「第一希望の会社に入りたい」
「新入社員の活躍に期待している」
「希望」と「期待」は、どちらも「将来こうなってほしい」という気持ちに関係するため、意味がよく似ています。
そのため、
「希望することと期待することは何が違う?」
「希望は自分、期待は他人に使う?」
「希望は願い、期待は予想?」
「期待していますと言われるとプレッシャーになるのはなぜ?」
「希望どおりと期待どおりは何が違う?」
「期待に応えると希望に応えるはどちら?」
と迷うことがあります。
簡単にいうと、「希望」は、あることが実現してほしいと望み願うことです。一方、「期待」は、あることが実現するだろうと望みをかけ、心待ちにすることです。
たとえば、
「海外勤務を希望する」
なら、自分が海外勤務をしたいと望んでいます。
一方、
「新しい担当者の活躍を期待する」
なら、その人が活躍してくれるだろうと望みをかけています。
一言で覚えるなら、
希望=「こうなってほしい」という願い
期待=「こうなるだろう」と望みをかけて待つこと
です。
ただし、「希望」と「期待」は完全に別の言葉ではありません。
辞書でも「希望」の意味の一つとして「将来に対する期待」が挙げられており、意味が重なる領域があります。
また、
「希望は自分に使い、期待は他人に使う」
という説明も絶対的なルールではありません。
自分自身に期待することもあれば、他人について「本人の希望を聞く」と表現することもできます。
この記事では、「希望」と「期待」の基本的な違いから、「希望する・期待する」「希望どおり・期待どおり」「希望に応える・期待に応える」、さらに「願望」「要望」「志望」「予想」との違いまで詳しく解説します。
- 「希望」と「期待」の違い【結論】
- 「希望」とは?
- 「希望する」は自分の望みを伝える場面でよく使う
- 「ご希望」は相手の望みを尋ねる言葉
- 「希望」には明るい見通しという意味もある
- 「希望者」とは?
- 「第一希望」「第二希望」も希望
- 「期待」とは?
- 「活躍を期待する」は期待
- 「期待される効果」とは?
- 「期待感」とは?
- 「期待に応える」とは?
- 「希望」と「期待」の決定的な違い
- 「希望=自分、期待=他人」は正しい?
- 「希望には根拠がなく、期待には根拠がある」は正しい?
- 「希望どおり」と「期待どおり」の違い
- 「期待以上」と「希望以上」は?
- 「希望に沿う」と「期待に応える」の違い
- 「希望に応える」は間違い?
- 「希望を持つ」と「期待を持つ」の違い
- 「希望がある」と「期待できる」の違い
- 「期待」と「予想」の違い
- 「期待」と「予期」の違い
- 「希望」と「願望」の違い
- 「希望」と「要望」の違い
- 「希望」と「志望」の違い
- 「希望」と「夢」の違い
- 「期待」はプレッシャーになることもある
- 「期待しない」と「希望を持たない」の違い
- 「希望・期待」で迷ったときの3秒判定
- 「希望」を使った例文
- 「期待」を使った例文
- 具体例で比較:就職
- 具体例で比較:旅行
- 具体例で比較:新商品
- 具体例で比較:子ども
- よくある間違い1:「希望は自分、期待は他人」と断定する
- よくある間違い2:「希望には可能性がなくてもよい、期待には必ず可能性がある」と断定する
- よくある間違い3:「期待」と「予想」を同じだと思う
- よくある間違い4:「期待に沿う」しか使えないと思う
- よくある間違い5:「希望」と「願望」は完全に同じだと思う
- よくある間違い6:「期待される」は必ず人に使うと思う
- 「希望」と「期待」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考資料・出典
「希望」と「期待」の違い【結論】
| 比較項目 | 希望 | 期待 |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | あることの実現を望み願う | 実現するだろうと望みをかけて待つ |
| 中心 | 願い・望み | 見込みを含んだ待望 |
| 気持ち | 「こうなってほしい」 | 「こうなってくれるだろう」 |
| 人に対して | 本人の希望を聞く | 本人の活躍を期待する |
| 代表的な表現 | 希望する、希望どおり、希望者 | 期待する、期待どおり、期待に応える |
| 明るい見通し | 「希望がある」と言える | 「期待できる」と言える |
3秒で判断するなら、
「こうなってほしいと願っている?」 → 希望
「こうなるだろうと心待ちにしている?」 → 期待
と考えると分かりやすいでしょう。
「希望」とは?
あることの実現を望み願うこと
「希望(きぼう)」とは、辞書では、
あることの実現を望み願うこと、また、その願い
と説明されています。
たとえば、
- 入社を希望する
- 転勤を希望する
- 参加を希望する
- 本人の希望を聞く
- 希望どおりの部署に配属される
- 希望の日時を伝える
などと使います。
「希望」で中心になるのは、
「自分はこうしたい」
「こうなってほしい」
という願いです。
「希望する」は自分の望みを伝える場面でよく使う
「希望」は、
「希望する」
という形でよく使います。
たとえば、
「午前中の面談を希望します。」
「自宅での療養を希望する。」
「営業部への配属を希望しています。」
などです。
厚生労働省の調査票などでも、療養場所について、
「本人の希望」
「自宅での療養を希望」
といった表現が使われています。
この「希望」は、本人が「そうしたい」と望んでいることを表しています。
「ご希望」は相手の望みを尋ねる言葉
「希望」は自分だけでなく、相手の望みにも使えます。
たとえば、
「ご希望の日程をお知らせください。」
「どのようなお部屋をご希望ですか。」
「ご希望に沿えるよう調整いたします。」
などです。
したがって、
「希望=自分だけに使う言葉」
ではありません。
本人・相手が望んでいる内容を表すのが「希望」です。
「希望」には明るい見通しという意味もある
「希望」には、願いという意味だけでなく、
将来に対する期待・明るい見通し
という意味もあります。
たとえば、
「希望に満ちた未来」
「まだ希望はある。」
「希望を失わない。」
などです。
この場合は、「○○してほしい」という具体的な希望内容より、
「これからよくなる可能性がある」
という明るい見通しに重点があります。
「希望者」とは?
「希望者」は、
あることをしたいと望む人
を表します。
たとえば、
「参加希望者を募集する。」
「希望者には資料を配布する。」
などです。
「期待者」という形では通常使いません。
ここでも、「希望」が本人の意思・望みを表すことが分かります。
「第一希望」「第二希望」も希望
進学・就職・申し込みなどでは、
第一希望
第二希望
という表現があります。
これは、複数の選択肢の中で、本人がどれを最も望んでいるかを示します。
たとえば、
「第一希望の大学に合格した。」
です。
「第一期待」
とは通常いいません。
「期待」とは?
実現するだろうと望みをかけて待つこと
「期待(きたい)」とは、辞書では、
あることが実現するだろうと望みをかけて待ち受けること
と説明されています。
また、
当てにして心待ちにすること
とも説明されています。
たとえば、
- 活躍を期待する
- 新人に期待する
- 成果を期待する
- 効果を期待する
- 期待に応える
- 期待以上の結果
などです。
「期待」では、単に願うだけではなく、
「そうなってくれるだろう」
「そうなる可能性がある」
と望みをかけて待つニュアンスがあります。
「活躍を期待する」は期待
たとえば、新入社員について、
「今後の活躍を期待しています。」
と表現できます。
これは、
「活躍してほしい」
という願いだけでなく、
「この人なら活躍してくれるだろう」
という見込み・評価を含んだ表現です。
そのため、「期待されている」と言われると、単なる希望よりも、
「結果を求められている」
というニュアンスを感じる場合があります。
「期待される効果」とは?
行政・研究・ビジネスなどでは、
「期待される効果」
という表現がよく使われます。
意味は、
ある取り組みを行うことで、今後生じることが見込まれる効果
です。
文部科学省の資料でも、教育施策について、
「期待される効果」
「改善につながることが期待される」
といった表現が使われています。
単に「そうなってほしい」と願うだけでなく、施策・行動の結果として実現が見込まれる内容なので「期待」がよく合います。
「期待感」とは?
「期待感」は、辞書では、
期待する気持ち・当てにする心持ち
と説明されています。
たとえば、
「新商品の発売を前に期待感が高まる。」
「新監督への期待感が大きい。」
などです。
「これから何かよいことが起こりそうだ」と感じて待っている気持ちを表します。
「期待に応える」とは?
非常によく使われる表現が、
「期待に応える」
です。
意味は、
相手が自分にかけている期待に見合う結果・行動を示すこと
です。
たとえば、
「周囲の期待に応えて優勝した。」
「お客様の期待に応えられる商品を作る。」
などです。
相手側から、
「きっとやってくれるだろう」
という期待が向けられているため、それに応じるという構造です。
「希望」と「期待」の決定的な違い
違い1:「願い」か「見込みを含む待望」か
最も基本的な違いです。
希望は、あることが実現してほしいという願いです。
期待は、そのことが実現するだろうと望みをかけ、待っていることです。
たとえば、
「海外旅行に行きたいと希望している。」
なら、自分の願いです。
一方、
「円安が落ち着くことを期待している。」
なら、今後そうなることを望みながら待っています。
違い2:「希望」は本人の意思を表しやすい
「希望」は、
本人が何をしたいか
を表す場面と特に相性があります。
たとえば、
- 就職を希望する
- 参加を希望する
- 希望勤務地
- 希望日時
- 希望条件
などです。
一方、「期待」は、本人の希望というより、
「その人・物事が今後どうなるか」
へ望みをかける場面で使いやすい言葉です。
違い3:「期待」は対象に何かを求める意味を持ちやすい
たとえば、
「部下に期待している。」
という場合、部下に、
- 成果を出してほしい
- 成長してほしい
- 役割を果たしてほしい
といった望みをかけています。
一方、
「部下の希望を聞く。」
なら、部下自身が何を望んでいるかを確認しています。
この二文を比較すると違いがはっきりします。
「希望=自分、期待=他人」は正しい?
完全には正しくありません。
覚え方としては分かりやすい面もありますが、例外が多いためです。
たとえば、
「患者本人の希望を確認する。」
なら、他人の希望について述べています。
また、
「もっと成長できると自分自身に期待している。」
のように、自分に期待することもできます。
したがって、人物が「自分か他人か」だけで区別しない方がよいでしょう。
基本は、
希望=何を望んでいるか
期待=何が起こる・何をしてくれると見込んでいるか
です。
「希望には根拠がなく、期待には根拠がある」は正しい?
これも単純化しすぎです。
「期待」には、辞書上、
「実現するだろう」
という見込みを伴う意味があります。
そのため、経験・能力・状況などを根拠に期待するケースは多くあります。
たとえば、
「前回好成績だった選手の活躍を期待する。」
なら、実績が期待の根拠になっています。
しかし、期待に必ず客観的な根拠が必要というわけではありません。
反対に、「希望」にも現実的な根拠がある場合があります。
したがって、
「希望=根拠なし、期待=根拠あり」
と絶対的に分けるのは適切ではありません。
「希望どおり」と「期待どおり」の違い
どちらも使いますが、意味が違います。
希望どおり
本人が望んでいた内容と同じ結果になった
という意味です。
たとえば、
「希望どおり東京支店に配属された。」
なら、自分が東京勤務を望んでいて、その願いが実現しました。
期待どおり
事前に期待していた結果と同じになった
という意味です。
たとえば、
「新商品は期待どおりの性能だった。」
なら、事前に「これくらいの性能だろう」と期待していた内容を満たしました。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| 希望どおり | 望んでいた願いのとおり |
| 期待どおり | 予期し心待ちにしていたとおり |
「期待以上」と「希望以上」は?
「期待以上」
は非常によく使われます。
たとえば、
「期待以上の成果だった。」
です。
事前に想定・期待していた水準を超えたことを表します。
一方、
「希望以上」
という表現も文脈によっては成立しますが、「期待以上」ほど一般的ではありません。
希望は「実現してほしい内容」なので、通常は、
「希望どおり」
「希望を上回る条件」
などと具体的に表現すると分かりやすいでしょう。
「希望に沿う」と「期待に応える」の違い
代表的な組み合わせとして、
希望に沿う
と、
期待に応える
があります。
希望に沿う
相手が望んでいる内容に合わせることです。
たとえば、
「できるだけお客様のご希望に沿えるよう調整します。」
と使います。
期待に応える
相手が「これくらいやってくれるだろう」と望んでいる水準を実現することです。
たとえば、
「皆様の期待に応えられるよう努力します。」
と使います。
つまり、
希望に沿う=希望内容へ合わせる
期待に応える=期待された成果を実現する
という違いがあります。
「希望に応える」は間違い?
必ずしも間違いではありません。
「相手の希望に応じる・応える」という表現も使われます。
ただし、定着した組み合わせとしては、
希望に沿う
希望に応じる
期待に応える
がよく使われます。
特に、成果・活躍などについては「期待に応える」が自然です。
「希望を持つ」と「期待を持つ」の違い
「希望を持つ」
は、将来に明るい望みを持つことです。
たとえば、
「将来に希望を持つ。」
と使います。
一方、「期待」は通常、
「期待を抱く」
「期待を寄せる」
「期待する」
などと表現することが多くあります。
「新技術に大きな期待を寄せる。」
なら、新技術がよい成果をもたらすことを待ち望んでいます。
「希望がある」と「期待できる」の違い
どちらも将来の明るい見通しを表すことがあります。
たとえば、
「まだ合格の希望はある。」
なら、合格する望み・可能性が残っています。
「現在の成績なら合格が期待できる。」
なら、現在の状況から見て合格することをある程度見込めるというニュアンスになります。
「期待できる」の方が、状況からの見込みを表しやすい言葉です。
「期待」と「予想」の違い
「期待」に近い言葉として、
「予想」
があります。
「予想」は、
物事の成り行き・結果について、前もって見当をつけること
です。
重要なのは、予想自体には、
「そうなってほしい」
という願いが必ずしも含まれないことです。
たとえば、
「明日は大雨になると予想されている。」
といっても、大雨になることを望んでいるわけではありません。
一方、
「明日は晴れることを期待している。」
なら、晴れてほしいという肯定的な望みが含まれます。
| 期待 | 予想 |
|---|---|
| 実現を望み、心待ちにする | 今後の結果を前もって見当づける |
| 望みが含まれる | 望ましい結果とは限らない |
「期待」と「予期」の違い
「予期」は、
前もって、あることが起こると考えて待ち構えること
を表します。
たとえば、
「予期せぬ出来事が起きた。」
と使います。
「期待」は通常、望ましいことに対して使いやすいのに対し、「予期」は、
よいこと・悪いことのどちらにも使える
という違いがあります。
「事故を期待する」は特殊な文脈を除いて不自然ですが、
「事故を予期する」
なら、事故が起こる可能性を前もって考える意味になります。
「希望」と「願望」の違い
「願望(がんぼう)」は、辞書では、
願い望むこと、また、その願い
と説明されています。
そのため、「希望」と意味はかなり近い言葉です。
ただし、「願望」は、
本人の心の中にある「こうしたい」「こうなりたい」という欲求・願い
を表すときに使いやすい言葉です。
たとえば、
「結婚願望がある。」
「海外移住への願望を持つ。」
などです。
一方、「希望」は、
「希望日時」
「入社を希望する」
のように、具体的な要望・選択として外部へ示す場面にも広く使われます。
「希望」と「要望」の違い
「要望」は、
実現を強く望み、その実現を相手へ求めること
を表します。
たとえば、
「住民が自治体に改善を要望する。」
です。
「希望」は、自分がこうしたいという望みだけでも成立します。
一方、「要望」は、その望みを相手へ伝え、対応を求める意味が強くなります。
| 希望 | 要望 |
|---|---|
| こうしたい・こうなってほしい | こうしてほしいと相手へ求める |
| 本人の望み | 相手への要求・申し出になりやすい |
「希望」と「志望」の違い
「志望(しぼう)」は、
自分が将来こうなりたい、ここへ進みたいと決めて望むこと
を表します。
特に、
- 志望校
- 志望大学
- 志望職種
- 志望動機
など、進学・就職・進路の場面でよく使います。
「希望」はそれより広く、
希望日時
希望条件
希望勤務地
などにも使えます。
したがって、
希望=望み全般
志望=進路・職業など、自分が目指す方向
と考えると分かりやすいでしょう。
「希望」と「夢」の違い
「夢」は、将来実現したい大きな願いにも使われます。
辞書の類語解説では、
「希望」「望み」は「夢」より、比較的すぐに実現可能なことにも使いやすい
とされています。
たとえば、
「午後3時の面談を希望する。」
とは言いますが、
「午後3時の面談が夢だ。」
とは通常いいません。
一方、
「将来、自分の会社を作るのが夢だ。」
なら、将来実現したい大きな目標・願いを表します。
「期待」はプレッシャーになることもある
「期待」には、相手に対して、
「成果を出してくれるだろう」
「役割を果たしてくれるだろう」
という望みをかける意味があります。
そのため、
「期待しているよ」
という言葉は、励ましになることもあれば、受け手によっては、
「期待どおりの結果を出さなければならない」
という負担を感じる場合もあります。
これは「期待」という語に、単なる願いだけでなく、対象への見込み・当てにする気持ちが含まれるためです。
「期待しない」と「希望を持たない」の違い
「期待しない」
は、その人・物事が特定の成果を出すことを当てにしないという意味です。
たとえば、
「最初から大きな成果は期待しない。」
です。
一方、
「希望を持たない」
は、将来よくなるという望み・明るい見通しそのものを持たないという、より広い意味になります。
そのため、二つは同じではありません。
「希望・期待」で迷ったときの3秒判定
| こんな場合 | 選びやすい言葉 |
|---|---|
| 本人がその仕事をしたい | 希望 |
| 希望日時を伝える | 希望 |
| 希望する勤務地を選ぶ | 希望 |
| 将来に明るい望みを持つ | 希望 |
| 新人が活躍してくれると思う | 期待 |
| 新商品の成果を心待ちにする | 期待 |
| 施策による効果を見込む | 期待 |
| 周囲から求められた成果を出す | 期待に応える |
| 本人が望んだ内容どおりになる | 希望どおり |
| 予想し心待ちにした成果どおりになる | 期待どおり |
最も簡単に覚えるなら、
希望=「こうなってほしい」
期待=「こうなってくれるだろう」
です。
「希望」を使った例文
- 営業職への配属を希望する。
- 面談は午前中を希望します。
- 本人の希望を確認する。
- 第一希望の大学に合格した。
- 参加希望者は申し込んでください。
- できる限りお客様の希望に沿えるよう対応する。
- 苦しい状況でも希望を失わない。
「期待」を使った例文
- 新人の今後の活躍に期待している。
- 新商品の売上に期待する。
- この施策には一定の効果が期待される。
- 周囲の期待に応える。
- 結果は期待以上だった。
- 新しいサービスへの期待感が高まっている。
- 思っていたほどの成果が出ず、期待外れに終わった。
具体例で比較:就職
求職者が、
「品質管理の仕事を希望しています。」
と言えば、自分がその仕事をしたいと望んでいます。
一方、採用した会社が、
「これまでの経験を生かした活躍を期待しています。」
と言えば、その人が今後活躍してくれるだろうと望みをかけています。
本人側の望み=希望
相手の将来の成果への望み=期待
という違いが分かりやすい例です。
具体例で比較:旅行
旅行予約で、
「海が見える部屋を希望する。」
なら、泊まりたい部屋の条件を伝えています。
一方、予約したホテルの写真を見て、
「素晴らしい景色を期待している。」
なら、実際にすばらしい景色が見られるだろうと心待ちにしています。
具体例で比較:新商品
消費者がメーカーに、
「もう少し軽い製品を希望します。」
と言えば、自分が望む商品仕様を伝えています。
一方、新製品が発表され、
「従来品以上の性能を期待しています。」
と言えば、実際に高い性能を発揮するだろうと望んでいます。
具体例で比較:子ども
子ども自身が、
「将来は医師になりたいと希望している。」
なら、本人の願いです。
一方、親が、
「自分の好きな道を見つけてほしいと期待している。」
なら、親が子どもの将来に望みをかけています。
ただし、期待が強すぎると本人の希望と食い違うこともあります。
「本人の希望」と「周囲の期待」は別のものとして考える必要があります。
よくある間違い1:「希望は自分、期待は他人」と断定する
完全なルールではありません。
「本人の希望」のように他人の希望についても言えますし、「自分自身に期待する」のように自分へ期待することもできます。
人物ではなく、
願いを表しているのか
実現を見込んで心待ちにしているのか
で判断しましょう。
よくある間違い2:「希望には可能性がなくてもよい、期待には必ず可能性がある」と断定する
期待には「実現するだろう」というニュアンスがありますが、客観的な実現確率が一定以上なければ使えないというルールはありません。
また、現実的な根拠を持った希望もあります。
「可能性の有無」だけで二つを分けるのは避けましょう。
よくある間違い3:「期待」と「予想」を同じだと思う
「期待」には、望ましい結果を心待ちにする気持ちがあります。
「予想」は、よい・悪いに関係なく、将来の結果を前もって見当づけることです。
「売上減少が予想される」
とは言いますが、売上減少を望んでいないなら「売上減少を期待する」とは通常いいません。
よくある間違い4:「期待に沿う」しか使えないと思う
期待については、
「期待に応える」
が非常によく使われます。
相手が望んでいた成果・役割を実現するという意味です。
一方、「希望」は、
「希望に沿う」
「希望に応じる」
と組み合わせやすい言葉です。
よくある間違い5:「希望」と「願望」は完全に同じだと思う
意味はかなり重なりますが、「希望」は具体的な選択・申し出にも広く使われます。
希望日時
希望勤務地
などです。
「願望」は、心の中にある「こうなりたい」という願いを表す場面と特に相性があります。
よくある間違い6:「期待される」は必ず人に使うと思う
期待は人だけに使うわけではありません。
たとえば、
「新薬の効果が期待される。」
「業務効率の向上が期待される。」
「地域経済への波及効果が期待される。」
など、物事・施策・技術などにも使えます。
「希望」と「期待」に関するよくある質問
Q1. 「希望」と「期待」は同じ意味ですか?
意味は重なりますが、重点が異なります。
「希望」は実現を望み願うこと、「期待」は実現するだろうと望みをかけて待つことです。
Q2. 「希望は自分、期待は他人」という理解でよいですか?
目安にはなりますが、絶対的なルールではありません。
他人の「希望」も、自分への「期待」も表現できます。
Q3. 「希望どおり」と「期待どおり」は何が違いますか?
「希望どおり」は自分・相手が望んでいた内容どおり、「期待どおり」は事前に期待していた成果・状態どおりという意味です。
Q4. 「希望に応える」と「期待に応える」はどちらですか?
どちらも文脈によって使えますが、成果・活躍については「期待に応える」が非常によく使われます。
希望については「希望に沿う」「希望に応じる」も自然です。
Q5. 「期待」と「予想」は同じですか?
違います。
「期待」は望ましい結果を心待ちにすること、「予想」は将来の成り行きについて前もって見当をつけることです。
Q6. 「希望」と「願望」は何が違いますか?
どちらも願いを表しますが、「希望」は具体的な申し出・選択にも広く使われます。
「願望」は、心の中にある欲求・願いを表す場面で使いやすい言葉です。
Q7. 「希望」と「要望」は何が違いますか?
「希望」は本人の望み、「要望」はその望みを相手へ示し、実現を求める意味が強い言葉です。
Q8. 「希望」と「志望」は何が違いますか?
「希望」は望み全般、「志望」は進学先・職業など、自分が目指したい方向についてよく使います。
Q9. 「期待しています」はプレッシャーになる表現ですか?
必ずしもそうではありませんが、「成果を出してくれるだろう」と相手に望みをかける意味があるため、受け手によっては負担を感じる場合があります。
Q10. 迷ったときの簡単な見分け方は?
「自分・相手が何を望んでいる?」 → 希望
「今後どうなる、何をしてくれると待ち望んでいる?」 → 期待
と考えてください。
まとめ
「希望」と「期待」は、どちらも将来への望みに関係しますが、意味の中心が異なります。
| 希望 | 期待 |
|---|---|
| あることの実現を望み願う | 実現するだろうと望みをかけて待つ |
| 「こうなってほしい」 | 「こうなってくれるだろう」 |
| 希望日時 | 活躍を期待する |
| 入社を希望する | 効果を期待する |
| 希望どおり | 期待どおり |
| 希望に沿う | 期待に応える |
最も簡単な覚え方は、
希望=「こうなってほしい」という願い
期待=「こうなってくれるだろう」と望みをかけて待つこと
です。
たとえば、
「営業部への配属を希望する」
なら、本人が営業部で働きたいと望んでいます。
一方、
「新入社員の活躍を期待する」
なら、その人が今後活躍してくれるだろうと望みをかけています。
ただし、
「希望=自分、期待=他人」
「希望=根拠なし、期待=根拠あり」
と機械的に区別するのは正確ではありません。
本人以外の希望を述べることも、自分自身に期待することもできます。
また、「希望」には、
「希望を失わない」
のように、将来への明るい見通しという意味もあります。
「期待」は、
「期待に応える」
「期待以上」
「期待される効果」
のように、将来の成果・結果を心待ちにする場面で特に使いやすい言葉です。
文章で迷った場合は、
「単純に、こうなってほしいと望んでいるのか」
「実現するだろうと見込み、心待ちにしているのか」
を確認してください。
前者なら「希望」、後者なら「期待」が使いやすいでしょう。
参考資料・出典
本記事は、以下の辞書・厚生労働省・文部科学省等の資料を参照し、内容を整理したうえで作成しています。
-
コトバンク「希望」
― あることの実現を望み願うこと、また将来に対する期待・明るい見通しという「希望」の基本的な意味 -
コトバンク「期待」
― あることが実現するだろうと望みをかけて待ち受けること、当てにして心待ちにすることという「期待」の意味 -
goo辞書「希望/望み/夢」の類語解説
― 「希望」を実現を待ち望むこと・将来への明るい見通しとし、「期待」を当てにして心の中で待ち受ける語として示した類語解説 -
コトバンク「願望」
― 願い望むこと、また、その願いという「願望」の意味 -
コトバンク「予想」
― 物事の成り行き・結果について前もって見当をつけるという「予想」の意味 -
コトバンク「期待感」
― 期待する気持ち・当てにする心持ちという「期待感」の意味 -
厚生労働省「利用者本人および家族の希望」
― 「本人の希望」「自宅での療養を希望」など、本人が望む内容を示す「希望」の公的な使用例 -
文部科学省「全国的な学力調査の意義・目的について」
― 施策等の結果について「改善につながることが期待される」とする「期待」の公的な使用例 -
文部科学省「履修主義と修得主義、年齢主義と課程主義」
― 将来の成果・作用について「期待される」という「期待」の使用例
※「希望」と「期待」は意味が重なる部分があります。本記事では、辞書上の意味と一般的な現代日本語での使われ方を基に、実用的な使い分けを整理しています。
※「希望=自分、期待=他人」「希望=根拠なし、期待=根拠あり」という説明は、場面によって理解の助けにはなりますが、すべての用例に当てはまる絶対的なルールではありません。
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