仕事の報告書やメールを書いていると、
「現状の状況をご報告します」
「現在の現状の状況を確認してください」
などと書きたくなることがあります。
しかし、文章を読み返してみると、
- 「現状の状況」って意味が重複していない?
- 日本語としておかしい?
- 「現状」と「状況」は違う言葉だから使ってもいい?
- 「現在の状況」と「現状」はどちらが自然?
- 報告書ではどう言い換えればいい?
と迷う人も多いでしょう。
結論から言うと、「現状の状況」は文法上まったく成立しない表現ではありませんが、通常の文章では「現状」と「状況」の意味が重なるため、冗長で不自然に感じられやすい表現です。
多くの場合は、
- 現状
- 現在の状況
- 現状について
- 現在の状態
- 現況
などに言い換えるほうが簡潔です。
この記事では、「現状の状況」は重複表現なのかを基本から確認し、「現状」と「状況」の違い、「現在の状況」との使い分け、ビジネス文書・報告書での自然な言い換えまで詳しく解説します。
- 「現状の状況」はおかしい?【結論】
- 「現状」とは?
- 「状況」とは?
- 「現状」と「状況」の違い
- なぜ「現状の状況」は意味が重複するの?
- 「現状の状況」は重複表現?重言?
- 文法的には間違いなの?
- 「現状の状況」をそのまま使えるケースはある?
- 「現在の状況」はおかしくない?
- 「現在の状況」と「現状」はほぼ同じ?
- 「現状」と「状態」の違い
- 「現況」とは?「現状の状況」の言い換えになる?
- 「概況」とは違う?
- 「現状の状況」の自然な言い換え
- 「現状の状況を報告します」はどう直す?
- 「現状の状況を確認してください」はどう直す?
- 「現状の状況を把握する」はどう直す?
- 「現状の状況について説明します」は?
- 「現在の現状」はおかしい?
- 「今現在の状況」はおかしい?
- 「現状況」という言葉はある?
- ビジネスで「現状」と「状況」はどう使い分ける?
- 報告書では「現状」をどう使う?
- 進捗報告では「現状」と「状況」のどっち?
- トラブル報告ではどちらが自然?
- 「状況の現状」なら自然?
- 「現状における状況」はどう?
- 「現状下の状況」は?
- 自然な文章にするコツ①「何の状況か」を具体化する
- 自然な文章にするコツ②「現状」で十分なら一語にする
- 自然な文章にするコツ③ 時点を示したいなら「現在の状況」
- 自然な文章にするコツ④ 報告書なら具体的な項目名にする
- 場面別|「現状の状況」の言い換え例
- 「現状報告」と「状況報告」の違い
- 「現状把握」と「状況把握」の違い
- 「現状分析」と「状況分析」の違い
- 「現状維持」と「状況維持」は?
- 意味が重なる表現はすべて間違い?
- 「現状の状況」が気になったら一語削ってみる
- 3秒で判断|どの表現を使う?
- よくある質問
- まとめ
- 参考リンク・出典
「現状の状況」はおかしい?【結論】
一般的な文章では、できれば避けたほうが自然です。
理由は、「現状」と「状況」の意味がかなり重なっているからです。
「現状」は、簡単に言えば、
現在の状態・今のありさま
を意味します。
一方、「状況」は、
ある時点における物事のありさま・周囲の様子
などを意味します。
そのため、
「現状の状況」
とすると、感覚的には、
「現在の状態の状況」
のようになり、同じような意味が続いてしまいます。
通常は、
△ 現状の状況を確認する
より、
○ 現状を確認する
○ 現在の状況を確認する
のほうが簡潔で分かりやすいでしょう。
「現状」とは?
「現状(げんじょう)」とは、現在の状態、現在のありさまを表す言葉です。
たとえば、
- 現状を把握する
- 現状を分析する
- 現状を改善する
- 現状を維持する
- 現状に問題がある
などと使います。
「現」という漢字が入っていることからも分かるように、「今どうなっているのか」に焦点があります。
たとえば、
「売上の現状を確認する」
なら、現在の売上がどのような状態になっているかを確認するという意味です。
「状況」とは?
「状況(じょうきょう)」とは、物事が置かれているその時々のありさまや、周囲を含めた様子を表します。
たとえば、
- 状況を確認する
- 状況を把握する
- 状況が変化する
- 周囲の状況を見る
- 事故の状況を説明する
などと使います。
「現状」と比べると、「状況」は必ずしも現在だけを指すとは限りません。
たとえば、
- 当時の状況
- 事故発生時の状況
- 将来そのような状況になった場合
とも言えます。
つまり「状況」は、ある時点や場面における物事のありさまを幅広く表せる言葉です。
「現状」と「状況」の違い
二つの言葉を簡単に比較すると、次のようになります。
| 比較項目 | 現状 | 状況 |
|---|---|---|
| 意味の中心 | 現在の状態・ありさま | その時々の物事のありさま |
| 時間 | 基本的に「現在」 | 現在・過去・将来の場面にも使える |
| 焦点 | 今どうなっているか | その場・時点で何が起きているか |
| 代表表現 | 現状分析・現状維持 | 状況確認・状況判断 |
さらに詳しい使い分けについては、「現状」と「状況」の違いで解説しています。
なぜ「現状の状況」は意味が重複するの?
「現状」という言葉自体に、すでに「現在の状態・ありさま」という意味が含まれています。
そこへさらに「状況」を付けると、意味の近い言葉が重なります。
たとえば、
「現在の現状」
という言い方を考えてみてください。
「現状」の中にすでに「現在」という意味があるため、通常は、
△ 現在の現状
より、
○ 現状
とするほうが簡潔です。
「現状の状況」も同様に、
「今のありさま」+「ありさま」
のように意味が重なって聞こえやすくなります。
「現状の状況」は重複表現?重言?
意味の重複があるため、広い意味では重複表現と考えることができます。
同じような意味を重ねて言う表現は「重言(じゅうげん)」と呼ばれることがあります。
代表的な例には、
- 馬から落馬する
- 一番最後
- 犯罪を犯す
- 後で後悔する
などがあります。
ただし、「現状の状況」はこれらのような典型的な重言とまったく同じ構造ではありません。
「現状」と「状況」は意味が完全に同一ではなく、文脈によって使い分けられるからです。
そのため、
「絶対に誤った重言」と断定するより、「意味が重なって冗長になりやすい表現」
と説明するほうが正確です。
文法的には間違いなの?
文法上、絶対に成立しないわけではありません。
日本語では、
「AのB」
という形で名詞同士をつなげることができます。
そのため「現状の状況」という語の並び自体を、文法的に作れないわけではありません。
問題は文法よりも意味の分かりにくさ・冗長さです。
たとえば、
「現状の状況を詳細に分析します。」
と書かれていると、読み手は、
「現状と状況は何か別のものを指しているのだろうか?」
と一瞬考える可能性があります。
特別な意味の違いがないのであれば、単純に、
「現状を詳細に分析します。」
と書くほうが伝わりやすいでしょう。
「現状の状況」をそのまま使えるケースはある?
理論上は、「現状」と「状況」がそれぞれ異なる対象を指していることが明確なら、成立する場合も考えられます。
ただし、実際にはかなり説明が必要になります。
たとえば、ある文書の中で「現状」という名称の分析項目があり、その項目についてさらに状況を説明するのであれば、
「『現状』項目の状況」
という意味になる可能性はあります。
しかし、その場合でも、
- 「現状」項目の内容
- 現状分析の進捗状況
- 現状調査の実施状況
などと具体的に書いたほうが分かりやすいでしょう。
通常のビジネス文章で「現状の状況」とだけ書く必要性はほとんどありません。
「現在の状況」はおかしくない?
「現在の状況」は自然な表現です。
「状況」は現在だけでなく、
- 当時の状況
- 現在の状況
- 今後想定される状況
のように、さまざまな時点について使えます。
そのため「現在の」を付けることで、
「過去や将来ではなく、今の状況」
と時間を限定できます。
つまり、
○ 現在の状況
は自然ですが、
△ 現在の現状
は「現状」に現在の意味が含まれるため、通常は冗長です。
「現在の状況」と「現状」はほぼ同じ?
多くの文章では、かなり近い意味になります。
たとえば、
「現在の状況を説明してください。」
と、
「現状を説明してください。」
は、ほぼ同じ内容を求めている場合があります。
ただし、ニュアンスとして、
現状 → 現在の状態そのものに焦点
現在の状況 → 現在置かれている環境・事情なども含めて説明しやすい
という違いがあります。
迷った場合、文章を短くしたいなら「現状」、周囲の事情まで説明したいなら「現在の状況」が使いやすいでしょう。
「現状」と「状態」の違い
「現状」を言い換えようとして「状態」を使うこともあります。
「状態」は、人や物事がある時点でどのようなありさまになっているかを表します。
たとえば、
- 機械の状態
- 健康状態
- 保存状態
- 道路の状態
などです。
「現状」は「現在の状態」という時間的な意味を持ちます。
したがって、
「機械の現状」
より、機械そのものの物理的な様子を確認するなら、
「機械の状態」
のほうが自然な場合があります。
「状況」と「状態」の使い分けについては、「状況」と「状態」の違いも参考にしてください。
「現況」とは?「現状の状況」の言い換えになる?
「現況(げんきょう)」という言葉もあります。
「現況」は、現在の状況・現状を意味します。
たとえば、
- 市場の現況
- 工事の現況
- 地域経済の現況
- 事業の現況
などと使えます。
したがって、「現状の状況」と書きたくなる文章の中には、単純に「現況」と書けば済む場合があります。
ただし、「現況」は「現状」よりやや硬く、報告書・調査資料・行政文書などで使われやすい表現です。
「概況」とは違う?
「概況(がいきょう)」は、物事のおおまかな状況・全体的な様子を表します。
たとえば、
- 市場概況
- 経済概況
- 事業概況
- 気象概況
などです。
現況=現在の状況
概況=おおまかな状況
という違いがあります。
報告書で「現状の状況」を言い換えたい場合でも、全体像を簡潔に示す項目なら「概況」が適する場合があります。
「概況」の詳しい意味は、「概況」とは?意味・使い方で解説しています。
「現状の状況」の自然な言い換え
文脈に応じて、次のように直せます。
| 元の表現 | 自然な言い換え |
|---|---|
| 現状の状況を確認する | 現状を確認する |
| 現状の状況をご報告します | 現状をご報告します |
| 現状の状況を説明してください | 現在の状況を説明してください |
| 現状の状況を把握する | 現状を把握する |
| 現状の状況について | 現状について |
| 現状の状況を分析する | 現状を分析する |
基本的には、「現状」か「状況」のどちらか一方を残せないか考えるのがポイントです。
「現状の状況を報告します」はどう直す?
もっとも簡単なのは、
○「現状をご報告します。」
です。
現在起きていることを具体的に説明するなら、
○「現在の状況をご報告します。」
も自然です。
たとえばトラブル報告では、
「現在の状況をご報告します。設備は停止しており、復旧作業を進めています。」
のようにすると、今起きている事柄を具体的に説明できます。
「現状の状況を確認してください」はどう直す?
「現状」と「状況」のどちらを強調したいかによって変えます。
現在どうなっているか確認してほしい
○「現状を確認してください。」
○「現在の状況を確認してください。」
機械・製品などの状態を確認してほしい
○「現在の状態を確認してください。」
○「設備の状態を確認してください。」
対象を具体的にすると、さらに分かりやすくなります。
「現状の状況を把握する」はどう直す?
一般的には、
○「現状を把握する。」
で十分です。
「現状把握」という熟語的な表現もよく使われます。
たとえば、
「改善活動の第一歩として現状を把握する。」
「問題解決のため、まず現状把握を行う。」
などです。
「現状の状況について説明します」は?
通常は、
○「現状について説明します。」
または、
○「現在の状況について説明します。」
で十分です。
さらに具体的に、
「現在の進捗状況について説明します。」
「現在の設備稼働状況について説明します。」
とすれば、何の状況なのか明確になります。
「現在の現状」はおかしい?
通常は意味が重複するため避けたほうが自然です。
「現状」はもともと「現在の状態」を意味するためです。
△ 現在の現状を確認する
○ 現状を確認する
とすると簡潔です。
強調したい場合でも、「現在の現状」と重ねるより、
「今の現状」ではなく単に「現状」、あるいは「現在の状況」
を使うほうが読みやすいでしょう。
「今現在の状況」はおかしい?
「今現在」は「今」を強調する言い方として実際に使われますが、「今」と「現在」の意味は重なっています。
文章を簡潔にするなら、
○「現在の状況」
○「今の状況」
のどちらかで十分です。
会話では強調のため「今現在」が使われることもありますが、報告書・契約書など簡潔さが求められる文章では整理したほうがよいでしょう。
「現状況」という言葉はある?
一般的な文章では、「現状況」と一語のように書くより「現状」または「現在の状況」とするのが分かりやすいでしょう。
「現況」という既存の言葉もあります。
「現在の状況」を短く硬く表現したい場合には、「現況」が適することがあります。
ビジネスで「現状」と「状況」はどう使い分ける?
現状が向いている例
- 現状分析を行う
- 現状の問題点を整理する
- 現状を改善する
- 現状を維持する
- 現状と目標の差を確認する
「今どのような状態にあるのか」を基準として分析するときに向いています。
状況が向いている例
- 進捗状況を報告する
- 被害状況を確認する
- 市場の状況が変化した
- 周囲の状況を確認する
- 状況に応じて対応する
周囲の事情・変化・出来事などを含めて説明するときに使いやすい言葉です。
報告書では「現状」をどう使う?
報告書では、現状を説明した後に課題・原因・対策へ進む構成がよくあります。
たとえば、
- 現状
- 問題点
- 原因
- 対策
- 今後の予定
という流れです。
この場合の見出しは単に、
「現状」
で十分です。
「現状の状況」という見出しにする必要はありません。
進捗報告では「現状」と「状況」のどっち?
どちらも使えますが、「進捗状況」という定着した表現があります。
たとえば、
「プロジェクトの進捗状況をご報告します。」
は自然です。
一方、
「プロジェクトの現状をご報告します。」
とすれば、進捗だけでなく、問題点・体制・予算などを含めた現在の状態全般を説明するニュアンスになります。
トラブル報告ではどちらが自然?
事故・システム障害など、刻々と変化する出来事については「状況」が使いやすいでしょう。
例:
「現在の復旧状況をご報告します。」
「現場の状況を確認しています。」
「被害状況を調査しています。」
一方、ある程度情報が整理され、現在全体としてどうなっているのかを示すなら、
「現状を整理すると、○○です。」
とも言えます。
「状況の現状」なら自然?
こちらも通常は不自然です。
「状況」そのものについて、現在どうなっているのかを言いたいのであれば、
- 現在の状況
- 最新の状況
- 現在の状態
- 現況
などのほうが自然です。
「現状における状況」はどう?
これも、通常は意味が重なりやすい表現です。
たとえば、
△「現状における販売状況」
より、
○「現在の販売状況」
○「販売の現状」
とするほうが簡潔です。
文章が長くなるほど正確になるわけではありません。
意味が変わらないのであれば、短い表現を選ぶほうが伝わりやすくなります。
「現状下の状況」は?
一般的には避けたほうがよいでしょう。
何の条件下なのかを具体的にするほうが分かりやすくなります。
たとえば、
△「現状下の販売状況」
ではなく、
○「物価上昇下における販売状況」
○「現在の販売状況」
などです。
自然な文章にするコツ①「何の状況か」を具体化する
「現状の状況」と書きたくなる理由の一つは、「状況」だけでは漠然としていると感じるからでしょう。
しかし、その場合は「現状」を加えるのではなく、何についての状況なのかを具体化すると文章が明確になります。
たとえば、
△ 現状の状況を報告する
より、
- 現在の販売状況を報告する
- 現在の復旧状況を報告する
- 現在の在庫状況を報告する
- 現在の進捗状況を報告する
- 現在の稼働状況を報告する
とするほうが情報量も増えます。
自然な文章にするコツ②「現状」で十分なら一語にする
「今どうなっているか」という意味だけでよければ、単純に「現状」とします。
たとえば、
△ 現状の状況を把握する
○ 現状を把握する
△ 現状の状況を分析する
○ 現状を分析する
△ 現状の状況について説明する
○ 現状について説明する
です。
自然な文章にするコツ③ 時点を示したいなら「現在の状況」
過去・現在・将来を区別したいなら、「現在の状況」が便利です。
たとえば、
「事故発生直後の状況と現在の状況を比較する。」
なら、二つの時点の違いが明確です。
この場合は「現在」を付ける意味があります。
自然な文章にするコツ④ 報告書なら具体的な項目名にする
報告書の見出しで、
「現状の状況」
と書くより、
- 現状
- 販売状況
- 稼働状況
- 進捗状況
- 発生状況
- 対応状況
- 復旧状況
などとすると、何を報告する項目なのか一目で分かります。
場面別|「現状の状況」の言い換え例
仕事の報告
△「業務の現状の状況を報告します。」
○「業務の現状を報告します。」
○「現在の業務状況を報告します。」
工場・設備
△「設備の現状の状況を確認します。」
○「設備の現状を確認します。」
○「設備の現在の稼働状況を確認します。」
プロジェクト
△「プロジェクトの現状の状況を共有します。」
○「プロジェクトの現状を共有します。」
○「プロジェクトの進捗状況を共有します。」
事故報告
△「事故現場の現状の状況をご説明します。」
○「事故現場の現在の状況をご説明します。」
○「事故現場の状況をご説明します。」
売上報告
△「売上の現状の状況を分析しました。」
○「売上の現状を分析しました。」
○「現在の売上状況を分析しました。」
顧客への連絡
△「現状の状況につきましてご連絡いたします。」
○「現状につきましてご連絡いたします。」
○「現在の状況につきましてご連絡いたします。」
「現状報告」と「状況報告」の違い
どちらも使われますが、少しニュアンスが異なります。
現状報告
現在どうなっているのかを総合的に説明するイメージです。
例:
「プロジェクトの現状報告を行う。」
状況報告
ある出来事・案件について、その時点の様子や進み具合を報告するイメージです。
例:
「事故対応の状況報告を行う。」
ただし、実際のビジネスでは厳密な線引きがあるわけではなく、文脈によってどちらも使われます。
「現状把握」と「状況把握」の違い
「現状把握」は、現在の状態全体をつかむことです。
改善活動・問題解決などでよく使われます。
例:
「問題解決には現状把握が欠かせない。」
一方、「状況把握」は、その場・出来事・環境などの様子をつかむことです。
例:
「災害発生時には迅速な状況把握が必要だ。」
改善活動なら「現状把握」、刻々と変わる出来事への対応なら「状況把握」が使いやすいでしょう。
「現状分析」と「状況分析」の違い
「現状分析」は、現在の状態を整理・分析することです。
経営・業務改善・マーケティングなどでよく使われます。
一方、「状況分析」は、その時点で置かれている環境・情勢・条件などを分析する意味で使えます。
たとえば、
「自社の現状分析」
なら会社そのものの現在の状態。
「市場の状況分析」
なら市場を取り巻く動き・環境などを含めた分析をイメージしやすくなります。
「現状維持」と「状況維持」は?
通常は「現状維持」を使います。
「現状維持」とは、現在の状態をそのまま保つことです。
「状況維持」という表現も特殊な文脈では考えられますが、一般的な定着表現ではありません。
これは、「現状」と「状況」が常に完全に置き換えられるわけではないことを示す例でもあります。
意味が重なる表現はすべて間違い?
いいえ。
日本語には意味が多少重なっていても、慣用的に定着している表現があります。
また、あえて同じ意味を重ねることで強調する場合もあります。
したがって、
「意味が重なる=絶対に誤用」
とは限りません。
重要なのは、
- 一般的に定着した表現か
- 重ねることで意味が明確になるか
- 読み手に余計な疑問を与えないか
- 一語削っても意味が変わらないか
です。
「現状の状況」は、一語削ってもほとんどの場合意味が通じるため、整理する価値が高い表現だと言えます。
「現状の状況」が気になったら一語削ってみる
実践的には非常に簡単です。
「現状の状況」という文章を見つけたら、まず、
「現状」
または、
「現在の状況」
へ置き換えて読んでみましょう。
意味が変わらないのであれば、短いほうを採用できます。
文章を短くすることで、
- 読みやすくなる
- 意味が明確になる
- 報告書が簡潔になる
- ビジネスメールが自然になる
というメリットがあります。
3秒で判断|どの表現を使う?
- 今の状態そのもの → 現状
- 今起きていること・周囲の様子 → 現在の状況
- ある時点での様子 → 状況
- 物・人のありさま → 状態
- 現在の状況を硬く表す → 現況
- おおまかな状況 → 概況
- 現状の状況 → 多くの場合「現状」または「現在の状況」へ整理
よくある質問
「現状の状況」は日本語としておかしいですか?
文法上絶対に誤りとは言えませんが、「現状」と「状況」の意味が重なるため、通常は冗長で不自然に感じられやすい表現です。
「現状」または「現在の状況」に言い換えるのがおすすめです。
「現状の状況」は二重表現ですか?
意味が重なるため、重複表現と考えられます。
ただし「現状」と「状況」は完全な同義語ではないため、典型的な重言とまったく同じと断定するより、「重複して冗長になりやすい表現」と考えるのが適切です。
「現状」と「状況」は同じ意味ですか?
かなり近い言葉ですが完全には同じではありません。
「現状」は現在の状態、「状況」はある時点における物事や周囲のありさまを表します。
「現在の状況」は重複表現ですか?
通常は重複表現とは考えません。
「状況」は現在以外の時点にも使えるため、「現在の」と付けることで時間を限定する意味があります。
「現在の現状」はおかしいですか?
通常は避けたほうが自然です。
「現状」そのものに「現在の状態」という意味が含まれているため、「現状」だけで十分です。
「現状の状況を確認する」はどう言い換える?
「現状を確認する」または「現在の状況を確認する」が自然です。
「現状の状況をご報告します」はどう直せばいい?
「現状をご報告します」または「現在の状況をご報告します」とすると自然です。
報告書なら「現状」と「現在の状況」のどちらがいい?
現在の状態全般を整理するなら「現状」が簡潔です。
出来事・進捗・被害など、その時点で起きている様子を説明するなら「現在の状況」が使いやすいでしょう。
「現況」は「現状」と同じですか?
非常に近い言葉です。
「現況」は「現在の状況・現状」を意味し、調査資料・行政・報告書などで使われやすい、やや硬い表現です。
「現状」と「状態」は同じですか?
同じではありません。
「現状」は「現在の状態」を意味しますが、「状態」は現在以外の時点についても使えます。また、人や物の具体的なありさまを表すときにも広く使います。
「現状の状況」を使ってはいけないのですか?
禁止されている表現ではありません。
ただし、通常の文章では一語削っても意味がほとんど変わらないため、読みやすさを考えると「現状」「現在の状況」などへ整理するほうがよいでしょう。
まとめ
「現状の状況」は、文法的に絶対に成立しない表現ではありません。
しかし、
「現状」=現在の状態・ありさま
「状況」=その時々の物事のありさま
という意味を持つため、二つを重ねると意味がかなり重複します。
そのため一般的な文章では、
△ 現状の状況を確認する
より、
○ 現状を確認する
○ 現在の状況を確認する
と書くほうが自然です。
言い換えの基本は次のとおりです。
- 現在の状態全体を示す → 現状
- 今起きている様子を示す → 現在の状況
- 物・人のありさま → 状態
- 現在の状況を硬く表現する → 現況
- 大まかな状況 → 概況
特にビジネス文書では、「現状の状況」のように似た意味の言葉を重ねるより、
「現在の進捗状況」
「設備の稼働状況」
「販売の現状」
など、何について説明しているのかを具体的にすると文章が分かりやすくなります。
迷ったときは、「現状」と「状況」のどちらか一方を削っても意味が変わらないか確認してみてください。
意味が変わらなければ、より短く自然な表現を選ぶのがおすすめです。
参考リンク・出典
-
コトバンク「現状」
URL:https://kotobank.jp/word/%E7%8F%BE%E7%8A%B6-492293
「現状」が「現在の状態・ありさま」を意味することを確認できます。 -
コトバンク「状況」
URL:https://kotobank.jp/word/%E7%8A%B6%E6%B3%81-79012
「状況」が、その時々における物事のありさま・環境などを表すことを確認できます。 -
goo辞書「重言」
URL:https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E9%87%8D%E8%A8%80_%28%E3%81%98%E3%82%85%E3%81%86%E3%81%92%E3%82%93%29/
同じ意味の語を重ねて使う「重言」の意味を確認できます。 -
コトバンク「現況」
URL:https://kotobank.jp/word/%E7%8F%BE%E6%B3%81-491664
「現況」が「現在の状況・現状」を意味することを確認できます。 -
コトバンク「状態」
URL:https://kotobank.jp/word/%E7%8A%B6%E6%85%8B-532446
「状態」が、人や物事のある時点におけるありさまを意味することを確認できます。
