「友人にあう」
「大切な人にあう」
この「あう」を漢字で書こうとすると、
「会う」
と、
「逢う」
のどちらにすればよいのか迷うことがあります。
特に、
「恋人なら逢う?」
「久しぶりの友達なら会う?逢う?」
「偶然出会ったときはどちら?」
「ビジネスでは逢うを使わない?」
「出会うと出逢うにも違いがある?」
と疑問に思う人も多いでしょう。
簡単にいうと、「会う」は、人と顔を合わせることを表す最も一般的な表記です。一方、「逢う」は基本的には「会う」と同じく人と出あうことを表しますが、その出会いに親しさ・好ましさ・大切さなどの気持ちを込めたいときに選ばれることがあります。
たとえば、仕事なら、
「明日、取引先の担当者に会います。」
が自然です。
一方、小説・手紙・詩的な文章などで、
「もう一度、あなたに逢いたい。」
と書けば、その相手への思い・特別感を文字に込めることができます。
つまり、
会う=意味をそのまま中立的に表す
逢う=「会う」に感情的・文学的なニュアンスを加えることがある
と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、「逢う=恋愛専用」というわけではありません。
また、「逢う」を使わなければ大切な相手への気持ちが伝わらない、ということでもありません。
「会う」だけで、恋人・家族・親友・恩師など、あらゆる人との対面を表すことができます。
この記事では、「会う」と「逢う」の辞書上の意味から、恋人・友人・ビジネス・偶然の出会いでの使い分け、「遭う」「遇う」「出会う」「出逢う」との違い、常用漢字との関係まで詳しく解説します。
- 「会う」と「逢う」の違い【結論】
- 「会う」とは?
- 「会う」は予定した対面にも偶然の出会いにも使える
- 仕事・ビジネスでは「会う」が基本
- 「逢う」とは?
- 「逢う」は親しさ・好ましさ・貴重さを込めたいときに使われる
- 恋人なら「逢う」を使う?
- 友人には「会う」と「逢う」のどちら?
- 家族には「会う」と「逢う」のどちら?
- 「逢う」は常用漢字ではない
- 公用文では「会う」が使いやすい
- 「逢う」は小説・詩・歌詞などで効果を発揮しやすい
- 「会いたい」と「逢いたい」の違い
- 「会えてうれしい」と「逢えてうれしい」の違い
- 偶然会った場合は「会う」と「逢う」のどちら?
- 「会う」と「逢う」は予定の有無では分けない
- 「会う」と「遭う」の違い
- 「逢う」と「遭う」は印象が反対になりやすい
- 「遇う」との違いは?
- 「出会う」と「出逢う」の違い
- 「出逢い」は間違い?
- 「巡り会う」と「巡り逢う」の違い
- ビジネスメールでは「逢う」を避けた方がいい?
- 履歴書・作文・論文ではどちら?
- 小説では自由に「逢う」を選んでよい?
- 「会う」と「逢う」で迷ったときの3秒判定
- 「会う」を使った例文
- 「逢う」を使った例文
- 具体例で比較:恋人
- 具体例で比較:恩師
- 具体例で比較:仕事
- よくある間違い1:「恋人なら必ず逢う」と思う
- よくある間違い2:「逢う=偶然会う」と決めつける
- よくある間違い3:「逢う」の方が正しい・上品だと思う
- よくある間違い4:「逢う」が常用漢字だと思う
- よくある間違い5:「会う」と「遭う」を混同する
- 「会う」と「逢う」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考資料・出典
「会う」と「逢う」の違い【結論】
| 比較項目 | 会う | 逢う |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 人と顔を合わせる・対面する | 人と顔を合わせる・出あう |
| 使いやすさ | 最も一般的 | 表現的・文学的 |
| ニュアンス | 中立的 | 親しさ・好ましさ・特別感を込めることがある |
| 恋人 | 普通に使える | 思いを強調したい場合に使われる |
| 友人 | 普通に使える | 大切な再会などで使われることがある |
| 仕事 | 適している | 通常はあまり使わない |
| 常用漢字 | 「会」は常用漢字で「あう」の訓がある | 「逢」は常用漢字表にない |
| 迷った場合 | 「会う」で問題ない | 表現上の意図があるときに選ぶ |
3秒で判断するなら、
「普通に人と顔を合わせることを書きたい?」 → 会う
「その出会いに特別な気持ちを込めたい?」 → 逢うも選択肢
と考えると分かりやすいでしょう。
「会う」とは?
「会う」の基本的な意味
「会う(あう)」は、人と人が顔を合わせること、対面することを表す一般的な言葉です。
辞書では、
- 互いに顔を向かい合わせる
- 場所を決めて対面する
- たまたま人と出あう
といった意味が示されています。
たとえば、
- 友人に会う
- 先生に会う
- 取引先に会う
- 明日駅で会う
- 偶然、同級生に会った
などと使います。
「会う」は予定した対面にも偶然の出会いにも使える
「会う」は非常に幅広い言葉です。
たとえば、事前に約束している場合でも、
「明日10時に駅で会います。」
と使えます。
一方、偶然の場合にも、
「昨日、駅で高校時代の友人にばったり会いました。」
と使えます。
したがって、
会う=約束して対面する
だけではありません。
偶然出くわす場合も含めて、人と顔を合わせることを広く表す言葉です。
仕事・ビジネスでは「会う」が基本
ビジネスでは、通常「会う」を使います。
たとえば、
- 社長に会う
- 顧客に会う
- 取引先の担当者に会う
- 面接官に会う
- 来週、先方と会う予定です
などです。
「明日、取引先の担当者に逢います」
と書いても意味そのものは推測できますが、相手への個人的な思い・情緒を感じさせる表記になるため、通常の業務文章には適しにくいでしょう。
仕事・公的文章・説明文など、感情を加えず事実を伝えたい場合には「会う」が適しています。
「逢う」とは?
基本的な意味は「会う」と重なる
「逢う(あう)」も、人と顔を合わせる・出あうという意味で使われます。
辞書でも、
「会う/逢う」
として、
「互いに顔を向かい合わせる」「たまたま人と出あう」
という同じ意味の中にまとめられています。
つまり、辞書上、
「会う」と「逢う」が全く別の行為を表しているわけではありません。
違いが現れやすいのは、表記を選ぶ際のニュアンスです。
「逢う」は親しさ・好ましさ・貴重さを込めたいときに使われる
日本漢字能力検定協会は、「逢う」について、出あいに、
- 親しさ
- 好ましさ
- 貴重さ
を含ませたいときに使うと説明しています。
たとえば、
「十年ぶりに、かつての恩師に逢った。」
「ようやくあなたに逢えた。」
などと書けば、その対面が話し手にとって特別であることを文字によって印象づけられます。
ただし、これらは、
「恩師に会った」
「あなたに会えた」
と書いても間違いではありません。
「逢う」は必要不可欠な意味の違いというより、文章に感情や情緒を加えるための表記として選ばれることがあると考えるとよいでしょう。
恋人なら「逢う」を使う?
恋愛表現では「逢う」がよく似合います。
たとえば、
「あなたに逢いたい。」
「二人は再び逢うことを約束した。」
などです。
「会う」よりも、相手への思いや特別感を感じさせる表記になります。
ただし、
「恋人に会う」
「彼女に会いたい」
も完全に自然な日本語です。
したがって、
恋人 → 必ず逢う
というルールではありません。
日常的・中立的に書くなら「会う」、文学的・感情的に書きたいなら「逢う」という選択ができます。
友人には「会う」と「逢う」のどちら?
通常は「会う」で十分です。
たとえば、
「明日、友達に会います。」
「久しぶりに学生時代の友人に会いました。」
が一般的です。
一方、長い間離れていた親友との感動的な再会を文章で表現するなら、
「二十年ぶりに親友と逢えた。」
と書くこともできます。
ここでも違いは「友人か恋人か」ではなく、書き手がその出会いをどのように表現したいかにあります。
家族には「会う」と「逢う」のどちら?
通常は「会う」を使います。
たとえば、
「正月に両親に会う。」
「久しぶりに孫に会った。」
です。
ただし、離れ離れになっていた家族との再会など、特別な気持ちを表す文章なら、
「ようやく家族に逢えた。」
と表記することもできます。
「逢う」は恋愛だけに限定された文字ではありません。
「逢う」は常用漢字ではない
実用上、非常に重要な違いがあります。
文化庁の現在の常用漢字表では、「会」に、
「あう」
という訓が示されています。
一方、「逢」は常用漢字表の本表に掲載されていません。
常用漢字表は、法令・公用文書・新聞・雑誌・放送など、一般の社会生活で現代の国語を書き表す際の漢字使用の目安です。
そのため、公的文書・ビジネス文書・学校教材など、一般的で分かりやすい表記を求める文章では「会う」が使いやすいでしょう。
ただし、文化庁自身が説明しているように、常用漢字表は個人の表記や芸術分野にまで一律に制限を課すものではありません。
小説・詩・歌・タイトル・私的な文章などで「逢う」を使うこと自体には問題ありません。
公用文では「会う」が使いやすい
常用漢字表を基準に考えるなら、公用文・行政文書などでは「会う」が基本になります。
たとえば、
「担当者と会う」
「関係者と会った」
などです。
行政文書で、特別な文学的効果を狙って、
「関係者と逢った」
とする必要はありません。
事実を明確に伝える文章では「会う」を選ぶのが分かりやすいでしょう。
「逢う」は小説・詩・歌詞などで効果を発揮しやすい
「逢う」は、文字そのものに情緒的な印象があります。
そのため、
- 小説
- 詩
- エッセイ
- 手紙
- 作品タイトル
- キャッチコピー
などで、特別な出会いを印象づけたい場合に使われます。
たとえば、
「あの日、あなたに会った。」
なら、出来事を比較的淡々と説明する印象です。
一方、
「あの日、あなたに逢った。」
とすれば、出会った相手や出来事に、書き手が特別な意味を感じていることを表現しやすくなります。
これは文法上の意味の違いというより、表記による演出です。
「会いたい」と「逢いたい」の違い
日常的に、誰かに会いたいと伝えるなら、
「会いたい」
で十分です。
たとえば、
「久しぶりに友達に会いたい。」
と書きます。
一方、
「あなたに逢いたい。」
と書けば、その人への強い思い・特別な感情を感じさせる表現になります。
| 表記 | 受ける印象 |
|---|---|
| 会いたい | 一般的・自然・中立的 |
| 逢いたい | 情緒的・文学的・特別な思いを感じさせやすい |
どちらが正しいかではなく、文章でどのような雰囲気を出したいかによって選べます。
「会えてうれしい」と「逢えてうれしい」の違い
「会えてうれしい」
は、日常会話・メールなどで自然に使える一般的な表現です。
一方、
「逢えてうれしい」
とすると、出会えたこと自体への思い入れを強調する印象があります。
恋愛小説・手紙などでは効果的ですが、仕事相手へのメールで、
「本日は○○様に逢えてうれしかったです」
とすると、必要以上に個人的な印象を与える可能性があります。
ビジネスなら「お会いできて光栄でした」などが自然です。
偶然会った場合は「会う」と「逢う」のどちら?
どちらも意味上は使えます。
辞書では、「会う/逢う」の意味として、
「たまたま人と出あう」
ことも示されています。
たとえば、
「駅で偶然、旧友に会った。」
が一般的です。
一方、その偶然の出会いに特別な意味を感じたことを表したいなら、
「旅先で、思いがけず恩師に逢った。」
という表記も考えられます。
つまり、
偶然=必ず逢う
というルールではありません。
「会う」と「逢う」は予定の有無では分けない
「会うは約束して会う場合、逢うは偶然の場合」と説明されることがありますが、単純にそのようには分けられません。
辞書では「会う/逢う」をまとめて、
- 場所を決めて対面する
- たまたま人と出あう
の両方に使える表記として示しています。
したがって、判断基準としては、予定の有無よりも、
一般的・中立的に書くのか
出会いへの思いを表記で強調するのか
を見る方が実用的です。
「会う」と「遭う」の違い
同じ「あう」でも、「遭う」は意味が大きく異なります。
「遭う」は、主に好ましくない出来事に出くわす場合に使います。
たとえば、
- 事故に遭う
- 災難に遭う
- 盗難に遭う
- ひどい目に遭う
などです。
したがって、
友人に会う
と、
事故に遭う
では、漢字を使い分けます。
文化庁の常用漢字表でも「会う」と「遭う」は、それぞれ「あう」という訓を持つ別の表記として示されています。
「逢う」と「遭う」は印象が反対になりやすい
日本漢字能力検定協会は、
「逢う」について、親しさ・好ましさ・貴重さを含ませたい場合、
「遭う」について、事故・事件・災難など悪い出来事に出あった場合に使うと説明しています。
そのため、
大切な人に逢う
に対し、
災難に遭う
という対比で覚えることもできます。
「遇う」との違いは?
「遇う(あう)」という表記もあります。
「遇」は常用漢字表外の読みを含むため、一般的な文章ではあまり見かけません。
日本漢字能力検定協会では、「遇う」は、
「たまたま」「偶然」
という雰囲気を強調したい場合に使うと説明しています。
ただし、一般的な文章なら、多くの場合、
「偶然、友人に会った」
と書けば十分です。
「出会う」と「出逢う」の違い
「出会う」と「出逢う」にも、ほぼ同じ考え方を応用できます。
「出会う」は、人・物事などとの出会いを一般的に表す表記です。
たとえば、
「新しい友人と出会った。」
「良い本と出会った。」
などです。
一方、
「あなたと出逢えたことに感謝している。」
のように「逢」を使えば、その出会いが特別だったことを印象づける表現になります。
ただし、一般的な文章・ビジネス・公的文章などでは、
「出会う」
が使いやすいでしょう。
「出逢い」は間違い?
間違いとはいえません。
小説・広告・商品名・イベント名などで、
「運命の出逢い」
「人と人との出逢い」
などと書くことがあります。
ただし、「逢」が常用漢字表外であるため、一般的・標準的な表記を求める文章なら、
「出会い」
を選ぶ方が分かりやすいでしょう。
「巡り会う」と「巡り逢う」の違い
こちらも基本的な意味は重なります。
「素晴らしい人に巡り会った」
なら、中立的な表記です。
一方、
「人生でただ一人の人に巡り逢った」
とすれば、運命的・情緒的な印象を加えられます。
創作文章では表記の効果として使い分けることができます。
ビジネスメールでは「逢う」を避けた方がいい?
絶対に使ってはいけないわけではありません。
しかし、通常のビジネス文章では「会う」が適しています。
たとえば、
「先日はお会いする機会をいただき、ありがとうございました。」
とするのが自然です。
「先日はお逢いする機会をいただき……」
とすると、文章に個人的・情緒的な色合いが加わります。
業務上の関係を客観的に表すなら、「会」を選ぶ方が無難です。
履歴書・作文・論文ではどちら?
通常は「会う」を使うとよいでしょう。
たとえば、
「大学時代に恩師と会ったことが転機になった。」
と書けます。
文学作品・随筆などで表現効果を狙うのであれば「逢う」を選ぶ余地がありますが、論文・レポート・履歴書など、明確で客観的な文章では「会う」が適しています。
小説では自由に「逢う」を選んでよい?
表現上の意図があるなら選べます。
常用漢字表は一般の社会生活における漢字使用の目安であり、文化庁も、芸術その他の専門分野や個々人の表記にまで一律に及ぼすものではないと説明しています。
そのため、小説・詩などでは、
「会う」
と、
「逢う」
の印象差を利用した表現が可能です。
ただし、一つの作品の中で意味もなく表記が揺れると読者が混乱するため、意図的に使い分けることが大切です。
「会う」と「逢う」で迷ったときの3秒判定
| 場面 | 選びやすい表記 |
|---|---|
| 友人と普通に会う | 会う |
| 取引先に会う | 会う |
| 先生・上司に会う | 会う |
| 駅で偶然知人に会う | 会う |
| 恋人に会う | 会うで問題ない |
| 恋人への思いを文学的に強調する | 逢うも選べる |
| 長年会えなかった大切な人との再会 | 会う/逢う |
| ビジネス・公的文章 | 会う |
| 小説・詩・コピー | 意図に応じて逢う |
迷った場合は、
普通の文章なら「会う」
と覚えておけば問題ありません。
「逢う」は、必要なときに感情・表現上の効果を加える選択肢です。
「会う」を使った例文
- 明日、友人に会う予定です。
- 駅で偶然、昔の同級生に会った。
- 来週、取引先の担当者に会います。
- 久しぶりに両親に会うことができた。
- 一度も会ったことのない人です。
- 社長に会って相談した。
「逢う」を使った例文
- いつかまた、あなたに逢いたい。
- 十年ぶりに大切な友人と逢えた。
- 旅の途中で、忘れられない人に逢った。
- 二人は再び逢うことを約束した。
- この人に逢うために、ここまで来たのかもしれない。
「逢う」の例文は、一般的な説明文よりも、小説・エッセイなどの表現的な文章と相性がよいことが分かります。
具体例で比較:恋人
「明日は恋人に会う。」
通常の予定を説明する文章として自然です。
一方、遠距離恋愛の相手に長期間会えず、ようやく再会する場面で、
「半年ぶりに、やっと彼に逢える。」
と書けば、再会への思いを強調できます。
出来事そのものではなく、書き手がどのように見せたいかによる違いです。
具体例で比較:恩師
「同窓会で恩師に会った。」
なら、事実を中立的に伝えています。
「三十年ぶりに、人生を変えてくれた恩師に逢った。」
とすれば、その再会が特別であることを印象づけられます。
具体例で比較:仕事
○「明日、A社の社長に会います。」
が自然です。
△「明日、A社の社長に逢います。」
とすると、文法的に意味が通らないわけではありませんが、通常の業務報告としては情緒的です。
客観性を求めるビジネス文章では「会う」を使いましょう。
よくある間違い1:「恋人なら必ず逢う」と思う
恋人についても、「会う」が一般的に使えます。
「彼女に会いたい」
は完全に自然です。
「逢う」は恋愛専用の正しい表記ではなく、特別な感情を込めたい場合に選ばれることがある表記です。
よくある間違い2:「逢う=偶然会う」と決めつける
辞書では、「会う/逢う」の両方について、約束して対面する場合と、偶然人に出あう場合が示されています。
したがって、
予定あり=会う
偶然=逢う
と機械的に分けることはできません。
よくある間違い3:「逢う」の方が正しい・上品だと思う
「逢う」は漢字が印象的なので、「会う」より上品・正式な表記に見えることがあります。
しかし、一般的・標準的な表記は「会う」です。
「逢う」を使えば文章の格が上がるわけではありません。
むしろ公的文章・ビジネス文章では、「会う」の方が適しています。
よくある間違い4:「逢う」が常用漢字だと思う
文化庁の常用漢字表には、「会」の訓として「あう」が掲載されています。
一方、「逢」は常用漢字表の本表には掲載されていません。
そのため、一般の社会生活で標準的な表記を選びたい場合は「会う」が基本です。
よくある間違い5:「会う」と「遭う」を混同する
人と顔を合わせる場合は「会う」。
事故・災難など好ましくない出来事に出くわす場合は「遭う」です。
たとえば、
○ 友人に会う
○ 事故に遭う
と使い分けます。
「会う」と「逢う」に関するよくある質問
Q1. 「会う」と「逢う」は同じ意味ですか?
基本的な意味は重なります。
どちらも人と顔を合わせる・出あうことを表します。ただし、「会う」が一般的な表記なのに対し、「逢う」は親しさ・好ましさ・特別感などを込めたいときに選ばれることがあります。
Q2. 恋人に「あう」は「逢う」ですか?
「会う」で問題ありません。
「彼に会いたい」は自然な文章です。「逢いたい」とすれば、より情緒的・文学的な印象になります。
Q3. 「逢う」は恋愛にしか使いませんか?
いいえ。
大切な友人・家族・恩師など、特別な出会い・再会を表現するときにも使うことがあります。
Q4. 偶然会ったときは「逢う」ですか?
「会う」で問題ありません。
「駅で偶然友人に会った」が一般的です。偶然の出会いに特別な意味を込めたい場合に「逢う」を選ぶことはできます。
Q5. ビジネスではどちらですか?
通常は「会う」です。
「来週、取引先の担当者に会います」「先日はお会いできて光栄でした」などと使います。
Q6. 「逢う」は常用漢字ですか?
「逢」は現在の常用漢字表には掲載されていません。
一方、「会」は常用漢字で、「あう」という訓が示されています。
Q7. 「出会う」と「出逢う」はどちらが正しいですか?
一般的・標準的な文章では「出会う」が使いやすいでしょう。
「出逢う」は、その出会いの特別さを表現したい小説・広告・コピーなどで使われることがあります。
Q8. 迷った場合はどちらを使えばいいですか?
「会う」を使えば問題ありません。
「逢う」は、その出会いに感情的・文学的なニュアンスを加えたいときに意図して選ぶとよいでしょう。
まとめ
「会う」と「逢う」は、どちらも「あう」と読み、人と顔を合わせることを表します。
ただし、現代では表記の役割に違いがあります。
| 会う | 逢う |
|---|---|
| 最も一般的な表記 | 表現的・文学的な表記 |
| 人と顔を合わせることを広く表す | 基本の意味は「会う」と重なる |
| 中立的 | 親しさ・好ましさ・特別感を込めやすい |
| ビジネス・公的文章にも使える | 小説・詩・コピーなどと相性がよい |
| 常用漢字 | 「逢」は常用漢字表外 |
最も簡単な覚え方は、
会う=「普通に人と顔を合わせる」
逢う=「特別な思いを込めて人と出あう」
です。
ただし、これは「会う」と「逢う」が全く別の意味だということではありません。
辞書では、「会う/逢う」として同じ意味の中にまとめられています。
つまり、
「恋人だから逢う」
「偶然だから逢う」
という固定したルールはありません。
普通に書くなら、
「恋人に会う」
「友人に会う」
「恩師に会う」
「取引先に会う」
で問題ありません。
そのうえで、小説・手紙・詩などで、
「ようやくあなたに逢えた」
と書けば、その出会いに込めた特別な気持ちを表現できます。
文章で迷った場合は、まず「会う」を選び、あえて感情や情緒を文字に込めたい場合だけ「逢う」を検討すると使い分けやすいでしょう。
参考資料・出典
本記事は、以下の辞書・公的機関等の資料を参照し、内容を整理したうえで作成しています。
-
コトバンク「会う」
― 「会う/逢う」について、互いに顔を向かい合わせること、場所を決めて対面すること、偶然人と出あうことなどの基本的な意味 -
コトバンク「会う・逢う」
― 約束して人と会う場合や偶然人に会う場合などの用例 -
日本漢字能力検定協会「同音・同訓異字②」
― 「逢う」は出あいに親しさ・好ましさ・貴重さを含ませたい場合、「遭う」は事故・事件・災難などの場合に使うという解説 -
文化庁「常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)」
― 一般の社会生活における漢字使用の目安。「会」には「あう」の訓が示され、「逢」は本表に掲載されていない -
文化庁「常用漢字表の音訓索引」
― 「会」の「あう」、「遭」の「あう」など、常用漢字表における表記の確認 -
コトバンク「忍び逢う」
― 「逢う」が男女の密かな対面など、情緒的な表現にも古くから用いられてきた用例
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