「OneDriveで同期しているからバックアップも大丈夫」
「スマホの写真をクラウドと同期している」
「大切なファイルはバックアップしておいたほうがいい」
パソコンやスマートフォンを使っていると、「同期」と「バックアップ」という言葉を頻繁に目にします。
どちらも複数の場所にデータを持つことがあるため、同じ仕組みのように思えます。
しかし、目的は大きく異なります。
簡単にいうと、「同期」は複数の端末・場所にあるデータを同じ最新状態にそろえることです。一方、「バックアップ」は、元のデータが消えたり壊れたりしたときに復元できるよう、予備のコピーを確保することです。
一言で覚えるなら、
同期=「同じ状態にそろえる」
バックアップ=「もしものときに戻せるよう残す」
です。
たとえば、パソコンのOneDriveフォルダーでファイルを変更すると、その変更がクラウドにも反映され、別のパソコンからも最新状態のファイルを利用できます。
これは「同期」です。
しかし、同期しているファイルを誤って削除すると、その削除がクラウドや他の端末にも反映されることがあります。
Microsoftも、OneDriveの同期フォルダー内でファイルを追加・変更・削除すると、その変更がOneDrive上にも反映され、その逆も同様であると説明しています。
これに対してバックアップは、
元データに何か起きても、正常だったコピーから復元できるようにする
ことが目的です。
したがって、
「同期している=完全なバックアップがある」
とは限りません。
ただし、現在のクラウドサービスは、同期・バックアップ・ごみ箱・バージョン履歴など複数の機能を組み合わせて提供することがあります。
そのため、単純に、
「同期サービスだからバックアップ機能はない」
と決めつけるのも正確ではありません。
この記事では、「同期」と「バックアップ」の違いから、OneDrive・iCloud・Google Driveの具体例、「クラウド保存」「ミラーリング」「自動保存」「バージョン履歴」との違い、安全なデータ保護の考え方まで詳しく解説します。
- 「同期」と「バックアップ」の違い【結論】
- 「同期」とは?
- 同期では「変更」も反映される
- 同期では「削除」も反映される場合がある
- 同期の代表例:OneDrive
- 同期の代表例:Google Drive
- 同期の代表例:iCloud
- 「バックアップ」とは?
- バックアップでは過去の状態を残すことが重要
- 「同期」と「バックアップ」の決定的な違い
- 「同期しているからバックアップ不要」は危険
- ただしクラウド同期サービスにも復元機能がある
- OneDriveで削除したファイルはどうなる?
- iCloudでは「同期」と「バックアップ」をどう分けている?
- iCloud写真はiCloudバックアップにも二重保存される?
- iCloud写真を削除するとどうなる?
- Google Driveの「ミラーリング」とは?
- 「ミラーリング」と「バックアップ」の違い
- 「同期」と「自動保存」の違い
- 「同期」と「クラウド保存」の違い
- 「バージョン履歴」とバックアップの違い
- ランサムウェアと同期の注意点
- バックアップの「3-2-1ルール」
- 「同期・バックアップ」で迷ったときの3秒判定
- 「同期」を使った例文
- 「バックアップ」を使った例文
- 具体例で比較:OneDrive
- 具体例で比較:iPhoneの写真
- 具体例で比較:Google Drive
- よくある間違い1:「同期=バックアップ」だと思う
- よくある間違い2:「クラウドに同期していれば削除しても残る」と思う
- よくある間違い3:「データが2か所にあれば必ずバックアップ」と思う
- よくある間違い4:「同期を止めればバックアップになる」と思う
- よくある間違い5:「バージョン履歴があればバックアップ不要」と思う
- よくある間違い6:「外付けHDDを常時接続していれば完璧」と思う
- よくある間違い7:「最新状態だけあれば十分」と思う
- 「同期」と「バックアップ」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考資料・出典
「同期」と「バックアップ」の違い【結論】
| 比較項目 | 同期 | バックアップ |
|---|---|---|
| 基本的な目的 | 複数の場所を同じ最新状態にする | データ消失時に復元できるようにする |
| 変更 | 他の場所にも反映される | 過去時点のコピーを残せる場合がある |
| 削除 | 他の端末・クラウドにも反映される場合がある | 削除前のデータが残る設計が望ましい |
| 主な目的 | 利便性・複数端末利用 | 復旧・データ保護 |
| 過去の状態 | 同期だけでは保証されない | 世代管理すれば戻せる |
| 代表例 | OneDrive、iCloud Driveなどのファイル同期 | 外付けSSD、クラウドバックアップなど |
3秒で判断するなら、
「どの端末でも同じ最新データにしたい?」 → 同期
「消失・故障・誤操作から元に戻したい?」 → バックアップ
と考えると分かりやすいでしょう。
「同期」とは?
複数の場所にあるデータを同じ状態にそろえること
「同期(どうき)」とは、パソコン・スマートフォン・クラウドなど複数の場所にあるデータを、同じ最新状態にそろえる仕組みです。
たとえば、パソコンで文書を編集すると、その変更内容がクラウドへ送信され、別のパソコンやスマートフォンから開いたときにも最新の文書が表示されます。
同期には、
- どの端末でも同じファイルを使える
- 変更内容が自動的に反映される
- 複数端末で作業を続けやすい
- 共同作業がしやすい
といったメリットがあります。
同期では「変更」も反映される
同期の大きな特徴は、単にファイルをコピーするだけではなく、
変更内容を反映し続ける
点です。
たとえば、
- パソコンAで「報告書.docx」を修正する
- クラウドへ変更が同期される
- パソコンBで開くと修正版になっている
という仕組みです。
これは非常に便利ですが、バックアップとの違いを理解するうえでは、
「良い変更だけでなく、間違った変更も同期される」
ことが重要です。
同期では「削除」も反映される場合がある
同期の最大の注意点の一つです。
Microsoftは、OneDriveフォルダー内のファイルやフォルダーを追加・変更・削除すると、OneDriveのWebサイト側でも追加・変更・削除され、その逆も同様だと説明しています。
つまり、
パソコンで削除 → クラウド側からも削除
となることがあります。
複数の端末を利用している場合には、削除が他端末にも反映されます。
そのため、
「クラウドにも同じファイルがあるから、片方を削除しても大丈夫」
とは限りません。
同期の代表例:OneDrive
OneDriveでは、パソコンとクラウドの間でファイルを同期できます。
同期済みのファイルは、
- パソコン
- スマートフォン
- Webブラウザー
- 別のパソコン
などから利用できます。
一つの端末で変更した内容がクラウドへ同期されるため、別端末でも最新データを利用できます。
一方、同期されたファイルを削除すると、クラウドや他の同期端末からも削除される場合があります。
同期の代表例:Google Drive
Googleのパソコン版Google Driveでも、パソコンとGoogle Driveの間でファイルを同期できます。
Googleは、パソコン版ドライブのメリットとして、
ファイルに加えた変更がパソコンとGoogle Driveに自動的に同期される
ことを挙げています。
Google Driveでは、
- ストリーミング
- ミラーリング
という方法でファイルを扱うこともできます。
どちらもクラウド上のファイルとの同期を利用する仕組みです。
同期の代表例:iCloud
AppleもiCloudについて、
「同期」と「バックアップ」
を明確に区別しています。
Appleによると、iCloud写真・iCloud Drive・メモなどを使用すると、情報は自動的にiCloudへ同期されます。
ある端末で変更を加えると、その変更が他の端末にも反映されます。
たとえばiPhoneで写真を撮影すると、iCloud写真を利用している場合、iPad・Mac・Windowsパソコンなどからも閲覧できます。
これが「同期」です。
「バックアップ」とは?
データを失ったときの復旧用コピー
バックアップは、パソコンやスマートフォンの故障、誤削除、マルウェア、操作ミスなどでデータを失ったときに、正常な状態へ戻せるよう予備コピーを保持することです。
IPA(情報処理推進機構)は、
- システム不具合
- ランサムウェア
- データ破壊
などに備え、定期的なバックアップを行うよう推奨しています。
同期が、
「現在の状態をそろえる」
ことを目的とするのに対し、バックアップは、
「何かあったときに元へ戻す」
ことを目的とします。
バックアップでは過去の状態を残すことが重要
バックアップでは、現在のデータだけでなく、過去のデータも複数残すことがあります。
これを、
「世代管理」
といいます。
たとえば、
- 今日のバックアップ
- 昨日のバックアップ
- 3日前のバックアップ
- 1週間前のバックアップ
を残しておけば、今日のファイルが壊れていた場合でも、正常だった3日前の状態へ戻せる可能性があります。
単純な同期では、最新の壊れた状態まで同期されてしまう可能性があります。
「同期」と「バックアップ」の決定的な違い
違い1:目的が違う
同期=利便性
バックアップ=復旧
という違いが基本です。
同期は、
「どこからでも同じデータを使いたい」
という目的に向いています。
バックアップは、
「失っても戻せるようにしたい」
という目的に向いています。
違い2:削除の扱いが違う
同期では、削除操作も他の場所へ反映される場合があります。
バックアップでは、元データを削除しても、削除前のコピーが残っている状態が理想です。
違い3:誤った変更への強さが違う
たとえば、重要なExcelファイルのデータを誤って大量に削除し、保存したとします。
同期している場合、その誤った状態がクラウドにも反映される可能性があります。
一方、昨日のバックアップが別に残っていれば、正常な状態へ戻せます。
違い4:データの独立性が違う
同期された複数のコピーは、互いに連動しています。
一方、優れたバックアップでは、元データとある程度独立したコピーを保持します。
元データへの変更・削除・ランサムウェア被害などが、バックアップに直ちに波及しないようにすることが重要です。
「同期しているからバックアップ不要」は危険
同期サービスは非常に便利ですが、同期しているだけであらゆるデータ損失に備えられるとは限りません。
たとえば、
- 誤ってファイルを削除した
- 誤った内容で上書きした
- 同期フォルダー内のファイルが破損した
- ランサムウェアによってファイルが暗号化された
場合、その変更が同期される可能性があります。
そのため重要データでは、
同期+バックアップ
という二段構えを考えることが大切です。
ただしクラウド同期サービスにも復元機能がある
ここは誤解しないよう注意が必要です。
OneDriveなどの同期サービスには、
- ごみ箱
- バージョン履歴
- 削除ファイルの復元
- OneDrive全体を以前の状態へ戻す機能
などが用意されている場合があります。
たとえばMicrosoft 365では、OneDriveやSharePointに保存されたファイルについて、以前のバージョンを確認・復元できる「バージョン履歴」があります。
そのため、同期サービスでも一定のバックアップ的機能を持つことがあります。
ただし、
同期機能そのもの
と、
ごみ箱・履歴・復元機能
は分けて考えたほうが理解しやすいでしょう。
OneDriveで削除したファイルはどうなる?
Microsoftによると、同期されたオンラインファイルを端末から削除すると、そのファイルはクラウドや同期された他の端末からも削除されます。
ただし、削除されたファイルはOneDriveのごみ箱から一定期間復元できます。
個人用OneDriveの場合、通常、削除されたファイルは最大30日間ごみ箱に残ります。
つまり、
同期によって削除が広がる一方、ごみ箱が復旧手段を提供する
という仕組みです。
iCloudでは「同期」と「バックアップ」をどう分けている?
Appleの説明は、「同期」と「バックアップ」の違いを理解するうえで非常に分かりやすい例です。
Appleは、iCloudでは主に、
同期
と、
バックアップ
という二つの方法でデータを保管すると説明しています。
iCloud写真・iCloud Drive・メモなどは、変更すると複数の端末へ最新状態が反映されます。
一方、定期的に同期されない端末データなどは、iCloudバックアップにコピーされます。
バックアップを使えば、新しい端末などにデータを復元できます。
iCloud写真はiCloudバックアップにも二重保存される?
原則として二重には保存されません。
Appleによると、iCloud写真を有効にしている場合、写真・動画はすでにiCloudへ同期されているため、通常のiCloudバックアップの対象には含まれません。
そのためAppleは、iCloud写真について、ライブラリのバックアップコピーを別に持っておくことも推奨しています。
これは、
「クラウドに同期されていること」と「独立した予備コピーがあること」は同じではない
ことを示す分かりやすい例です。
iCloud写真を削除するとどうなる?
iCloud写真では、一つの端末で行った変更が他の端末にも反映されます。
削除も同様です。
誤って削除した場合には、通常「最近削除した項目」から一定期間復元できますが、その期間を過ぎると完全に削除されます。
したがって、
「iCloud写真=永久保存の独立バックアップ」
とは考えないほうがよいでしょう。
Google Driveの「ミラーリング」とは?
Google Drive for desktopには「ミラーリング」という仕組みがあります。
ミラーリングでは、Google Drive上のファイルをパソコンにも完全なコピーとして保持します。
そのため、
クラウドにもファイルがある
パソコンにもファイルがある
状態になります。
ただしGoogleは、ミラーリング・ストリーミングのどちらでも、一つの場所で行った変更が他の場所へ反映されると説明しています。
つまり、
コピーが2か所に存在する=必ず独立したバックアップ
ではありません。
「ミラーリング」と「バックアップ」の違い
「ミラーリング」は、元データとほぼ同じ内容を別の場所にも持つ仕組みです。
しかし、元データの変更・削除がミラー側にも反映される仕組みであれば、誤操作から守る能力は限定的です。
一方バックアップでは、
元データの変更から独立した過去コピーを残す
ことが重要になります。
| ミラーリング | バックアップ |
|---|---|
| 現在の状態を複製する | 復旧用コピーを残す |
| 変更が反映される場合が多い | 過去の状態を残せる |
| 可用性を高めやすい | データ復旧を目的とする |
「同期」と「自動保存」の違い
「自動保存」は、アプリで編集した内容を自動的にファイルへ保存する機能です。
「同期」は、その保存された変更をクラウドや別端末へ反映する仕組みです。
たとえばWordでOneDrive上の文書を編集する場合、
- 自動保存によって現在の編集内容が保存される
- OneDriveによってクラウドへ同期される
というように、複数の機能が組み合わさることがあります。
したがって、
自動保存=保存を自動化
同期=複数場所へ変更を反映
バックアップ=復元用のコピーを保持
と整理すると分かりやすいでしょう。
「同期」と「クラウド保存」の違い
「クラウド保存」は、インターネット上のサーバーへデータを保存することです。
一方、「同期」は、クラウドと端末、または複数の端末間でデータを同じ状態にそろえる仕組みです。
つまり、
クラウド保存=どこに保存するか
同期=複数の保存場所をどう連動させるか
という違いがあります。
クラウドへ保存していても、必ずしもパソコンと同期しているとは限りません。
「バージョン履歴」とバックアップの違い
バージョン履歴は、一つのファイルについて過去の編集状態を保存しておく仕組みです。
たとえば昨日の文書に戻したい場合に役立ちます。
バックアップと似ていますが、
バージョン履歴=主に同じファイルの過去版
バックアップ=ファイル・フォルダー・端末などを復旧するためのコピー
という違いがあります。
両方を組み合わせることで、データを失うリスクをさらに下げられます。
ランサムウェアと同期の注意点
ランサムウェアによって同期フォルダー内のファイルが暗号化・変更されると、その変更がクラウド側へ同期される可能性があります。
クラウド側にバージョン履歴や復元機能があれば戻せる場合もありますが、それだけに依存するのはリスクがあります。
IPAはランサムウェア等によるデータ破壊に備え、外部記憶媒体等への定期的なバックアップを推奨しています。
また、常時接続されたバックアップ媒体はランサムウェアの影響を受ける可能性があるため、バックアップ時だけ接続するなどの対策も有効です。
バックアップの「3-2-1ルール」
重要データを守る考え方として、IPAは、
「3-2-1ルール」
を紹介しています。
- 3:運用中のデータ1つ+バックアップ2つで、合計3つ持つ
- 2:2種類の異なる媒体で保持する
- 1:そのうち1つを別の場所に保管する
たとえば、
パソコン本体+外付けSSD+クラウド
という構成が考えられます。
同期サービスは非常に便利ですが、大切なデータでは、このような独立したバックアップも組み合わせると安全性が高まります。
「同期・バックアップ」で迷ったときの3秒判定
| こんな場合 | 選びやすい言葉 |
|---|---|
| PCとスマホで同じ最新ファイルを使う | 同期 |
| PCでの変更をクラウドへ自動反映する | 同期 |
| 削除・変更を別端末にも反映する | 同期 |
| 故障に備えて外付けSSDへ予備を取る | バックアップ |
| 昨日の状態へ戻せるようコピーを残す | バックアップ |
| 複数の過去版から元に戻す | バージョン履歴/バックアップ |
| クラウドとPCを同じ状態にする | 同期 |
| データ消失時に復旧する | バックアップ |
最も簡単に覚えるなら、
同期=「最新をそろえる」
バックアップ=「過去・予備を残す」
です。
「同期」を使った例文
- パソコンとクラウドのファイルを同期する。
- スマートフォンの写真をiCloudと同期している。
- OneDriveで複数のパソコンにファイルを同期する。
- 編集した内容が自動的に他の端末へ同期された。
- インターネット接続後に未反映の変更を同期した。
「バックアップ」を使った例文
- 重要なデータを外付けSSDへバックアップした。
- 毎晩、自動的にバックアップを作成する。
- ランサムウェア対策としてバックアップを別の場所に保管した。
- 故障したパソコンをバックアップから復元した。
- 写真のバックアップを複数の媒体に保存した。
具体例で比較:OneDrive
「仕事.xlsx」をOneDriveフォルダーに保存しているとします。
会社のパソコンで数字を変更すると、その変更がOneDriveへ反映され、自宅のパソコンから開いたときにも変更後の数字が表示されます。
これは、
「同期」
です。
しかし、誤ってファイルそのものを削除すると、クラウドにも削除が反映される場合があります。
そこで、別の外付けSSDに毎日コピーし、過去7日分を残しているなら、こちらは、
「バックアップ」
です。
具体例で比較:iPhoneの写真
iCloud写真を有効にすると、iPhoneで撮影した写真がiCloudへ同期され、他のApple製デバイスなどからも閲覧できます。
これは「同期」です。
しかし、一つの端末で写真を削除すれば、その変更がiCloudにも反映されます。
重要な写真を別のパソコンや外付けストレージにもコピーして保管すれば、より独立した「バックアップ」になります。
具体例で比較:Google Drive
Google Drive for desktopでファイルをミラーリングしているとします。
パソコンとGoogle Driveの両方にファイルが存在しますが、変更は同期されます。
そのため、
「同じデータが2か所にあるから完全なバックアップ」
とは限りません。
重要なファイルについて、さらに別媒体や別システムへ過去版を残せば、データ保護を強化できます。
よくある間違い1:「同期=バックアップ」だと思う
最も多い誤解です。
同期は最新状態をそろえる仕組みで、バックアップは復元用コピーを残す仕組みです。
目的が異なります。
よくある間違い2:「クラウドに同期していれば削除しても残る」と思う
同期サービスでは、削除操作もクラウドへ反映される場合があります。
ごみ箱・復元期間がある場合でも、永久に残るとは限りません。
よくある間違い3:「データが2か所にあれば必ずバックアップ」と思う
二つのデータが常に連動し、削除・破損も同時に反映されるなら、独立したバックアップとしては弱い場合があります。
よくある間違い4:「同期を止めればバックアップになる」と思う
同期を停止したコピーが結果的に予備として役立つ場合はあります。
しかし、定期取得・世代管理・復元確認などがなければ、十分なバックアップ運用とは限りません。
よくある間違い5:「バージョン履歴があればバックアップ不要」と思う
バージョン履歴は非常に便利ですが、サービス障害、アカウントトラブル、保持期間など別のリスクがあります。
失いたくないデータでは、独立したバックアップを追加するほうが安全です。
よくある間違い6:「外付けHDDを常時接続していれば完璧」と思う
外付けHDDが常時パソコンからアクセス可能だと、ランサムウェア等の被害がバックアップにも及ぶ可能性があります。
重要なバックアップでは、普段は切り離しておく方法も有効です。
よくある間違い7:「最新状態だけあれば十分」と思う
最新状態そのものが壊れている可能性があります。
バックアップでは複数世代を保持することで、正常だった過去時点へ戻れる可能性が高まります。
「同期」と「バックアップ」に関するよくある質問
Q1. 「同期」と「バックアップ」の一番簡単な違いは?
同期は「複数の場所を同じ最新状態にする」、バックアップは「データを失ったときに戻せるコピーを残す」ことです。
Q2. OneDriveに同期していればバックアップはいりませんか?
重要度によりますが、重要データについては別のバックアップも検討したほうが安全です。
OneDriveにはごみ箱・バージョン履歴・復元などバックアップ的な機能もありますが、同期そのものとは別機能です。
Q3. iCloud写真はバックアップですか?
Appleの分類では、iCloud写真は基本的に「同期」です。
写真は複数のデバイスで最新状態に保たれ、変更・削除も反映されます。
Appleもライブラリの別のバックアップコピーを持つことを案内しています。
Q4. Google Driveのミラーリングはバックアップですか?
ローカルとクラウドの両方に完全なコピーを置けますが、変更が同期されます。
したがって、独立した世代バックアップと完全に同じとはいえません。
Q5. 同期したファイルを間違えて削除したら戻せませんか?
サービスによります。
OneDrive・iCloudなどには一定期間のごみ箱・最近削除した項目などから復元できる仕組みがあります。
ただし保持期間を過ぎれば復元できない場合があります。
Q6. 同期と自動保存は同じですか?
違います。
自動保存は現在の編集内容を自動的に保存する機能、同期は保存された変更を他の場所へ反映する機能です。
Q7. 同期しながらバックアップすることはできますか?
できます。
むしろ、日常利用ではクラウド同期を使いながら、重要ファイルを定期的に別媒体へバックアップする方法は実用的です。
Q8. バックアップは何個必要ですか?
データの重要度によります。
特に重要なデータでは、IPAが紹介している3-2-1ルールが参考になります。
Q9. 外付けSSDとクラウドのどちらがバックアップに向いていますか?
それぞれ長所があります。
外付けSSDは手元で高速に復元でき、クラウドは物理的に別の場所へデータを置けるメリットがあります。
重要データでは両方を組み合わせる方法が有効です。
Q10. 迷ったときの簡単な見分け方は?
「常に同じ最新状態にしたい?」 → 同期
「消えたり壊れたりしたときに戻したい?」 → バックアップ
と考えてください。
まとめ
「同期」と「バックアップ」は、どちらも複数の場所へデータを保持することがありますが、目的が異なります。
| 同期 | バックアップ |
|---|---|
| 複数の場所を同じ最新状態にする | 復旧用のコピーを残す |
| 変更を反映する | 変更前の状態を残せる |
| 削除も反映されることがある | 削除前のデータを残すことが重要 |
| 利便性が主目的 | データ保護が主目的 |
| 複数端末利用に向く | 故障・誤削除・マルウェア対策に向く |
最も簡単な覚え方は、
同期=「最新をそろえる」
バックアップ=「もしものために残す」
です。
同期は非常に便利ですが、
削除
上書き
破損
まで複数の場所へ反映される可能性があります。
一方、バックアップでは、そのような問題が発生する前のデータを残し、必要に応じて復元できることが重要です。
ただし、現在のOneDrive・iCloud・Google Driveなどは、「同期だけ」「バックアップだけ」と単純に分けられるサービスではありません。
同期に加えて、
- ごみ箱
- バージョン履歴
- フォルダーバックアップ
- 復元機能
などを組み合わせてデータを保護しています。
そのため重要なのは、サービス名ではなく、
「削除したらどうなるのか」
「過去の状態へ戻せるのか」
「何日・何世代まで残るのか」
「別の媒体にもコピーがあるのか」
を確認することです。
大切な写真・仕事データ・会計データなどは、クラウド同期だけに頼らず、必要に応じて、
パソコン本体+外付けSSD+クラウド
など複数の方法で保護すると、データ消失のリスクを下げられます。
参考資料・出典
本記事は、以下のIPA・Microsoft・Apple・Googleの公式資料を参照し、内容を整理したうえで作成しています。
-
Microsoft Support「コンピューターのファイルとフォルダーをOneDriveと同期する」
― OneDriveでパソコンとクラウドのファイルを同期し、ファイルの追加・変更・削除が双方向に反映される仕組みを説明 -
Microsoft Support「エクスプローラーで同期されたファイルを操作する」
― OneDrive等の同期ファイルを削除した場合、クラウドや他の端末にも削除が反映されること、ごみ箱から一定期間復元できることを説明 -
Microsoft Support「Save, back up, and recover a file in Microsoft Office」
― 自動保存、バージョン履歴、OneDriveバックアップ、削除ファイルの復元等をそれぞれ別の機能として説明 -
Apple Support「iCloudバックアップの対象となるもの」
― iCloudが「同期」と「バックアップ」という二つの方法を利用し、同期されるデータとバックアップされるデータを区別していることを説明 -
Apple Support「iCloud写真を設定・使用する」
― iCloud写真で一つの端末の変更が他端末に反映される仕組み、削除データの扱い、別のバックアップコピーを保持することの推奨を説明 -
Apple Support「iPhoneやiPadのバックアップ方法」
― iCloudまたはコンピュータにバックアップを作成し、新しい端末等へ復元できる仕組みを説明 -
Google Driveヘルプ「パソコン版Google ドライブを使用する」
― パソコンのファイルとGoogle Driveを同期し、変更内容を複数のデバイスで最新状態に保つ仕組みを説明 -
Google Driveヘルプ「パソコン版ドライブでのファイルのストリーミングとミラーリング」
― ストリーミングとミラーリングによる同期、ミラーリングではローカルとクラウドに完全なコピーを保持すること、変更が各場所へ反映されることを説明 -
IPA(情報処理推進機構)「日常における情報セキュリティ対策」
― システム障害・ランサムウェア等によるデータ破壊への備えとして定期的なバックアップと「3-2-1ルール」を推奨
※本記事では、「同期=複数の場所を最新状態にそろえる」「バックアップ=データ消失時の復旧用コピーを保持する」という目的の違いを中心に整理しています。
※クラウドサービスでは、同期・バックアップ・ごみ箱・バージョン履歴・復元など複数の機能を一つのサービス内で組み合わせている場合があります。そのため「同期サービスにはバックアップ機能がない」と一律に判断することはできません。
※OneDrive、iCloud、Google Driveなどの保存期間・復元機能・仕様は変更されることがあります。重要データを運用する場合は、利用時点の公式情報を確認してください。
※同期されたファイルが複数の場所に存在していても、削除・変更がすべてに反映される仕組みでは、独立したバックアップと同等とは限りません。
※本記事は一般的なIT用語の違いを解説するものであり、特定サービスのデータ保全を保証するものではありません。
