「行動変容」とは?読み方・意味をわかりやすく解説|5つのステージと「行動変化・態度変容」との違い

健康づくりや心理学、マーケティング、職場の研修などで、

  • 行動変容を促す
  • 行動変容につなげる
  • 行動変容が起こる
  • 行動変容を支援する

といった表現を見かけることがあります。

しかし、「行動変容」という言葉を初めて見ると、

  • 「行動変容」は何と読む?
  • 簡単に言うとどういう意味?
  • ただ行動が変わる「行動変化」と何が違う?
  • 「態度変容」とはどう違う?
  • 行動変容の5つのステージとは?
  • 健康や生活習慣以外にも使える?
  • 会社・教育・マーケティングではどのように使う?

などと疑問に思う人もいるでしょう。

結論から言うと、「行動変容(こうどうへんよう)」とは、人の行動がそれまでとは異なる方向へ変わること、または望ましい行動へ変えて定着させていくことを表す言葉です。

特に健康づくりの分野では、

「運動したほうがよいと知っている」

という知識だけで終わらず、

「実際に歩き始め、それを生活習慣として続ける」

ところまで変わっていくことが行動変容の代表例です。

つまり、単に「考え方が変わった」だけではなく、実際の行動が変わることが重要なポイントです。

この記事では、「行動変容」の読み方・意味を基本から確認し、「行動変化・態度変容・意識改革」との違い、行動変容の5つのステージ、健康・仕事・教育・マーケティングでの具体例まで詳しく解説します。

  1. 「行動変容」とは?【結論】
  2. 「行動変容」の読み方
  3. 「変容」とはどういう意味?
  4. 「行動変容」を簡単に言い換えると?
  5. 「知っている」だけでは行動変容ではない
  6. 「行動変容」と「行動変化」の違い
  7. 行動が一度変われば「行動変容」と言える?
  8. 「行動変容」と「態度変容」の違い
  9. 態度が変わっても行動が変わらないことはある
  10. 「行動変容」と「意識改革」の違い
  11. 「行動変容」と「習慣化」の違い
  12. 「行動変容」と「行動修正」の違い
  13. 行動変容の5つのステージとは?
  14. ① 無関心期とは?
  15. ② 関心期とは?
  16. ③ 準備期とは?
  17. ④ 実行期とは?
  18. ⑤ 維持期とは?
  19. 行動変容は一直線に進むとは限らない
  20. 行動変容ステージを表で整理
  21. 行動変容を促すとは?
  22. 「言えば行動が変わる」とは限らない
  23. 健康づくりにおける行動変容
  24. 仕事・職場における行動変容
    1. 安全管理
    2. 情報セキュリティ
    3. 業務改善
  25. 「研修をした=行動変容した」ではない
  26. 教育における行動変容
  27. マーケティングにおける行動変容
  28. 環境問題・社会活動における行動変容
  29. 行動変容を促すために大切な考え方
    1. ① 目標を具体的にする
    2. ② 最初から大きすぎる目標にしない
    3. ③ 行動しやすい環境を作る
    4. ④ 記録する
    5. ⑤ 成功体験を積む
  30. 「自己効力感」と行動変容
  31. 行動変容が起こらない主な理由
  32. 「行動変容を起こす」という表現は正しい?
  33. 「行動変容させる」は自然?
  34. 「行動変容につながる」は自然?
  35. 「行動変容を促進する」は自然?
  36. 行動変容の具体例を場面別に整理
  37. 「行動変容」の例文
    1. 健康
    2. 職場
    3. 教育
    4. マーケティング
  38. 「行動変容が見られる」は自然な表現?
  39. 「行動変容を評価する」とは?
  40. 行動変容の目標は具体的にする
  41. 「行動変容」と「成果」は分けて考える
  42. 「行動変容」という言葉を使うときの注意点
    1. 具体的に何が変わったのかを書く
    2. 意識の変化と混同しない
    3. 一時的な行動か継続しているかを見る
    4. 本人だけを責めない
  43. 「行動変容」を使わず分かりやすく書くなら?
  44. 3秒で理解|行動変容とは?
  45. よくある質問
    1. 「行動変容」は何と読みますか?
    2. 行動変容とは簡単に言うと何ですか?
    3. 「行動変容」と「行動変化」は同じですか?
    4. 「行動変容」と「態度変容」の違いは?
    5. 「行動変容」の5段階とは?
    6. 無関心期とは?
    7. 関心期とは?
    8. 準備期とは?
    9. 実行期とは?
    10. 維持期とは?
    11. 一度行動変容したら元に戻らない?
    12. 行動変容は健康以外にも使いますか?
    13. 「行動変容を促す」は自然な日本語ですか?
    14. 「行動変容させる」と「行動変容を促す」はどちらがよい?
  46. まとめ
  47. 参考リンク・出典

「行動変容」とは?【結論】

行動変容とは、これまで行っていた行動を変え、新しい行動を取るようになること、または望ましい行動が継続するよう働きかけることです。

簡単に言えば、

「頭で分かるだけでなく、実際の行動が変わること」

と考えると分かりやすいでしょう。

たとえば、健康診断で運動不足を指摘された人がいるとします。

最初は、

「運動したほうがいいのは分かっているけれど、何もしていない」

という状態だったとします。

その人が、

  1. 運動不足を問題だと意識する
  2. ウォーキングを始めようと考える
  3. 運動靴を用意する
  4. 実際に毎日歩き始める
  5. 数か月にわたり習慣として続ける

ようになれば、実際の行動が変わっています。

このような変化が「行動変容」です。

「行動変容」の読み方

「行動変容」は、

こうどうへんよう

と読みます。

「変容」は「へんよう」です。

「へんよう」という言葉は日常会話ではそれほど頻繁に使われないため、

「行動へんよう?」

「行動へんようって何?」

と戸惑うことがあります。

それぞれの言葉を分けると、

  • 行動=実際に何かをすること
  • 変容=姿・状態・内容などが変わること

です。

つまり「行動変容」は、文字どおりには「行動のあり方が変わること」を表します。

「変容」とはどういう意味?

「変容」とは、姿・形・状態・内容などが変わることを表します。

単純な一時的変化というより、文脈によってはそれまでとは違う状態へ変わっていくというニュアンスを持ちます。

たとえば、

  • 社会が変容する
  • 価値観が変容する
  • 生活様式が変容する
  • 態度が変容する

などと使います。

「変容」自体の意味や「変化・変貌」との違いについては、「変容」とは?意味・使い方も参考にしてください。

「行動変容」を簡単に言い換えると?

一般向けに分かりやすく言い換えるなら、

  • 行動が変わること
  • 行動を変えること
  • 新しい行動を始めること
  • 望ましい行動へ変えること
  • 習慣を変えること
  • 行動を改善すること

などが考えられます。

ただし、「行動変容」は単に一度だけ行動が変わったことではなく、健康づくりなどの文脈では、新しい行動を始め、それを習慣として維持していく過程まで含めて使われることがあります。

「知っている」だけでは行動変容ではない

行動変容を理解するうえで重要なのが、知識・意識と実際の行動を区別することです。

たとえば、

「運動が健康に良いことを知った」

だけなら、知識が増えた状態です。

「運動したいと思うようになった」

なら、意識・意欲が変化しています。

しかし、

「毎朝30分歩くようになった」

となれば、実際の行動が変わっています。

状態 変化したもの
運動の必要性を知った 知識
運動しようと思った 意識・意欲
実際に歩き始めた 行動
歩く習慣が続いている 行動の定着

行動変容では、最後の「実際に行う」という部分が特に重要です。

「行動変容」と「行動変化」の違い

「行動変容」と非常に近い言葉が「行動変化」です。

どちらも行動が変わることを表しますが、使われ方に違いがあります。

行動変化は、単純に「行動が以前とは変わった」という事実を幅広く表せます。

行動変容は、心理学・保健・教育・組織などの分野で、一定の働きかけやプロセスを通じて行動が変わっていくことを表す際によく使われます。

比較 行動変容 行動変化
中心 行動が変わっていくプロセス・変容 行動が変わった事実
使用場面 健康・心理・教育・マーケティングなど 日常を含め幅広い
継続性 習慣化・定着まで意識することがある 一時的変化にも使える
例 運動習慣の行動変容を支援する 天候によって消費者の行動が変化した

より詳しい比較は、「行動変容」と「行動変化」の違いで解説しています。

行動が一度変われば「行動変容」と言える?

文脈によります。

一般的な意味では、以前とは違う行動へ変われば「行動変容」と表現できる場合があります。

ただし、健康づくり・生活習慣改善などでは、

「今日だけ運動した」

ことより、

「運動を始め、それが継続する」

ことのほうが重要です。

そのため、行動変容を支援する場面では、

  • 始める
  • 続ける
  • 元の習慣へ戻らないようにする

という視点まで考えます。

「行動変容」と「態度変容」の違い

「態度変容」は、人の態度・考え方・評価・姿勢などが変わることを表します。

一方、「行動変容」は実際の行動が変わることに焦点があります。

たとえば、環境問題について、

「環境保護は大切だと思うようになった」

のであれば、考え方・態度の変化です。

そこから、

「マイバッグを毎回持参するようになった」

のであれば、具体的な行動の変化です。

つまり、

態度変容=考え方・評価・姿勢が変わる

行動変容=実際に取る行動が変わる

と考えると分かりやすいでしょう。

両者の詳しい使い分けについては、「態度変容」と「行動変容」の違いも参考になります。

態度が変わっても行動が変わらないことはある

あります。

これは行動変容を考える際の重要なポイントです。

たとえば、

「健康のために運動したほうがいい」

と本人が強く思っていたとしても、

  • 時間がない
  • 運動する場所がない
  • 疲れている
  • 何から始めればよいか分からない
  • 以前挑戦して続かなかった

などの理由で、実際には運動しないことがあります。

つまり、

「分かっている」「やりたい」と「実際にする」は別

です。

行動変容では、この間にある障壁をどう減らすかも重要になります。

「行動変容」と「意識改革」の違い

「意識改革」は、人の考え方・認識・価値観などを改める意味で使われます。

たとえば、

「安全に対する意識改革を行う」

なら、従業員が安全をより重要だと考えるよう働きかけることです。

しかし、意識が変わっただけで、

  • 指差し確認をする
  • 保護具を正しく着用する
  • 危険箇所を報告する

といった行動が変わらなければ、行動変容まで達していない場合があります。

したがって、

意識改革=考え方を変える

行動変容=実際の行動を変える

と整理できます。

「行動変容」と「習慣化」の違い

「習慣化」は、新しい行動が繰り返され、日常の習慣として定着することです。

行動変容の一部として習慣化を考えると分かりやすいでしょう。

たとえば、

「エレベーターではなく階段を使い始める」

ことは行動変容です。

それを数か月続け、特に意識しなくても階段を使うようになれば、行動が習慣化したと言えます。

「行動変容」と「行動修正」の違い

専門的な文脈では「行動修正」という言葉が使われることがあります。

行動修正は、学習理論などをもとに、特定の行動へ働きかけて望ましい方向に変える方法を表す場合があります。

「行動変容」はより広い意味で使われることがあり、健康づくり・教育・組織・社会行動などさまざまな分野で見られます。

専門分野によって用語の定義・範囲が異なることがあるため、学術文献ではその文献内での定義を確認することが大切です。

行動変容の5つのステージとは?

健康づくりで「行動変容」という言葉を調べると、よく出てくるのが「行動変容ステージモデル」です。

厚生労働省の健康情報では、人が生活習慣などの行動を変える際の段階を、次の5つに分けて説明しています。

  1. 無関心期
  2. 関心期
  3. 準備期
  4. 実行期
  5. 維持期

重要なのは、すべての人に同じ働きかけをすればよいわけではない点です。

その人が現在どの段階にいるのかによって、必要な支援が違うと考えます。

① 無関心期とは?

無関心期は、まだ行動を変える意思がほとんどない段階です。

たとえば、

「運動不足だけれど、今のところ運動を始めるつもりはない」

という状態です。

この段階の人に、

「明日から毎日1時間走りましょう」

といきなり求めても、実行につながりにくいでしょう。

まずは、

  • なぜ行動を変える必要があるのか
  • 変えるとどんなメリットがあるのか
  • 現在の生活にどんな問題があるのか

などに気づくことが重要になります。

② 関心期とは?

関心期は、行動を変える必要性には気づいているものの、まだ実際の行動には移していない段階です。

たとえば、

「そろそろ運動しないといけないと思っている」

という状態です。

本人の中には、

  • 運動したほうがよい
  • でも面倒だ
  • 時間がない
  • 続く自信がない

といった迷いがあることもあります。

この段階では、「できない理由」を責めるよりも、本人が感じているメリット・デメリットを整理することが役立ちます。

③ 準備期とは?

準備期は、近いうちに行動を始める意思があり、具体的な準備を進めている段階です。

たとえば、

  • ウォーキングシューズを買った
  • スポーツジムを調べた
  • 運動する時間を決めた
  • 家族に「来週から歩く」と話した

といった状態です。

「やろうと思っている」から一歩進み、実行に向けて具体化しています。

④ 実行期とは?

実行期は、実際に行動を変え始めた段階です。

たとえば、

  • 毎日30分歩き始めた
  • 禁煙を始めた
  • 夜食をやめた
  • 毎日血圧を記録し始めた

などです。

大きな変化が見える段階ですが、まだ新しい行動が完全には定着していないため、元の生活へ戻る可能性もあります。

⑤ 維持期とは?

維持期は、変えた行動を一定期間継続できている段階です。

行動変容の目的は、「一度やった」という状態ではなく、必要に応じて新しい行動を継続できる状態をつくることにあります。

たとえば、

「ウォーキングを半年以上継続している」

といった状態です。

ただし、維持期に入れば二度と元へ戻らないわけではありません。

行動変容は一直線に進むとは限らない

行動変容ステージについて、

「無関心期→関心期→準備期→実行期→維持期」

と見ると、一度進めば後戻りしない階段のように感じるかもしれません。

しかし実際には、途中で以前の行動に戻ることがあります。

たとえば、3か月間運動していた人が、仕事が忙しくなったことをきっかけに運動しなくなる場合です。

厚生労働省の解説でも、実行期や維持期から以前のステージへ戻る「逆戻り」があり得ることが紹介されています。

そのため、

「一度失敗したから全部無駄」

と考えるのではなく、

何が継続を妨げたのかを確認し、再び行動しやすい状態をつくる

という視点が重要です。

行動変容ステージを表で整理

段階 状態のイメージ 例
無関心期 変えるつもりがない 運動する予定はない
関心期 変えたいとは思っている 運動したほうがよいと思う
準備期 始める準備をしている 靴を買い、開始日を決める
実行期 実際に行動している ウォーキングを始める
維持期 新しい行動が続いている 運動習慣を継続している

行動変容を促すとは?

「行動変容を促す」とは、相手が実際に行動を変えるきっかけ・環境・支援を用意することです。

単純に、

「○○してください」

と命令することだけを意味するわけではありません。

たとえば、

  • 必要な情報を伝える
  • 本人に目標を決めてもらう
  • 実行しやすい環境をつくる
  • 行動を記録する
  • 成功体験を積めるようにする
  • 周囲からサポートを受けられるようにする

なども、行動変容を支援する方法として考えられます。

「言えば行動が変わる」とは限らない

仕事でも健康づくりでも、

「正しいことを説明すれば、人はそのとおり行動する」

とは限りません。

たとえば、

「毎日運動してください」

と言われても、

  • 仕事が忙しい
  • 運動できる場所がない
  • 体力に自信がない
  • 具体的な方法が分からない
  • 成果が感じられない

などの障壁があれば続きにくくなります。

行動変容を考えるときには、本人の意欲だけではなく、行動しやすい環境や条件にも目を向ける必要があります。

健康づくりにおける行動変容

「行動変容」という言葉が特によく使われるのが、健康・保健指導の分野です。

たとえば、

  • 運動不足を改善する
  • 食生活を見直す
  • 禁煙する
  • 飲酒量を見直す
  • 睡眠習慣を整える
  • 健康測定を習慣化する

などです。

健康情報を伝えることだけではなく、本人が自分の状態を理解し、実行可能な目標を決めて継続できるようにすることが重要になります。

仕事・職場における行動変容

行動変容は健康だけに使う言葉ではありません。

職場でも、従業員の具体的な行動が変わることを説明できます。

たとえば、

安全管理

「安全第一」と研修で伝えるだけではなく、

  • 作業前点検を行う
  • 保護具を正しく着用する
  • 異常をすぐ報告する

ようになる。

→ 行動変容

情報セキュリティ

「怪しいメールを開かないようにしましょう」と知識を伝えた結果、従業員が、

  • 不審なメールを開かない
  • 添付ファイルを確認する
  • 担当部署へ報告する

ようになる。

→ 行動変容

業務改善

従来は個人のパソコンだけに作業記録を保存していた人が、決められた共有システムへ毎回登録するようになる。

→ 行動変容

「研修をした=行動変容した」ではない

会社では、研修を実施したこと自体を成果として考えてしまうことがあります。

しかし、

「100人が研修を受けた」

ことと、

「100人の行動が変わった」

ことは同じではありません。

研修後に、

  • 正しい手順を実践するようになった
  • 報告件数が増えた
  • 確認漏れが減った
  • 安全行動が定着した

のであれば、実際の行動変容につながったと評価しやすくなります。

教育における行動変容

教育でも、知識を覚えるだけでなく行動が変わることがあります。

たとえば、

「計画的に勉強することが大切だと理解した」

だけなら認識の変化です。

その後、

  • 毎日決まった時間に机へ向かう
  • 学習記録を付ける
  • 分からない問題を復習する

ようになれば、行動にも変化が起きています。

教育では、知識の獲得と行動変容の両方を見ることが重要な場面があります。

マーケティングにおける行動変容

マーケティングでも、消費者の行動を変えることが目標になることがあります。

たとえば広告を見た人が、

  • 商品を知る
  • 興味を持つ
  • Webサイトを見る
  • 資料請求する
  • 商品を購入する

というように行動を変えていく場合です。

単に、

「この商品は良さそうだ」

と思ってもらうだけでなく、

「実際に購入・申込みを行う」

ところまで進むことが、マーケティング上重要になることがあります。

環境問題・社会活動における行動変容

社会的な課題でも行動変容という考え方が使えます。

たとえば、

  • ごみを分別する
  • 節電する
  • 公共交通機関を利用する
  • 食品ロスを減らす
  • マイバッグを利用する

などです。

「環境問題は大切だ」という認識だけでなく、実際の生活行動が変わることがポイントです。

行動変容を促すために大切な考え方

① 目標を具体的にする

「もっと健康になる」

では、何をすればよいのか分かりません。

たとえば、

「週3日、夕食後に20分歩く」

とすれば具体的です。

② 最初から大きすぎる目標にしない

これまで運動していなかった人に、

「毎日2時間運動する」

という目標を設定しても、継続できない可能性があります。

まず実行できる行動から始めることが重要です。

③ 行動しやすい環境を作る

本人の意思だけに頼るのではなく、

  • 運動靴を玄関に置く
  • 予定表に運動時間を入れる
  • 健康的な食品をあらかじめ用意する
  • 必要な道具を使いやすい場所へ置く

など、環境を整える方法もあります。

④ 記録する

行動を記録すると、

  • 何日続いたか
  • どんな日は実行できなかったか
  • どの程度改善したか

を振り返りやすくなります。

⑤ 成功体験を積む

「自分にもできた」という経験は、その後の行動継続につながる重要な要素になります。

最初から完璧を目指すのではなく、実現可能な目標を達成していくことが大切です。

「自己効力感」と行動変容

行動変容について調べると、「自己効力感」という言葉もよく出てきます。

自己効力感とは、簡単に言えば、

「自分ならその行動をうまくできそうだ」という感覚・自信

です。

厚生労働省の健康情報でも、行動を行えるという自信と実際の行動との関係が紹介されています。

たとえば、

「毎日1時間走るのは無理」

と思っている人でも、

「昼休みに10分なら歩けそう」

と思えれば、最初の行動につながりやすくなります。

行動変容が起こらない主な理由

行動を変えたいと思っていても、必ず変えられるとは限りません。

代表的な障壁には、

  • 必要性を感じていない
  • 方法が分からない
  • 時間がない
  • 費用がかかる
  • 環境が整っていない
  • 周囲の協力がない
  • 目標が高すぎる
  • 成果を実感できない
  • 失敗経験があり自信がない

などがあります。

そのため、「本人のやる気が足りない」と単純に考えるのではなく、何が行動を妨げているのかを見る必要があります。

「行動変容を起こす」という表現は正しい?

使われる表現です。

たとえば、

  • 行動変容を起こすきっかけ
  • 消費者の行動変容を起こす
  • 生活習慣の行動変容を起こす

などと表現できます。

ただし、人に対して働きかける場合には、

  • 行動変容を促す
  • 行動変容を支援する
  • 行動変容につなげる

のほうが、本人の主体性を含めて表現しやすいことがあります。

「行動変容させる」は自然?

文法的には使えますが、場面によっては強く聞こえます。

「人を行動変容させる」

と書くと、外部から相手を強制的に変えるような印象を与える場合があります。

健康・教育など本人の主体性が重要な場面では、

  • 行動変容を促す
  • 行動変容を支援する
  • 行動変容につながる環境を整える

などの表現が使いやすいでしょう。

「行動変容につながる」は自然?

自然な表現です。

たとえば、

  • 健康教育を行動変容につなげる。
  • 具体的なフィードバックが行動変容につながった。
  • 分かりやすい情報提供が消費者の行動変容につながる。

などと使えます。

「情報・意識・学習などが、最終的に実際の行動の変化へ結び付く」という意味です。

「行動変容を促進する」は自然?

こちらも使える表現です。

「促進」は、物事がより進むように促すことを意味します。

そのため、行政・研究・事業計画などでは、

「住民の健康行動変容を促進する」

「利用者の行動変容を促進する施策」

などと表現できます。

一般向けの記事・会話なら「行動変容を促す」のほうが簡潔です。

行動変容の具体例を場面別に整理

場面 以前 行動変容後
運動 ほとんど歩かない 毎日20分歩く
食生活 毎日夜食を食べる 夜食を控える
仕事 異常を口頭だけで伝える 決められた方法で記録・報告する
安全 保護具を忘れることがある 作業前に必ず確認する
教育 試験前だけ勉強する 毎日一定時間勉強する
環境 ごみをまとめて捨てる ルールに沿って分別する
マーケティング 商品を知らない 比較・購入を行う

「行動変容」の例文

健康

  • 生活習慣病の予防には、継続的な行動変容が重要である。
  • 本人の行動変容を支援するため、無理のない目標を設定した。
  • 健康診断をきっかけに、運動習慣の行動変容が見られた。

職場

  • 研修を実施するだけでなく、実際の行動変容につなげる必要がある。
  • 安全意識の向上が、作業者の行動変容として表れることが重要だ。
  • 新システムの導入によって従業員の業務行動に変容が生じた。

教育

  • 知識の習得だけでなく、学習者の行動変容を目指す。
  • 授業を通して、生徒の学習習慣に行動変容が見られた。

マーケティング

  • 広告によって認知を高め、最終的な購買行動の変容につなげる。
  • 消費者の行動変容を促すため、購入までの手続きを簡単にした。

「行動変容が見られる」は自然な表現?

自然です。

以前とは違う行動が実際に観察されたことを表します。

たとえば、

「研修後、指差し確認を行う従業員が増え、行動変容が見られた。」

という使い方です。

可能なら、「どの行動がどのように変わったのか」まで具体的に書くと、より伝わりやすくなります。

「行動変容を評価する」とは?

行動変容を評価する場合は、単に本人へ、

「意識が変わりましたか?」

と尋ねるだけではなく、実際の行動を見ることが重要です。

たとえば、

  • 運動した日数
  • 歩数
  • 喫煙本数
  • 作業手順の実施率
  • 報告件数
  • 購入行動
  • 学習時間

など、目的に応じて具体的な指標を設定できます。

行動変容の目標は具体的にする

「意識を高める」

だけでは、達成できたか判断しにくくなります。

行動変容を見るなら、

「毎日記録する」

「作業開始前にチェックリストを確認する」

「週3回運動する」

など、実際に観察・確認できる行動へ置き換えると分かりやすくなります。

「行動変容」と「成果」は分けて考える

行動が変われば、必ず最終成果がすぐ現れるとは限りません。

たとえば、

「毎日運動するようになった」

という行動変容が起きても、健康診断の数値がすぐ改善するとは限りません。

仕事でも、

「確認作業を毎回行うようになった」

という行動変容と、

「不良件数が半減した」

という成果は分けて評価できます。

つまり、

行動変容=本人が取る行動の変化

成果=その行動などによって得られた結果

です。

「行動変容」という言葉を使うときの注意点

具体的に何が変わったのかを書く

「行動変容が起きた」だけでは抽象的です。

可能なら、

「毎朝朝食を取るようになった」

「作業前にチェックリストを使用するようになった」

など具体的に書きましょう。

意識の変化と混同しない

「大切だと思うようになった」だけなら、態度・意識の変化にとどまる場合があります。

一時的な行動か継続しているかを見る

一度だけ実行したのか、それとも習慣として定着したのかによって評価が変わります。

本人だけを責めない

行動には、本人の意思だけでなく環境・時間・仕組み・周囲の支援なども影響します。

行動変容を支援する場合は、行動しやすい条件を整える視点も重要です。

「行動変容」を使わず分かりやすく書くなら?

「行動変容」は少し専門的な言葉です。

一般向け文章では、

  • 実際の行動を変える
  • 行動が変わる
  • 生活習慣を変える
  • 新しい習慣を身につける
  • 行動を改善する
  • 行動を見直す

などに言い換えると分かりやすくなります。

たとえば、

「健康行動の変容を促進する」

より、一般向けには、

「健康のために実際の生活習慣を変えられるよう支援する」

としたほうが伝わりやすい場合があります。

3秒で理解|行動変容とは?

  • 読み方 → こうどうへんよう
  • 簡単な意味 → 実際の行動が変わること
  • 考え方だけが変わる → 態度変容・意識変化
  • 実際にすることが変わる → 行動変容
  • 単に行動が変わった事実 → 行動変化
  • 健康分野の代表モデル → 無関心期・関心期・準備期・実行期・維持期

迷ったときは、

「本人が実際に取る行動が以前とは変わったか」

を見ると理解しやすいでしょう。

よくある質問

「行動変容」は何と読みますか?

「こうどうへんよう」と読みます。

行動変容とは簡単に言うと何ですか?

これまでとは違う行動を取るようになることです。

健康づくりなどでは、望ましい行動を始め、それを継続・習慣化していく意味で使われます。

「行動変容」と「行動変化」は同じですか?

非常に近い言葉ですが、完全に同じではありません。

行動変化は行動が変わった事実を広く表し、行動変容は、健康・心理・教育などで行動を変えていく過程や働きかけまで意識して使われることがあります。

「行動変容」と「態度変容」の違いは?

態度変容は考え方・評価・姿勢などが変わること、行動変容は実際に取る行動が変わることです。

「行動変容」の5段階とは?

健康づくりで使われる代表的な行動変容ステージモデルでは、

  1. 無関心期
  2. 関心期
  3. 準備期
  4. 実行期
  5. 維持期

の5段階で捉えます。

無関心期とは?

現在のところ、行動を変える意思がほとんどない段階です。

まず必要性に気づくことなどが重要になります。

関心期とは?

行動を変える必要性は感じているものの、まだ実際には始めていない段階です。

準備期とは?

近いうちに行動を始めようと考え、具体的な準備をしている段階です。

実行期とは?

実際に新しい行動を始めている段階です。

維持期とは?

変えた行動を継続できている段階です。

一度行動変容したら元に戻らない?

そうとは限りません。

実行・維持していた人が以前の行動へ戻ることもあります。

その場合は、失敗と決め付けるのではなく、何が継続を妨げたのかを確認することが重要です。

行動変容は健康以外にも使いますか?

使います。

教育、職場の安全、業務改善、マーケティング、環境行動など、実際の人の行動が変わるさまざまな場面で使われます。

「行動変容を促す」は自然な日本語ですか?

自然です。

相手が実際に行動を変えられるよう、情報提供・目標設定・環境整備などによって働きかける意味で使われます。

「行動変容させる」と「行動変容を促す」はどちらがよい?

場面によります。

「させる」は相手を外から変える印象が強くなるため、本人の主体性を重視する健康・教育などでは「行動変容を促す」「行動変容を支援する」が使いやすいでしょう。

まとめ

「行動変容」は、「こうどうへんよう」と読み、人の実際の行動がそれまでとは違う状態へ変わることを表します。

特に健康・保健・心理・教育などでは、単に知識や考え方が変わるだけでなく、実際の行動を変え、それを継続していく過程を表す言葉として使われています。

似た言葉を整理すると、

  • 行動変容:実際の行動が変わる・変えていく
  • 行動変化:以前とは行動が変わった事実を広く表す
  • 態度変容:考え方・評価・姿勢などが変わる
  • 意識改革:認識・考え方を改める
  • 習慣化:新しい行動が繰り返され、日常に定着する

という違いがあります。

また、健康づくりでよく使われる行動変容ステージモデルでは、

無関心期 → 関心期 → 準備期 → 実行期 → 維持期

という5段階で行動変容を捉えます。

ただし、人の行動は必ず一直線に変わるわけではありません。

一度始めた行動が続かなかったり、以前の習慣へ戻ったりすることもあります。

そのため行動変容では、

  • 本人が今どの段階にいるか
  • 何が行動を妨げているか
  • どの程度なら実行できるか
  • どのような環境なら継続しやすいか

を考えることが重要です。

「行動変容」という言葉を見たら、まずは、

「分かった・思っただけではなく、実際にすることが変わったか」

と考えると意味をつかみやすいでしょう。

参考リンク・出典

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