「待期期間」と「給付制限」の違いとは?失業保険の7日間・1か月・3か月を徹底解説

「失業保険には7日間の待期期間がある」「自己都合退職だと1か月の給付制限がある」など、雇用保険の基本手当について調べていると、「待期期間」と「給付制限」という言葉が登場します。

どちらも失業給付を受け取れない期間を表しますが、同じ意味ではありません。

結論からいうと、「待期期間」は離職理由にかかわらず原則として全員に適用される7日間、「給付制限」は一定の離職理由などによって基本手当の支給が制限される期間です。

例えば、会社の倒産によって離職した人にも、原則として7日間の待期期間があります。一方、正当な理由のない自己都合退職では、待期期間の満了後、さらに原則1か月の給付制限が設けられています。

なお、自己都合退職の給付制限については、2025年4月1日から制度が変更されました。同日以降の離職では原則1か月ですが、一定の条件に該当する場合は3か月となります。

この記事では、待期期間と給付制限の意味や違い、具体的な日数、自己都合退職と会社都合退職の扱い、アルバイトや求職活動への影響、教育訓練による給付制限の解除などを、2026年9月時点の制度に基づいて解説します。

  1. 「待期期間」と「給付制限」の違い【結論】
  2. 【徹底比較】「待期期間」と「給付制限」の違いを比較表で整理
  3. 「待期期間」とは?意味と7日間の数え方
    1. 待期期間は、原則としてすべての離職者に適用される
    2. 7日間は必ず連続している必要がある?
    3. 退職した翌日から7日間ではない
    4. 「待期期間」の例文
  4. 「給付制限」とは?意味と対象になる人
    1. 給付制限は、一定の理由によって支給が制限される期間
    2. 2025年4月1日以降の自己都合退職は原則1か月
    3. 一定の繰り返しの自己都合退職では3か月
    4. 重責解雇でも3か月の給付制限がある
  5. 2026年時点の待期期間・給付制限を離職理由別に比較
  6. 【図解】自己都合退職後、失業保険はいつからもらえる?
  7. 会社都合退職なら、退職後すぐに失業保険を受け取れる?
    1. 会社都合でも7日間の待期期間は必要
    2. 待期期間が終われば、基本手当の支給対象になり得る
    3. 離職理由に疑問がある場合は確認する
  8. 待期期間中にアルバイトをしたらどうなる?
    1. 仕事をした日は、待期期間の満了が遅れる場合がある
    2. 短時間のアルバイトでも申告が必要
    3. 給付制限中のアルバイトにも注意する
  9. 給付制限中にも求職活動は必要?
    1. 給付制限中も再就職に向けた活動が重要
    2. インターネットで求人を見るだけでは、通常、求職活動実績にならない
    3. 給付制限が終わっても、失業認定が必要
  10. 【2025年4月から】教育訓練を受けると給付制限が解除される?
    1. 所定の教育訓練等を受けた場合、給付制限が解除される制度がある
    2. 退職前1年以内の教育訓練も対象になる場合がある
    3. 教育訓練を受けても7日間の待期期間はなくならない
    4. 解除にはハローワークへの申し出が必要
  11. 待期期間と給付制限を混同しやすい5つの場面
    1. 場面1:自己都合退職後、すぐにハローワークへ行かなかった場合
    2. 場面2:会社都合退職なのに7日間待つ必要がある場合
    3. 場面3:自己都合退職でも給付制限がない場合
    4. 場面4:自己都合退職の給付制限が3か月となる場合
    5. 場面5:給付制限中に再就職する場合
  12. 「待期期間」「給付制限」と似た言葉の違い
    1. 「受給期間」との違い
    2. 「所定給付日数」との違い
    3. 「失業認定日」との違い
    4. 「支給開始日」との違い
  13. 待期期間・給付制限中の注意点
    1. 1. 失業給付の手続きは退職後に早めに行う
    2. 2. アルバイトや就労した日を正確に申告する
    3. 3. 離職理由の内容を確認する
    4. 4. 制度変更に関する古い情報に注意する
    5. 5. 教育訓練による給付制限の解除は事前に確認する
  14. 「待期期間」と「給付制限」の3秒判定
  15. よくある間違いと注意点
    1. 「会社都合退職なら待期期間がない」は誤り
    2. 「退職した翌日から7日間が待期期間になる」は誤り
    3. 「自己都合退職の給付制限は必ず2か月」は誤り
    4. 「待期期間中にアルバイトをしても影響はない」は誤り
    5. 「教育訓練を受ければ、どんな講座でも給付制限がなくなる」は誤り
    6. 「給付制限が終われば自動的に振り込まれる」は誤り
  16. 「待期期間」と「給付制限」の例文12選
    1. 「待期期間」を使った例文
    2. 「給付制限」を使った例文
  17. FAQ|「待期期間」と「給付制限」のよくある質問
    1. Q1. 待期期間と給付制限は同じ意味ですか?
    2. Q2. 会社都合退職でも7日間の待期期間は必要ですか?
    3. Q3. 2026年に自己都合退職した場合、給付制限は何か月ですか?
    4. Q4. 退職してから7日間たっていれば、待期期間は終わっていますか?
    5. Q5. 待期期間中にアルバイトをしてもよいですか?
    6. Q6. 給付制限中にアルバイトはできますか?
    7. Q7. 給付制限中にも求職活動は必要ですか?
    8. Q8. 教育訓練を受ければ給付制限はなくなりますか?
    9. Q9. 給付制限が終了したら、すぐに振り込まれますか?
    10. Q10. 給付制限があると、基本手当を受け取れる日数も減りますか?
  18. まとめ|待期期間は全員に原則7日間、給付制限は一定の離職理由などによる追加の制限
  19. 参考資料・出典

「待期期間」と「給付制限」の違い【結論】

待期期間と給付制限は、どちらも雇用保険の基本手当が支給されない期間ですが、適用される条件と目的が異なります。

  • 待期期間:ハローワークで受給資格の決定を受けた後、失業している日が通算7日に達するまでの期間。
  • 給付制限:待期期間の満了後、正当な理由のない自己都合退職など、所定の事由に該当する場合に、基本手当の支給が制限される期間。

待期期間は、離職理由にかかわらず、基本手当を受給する人に原則として適用されます。

一方、給付制限は、すべての離職者に適用されるわけではありません。

例えば、会社の倒産や一般的な解雇などによって離職した人は、原則として離職理由による給付制限を受けません。

ただし、倒産や解雇による離職であっても、待期期間の7日間は必要です。

【徹底比較】「待期期間」と「給付制限」の違いを比較表で整理

比較項目 待期期間 給付制限
読み方 たいききかん きゅうふせいげん
意味 基本手当の支給が始まる前の7日間 所定の理由によって基本手当が支給されない期間
適用対象 離職理由にかかわらず原則として全員 一定の離職理由や所定の行為に該当する人
期間 失業している日が通算7日 原則1か月、条件によって3か月など
始まる時期 受給資格決定日から 原則として待期期間満了日の翌日から
会社都合退職 原則として必要 通常、離職理由による給付制限はない
正当な理由のない自己都合退職 必要 原則として必要
アルバイトなどの影響 就労した日は待期期間に算入されず、満了が遅れる場合がある 就労状況や収入、再就職の有無などによって給付への影響がある
教育訓練による解除 対象外 所定の教育訓練等を受けた場合、解除されることがある

この表の給付制限の期間は、主に2025年4月1日以降に離職した人について整理したものです。実際の期間は離職日や離職理由などによって異なります。

「待期期間」とは?意味と7日間の数え方

待期期間は、原則としてすべての離職者に適用される

待期期間は、雇用保険の基本手当を受ける前に設けられている7日間です。

ハローワークで離職票を提出し、求職の申し込みを行って、受給資格が決定された日から数えます。

この日から失業している日が通算7日に達するまで、基本手当は支給されません。

例えば、会社の倒産や一般的な解雇によって離職した場合でも、待期期間は必要です。

7日間は必ず連続している必要がある?

待期期間は、失業している日が通算7日になるまでの期間です。

例えば、受給資格決定後の待期期間中にアルバイトなどを行い、失業している日として認められない日があった場合は、待期期間の満了が遅れることがあります。

そのため、「ハローワークで手続きした日から必ず7日後に待期が終わる」とは限りません。

待期期間中に仕事をした場合は、ハローワークの指示に従って申告しましょう。

退職した翌日から7日間ではない

待期期間は、会社を退職した日や、その翌日から自動的に始まるわけではありません。

原則として、ハローワークで必要な手続きを行い、受給資格の決定を受けた日から始まります。

例えば、9月1日に退職した人が、9月15日に初めてハローワークで受給資格の決定を受けた場合です。

この場合、9月2日から8日までの7日間を、待期期間としてさかのぼって数えるわけではありません。

基本手当の受給を希望する場合は、離職票などの必要書類を確認し、ハローワークで手続きを行うことが重要です。

「待期期間」の例文

  • 失業給付を受けるため、ハローワークで手続きし、待期期間が始まった。
  • 会社都合退職の場合も、原則として7日間の待期期間がある。
  • 待期期間中にアルバイトをしたため、待期の満了日を確認した。
  • 待期期間が終了し、基本手当の支給対象となる日が始まった。
  • 退職した翌日から自動的に待期期間が始まるわけではない。

「給付制限」とは?意味と対象になる人

給付制限は、一定の理由によって支給が制限される期間

給付制限は、雇用保険の基本手当について、所定の事由に該当する場合に一定期間支給を制限する仕組みです。

例えば、正当な理由なく自己都合で退職した場合には、原則として待期期間満了後に給付制限があります。

給付制限期間中は、基本手当が支給されません。

ただし、基本手当の受給資格を失ったという意味ではありません。給付制限が終了した後、失業の認定などの要件を満たすことで、基本手当を受給できる場合があります。

2025年4月1日以降の自己都合退職は原則1か月

2025年4月1日以降、正当な理由がなく自己都合で退職した場合の給付制限は、原則1か月となりました。

一方、2025年3月31日以前の離職については、原則2か月です。

そのため、古い記事や動画などで「自己都合退職の給付制限は2か月」と説明されていても、現在の離職については制度が変更されています。

一定の繰り返しの自己都合退職では3か月

正当な理由のない自己都合退職については、過去の離職状況などによって給付制限が3か月となる場合があります。

具体的には、今回の退職日からさかのぼって5年間に、正当な理由のない自己都合退職によって2回以上受給資格決定を受けている場合です。

この条件に該当する場合は、原則1か月ではなく、3か月の給付制限となります。

重責解雇でも3か月の給付制限がある

自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合は、一般的に「重責解雇」と呼ばれます。

重責解雇に該当する場合は、原則として3か月の給付制限があります。

ただし、会社から懲戒解雇されたという名称だけで、雇用保険上の重責解雇に必ず該当するわけではありません。

実際の離職理由については、ハローワークが必要な事実関係を確認して判断します。

2026年時点の待期期間・給付制限を離職理由別に比較

離職理由 待期期間 離職理由による給付制限
会社の倒産による離職 原則7日間 原則なし
一般的な解雇による離職 原則7日間 原則なし
正当な理由のある自己都合退職 原則7日間 原則なし
2025年4月1日以降の正当な理由のない自己都合退職 原則7日間 原則1か月
一定の繰り返しの自己都合退職 原則7日間 3か月
重責解雇 原則7日間 3か月

なお、特定受給資格者や特定理由離職者に該当するかどうかは、実際の離職理由などを踏まえて判断されます。

会社が離職票に記載した離職理由だけで、必ず最終的な扱いが決まるわけではありません。

【図解】自己都合退職後、失業保険はいつからもらえる?

ここでは、2025年4月1日以降に、正当な理由なく自己都合で退職した人を例に、基本手当の受給までの流れを整理します。

段階 主な内容 基本手当の扱い
1. 退職 会社との雇用関係が終了する まだ待期期間は始まらない
2. 受給資格の決定 ハローワークで離職票の提出や求職の申し込みを行う 待期期間が始まる
3. 待期期間 失業している日が通算7日に達するまで 支給なし
4. 給付制限 原則1か月 支給なし
5. 給付制限終了後 失業の認定を受ける 認定された対象日について支給
6. 振り込み ハローワークでの失業認定後 通常、認定日から数日後に振り込まれる

ここで重要なのは、給付制限が終了した日に、必ず基本手当が銀行口座へ振り込まれるわけではないことです。

基本手当の振り込みには、ハローワークによる失業の認定などが必要です。

そのため、実際の初回振込日は、認定日の指定や求職活動の状況などによって異なります。

会社都合退職なら、退職後すぐに失業保険を受け取れる?

会社都合でも7日間の待期期間は必要

倒産や一般的な解雇などによる離職では、原則として離職理由による給付制限がありません。

しかし、7日間の待期期間は必要です。

そのため、会社都合退職であっても、退職した翌日に基本手当が支給されるわけではありません。

待期期間が終われば、基本手当の支給対象になり得る

会社都合退職などで給付制限がない場合は、待期期間が満了した後、失業していると認められた日について、基本手当の支給対象となります。

ただし、実際の支払いを受けるには、原則として4週間に1回、ハローワークで失業の認定を受ける必要があります。

初回の振り込みも、認定手続きが終わった後になります。

離職理由に疑問がある場合は確認する

会社都合で退職したと考えているにもかかわらず、離職票に自己都合退職と記載されている場合があります。

このような場合は、ハローワークで実際の離職の経緯を説明し、必要な資料を提出することができます。

退職勧奨を受けたことを示す書類や、会社とのメールなどがあれば、整理しておくとよいでしょう。

離職票に書かれた内容を確かめることと、その内容が実際の経緯に合っているか調べることの違いについては、「確認」と「検証」の違いも参考になります。

待期期間中にアルバイトをしたらどうなる?

仕事をした日は、待期期間の満了が遅れる場合がある

待期期間は、失業している日が通算7日に達するまでの期間です。

そのため、待期期間中にアルバイトなどを行い、失業している日として認められない日がある場合は、待期期間の満了が遅れることがあります。

例えば、受給資格決定後の待期期間中に1日アルバイトを行った場合です。

その日の働き方によっては、失業している日として数えられず、待期期間の満了が予定より遅くなる可能性があります。

短時間のアルバイトでも申告が必要

アルバイトが短時間だった場合でも、ハローワークへの申告が不要になるわけではありません。

労働時間や収入の有無などについて、失業認定申告書などで正確に申告する必要があります。

実際に働いた日や時間、収入額などによって、給付への影響が異なる場合があります。

給付制限中のアルバイトにも注意する

給付制限期間中も、アルバイトをすること自体が一律に禁止されているわけではありません。

ただし、働き方によっては、就職したと判断される場合があります。

また、働いた日や時間、収入などについて、ハローワークへの申告が必要です。

給付制限中に仕事を始める場合は、勤務時間や雇用期間などを確認し、必要に応じてハローワークへ相談しましょう。

給付制限中にも求職活動は必要?

給付制限中も再就職に向けた活動が重要

雇用保険の基本手当は、働く意思と能力があり、積極的に求職活動を行っているものの、就職できない人の生活を支える制度です。

そのため、給付制限期間中も、再就職に向けた求職活動が重要です。

例えば、求人への応募や、ハローワークでの職業相談、対象となる就職支援セミナーへの参加などが考えられます。

インターネットで求人を見るだけでは、通常、求職活動実績にならない

基本手当の受給では、失業認定の際に、原則として所定の回数の求職活動実績が必要になります。

例えば、求人へ応募した場合や、ハローワークで職業相談を受けた場合は、求職活動実績として認められることがあります。

一方、インターネットで求人情報を閲覧しただけでは、通常、求職活動実績として認められません。

実際に必要な回数や、実績として認められる活動については、ハローワークから案内される内容を確認しましょう。

給付制限が終わっても、失業認定が必要

給付制限期間が終了した後も、基本手当が自動的に振り込まれるわけではありません。

原則として、指定された失業認定日にハローワークで失業の認定を受ける必要があります。

また、求職活動実績が不足している場合などは、基本手当を受けられないことがあります。

【2025年4月から】教育訓練を受けると給付制限が解除される?

所定の教育訓練等を受けた場合、給付制限が解除される制度がある

2025年4月1日から、一定の教育訓練等を受けた自己都合離職者について、給付制限を解除する制度が導入されました。

これは、再就職に向けた学び直しを支援するための仕組みです。

例えば、厚生労働大臣が指定する教育訓練など、制度上の対象となる講座を受講した場合です。

ただし、オンライン講座や民間のセミナーであれば、何でも給付制限が解除されるわけではありません。

退職前1年以内の教育訓練も対象になる場合がある

制度の対象となる教育訓練等については、離職日の前1年以内に受講した場合や、離職日以降に受講する場合などに、給付制限が解除されることがあります。

そのため、在職中から資格取得や職業能力の向上に取り組んでいた人も、条件によっては対象になる可能性があります。

ただし、対象となる講座や受講時期などについて、所定の要件があります。

教育訓練を受けても7日間の待期期間はなくならない

ここで注意したいのは、教育訓練によって解除されるのは、所定の給付制限だという点です。

基本手当の受給前に必要な7日間の待期期間そのものが、教育訓練によってなくなるわけではありません。

給付制限が解除された場合でも、待期期間や失業の認定など、基本手当の支給要件を満たす必要があります。

解除にはハローワークへの申し出が必要

対象となる教育訓練等を受講した場合は、ハローワークで所定の申し出を行う必要があります。

例えば、訓練実施施設による訓練開始日の証明書など、必要な書類の提出が求められる場合があります。

申出期限は、訓練開始の時期や失業認定日との関係によって異なります。

教育訓練を受ける予定がある場合は、受講前にハローワークで対象講座や必要書類を確認するとよいでしょう。

なお、2025年4月からの制度変更に関する詳細は、記事末尾の厚生労働省の公式資料もご確認ください。

待期期間と給付制限を混同しやすい5つの場面

場面1:自己都合退職後、すぐにハローワークへ行かなかった場合

会社を退職してから、しばらく休養した後にハローワークへ行く場合があります。

この場合、退職日から7日間が経過していても、待期期間が自動的に終了しているわけではありません。

原則として、受給資格決定後に失業している日が通算7日に達する必要があります。

場面2:会社都合退職なのに7日間待つ必要がある場合

会社の倒産などによって離職した場合は、通常、離職理由による給付制限がありません。

しかし、待期期間は離職理由にかかわらず適用されるため、原則として7日間が必要です。

場面3:自己都合退職でも給付制限がない場合

自己都合退職という名称でも、病気や家庭の事情など、正当な理由が認められる場合があります。

例えば、本人の疾病や負傷、家族の介護などによって離職した場合です。

そのような場合は、特定理由離職者に該当することがあり、離職理由による給付制限が適用されない場合があります。

ただし、具体的な事情や証明書類などによって判断が異なります。

場面4:自己都合退職の給付制限が3か月となる場合

2025年4月1日以降の自己都合退職は、原則として1か月の給付制限です。

しかし、今回の退職日からさかのぼって5年間に、正当な理由のない自己都合退職によって2回以上受給資格決定を受けている場合などは、3か月となります。

過去の離職状況などによって扱いが異なるため、ハローワークで確認しましょう。

場面5:給付制限中に再就職する場合

給付制限期間中に就職した場合は、その後の基本手当が支給されなくなる一方、一定の条件を満たすことで再就職手当の対象になる可能性があります。

ただし、給付制限を受けた人については、待期期間満了後の最初の1か月間の就職先の決定方法など、再就職手当に特有の条件があります。

早期に就職する場合は、再就職手当の支給要件について、事前にハローワークへ確認しましょう。

「待期期間」「給付制限」と似た言葉の違い

「受給期間」との違い

受給期間は、雇用保険の基本手当を受けられる期間のことです。

原則として、離職日の翌日から1年間とされています。

ただし、病気やけが、出産、育児などによって30日以上続けて働けない場合は、所定の条件を満たすことで受給期間を延長できる場合があります。

一方、待期期間や給付制限は、基本手当が支給されない期間を表します。

「所定給付日数」との違い

所定給付日数は、基本手当を何日分受け取れるのかを表す日数です。

例えば、一般の離職者については、雇用保険の被保険者であった期間に応じて、90日、120日、150日などと定められています。

一方、待期期間や給付制限は、基本手当を受けられない期間についての制度です。

給付制限が1か月あるからといって、所定給付日数が必ず1か月分減るという意味ではありません。

ただし、受給期間には原則として1年間という期限があるため、手続きが遅れた場合などには、所定給付日数の全部を受け取れなくなることがあります。

「失業認定日」との違い

失業認定日は、ハローワークが、基本手当の支給対象となる失業の状態にあったかどうかを認定する日です。

原則として、4週間に1回、ハローワークが指定します。

待期期間や給付制限が終了していても、失業の認定を受けていなければ、基本手当が自動的に振り込まれるわけではありません。

「支給開始日」との違い

支給開始日は、基本手当の支給対象となる日が始まる時点を指して使われます。

一方、銀行口座へ実際に基本手当が振り込まれる日は、失業認定などの手続きが終わった後になります。

そのため、「給付制限が終了した日」と「初回の振込日」は、通常、同じ日ではありません。

待期期間・給付制限中の注意点

1. 失業給付の手続きは退職後に早めに行う

基本手当の受給を希望する場合は、退職後に必要な書類を準備し、ハローワークで手続きを行いましょう。

待期期間は、原則として受給資格決定後に始まります。

また、基本手当の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。

手続きが遅れると、受給できる日数に影響する場合があります。

2. アルバイトや就労した日を正確に申告する

待期期間や給付制限中にアルバイトをした場合は、ハローワークへ申告する必要があります。

勤務日数や時間、収入などによって、待期期間の満了や給付への影響が異なります。

申告せずに給付を受けた場合は、不正受給の問題につながる可能性があります。

3. 離職理由の内容を確認する

正当な理由のある自己都合退職や、退職勧奨などによる離職については、雇用保険上の離職理由が重要です。

会社が離職票に記載した内容と、実際の離職の経緯が異なる場合は、ハローワークへ説明しましょう。

4. 制度変更に関する古い情報に注意する

2025年4月1日以降の離職については、正当な理由のない自己都合退職の給付制限が原則1か月に短縮されています。

そのため、古い記事などに記載された「原則2か月」という情報を、そのまま現在の制度として扱わないようにしましょう。

今回のような制度改正によって、従来の条件が新しい条件へ変わる場合には、改正前後の違いを確認することが重要です。

「変更」と「修正」の一般的な使い分けについては、「変更」と「修正」の違いも参考になります。

5. 教育訓練による給付制限の解除は事前に確認する

所定の教育訓練等を受ける場合は、給付制限が解除される可能性があります。

ただし、対象となる講座や受講時期、申し出の方法などについて、所定の条件があります。

自分が受講する講座が対象になるのか、必要な書類は何かを、ハローワークへ確認しましょう。

「待期期間」と「給付制限」の3秒判定

伝えたい内容 使いやすい言葉
受給資格決定後、失業している日が通算7日に達するまで 待期期間
会社都合退職でも原則として必要な7日間 待期期間
自己都合退職によって、待期期間後に原則1か月支給されない 給付制限
一定の繰り返しの自己都合退職により3か月支給されない 給付制限
重責解雇により3か月支給されない 給付制限
所定の教育訓練を受けたことにより解除される場合がある 給付制限
基本手当を受け取れる日数 所定給付日数
基本手当を受給できる期間 受給期間
基本手当の支給対象となる失業状態を確認する日 失業認定日

全員に原則として適用される7日間なら「待期期間」、一定の離職理由などによって追加で支給されない期間なら「給付制限」と覚えましょう。

よくある間違いと注意点

「会社都合退職なら待期期間がない」は誤り

会社の倒産や一般的な解雇などによる離職でも、原則として7日間の待期期間があります。

離職理由による給付制限がないことと、待期期間がないことは別の問題です。

「退職した翌日から7日間が待期期間になる」は誤り

待期期間は、原則としてハローワークで受給資格の決定を受けた日から始まります。

退職後、ハローワークへ行かずに過ごした7日間が、そのまま待期期間になるわけではありません。

「自己都合退職の給付制限は必ず2か月」は誤り

2025年4月1日以降の離職では、正当な理由のない自己都合退職の給付制限は、原則として1か月です。

ただし、一定の繰り返しの自己都合退職など、3か月となる場合があります。

「待期期間中にアルバイトをしても影響はない」は誤り

待期期間中にアルバイトなどを行い、失業している日として認められない日がある場合は、待期期間の満了が遅れることがあります。

短時間の仕事でも、ハローワークの指示に従って正確に申告しましょう。

「教育訓練を受ければ、どんな講座でも給付制限がなくなる」は誤り

給付制限の解除には、対象となる教育訓練等について、所定の条件があります。

一般的な趣味の講座など、すべての教育訓練が対象となるわけではありません。

「給付制限が終われば自動的に振り込まれる」は誤り

給付制限が終了した後も、基本手当を受け取るには、原則としてハローワークで失業の認定を受ける必要があります。

振り込みは、認定手続きが終わった後になります。

「待期期間」と「給付制限」の例文12選

「待期期間」を使った例文

  1. ハローワークで受給資格の決定を受け、待期期間が始まった。
  2. 会社都合退職でも、原則として7日間の待期期間が必要だ。
  3. 待期期間中にアルバイトをしたため、満了日を確認した。
  4. 待期期間が終わり、基本手当の支給対象となる日が始まった。
  5. 退職した翌日から自動的に待期期間が始まるわけではない。
  6. 待期期間中の就労について、ハローワークに相談した。

「給付制限」を使った例文

  1. 自己都合退職のため、待期期間後に1か月の給付制限がある。
  2. 2025年4月の制度改正によって、原則として給付制限が短縮された。
  3. 過去の離職状況によって、給付制限が3か月となる場合がある。
  4. 所定の教育訓練を受けたため、給付制限の解除を申し出た。
  5. 給付制限期間中も、再就職に向けて求職活動を行った。
  6. 給付制限の終了後、ハローワークで失業の認定を受けた。

FAQ|「待期期間」と「給付制限」のよくある質問

Q1. 待期期間と給付制限は同じ意味ですか?

同じ意味ではありません。待期期間は、受給資格決定後、失業している日が通算7日に達するまでの期間です。一方、給付制限は、一定の離職理由などによって、待期期間満了後に基本手当の支給が制限される期間です。

Q2. 会社都合退職でも7日間の待期期間は必要ですか?

原則として必要です。待期期間は、離職理由にかかわらず適用されます。ただし、倒産や一般的な解雇などによる離職では、通常、離職理由による給付制限はありません。

Q3. 2026年に自己都合退職した場合、給付制限は何か月ですか?

正当な理由のない自己都合退職の場合は、原則1か月です。ただし、今回の退職日からさかのぼって5年間に、正当な理由のない自己都合退職によって2回以上受給資格決定を受けている場合などは、3か月となります。

Q4. 退職してから7日間たっていれば、待期期間は終わっていますか?

必ずしもそうではありません。待期期間は、原則としてハローワークで受給資格の決定を受けた日から始まります。退職後、手続きをせずに過ごした7日間が、そのまま待期期間になるわけではありません。

Q5. 待期期間中にアルバイトをしてもよいですか?

アルバイトなどを行った場合は、就労状況によって待期期間の満了が遅れることがあります。また、短時間の仕事でも申告が必要です。実際の勤務日数や時間などについて、ハローワークの指示に従って申告しましょう。

Q6. 給付制限中にアルバイトはできますか?

給付制限期間中にアルバイトをすること自体が、一律に禁止されているわけではありません。ただし、働き方によっては就職したと判断される場合があります。また、勤務日数や時間、収入などについて申告が必要です。

Q7. 給付制限中にも求職活動は必要ですか?

基本手当を受けるためには、原則として所定の求職活動実績が必要です。給付制限中も再就職に向けて活動し、失業認定時に必要となる実績を確認しましょう。

Q8. 教育訓練を受ければ給付制限はなくなりますか?

2025年4月から、所定の教育訓練等を受けた場合に、給付制限が解除される制度が導入されました。ただし、すべての講座が対象になるわけではありません。また、7日間の待期期間は必要です。

Q9. 給付制限が終了したら、すぐに振り込まれますか?

給付制限が終了した後も、原則としてハローワークで失業の認定を受ける必要があります。そのため、給付制限の終了日と初回振込日は、通常、同じ日ではありません。

Q10. 給付制限があると、基本手当を受け取れる日数も減りますか?

給付制限があるという理由だけで、所定給付日数が必ず減るわけではありません。ただし、基本手当の受給期間は原則として離職日の翌日から1年間であるため、受給手続きが遅れた場合などには、所定給付日数の全部を受け取れなくなることがあります。

まとめ|待期期間は全員に原則7日間、給付制限は一定の離職理由などによる追加の制限

「待期期間」と「給付制限」は、どちらも雇用保険の基本手当が支給されない期間ですが、適用される条件が異なります。

  • 待期期間:離職理由にかかわらず、原則として受給資格決定後、失業している日が通算7日に達するまでの期間。
  • 給付制限:正当な理由のない自己都合退職など、所定の事由に該当する場合に基本手当の支給が制限される期間。
  • 2026年時点の原則:2025年4月1日以降の正当な理由のない自己都合退職は、原則1か月の給付制限。ただし、一定の条件に該当する場合は3か月となる。

特に重要なのは、待期期間は退職した翌日から自動的に始まるわけではなく、原則としてハローワークで受給資格の決定を受けた日から始まるという点です。

また、給付制限については、2025年4月から原則1か月への短縮や、所定の教育訓練等による解除制度が導入されています。

基本手当の受給を希望する場合は、離職理由や離職日を確認し、必要な書類を準備して、ハローワークで手続きを行いましょう。

アルバイトや教育訓練、離職理由の訂正などについて不明な点がある場合は、ハローワークへ相談することが重要です。実際に問題が発生した際の考え方については、「対応」と「対処」の違いも参考になります。

参考資料・出典

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