「応能割」と「応益割」の違いとは?国民健康保険料の計算方法・所得割・均等割・軽減制度を解説

「国民健康保険の応能割と応益割は何が違う?」「所得割と均等割とは別の料金なの?」「収入がないのに国民健康保険料がかかるのはなぜ?」など、国民健康保険料・税の計算方法を調べていると、聞き慣れない言葉に出会うことがあります。

特に混同しやすいのが、「応能割」と「応益割」です。

結論からいうと、「応能割」は所得などの負担能力に応じて計算する部分、「応益割」は加入者の人数や加入世帯数などに応じて計算する部分です。

例えば、所得が高い人ほど多く負担する所得割は、応能割に分類されます。一方、所得の有無にかかわらず加入者1人ごとに一定額を計算する均等割は、応益割に分類されます。

国民健康保険料・税は、こうした異なる計算方法を組み合わせて算出する仕組みです。

ただし、すべての自治体が同じ項目を採用しているわけではありません。また、低所得世帯に対する軽減制度や、自治体による減免制度などによって、実際の負担額は変わります。

この記事では、応能割と応益割の違いを比較表で整理し、所得割・資産割・均等割・平等割との関係、具体的な計算例、2026年度の7割・5割・2割軽減、扶養家族の扱い、退職後の保険料について詳しく解説します。

  1. 「応能割」と「応益割」の違い【結論】
  2. 【徹底比較】「応能割」と「応益割」の違いを比較表で整理
  3. 「応能割」とは?所得などの負担能力に応じて決まる部分
    1. 応能割の代表例は「所得割」
    2. 所得割の基本的な計算方法
    3. 「資産割」も応能割の一種
  4. 「応益割」とは?加入者数や世帯数などで決まる部分
    1. 応益割の代表例は「均等割」
    2. 「平等割」も応益割の一種
    3. 応益割は、病院を利用した回数で決まるわけではない
  5. 「所得割」「資産割」「均等割」「平等割」の関係を整理
  6. 【計算例】応能割と応益割を組み合わせると、いくらになる?
  7. 所得がゼロでも応益割はかかる?
    1. 7割軽減が適用された場合の例
  8. 【2026年度】応益割の7割・5割・2割軽減の所得基準
    1. 加入者1人の場合の基準額
    2. 所得がない場合も申告が必要になることがある
  9. 未就学児の均等割は、さらに5割軽減される
  10. 家族が増えると、応能割と応益割はどう変わる?
    1. 新たな加入者に所得がある場合
    2. 新たな加入者に所得がない場合
    3. 国民健康保険には会社の健康保険のような扶養制度がない
  11. 退職した直後は、応能割と応益割のどちらが変わる?
    1. 退職した年の所得割は前年所得に注意
    2. 翌年度は所得の減少が反映される場合がある
    3. 倒産や解雇などでは特例的な軽減も関係する
  12. 【実践】応能割と応益割が関係する5つの場面
    1. 場面1:所得は増えたが、家族の人数は変わらない
    2. 場面2:所得は変わらないが、家族が1人増えた
    3. 場面3:所得が減り、7割軽減の対象になった
    4. 場面4:別の市区町村へ引っ越した
    5. 場面5:所得がなくなったが、納付通知書に高い金額が記載されていた
  13. 応能割と応益割の負担割合は全国共通?
  14. 納付通知書で確認したい5つのポイント
    1. 1. 所得割の算定基礎額を確認する
    2. 2. 均等割の対象人数を確認する
    3. 3. 平等割や資産割の有無を確認する
    4. 4. 法定軽減が適用されているか確認する
    5. 5. 計算内容に疑問がある場合は自治体へ相談する
  15. 「応能割」と「応益割」の3秒判定
  16. よくある間違いと注意点
    1. 「応能割と所得割は完全に同じ意味」は誤り
    2. 「応益割は、病院を多く利用した人ほど高くなる」は誤り
    3. 「所得がゼロなら応益割もゼロになる」は誤り
    4. 「7割軽減なら、応能割も応益割も7割減る」は誤り
    5. 「国民健康保険は全国どこでも同じ計算方法」は誤り
    6. 「家族に所得がなければ、人数が増えても保険料は変わらない」は誤り
  17. 「応能割」と「応益割」の例文12選
    1. 「応能割」を使った例文
    2. 「応益割」を使った例文
  18. FAQ|「応能割」と「応益割」のよくある質問
    1. Q1. 応能割と応益割の最も大きな違いは何ですか?
    2. Q2. 所得割は応能割と同じ意味ですか?
    3. Q3. 均等割は応益割と同じ意味ですか?
    4. Q4. 所得がゼロでも応益割はかかりますか?
    5. Q5. 7割・5割・2割軽減は、どちらに適用されますか?
    6. Q6. 家族が1人増えると、応益割も増えますか?
    7. Q7. 応能割にはどのような項目がありますか?
    8. Q8. 応益割にはどのような項目がありますか?
    9. Q9. 応益割は、病院を利用した回数によって変わりますか?
    10. Q10. 2026年度の7割・5割・2割軽減の所得基準はいくらですか?
    11. Q11. 退職したら応能割はすぐ安くなりますか?
    12. Q12. 応能割と応益割の金額はどこで確認できますか?
  19. まとめ|応能割は負担能力、応益割は加入者数や世帯数などを基準に計算する
  20. 参考資料・出典

「応能割」と「応益割」の違い【結論】

応能割と応益割は、国民健康保険料・税を構成する二つの大きな区分です。

  • 応能割:所得や資産など、保険料・税を負担する能力に応じて計算する部分。
  • 応益割:加入者の人数や世帯数などを基準として計算する部分。

「応能」は負担する能力に応じること、「応益」は制度による利益を受けることに応じるという考え方です。

ただし、国民健康保険の応益割は、実際に病院へ通った回数や、受けた医療サービスの金額に比例して計算するものではありません。

原則として、加入者1人当たりや加入世帯当たりの定額部分を指します。

一般的には、所得割が応能割、均等割と平等割が応益割です。また、資産割を採用している自治体では、資産割も応能割に分類されます。

【徹底比較】「応能割」と「応益割」の違いを比較表で整理

比較項目 応能割 応益割
読み方 おうのうわり おうえきわり
基本的な意味 負担能力に応じた部分 加入者数や世帯数などに応じた部分
代表的な項目 所得割・資産割 均等割・平等割
所得が増えた場合 所得割が原則として増える 加入人数などが同じなら、原則として変わらない
加入者が増えた場合 新たな加入者の所得などによって変わる 均等割が原則として増える
所得がゼロの場合 所得割は原則ゼロ。資産割があれば別途計算される場合がある 原則として発生するが、所定の軽減がある
低所得世帯の法定軽減 7割・5割・2割軽減の直接の対象ではない 均等割・平等割が対象
主な目的 負担能力の違いを反映する 加入者・加入世帯に一定の負担を求める

なお、応能割と応益割は、国民健康保険料・税に追加して請求される別々の料金の名前ではありません。

所得割や均等割など、実際の計算項目を大きく二つに分類した言葉です。

「応能割」とは?所得などの負担能力に応じて決まる部分

応能割の代表例は「所得割」

応能割の代表的な項目が所得割です。

所得割は、原則として国民健康保険の加入者の前年所得を基に計算します。

例えば、前年の所得が300万円の人と100万円の人では、所得割の算定基礎となる所得が異なるため、ほかの条件が同じであれば、前者の所得割のほうが高くなります。

ただし、国民健康保険料・税には賦課限度額が設けられています。そのため、所得が増えれば無制限に保険料・税が増えるわけではありません。

所得割の基本的な計算方法

所得割は、一般に次のような計算式で求めます。

所得割=所得割の算定基礎額×所得割率

所得割の算定基礎額は、原則として加入者の前年の総所得金額等から基礎控除額を差し引く方法で求めます。

例えば、前年所得300万円、基礎控除43万円、所得割率8%という架空の条件で計算してみましょう。

算定基礎額は257万円です。

257万円×8%=20万5,600円

この例では、所得割は年間20万5,600円です。

実際には医療分、後期高齢者支援金分、介護分など、区分ごとに異なる所得割率が適用されます。

「資産割」も応能割の一種

応能割には、所得割のほかに資産割という項目もあります。

資産割は、一般に土地や家屋などの固定資産税額などを基に計算する部分です。

ただし、現在、資産割を廃止している自治体も多く、すべての市区町村で採用されているわけではありません。

そのため、国民健康保険料・税の納付通知書に所得割と均等割だけが記載されていても、計算項目が不足しているとは限りません。

「応益割」とは?加入者数や世帯数などで決まる部分

応益割の代表例は「均等割」

応益割の代表的な項目が均等割です。

均等割は、国民健康保険に加入している人数に応じて計算されます。

例えば、1人当たりの年間均等割額が5万円という架空の条件で考えます。

加入者数 軽減前の均等割額
1人 50,000円
2人 100,000円
3人 150,000円
4人 200,000円

このように、均等割は原則として加入人数が増えるほど高くなります。

ただし、未就学児や低所得世帯に対する軽減措置などがあるため、最終的な金額が単純に人数分となるとは限りません。

「平等割」も応益割の一種

平等割は、国民健康保険に加入する1世帯ごとに計算する部分です。

例えば、年間の平等割額が2万円である自治体では、原則として国民健康保険の加入者が1人でも3人でも、1世帯分として2万円を計算します。

ただし、平等割を設けていない自治体もあります。

応益割は、病院を利用した回数で決まるわけではない

「応益」という言葉から、病院を多く利用した人ほど高い保険料を払う制度だと誤解する場合があります。

しかし、国民健康保険の応益割は、実際の受診回数や医療費に比例して計算するものではありません。

病院に一度も行かなかった人でも、国民健康保険に加入していれば、原則として均等割などの計算対象になります。

一方、病院で診療を受けた際の窓口負担は、保険料・税とは別の仕組みです。

「所得割」「資産割」「均等割」「平等割」の関係を整理

応能割と応益割を理解するために、四つの項目を整理しましょう。

分類 項目 計算の基準
応能割 所得割 加入者の前年所得など
資産割 固定資産税額など。採用していない自治体もある
応益割 均等割 加入者1人ごと
平等割 加入している1世帯ごと。採用していない自治体もある

例えば、所得割と均等割だけで計算する自治体では、応能割が所得割、応益割が均等割に相当します。

一方、所得割・均等割・平等割で計算する自治体では、応能割が所得割、応益割が均等割と平等割です。

【計算例】応能割と応益割を組み合わせると、いくらになる?

ここでは、仕組みを理解するため、架空の金額を使用して国民健康保険料・税を計算します。

前年所得が300万円、算定基礎額が257万円の人が、国民健康保険に1人で加入する場合を考えます。

項目 仮の計算条件 金額
所得割 257万円×8% 205,600円
均等割 1人×50,000円 50,000円
平等割 1世帯×20,000円 20,000円
年間合計 所得割+均等割+平等割 275,600円

この例では、応能割が20万5,600円、応益割が7万円、合計が27万5,600円です。

ただし、これは計算方法を示すための架空の例であり、実際の自治体の料率・税率ではありません。

実際には、年齢に応じた介護分、2026年度から導入された子ども・子育て支援金分、各区分の賦課限度額、軽減・減免措置なども考慮する必要があります。

所得がゼロでも応益割はかかる?

前年所得がゼロの場合、原則として所得割は発生しません。

一方、均等割や平等割は、原則として所得の有無にかかわらず計算されます。

例えば、均等割が年間5万円、平等割が年間2万円という架空の自治体で、加入者が1人の場合です。

所得割がゼロでも、軽減前の応益割は合計7万円になります。

ただし、前年の世帯所得が所定の基準以下であれば、7割・5割・2割の法定軽減が適用される場合があります。

7割軽減が適用された場合の例

先ほどの例で、応益割7万円に対して7割軽減が適用された場合です。

70,000円×30%=21,000円

この場合、軽減後の応益割は2万1,000円となります。

ただし、保険料・税のすべてが7割減るという意味ではありません。低所得世帯に対する法定軽減は、原則として均等割や平等割が対象です。

【2026年度】応益割の7割・5割・2割軽減の所得基準

国民健康保険では、所得の少ない世帯の負担を軽くするため、応益割である均等割・平等割の法定軽減が設けられています。

2026年度の基本的な所得基準は、次のとおりです。

軽減割合 2026年度の軽減判定所得の基準
7割軽減 43万円+10万円×(給与所得者等の人数-1)以下
5割軽減 43万円+31万円×被保険者等の人数+10万円×(給与所得者等の人数-1)以下
2割軽減 43万円+57万円×被保険者等の人数+10万円×(給与所得者等の人数-1)以下

給与所得者等が1人以下の場合、10万円を掛ける部分は加算しません。

また、被保険者等の人数には、国民健康保険の加入者だけでなく、所定の特定同一世帯所属者を含む場合があります。

実際の軽減判定では、国民健康保険に加入していない世帯主の所得が含まれる場合もあります。

加入者1人の場合の基準額

給与所得者等が1人以下で、被保険者等の人数が1人の場合、次のようになります。

軽減割合 軽減判定所得の基準額
7割軽減 43万円以下
5割軽減 74万円以下
2割軽減 100万円以下

ただし、ここでいう所得は、単純な給与収入の金額ではありません。公的年金所得の取り扱いや軽減判定に用いる所得の計算方法などにも注意が必要です。

所得がない場合も申告が必要になることがある

7割・5割・2割の法定軽減は、原則として自治体が所得情報などを基に判定します。

そのため、通常は特別な軽減申請をする必要はありません。

しかし、所得が未申告の人が世帯内にいる場合は、軽減が適用されないことがあります。

収入がゼロでも、必要に応じて所得の申告を行いましょう。

納付通知書に記載された金額を確かめることと、所得情報や家族構成を照らし合わせて計算内容を詳しく調べることの違いについては、「確認」と「検証」の違いも参考になります。

未就学児の均等割は、さらに5割軽減される

子育て世帯の負担を軽くするため、国民健康保険では2022年4月から、未就学児に係る均等割を5割軽減する制度が設けられています。

低所得世帯に対する7割・5割・2割軽減の対象になっている場合は、先にその軽減を適用した後、残った未就学児の均等割をさらに5割軽減します。

例えば、未就学児の均等割が年間5万円で、世帯に7割軽減が適用されている場合です。

まず、5万円を7割軽減すると、残額は1万5,000円です。

さらに、その半分が軽減されるため、最終的な負担は7,500円となります。

ただし、この計算は例示であり、実際には自治体の均等割額や端数処理などによって異なります。

家族が増えると、応能割と応益割はどう変わる?

新たな加入者に所得がある場合

例えば、国民健康保険に加入している人の配偶者が退職し、新たに同じ世帯の国民健康保険へ加入した場合です。

配偶者に前年所得があれば、その所得に応じた所得割が新たに計算されます。

また、加入者が1人増えるため、原則として均等割も増えます。

新たな加入者に所得がない場合

新たに加入する家族の前年所得がゼロの場合、原則として、その家族について所得割は発生しません。

しかし、均等割については原則として加入者1人分が加算されます。

ただし、世帯の所得状況によっては、法定軽減が適用される場合があります。

国民健康保険には会社の健康保険のような扶養制度がない

会社の健康保険では、所定の条件を満たす家族を被扶養者にできる場合があります。

一方、市区町村の国民健康保険には、同じ仕組みの被扶養者制度がありません。

そのため、収入のない配偶者や子どもであっても、国民健康保険へ加入する場合は、原則として均等割の計算対象となります。

ただし、子どもに対する均等割の軽減など、負担を軽くする制度があります。

退職した直後は、応能割と応益割のどちらが変わる?

会社を退職し、国民健康保険へ加入する場合は、前年所得を基に計算する応能割と、加入人数を基に計算する応益割の両方が関係します。

退職した年の所得割は前年所得に注意

例えば、2026年4月に退職して、その後の給与収入がなくなった場合でも、2026年度の国民健康保険料・税は、原則として2025年の所得などを基に計算されます。

そのため、退職した直後に所得割がゼロになるわけではありません。

翌年度は所得の減少が反映される場合がある

退職後の所得が大きく減少した場合、翌年度にその所得が反映され、所得割が下がる可能性があります。

一方、均等割は原則として加入人数に応じて計算するため、所得が減ったという理由だけで、自動的にゼロになるわけではありません。

ただし、世帯所得が所定の基準以下になれば、7割・5割・2割軽減の対象となる場合があります。

倒産や解雇などでは特例的な軽減も関係する

倒産や解雇、一定の雇止めなどによって離職した場合、所定の条件を満たせば、非自発的失業者に対する軽減を利用できることがあります。

この制度では、対象となる人の前年給与所得を30%とみなして保険料・税を計算します。

そのため、応能割である所得割だけでなく、応益割の法定軽減を判定する際の世帯所得にも影響する場合があります。

ただし、保険料・税の総額が必ず70%減るという意味ではありません。

【実践】応能割と応益割が関係する5つの場面

場面1:所得は増えたが、家族の人数は変わらない

国民健康保険に加入している家族の人数は同じで、前年所得だけが増えた場合です。

この場合、原則として所得割が増える方向になります。

一方、均等割や平等割は、加入人数や世帯数が変わらなければ、原則として基本額は変わりません。

ただし、所得の増加によって法定軽減の対象から外れると、応益割の実際の負担額も増える場合があります。

場面2:所得は変わらないが、家族が1人増えた

所得がない家族が、新たに国民健康保険へ加入した場合です。

この場合、その家族の所得割は原則としてゼロですが、均等割は原則として1人分が加算されます。

ただし、未就学児の軽減などが関係する場合があります。

場面3:所得が減り、7割軽減の対象になった

世帯所得が減少し、法定軽減の所得基準を満たした場合です。

所得の減少によって所得割が下がる可能性があるほか、均等割や平等割について7割軽減が適用される場合があります。

そのため、所得割と均等割の両方の負担が下がることがあります。

場面4:別の市区町村へ引っ越した

国民健康保険へ加入している人が、別の市区町村へ引っ越した場合です。

自治体によって所得割率や均等割額、平等割の有無などが異なるため、所得や加入人数が同じでも負担額が変わる場合があります。

また、年度ごとの料率・税率の改定によっても、同じ自治体内で金額が変わることがあります。

こうした制度や計算方法の改定について、一般的な言葉の使い分けを確認したい場合は、「変更」と「修正」の違いも参考になります。

場面5:所得がなくなったが、納付通知書に高い金額が記載されていた

退職や廃業によって収入がなくなったものの、納付通知書の負担額が想定より高い場合です。

まず、所得割の算定に使用された前年所得を確認しましょう。

また、均等割や平等割の軽減が適用されているか、所得の未申告がないかなども確認します。

納付が難しい場合は、自治体の減免や納付相談が関係することもあります。

応能割と応益割の負担割合は全国共通?

応能割と応益割の計算方法や料率・税率は、全国すべての自治体で同じではありません。

例えば、所得割と均等割だけを使用する自治体もあれば、それらに平等割を加えて計算する自治体もあります。

また、自治体によって所得割率や均等割額が異なるため、応能割と応益割の実際の金額の割合も変わります。

さらに、同じ自治体でも、所得の低い世帯では法定軽減によって応益割の負担が減るため、実際の負担割合は世帯によって異なる場合があります。

したがって、「応能割と応益割は、どの世帯でも必ず半分ずつ」と考えるのは正確ではありません。

納付通知書で確認したい5つのポイント

1. 所得割の算定基礎額を確認する

まず、前年の所得と所得割の算定基礎額を確認しましょう。

給与収入と給与所得は異なるため、源泉徴収票の支払金額が、そのまま所得割の算定基礎額になるわけではありません。

2. 均等割の対象人数を確認する

国民健康保険へ加入している家族の人数を確認しましょう。

退職によって家族が新たに加入した場合や、子どもが生まれた場合などは、均等割の対象人数が変わることがあります。

3. 平等割や資産割の有無を確認する

自治体によっては、平等割や資産割が設けられている場合があります。

一方、所得割と均等割だけで計算する自治体もあるため、納付通知書に記載された項目を確認しましょう。

4. 法定軽減が適用されているか確認する

世帯所得が所定の基準以下の場合は、均等割や平等割について7割・5割・2割の軽減が適用される場合があります。

また、未就学児に対する均等割軽減や、非自発的失業者への軽減も関係することがあります。

5. 計算内容に疑問がある場合は自治体へ相談する

所得割や均等割の計算に疑問がある場合は、住所地の市区町村の国民健康保険担当窓口へ問い合わせましょう。

所得情報や加入人数に誤りがある場合は、必要な資料や手続きについて確認する必要があります。

また、保険料・税の納付が難しい場合は、減免や分割納付、徴収猶予などを相談できる場合があります。

困った状況に応じて必要な行動を整理する際は、「対応」と「対処」の違いも参考になります。

「応能割」と「応益割」の3秒判定

確認したい内容 関係する言葉
負担能力に応じて金額を計算する 応能割
所得に応じて計算する 所得割・応能割
固定資産税額などを基に計算する 資産割・応能割
加入人数や世帯数を基に計算する 応益割
加入者1人ごとに計算する 均等割・応益割
加入する1世帯ごとに計算する 平等割・応益割
低所得世帯の7割・5割・2割軽減の主な対象 均等割・平等割

負担能力に応じるのが応能割、加入者数や世帯数などに応じるのが応益割と覚えましょう。

よくある間違いと注意点

「応能割と所得割は完全に同じ意味」は誤り

所得割は応能割の代表的な項目ですが、応能割には資産割が含まれる場合もあります。

そのため、制度上は応能割のほうが広い概念です。

「応益割は、病院を多く利用した人ほど高くなる」は誤り

応益割は、原則として加入人数や世帯数などを基準として計算する部分です。

病院へ通った回数や、受けた医療サービスの金額によって直接計算するものではありません。

「所得がゼロなら応益割もゼロになる」は誤り

均等割や平等割は、原則として所得の有無にかかわらず計算されます。

ただし、世帯所得が所定の基準以下であれば、法定軽減の対象になる場合があります。

「7割軽減なら、応能割も応益割も7割減る」は誤り

低所得世帯に対する7割・5割・2割の法定軽減は、原則として応益割である均等割・平等割が対象です。

所得割が同じ割合で直接軽減されるわけではありません。

「国民健康保険は全国どこでも同じ計算方法」は誤り

所得割率や均等割額、平等割や資産割の有無などは、自治体によって異なります。

そのため、所得や加入人数が同じでも、住んでいる市区町村によって負担額が異なる場合があります。

「家族に所得がなければ、人数が増えても保険料は変わらない」は誤り

所得のない家族が新たに国民健康保険へ加入した場合でも、均等割の対象人数が増えるため、保険料・税が変わる場合があります。

ただし、未就学児などの軽減制度や、世帯所得に応じた法定軽減が適用されることがあります。

「応能割」と「応益割」の例文12選

「応能割」を使った例文

  1. 国民健康保険料の応能割は、所得などの負担能力に応じて計算される。
  2. 所得が増えたため、応能割の負担額が高くなった。
  3. 所得割は、応能割の代表的な項目である。
  4. 自治体によっては、資産割を応能割として計算する場合がある。
  5. 退職後の所得減少が、翌年度の応能割に反映された。
  6. 応能割の計算方法について、市役所の担当窓口へ問い合わせた。

「応益割」を使った例文

  1. 応益割は、原則として加入人数や世帯数などを基準として計算する。
  2. 均等割は、応益割の代表的な項目である。
  3. 家族が国民健康保険へ加入したため、応益割の負担額が変わった。
  4. 世帯所得が所定の基準以下だったため、応益割の7割軽減が適用された。
  5. 未就学児の均等割について、応益割の軽減措置を確認した。
  6. 応益割に含まれる平等割の有無について、自治体の公式サイトを調べた。

FAQ|「応能割」と「応益割」のよくある質問

Q1. 応能割と応益割の最も大きな違いは何ですか?

応能割は所得などの負担能力に応じて計算する部分、応益割は加入人数や世帯数などを基準として計算する部分です。一般的には、所得割が応能割、均等割と平等割が応益割に分類されます。

Q2. 所得割は応能割と同じ意味ですか?

所得割は応能割の代表的な項目ですが、応能割には資産割が含まれる場合もあります。そのため、厳密には応能割のほうが広い概念です。

Q3. 均等割は応益割と同じ意味ですか?

均等割は応益割の代表的な項目ですが、応益割には平等割も含まれます。したがって、厳密には応益割のほうが広い概念です。

Q4. 所得がゼロでも応益割はかかりますか?

原則として、均等割や平等割は所得の有無にかかわらず計算されます。ただし、世帯所得が所定の基準以下であれば、7割・5割・2割の法定軽減が適用される場合があります。

Q5. 7割・5割・2割軽減は、どちらに適用されますか?

原則として、応益割である均等割と平等割が対象です。応能割である所得割が、同じ割合で直接軽減されるわけではありません。

Q6. 家族が1人増えると、応益割も増えますか?

原則として、加入者が増えると均等割の計算対象人数も増えます。ただし、未就学児の均等割軽減や低所得世帯の法定軽減などが適用される場合があります。

Q7. 応能割にはどのような項目がありますか?

代表的な項目は所得割です。また、資産割を採用している自治体では、資産割も応能割に含まれます。

Q8. 応益割にはどのような項目がありますか?

均等割と平等割があります。均等割は加入者1人ごと、平等割は加入している1世帯ごとに計算する部分です。ただし、平等割を設けていない自治体もあります。

Q9. 応益割は、病院を利用した回数によって変わりますか?

原則として変わりません。国民健康保険の応益割は、加入人数や世帯数などを基準として計算します。病院での受診回数や医療費を直接基準にするものではありません。

Q10. 2026年度の7割・5割・2割軽減の所得基準はいくらですか?

基本的には、7割が43万円、5割が43万円に被保険者等1人当たり31万円を加えた額、2割が43万円に同57万円を加えた額です。給与所得者等が複数いる場合などには、所定の加算があります。

Q11. 退職したら応能割はすぐ安くなりますか?

必ずしもそうではありません。所得割は原則として前年所得を基に計算するため、退職直後でも前年の給与所得が反映される場合があります。翌年度に所得の減少が反映されれば、所得割が下がる可能性があります。

Q12. 応能割と応益割の金額はどこで確認できますか?

住所地の市区町村から届く国民健康保険料・税の納付通知書や、自治体の公式サイトなどで確認できます。実際の計算内容に疑問がある場合は、国民健康保険担当窓口へ問い合わせましょう。

まとめ|応能割は負担能力、応益割は加入者数や世帯数などを基準に計算する

「応能割」と「応益割」は、国民健康保険料・税の計算方法を分類する重要な言葉です。

  • 応能割:所得などの負担能力に応じて計算する部分。所得割や、採用している自治体では資産割が含まれる。
  • 応益割:加入人数や世帯数などに応じて計算する部分。均等割と平等割が含まれる。
  • 軽減制度:低所得世帯に対する7割・5割・2割の法定軽減は、原則として応益割である均等割・平等割が対象になる。

特に重要なのは、所得がゼロの場合でも、均等割や平等割が発生する場合があることです。ただし、世帯所得が所定の基準以下なら、法定軽減が適用される可能性があります。

また、2026年度の軽減判定所得の基準は、5割軽減と2割軽減について見直されています。

国民健康保険料・税の納付通知書が届いたら、所得割率、均等割額、平等割の有無、加入人数、適用されている軽減制度などを確認しましょう。

参考資料・出典

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