「職権を行使する」「職権で調査する」「職権を濫用する」といった表現を、ニュースや行政の説明で見かけることがあります。
ただ、何となく「偉い人が持つ権力」というイメージはあっても、具体的に何を指すのか、普段使う「権限」や「職責」とどう違うのか、分かりにくい言葉かもしれません。
「職権(しょっけん)」とは、その職務を行うために、役職や地位・資格などに基づいて与えられている権限のことです。とくに行政機関や公務員の権限を説明するときによく使われます。
大切なのは、職権があるからといって何でも自由にできるわけではないという点です。職権には根拠と範囲があり、手続き上の制限もあります。
この記事では「職権とは?」の基本から、「職権行使」「職権発動」「職権消除」「職権濫用」の意味、会社と行政での使い方、似た言葉との違いまで、例文を交えて丁寧に解説します。
職権とは?意味と読み方をわかりやすく解説
「職権」の読み方は「しょっけん」
「職権」は「しょっけん」と読みます。「職」は担当する仕事・役目、「権」はある行為を正当に行える力や資格を表す漢字です。
合わせると、仕事上の立場に伴って認められた権限という意味になります。「職権を行使する」「職権で処理する」などの形で使うのが一般的です。
辞書でいう「職権」の意味
小学館『デジタル大辞泉』では、職権は職務を行うために与えられた権限と説明されています。特に、公の機関や公務員が地位や資格に基づいて一定の行為を行える権限や、その範囲を指す言葉です。
つまり、職権には次の二つの要素があります。
- 仕事との結び付き:個人的な都合ではなく、担当する職務のために認められていること。
- 正当な根拠と範囲:法令や組織の規程などに基づき、できることとできないことが定められていること。
「職権」という言葉が行政・法律の文章で使われるときは、主に法令上の権限を指します。一方、会社の説明では、規程や職位に基づく権限を広い意味で「職権」と呼ぶ場合もあります。
一言でいうと「その仕事を担当する立場だからできること」
例えば、ある自治体の担当機関が、法律上の要件に従って住民票の記載を修正する場合があります。その権限は、職員個人の好みで生まれるものではなく、行政機関が担当する仕事と関係しています。
会社でも、一定金額までの購入を承認できる役職者がいるかもしれません。これは、その人が私生活でも同じ権限を持つという意味ではなく、会社の職務上、定められた範囲で判断できるということです。
ただし、会社の「決裁権限」と行政法上の「職権」は、言葉の印象が似ていても法的な根拠や効果まで同じではありません。
「職権を行使する」とは?具体例で理解しよう
「職権を行使する」とは、職務上認められた権限を、実際の判断や処理に用いることです。権限を持っている状態と、その権限を使って行動することは区別できます。
| 表現 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 職権を有する | その権限を持っている | 担当機関が法令上の権限を有する |
| 職権を行使する | 持っている権限を実際に使う | 権限に基づいて調査や判断を行う |
| 職権の範囲内 | 認められた権限から外れていない | 所管事項について手続きを進める |
| 職権を越える | 認められた範囲の外に及ぶ | 権限のない事項を独断で決定する |
行政機関による職権行使の例
法令に基づいて行政機関が調査、処分、記録の訂正などを行う場面で使われます。例えば「市区町村が職権で住民票の記録を処理した」という説明です。
ただし、何を調査できるか、どのような手続きを経るか、どのような処理を行えるかは、個別の法令と事実関係によって変わります。「役所なら誰でも、どんな記録でも書き換えられる」という意味ではありません。
会社の役職者に使う場合
「部長が職権を行使した」という言い方も文脈によっては使われますが、社内では「決裁権限を行使した」「権限に基づいて承認した」と表現した方が、何をしたかが明確になる場合があります。
例えば、備品の購入を承認する話なら「課長が決裁権限の範囲内で承認した」とした方が具体的です。一方、会社全体の規程で定められた正式な権限を論じる文章では、「職務上の権限」や「職務権限」という表現が自然です。
「職権発動」とは?「職権を発動する」の意味
「職権発動」とは、職務上認められた権限を実際に働かせることです。「職権の発動」「職権を発動する」という形で見かけます。
「職権行使」と似た意味を持ちますが、「発動」は、それまで使っていなかった権限をあるきっかけで動かす、または必要な措置に着手するニュアンスがあります。
| 表現 | 伝わりやすい意味 | 使う場面のイメージ |
|---|---|---|
| 職権行使 | 権限を実際に使うこと | 権限に基づく判断や処理全般 |
| 職権発動 | 必要に応じて権限を働かせること | 問題の把握後、調査や措置に動く場合 |
ただし、二語をすべての法律や制度で厳格に区別できるわけではありません。実際に何が行われるのかは、個別の制度・文書の記述を確認する必要があります。
職権発動の例文
- 「必要な要件を満たした場合、担当機関は職権の発動を検討する。」
- 「申出の内容を調査したうえで、職権を発動するか判断する。」
- 「職権発動を求める意見が出たが、実際の措置には法令上の根拠が必要である。」
特に三つ目の例で注意したいのは、職権発動を求めたからといって、行政機関に必ず特定の措置を取ってもらえるわけではないことです。求める制度の有無、申出人の地位、調査内容、法令上の要件などによって扱いは異なります。
「職権で行う」とは?申請を待たずに処理する場合がある
行政・法律分野では「職権で」「職権により」という表現がよく登場します。これは、担当機関が自らの法令上の権限に基づいて行うことを示します。
特徴的なのは、当事者の申請や申立てを待たずに、行政機関や裁判所が自ら必要な行為を行う制度があることです。
ただし、「職権」と書かれていれば必ず申請が不要というわけではありません。職権は基本的には権限そのものを意味する語であり、申請が必要かどうかは各制度のルールで決まります。
「申請に基づく処理」との違い
| 比較する点 | 申請に基づく処理 | 職権で行う処理の一例 |
|---|---|---|
| 開始のきっかけ | 当事者の申請など | 機関が事実を把握し、自ら対応を始める |
| 根拠 | 申請・審査に関する法令 | 職権による処理を認める法令 |
| 判断の要件 | 申請内容と法令上の要件 | 法令上の要件と調査結果など |
| 注意点 | 申請すれば必ず認められるわけではない | 担当機関が好きなように処理できるわけではない |
例えば、当事者からの申請がなければ進まない手続きと、行政機関が実態調査を経て記録を訂正する手続きは、開始方法が異なります。しかし、どちらも法律上の条件を守る必要があります。
職権消除とは?住民票に関する具体例
「職権」が使われる代表的な行政用語の一つが、「職権消除(しょっけんしょうじょ)」です。
住民票に関する職権消除とは、市区町村が職務上の権限に基づいて、住民票の記録を消除することを指します。
大阪市旭区の公式案内では、家族からの申出や実態調査などを通じて、登録された場所に実際には居住していないことを確認したうえで、職権による消除が行われる旨を説明しています。
勝手に住民票を消してよいという意味ではない
「職権で消す」という文字だけを見ると、役所が一方的に何でもできるように感じるかもしれません。しかし、実際には住所の実態や適用される制度、必要な調査や手続きが問題になります。
職権による処理だからこそ、正当な理由と根拠が必要です。「本人が役所に来られなかったら、直ちに職権消除になる」という単純なものではありません。
自分の住民票が職権消除になっていたら?
その場合は、まず住民登録を扱う市区町村の窓口に事情を確認してください。住所の実態や本人確認資料などに応じて、必要な手続きの案内を受けることになります。
個別の事情によって必要書類や方法が変わるため、インターネット上の一般説明だけで判断せず、自治体の最新案内を確認することが大切です。
裁判所が「職権で」行う手続きの例
職権は行政機関だけのものではありません。裁判所に関する法律にも、「職権で」という表現があります。
例えば、行政事件訴訟法第24条は、裁判所が必要と認めるときに職権で証拠調べをすることができると定めています。また、その証拠調べの結果について当事者の意見を聴かなければならないとしています。
ここで重要なのは、「職権で証拠調べができる」という権限と、「どのような場合でも好きな方法で進められる」という自由は別だということです。根拠となる条文には、権限だけでなく手続き上の条件も定められています。
この例から、職権は単なる強い力ではなく、法律が特定の機関に認めた役割と手続きに結び付いた言葉だと理解できます。
「職権」と「権限」の違い
「職権」と「権限」は非常に近い言葉です。違いは、職権が職務上の立場に基づいて与えられた権限に焦点を当てる点にあります。
| 項目 | 職権 | 権限 |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 職務を行うための権限 | 一定の判断や行為を正当に行える範囲 |
| 注目する点 | 職位・資格と職務の結び付き | 何をどこまで行えるか |
| 使われやすい場面 | 行政・法律・公的機関 | 行政・企業・契約・組織全般 |
| 例文 | 「職権に基づき処理する」 | 「担当者に承認権限を与える」 |
職権と権限は排他的な二つの分類ではありません。職権は権限の一種、または職務との関係に着目した言い方と考えると分かりやすいでしょう。
ちなみに、権限を持っていても、判断方法をどこまで自由に選べるかは別の問題です。この違いは、438.html「権限と裁量」の違いで詳しく解説しています。
「職権」と「職責」「責務」の違い
「職権」に似た言葉として、「職責(しょくせき)」や「責務(せきむ)」があります。音や漢字が近くても、示している内容は違います。
| 言葉 | 中心となる意味 | イメージ |
|---|---|---|
| 職権 | 職務上、正当に行える行為や判断の範囲 | 何をできるか |
| 職責 | 職務上、果たすことが求められる責任 | 何を担うべきか |
| 責務 | 立場・役割などに伴って果たすべき責任や務め | 何を果たすべきか |
「職権」はできること、「職責」は果たすべきこと
例えば、課長に部門予算の一部を承認する権限があり、予算を適切に管理する責任があるとします。この場合、承認できる範囲は職権や職務上の権限に関わり、予算管理の責任は職責に関わります。
同じ役職について両方の言葉を使えますが、何に注目しているかが異なります。職権がある人にも責任があり、責任を果たすには必要な権限が求められる場合があります。
「責務」は職務以外の場面にも使われる
責務は、職務の中だけでなく、社会的な立場、契約、役割などに関連した務めを説明するときにも使われます。一方、職権は原則として職務に根拠を置く権限を指します。
責務の意味や職責・義務との違いをさらに知りたい場合は、1971.html「責務とは?」を参考にしてください。
「職権」と「職務権限」「決裁権限」の違い
「職務権限」は職権と意味が重なる
「職務権限」は、官公庁や会社などで、役職や職務に応じて認められる権限を指します。辞書では「職権」と重なる意味で説明されており、両者を無理に別物として扱う必要はありません。
ただし、会社の「職務権限規程」という場合は、誰がどの仕事について決定できるかを定める社内ルールを意味します。具体的な内容はその組織の規程に従います。
「決裁権限」は承認・決定できる範囲を具体的に示す
「決裁権限」は、申請や予算、契約などについて正式な決定をする権限です。例えば「課長は10万円未満の備品購入を決裁できる」という形で、対象や上限が定められます。
職務権限は決裁以外にも、指示、管理、手続き、業務執行など幅広い権限を含むことがあります。つまり、決裁権限は職務上の権限の具体的な一領域と考えると整理しやすいでしょう。
「権限」と「責任」は一緒に考えることが大切
会社でも公的機関でも、権限だけを与えて責任を考えない運用は適切ではありません。判断の範囲、報告方法、監督、結果への説明責任まで整理することが重要です。
権限と責任がどのように結び付くかについては、434.html「権限と責任」の違いでも解説しています。
「職権濫用」とは?適切な行使と何が違う?
「職権濫用(しょっけんらんよう)」とは、職務上の権限を不当に使うことを表す言葉です。「濫用」は一般的に「乱用」と表記されることもありますが、刑法の罪名などでは「濫用」の字が使われています。
ここで区別したいのは、日常語としての「権限を不適切に使った」という評価と、刑法上の「公務員職権濫用罪」が成立するかどうかです。
刑法上の「公務員職権濫用罪」には要件がある
刑法第193条は、公務員が職権を濫用して、人に義務のないことを行わせたり、権利の行使を妨害したりする行為を対象にしています。
そのため、「公務員の対応が気に入らなかった」「説明が不十分だった」というだけで、直ちに刑法上の職権濫用罪が成立するとはいえません。実際には、職権の性質、具体的な行為、法定の要件などを踏まえた判断が必要になります。
会社での「職権濫用」は法的な罪名とは限らない
社内で「上司が職権を濫用している」と言う場合、業務上の立場を利用した不適切な指示や私的な利益の追求などを批判していることがあります。
ただし、会社で不適切な指示があったからといって、ただちに刑法第193条の公務員職権濫用罪に該当するわけではありません。勤務先の規程、労働関係法令、ハラスメントの問題など、別の観点で検討される場合があります。
「強い立場だから何でもできる」は間違い
職権を適切に使うには、権限の根拠と範囲を確認し、公正な目的で、定められた手続きを守る必要があります。公的機関の権限は特に、法律や制度のルールに支えられています。
「職権取消し」とは?行政手続きでの意味
「職権取消し」は、行政庁が、過去に行った行政処分などについて、法令や法律上の原則に基づき、自ら取り消すことを指す行政法上の用語です。一般に、処分に当初から違法・不当な点があったことなどが問題となります。
ここでいう「職権」は、行政庁の側で取消しを行う権限に注目した表現です。これに対し、当事者が不服申立てや取消訴訟を通じて処分の取消しを求める場面もあります。
ただし、「職権取消しができる場合」と「取り消すべき場合」は同じではありません。処分の性質、根拠法令、相手方の利益、手続きなどを踏まえる必要があります。
また、「職権取消し」と、将来に向けて処分の効力を失わせる「撤回」は、行政法の説明では区別されることがあります。具体的な案件では、用語だけで結論を出さず、適用される法令や専門家の説明を確認してください。
「職権」の正しい使い方と場面別の例文
行政・自治体での例文
- 「担当機関は、法令に基づく職権の範囲で調査を進めた。」
- 「住民登録の実態を確認したうえで、職権による処理が行われた。」
- 「職権を行使する際には、必要な手続きを踏むことが求められる。」
- 「この件が担当部署の職権に属するか、根拠規定を確認した。」
- 「職権による取消しが可能かどうかは、処分の内容によって異なる。」
法律・裁判に関する例文
- 「裁判所は、法令上の要件に従って職権で証拠調べを行う場合がある。」
- 「職権で進められる手続きと、当事者の申立てが必要な手続きを区別する。」
- 「職権の範囲を超える行為には、法的な問題が生じることがある。」
- 「職権濫用に該当するかどうかは、具体的な行為と法的な要件から判断する。」
会社・ビジネスでの例文
- 「課長の職務権限に含まれる事項か、規程を確認してください。」
- 「担当者に権限がないため、最終判断は部長へ依頼する。」
- 「役職に伴う職権と、果たすべき職責を明確にした。」
- 「職権を越えた独断での契約締結を防ぐため、承認ルートを定めた。」
- 「権限を持つ人と責任を負う人の関係を整理する必要がある。」
一般企業では「職権」という言い方を使わなくても、「職務権限」「決裁権限」「承認権限」など、実際の業務内容が伝わる表現を選ぶと、より明確になります。
メールや社内文書で使う場合
例えば、決裁できる担当者を確認するメールなら、次のように書けます。
本件につきまして、どの役職の決裁権限に該当するか確認させてください。職務権限規程に照らしてご教示いただけますと幸いです。
「職権を行使してください」では意味が広すぎるときも、「承認してください」「決裁権限をご確認ください」のように行為を特定すると、業務上の誤解が起きにくくなります。
「職権」を使うときに間違えやすい3つのポイント
1. 職権は個人的な権力ではない
職権は、職務のために認められた権限です。本人に能力や経験があっても、権限を与えられていない事項を勝手に決めてよいとは限りません。
2. 職権行使はすべて「申請なし」でできるわけではない
職権による処理が制度化されている場面はありますが、すべての手続きが申請不要になるわけではありません。制度ごとに開始要件・手順が違います。
3. 職権行使と職権濫用は別の概念
職権を行使すること自体は、適法な職務遂行に必要な行為です。「行使する」という言葉に悪い意味はありません。不適切な権限使用の問題がある場合に「濫用」という言葉が使われます。
「職権」に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 職権とは簡単にいうと何ですか?
その仕事をする立場だから、正当に行うことが認められている判断や処理の権限です。特に、公務員や公的機関の権限を説明する際に使われます。
Q2. 職権の読み方は「しょっけん」で合っていますか?
はい。「職権」は「しょっけん」と読みます。
Q3. 「職権を行使する」とは何ですか?
職務上与えられた権限を、実際の判断や手続きに用いることです。職権の範囲と根拠を守って行う必要があります。
Q4. 「職権を発動する」とはどのような意味ですか?
必要に応じて、職務上の権限を働かせることです。「行使する」と近い意味ですが、対応に着手するニュアンスで使われる場合があります。
Q5. 職権と権限は同じですか?
意味は大きく重なります。職権は特に職務上の立場に伴う権限であり、「権限」はそれ以外の契約や組織上の権限なども幅広く表す語です。
Q6. 職権と職責の違いは何ですか?
職権は職務上「できること」に関わる権限、職責は職務上「果たすべきこと」に関わる責任です。役職者には双方が求められる場合があります。
Q7. 職権で行う手続きには本人の申請が要らないのですか?
申請を待たずに機関が自ら行う制度もありますが、常に不要とは限りません。どのような手続きなのかを、個別の法令や窓口案内で確認してください。
Q8. 「職権消除」とは何ですか?
自治体が職務上の権限に基づき、住民票の記録を消除する処理です。実態調査などを経て行われる場合があります。個別の対応は市区町村に確認してください。
Q9. 「職権濫用」はどんな場合に使いますか?
職務上の権限を不適切に使用することを指します。ただし、刑法上の公務員職権濫用罪が成立するかどうかは、法定の要件によって判断されます。
Q10. 職権は会社の上司にもありますか?
会社にも職位や規程に基づく職務上の権限があります。ただし、行政機関の職権と法的根拠が同じではありません。社内では「職務権限」「決裁権限」と具体的に呼ぶことも一般的です。
Q11. 「職権による取消し」とはどのような意味ですか?
行政庁が自らの権限に基づいて過去の処分などを取り消すことを指す場合があります。適用条件や相手方への影響は制度によって異なります。
Q12. 「職権発動を求める」と「職権発動が決まる」は同じですか?
違います。「求める」は権限の行使を要請すること、「決まる」はその機関側で対応方針などが決定されたことを表します。要請した時点で、実際の発動が約束されるわけではありません。
Q13. 職権と裁量はどう違いますか?
職権は職務上認められた権限、裁量はその範囲内などで判断方法や結論を選べる余地です。職権が認められていても、法律によって判断の余地が小さいことはあります。
まとめ|「職権」は職務に伴って与えられた権限
「職権(しょっけん)」とは、職務を行ううえで、その立場や資格に基づいて認められている権限のことです。
- 「職権を行使する」=職務上の権限を実際に使うこと。
- 「職権発動」=必要に応じて権限を働かせること。
- 「職権で行う」=法令上の権限に基づき、機関が自ら処理する場合などに使うこと。
- 「職権消除」=自治体が権限に基づき住民票の記録を消除する処理。
- 「職権濫用」=権限を不適切に使うこと。ただし刑法上の成立要件は別途確認が必要。
「権限」が行えることの範囲を広く表すのに対し、「職権」は職務との結び付きが強い言葉です。また、「職責」「責務」は権限そのものではなく、果たすべき責任や務めを表します。
職権について迷ったときは、「誰に」「どの仕事について」「何をする権限が」「何を根拠に認められているか」の四つを確認すると理解しやすくなります。
参考リンク
- コトバンク「職権」
小学館『デジタル大辞泉』などの辞書を収録しており、「職権」の読み方と基本的な意味を確認できます。
- コトバンク「職務権限」
「職務権限」の辞書的な意味が掲載されており、「職権」との共通点を調べられます。
- 大阪市旭区「住民登録 よくある質問」
「職権消除」の意味や住民登録に関する手続きが、自治体の公式案内として説明されています。
- e-Gov法令検索「行政事件訴訟法」
第24条で裁判所の職権による証拠調べについて確認できます。
- e-Gov法令検索「刑法」
第193条の公務員職権濫用など、法令上の要件を確認できます。
※制度や手続きは改正される場合があります。個別の行政処分や住民登録に関する判断には、適用される最新の法令・自治体案内を確認してください。
