と捉えると使い分けやすくなります。
概略の例
「まず計画の概略をご説明します。」
→ 詳細に入る前に、計画がだいたいどのようなものなのか説明する。
概要の例
「会社概要をWebサイトに掲載する。」
→ 会社名・所在地・代表者・事業内容など、会社全体について重要な情報をまとめる。
| 比較 | 概略 | 概要 |
|---|---|---|
| 基本 | おおよその内容 | 全体の要点をまとめたもの |
| ニュアンス | 大まかさを意識しやすい | 重要点をまとめる意味を意識しやすい |
| 「会社○○」 | 通常はあまり使わない | 会社概要が一般的 |
| 「計画の○○」 | 自然 | 自然 |
| 「調査の○○」 | 自然 | 自然 |
ただし、実際には「計画の概要」「計画の概略」のどちらも使われます。
「絶対にこちらでなければ間違い」と考えるより、文章全体で何を伝えたいのかによって選ぶことが重要です。
詳しい比較は、「概要」と「概略」の違いとは?意味・使い分けをビジネスや文章の例文で解説も参考にしてください。
「概略」と「要約」の違い
「要約」も、細かな部分を省いて短くする点では「概略」と似ています。
しかし、中心となる意味が違います。
要約は、文章・話などの重要な内容を取り出して、短くまとめることです。
概略は、物事のおおよその内容・全体像を示すことです。
要約が自然な例
- 論文を400字で要約する。
- 本の内容を要約する。
- 会議で出た意見を要約する。
概略が自然な例
- 事業計画の概略を説明する。
- 事故の概略を報告する。
- システム構成の概略を示す。
| 概略 | 要約 |
|---|---|
| 物事全般に使える | 文章・発言・内容をまとめる場合に使いやすい |
| おおよその内容・全体像 | 重要部分を抜き出して短くする |
| 元になる文章がなくても成立する | まとめる元の文章・話などがあることが多い |
たとえば、新しい事業について最初から簡単な説明を作るなら「事業の概略」。
50ページの事業報告書を3ページへ短くまとめるなら「報告書を要約する」と考えるとわかりやすいでしょう。
「要約」と「要旨」の違いについては、「要約」と「要旨」の違いとは?意味・使い分けを例文でわかりやすく解説も参考になります。
「概略」と「あらまし」の違い
「あらまし」には、物事のだいたいのところ・概略という意味があります。
この意味では、「概略」とかなり近い言葉です。
例
「事件の概略を説明する。」
「事件のあらましを説明する。」
どちらも自然です。
違いとしては、「概略」は漢語でやや硬く、仕事・報告書・説明資料などに使いやすいのに対し、「あらまし」は日本語らしいやわらかい表現です。
| 概略 | あらまし |
|---|---|
| やや硬い | 比較的やわらかい |
| ビジネス・報告書にも使いやすい | 一般向けの文章にも使いやすい |
| 概略を説明する | 事件のあらましを話す |
なお、「あらまし」には古い日本語として予想・予定など別の意味もありますが、現代の「事件のあらまし」のような使い方では「だいたいの内容」という意味です。
「概略」と「概観」の違い
「概観(がいかん)」とは、物事の大体のありさまを広く見渡すこと、またはその大体のありさまを意味します。
「概略」は内容そのものを表す名詞として使いやすいのに対し、「概観」は、
全体をざっと見渡す・全体像を捉える
という行為にも使える点が特徴です。
概略
「制度の概略を説明する。」
概観
「日本経済の動向を概観する。」
「世界史を概観する。」
| 概略 | 概観 |
|---|---|
| おおよその内容 | 大体のありさまを見渡すこと |
| 「概略を説明する」 | 「全体を概観する」 |
| 内容・説明に重点 | 全体を眺める視点に重点 |
「概略」と「大要」の違い
「大要(たいよう)」には、
- 大切なところ
- 大体のところ・あらまし
という意味があります。
「概略」と非常に近い言葉ですが、「大要」には特に大切なところ・主要な部分というニュアンスを持たせることができます。
例文
- 法案の大要について説明する。
- 計画の大要を示す。
- 制度改正の大要をまとめる。
現在の日常的なビジネス文章では、「概要」「概略」のほうが見かける機会は多いでしょう。
「概略」と「大略」の違い
「大略(たいりゃく)」も、物事のあらまし・大体を意味します。
「概略」と非常に近く、文脈によって言い換えられることがあります。
ただし現代の仕事・報告書などでは、「概略」のほうが一般的に使いやすい表現です。
「概略」と「大筋」の違い
「大筋(おおすじ)」とは、物事の主要な流れ・重要な内容を意味します。
たとえば、
「交渉は大筋で合意した」
といえば、細かな条件は残っていても、主要な部分では合意したという意味です。
「概略」は物事のおおよその内容を示す言葉なので、
「計画の概略」
は自然ですが、
「交渉は概略で合意した」
とは通常いいません。
「概略」と「アウトライン」の違い
「アウトライン(outline)」は、全体の輪郭・あらまし・構成などを意味します。
文章・企画・プレゼンでは、
- 資料のアウトライン
- 企画のアウトライン
- プレゼンのアウトライン
などと使います。
「概略」とかなり近い場合がありますが、「アウトライン」は特に、全体を構成する骨組み・項目の並びという意味でも使われます。
たとえば、
「記事のアウトラインを作る」
なら、見出し構成を作る意味でも使えます。
「記事の概略を作る」では、記事がおおよそ何について書かれているかをまとめる意味が強くなります。
「概略を説明する」とは?
「概略を説明する」とは、細部へ入りすぎず、その物事の大体の内容を説明することです。
たとえば新規プロジェクトなら、
- 目的
- 背景
- 実施内容
- 期間
- 対象
- おおよその費用
- 期待する成果
などを簡潔に説明します。
反対に、
- 担当者一人ひとりの作業時間
- すべての細かな仕様
- 細部の例外処理
まで最初から説明すると、「概略」の範囲を超えて詳細説明になっていきます。
仕事で「概略を教えてください」と言われたら何を答える?
相手が知りたいのは、基本的には、
「細部は後でよいので、まず何の話なのか全体を理解したい」
ということです。
次の順番で説明すると整理しやすくなります。
1.何についての話か
案件・制度・計画の名称を示します。
2.目的
なぜ行うのかを説明します。
3.主な内容
何をするのかを数項目に絞ります。
4.時期
いつからいつまでなのかを示します。
5.重要な条件
予算・対象・期限など、判断に必要な条件があれば説明します。
このあと相手が関心を持った部分を詳しく説明すると、効率的です。
「概略をまとめる」はおかしい?
おかしくありません。
「概略」自体に「大体の内容」という意味がありますが、「概略をまとめる」は、
物事のおおよその内容を整理して一つにまとめる
という意味になります。
例文
- 会議の前に計画の概略をまとめる。
- 調査結果の概略を1ページにまとめた。
- 事故発生から復旧までの概略をまとめる。
意味の重複を気にする必要はありません。
「概略を要約する」はおかしい?
文法的には意味が通じますが、通常は少し回りくどく感じられる場合があります。
すでに大まかな内容である「概略」をさらに要約するのであれば成立しますが、単に内容を簡潔にまとめたいだけなら、
- 概略をまとめる
- 内容を要約する
- 概要をまとめる
などのほうがわかりやすいでしょう。
「概略を簡単に説明する」は重複表現?
多少似た意味を含みますが、不自然な表現ではありません。
「概略」は大まかな内容を表しますが、「簡単に」は説明の仕方をさらに指定しています。
たとえば、
「制度の概略を簡単に説明します。」
といえば、
「制度全体について、細かな説明は省き、さらに簡潔に話します」
という意味になります。
ただし、よりすっきり書くなら、
「制度の概略を説明します。」
だけでも十分な場合があります。
「概略を示す」とは?
「概略を示す」は、物事の大体の内容を相手に提示することです。
例文
- 報告書の冒頭で調査の概略を示す。
- 図を使ってシステムの概略を示した。
- 計画の概略を資料に示す。
「説明する」よりも、文章・図・資料などによって提示する意味に使いやすい表現です。
「概略は以下の通りです」は正しい?
はい。自然な表現です。
例
「プロジェクトの概略は以下の通りです。」
- 開始予定:2027年1月
- 対象部署:営業部・管理部
- 目的:受注処理の効率化
- 実施内容:新システムの導入
このように、詳しい説明へ入る前に主要な内容を示す場合に使えます。
「概略は次のとおり」と「概要は次のとおり」はどちらが正しい?
どちらも正しい表現です。
「概略」は大まかな内容であることを強調したい場合、「概要」は全体の要点を整理して示したい場合に使いやすくなります。
ただし両者の意味は非常に近いため、実際の文章ではどちらを使っても大きな違和感がないケースも多くあります。
「概略説明」とは?
「概略説明」は、詳細説明の前に、大体の内容・全体像を説明することを意味します。
たとえば製品導入では、
- 概略説明
- 機能説明
- 具体的な仕様確認
- 費用・納期の確認
という順番で説明する場合があります。
「概略説明」という言葉自体に全国共通の厳密な書式があるわけではないため、その場面で何を概略として扱っているかを確認しましょう。
「概略図」とは?
「概略図(がいりゃくず)」とは、細かな寸法・構造などをすべて正確に描くのではなく、全体的な構成・位置関係などを大まかに示した図です。
たとえば、
- 設備配置の概略図
- システム構成の概略図
- 配管経路の概略図
- 事故現場の概略図
などがあります。
概略図の目的は、細部を確認することではなく、全体構成を理解しやすくすることです。
概略図と詳細図の違い
| 概略図 | 詳細図 |
|---|---|
| 全体的な構成を示す | 細部を詳しく示す |
| 細かな寸法を省く場合がある | 必要な寸法などを具体的に示す |
| 全体像の理解が目的 | 施工・製作・確認などの具体的用途 |
ただし、実際にどこまで情報を記載するかは業界・文書・目的によって異なります。
「概略設計」とは?
設計・システム開発などでは、「概略設計」という言葉が使われることがあります。
一般的には、詳細な設計へ進む前に、全体構成・基本的な方式などを大まかに決める段階を表します。
ただし、「概略設計」「基本設計」「詳細設計」などの区分・意味は、業界や会社によって異なる場合があります。
特定の業務で使われている場合は、その組織の設計手順・仕様書で定義を確認することが重要です。
「概略工程」とは?
「概略工程」「概略工程表」という表現もあります。
詳細な日単位・作業単位のスケジュールではなく、主要な工程・期間を大まかに示したものです。
例
- 1月:要件整理
- 2~3月:設計
- 4~6月:開発
- 7月:テスト
- 8月:運用開始
このように、まず全体的な流れを把握するために作ります。
「概略」と「詳細」の違い
「概略」と対照的な位置にある言葉が「詳細」です。
概略は、細部を省いた大体の内容です。
詳細は、細かなところまで詳しいことです。
例
「まず計画の概略を説明し、その後で詳細をご説明します。」
非常に自然な使い方です。
プレゼン・会議では、
概略 → 詳細
の順に説明すると、聞き手が全体像を理解してから細部を確認できます。
「概略」と「全体像」の違い
「全体像」は、その物事を全体として捉えた姿・構造を意味します。
「概略」は、それを言葉や文章などで大まかに説明した内容として使いやすい言葉です。
たとえば、
「最初にプロジェクトの概略を説明して、全体像を理解してもらう。」
という文章が成立します。
つまり、概略を説明することによって、相手が全体像をつかむという関係です。
「大まかな概要」のような表現との関係については、「大まかな概要」はおかしい?意味が重複する重言?「概要・概略・要約・全体像」との違いと自然な言い換えも参考になります。
「概略」と「概況」の違い
「概況(がいきょう)」は、物事のおおよその状況を意味します。
特に、
- 市場概況
- 経済概況
- 気象概況
- 事業概況
など、現在の状況・動向を大まかに示す場面で使われます。
一方「概略」は、計画・事件・制度・仕組みなど幅広い物事の大体の内容を表せます。
例
「新制度の概略を説明する。」
「現在の市場概況を報告する。」
「概況」は「状況」に近く、「概略」は「内容」に近いと考えるとわかりやすくなります。
「概略」と「要旨」の違い
「要旨」は、述べられていることの主要な点・最も大切な内容を意味します。
論文・講演・意見などについて、
- 論文要旨
- 講演要旨
- 発言の要旨
と使います。
「概略」は全体のおおよその内容、「要旨」はその中でも重要なポイントに焦点を当てる言葉です。
「概略」と「粗筋」の違い
「粗筋(あらすじ)」は、小説・映画・物語などの主要な展開を簡単にまとめたものです。
そのため、物語については、
「映画の概略」
より、
「映画のあらすじ」
のほうが一般的です。
「概略」は物語に限らず、制度・調査・計画・事件など非常に幅広い対象に使えます。
ビジネスで「概略」を使う場面
計画説明
「まず新規事業計画の概略をご説明いたします。」
報告
「発生したトラブルについて、概略を下記のとおり報告します。」
会議
「詳細な資料に入る前に、案件の概略をご説明します。」
調査
「今回実施した調査の概略は以下の通りです。」
システム
「新システムの概略構成を図1に示します。」
「概略をご説明します」は丁寧?
はい。ビジネスでも使える自然な表現です。
例
- まず、本件の概略をご説明いたします。
- 計画の概略についてご説明します。
- はじめに制度の概略をご説明申し上げます。
ただし、過度に敬語を重ねる必要はありません。
通常は、
「概略をご説明いたします」
で十分丁寧です。
「概略をご教示ください」は自然?
文脈によって使えます。
ただし、単に「大まかな内容を教えてください」と依頼したい場合には、
- 本件の概略をご教示いただけますでしょうか。
- 計画の概略についてお聞かせください。
- 差し支えなければ、まず概要をご説明いただけますでしょうか。
などがあります。
「ご教示」は知識・方法などを教えてもらう場合に使うため、場合によっては「ご説明いただけますか」のほうが自然です。
「概略を把握する」とは?
「概略を把握する」は、その物事について細部まで理解してはいないものの、大体どのような内容なのかを理解することです。
例文
- まず資料を読み、案件の概略を把握する。
- ヒアリングによって事故の概略を把握した。
- プロジェクト参加前に全体の概略を把握しておく。
「概略だけ」では不十分な場面もある
概略は全体像を理解するために便利ですが、最終的な判断には詳細が必要な場合があります。
たとえば、
- 契約内容
- 法令
- 製品仕様
- 安全手順
- 申請条件
- 金額
などでは、概略だけで判断すると重要な条件を見落とす可能性があります。
したがって、
概略で全体像をつかみ、必要な部分について詳細を確認する
という使い方が基本です。
「概略」を書くときのポイント
1.最初に結論・目的を示す
何についての説明なのかを最初に明確にします。
2.重要事項だけに絞る
細かな例外・補足情報を最初から大量に入れないようにします。
3.全体の流れがわかるようにする
時系列や項目順に整理します。
4.数字が重要なら数字も入れる
大まかな説明だからといって、重要な予算・期限・人数まで曖昧にする必要はありません。
5.詳細資料への導線を作る
「詳細は別紙参照」とすれば、概略を簡潔に保てます。
概略を書くときに省いてはいけないもの
「概略だから何でも省略してよい」というわけではありません。
たとえばプロジェクトの概略なら、
- 目的
- 対象
- 期間
- 主要な内容
- 重要な制約
など、その案件を理解するのに欠かせない情報は残す必要があります。
細部を省いても、読んだ人が間違った全体像を持たないことが大切です。
「概略」を使った例文
基本的な例文
- 事件の概略を説明する。
- 調査の概略を報告する。
- 計画の概略を示す。
- 制度の概略を資料にまとめる。
- まず全体の概略を把握してください。
ビジネス
- 本プロジェクトの概略についてご説明します。
- 新システム導入計画の概略を別紙にまとめました。
- トラブル発生から現在までの概略をご報告いたします。
- 詳細説明の前に、案件の概略をご確認ください。
研究・レポート
- 実験方法の概略を示す。
- 調査手順の概略を図にまとめる。
- 研究全体の概略を冒頭で説明する。
設計・技術
- 設備の概略図を作成する。
- システム構成の概略を図示する。
- 概略工程を作成した後、詳細工程へ展開する。
「概略」の類語・言い換え
| 言葉 | 意味・ニュアンス |
|---|---|
| 概要 | 全体の要点をまとめたもの |
| あらまし | 物事のだいたいのところ |
| 大要 | 大切なところ・大体のところ |
| 大略 | 物事の大体・あらまし |
| 大筋 | 主要な流れ・重要部分 |
| 要約 | 文章などの要点を短くまとめること |
| 要旨 | 述べられている内容の主要な点 |
| 概観 | 物事の大体のありさまを見渡すこと |
| アウトライン | 全体の輪郭・あらまし・構成 |
「概略」の反対語は?
「概略」に対して使いやすい表現には、
- 詳細
- 細部
- 詳説
などがあります。
特に、
「概略と詳細」
という対比がわかりやすいでしょう。
例
「本日はまず概略を説明し、詳細については次回の会議で検討します。」
「概略」に関するよくある質問
Q1.「概略」とは簡単にいうと何ですか?
細かな部分を省いた、物事のおおよその内容・あらましです。
Q2.「概略」の読み方は?
「がいりゃく」と読みます。
Q3.「概略」と「概要」は何が違いますか?
意味は非常に近い言葉です。
「概略」はおおよその内容・大まかさ、「概要」は全体の要点をまとめることを意識すると使い分けやすくなります。
Q4.「概略」と「概要」は言い換えられますか?
多くの場面で言い換え可能です。
ただし「会社概要」のように慣用的に「概要」が使われる表現もあります。
Q5.「概略」と「要約」の違いは?
「概略」は物事のおおよその内容、「要約」は文章・話などから重要部分を抜き出して短くまとめることです。
Q6.「概略」と「あらまし」の違いは?
意味はかなり近いです。
「概略」のほうがやや硬く、「あらまし」のほうがやわらかい表現です。
Q7.「概略」と「概観」の違いは?
「概略」は大体の内容、「概観」は物事の全体をざっと見渡すことに重点があります。
Q8.「概略」と「大要」の違いは?
意味は近いですが、「大要」には特に大切なところ・主要部分という意味もあります。
Q9.「概略を説明する」とは?
細部へ入りすぎず、まずその物事がだいたいどのようなものなのか説明することです。
Q10.「概略をまとめる」はおかしいですか?
おかしくありません。
おおよその内容を整理して一つにまとめるという意味で自然に使えます。
Q11.「概略を簡単に説明する」は重複ですか?
意味が少し重なる部分はありますが、不自然ではありません。
より簡潔にするなら「概略を説明する」でも十分です。
Q12.「概略は以下の通りです」は正しいですか?
はい。
ビジネス・報告書などでも使える自然な表現です。
Q13.「概略図」とは?
細かな部分をすべて正確に描くのではなく、全体構成・位置関係などを大まかに示した図です。
Q14.概略図と詳細図は違いますか?
違います。
概略図は全体構成の把握、詳細図は細部の具体的な確認などを目的とします。
Q15.「概略設計」とは?
一般には、詳細設計へ進む前に全体構成・基本的な方式などを大まかに決める設計段階を指します。
ただし具体的な定義は業界・組織によって異なります。
Q16.「概略を把握する」とは?
細部までは理解していなくても、物事の大体の内容・全体像を理解することです。
Q17.「概略」と「詳細」は反対の意味ですか?
対照的に使えます。
「概略」は大まかな内容、「詳細」は細かな部分まで詳しい内容です。
Q18.仕事で「概略を教えて」と言われたら何を伝えればよいですか?
目的・背景・主な内容・時期・対象・重要条件など、その案件を理解するために最低限必要な情報を簡潔に伝えるとよいでしょう。
Q19.「概要」と「概略」はどちらがビジネス向きですか?
どちらもビジネスで使えます。
「概要」は会社概要・事業概要など定型的な複合語でもよく使われ、「概略」は計画・調査・構成などを大まかに説明するときに使いやすい言葉です。
Q20.「概略」を「ざっくり」に言い換えられますか?
会話では意味が近くなる場合があります。
ただし「ざっくり」はくだけた表現なので、正式な報告書・ビジネス文書では「概略」「概要」「大まかな内容」などが適しています。
まとめ
「概略」とは、物事の細かな部分を省いた、おおよその内容・あらましを意味する言葉です。
読み方は「がいりゃく」です。
たとえば、
- 計画の概略
- 調査の概略
- 制度の概略
- 事件の概略
- システムの概略
- 概略図
などと使います。
似た言葉との違いを整理すると、
- 概略:細部を省いたおおよその内容
- 概要:全体の要点をまとめたもの
- 要約:文章・話などの重要部分を短くまとめること
- あらまし:物事のだいたいのところ。概略よりやわらかい表現
- 概観:全体の大体のありさまを見渡すこと
- 大要:大切なところ、または大体のところ
- 大筋:物事の主要な流れ・重要部分
と考えるとわかりやすいでしょう。
「概要」と「概略」は辞書上も非常に近い言葉なので、すべての場面で厳密な境界があるわけではありません。
迷った場合は、
「全体の重要ポイントを整理して示す」なら概要、
「細かな部分は省いて、まず大体の内容を示す」なら概略
と考えると使い分けやすくなります。
また、仕事で「概略を説明してください」と言われた場合は、詳しい情報をすべて並べるのではなく、その案件について相手が最初に全体像をつかむために必要な情報を選んで伝えることが重要です。
参考リンク
「概略」および関連語の辞書的な意味については、以下の資料も参考になります。
- コトバンク「概略」
概略(ガイリャク)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 概略の用語解説 - おおよその内容。あらまし。大略。概要。「調査の概略」「概略次の通り」概要・大要・あらまし・大筋・概括・粗筋・およそ・大意・大略・大概・大綱・概況・大枠・あらかた・輪郭・アウトライン・縮図・レジュメ・抄... - コトバンク「概要」
概要(ガイヨウ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 概要の用語解説 - 全体の要点をとりまとめたもの。大要。あらまし。「事件の概要」概略・大要・あらまし・大筋・概括・粗筋・大意・大略・大概・大綱・概況・大枠・あらかた・輪郭・アウトライン・縮図・レジュメ・抄録・摘要・提要・... - コトバンク「要約」
要約(ヨウヤク)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 要約の用語解説 - [名](スル)1 文章などの要点をとりまとめること。また、そのまとめたもの。「読んだ本の内容を要約して話す」2 約束を結ぶこと。また、約束。「こう云う余所行よそゆきの感情を不断に維持するにはどれ丈だけ... - コトバンク「あらまし」
あらまし(アラマシ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - あらましの用語解説 - [名]1 事柄のだいたいのところ。概略。「事件のあらましを話す」2 前もって先のことをあれこれ考えること。予想。予定。「かねての―みな違たがひゆくかと思ふに」〈徒然・一八九〉[副]1 おおかた。お... - コトバンク「概観」
概観(ガイカン)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 概観の用語解説 - [名](スル)物事のあらましを見渡すこと。また、大体のありさま。「世界の情勢を概観する」大観・通観 - コトバンク「大要」
大要(タイヨウ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 大要の用語解説 - 1 大切なところ。大事な点。2 大体のところ。あらまし。概要。「法案の大要について説明する」「首相発言は大要左のとおりである」(1)要項・要目・要綱・論点・勘所・脈所・重点・主眼・眼目・軸足・立脚点・...
