会社の申請や経費精算、稟議書などで「差し戻しになりました」と表示されたとき、何をすればよいのか戸惑うことがあります。
また、ニュースでは「裁判を差し戻す」、郵便では「出した手紙を差し戻してもらいたい」という表現も使われます。しかし、これらは同じ「戻す」という言葉でも、具体的な手続きが異なります。
結論からいうと、「差し戻し(さしもどし)」とは、提出された書類・案件などを元の担当者や前の段階に戻すことです。ビジネスでは、内容の修正や再確認を求めて戻す場面でよく使われます。
大切なのは、差し戻し=必ず不採用・却下というわけではない点です。戻された理由を確認し、修正して再提出できる場合があります。
この記事では、差し戻しの正確な意味と読み方、「却下」「取り下げ」「保留」との違い、稟議・経費精算での対応方法、相手に失礼にならない伝え方やメール例文、裁判・郵便での用法、英語表現まで解説します。
- 「差し戻し」とは?意味・読み方を簡単に解説
- 「差し戻し」と「却下」「取り下げ」「保留」の違い【比較表】
- ビジネスで「差し戻し」が使われる場面と具体例
- 差し戻しされたらどうする?対応の5ステップ
- 「差し戻し」の敬語・丁寧な言い換え
- そのまま使える「差し戻し」のビジネスメール例文
- 裁判でいう「差し戻し」「差し戻し審」とは?
- 郵便の「差し戻し」は「取戻し請求」と同じ?
- 「差し戻し」の英語は?ビジネスと裁判で使い分ける
- 「差し戻し」についてよくある質問(FAQ)
- Q1.差し戻しとは一言でいうと何ですか?
- Q2.「差し戻された」は不合格・却下という意味ですか?
- Q3.「差し戻し」と「差戻し」はどちらが正しいですか?
- Q4.「差し戻しする」は日本語としておかしいですか?
- Q5.「差し戻しをお願いします」は自然ですか?
- Q6.差し戻しされたら同じ申請番号で再提出できますか?
- Q7.差し戻しと修正依頼は同じですか?
- Q8.差し戻しと却下を間違えるとどうなりますか?
- Q9.差し戻しの理由は相手に伝えるべきですか?
- Q10.裁判の「差し戻し」は裁判のやり直しですか?
- Q11.差し戻しになったら勝訴・敗訴は決まっていますか?
- Q12.投函した郵便物を「差し戻して」と言えば必ず返ってきますか?
- Q13.「差し戻させていただきます」は失礼ですか?
- Q14.差し戻しの反対語は「承認」ですか?
- まとめ|差し戻しは「戻して確認・修正などを求める」こと
- 参考リンク・出典
「差し戻し」とは?意味・読み方を簡単に解説
読み方は「さしもどし」
「差し戻し」は「さしもどし」と読みます。動詞は「差し戻す」で、「書類を差し戻す」「承認申請が差し戻された」のように使います。
表記には「差し戻し」「差戻し」「差戻」があります。一般的な文章では「差し戻し」が読みやすく、裁判関係の文章やシステム上の項目名では「差戻し」「差戻」と表記されることもあります。どれを使用するかは組織や文書の表記ルールに合わせます。
「いったん元へ戻す」ことが意味の中心
差し戻しの対象となるのは、書類、申請、稟議、報告書、案件、裁判上の事件などです。いったん次の担当者や判断する人に渡ったものを、前の段階に戻す点が共通しています。
- 申請書に記入漏れがあり、申請者へ差し戻す。
- 稟議書の見積金額が一致しないため、起案者へ差し戻す。
- 上級審が事件を差し戻し、改めて審理させる。
ただし、すべての差し戻しが必ず「修正して再提出してください」という意味になるわけではありません。裁判では法律上の手続きであり、会社でも運用によっては申請の取消しや再起案が必要なことがあります。何が戻されたのか、なぜ戻されたのか、次に何をするのかを一緒に確認しましょう。
「差し戻しになった」はどういう状態?
社内ワークフローに「差戻し」「差し戻し済み」と表示された場合、通常は審査・承認の途中で元の申請者などへ処理が戻っている状態です。
つまり「承認待ちのまま」でも「承認済み」でもありません。差し戻し理由の確認や修正が必要か、システムのコメント欄・通知メールを見て判断します。
「差し戻し」と「却下」「取り下げ」「保留」の違い【比較表】
似た言葉の違いを見分けるには、誰が何のためにその処理をするのかに注目すると分かりやすくなります。
| 言葉 | 主な意味 | 状況・次の行動 |
|---|---|---|
| 差し戻し | 提出されたものを前の段階へ戻す | 修正、再確認、再審理などが必要になる |
| 却下 | 申請・提案などを認めず退ける | その申請や提案について認めない判断 |
| 取り下げ | 提出した側が申請や申し立てを撤回する | 申請者側が進行をやめる |
| 保留 | 結論を出さず一時的に止める | 判断や追加情報を待つ |
| 返却 | 物・書類などを持ち主等へ返す | 修正や再提出を伴うとは限らない |
| 再提出依頼 | 提出し直すよう求める | 差し戻し後の対応として行われることがある |
| 棄却 | 申し立て・請求などを退ける | 裁判などでは却下と異なる法律上の意味がある |
差し戻しと却下の違い
「差し戻し」はいったん元へ戻す処理で、「却下」は認めず退ける判断です。
例えば、経費精算書に領収書が付いていないため、「添付して再申請してください」と戻す場合は差し戻しです。一方、対象外の支出だと判断して精算を認めない場合は却下などの扱いになります。
もっとも、社内システムの「却下」「否認」「差戻し」というボタン名はサービスや会社の設定で異なります。差し戻しなら必ず再申請できる、却下なら絶対に再申請できない、とまでは断定できません。社内規程を確認してください。
却下そのものの意味や「棄却」との違いは、1157.html「却下とは?」でも詳しく解説しています。
差し戻しと取り下げの違い
「取り下げ」は、原則として提出した本人・申請者などが自分の申請や申し立てを引っ込めることです。例えば、申請者が出張を取りやめ、自分から交通費の事前申請を取り下げるケースです。
一方、「差し戻し」は、受け取った担当者や承認者などが前の段階に戻す場合に使われます。戻す側が違うことが大きなポイントです。
差し戻しと保留の違い
「保留」は、その時点で結論を出さずに待つことです。上司が追加資料の到着を待つだけなら「保留」、記載内容の修正を申請者へ求めて戻すなら「差し戻し」が適しています。
差し戻しと返却・返送の違い
「返却」は貸した物や預かった物などを返す広い意味の言葉です。「返送」は郵便や荷物などを送り返すことを表します。
「差し戻し」は、提出・審査・承認などの流れの中で前段階へ戻すニュアンスがあります。そのため、「受け取った書類をそのまま返却する」と「不備を指摘して差し戻す」は同じではありません。
差し戻しと再提出の違い
「差し戻し」は戻す処理、「再提出」は再び提出する行動です。
一般的な流れは「提出 → 差し戻し → 修正 → 再提出 → 再確認」です。ただし、修正して保存するだけで承認経路に自動復帰するシステムや、新規申請を作り直すシステムもあります。
ビジネスで「差し戻し」が使われる場面と具体例
1.稟議書・起案書の差し戻し
予算の承認や契約締結などのために起案した稟議書が、承認経路の途中で戻されることがあります。
- 見積書の金額と稟議書の申請額が一致していない。
- 承認に必要な比較見積もりが添付されていない。
- 導入目的や費用対効果の説明が不足している。
- 所定の承認者を経由していない。
この場合は、理由を確認して必要箇所を直し、決められたルートで再申請します。稟議が差し戻されたことを、その案件が最終的に不採用になったことと混同しないようにしましょう。
関連する承認手続きの流れは、983.html「回議と決裁の違い」も参考になります。
2.経費精算・交通費申請の差し戻し
経費精算では、領収書の不足、日付の相違、支払金額の入力ミス、社内経費規程との不一致などが差し戻しの理由になります。
例文:「申請金額と領収書の記載額が異なるため、経費精算を差し戻しました。ご確認のうえ、再申請をお願いいたします。」
まずは金額と証憑を突き合わせ、同じ誤りがほかの行にもないか確認すると再差し戻しを減らせます。
3.契約書・見積書・報告書の差し戻し
契約書や報告書では、内容の追加確認や誤記修正のために、作成者へ戻すことがあります。例えば「契約期間が見積書と異なる」「報告書の根拠資料が不足している」などです。
ただし、契約締結後の修正は別途合意や手続きが必要な場合があります。「差し戻したから契約内容が自動で変更された」と考えてはいけません。
4.電子決裁・ワークフローでの差し戻し
電子申請では、「申請中」「承認待ち」「差戻し」「承認」「却下」などのステータスが表示されます。ここで大切なのは、差し戻されたあと、誰に操作権限が戻っているかを確認することです。
システムによっては、申請者が内容を修正して再申請ボタンを押す必要があり、修正せず放置すると処理が止まり続ける場合があります。
5.行政の申請・手続きでの差し戻し
申請書類の不足や入力不備などにより、補正や再提出を求められることがあります。ただし行政手続きでは、「補正要求」「返戻」「不受理」「却下」などの正式名称と法的効果が制度ごとに異なります。
役所からの通知を受けた場合は、単に「差し戻された」と理解するだけでなく、通知に書かれた期限と正式な処理名を確認してください。
差し戻しされたらどうする?対応の5ステップ
- 理由を読む:メールや申請画面のコメント欄で、どの箇所が問題か特定します。
- 修正内容を整理する:添付漏れ、金額差異、記載不足、承認者の設定などを確認します。
- 必要なら関係者に確認する:理由が曖昧なら推測で直さず、承認者へ確認します。
- 修正して再申請・再提出する:差し戻し前の入力内容と添付資料を照らし合わせ、システムの指示どおりに操作します。
- 再申請後の状態を確認する:「下書きのまま」や「未申請」になっていないか、ステータスをチェックします。
差し戻し理由が分からない場合
「差し戻しになっているのですが、修正箇所が分かりません」という場合は、次のように聞くと角が立ちにくくなります。
「申請をご確認いただきありがとうございます。差し戻し内容を確認いたしましたが、修正すべき箇所について、もう少し詳しくご教示いただけますでしょうか。」
単に「なぜ差し戻したのですか」と尋ねるより、対応のために必要な情報を具体的に求められます。
差し戻しは何回までできる?
一律の回数制限はありません。企業やシステム、申請の種類によって異なります。再差し戻しが続く場合は、個別の誤記だけでなく、申請要件や承認フローを整理したほうがよいこともあります。
「差し戻し」の敬語・丁寧な言い換え
「差し戻す」はビジネスで使える言葉ですが、相手の作業を戻すことになるため、伝え方には配慮が必要です。特に社外の相手には、差し戻しの事実だけでなく、理由と依頼したい対応を添えると親切です。
| 表現 | 使いやすい場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 差し戻します | 社内での通常連絡 | 理由がないと一方的に聞こえる場合がある |
| 差し戻しいたします | 丁寧な業務連絡 | 「いたします」は自分の行為を丁寧に述べる |
| 差し戻させていただきます | 相手側の了解などを踏まえて述べる場合 | 場面によっては回りくどい |
| 修正をお願いできますでしょうか | 顧客・取引先への依頼 | 何を直すか具体的に書く |
| ご確認のうえ、再提出をお願いいたします | 再提出が必要な場合 | 提出先・期限を明示するとよい |
「差し戻しさせていただきます」は間違い?
一律に文法的な誤りだとはいえませんが、「差し戻しをさせていただきます」などの形と比べて不自然に感じられることがあります。簡潔に伝えるなら「差し戻しいたします」が使いやすい表現です。
「差し戻させていただきます」は、相手の許可や、その行為から受ける恩恵などを意識できる状況では用いられます。ただ、単に自社の判断で差し戻すことを通知するだけなら、「差し戻しいたします」で十分丁寧です。
敬語は文字列だけで正誤を決めず、誰が誰に何を求めているかに合わせて選びます。
相手を責めない言い換え
「書類に不備があるため差し戻します」でも意味は通じますが、取引先には次のような言い方も可能です。
- 「恐れ入りますが、添付資料の追加をお願いいたします。」
- 「お手数をおかけしますが、金額をご確認のうえ、再度お送りいただけますでしょうか。」
- 「確認が必要な箇所がございましたので、いったんお戻ししております。」
- 「下記の点をご修正のうえ、改めてご提出ください。」
ただし、実際に電子システム上で「差戻し」という操作をしたことを明確にする必要があれば、その名称を隠さず伝えたほうが誤解を防げます。
そのまま使える「差し戻し」のビジネスメール例文
例文1:上司・同僚へ差し戻しを通知する
件名:経費精算申請の差し戻しについて
お疲れさまです。
申請いただいた経費精算について、領収書の日付と申請内容に相違がありましたので、差し戻しいたしました。
お手数ですが、該当箇所をご確認のうえ、再申請をお願いいたします。
ご不明な点があればお知らせください。よろしくお願いいたします。
例文2:取引先へ修正を依頼する
件名:ご提出書類の内容確認のお願い
いつもお世話になっております。
ご送付いただきました申請書類を確認したところ、添付資料の一部が不足していることが分かりました。
恐れ入りますが、以下の資料をご確認のうえ、再度ご提出いただけますでしょうか。
・必要資料:〇〇
・対象箇所:〇〇
お忙しいところお手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
例文3:自分の申請が差し戻されたときに返信する
件名:申請内容の修正・再提出について
お疲れさまです。
ご確認いただきありがとうございます。差し戻しのご指摘を確認いたしました。
添付資料を追加し、申請金額も修正のうえ、再申請いたしました。
お手数ですが、改めてご確認のほどよろしくお願いいたします。
例文4:差し戻し理由を確認する
件名:申請差し戻し内容についての確認
お疲れさまです。
申請が差し戻しとなっていることを確認いたしました。
修正のうえ再提出したく存じますが、差し戻し理由について、具体的な修正箇所をご教示いただけますでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
どの例文も、相手を責める表現を避け、必要なアクションを明確にしています。実務では申請番号、提出期限、担当部署なども必要に応じて追記してください。
裁判でいう「差し戻し」「差し戻し審」とは?
裁判のニュースで出てくる「差戻し」は、会社の申請を修正のため戻す場合とは異なり、上級審が事件を元の裁判所などへ戻し、改めて審理・裁判をさせる法律上の手続きを指します。
「破棄差戻し」とは
例えば、上級の裁判所が原判決を維持できないと判断し、その判決を破棄して事件を原裁判所へ戻す場合があります。これを「破棄差戻し」と呼びます。
民事訴訟法には、控訴審での差戻しに関する規定(第307条・第308条)や、上告審での破棄差戻し等に関する規定(第325条)があります。刑事訴訟でも、事件を差し戻す制度が定められています。具体的な要件や手続きは事件の種類・審級により異なります。
「差し戻し審」とは
差し戻された事件について、差戻し先の裁判所が改めて審理する手続きやその審理を「差戻し審」と呼びます。
ただし、差戻しは必ずしも「裁判を最初から完全にやり直す」という意味ではありません。上級審の判断による拘束や審理範囲など、法律上のルールに従って進みます。
差し戻しは勝訴・敗訴が決まったという意味?
いいえ。差し戻された事実だけで、最終的な勝訴・敗訴、有罪・無罪が確定したとはいえません。
原判決を取り消し・破棄した理由や、差戻し先で残る争点によって、その後の結論が変わります。ニュースを読むときは、「何について再審理するのか」「上級審がどこまで判断したのか」を確認することが重要です。
裁判の差し戻しと却下・棄却の違い
一般に「差戻し」は事件を前の裁判所などへ戻す処理で、「却下」「棄却」は申立てや請求などを退ける判断です。特に民事訴訟での「訴えの却下」と「請求の棄却」は異なる意味を持ちます。
ただし法律上の厳密な意味は手続きによって異なるため、日常のビジネス用語と一対一で置き換えてはいけません。
郵便の「差し戻し」は「取戻し請求」と同じ?
「間違えて投函した手紙を差し戻してもらいたい」という日常的な言い方をすることがあります。しかし、日本郵便で差し出した郵便物について、配達前に差出人へ戻すよう求める手続きは、一般に「取戻し請求」と呼ばれます。
すでに出した郵便物は取り戻せる?
日本郵便の公式案内では、一定の条件のもと、配達前であれば取戻し請求を行うことができます。ただし、請求すれば必ず取り戻せるという保証はありません。発送・配達状況や郵便物の種類、受付条件を郵便局で確認する必要があります。
手続きでは本人確認資料が必要になる場合があります。郵便物の種類や差出し方法によって対応が異なることもあるため、誤発送に気づいたら早めに担当の郵便局へ相談してください。
取戻し請求の料金は?
日本郵便の国内郵便物等の手数料表では、通常の郵便物等の取戻しについて、条件に応じて次の金額が案内されています。
| 請求する場所・条件 | 手数料 |
|---|---|
| 差出郵便局で、同社が定める発送準備完了前などの条件を満たす場合 | 無料 |
| その郵便物等を配達すべき郵便局に請求する場合 | 550円 |
| 上記以外の場合 | 750円 |
これは日本郵便の料金表に基づく案内です。ゆうパックなどは別の料金・条件が適用されることがあるため、該当するサービスの最新案内を確認してください。また、すでに支払った差出し料金が当然に払い戻されるわけでもありません。
取戻しと返送の違い
「取戻し」は、差出人が配達前の郵便物を戻すよう請求するものです。一方、住所不明や保管期間経過などを理由に差出人へ送り返されるケースは、一般に「返送」と説明されます。
つまり、差出人が配達前に戻すよう求めることと、配達できず結果として戻ってくることは区別すべきです。
「差し戻し」の英語は?ビジネスと裁判で使い分ける
「差し戻し」に常に対応する一つの英単語があるわけではありません。何を戻すのか、なぜ戻すのかによって表現が変わります。
| 英語表現 | 主な意味・場面 | 例 |
|---|---|---|
| send back | 送り返す。広く使える表現 | send back the form |
| return for revision | 修正のために戻す | return the draft for revision |
| return the application | 申請を返す | return the application for correction |
| remand | 事件を下級審などへ差し戻す | remand the case to the lower court |
| withdraw | 取り下げる・撤回する | withdraw the application |
| reject | 却下する・拒否する | reject the proposal |
ビジネスでの英文例
The application was returned for revision.
申請は修正のために差し戻されました。
We have sent the document back for correction.
修正のため書類を差し戻しました。
Please revise the amount and resubmit the form.
金額を修正して、書類を再提出してください。
裁判での英文例
The court remanded the case to the lower court.
裁判所は事件を下級審へ差し戻しました。
ただし、「remand」は英語圏の法制度では勾留・拘束に関係する意味でも使われます。裁判の文脈や法域を確認し、日本語の「差し戻し」を機械的にすべて「remand」と訳さないようにしましょう。
「withdraw」は差し戻しではない
「withdraw an application」は、申請者側が申請を取り下げることです。上司が申請書を差し戻す場合とは方向が異なります。「差し戻し」と「取り下げ」の違いを英語でも保つと誤解を防げます。
「差し戻し」についてよくある質問(FAQ)
Q1.差し戻しとは一言でいうと何ですか?
提出された書類や案件などを元の担当者・前の段階へ戻すことです。ビジネスでは修正や再確認のために戻す意味で使われることが多い言葉です。
Q2.「差し戻された」は不合格・却下という意味ですか?
必ずしもそうではありません。記載漏れなどを直して再申請できる場合があります。ただし、実際の再申請可否は制度やシステムのルールによります。
Q3.「差し戻し」と「差戻し」はどちらが正しいですか?
どちらも使われます。「差し戻し」は一般的で読みやすい表記、「差戻し」は業務システムや法律関係の文書などで見られる表記です。社内で統一するなら文書規程に従います。
Q4.「差し戻しする」は日本語としておかしいですか?
意味は伝わりますが、動詞なら「差し戻す」、名詞として使うなら「差し戻しを行う」がすっきりした表現です。例えば「申請を差し戻します」と書けます。
Q5.「差し戻しをお願いします」は自然ですか?
社内で処理を依頼する場面なら自然です。ただし、誰に何を戻してほしいか明確にするため、「〇〇の申請を起案者へ差し戻してください」としたほうが正確です。
Q6.差し戻しされたら同じ申請番号で再提出できますか?
システムによります。同じ申請を修正して再開できる場合と、新規申請として作り直す必要がある場合があります。申請画面の説明や社内担当者へ確認してください。
Q7.差し戻しと修正依頼は同じですか?
重なる場面は多いものの、同じとは限りません。「修正依頼」は修正を求める行為そのもの、「差し戻し」は案件を前段階へ戻す処理を指します。差し戻し操作をせずに修正を依頼する場合もあります。
Q8.差し戻しと却下を間違えるとどうなりますか?
修正して再提出すべき案件を「不採用になった」と誤解したり、逆に認められなかった案件を再申請できると思い込んだりするおそれがあります。通知の処理区分と理由を確認しましょう。
Q9.差し戻しの理由は相手に伝えるべきですか?
原則として具体的に伝えるのが実務上適切です。「どの項目を、なぜ、どう直してほしいか」が明確なら、再提出後の確認も円滑になります。
Q10.裁判の「差し戻し」は裁判のやり直しですか?
上級審の判断を受け、原裁判所などで改めて審理・裁判をすることです。ただし、すべてを最初から無条件にやり直すわけではありません。差戻しの理由と法律上のルールに従います。
Q11.差し戻しになったら勝訴・敗訴は決まっていますか?
差戻しという事実だけでは決まりません。上級審の判断や差戻し先での審理の内容を確認する必要があります。
Q12.投函した郵便物を「差し戻して」と言えば必ず返ってきますか?
必ず返ってくるとは限りません。正式には「取戻し請求」の条件を確認し、配達前の早い段階で郵便局に相談してください。料金や対象サービスの扱いにも注意が必要です。
Q13.「差し戻させていただきます」は失礼ですか?
必ず失礼になるわけではありませんが、場面によっては冗長です。理由と対応内容を添えて「恐れ入りますが、〇〇のため差し戻しいたします」と伝えると明確で丁寧です。
Q14.差し戻しの反対語は「承認」ですか?
業務システム上では「差戻し」と「承認」が対照的な操作になることがあります。ただし、言葉として厳密な一対一の反対語とは限りません。差し戻し後の「再提出」や「再申請」も対になる行動として考えられます。
まとめ|差し戻しは「戻して確認・修正などを求める」こと
「差し戻し(さしもどし)」とは、書類・申請・案件などを前の段階へ戻すことです。ビジネスでは不備の修正や再確認、裁判では事件の再審理に関する手続きとして使われます。
- 差し戻し:提出物や事件を前段階へ戻すこと。
- 却下:申請・提案などを認めず退けること。
- 取り下げ:提出した側が申請などを撤回すること。
- 保留:結論を出さず、一時的に待つこと。
- ビジネスの差し戻し後:理由確認→修正→再提出→状態確認を基本に進める。
- 裁判の差戻し:差戻し先で改めて審理する手続きであり、それだけで最終的な勝敗は決まらない。
- 郵便:配達前に差出人へ戻してもらう手続きは「取戻し請求」と区別する。
差し戻しを受けたときは「認められなかった」と早合点せず、何を戻されたのか、理由は何か、次にどの操作が必要かを確認するのが最も大切です。
参考リンク・出典
- コトバンク「差戻し」(デジタル大辞泉・日本大百科全書):一般用法と裁判上の用法。
- e-Gov法令検索「民事訴訟法」:控訴審・上告審における差戻し等の規定。
- 日本郵便「国内の料金表(手数料)」:あて名変更・取戻し手数料。
- 日本郵便「申し込みをした後にキャンセルすることはできますか?」:取戻し請求についての説明(Webゆうびんの案内)。
- 文化庁「敬語おもしろ相談室」:「させていただく」などの使い方。
※裁判上の手続きや郵便の取戻しは個別の事情・サービスによって条件が異なります。具体的な案件では裁判所・専門家や日本郵便の最新案内を確認してください。
