「諮問」と「審議」の違いとは?意味・使い分けと「諮問→審議→答申」の流れを徹底解説

「審議会に諮問する」「審議会で審議する」。行政やニュースなどで見かける表現ですが、「諮問」と「審議」にはどのような違いがあるのでしょうか。

例えば、ある行政機関が新しい制度について専門家の意見を求める場合には、「審議会に諮問する」という表現が使われます。一方、その審議会が制度の内容について詳しく検討する場合には、「審議会で審議する」と表現します。

両者は同じ審議会に関係する言葉ですが、意味する行為は異なります。

結論からいうと、「諮問」は有識者や一定の機関に意見を求めること、「審議」はある物事について詳しく調査・検討し、そのよしあしなどを判断することです。

審議会の一般的な流れでは、行政機関などが審議会へ諮問し、審議会が調査・審議を行い、その結果を答申として示す場合があります。

ただし、すべての審議会が、必ずこの順番で活動するわけではありません。諮問を受けずに調査や検討を行う場合や、答申以外の形で意見を示す場合もあります。

この記事では、「諮問」と「審議」の意味や違いを比較表で整理し、行政・審議会・教育・企業・会議などの具体例を使って詳しく解説します。さらに、「答申」「協議」「相談」「審査」との違いや、諮問から答申までの一般的な流れも紹介します。

  1. 【結論】「諮問」は意見を求めること、「審議」は議題を詳しく検討すること
  2. 【徹底比較】「諮問」と「審議」の意味・主体・目的の違い
  3. 「諮問」の意味と正しい使い方
    1. 諮問とは専門家や機関に意見を求めること
    2. 諮問を使う代表的な例文
    3. 「諮問事項」とは何か
    4. 「諮問機関」とは何か
  4. 「審議」の意味と正しい使い方
    1. 審議とは議題について詳しく調査・検討すること
    2. 審議を使う代表的な例文
    3. 「慎重に審議する」とは何か
    4. 「審議中」とはどのような状態?
  5. 【実践】「諮問→審議→答申」の流れを具体例で解説
    1. 第1段階:行政機関などが審議会に諮問する
    2. 第2段階:審議会が調査・審議を行う
    3. 第3段階:審議結果を答申としてまとめる
    4. 第4段階:答申を踏まえて必要な判断を行う
  6. 【実践】中央教育審議会では「諮問」と「審議」をどう使う?
    1. 文部科学大臣から意見を求める場合
    2. 審議会が具体的な内容を検討する場合
  7. 【実践】地方自治体の審議会ではどう使い分ける?
    1. 自治体が審議会へ意見を求める場合は「諮問」
    2. 審議会が課題を調べ、議論する場合は「審議」
  8. 【実践】企業・社内委員会ではどう使い分ける?
    1. 経営陣が専門委員会に意見を求める場合
    2. 委員会が具体的な制度案を検討する場合
    3. 会社では正式な決裁と区別する
  9. 「諮問」と「答申」の違い
  10. 「審議」と「審査」の違い
  11. 「諮問」と「相談」の違い
  12. 「審議」と「協議」の違い
  13. 「諮問」「審議」「答申」「協議」「審査」を一度に比較
  14. 「諮問した」と「審議を開始した」は同じではない
  15. 諮問された内容は、必ず答申される?
  16. 審議会の答申は必ず採用される?
  17. ビジネス文書・報告書での使い分け
    1. 専門委員会に意見を求める場合
    2. 委員会で議論を進めている場合
    3. 検討結果を報告する場合
  18. 「諮問」と「審議」を使い分ける際の5つの注意点
    1. 1. 諮問しただけで審議が完了したわけではない
    2. 2. 審議は必ず諮問を受けて行うものではない
    3. 3. 審議会が審議しても、必ず最終決定するとは限らない
    4. 4. 日常的な相談をすべて諮問と呼ばない
    5. 5. 正式な制度では根拠法令や規則を確認する
  19. 参考資料
  20. 「諮問」と「審議」に関するよくある質問(FAQ)
    1. Q1. 諮問と審議は同じ意味ですか?
    2. Q2. 諮問と審議の違いを簡単に説明すると?
    3. Q3. 諮問と審議は、どちらが先ですか?
    4. Q4. 「審議会に諮問する」と「審議会で審議する」はどう違いますか?
    5. Q5. 諮問機関とはどのような機関ですか?
    6. Q6. 審議と答申は何が違いますか?
    7. Q7. 審議が終われば必ず答申されますか?
    8. Q8. 審議会の答申は必ず採用されますか?
    9. Q9. 諮問と相談はどう違いますか?
    10. Q10. 審議と協議はどう違いますか?
    11. Q11. 審議と審査は何が違いますか?
    12. Q12. 企業でも諮問という言葉を使えますか?
  21. まとめ:「諮問」は意見を求めること、「審議」は詳しく検討すること

【結論】「諮問」は意見を求めること、「審議」は議題を詳しく検討すること

諮問と審議の違いは、誰が、何を目的として行うのかを考えると理解しやすくなります。

  • 諮問(しもん):有識者や一定の機関に対して、ある問題について意見を求めること。
  • 審議(しんぎ):ある物事について詳しく調査・検討し、そのよしあしなどを判断すること。

例えば、教育制度の見直しについて、文部科学大臣が中央教育審議会へ意見を求める場合、その行為は「諮問」と呼ばれます。

そして、中央教育審議会が諮問された内容について資料を調べ、委員同士で議論し、必要な検討を進めることは「審議」です。

諮問は、意見を求める側の行為です。一方、審議は、問題や議題について詳しく検討する行為を指します。

さらに、審議会が諮問された事項について意見や結論をまとめ、諮問した側へ回答することを「答申」と呼びます。

つまり、「諮問」「審議」「答申」は、同じ手続きの中で連続して登場することがありますが、それぞれ異なる段階や行為を表しています。

【徹底比較】「諮問」と「審議」の意味・主体・目的の違い

比較項目 諮問 審議
読み方 しもん しんぎ
基本的な意味 有識者や一定の機関に意見を求めること ある物事について詳しく調査・検討すること
意味の重点 意見や判断を求める行為 議題を詳しく検討する行為
主な主体 行政機関の長・組織の責任者など 審議会・委員会・会議体など
相手の存在 意見を求める相手が必要 必ずしも外部から諮問を受ける必要はない
よく使う表現 審議会に諮問する・諮問事項・諮問機関 慎重に審議する・審議を重ねる・審議結果
答申との関係 諮問への回答として答申が行われる場合がある 審議結果が答申としてまとめられる場合がある
代表的な例文 大臣が審議会に制度改革を諮問した。 審議会が制度改革について審議した。

例えば、自治体が公共施設の今後のあり方について、専門家や関係者で構成される審議会に意見を求めた場合、「自治体が審議会に諮問した」と表現できます。

その後、審議会が施設の利用状況や維持管理費などを調べ、複数の選択肢について検討した場合には、「審議会が公共施設のあり方について審議した」と表現します。

このように、諮問と審議は、同じ問題について行われる場合でも、行為の主体と目的が異なります。

「諮問」の意味と正しい使い方

諮問とは専門家や機関に意見を求めること

「諮問」は、有識者や一定の機関に対して、ある問題についての意見を求めることです。

例えば、行政機関が新しい制度を検討する際、その分野に詳しい専門家で構成される審議会へ意見を求める場合があります。

このような行為は、「審議会に諮問する」と表現されます。

諮問では、何について意見を求めるのかという「諮問事項」が重要になります。

例えば、制度を改める必要があるか、どのような方針が適切かなど、検討してほしい課題を示します。

諮問を使う代表的な例文

  • 大臣が審議会に制度の見直しを諮問した。
  • 自治体が専門委員会に公共施設のあり方を諮問する。
  • 新しい計画の策定について、有識者会議に諮問した。
  • 審議会は、諮問事項について検討を開始した。
  • 専門家の意見を求めるため、諮問機関を設けた。
  • 諮問された事項について、必要な資料を収集する。
  • 諮問の内容を踏まえ、審議会で議論を進める。
  • 審議会への諮問に先立ち、関係部署で課題を整理した。

「諮問事項」とは何か

諮問事項とは、諮問する側が、意見を求める相手に対して示す検討事項です。

例えば、新しい教育制度について審議会に諮問する場合、何を検討してほしいのかを具体的に示します。

諮問事項が明確であれば、審議会は検討すべき範囲や、必要となる資料を整理しやすくなります。

ただし、審議会の具体的な検討方法や権限は、設置の根拠となる法令や運営規則などによって異なります。

「諮問機関」とは何か

諮問機関とは、行政機関などからの諮問に応じて、調査や審議を行い、意見を答申する機関です。

例えば、中央教育審議会は、文部科学大臣の諮問に応じて、教育に関する重要事項などを調査審議する役割を持っています。

ただし、諮問機関の役割は、すべて同じではありません。根拠法令などによって、審議する事項や意見を示す方法が異なります。

「審議」の意味と正しい使い方

審議とは議題について詳しく調査・検討すること

「審議」は、ある物事について詳しく調査・検討し、そのよしあしなどを判断することです。

例えば、審議会で新しい制度のあり方を話し合い、必要な資料を調べながら検討を進める場合には、「制度のあり方を審議する」と表現します。

審議は、単に意見を聞くだけでなく、対象となる事項について詳しく調べ、検討する行為です。

ただし、必ずしも最終的な決定まで行うことを意味するわけではありません。審議会が検討結果を示し、最終的な決定は別の機関が行う場合もあります。

審議を使う代表的な例文

  • 審議会が制度改革について審議した。
  • 提出された資料を基に、委員会で審議を進める。
  • 複数の選択肢について慎重に審議した。
  • 審議の結果を報告書にまとめた。
  • 委員から追加資料を求める意見が出され、審議を継続した。
  • 議題について十分な審議時間を確保する。
  • 審議会での審議を経て、答申がまとめられた。
  • 審議内容について、議事録を公開した。

「慎重に審議する」とは何か

「慎重に審議する」は、議題について必要な情報を確認し、十分に検討しながら議論することを意味します。

例えば、新しい制度の導入によって、さまざまな関係者に影響が生じる可能性がある場合です。

制度の目的や費用、運用上の課題などを確認し、複数の観点から議論することは、慎重な審議と表現できます。

ただし、「慎重に審議した」という言葉だけで、実際にどの程度の検討が行われたかを判断することはできません。

審議の内容を把握するには、議事録や配布資料、答申などを確認する必要があります。

「審議中」とはどのような状態?

「審議中」は、議題について調査や検討が進められている状態を表します。

例えば、新しい制度について審議会で検討している段階では、「制度案は審議中です」と表現できます。

ただし、審議中であることは、その制度の内容や実施が正式に決定したことを意味しません。

また、審議が終了した後でも、答申の作成や、関係機関による別の手続きが必要になる場合があります。

【実践】「諮問→審議→答申」の流れを具体例で解説

諮問と審議の違いを理解するには、答申を含めた一連の流れを見るとわかりやすくなります。

例えば、行政機関がある制度の見直しについて、専門家の意見を求める場合を考えてみましょう。

段階 主な主体 行うこと 代表的な表現
1. 諮問 大臣・行政機関の長など 審議会へ意見を求める 審議会に制度改革を諮問する
2. 審議 審議会・委員会など 資料を調べ、意見を交わし、検討する 諮問事項について審議する
3. 答申 審議会・委員会など 諮問への回答として意見や結論をまとめる 審議会が答申を提出する
4. その後の対応 諮問した機関など 答申を踏まえ、必要な判断や手続きを行う 答申を参考に制度の見直しを検討する

第1段階:行政機関などが審議会に諮問する

まず、行政機関などが、専門的な検討を必要とする事項について審議会に意見を求めます。

例えば、「今後の教育制度のあり方について、中央教育審議会に諮問する」といった表現です。

この時点では、審議会に対して意見を求める行為が行われた段階です。諮問しただけで、審議が完了したわけではありません。

第2段階:審議会が調査・審議を行う

次に、審議会が諮問された事項について検討を行います。

例えば、現行制度の状況や関連する資料を確認し、委員の間で意見を交わします。

必要に応じて、分科会や部会などが設けられ、特定の事項について詳しく検討する場合もあります。

ただし、審議会ごとに運営方法は異なります。実際の議事手続きについては、設置根拠や運営規則などを確認する必要があります。

第3段階:審議結果を答申としてまとめる

審議会が諮問された事項について検討を終え、その結果を意見や結論としてまとめ、諮問した側へ示すことを「答申」と呼びます。

例えば、「中央教育審議会が文部科学大臣に答申した」という表現です。

答申は、審議会としての意見を示すものですが、答申が提出されたからといって、その内容がそのまま正式な制度になるとは限りません。

第4段階:答申を踏まえて必要な判断を行う

答申を受け取った行政機関などは、その内容を参考にしながら、必要な方針や手続きについて検討する場合があります。

ただし、答申の取り扱いや、その後に必要となる手続きは、制度によって異なります。

重要なのは、諮問・審議・答申と、制度の正式な決定や実施とを区別することです。

【実践】中央教育審議会では「諮問」と「審議」をどう使う?

文部科学大臣から意見を求める場合

中央教育審議会は、教育などに関する重要事項について、文部科学大臣の諮問に応じて調査審議する役割を持っています。

例えば、文部科学大臣が教育に関する計画のあり方について意見を求める場合には、「中央教育審議会に諮問する」と表現します。

実際に文部科学省は、中央教育審議会への諮問や答申について、公式サイトで公開しています。

審議会が具体的な内容を検討する場合

諮問を受けた中央教育審議会が、教育制度の現状や課題などを詳しく調べ、検討することは「審議」です。

例えば、「中央教育審議会で教育振興に関する計画について審議する」という表現が使えます。

ただし、中央教育審議会では、諮問を受けた事項以外にも、根拠法令に基づいて意見を述べる場合があります。

したがって、審議会で検討されるすべての事項について、必ず諮問が先に行われると考えるのは適切ではありません。

【実践】地方自治体の審議会ではどう使い分ける?

自治体が審議会へ意見を求める場合は「諮問」

地方自治体でも、条例などに基づいて設置された審議会へ、特定の事項について意見を求める場合があります。

例えば、公共施設の整備方針や地域の計画などについて、専門家や関係者で構成される審議会に諮問する場合です。

この場合、「市長が審議会に公共施設の整備方針を諮問した」と表現できます。

審議会が課題を調べ、議論する場合は「審議」

審議会が諮問を受け、公共施設の利用状況や将来の維持管理などについて検討する場合には、「審議」が使われます。

例えば、「審議会は、公共施設のあり方について審議を重ねた」という文章です。

ただし、自治体ごとに審議会の設置根拠や権限、運営方法などは異なります。

特定の自治体の手続きについて説明する場合には、その自治体の条例や審議会の規則などを確認しましょう。

【実践】企業・社内委員会ではどう使い分ける?

経営陣が専門委員会に意見を求める場合

諮問という言葉は、行政機関だけに使うものではありません。

例えば、会社の経営陣が、新しい人事制度の導入について、社内の専門委員会へ意見を求める場合があります。

このような場合には、「経営陣が委員会に人事制度の見直しを諮問した」と表現できます。

ただし、一般的な社内会議で単に意見を聞く程度であれば、「相談する」「意見を求める」などの方が自然な場合もあります。

委員会が具体的な制度案を検討する場合

一方、委員会が新しい制度案について、費用や実施方法、従業員への影響などを調べながら検討する場合には、「審議」という言葉が使えます。

例えば、「人事制度検討委員会が、新制度の導入案について審議した」という文章です。

この場合、委員会が具体的な議題について詳しく検討していることが中心です。

会社では正式な決裁と区別する

企業の委員会が審議を行っても、その結果が直ちに会社としての正式な決定になるとは限りません。

例えば、委員会が新しい設備の導入案について審議し、経営陣に意見を提出する場合があります。

その後、会社の権限規程などに従って、必要な決裁や承認が行われる場合もあります。

そのため、社内文書では、「委員会で審議した」「委員会としての意見をまとめた」「正式に承認された」など、段階を区別して記載するとよいでしょう。

「諮問」と「答申」の違い

諮問と密接に関係する言葉が「答申」です。

答申は、諮問を受けた機関が、問いかけられた事項について意見や結論を示すことです。

例えば、大臣が審議会へある制度について諮問し、その審議会が検討結果を大臣に提出した場合、後者の行為は答申と呼ばれます。

つまり、諮問は意見を求める行為であり、答申は、それに対して意見や結論を返す行為です。

その間に行われる具体的な調査や検討が、審議に当たります。

詳しくは、関連記事の「諮問」と「答申」の違いをご覧ください。

「審議」と「審査」の違い

審議と意味が近い言葉に「審査」があります。

審査は、一定の基準などに照らして、物事や対象を詳しく調べ、適否や優劣などを判断することです。

一方、審議は、ある議題や問題について詳しく調査・検討し、そのよしあしなどを判断することを意味します。

例えば、制度のあり方について審議会で議論する場合には「審議」、申請内容が定められた基準に適合しているか調べる場合には「審査」が自然です。

ただし、法律や組織の制度によっては、審議の中で審査が行われる場合もあります。

例えば、審議会が特定の申請に関する事項について諮問を受け、内容を審議したうえで答申する場合です。

詳しくは、関連記事の「審議」と「審査」の違いも参考にしてください。

「諮問」と「相談」の違い

諮問と意味の近い言葉に「相談」があります。

相談は、ある問題について、相手と話し合ったり、意見を聞いたりすることを意味します。

例えば、上司に業務の進め方について相談する場合には、「上司に相談する」が自然です。

一方、専門家や一定の機関に対して、特定の事項について正式に意見を求める場合には、「諮問」という言葉が使われます。

例えば、「大臣が審議会に諮問する」という表現です。

ただし、諮問も広い意味では意見を求める行為です。単に人に質問したり、悩みを聞いてもらったりする場合まで、すべて諮問と呼ぶわけではありません。

「審議」と「協議」の違い

審議と混同しやすい言葉に「協議」があります。

協議は、関係者が集まって相談し、話し合うことです。

例えば、取引先と納期について話し合う場合には、「納期について協議する」と表現できます。

一方、委員会などが特定の議題について資料を調べ、詳しく検討する場合には、「審議」が自然です。

ただし、審議の中で委員同士が協議する場合もあるため、両者は完全に別の行為ではありません。

詳しくは、関連記事の「協議」と「相談」の違いも参考にしてください。

「諮問」「審議」「答申」「協議」「審査」を一度に比較

言葉 意味の中心 代表的な例文
諮問 有識者や一定の機関に意見を求める 大臣が審議会に諮問した。
審議 ある議題について詳しく調査・検討する 審議会で制度案を審議した。
答申 諮問された事項について意見や結論を返す 審議会が大臣に答申した。
協議 関係者が集まって相談・話し合う 関係部署で日程について協議した。
審査 一定の基準などに照らして詳しく調べる 申請書の内容を審査した。

例えば、会社が新しい制度について専門委員会に諮問し、委員会が制度の内容を審議したうえで、経営陣へ答申する場合があります。

その審議の中で、必要に応じて委員同士が協議し、個別の資料や申請内容などについて審査することも考えられます。

このように、関連する言葉は、同じ業務や手続きの中で組み合わせて使われる場合があります。

「諮問した」と「審議を開始した」は同じではない

諮問と審議を使い分けるうえで重要なのが、手続きの進捗を正確に伝えることです。

例えば、行政機関が審議会に諮問した段階では、審議会へ意見を求める行為が行われたことを意味します。

しかし、諮問された事項について、審議会がすでに具体的な議論を始めているとは限りません。

また、「審議を開始した」という表現だけでは、審議が終了したかどうかもわかりません。

そのため、ニュース記事や業務報告書などでは、次のように段階を区別するとわかりやすくなります。

  • 審議会に諮問した。
  • 審議会で審議を開始した。
  • 審議会で審議を継続している。
  • 審議会が答申をまとめた。
  • 答申を踏まえ、関係機関が必要な検討を進めている。

これらは、それぞれ異なる進捗を表しています。

諮問された内容は、必ず答申される?

諮問された事項については、一般的に、その内容を審議し、答申として意見を示すことが想定されます。

しかし、諮問が行われたからといって、必ず特定の時期に答申が提出されるとは限りません。

例えば、審議に時間がかかる場合や、追加資料の確認が必要になる場合があります。

また、実際の手続きや意見のまとめ方は、審議会の根拠法令や運営規則などによって異なります。

したがって、特定の諮問について、その後の審議状況や答申の有無を確認したい場合には、当該審議会が公開している議事録や資料などを確認する必要があります。

審議会の答申は必ず採用される?

審議会が答申を行ったとしても、その内容が必ずそのまま採用されるとは限りません。

答申は、諮問された事項について審議会が示す意見や結論です。

一方、制度を正式に決定したり、必要な手続きを進めたりする権限は、制度によって異なります。

例えば、法律の改正を必要とする場合には、別途、法律上必要な手続きが関係します。

そのため、答申の内容と、最終的に決定された制度の内容を区別して確認することが重要です。

ビジネス文書・報告書での使い分け

専門委員会に意見を求める場合

会社が正式な委員会を設置し、特定の事項について専門的な意見を求める場合には、「諮問」という言葉が使えます。

例えば、次のような文章です。

「新しい人事制度の導入について、専門委員会に諮問いたしました。」

この場合、専門委員会へ意見を求めたことを説明しています。

委員会で議論を進めている場合

一方、委員会が実際に議題について検討を進めている場合には、「審議」が適しています。

例えば、次のような文章です。

「現在、専門委員会において、新しい人事制度の導入案について審議を進めております。」

この文章では、委員会が具体的な検討を行っていることを示しています。

検討結果を報告する場合

委員会での検討が終了し、その結果を報告する場合には、次のように書けます。

「専門委員会における審議が終了し、検討結果を報告書にまとめました。」

ただし、その委員会に正式な答申の役割が定められていない場合には、単に「答申した」と表現するよりも、「意見をまとめた」「報告書を提出した」など、実際の行為に合わせる方が明確です。

「諮問」と「審議」を使い分ける際の5つの注意点

1. 諮問しただけで審議が完了したわけではない

諮問は、有識者や一定の機関に意見を求めることです。

そのため、諮問した段階では、審議会がまだ具体的な審議を始めていない場合もあります。

手続きの進捗を説明する場合には、「諮問した」と「審議を開始した」を区別しましょう。

2. 審議は必ず諮問を受けて行うものではない

審議会や委員会は、諮問を受けた事項について審議することがあります。

しかし、審議そのものは、諮問を受けた場合にしか使えない言葉ではありません。

例えば、会議の参加者が議題について詳しく検討する場合にも、「審議する」と表現できます。

3. 審議会が審議しても、必ず最終決定するとは限らない

審議会が制度案について詳しく検討し、答申を提出する場合があります。

しかし、審議会の役割が意見を示すことに限られている場合、最終的な決定は別の機関が行います。

そのため、「審議会が答申した」と「制度の導入が正式に決定した」は、区別して説明する必要があります。

4. 日常的な相談をすべて諮問と呼ばない

諮問は、有識者や一定の機関に意見を求める場合に使われやすい、比較的改まった言葉です。

例えば、上司に業務の進め方について意見を聞く程度であれば、「相談する」「意見を求める」の方が自然です。

正式な委員会などへの意見照会かどうかを考え、文脈に合った表現を選びましょう。

5. 正式な制度では根拠法令や規則を確認する

審議会ごとに、審議する事項や運営方法、意見を示す方法などが定められている場合があります。

例えば、文部科学省が公開する科学技術・学術審議会の運営規則では、会議の招集や議長、書面による議決などについて定められています。

特定の審議会の手続きを説明する場合には、一般的な言葉の意味だけで判断せず、実際の規則や公開資料を確認することが重要です。

参考資料

「諮問」と「審議」に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 諮問と審議は同じ意味ですか?

同じではありません。諮問は、有識者や一定の機関に意見を求めることです。一方、審議は、ある物事について詳しく調査・検討し、そのよしあしなどを判断することを意味します。

Q2. 諮問と審議の違いを簡単に説明すると?

諮問は「専門家や機関に意見を聞くこと」、審議は「議題について詳しく検討すること」と考えるとわかりやすいでしょう。審議会では、諮問された事項について審議し、その結果を答申として示す場合があります。

Q3. 諮問と審議は、どちらが先ですか?

審議会が諮問を受けて検討を行う場合には、通常、諮問が先で、その後に審議が行われます。ただし、審議は必ず諮問を受けて行うものではありません。

Q4. 「審議会に諮問する」と「審議会で審議する」はどう違いますか?

「審議会に諮問する」は、行政機関などが審議会に意見を求めることです。一方、「審議会で審議する」は、審議会が実際に議題について調査や検討を行うことを意味します。

Q5. 諮問機関とはどのような機関ですか?

諮問機関は、行政機関などの諮問に応じて、学識経験者などが調査・審議し、意見を答申する機関です。ただし、具体的な役割や権限は、設置根拠となる法令などによって異なります。

Q6. 審議と答申は何が違いますか?

審議は、ある事項について詳しく調査・検討することです。一方、答申は、諮問された事項について審議会などが意見や結論をまとめ、諮問した側へ回答することを意味します。

Q7. 審議が終われば必ず答申されますか?

必ずしもそうではありません。審議会の役割や、検討している事項によって、意見のまとめ方や提出方法が異なります。特定の審議会の手続きについては、設置根拠や運営規則などを確認する必要があります。

Q8. 審議会の答申は必ず採用されますか?

必ずしもそうではありません。答申は、諮問された事項について審議会が示す意見や結論です。その後、どのような判断や手続きが行われるかは、対象となる制度などによって異なります。

Q9. 諮問と相談はどう違いますか?

相談は、ある問題について相手と話し合ったり、意見を聞いたりすることを幅広く表します。一方、諮問は、有識者や一定の機関に対して、特定の問題について意見を求める場合に使われやすい言葉です。

Q10. 審議と協議はどう違いますか?

審議は、ある議題について詳しく調査・検討することです。一方、協議は、関係者が集まって相談・話し合うことを意味します。審議の過程で協議が行われる場合もあります。

Q11. 審議と審査は何が違いますか?

審議は、議題や問題について詳しく調査・検討することです。一方、審査は、一定の基準などに照らして、対象を詳しく調べ、適否などを判断することを意味します。例えば、制度のあり方について審議する場合と、申請書の内容を審査する場合では、重点が異なります。

Q12. 企業でも諮問という言葉を使えますか?

使えます。例えば、経営陣が正式な専門委員会に対して、新しい人事制度などについて意見を求める場合には、「委員会に諮問する」と表現できます。ただし、通常の社内相談などであれば、「相談する」「意見を求める」の方が自然な場合もあります。

まとめ:「諮問」は意見を求めること、「審議」は詳しく検討すること

「諮問」と「審議」は、どちらも審議会や委員会などの活動に関係する言葉ですが、次のような違いがあります。

  • 諮問:有識者や一定の機関に対して、ある問題について意見を求めること。
  • 審議:ある物事について詳しく調査・検討し、そのよしあしなどを判断すること。

例えば、大臣が審議会に制度の見直しについて意見を求める場合には「諮問」、その審議会が制度の内容について詳しく検討する場合には「審議」が自然です。

審議会の活動では、諮問を受けて審議を行い、その結果を答申として示す場合があります。

ただし、すべての審議が諮問に基づいて行われるわけではなく、答申が提出されたからといって、必ずその内容が正式に採用されるとも限りません。

ニュースや行政文書を読む際には、「誰が意見を求めたのか」「どの機関が検討しているのか」「すでに答申が提出されたのか」を区別すると、手続きの進捗を正確に理解しやすくなります。

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