「明るい性格の人」
「水に溶けやすい性質」
「性格」と「性質」は、人について使う場合には意味がよく似ています。
そのため、
「優しい性格と優しい性質は何が違う?」
「性格は人、性質は物に使う?」
「性格は後天的で、性質は生まれつき?」
「性格が悪いと性質が悪いは同じ?」
「問題の性格という表現は正しい?」
「気質・人柄・個性・特性との違いは?」
と迷うことがあります。
簡単にいうと、「性格」は、特に人について、感じ方・考え方・行動の仕方などに現れる、その人らしい比較的持続的な傾向を表します。一方、「性質」は、人や物がもともと備えている性向・特徴を広く表す言葉です。
たとえば、
「彼は明るい性格だ」
なら、その人に継続して見られる考え方・感情・行動などの傾向を表しています。
一方、
「この金属には熱を伝えやすい性質がある」
なら、その物質が備えている特徴を表します。
一言で覚えるなら、
性格=「その人は、どんな人?」
性質=「その人・物は、どんな性質を持つ?」
です。
ただし、
「性格=人だけ」
「性質=物だけ」
と覚えるのは正確ではありません。
「温厚な性質」のように「性質」は人にも使えます。
反対に、
「問題の性格」
「団体の性格」
「事業の性格」
のように、「性格」を人以外に使うこともあります。
この記事では、「性格」と「性質」の意味から、人・物・問題・仕事などでの使い分け、「性格が悪い」「性質が悪い」の違い、さらに「気質」「性向」「人柄」「個性」「特性」との違いまで詳しく解説します。
- 「性格」と「性質」の違い【結論】
- 「性格」とは?
- 「性格が明るい」は自然な表現
- 「性格が合う」とは?
- 「性格」は完全に生まれつきとは限らない
- 心理学では「性格特性」という言葉も使われる
- 「性格」は人以外にも使える
- 「問題の性格」とは?
- 「事業の性格」「サービスの性格」も使える
- 「性質」とは?
- 人にも「性質」は使える
- 人については「性格」と「性質」が重なる
- 「物質の性質」は性質
- 「水の性格」より「水の性質」
- 「仕事の性質」とは?
- 「問題の性質」とは?
- 「性格」と「性質」の決定的な違い
- 「性格=後天的、性質=先天的」は正しい?
- 「性格が悪い」と「性質が悪い」の違い
- 「優しい性格」と「優しい性質」は?
- 「慎重な性格」と「慎重な性質」の違い
- 「性格」と「気質」の違い
- 「性格」と「性向」の違い
- 「性格」と「人柄」の違い
- 「性格」と「個性」の違い
- 「性質」と「特性」の違い
- 「性格」と「人格」の違い
- 「性格」と「キャラクター」は同じ?
- 「性格・性質」で迷ったときの3秒判定
- 「性格」を使った例文
- 「性質」を使った例文
- 具体例で比較:人
- 具体例で比較:金属
- 具体例で比較:仕事
- 具体例で比較:問題
- よくある間違い1:「性格は人にしか使えない」と考える
- よくある間違い2:「性質は物にしか使えない」と考える
- よくある間違い3:「性格=後天的、性質=先天的」と断定する
- よくある間違い4:「性格は絶対に変わらない」と考える
- よくある間違い5:「性質」と「特性」は完全に同じだと思う
- よくある間違い6:「性格が悪い」と「性質が悪い」は完全に同じだと思う
- 「性格」と「性質」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考資料・出典
「性格」と「性質」の違い【結論】
| 比較項目 | 性格 | 性質 |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 人の感情・意志・行動などに現れる固有の傾向 | 人や物にもともと備わる気質・特徴 |
| 人への使用 | 非常によく使う | 使える |
| 物への使用 | 限定的だが使える | 非常によく使う |
| 重点 | その人らしい考え方・感じ方・行動傾向 | 対象が備えている性向・特性 |
| 代表例 | 明るい性格、性格が合う | 水の性質、燃えやすい性質 |
| 人以外の例 | 問題の性格、団体の性格 | 仕事の性質、物質の性質 |
3秒で判断するなら、
「その人の人となり・行動傾向を表したい?」 → 性格
「人や物が備える性向・特性を表したい?」 → 性質
と考えると分かりやすいでしょう。
「性格」とは?
感じ方・考え方・行動などに現れる、その人らしい傾向
「性格(せいかく)」は、辞書では、
行動の仕方に現れる、その人に固有の感情・意志の傾向
と説明されています。
また、「感じ方・考え方・行動の仕方などに現れる、その人特有の性向」とも説明されています。
たとえば、
- 明るい性格
- おとなしい性格
- 慎重な性格
- 負けず嫌いな性格
- 社交的な性格
- 性格が合う
- 性格を知る
などと使います。
日常会話で、
「あの人はどんな人?」
と聞かれたときに説明する、その人らしい心理・行動傾向が「性格」です。
「性格が明るい」は自然な表現
たとえば、
「彼女は明るい性格です。」
といえば、単にその瞬間だけ明るい気分だったという意味ではありません。
普段から、
- 前向きに話す
- よく笑う
- 人と積極的に関わる
など、ある程度継続して見られる傾向を表しています。
「性格」は、その人に比較的持続して見られる特徴を表す言葉です。
「性格が合う」とは?
「性格」には、
「性格が合う」
「性格が合わない」
という表現があります。
たとえば、
「二人は性格が合うので、一緒にいて疲れない。」
と使います。
考え方・行動の仕方・人との接し方などの相性がよいという意味です。
「二人は性質が合う」
という言い方が絶対にできないわけではありませんが、現代の日常会話で人同士の相性について述べるなら「性格が合う」の方が一般的です。
「性格」は完全に生まれつきとは限らない
「性格」というと、
「生まれたときから決まっていて、変わらないもの」
という印象を持つかもしれません。
しかし、性格をそこまで固定的に考える必要はありません。
心理学の解説では、性格の形成・発達について、
- 生物学的要因
- 家庭環境
- 学校環境
- 友人関係
- 職場環境
- 社会・文化的環境
などの影響が研究対象とされています。
つまり、「性格」は本人に比較的持続して見られる傾向ですが、人生を通じて絶対に変わらないものという意味ではありません。
心理学では「性格特性」という言葉も使われる
心理学では、
「性格特性」
という表現があります。
性格研究では、さまざまな場面で比較的一貫して現れる行動傾向を「特性」として捉え、それらの組み合わせによって性格を理解する考え方があります。
日本心理学会の学術誌でも、
「性格特性用語を用いたBig Five尺度」
など、「性格特性」という語が研究上使われています。
つまり、
性格=人全体に見られる傾向
性格特性=性格を構成する個々の傾向・性質
という捉え方ができます。
「性格」は人以外にも使える
ここは重要なポイントです。
「性格は人にしか使えない」
わけではありません。
辞書では、「性格」の第二の意味として、
特定の事物に際立って見られる傾向
が示されています。
たとえば、
「二つの問題は性格が異なる。」
「趣味的性格の濃い団体。」
などです。
つまり、人以外について、
「それは本質的にどのような種類・傾向のものなのか」
を示す場合にも「性格」が使えます。
「問題の性格」とは?
たとえば、二つの問題について、
「この二つは問題の性格が異なる。」
と言えます。
これは、それぞれの問題が、
- 何を目的としているのか
- どういう種類の問題なのか
- どのような考え方で扱うべきなのか
といった、本質的なタイプ・傾向が違うという意味です。
物質的な性質を説明しているわけではありません。
「事業の性格」「サービスの性格」も使える
人以外について「性格」を使う公的な例もあります。
経済産業省の分析記事では、個人向けサービスについて、
「生活必需的な性格の強いサービス」
という表現が使われています。
ここでの「性格」は、そのサービスが、
「どのような種類・傾向のサービスなのか」
を表しています。
したがって、
「性格=人の性格だけ」
と覚えると、こうした文章を正しく理解できなくなります。
「性質」とは?
人にも物にも使える、もともと備わった性向・特徴
「性質(せいしつ)」には、大きく二つの意味があります。
一つは、
人が持って生まれた気質・人となり
です。
もう一つは、
その事物に本来備わっている特徴
です。
たとえば、
- 温厚な性質
- 怒りっぽい性質
- 水に溶けやすい性質
- 燃えやすい性質
- 金属の性質
- 仕事の性質
- 問題の性質
などと使います。
「性格」と比べると、人だけでなく、物質・物・仕事・問題など非常に幅広い対象に使えることが大きな特徴です。
人にも「性質」は使える
「性質」というと、物だけに使うと思う人もいます。
しかし、
「温厚な性質の人」
「怒りっぽい性質だ」
のように、人についても使えます。
辞書でも、
「熱しやすく冷めやすい性質」
と、
「熱しやすく冷めやすい性格」
のように、人については両方を使える場合があるとされています。
人については「性格」と「性質」が重なる
人について使う場合、両者の意味はかなり近づきます。
たとえば、
「彼はおとなしい性格だ。」
と、
「彼はおとなしい性質だ。」
は、どちらも成立します。
ただし、現代の日常会話で、ある人の人となりを普通に表す場合には、
「性格」
の方が使いやすいでしょう。
「性質」は、
その人が持つ気質・性向そのもの
をやや客観的・抽象的に述べる印象になることがあります。
「物質の性質」は性質
物については、「性質」が特に重要です。
たとえば、
「砂糖は水に溶ける性質がある。」
「金属には電気を通しやすい性質がある。」
などです。
製品評価技術基盤機構(NITE)も、化学物質について、
「化学物質にはいろいろな性質があります」
と説明し、役に立つ性質と害になる性質の両面を紹介しています。
ここでは、人間の「性格」のような心理的傾向ではなく、対象そのものが示す物理的・化学的な特徴を「性質」と呼んでいます。
「水の性格」より「水の性質」
たとえば、
「水は0度付近で凍る性質を持つ。」
のような文章では、「性質」が適しています。
「水の性格」
と表現すると、文学的・比喩的な文章を除けば、通常は不自然です。
物質の物理的・化学的な特徴を説明するときには「性質」を使うのが基本です。
「仕事の性質」とは?
「性質」は、物質だけではありません。
「仕事の性質上、夜間の勤務が必要です。」
という表現があります。
ここでの「性質」は、
その仕事が本来どのような特徴・条件を持っているか
を表しています。
たとえば、医療・警備・交通などの仕事なら、業務の性質上、夜間対応が必要になる場合があります。
「問題の性質」とは?
「性質」は、
「問題の性質」
とも使えます。
たとえば、
「これは簡単に結論を出せる性質の問題ではない。」
と表現できます。
問題そのものが持つ種類・本質的特徴について述べています。
先ほど説明した「問題の性格」と意味が重なる場合もあります。
「性格」と「性質」の決定的な違い
違い1:「人らしさ」に強いのが性格、「対象の性向」に広く使えるのが性質
「性格」は、特に、
人の感じ方・考え方・行動の傾向
を表す代表的な言葉です。
一方、「性質」は、人だけでなく、
- 水
- 金属
- 化学物質
- 仕事
- 問題
- 制度
など幅広い対象に使えます。
そのため、最初に覚えるなら、
人の人となり → 性格
人・物が持つ性向・特性 → 性質
と整理すると分かりやすいでしょう。
違い2:「性格」は感じ方・行動まで含みやすい
「性格」には、
- 感じ方
- 考え方
- 意志
- 人との接し方
- 行動の仕方
などが現れます。
たとえば、
「慎重な性格なので、決める前によく調べる。」
といった使い方です。
人間の心理・行動を総合的に表す言葉として「性格」が使いやすくなります。
違い3:「性質」は人以外にもそのまま使える
「性質」の大きな特徴は対象の広さです。
たとえば、
「鉄の性質」
「薬品の性質」
「この問題の性質」
は自然です。
一方、
「鉄の性格」
「薬品の性格」
は、通常の科学的説明では使いません。
「性格=後天的、性質=先天的」は正しい?
そのように完全に二分するのは適切ではありません。
「性質」の辞書的な意味には「持って生まれた気質」があります。
そのため、人についての「性質」は、生来の性向を意識させることがあります。
一方、性格は心理学では環境や経験の影響も含めて形成・発達するものとして研究されています。
ただし、日常語として、
「性格ならすべて後天的」
「性質ならすべて先天的」
という厳密なルールがあるわけではありません。
通常の文章では、先天・後天だけで判断しない方が安全です。
「性格が悪い」と「性質が悪い」の違い
似ていますが、ニュアンスが少し異なります。
性格が悪い
人について、
他人への接し方・考え方・行動などに好ましくない傾向がある
という意味で使います。
たとえば、
「人の失敗を喜ぶなんて性格が悪い。」
などです。
性質が悪い
人について使えば、その人の性向・たちがよくないという意味になります。
しかし「性質が悪い」は、人以外にも使えます。
たとえば、
「このトラブルは再発しやすく、性質が悪い。」
のように、扱いにくい・厄介な特徴を持つ事柄について述べることもできます。
そのため、人の日常的な人となりを批判するなら「性格が悪い」の方が一般的です。
「優しい性格」と「優しい性質」は?
どちらも意味は理解できます。
ただし、
「彼は優しい性格だ。」
の方が、現代の日常会話では一般的です。
「彼は優しい性質の人だ。」
とすると、本人が根本的に備えている性向・気立てを述べるような印象になります。
意味の境界は厳密ではありません。
「慎重な性格」と「慎重な性質」の違い
「慎重な性格」
なら、人の判断・行動に継続して現れる傾向を表します。
「慎重な性質」
でも意味は通じますが、その人が備える性向として、やや抽象的に捉えている印象があります。
普通の人物紹介なら「性格」を選ぶと自然です。
「性格」と「気質」の違い
「気質(きしつ)」は、「性格」と非常に近い言葉です。
日常語では、
気だて・気性
という意味があります。
心理学では、気質は一般に、
性格の基礎にある、遺伝的・生物学的な感情反応の傾向
を表す言葉として説明されます。
簡単に整理すると、
性格=経験・環境の影響も含めた、その人らしい心理・行動傾向
気質=その基礎にある、生来性・生物学的側面を意識した傾向
という違いがあります。
ただし、日常会話では両者をそれほど厳密に区別しない場合もあります。
「性格」と「性向」の違い
「性向(せいこう)」とは、
人の性質の傾向
です。
たとえば、
「目立ちたがる性向がある。」
と使います。
「性格」がその人の心理・行動傾向を比較的広く表すのに対し、「性向」は、
ある特定の方向へ傾きやすい性質
に注目する言葉です。
「性格」と「人柄」の違い
「人柄(ひとがら)」は、
その人に備わっている性質・品格
を表します。
たとえば、
「温かい人柄にひかれる。」
「誠実な人柄だ。」
などです。
「性格」が明るい・慎重・内向的など幅広い傾向を表すのに対し、「人柄」は、
人として受ける印象・人間性
を表しやすい言葉です。
また、「人柄がよい」のように、好意的な評価を伴って使われることも多くあります。
「性格」と「個性」の違い
「個性(こせい)」は、
個人・個体に備わり、そのものを他と区別する特有の性質
です。
たとえば、
「個性を生かす。」
「個性のある作品。」
などと使います。
「性格」は人物の感情・意志・行動傾向を中心に表します。
一方、「個性」は、
- 性格
- 考え方
- 話し方
- 能力
- 好み
- 表現方法
などを含め、他の人とは異なる「その人ならではの独自性」をより広く表せます。
「性質」と「特性」の違い
「特性」は、
そのものに特有の性質
です。
そのため、
性質=人・物が持つ性向・特徴を広く表す
特性=その中でも、そのものに特有で注目すべき性質
と考えると分かりやすいでしょう。
たとえば、
「この素材にはさまざまな性質がある。」
と幅広く述べたうえで、
「特に耐熱特性を評価する。」
と特定の性質へ注目できます。
「性格」と「人格」の違い
「人格(じんかく)」は、「性格」より意味が広い言葉です。
日常語では、
人としての品格・人間性
という意味でも使われます。
心理学では、人間の行動・思考・感情などをまとめた全体的な個人のあり方を表す概念として用いられる場合があります。
したがって、
性格=その人に見られる心理・行動の傾向
人格=人間としての全体的なあり方を指す、より広い概念
と捉えるとよいでしょう。
「性格」と「キャラクター」は同じ?
英語の「character」に由来する「キャラクター」は、日本語では、
- 人の性格
- 人柄
- 小説・漫画などの登場人物
- その人らしい持ち味
など複数の意味で使われます。
そのため、
「明るいキャラクター」
という場合は「性格」に近いことがありますが、
「アニメのキャラクター」
のような使い方は「性格」とは意味が異なります。
「性格・性質」で迷ったときの3秒判定
| こんな場合 | 選びやすい言葉 |
|---|---|
| 人が明るい・おとなしい | 性格 |
| 人同士の相性 | 性格 |
| その人の考え方・行動傾向 | 性格 |
| 水・金属・薬品の特徴 | 性質 |
| 燃える・溶けるなどの物理的特徴 | 性質 |
| 仕事が本来持つ特徴 | 性質 |
| 人の生来の気質・たちを表す | 性質も使える |
| 問題・団体などの本質的なタイプを示す | 性格も使える |
最も簡単に覚えるなら、
性格=「その人はどんな人?」
性質=「その人・物はどんな性向・特徴を持つ?」
です。
「性格」を使った例文
- 彼は明るい性格だ。
- 私は少し慎重な性格です。
- 二人は性格がよく合う。
- 子どもの性格に合わせて接し方を変える。
- 彼女の性格をよく知っている。
- この二つの問題は性格が異なる。
- この事業は公共的な性格が強い。
「性質」を使った例文
- 彼は温厚な性質の人だ。
- この金属にはさびやすい性質がある。
- 水の性質について学ぶ。
- 化学物質の性質を理解して安全に扱う。
- 仕事の性質上、休日出勤が必要になることがある。
- この問題は簡単には解決できない性質のものだ。
- 素材の性質を生かして製品を作る。
具体例で比較:人
ある人について、
「彼は慎重な性格だ。」
といえば、その人が普段からよく考えて行動する傾向を表します。
一方、
「彼には物事を慎重に考える性質がある。」
とも表現できます。
意味は近いですが、前者の方が日常的な人物描写として自然です。
後者は、その人が持つ一つの性向を取り出して述べる印象になります。
具体例で比較:金属
金属について、
「熱を伝えやすい性質がある。」
と表現します。
物理的な特徴を述べる場合は「性質」が適しています。
「熱を伝えやすい性格がある」
とは通常いいません。
具体例で比較:仕事
「この仕事の性質上、正確な記録が必要だ。」
なら、その業務にもともと伴う特徴・条件を表します。
一方、
「この仕事は研究的な性格が強い。」
なら、その仕事がどのような種類・方向性の仕事なのかを分類的に表しています。
人以外でも、視点によって「性質」と「性格」の両方を使えることが分かります。
具体例で比較:問題
「この問題の性質を考える。」
なら、その問題そのものが持つ特徴・本質について考えます。
一方、
「二つの問題は性格が異なる。」
なら、問題の種類・方向性が違うことを強調しています。
このように、物事についての「性格」は、他のものとの違いを際立たせて、その問題がどんなタイプなのかを示す場合に使いやすい言葉です。
よくある間違い1:「性格は人にしか使えない」と考える
これは正確ではありません。
辞書でも、事物に際立って見られる傾向という意味が掲載されています。
そのため、
「問題の性格」
「団体の性格」
「事業の性格」
などの表現は正しい日本語です。
よくある間違い2:「性質は物にしか使えない」と考える
これも正確ではありません。
「性質」には、人が持って生まれた気質・人となりという意味があります。
そのため、
「温厚な性質」
「怒りっぽい性質」
など、人についても使えます。
よくある間違い3:「性格=後天的、性質=先天的」と断定する
人についての「性質」には生来の気質という意味がありますが、日常語の使い分けを完全に先天・後天だけで区切ることはできません。
性格も生物学的要因と環境要因の双方との関係が考えられています。
実際の文章では、意味・対象・定着した表現で判断する方が適切です。
よくある間違い4:「性格は絶対に変わらない」と考える
性格は比較的持続して見られる傾向ですが、「永久に固定されたもの」という意味ではありません。
家庭・学校・友人関係・職場などの環境や経験と、性格形成・発達との関係も研究されています。
よくある間違い5:「性質」と「特性」は完全に同じだと思う
意味は非常に近いですが、「性質」の方が広い言葉です。
「特性」は、その中でも対象に特有で、説明・分類・測定する際に注目する性質を表しやすい言葉です。
よくある間違い6:「性格が悪い」と「性質が悪い」は完全に同じだと思う
人については意味が重なる場合があります。
ただし、日常的に人の人となりを批判するなら「性格が悪い」が一般的です。
「性質が悪い」は人の性向だけでなく、問題・トラブルなどが厄介な性質を持つことにも使えます。
「性格」と「性質」に関するよくある質問
Q1. 「性格」と「性質」は同じ意味ですか?
人について使う場合は意味が重なることがありますが、完全に同じではありません。
「性格」は感じ方・考え方・行動などに現れるその人らしい傾向、「性質」は人や物に備わる性向・特徴を広く表します。
Q2. 人には「性格」「性質」のどちらを使いますか?
どちらも使えます。
普通にその人の人となりを説明するなら「性格」が使いやすく、生来の気質・性向として述べるなら「性質」も使えます。
Q3. 物にはどちらを使いますか?
物理的・化学的な特徴なら、基本的に「性質」です。
「金属の性質」「水の性質」「薬品の性質」などと表現します。
Q4. 「性格」は人以外にも使えますか?
はい。
「問題の性格」「団体の性格」「事業の性格」など、その物事がどのような種類・傾向のものなのかを表す場合に使えます。
Q5. 「性質」は人にも使えますか?
はい。
「温厚な性質」「怒りっぽい性質」など、人の気質・性向を表すことができます。
Q6. 「性格が合う」と「性質が合う」はどちらですか?
人同士の相性について述べる場合は、一般に「性格が合う」が自然です。
Q7. 「性格」と「気質」は何が違いますか?
日常語では意味が近いですが、心理学では「気質」を性格の基礎にある生物学的・感情的傾向として捉える場合があります。
Q8. 「性格」と「人柄」は何が違いますか?
「性格」は心理・行動傾向を幅広く表します。
「人柄」は、その人から受ける人間的な印象・品格を表しやすい言葉です。
Q9. 「性格」と「個性」は何が違いますか?
「性格」は人の感じ方・考え方・行動傾向が中心です。
「個性」は性格だけでなく能力・好み・表現方法なども含め、他人と違うその人独自の特徴を広く表します。
Q10. 迷ったときの簡単な見分け方は?
「その人はどんな人なのかを表したい?」 → 性格
「人・物がどんな性向・特徴を持つかを表したい?」 → 性質
と考えてください。
まとめ
「性格」と「性質」は、人について使う場合には非常に意味が近い言葉です。
しかし、使える範囲と重点に違いがあります。
| 性格 | 性質 |
|---|---|
| 人の感情・意志・行動などに現れる固有の傾向 | 人・物にもともと備わる気質・特徴 |
| 人物描写で特によく使う | 人にも物にも使える |
| 明るい性格 | 温厚な性質 |
| 性格が合う | 水の性質 |
| 慎重な性格 | 燃えやすい性質 |
| 問題・団体の性格 | 仕事・問題の性質 |
最も簡単な覚え方は、
性格=「その人はどんな人?」
性質=「その人・物はどんな性向・特徴を持つ?」
です。
たとえば、
「彼は明るい性格だ」
なら、その人に普段から見られる感情・行動などの傾向を述べています。
一方、
「この金属は熱を伝えやすい性質を持つ」
なら、金属が備える特徴を述べています。
ただし、
「性格=人だけ、性質=物だけ」
という覚え方は正しくありません。
人については、
「おとなしい性格」
「おとなしい性質」
のように両方使える場合があります。
また、人以外についても、
「問題の性格」
「団体の性格」
のような表現があります。
さらに、「性格」を生まれつき完全に固定されたものと考えるのも適切ではありません。
性格の形成・発達には、生物学的な要因だけでなく、家庭・学校・友人・職場などの環境との関係も考えられています。
文章で迷った場合は、
「人の人となり・考え方・行動傾向について述べたいのか」
「人や物が持つ性向・特徴そのものについて述べたいのか」
を確認してください。
前者なら「性格」、後者なら「性質」が使いやすいでしょう。
参考資料・出典
本記事は、以下の辞書・公的機関・学術資料等を参照し、内容を整理したうえで作成しています。
-
コトバンク「性格」
― 行動に現れる人固有の感情・意志の傾向、感じ方・考え方・行動の仕方に現れる性向、および事物に際立って見られる傾向という「性格」の意味 -
コトバンク「性質」
― 人の気質・人となりと、物事に本来備わる特徴という「性質」の意味、および「性格」との用法上の違い -
コトバンク「気質」
― 日常語としての気だて・気性と、心理学上の性格の基礎にある生物学的・感情的傾向という「気質」の意味 -
コトバンク「性向」
― 人の性質の傾向という「性向」の意味 -
コトバンク「人柄」
― 人に備わっている性質・品格、人となりという「人柄」の意味 -
コトバンク「個性」
― 個人・個物に備わる、そのもの特有の性質という「個性」の意味 -
製品評価技術基盤機構(NITE)「なぜ化学物質を使うのでしょう―役に立つ化学物質―」
― 化学物質が持つさまざまな「性質」を、役に立つ性質・害になる性質の両面から説明する公的な使用例 -
経済産業省「個人向けサービスの性質別でみる個人消費」
― 人以外について「生活必需的な性格の強いサービス」などと「性格」を用いる公的な使用例 -
J-STAGE・日本心理学会「性格特性用語を用いたBig Five尺度の作成」
― 心理学研究で「性格特性」という語が用いられている学術的な使用例
※「性格」と「性質」は、人について使う場合には意味が大きく重なります。本記事の区別は、辞書上の意味と一般的な現代日本語での使用傾向を基にした実用上の目安です。
※「性格=人だけ」「性質=物だけ」、「性格=後天的」「性質=先天的」と機械的に分けることはできません。
※心理学における「性格」「人格」「パーソナリティー」「気質」「特性」は、研究理論や立場によって定義・範囲が異なる場合があります。
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