「戒告」と「けん責」の違いとは?意味・始末書・減給・懲戒処分の重さを例文で解説

「規律違反により戒告処分を受けた」「会社からけん責処分を言い渡された」など、「戒告」と「けん責」は、職場の懲戒処分に関するニュースや就業規則で見かける言葉です。

どちらも従業員の問題行動を戒める処分ですが、具体的には何が違うのでしょうか。始末書の提出や給与への影響が気になる人もいるでしょう。

結論からいうと、「戒告」は過失や規律違反などについて注意し、将来を戒めること。「けん責」は過失や規律違反などを厳しくとがめ、将来を戒めることです。

ただし、職場における懲戒処分としての違いは、所属する企業や組織の規程によって異なります。

例えば、戒告を口頭または書面で注意する処分とし、けん責では始末書の提出も求める企業があります。一方、戒告とけん責を同じような処分として扱う組織もあります。

また、国家公務員の法定懲戒処分には「戒告」がありますが、「けん責」という種類はありません。民間企業の就業規則と公務員の法律上の制度は、区別して考える必要があります。

この記事では、戒告とけん責の意味や違いを比較表で整理し、始末書の提出、減給や賞与への影響、懲戒処分の重さ、公務員の処分、処分通知を受けた場合の確認事項まで詳しく解説します。

  1. 「戒告」と「けん責」の違い【結論】
  2. 【徹底比較】「戒告」と「けん責」の違いを比較表で整理
  3. 「戒告」とは?意味と正しい使い方
    1. 戒告は、過失や規律違反を戒めること
    2. 民間企業では戒告の内容が会社によって異なる
    3. 国家公務員の戒告には法律上の定めがある
    4. 「戒告」の例文
  4. 「けん責」とは?意味と正しい使い方
    1. けん責は、過失や規律違反を厳しくとがめること
    2. 厚生労働省のモデル就業規則では、始末書の提出を伴う
    3. けん責は、通常、減給処分とは区別される
    4. 「けん責」の例文
  5. 「戒告」と「けん責」の決定的な違い
    1. 違い1:言葉の意味では、けん責のほうが厳しい注意を表す
    2. 違い2:始末書の提出が必要かどうか
    3. 違い3:公務員の懲戒制度では戒告が用いられる
  6. 戒告とけん責は、どちらが重い?
  7. 戒告・けん責を受けると、給与や賞与は減る?
    1. 戒告やけん責を受けただけで、当然に減給されるわけではない
    2. 懲戒としての減給には、労働基準法上の制限がある
    3. 賞与や昇進への影響は会社の制度によって異なる
  8. 始末書と顛末書はどう違う?
    1. 始末書は、問題への反省や再発防止を示す文書
    2. 顛末書は、出来事の経緯や事実関係を報告する文書
    3. 始末書に事実と異なる内容を書く必要はない
  9. 【実践】戒告・けん責が問題となる職場の5つの場面
    1. 場面1:会社の規則に違反した場合
    2. 場面2:無断欠勤や遅刻を繰り返した場合
    3. 場面3:業務上のミスが発生した場合
    4. 場面4:情報の取り扱いに問題があった場合
    5. 場面5:同じ問題を繰り返した場合
  10. 戒告・けん責を受けた場合の確認ポイント
    1. 1. 正式な懲戒処分なのか確認する
    2. 2. 就業規則の根拠を確認する
    3. 3. 処分理由となった事実を確認する
    4. 4. 始末書や改善報告書の提出義務を確認する
    5. 5. 納得できない場合は相談する
  11. 企業が戒告・けん責を行う際の注意点
    1. 就業規則に処分の種類や事由を定める
    2. 処分の理由と事実関係を確認する
    3. 処分の重さが適切か検討する
    4. 再発防止策を検討する
  12. 「戒告」「けん責」と似た言葉の違い
    1. 「訓告」との違い
    2. 「厳重注意」との違い
    3. 「減給」との違い
    4. 「出勤停止」との違い
    5. 「懲戒解雇」との違い
  13. 「戒告」と「けん責」の3秒判定
  14. よくある間違いと注意点
    1. 「けん責は戒告より必ず重い」とは限らない
    2. 「戒告なら始末書は不要」とは限らない
    3. 「けん責を受けたら必ず減給される」は誤り
    4. 「公務員にもけん責という法定処分がある」は誤り
    5. 「軽い処分なら法律上の制限はない」は誤り
  15. 「戒告」と「けん責」の例文12選
    1. 「戒告」を使った例文
    2. 「けん責」を使った例文
  16. FAQ|「戒告」と「けん責」のよくある質問
    1. Q1. 「戒告」と「けん責」は同じ意味ですか?
    2. Q2. 戒告とけん責は、どちらが重い処分ですか?
    3. Q3. けん責を受けると、必ず始末書を提出する必要がありますか?
    4. Q4. 戒告を受けた場合も、始末書が必要ですか?
    5. Q5. 戒告やけん責を受けると、給与が減りますか?
    6. Q6. 国家公務員にも、けん責処分はありますか?
    7. Q7. 上司から口頭で注意された場合も、戒告処分になりますか?
    8. Q8. 戒告やけん責に納得できない場合は、どうすればよいですか?
    9. Q9. 戒告やけん責を受けた後、次に同じ問題を起こすと必ず減給されますか?
  17. まとめ|戒告は注意して戒めること、けん責は厳しくとがめること
  18. 参考資料・出典

「戒告」と「けん責」の違い【結論】

戒告とけん責は、どちらも過失や規律違反などを戒め、同じ問題を繰り返さないよう求める場面で使われます。

  • 戒告:過失や規律違反などについて注意し、将来を戒めること。公務員制度では法定の懲戒処分の一つ。
  • けん責:過失や規律違反などを厳しくとがめ、将来を戒めること。民間企業では始末書の提出を伴う懲戒処分として定められる場合がある。

けん責は漢字で「譴責」と書きます。就業規則では、読みやすさを考慮して、ひらがなの「けん責」が使用されることもあります。

一般的な日本語では、けん責のほうが、厳しく責任を問う印象を与えます。

しかし、懲戒処分としては、戒告よりけん責が必ず重いという全国共通の決まりはありません。

企業によっては、両方を設けて始末書の提出義務などで区別します。一方、けん責だけを正式な懲戒処分として設け、戒告を処分の種類に含めない企業もあります。

実際の扱いを知りたい場合は、勤務先の就業規則や懲戒規程を確認することが重要です。

【徹底比較】「戒告」と「けん責」の違いを比較表で整理

比較項目 戒告 けん責(譴責)
読み方 かいこく けんせき
基本的な意味 注意を与え、将来を戒めること 過失などを厳しくとがめ、将来を戒めること
意味の中心 注意・警告・再発防止 責任の指摘・厳重な注意・再発防止
民間企業での扱い 懲戒処分の一つとして定める場合がある 懲戒処分の一つとして定める場合がある
始末書 会社の規程による 提出を求める規程が多いが、会社による
直接の給与減額 処分の内容や会社の規程による 一般的なけん責自体は減給処分と区別される
賞与・昇進への影響 会社の評価制度や具体的事情による 会社の評価制度や具体的事情による
国家公務員の法定懲戒処分 含まれる 含まれない
処分の重さ 両方を設ける企業では順位を定めることがあるが、共通した法律上の順位はない

この表は、一般的な意味と、職場における代表的な運用を整理したものです。

懲戒処分としての具体的な内容については、所属する企業や組織の規程によって異なります。

「戒告」とは?意味と正しい使い方

戒告は、過失や規律違反を戒めること

「戒告」は、過失や規律違反などについて注意し、今後同じ問題を起こさないよう戒めることです。

例えば、職場の規律に反する行為があった従業員に対し、会社が正式に注意を与える場合などに使われます。

ただし、上司が部下を日常的に注意することと、会社が就業規則に基づいて戒告処分を行うことは、同じではありません。

正式な懲戒処分として行う場合には、懲戒の根拠や適切な手続きなどが問題になります。

民間企業では戒告の内容が会社によって異なる

民間企業では、戒告を懲戒処分の一つとして就業規則に定めている場合があります。

例えば、戒告を文書による注意とし、けん責を始末書の提出を伴う処分とする企業があります。

一方、戒告を正式な懲戒処分に含めず、けん責のみを定めている企業もあります。

そのため、戒告という名称だけで、始末書の提出が必要かどうかを判断することはできません。

国家公務員の戒告には法律上の定めがある

一般職の国家公務員については、国家公務員法第82条に基づき、免職・停職・減給・戒告の4種類の懲戒処分があります。

このうち戒告は、人事院規則によって、職員の責任を確認し、将来を戒める処分と定められています。

また、同規則では、懲戒処分は職員に文書を交付して行うこととされています。

したがって、国家公務員の戒告は、単なる口頭注意と同じではありません。

「戒告」の例文

  • 規律違反があった職員に対し、戒告処分が行われた。
  • 会社は、就業規則に基づいて戒告処分を決定した。
  • 戒告の理由について、人事担当者から説明を受けた。
  • 国家公務員の懲戒処分には、戒告が含まれている。
  • 戒告処分を受けたため、再発防止に向けた行動を検討した。

「けん責」とは?意味と正しい使い方

けん責は、過失や規律違反を厳しくとがめること

「けん責」は、過失や規律違反などを厳しくとがめ、将来を戒めることを意味します。

漢字では「譴責」と書きますが、一般の文章や就業規則では「けん責」と表記される場合があります。

例えば、社内の安全規則に反する行為があり、就業規則に基づいて始末書の提出を求める場合などです。

ただし、けん責処分を行うためには、実際の問題行動や就業規則の規定などを踏まえた判断が必要です。

厚生労働省のモデル就業規則では、始末書の提出を伴う

厚生労働省のモデル就業規則では、懲戒処分の一つとして、けん責が例示されています。

その内容は、始末書を提出させ、将来を戒めるというものです。

例えば、会社がモデル就業規則を参考に、けん責処分を設ける場合には、従業員に始末書の提出を求める規定を設けることがあります。

ただし、モデル就業規則は、すべての企業に同じ規程を採用させるものではありません。

企業は、事業場の実情などに応じて、法令の範囲内で就業規則を定めます。

けん責は、通常、減給処分とは区別される

けん責では、一般的に、問題となった行為について責任を明確にし、再発防止を求めます。

一方、減給は、懲戒処分として賃金を一定額減らすことです。

厚生労働省のモデル就業規則でも、けん責と減給は別の懲戒処分として定められています。

そのため、けん責を受けたという事実だけで、法律上、当然に給与が減額されるわけではありません。

「けん責」の例文

  • 会社は、就業規則に基づき、従業員をけん責処分とした。
  • けん責処分に伴い、始末書の提出を求められた。
  • けん責の理由について、人事担当者に確認した。
  • 今回の規律違反に対するけん責処分の相当性が検討された。
  • けん責を受けた後、再発防止策を職場で共有した。

「戒告」と「けん責」の決定的な違い

違い1:言葉の意味では、けん責のほうが厳しい注意を表す

一般的な日本語では、戒告は注意して戒めること、けん責は過失などを厳しくとがめることです。

そのため、けん責のほうが責任を厳しく問う印象を持つ言葉です。

しかし、懲戒処分としての重さは、会社や組織によって異なります。

実際の処分内容を比較する際には、一般的な言葉の意味だけでなく、就業規則などを確認しましょう。

違い2:始末書の提出が必要かどうか

両者を区別する方法として、戒告は注意や警告のみ、けん責は始末書の提出を伴う処分とする企業があります。

例えば、軽い規律違反について戒告処分とし、より重い行為についてけん責処分とする場合です。

ただし、このような使い分けは、すべての企業に共通するものではありません。

戒告でも始末書を求める組織があり、けん責の内容についても会社の規程によって異なります。

違い3:公務員の懲戒制度では戒告が用いられる

国家公務員の法定懲戒処分は、免職・停職・減給・戒告の4種類です。

この中に、けん責は含まれていません。

したがって、国家公務員の懲戒処分について説明する場合には、法律で定められた正式な名称である戒告を使用します。

一方、民間企業の懲戒制度については、各企業の就業規則などに定められた名称を使用します。

戒告とけん責は、どちらが重い?

戒告とけん責の重さについては、会社や組織によって異なります。

例えば、次のような懲戒制度を設けている企業が考えられます。

懲戒処分 規定例
戒告 文書などによって注意し、将来を戒める
けん責 始末書を提出させ、将来を戒める
減給 法律で定められた限度内で賃金を減額する
出勤停止 一定期間の出勤を停止する
懲戒解雇 懲戒処分として労働契約を終了させる

この表は、あくまで両方の処分を設ける企業の一例です。

一方、厚生労働省のモデル就業規則のように、戒告を設けず、けん責を懲戒処分の一つとして定める規程もあります。

処分の種類や重さを確認する際には、会社の就業規則や懲戒規程に示された順序と内容を確認しましょう。

戒告・けん責を受けると、給与や賞与は減る?

戒告やけん責を受けただけで、当然に減給されるわけではない

戒告やけん責は、一般的に、問題となった行為について注意し、将来を戒める処分です。

一方、減給は、賃金を減額する懲戒処分です。

そのため、戒告やけん責を受けたという事実だけで、当然に給与を減額できるわけではありません。

実際に給与が減額された場合には、どのような規程に基づき、何を理由として減額されたのかを確認する必要があります。

懲戒としての減給には、労働基準法上の制限がある

労働基準法第91条では、就業規則で減給の制裁を定める場合、その減給額について上限が設けられています。

具体的には、1回の減給額は平均賃金の1日分の半額を超えることができません。

また、複数の減給処分を行う場合でも、1回の賃金支払期における減給の総額は、その期間の賃金総額の10分の1を超えることができません。

ただし、遅刻や欠勤によって働かなかった時間の賃金を支払わないことと、懲戒処分として賃金を減額することは、法律上の扱いが異なります。

賞与や昇進への影響は会社の制度によって異なる

戒告やけん責を受けた場合、賞与や昇進、人事評価などに影響するのか気になる人もいるでしょう。

これらの扱いは、会社の評価制度や賃金規程、具体的な事情などによって異なります。

例えば、就業規則や賞与規程などで、懲戒処分を人事評価の判断要素とする場合があります。

ただし、戒告やけん責を受けたという理由だけで、どのような賞与の減額や昇進の制限も必ず認められるというわけではありません。

具体的な評価や処遇の内容については、会社の規程や個別の事情を確認する必要があります。

始末書と顛末書はどう違う?

戒告やけん責について理解するうえでは、「始末書」と「顛末書」の違いも押さえておくと便利です。

始末書は、問題への反省や再発防止を示す文書

始末書は、問題や不祥事などを起こした際に、発生した事実や原因、反省、再発防止に向けた内容などを記載する文書として使用されます。

例えば、会社がけん責処分を行う際に、従業員へ始末書の提出を求める場合があります。

ただし、始末書の記載事項や提出方法などは、会社の規程によって異なります。

顛末書は、出来事の経緯や事実関係を報告する文書

顛末書は、問題や事故などについて、発生から現在までの経緯や事実関係を報告する文書です。

例えば、作業中に不良品が発生した場合、発生日時や状況、原因調査の結果、実施した対応などを整理するために作成します。

一般的には、顛末書は事実関係の報告に重点を置き、始末書は反省や再発防止の意思などを含む場合があります。

ただし、企業によっては両者の書式や使い分けが異なります。

始末書に事実と異なる内容を書く必要はない

会社から始末書の提出を求められた場合でも、記載すべき内容について、事実と異なる説明をする必要はありません。

例えば、問題の原因が明らかになっていない段階で、調査が終わっていない事項まで自分の責任だと断定することには注意が必要です。

まずは事実関係を確認し、原因が判明している事項と、まだ確認できていない事項を区別しましょう。

調査によって事実を確かめる際には、「確認」と「検証」の違いも参考になります。

【実践】戒告・けん責が問題となる職場の5つの場面

場面1:会社の規則に違反した場合

就業規則や会社の安全規則などに違反した場合、その内容や程度によって懲戒処分が検討されることがあります。

例えば、定められた安全手順に反する行為があった場合です。

ただし、違反があったという事実だけで、戒告やけん責が必ず認められるわけではありません。

規則の内容や違反の経緯、必要な教育が行われていたかどうかなども重要になります。

場面2:無断欠勤や遅刻を繰り返した場合

正当な理由のない無断欠勤や遅刻が繰り返される場合、会社が懲戒処分を検討することがあります。

ただし、体調不良や家庭の事情など、個別の事情によって必要な対応は異なります。

また、処分の相当性については、問題行動の内容や回数、会社の指導状況などを踏まえて判断されます。

場面3:業務上のミスが発生した場合

業務上のミスが発生した場合、会社が原因を調査し、再発防止策を検討することがあります。

しかし、作業ミスが起きたという事実だけで、従業員に対する懲戒処分が必ず正当化されるわけではありません。

例えば、作業手順がわかりにくい場合や、必要な教育が十分に行われていなかった場合には、業務の仕組み自体にも問題がある可能性があります。

問題となる事実と、改善に向けた課題を分けて整理することが重要です。

関連する表現については、「問題」と「課題」の違いも参考になります。

場面4:情報の取り扱いに問題があった場合

顧客情報や会社の機密情報などを不適切に扱った場合、会社が就業規則などに基づいて処分を検討することがあります。

ただし、どのような処分が相当なのかは、情報の内容や行為の経緯、被害の有無などによって異なります。

例えば、故意に機密情報を外部へ漏えいした場合と、必要な教育が不十分だったことによって誤送信が発生した場合とでは、判断に関係する事情が異なります。

場面5:同じ問題を繰り返した場合

過去に注意や指導を受けた問題が再び発生した場合、会社が懲戒処分を検討することがあります。

例えば、同じ規律違反を繰り返している場合などです。

ただし、過去に戒告やけん責を受けているからといって、次は必ず減給や出勤停止になるという全国共通のルールがあるわけではありません。

問題行動の内容や程度、これまでの対応などを踏まえて判断する必要があります。

戒告・けん責を受けた場合の確認ポイント

1. 正式な懲戒処分なのか確認する

上司から注意を受けた場合でも、それが必ず正式な懲戒処分になるわけではありません。

例えば、日常的な業務指導として注意された場合と、人事部門から戒告処分を通知された場合では、意味が異なります。

まず、会社が正式な懲戒処分として通知しているのかを確認しましょう。

2. 就業規則の根拠を確認する

戒告やけん責などの懲戒処分については、就業規則や懲戒規程などに、処分の種類や事由が定められている場合があります。

そのため、処分を通知された場合には、どのような規定が根拠とされているのかを確認することが重要です。

ただし、就業規則に懲戒事由が記載されているという理由だけで、すべての懲戒処分が有効になるわけではありません。

3. 処分理由となった事実を確認する

会社がどのような事実を理由として処分を行ったのか確認しましょう。

例えば、問題行動の発生日時や内容、会社が確認した事実などです。

事実関係について認識が異なる場合は、必要に応じて自分の認識を整理し、資料などを保存しておくことが考えられます。

4. 始末書や改善報告書の提出義務を確認する

けん責処分に伴い始末書の提出を求められた場合は、就業規則や会社の指示内容を確認しましょう。

また、始末書とは別に、再発防止策をまとめた改善報告書などの提出を求められる場合もあります。

改善策を整理する際には、個人の行動だけでなく、仕事の手順や設備、教育など、必要な事項について確認することも重要です。

5. 納得できない場合は相談する

懲戒処分の理由や内容に疑問がある場合は、会社に説明を求めたり、必要に応じて公的な相談窓口などに相談したりする方法があります。

例えば、都道府県労働局の総合労働相談コーナーでは、懲戒処分を含むさまざまな労働問題について相談できます。

相談する際には、処分通知書や就業規則、会社とのやり取りなどを整理しておくとよいでしょう。

企業が戒告・けん責を行う際の注意点

就業規則に処分の種類や事由を定める

懲戒処分を行う場合には、就業規則などに処分の種類や事由を定めておくことが重要です。

また、常時10人以上の従業員を使用する事業場では、労働基準法に基づく就業規則の作成と届け出が必要になります。

懲戒処分の種類や内容を決める際には、厚生労働省のモデル就業規則などを参考にする方法があります。

処分の理由と事実関係を確認する

戒告やけん責を行う際には、問題となる行為の内容や経緯などを確認する必要があります。

例えば、作業ミスが発生した場合には、その原因や実際の作業状況などを調査することが考えられます。

必要な事実確認を行わず、特定の従業員の責任だと決めつけることは避けるべきです。

処分の重さが適切か検討する

懲戒処分を行う場合には、労働契約法第15条に基づき、問題行動の内容や程度などに照らした合理性・相当性が求められます。

例えば、軽微なミスについて、事情を確認せずに重い処分を科した場合には、処分の相当性が問題となる可能性があります。

戒告やけん責であっても、正式な懲戒処分として行う以上、合理的な理由や相当性が重要です。

再発防止策を検討する

戒告やけん責によって問題行動を戒めることは、将来、同じ問題を繰り返さないようにするための対応の一つです。

ただし、問題の原因が作業手順や教育体制などにある場合には、個人に注意するだけでは再発防止につながらない可能性があります。

例えば、作業ミスが発生しやすい工程について、手順を見直したり、必要な教育を追加したりする方法があります。

問題のある状態を改善することと、仕組みや製品などを改良することの違いについては、「改善」と「改良」の違いも参考になります。

「戒告」「けん責」と似た言葉の違い

「訓告」との違い

訓告は、問題となる行為について注意し、将来を戒めることです。

例えば、正式な懲戒処分とは別に、上司などが従業員や職員に注意を与える場合に使われることがあります。

ただし、訓告という言葉の正式な位置づけは、企業や組織によって異なります。

国家公務員の法定懲戒処分の4種類には、訓告は含まれていません。

「厳重注意」との違い

厳重注意は、問題となる行為について、強く注意することです。

一般的には、口頭または文書によって、今後同じ問題を起こさないよう強く求める場面で使われます。

ただし、厳重注意が正式な懲戒処分に当たるかどうかは、所属する組織の規程によって異なります。

国家公務員の法定懲戒処分には、厳重注意という種類はありません。

「減給」との違い

減給は、懲戒処分として賃金を一定額減らすことです。

一方、戒告やけん責は、一般的に、問題となる行為を戒める処分として使われます。

懲戒としての減給には、労働基準法第91条による上限があります。

そのため、戒告やけん責と減給は、処分の内容を区別して考える必要があります。

「出勤停止」との違い

出勤停止は、懲戒処分として、従業員の出勤を一定期間停止することです。

出勤停止期間中の給与については、処分の内容や法律上のルールなどに基づき判断されます。

一方、戒告やけん責は、通常、従業員の出勤を停止する処分ではありません。

「懲戒解雇」との違い

懲戒解雇は、重大な規律違反などに対する懲戒処分として、労働契約を終了させることです。

一方、戒告やけん責は、通常、従業員としての地位を維持したまま、問題となる行為を戒める処分です。

ただし、いずれも懲戒処分として行う場合には、客観的に合理的な理由や社会通念上の相当性などが問題となります。

「戒告」と「けん責」の3秒判定

伝えたい内容 使いやすい言葉
過失や規律違反を注意し、将来を戒める 戒告
過失や規律違反を厳しくとがめ、将来を戒める けん責
会社の規程に基づき、始末書の提出を伴う処分を行う けん責など、規程で定められた名称
国家公務員に、法律上の懲戒処分として注意を与える 戒告
上司が日常的に注意を与える 注意・指導
正式な懲戒処分ではなく、将来を戒める 訓告など、組織で定められた名称
懲戒処分として給与を減らす 減給
懲戒処分として一定期間の出勤を停止する 出勤停止
重大な規律違反などを理由に、懲戒処分として解雇する 懲戒解雇

一般的な言葉の意味では、注意して戒めるなら「戒告」、厳しくとがめて戒めるなら「けん責」が基本です。

ただし、正式な懲戒処分については、勤務先や組織の規程で定められた名称を使用しましょう。

よくある間違いと注意点

「けん責は戒告より必ず重い」とは限らない

両者を設けている企業では、けん責を戒告より重い処分とする場合があります。

しかし、すべての企業で同じ順位が定められているわけではありません。

実際の処分の重さは、就業規則や懲戒規程で確認する必要があります。

「戒告なら始末書は不要」とは限らない

戒告を口頭や文書による注意とし、始末書の提出を求めない企業があります。

一方、戒告でも始末書を提出させる規程を設けている組織があります。

そのため、戒告という名称だけで、始末書の要否を判断することはできません。

「けん責を受けたら必ず減給される」は誤り

けん責は、一般的には問題となる行為について厳しく注意し、将来を戒める処分です。

一方、減給は懲戒処分として賃金を減額することです。

厚生労働省のモデル就業規則でも、けん責と減給は別の処分として例示されています。

「公務員にもけん責という法定処分がある」は誤り

一般職の国家公務員の法定懲戒処分は、免職・停職・減給・戒告の4種類です。

そのため、民間企業の懲戒制度で見かけるけん責と、国家公務員の法定懲戒処分を混同しないようにしましょう。

「軽い処分なら法律上の制限はない」は誤り

戒告やけん責は、減給や懲戒解雇などと比較すると、一般的に軽い処分として位置づけられる場合があります。

しかし、正式な懲戒処分として行われる場合には、労働契約法第15条に基づく合理性や相当性が問題となります。

軽い処分であっても、会社が自由に行えるわけではありません。

「戒告」と「けん責」の例文12選

「戒告」を使った例文

  1. 規律違反があった職員に対し、戒告処分が行われた。
  2. 会社は、就業規則に基づいて戒告処分を決定した。
  3. 戒告の理由について、人事担当者から説明を受けた。
  4. 国家公務員の懲戒処分には、戒告が含まれている。
  5. 戒告処分を受けたため、再発防止に向けた行動を検討した。
  6. 今回の戒告処分が就業規則に基づいているか確認した。

「けん責」を使った例文

  1. 会社は、就業規則に基づき、従業員をけん責処分とした。
  2. けん責処分に伴い、始末書の提出を求められた。
  3. けん責の理由について、人事担当者に確認した。
  4. 今回の規律違反に対するけん責処分の相当性が検討された。
  5. けん責を受けた後、再発防止策を職場で共有した。
  6. 就業規則では、けん責と減給が別の懲戒処分として定められている。

FAQ|「戒告」と「けん責」のよくある質問

Q1. 「戒告」と「けん責」は同じ意味ですか?

意味が重なる部分はありますが、一般的な日本語では、戒告は注意して将来を戒めること、けん責は過失などを厳しくとがめて戒めることです。ただし、懲戒処分としての具体的な内容は、企業や組織の規程によって異なります。

Q2. 戒告とけん責は、どちらが重い処分ですか?

企業によって異なります。両方を設ける企業では、けん責を戒告より重い処分とする場合があります。ただし、全国共通の法律上の順位はありません。就業規則や懲戒規程を確認しましょう。

Q3. けん責を受けると、必ず始末書を提出する必要がありますか?

会社の規程によって異なります。厚生労働省のモデル就業規則では、けん責は始末書を提出させて将来を戒める処分として例示されています。ただし、すべての企業で同じ内容が義務づけられているわけではありません。

Q4. 戒告を受けた場合も、始末書が必要ですか?

勤務先の就業規則などによって異なります。戒告を口頭や文書による注意とし、始末書の提出を求めない企業もあれば、戒告に始末書の提出を伴わせる組織もあります。

Q5. 戒告やけん責を受けると、給与が減りますか?

戒告やけん責を受けたという事実だけで、当然に給与が減額されるわけではありません。懲戒としての減給については、労働基準法第91条による制限があります。また、賞与や人事評価への影響については、会社の規程などによって異なります。

Q6. 国家公務員にも、けん責処分はありますか?

一般職の国家公務員の法定懲戒処分は、免職・停職・減給・戒告の4種類です。けん責は、この4種類には含まれていません。

Q7. 上司から口頭で注意された場合も、戒告処分になりますか?

必ずしもそうではありません。日常的な業務指導としての注意と、就業規則などに基づく正式な懲戒処分は区別されます。正式な処分に当たるかどうかは、会社の規程や通知内容などを確認しましょう。

Q8. 戒告やけん責に納得できない場合は、どうすればよいですか?

まず、処分の理由や根拠となる就業規則の規定などを確認しましょう。事実関係について認識が異なる場合は、必要な資料や記録を整理する方法があります。また、総合労働相談コーナーや法律の専門家などに相談することも考えられます。

Q9. 戒告やけん責を受けた後、次に同じ問題を起こすと必ず減給されますか?

必ずしもそうではありません。処分の内容や重さは、会社の規程、問題行動の内容や程度、過去の指導状況などによって異なります。過去に戒告やけん責を受けているという事実だけで、次の処分が自動的に決まるわけではありません。

まとめ|戒告は注意して戒めること、けん責は厳しくとがめること

「戒告」と「けん責」は、どちらも過失や規律違反などを戒め、今後同じ問題を繰り返さないよう求める場面で使われます。

  • 戒告:過失や規律違反などについて注意し、将来を戒めること。国家公務員では法定の懲戒処分の一つ。
  • けん責:過失や規律違反などを厳しくとがめ、将来を戒めること。民間企業では始末書の提出を伴う処分として定められる場合がある。
  • 共通点:具体的な処分内容や始末書の要否などは、所属する企業や組織の規程によって異なる。

一般的な言葉の意味では、けん責のほうが厳しく責任を問う印象があります。しかし、懲戒処分としての重さについて、すべての企業に共通する順位があるわけではありません。

また、戒告やけん責を受けたという事実だけで、当然に減給されるわけではありません。給与や賞与、人事評価などへの影響については、会社の規程や具体的な事情を確認する必要があります。

正式な懲戒処分について説明する場合は、一般的な言葉の印象だけで判断せず、就業規則や懲戒規程に定められた名称と内容を確認しましょう。

参考資料・出典

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