「早期退職制度を利用して会社を辞める」「会社が希望退職者を募集する」など、「早期退職」と「希望退職」は、企業の人事や雇用に関するニュースでよく使われる言葉です。
どちらも定年を迎える前に会社を辞める場面で使われますが、具体的には何が違うのでしょうか。
結論からいうと、「早期退職」は定年を迎える前に退職することを広く表す言葉、「希望退職」は企業が退職希望者を募る仕組みを指す言葉です。
例えば、企業が従業員の多様な働き方を支援するため、一定の年齢に達した社員を対象とする早期退職優遇制度を設ける場合があります。
一方、業績悪化や事業再編などを背景に、企業が一定期間に限って希望退職者を募集する場合もあります。
両者は意味が重なることもありますが、退職金の割増し、募集対象、離職理由、雇用保険の取り扱いなどについて、同じものだと考えることはできません。
この記事では、「早期退職」と「希望退職」の基本的な意味から、会社都合・自己都合の違い、割増退職金、失業給付、応募する前に確認すべき事項まで、具体例を交えて解説します。
- 「早期退職」と「希望退職」の違い【結論】
- 【徹底比較】「早期退職」と「希望退職」の違いを比較表で整理
- 「早期退職」とは?意味と正しい使い方
- 「希望退職」とは?意味と正しい使い方
- 早期退職優遇制度と希望退職者募集の3つの違い
- 【重要】希望退職は会社都合?自己都合?
- 失業給付はどう変わる?
- 割増退職金は必ずもらえる?
- 【実践】早期退職・希望退職を検討する際の5つのポイント
- 早期退職・希望退職で起こりやすい問題
- 「早期退職」「希望退職」と似た言葉の違い
- 「早期退職」と「希望退職」の3秒判定
- よくある間違いと注意点
- 「早期退職」と「希望退職」の例文12選
- FAQ|「早期退職」と「希望退職」のよくある質問
- まとめ|早期退職は定年前の退職、希望退職は会社による退職希望者の募集
- 参考資料・出典
「早期退職」と「希望退職」の違い【結論】
早期退職と希望退職を区別するうえで重要なのは、定年前に退職すること自体を表しているのか、会社が退職希望者を募集する制度について述べているのかという点です。
- 早期退職:一般に、定年を迎える前に退職すること。企業が設ける早期退職優遇制度による退職を指す場合もある。
- 希望退職:企業が一定の対象者や募集期間、退職条件などを示し、退職を希望する従業員を募集すること。
例えば、50歳以上の従業員を対象に、将来のキャリアを考える機会として、常設の早期退職優遇制度を設けている企業があります。
一方、事業の縮小や組織再編に伴って、一定の人数を対象に臨時の希望退職を募集する企業もあります。
ただし、「早期退職」は希望退職を含む広い意味で使われる場合もあります。また、企業によって「早期希望退職」「選択定年制度」など、異なる名称が使われることもあります。
そのため、名称だけで判断せず、制度の目的、募集時期、応募条件、退職金、離職理由などを確認することが大切です。
【徹底比較】「早期退職」と「希望退職」の違いを比較表で整理
| 比較項目 | 早期退職 | 希望退職 |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 定年より前に退職すること | 企業が退職希望者を募集すること |
| 代表的な制度 | 早期退職優遇制度 | 希望退職者募集制度 |
| 制度の設置時期 | 常設制度として設けられる場合がある | 一定期間に限って臨時に募集する場合がある |
| 主な背景の例 | キャリアの転換、世代交代、多様な働き方の支援など | 事業再編、経営合理化、人員構成の見直しなど |
| 対象者 | 年齢や勤続年数など、制度で定めた条件による | 会社が示す対象部門、年齢、勤続年数などによる |
| 募集期間 | 常設または期間限定など | 期間限定の場合が多い |
| 退職金 | 制度に応じて割増しがある場合もある | 募集条件に応じて割増しがある場合もある |
| 会社の承認 | 制度によって必要な場合がある | 募集要項で会社の承認を条件とする場合がある |
| 雇用保険上の離職理由 | 退職の事情に応じて判断される | 募集の背景や退職の経緯に応じて判断される |
| 共通点 | 定年前の退職に関連して使われ、退職金の割増しや再就職支援が設けられる場合がある | |
この表は、企業で見られる代表的な制度の傾向を整理したものです。すべての企業が同じ名称や条件で制度を運用しているわけではありません。
「早期退職」とは?意味と正しい使い方
早期退職は、定年より前に退職すること
「早期退職」は、一般に、定年を迎える前に会社を辞めることを意味します。
例えば、60歳が定年の企業で、55歳の従業員が退職する場合、「定年前に早期退職した」と表現できます。
ただし、早期退職という言葉自体は、退職する理由や、会社から優遇措置を受けるかどうかまで必ず表すものではありません。
個人的な事情で定年前に退職する場合も、広い意味では早期退職に含まれます。
早期退職優遇制度は、会社が設ける制度の一つ
企業によっては、定年より前に退職を希望する従業員に対して、一定の優遇措置を設ける場合があります。
このような制度は、一般的に「早期退職優遇制度」と呼ばれます。
例えば、一定の年齢と勤続年数を満たした従業員が、制度を利用して退職する場合に、通常の退職金に加えて一定額を上乗せする仕組みです。
ほかにも、再就職支援やキャリア相談などが設けられる場合があります。
ただし、どのような優遇措置があるかは企業によって異なり、必ず割増退職金が支給されるわけではありません。
常設の制度と期間限定の制度がある
早期退職優遇制度は、従業員が一定の年齢などの条件を満たせば利用を申し込める常設制度として設けられる場合があります。
一方、一定期間に限って早期退職希望者を募集する場合もあります。
そのため、「早期退職制度」という名称だけで、常設の制度なのか、臨時の募集なのかを判断することはできません。
特に雇用保険上の離職理由を考える場合には、従来から恒常的に設けられていた制度なのか、企業の人員整理などを背景とする募集なのかが重要になる場合があります。
「早期退職」の例文
- 定年まであと5年だったが、早期退職を選んだ。
- 会社が設けている早期退職優遇制度について説明を受けた。
- 早期退職後の生活費と再就職の可能性を検討した。
- 早期退職制度の応募条件について、人事部に確認した。
- 早期退職後は、これまでの経験を生かして別の会社で働く予定だ。
「希望退職」とは?意味と正しい使い方
希望退職は、会社が退職希望者を募集すること
「希望退職」は、企業が従業員に対して一定の条件を示し、退職を希望する人を募集することです。
例えば、会社が事業再編に伴い、特定の事業部門で一定期間、希望退職者を募集する場合があります。
従業員は、募集条件を確認し、希望する場合に応募します。
ただし、応募すれば必ず退職が認められるとは限りません。会社の承認を条件とする制度もあります。
希望退職は経営合理化などを背景に募集される場合がある
希望退職者の募集は、企業が経営合理化や事業再編などを行う際に実施される場合があります。
例えば、事業の縮小に伴って人員構成を見直す場合や、一部の事業から撤退する場合などです。
ただし、希望退職の募集が行われたという事実だけで、その企業が経営破綻する状況にあると判断することはできません。
募集の目的や背景は、企業ごとの公表資料などを確認する必要があります。
割増退職金や再就職支援が設けられる場合がある
企業が希望退職者を募集する際には、応募者に対して、通常の退職金に一定額を上乗せする場合があります。
また、外部の再就職支援サービスを利用できるようにしたり、キャリア相談を実施したりする場合もあります。
ただし、これらの条件はすべての希望退職制度に共通するものではありません。
実際に応募する際は、募集要項に記載された退職金や支援内容などを確認しましょう。
「希望退職」の例文
- 会社が事業再編に伴い、希望退職者の募集を開始した。
- 希望退職の募集条件について、人事担当者に問い合わせた。
- 割増退職金の支給条件を確認し、希望退職への応募を検討している。
- 希望退職に応募したが、会社の承認が必要と説明された。
- 希望退職後の再就職に向けて、キャリア相談を受けた。
早期退職優遇制度と希望退職者募集の3つの違い
違い1:常設制度か、臨時の募集か
早期退職優遇制度は、一定の年齢や勤続年数に達した従業員を対象として、常設制度として運用される場合があります。
一方、希望退職者募集は、事業再編や組織の見直しなどに伴い、一定期間に限って実施される場合があります。
ただし、早期退職制度でも期間限定の募集が行われることがあり、名称だけで明確に区別できるわけではありません。
違い2:募集の目的や対象者が異なる場合がある
常設の早期退職優遇制度では、従業員のキャリア転換などを支援する目的で、年齢や勤続年数などの条件が設定される場合があります。
一方、臨時の希望退職者募集では、事業部門や職種、年齢など、会社が見直しを行う対象に応じて募集条件が設定される場合があります。
例えば、50歳以上の従業員全体を対象とする制度もあれば、特定の事業部門に所属する従業員だけを対象とする募集もあります。
違い3:雇用保険上の離職理由が異なる場合がある
早期退職と希望退職の違いで、特に注意したいのが雇用保険の取り扱いです。
ハローワークでは、会社から退職勧奨を受けて離職した場合と、従来から恒常的に設けられている早期退職優遇制度などに応募して離職した場合を区別しています。
また、企業の人員整理などによる希望退職者の募集に応じた場合は、具体的な状況によって、特定受給資格者や特定理由離職者などに該当する場合があります。
そのため、制度の名称や退職金の割増しの有無だけで、雇用保険上の離職理由を判断することはできません。
【重要】希望退職は会社都合?自己都合?
希望退職についてよくある疑問の一つが、会社都合退職として扱われるのか、それとも自己都合退職になるのかという点です。
結論からいうと、希望退職に応募したからといって、すべての人が自動的に同じ離職理由になるわけではありません。
会社からの退職勧奨で離職した場合
ハローワークの基準では、事業主から直接または間接に退職するよう勧奨を受け、それによって離職した人は、一定の条件の下で特定受給資格者に該当します。
ただし、従来から恒常的に設けられている早期退職優遇制度などに応募して離職した場合は、この退職勧奨による離職の類型には該当しません。
同じ「早期退職」という言葉が使われていても、実際の退職の経緯が重要です。
企業の人員整理などに伴う希望退職の場合
企業の人員整理などによって希望退職者の募集が行われ、その募集に応じて離職した人については、特定理由離職者に該当する場合があります。
ただし、募集の経緯や会社からの働きかけなどによっては、特定受給資格者の要件に該当する可能性もあります。
最終的な区分は、会社が使用した制度名だけではなく、離職票の記載や実際の退職の経緯などを踏まえて、ハローワークが判断します。
常設の早期退職優遇制度を利用した場合
従来から恒常的に設けられている早期退職優遇制度へ、従業員が自ら応募して離職した場合は、一般的な退職勧奨による離職とは区別されます。
ただし、実際の離職理由は個別の事情によって異なります。
制度への応募を検討する段階で、会社が説明する離職理由を確認するとともに、必要に応じてハローワークにも相談しましょう。
失業給付はどう変わる?
離職理由によって受給資格や給付日数が異なる
雇用保険の基本手当は、一定の条件を満たす離職者が、再就職を目指して求職活動を行う場合などに支給されます。
受給資格や所定給付日数は、離職したときの年齢、雇用保険の被保険者期間、離職理由などによって異なります。
例えば、特定受給資格者に該当する場合は、一般的な自己都合退職の場合に比べて、所定給付日数が多くなることがあります。
一方、特定理由離職者については、該当する類型によって所定給付日数の扱いが異なります。
退職金が多くても、失業給付が自動的に増えるわけではない
希望退職では、割増退職金が支給される場合があります。
しかし、退職金が多いという理由だけで、雇用保険の基本手当の金額や給付日数が自動的に増えるわけではありません。
基本手当は、原則として退職前の賃金などを基に計算され、所定給付日数は年齢や被保険者期間、離職理由などによって決まります。
退職金と失業給付は、別の制度として考えましょう。
離職票の記載内容も確認する
退職後に雇用保険の基本手当を申請する場合は、会社から交付される離職票などが必要になります。
離職票に記載された離職理由が、実際の退職の経緯と異なる場合は、ハローワークでその事情を説明することができます。
ハローワークでは、会社と本人の双方から事情を確認し、必要な調査を行ったうえで、離職理由を判断します。
そのため、会社の記載だけで、最終的な離職理由が必ず確定するわけではありません。
割増退職金は必ずもらえる?
割増退職金は募集条件によって異なる
早期退職優遇制度や希望退職者募集では、通常の退職金に一定額を上乗せする場合があります。
例えば、勤続年数や年齢などに応じて、通常の退職金に数か月分の給与相当額を加算する制度が考えられます。
ただし、割増退職金の有無や金額、計算方法は企業によって異なります。
また、応募する時期によって条件が変わる制度や、会社の承認を受けた場合に限って支給する制度などもあります。
通常の退職金と割増退職金を分けて確認する
応募を検討する際には、通常の退職金と、制度を利用した場合に追加される割増退職金を分けて確認するとよいでしょう。
例えば、通常の退職金としていくら支給されるのか、割増分がいくらなのか、支給日はいつなのかといった点です。
また、勤続年数や退職時の年齢などによって、退職金の額が異なる場合があります。
税金や社会保険への影響も確認する
退職金には、一般的に、退職所得に関する税制が適用される場合があります。
ただし、実際の税額は、勤続年数や退職金の額、支給の内容などによって異なります。
また、退職によって、それまで加入していた健康保険や厚生年金保険の資格を喪失する場合があるため、退職後の加入先や手続きについても確認が必要です。
【実践】早期退職・希望退職を検討する際の5つのポイント
1. 退職する目的を整理する
早期退職や希望退職への応募を検討する際には、退職後にどのような生活や働き方を希望するのかを整理しましょう。
例えば、別の会社へ転職したいのか、自営業を始めたいのか、一定期間は仕事をせずに生活したいのかによって、必要な準備が異なります。
退職後の目標を考える際には、「目的」と「目標」の違いも参考になります。
2. 募集条件と退職予定日を確認する
希望退職者募集では、応募できる年齢や勤続年数、対象部門、募集人数、応募期間、退職予定日などが定められている場合があります。
また、応募しても、会社の承認が必要になる制度があります。
応募する前に、募集要項を確認し、不明な点があれば人事担当者などに問い合わせましょう。
3. 退職金と退職後の収入を確認する
割増退職金が支給される場合でも、その金額だけで判断せず、退職後の生活に必要な費用を確認しましょう。
例えば、住宅ローンや家賃、生活費、健康保険料、年金保険料などです。
再就職までに時間がかかる可能性も考慮し、収入がない期間に対応できるかを確認することが重要です。
4. 雇用保険上の離職理由を確認する
早期退職や希望退職を利用する場合、雇用保険上の離職理由が重要になる場合があります。
特に、常設の早期退職優遇制度なのか、人員整理などを背景とする希望退職者募集なのかによって、取り扱いが異なることがあります。
実際の離職理由については、会社から説明を受けるとともに、必要に応じてハローワークに相談しましょう。
5. 応募後の変更や撤回について確認する
希望退職の制度によっては、応募後に会社の承認が必要になる場合があります。
また、応募した後の撤回や、退職日の変更について、所定の手続きが定められている場合があります。
応募前に、どの段階で退職について合意が成立するのか、応募後に撤回できるのかなどを確認することが大切です。
会社の承認と、内容を理解したという意味での了承の違いについては、「承認」と「了承」の違いも参考になります。
早期退職・希望退職で起こりやすい問題
退職金の条件を十分に確認しないまま応募する
希望退職の募集では、通常の退職金より多くの金額を受け取れる場合があります。
しかし、金額だけを見て応募すると、支給条件や退職予定日、再就職支援の対象などを見落とす可能性があります。
例えば、制度の対象外となる従業員が応募した場合や、会社の承認が得られなかった場合には、想定していた条件で退職できない可能性があります。
退職後の再就職を十分に検討していない
定年前に退職すると、それまでの給与収入がなくなる場合があります。
また、再就職した場合でも、以前と同じ給与や勤務条件になるとは限りません。
そのため、退職後の生活費や再就職の見通しなどについて、事前に整理しておくとよいでしょう。
会社からの働きかけが強く、自由に判断できない
希望退職は、一般に従業員が応募する形式で行われます。
しかし、実際には会社から特定の従業員に繰り返し退職を求めるなどの働きかけが行われる場合があります。
退職を勧める行為であっても、その方法や程度によっては、従業員の自由な意思を不当に妨げることが問題となる可能性があります。
不安がある場合は、やり取りの記録を残し、公的な相談窓口や法律の専門家などに相談する方法があります。
離職理由が想定と異なる
会社から「会社都合になる」と説明を受けていた場合でも、雇用保険上の最終的な離職理由は、ハローワークによって判断されます。
そのため、応募前に会社から説明された内容や募集要項を保存し、退職後に交付される離職票の記載を確認することが重要です。
退職に際して生じる問題と、解決に向けて取り組むべき課題を整理する際には、「問題」と「課題」の違いも参考になります。
「早期退職」「希望退職」と似た言葉の違い
「退職勧奨」との違い
「退職勧奨」は、会社が従業員に対し、自発的に退職するよう勧めることです。
一方、「希望退職」は、一定の対象者や条件を示して、退職希望者を募集することです。
希望退職の募集に伴い、会社が個別の従業員に退職を勧める場合もありますが、両者は同じ意味ではありません。
また、退職勧奨に応じた離職かどうかは、雇用保険上の離職理由にも関係する場合があります。
「整理解雇」との違い
「整理解雇」は、経営上の理由による人員削減として行われる解雇です。
一方、希望退職は、会社が退職を希望する従業員を募集する方法です。
整理解雇は会社が一方的に労働契約を終了させる行為であり、希望退職への応募に基づく退職とは法的な性質が異なります。
ただし、企業が人員削減を進める過程で、希望退職者を募集した後、別の対応を検討する場合もあります。
「自己都合退職」との違い
「自己都合退職」は、一般に、従業員本人の事情や希望によって退職することを意味します。
一方、希望退職は、会社が一定の条件を示して退職希望者を募集することです。
ただし、会社の希望退職募集に応じたからといって、雇用保険上、必ず自己都合退職になるとは限りません。
具体的な離職理由は、募集の背景や退職の経緯などによって判断されます。
「定年退職」との違い
「定年退職」は、企業が定めた定年年齢に達したことによって退職することです。
一方、早期退職は、一般に定年を迎える前に退職することです。
例えば、60歳が定年の企業で、55歳の従業員が退職する場合は、定年前の早期退職と表現できます。
一方、60歳の定年に達して退職する場合は、定年退職です。
「再就職」との違い
「再就職」は、一度職を離れた人が、再び職に就くことです。
早期退職や希望退職は、現在の会社を辞めることに関係する言葉です。
一方、再就職は、その後に新たな仕事へ就くことを表します。
例えば、「希望退職に応募し、退職後に別の会社へ再就職した」という文章では、退職と新しい就職を区別して表現しています。
「選択定年制度」との違い
「選択定年制度」は、企業が一定の年齢以上の従業員について、定年を迎える時期などに関する選択肢を設ける制度の名称として使われることがあります。
早期退職優遇制度と似た仕組みを持つ場合もありますが、名称や具体的な条件は企業によって異なります。
制度名だけで判断せず、対象年齢や退職金、退職後の再雇用などについて確認しましょう。
「早期退職」と「希望退職」の3秒判定
| 伝えたい内容 | 使いやすい言葉 |
|---|---|
| 定年より前に会社を辞める | 早期退職 |
| 会社が常設の早期退職優遇制度を設けている | 早期退職優遇制度 |
| 会社が一定期間、退職希望者を募集する | 希望退職 |
| 経営合理化に伴い、退職希望者を募る | 希望退職者募集 |
| 会社が従業員に自発的な退職を勧める | 退職勧奨 |
| 経営上の理由によって会社が従業員を解雇する | 整理解雇 |
| 会社の定めた定年年齢に達して退職する | 定年退職 |
| 退職後、別の会社で働き始める | 再就職 |
定年前に辞めることを広く表すなら「早期退職」、会社が退職希望者を募集する仕組みを表すなら「希望退職」が基本的な使い分けです。
よくある間違いと注意点
「早期退職は必ず割増退職金がもらえる」は誤り
早期退職は、一般に定年より前に退職することを意味します。
そのため、早期退職した人が必ず割増退職金を受け取れるわけではありません。
割増退職金を受け取れるかどうかは、会社の制度や応募条件などによって異なります。
「希望退職は必ず会社都合になる」は誤り
希望退職への応募による離職について、雇用保険上の離職理由は一律には決まりません。
募集の背景や退職の経緯などによって、特定受給資格者や特定理由離職者などに該当する場合があります。
実際の区分については、ハローワークが判断します。
「希望退職は応募すれば必ず認められる」とは限らない
企業によっては、希望退職への応募について、会社の承認を必要とする場合があります。
そのため、制度の応募条件や承認手続きなどを確認する必要があります。
「退職金の額だけで判断すればよい」とは限らない
割増退職金が支給される場合でも、退職後の生活費や再就職までの期間、社会保険や税金などについて確認することが大切です。
特に、退職後の収入が不確定な場合は、生活に必要な資金を整理しておくとよいでしょう。
「会社の説明だけで失業給付の区分が確定する」は誤り
雇用保険上の離職理由は、会社から提出された書類や、本人の説明などを踏まえて、ハローワークが判断します。
離職票の記載と実際の退職の経緯が異なる場合は、必要な事情を説明することができます。
「早期退職」と「希望退職」の例文12選
「早期退職」を使った例文
- 定年まであと5年だったが、早期退職を選んだ。
- 会社が設けている早期退職優遇制度について説明を受けた。
- 早期退職後の生活費と再就職の可能性を検討した。
- 早期退職制度の応募条件について、人事部に確認した。
- 早期退職後は、これまでの経験を生かして別の会社で働く予定だ。
- 早期退職優遇制度を利用した場合の退職金について、試算を依頼した。
「希望退職」を使った例文
- 会社が事業再編に伴い、希望退職者の募集を開始した。
- 希望退職の募集条件について、人事担当者に問い合わせた。
- 割増退職金の支給条件を確認し、希望退職への応募を検討している。
- 希望退職に応募したが、会社の承認が必要と説明された。
- 希望退職後の再就職に向けて、キャリア相談を受けた。
- 希望退職による離職理由について、ハローワークに相談した。
FAQ|「早期退職」と「希望退職」のよくある質問
Q1. 「早期退職」と「希望退職」は同じ意味ですか?
完全に同じ意味ではありません。早期退職は、一般に定年より前に退職することを広く表す言葉です。一方、希望退職は、企業が一定の条件を示して退職希望者を募集することを意味します。ただし、企業の制度名や募集内容によっては、意味が重なる場合もあります。
Q2. 早期退職すれば、必ず割増退職金がもらえますか?
必ずしもそうではありません。割増退職金の有無や金額は、会社の早期退職優遇制度などによって異なります。通常の退職金と割増退職金の計算方法や支給条件を確認しましょう。
Q3. 希望退職は会社都合退職になりますか?
募集の背景や退職の経緯によって異なります。会社からの退職勧奨による離職や、人員整理などに伴う希望退職への応募による離職は、特定受給資格者や特定理由離職者に該当する場合があります。最終的な区分はハローワークが判断します。
Q4. 常設の早期退職優遇制度は、会社都合になりますか?
従来から恒常的に設けられている早期退職優遇制度に自ら応募して離職した場合は、ハローワークが定める退職勧奨による離職の類型には該当しません。ただし、最終的な離職理由は個別の事情によって判断されます。
Q5. 希望退職に応募すれば、必ず退職できますか?
会社の制度によって異なります。希望退職者募集では、応募後に会社の承認が必要になる場合があります。また、対象年齢や対象部門、募集期間などの条件が定められている場合もあります。
Q6. 希望退職に応募した後、撤回できますか?
応募後の撤回については、募集要項や会社との合意の成立状況などによって異なります。退職について既に合意が成立している場合には、一方的な撤回が難しくなる可能性があります。応募前に、撤回に関する条件や手続きを確認しておきましょう。
Q7. 希望退職で退職した場合、失業給付は受け取れますか?
雇用保険の基本手当について、所定の受給要件を満たせば受給できる場合があります。ただし、所定給付日数や給付制限などは、離職理由や被保険者期間、年齢などによって異なります。具体的な受給の可否については、ハローワークで確認しましょう。
Q8. 希望退職と整理解雇はどう違いますか?
希望退職は、会社が一定の条件を示して退職希望者を募集することです。一方、整理解雇は、経営上の理由による人員削減として、会社が一方的に労働契約を終了させることです。両者は、労働契約を終了させる方法や法律上の扱いが異なります。
Q9. 早期退職後に同じ会社へ再雇用されることはありますか?
会社の制度や個別の事情によっては、退職後に再び雇用される場合があります。ただし、早期退職優遇制度や希望退職者募集では、一定期間の再雇用を制限するなどの条件が定められている場合もあります。募集要項や会社の制度を確認しましょう。
まとめ|早期退職は定年前の退職、希望退職は会社による退職希望者の募集
「早期退職」と「希望退職」は、どちらも定年前の退職に関連する言葉ですが、意味の中心が異なります。
- 早期退職:定年より前に退職すること。企業の早期退職優遇制度による退職を指す場合もある。
- 希望退職:企業が一定の募集条件を示し、退職を希望する従業員を募集すること。
- 共通点:退職金の割増しや再就職支援が設けられる場合があり、制度の内容によっては意味が重なることもある。
ただし、早期退職や希望退職という名称だけで、退職金の金額や雇用保険上の離職理由が決まるわけではありません。
特に、常設の早期退職優遇制度と、企業の人員整理などに伴う臨時の希望退職者募集では、離職理由の取り扱いが異なる場合があります。
応募を検討する際には、募集条件、退職金、退職予定日、再就職支援、雇用保険上の離職理由などを確認し、退職後の生活や働き方も踏まえて判断しましょう。
参考資料・出典
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ハローワーク|特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
退職勧奨、常設の早期退職優遇制度、企業の人員整理などによる希望退職者の募集に応じた場合の、雇用保険上の離職理由について確認できます。
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ハローワーク|基本手当の所定給付日数
特定受給資格者や特定理由離職者などについて、年齢や被保険者期間、離職理由に応じた所定給付日数を確認できます。
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厚生労働省|労働者の皆様へ:基本手当・再就職手当のQ&A
雇用保険の基本手当の受給要件や給付制限、再就職手当などについて確認できます。
