「連帯責任」とは?意味をわかりやすく解説|学校・会社・法律での具体例と「自己責任・共同責任」との違い

「一人がルールを破ったので、クラス全員が連帯責任です」「今回のミスはチームの連帯責任として受け止めます」。

学校や部活動、会社などで耳にする「連帯責任(れんたいせきにん)」ですが、具体的に誰が、何について、どこまで責任を負うのでしょうか。

「自分は関係ないのに責任を取らなければならないの?」「上司や同僚も弁償するの?」「法律の連帯責任も同じ意味?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

結論からいうと、連帯責任とは、複数の人がある行為や結果について、結びついた立場で責任を負うことです。ただし、学校や職場で使う日常的な意味と、法律上の責任では、負担する内容や成立する条件が異なります。

この記事では、言葉の意味・読み方から、学校、部活動、会社、法律の具体例まで整理します。さらに、自己責任・共同責任・集団責任・連帯債務・連帯保証の違いと、「連帯責任を負う」「連帯責任を取る」の使い方も解説します。

  1. 【結論】連帯責任とは?簡単にいうと「複数人が結びついて責任を負うこと」
  2. 「連帯責任」の読み方・辞書上の意味
    1. 読み方は「れんたいせきにん」
    2. 辞書ではどのように説明される?
  3. 「連帯責任」と「自己責任・共同責任・集団責任」の違い
    1. 「自己責任」は自分自身に注目する
    2. 「共同責任」と「連帯責任」はどう違う?
    3. 「集団責任」との違いは?
  4. 学校でいう「連帯責任」とは?クラス全員が責任を負う例
    1. 例1:一人が校則を破り、クラス全員が注意を受けた
    2. 例2:忘れ物をした人がいて、全員が居残りになった
    3. 学校の連帯責任は違法なの?
  5. 部活動・スポーツでの「連帯責任」とは?
    1. 例1:部員一人の問題で全員が練習停止になる
    2. 例2:試合での失点を「全員の責任」と考える
    3. 部活動でも体罰は認められない
  6. 会社・職場でいう「連帯責任」とは?上司や同僚も責任を負う?
    1. 例1:部署のミスを「チームの連帯責任」として受け止める
    2. 例2:部下の失敗は上司の連帯責任になる?
    3. 例3:社員のミスで損害が出たら全員で弁償する?
    4. 仕事の連帯責任を前向きに使うには?
  7. 法律上の「連帯責任」は日常会話と何が違う?
    1. 連帯債務:一人に全部を請求できる場合がある
    2. 共同不法行為:複数人の行為が損害につながった場合
    3. 連帯保証:他人の債務を保証する契約
  8. 家族・友人も「連帯責任」になる?
    1. 家族だから自動的に借金の連帯責任を負うわけではない
    2. 友人のトラブルに同席しただけで責任を負う?
  9. 「内閣は連帯して責任を負う」とはどういう意味?
  10. 「連帯責任を取る」「連帯責任を負う」の使い方と例文
    1. 「連帯責任を負う」は責任がある立場を表す
    2. 「連帯責任を取る」は事後の対応に焦点がある
    3. 「連帯責任を問う」「連帯責任を負わせる」
  11. 連帯責任が問題になる理由と、適切に考えるための視点
    1. 関係のない人にも負担が及ぶことがある
    2. 一律の負担が必ずしも再発防止につながるとは限らない
    3. 責任をあいまいにしないための4つの確認
  12. 連帯責任の言い換え表現は?
  13. 「連帯責任」に関するよくある質問(FAQ)
    1. Q1. 連帯責任とは一言でいうと何ですか?
    2. Q2. 連帯責任は全員が同じ罰を受けることですか?
    3. Q3. 何もしていない人にも連帯責任がありますか?
    4. Q4. 学校での連帯責任は違法ですか?
    5. Q5. 部活の一人の不祥事で全員が活動停止になるのは当然ですか?
    6. Q6. 会社では社員全員でミスを弁償するのですか?
    7. Q7. 上司にも連帯責任がありますか?
    8. Q8. 「連帯責任」と「共同責任」は同じですか?
    9. Q9. 「連帯責任」と「自己責任」は反対の意味ですか?
    10. Q10. 連帯債務は全員が同じ金額を出す制度ですか?
    11. Q11. 連帯保証と連帯責任は同じですか?
    12. Q12. 家族や友人の借金も連帯責任になりますか?
    13. Q13. 「連帯責任を取る」と「連帯責任を負う」の違いは?
    14. Q14. 連帯責任は良いことですか、悪いことですか?
    15. Q15. 法律で連帯責任とされたら必ず全員が全額を支払いますか?
  14. まとめ|連帯責任は「誰が何を負うか」で意味が変わる
  15. 参考リンク

【結論】連帯責任とは?簡単にいうと「複数人が結びついて責任を負うこと」

連帯責任(れんたいせきにん)は、一人だけではなく、複数の人が一つの行為や結果に関して責任を担うことを意味します。

「連帯」は互いにつながること、「責任」は役割や行為の結果について引き受けるべき立場を表します。したがって、連帯責任は「関係する人たちが、互いに無関係とはせず責任を担うこと」と理解するとわかりやすいでしょう。

ただし、「その場にいた全員が、必ず同じ罰を受ける」という意味に限定されません。何を負担するかは、使われる場面によって異なります。

場面 「連帯責任」の主な意味 注意点
学校・部活動 集団の問題をメンバー全体の問題として捉える 一律の処分が当然に正当化されるわけではない
会社・職場 組織として反省・説明・再発防止に取り組む 全従業員に損害賠償義務が発生するわけではない
民事上の法律関係 複数の人が連帯して債務や賠償責任を負うことがある 法令や契約、行為の内容などの根拠が必要
政治 内閣が一体として国会に責任を負う 個人の金銭的責任とは意味が異なる

最初に区別したいのは、「みんなで問題の解決に当たること」と「みんなが法律上の責任を負うこと」は同じではないという点です。

「連帯責任」の読み方・辞書上の意味

読み方は「れんたいせきにん」

「連帯責任」は「れんたいせきにん」と読みます。「連携責任」「連隊責任」などと混同しないようにしましょう。「連帯」は、人同士の結びつきや共同の立場を表す言葉です。

辞書ではどのように説明される?

小学館『デジタル大辞泉』の「連帯責任」には、複数の者が連帯して負う責任という意味に加え、内閣が一体となって国会に負う政治的責任という意味も載っています。

つまり、学校で全員が注意を受ける話だけではなく、法律や政治の文章にも使われる幅広い言葉なのです。辞書の原文は末尾の参考リンクから確認できます。

「連帯責任」と「自己責任・共同責任・集団責任」の違い

似た言葉でも、責任を考える際の着眼点が異なります。

言葉 意味の中心 使用例
連帯責任 複数人が結びついて責任を負う 関係者が連帯責任を負う
自己責任 自分の判断や行動の結果を自分で引き受ける 自分の選択は自己責任で行う
共同責任 複数人で責任を分かち合う 企画の結果は担当者の共同責任だ
集団責任 所属する集団全体に責任を求める チーム全体を集団責任として扱う
個人責任 個々人の行為や役割に応じた責任 各担当者の個人責任を確認する

「自己責任」は自分自身に注目する

例えば、ある社員が自分の判断で提出期限を守らなかった場合、その行動について本人に責任があると考えるのは「自己責任」や「個人責任」の発想です。

ただし、職場で問題が起きたときには、人員配置や確認体制なども影響します。「自己責任」という言葉だけで、周囲の事情をすべて無視してよいわけではありません。

「共同責任」と「連帯責任」はどう違う?

「共同責任」は、複数人が共に責任を担うという一般的な表現です。一方、「連帯責任」は、関係者が一体となって負担するという結びつきを強調します。

日常会話では両者がほぼ同じ意味で使われることもあります。「共同責任なら一人ずつ半分」「連帯責任なら必ず全額」という機械的な区別はできません。特に契約や法律の話では、使われている制度や条文を確かめる必要があります。

「集団責任」との違いは?

「集団責任」は、クラス、部、チームなど集団全体に責任を求めることを指す表現です。学校でいう「連帯責任」は、実際にはこの意味で用いられていることが少なくありません。

ただし、その集団に所属するだけで各人に同じ法的責任が生じる、という意味ではありません。

なお、881.html「責任」と「義務」の違いでは、「責任を負う」と「義務を負う」の基本的な違いを詳しく紹介しています。

学校でいう「連帯責任」とは?クラス全員が責任を負う例

例1:一人が校則を破り、クラス全員が注意を受けた

例えば、授業中に一人の生徒が繰り返しルールを破り、先生が「クラス全員の連帯責任です」と伝えたとします。

この場合、「学級全体でルールを確認し、同じことが起きないようにしよう」という趣旨であれば、集団として改善を考える指導と言えます。

一方で、何もしていない生徒まで事情を聞かれずに同じ不利益を受けるなら、指導の目的や公平性が問われます。反省を共有することと、一律の罰を科すことは分けて考える必要があります。

例2:忘れ物をした人がいて、全員が居残りになった

「一人が忘れ物をしたので、全員で居残り」という場合も、連帯責任と呼ばれることがあります。しかし、忘れ物をしていない人にまで同じ負担を課す必要があるのか、その時間や内容は適切かといった点が問題になります。

授業運営上の確認や全員への説明と、誰かの失敗に対する制裁とは性質が異なります。「連帯責任だから」という一言だけで、その区別はなくなりません。

学校の連帯責任は違法なの?

「連帯責任」という言葉を使っただけで一律に違法になるわけではありません。ただし、具体的な指導が不適切であったり、体罰に当たったりする可能性はあります。

文部科学省は、学校教育法第11条に基づき体罰は禁止されると説明し、懲戒に当たる行為かどうかは、児童生徒の年齢や健康、指導の方法・時間・状況などを踏まえて判断するよう示しています。

例えば、特定の姿勢を長時間強いるなど、肉体的苦痛を与える指導は体罰に当たり得ます。集団への指導だから許される、ということにはなりません。

実際に困っている場合は、いつ、どのような指導を、誰が受けたのかを整理し、担任だけでなく学年主任や学校管理職、必要に応じて教育委員会等へ相談することが考えられます。

部活動・スポーツでの「連帯責任」とは?

例1:部員一人の問題で全員が練習停止になる

部員の一人が問題行動を起こしたとき、「部全体の連帯責任」として全員に活動上の制限が設けられるケースがあります。

ここでは、本人への指導、部の安全確保、事実関係の確認、他の部員への不利益を区別することが大切です。全員が関わっていたのか、一部の人だけの行為だったのか、再発防止策としてどのような対応が必要なのかによって、適切な判断は変わります。

例2:試合での失点を「全員の責任」と考える

スポーツには、問題行動への責任追及とは別に、「失点は一人のせいではなく、チーム全体で改善しよう」という意味で連帯責任を使う場面もあります。

例えば、サッカーで失点した場面には、守備の連係やチームの配置など複数の要因があるかもしれません。これは、誰かを罰するためではなく、次の試合に向けて協力するという前向きな使い方です。

このように、「皆で改善する」という連帯責任と、「皆に罰を与える」という連帯責任は区別して理解すると混乱しません。

部活動でも体罰は認められない

文部科学省は、部活動も学校教育の一環であり、厳しい指導を理由に体罰を正当化してはならないと示しています。連帯感を育てることは重要ですが、それは不合理な負担を与えてよいという意味ではありません。

会社・職場でいう「連帯責任」とは?上司や同僚も責任を負う?

例1:部署のミスを「チームの連帯責任」として受け止める

例えば、顧客に送る資料に誤りがあり、担当者だけではなく、確認者や管理職も再発防止に取り組むケースです。

このときの「連帯責任」は、誤りの原因を調べ、チェック手順や担当範囲を見直し、必要な説明をするという組織上の対応責任を表す場合があります。

だからといって、部署の全員に同額の弁償義務が自動的に発生するわけではありません。関与の有無、具体的な役割、契約や法令上の根拠を分けて考えます。

例2:部下の失敗は上司の連帯責任になる?

上司には、業務の指示・管理・確認などの役割があります。そのため、部下のミスについて上司にも説明や管理上の責任が問われることはあります。

しかし、上司だから必ず部下と同じ法的責任を負う、というわけではありません。管理体制の不備があったか、上司自身に問題のある行為があったかなど、具体的な事情によります。

仕事を進める権限と責任の関係については、434.html「権限」と「責任」の違いも参考になります。

例3:社員のミスで損害が出たら全員で弁償する?

原則として、仕事上のミスが起きただけで社員全員に損害賠償義務が生じるわけではありません。

厚生労働省が紹介する裁判例でも、労働者が仕事のミスによって使用者に損害を与えた場合、当然に賠償責任を負うのではなく、業務の性質や予防策、会社側のリスク負担などを踏まえて判断する考え方が示されています。

また、労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額をあらかじめ予定したりする契約を禁止しています。ただし、同条は、現実に発生した損害について一切請求できないと定めたものではありません。損害の有無や責任の範囲は別途判断されます。

「連帯責任だから全員から一定額を徴収する」と言われた場合は、負担の根拠や内容を確認することが重要です。

仕事の連帯責任を前向きに使うには?

職場では、原因究明と改善への協力を指す表現として使う方が、責任を曖昧にしたり、関係のない人を非難したりすることを避けやすくなります。

  • 担当者:事実を報告し、必要な修正を行う
  • 確認者:見逃しが起きた工程を点検する
  • 管理職:業務量、手順、教育・確認体制を見直す
  • チーム全体:再発防止の仕組みを共有する

この場合、全員がまったく同じ責任を持つのではなく、各自の役割に応じて対応することが大切です。

法律上の「連帯責任」は日常会話と何が違う?

日常会話では「一緒に責任を負う」という広い意味で使われる一方、法律ではどのような法律関係が成立しているかによって責任の内容が決まります。

法律上の説明で重要なのは、連帯債務、共同不法行為、連帯保証といった具体的な制度を区別することです。これらをまとめて「みんな同じだけ払う制度」と理解すると誤解につながります。

連帯債務:一人に全部を請求できる場合がある

民法第436条は、法令や当事者の意思表示により数人が連帯して債務を負う場合、債権者が連帯債務者の一人に対しても、全員に対しても、全部または一部の履行を請求できることを定めています。

例えば、AさんとBさんが、適法に100万円の連帯債務を負っているとします。この場合、債権者はAさんだけに100万円の支払いを求めることもできます。

ここで重要なのは、借金の総額が自動的に200万円になるわけではないということです。100万円の債務が履行されれば、その範囲で重複して支払う必要はありません。

また、Aさんが全額を支払った場合、内部的な負担部分などに応じてBさんに求償できることがあります。連帯債務者間の求償権については民法第442条に規定があります。ただし、負担割合がいつも半分ずつになるとは限りません。

共同不法行為:複数人の行為が損害につながった場合

民法第719条は、複数人が共同の不法行為によって他人に損害を与えた場合の責任を定めています。

例えば、複数人が共同して他人の財物を壊した場合には、具体的な行為や関係性などによって、各人が連帯して損害賠償責任を負うことがあります。

ただし、「同じ場所にいた」「同じグループに所属していた」というだけで、この条文に基づく責任が当然に成立するわけではありません。

連帯保証:他人の債務を保証する契約

「連帯保証」は、主たる債務者の債務について、保証人が連帯して債務を負う仕組みです。民法第454条により、連帯保証人には通常の保証人に認められる催告の抗弁・検索の抗弁が認められません。

簡単にいうと、連帯保証人は「先に借りた本人へ請求してください」「先に本人の財産から回収してください」といった一定の主張ができない立場になります。

しかし、連帯保証と連帯債務は同じ制度ではありません。前者は他人の債務を保証する関係、後者は複数の債務者が連帯して債務を負う関係です。保証契約の成立や範囲にも別の法的条件があります。

法律上の関係 何について責任を負う? 主な根拠
連帯債務 同じ債務の履行 民法第436条など
共同不法行為 共同の不法行為による損害賠償 民法第719条
連帯保証 主たる債務についての保証債務 民法第446条・第454条など

なお、これは一般的な制度の整理です。実際に誰がいくら負担するかは、契約の内容、事実関係、適用法令などによって変わります。

家族・友人も「連帯責任」になる?

家族だから自動的に借金の連帯責任を負うわけではない

親、配偶者、子どもなどの家族であることだけを理由に、誰かの借金について当然に連帯債務者や連帯保証人になるわけではありません。

ただし、自ら保証契約を結んでいる場合や、相続など別の法律関係が関わる場合には、債務を負担する可能性があります。「家族なら絶対に払わなくてよい」「家族だから必ず払う」のどちらも正確ではありません。

友人のトラブルに同席しただけで責任を負う?

同じ場所にいただけで、友人の不法行為に関する連帯賠償責任が自動的に発生するわけではありません。共同の行為や関与の実態、法律上の要件が問題になります。

一方、周囲の人を助ける、被害の拡大を防ぐ、状況を正確に伝えるといった行動は、法律上の連帯責任とは別に大切です。

「内閣は連帯して責任を負う」とはどういう意味?

政治の文章にも「連帯責任」という表現が登場します。日本国憲法第66条第3項は、内閣が行政権の行使について国会に対して連帯して責任を負う旨を定めています。

これは、内閣が一体となって国会に対する政治的責任を担うという意味です。学校の連帯罰や民法上の借金の連帯債務とは性質が異なります。

同じ「連帯責任」という言葉でも、政治・教育・職場・民事法では責任の種類が違うことがわかります。

「連帯責任を取る」「連帯責任を負う」の使い方と例文

「連帯責任を負う」は責任がある立場を表す

  • この契約について、当事者が連帯して責任を負う場合があります。
  • 問題の原因には複数の部署が関わっており、組織として連帯責任を負うべきだという意見が出ました。
  • 内閣は行政権の行使について国会に対して連帯して責任を負います。

「負う」は責任を引き受ける立場そのものに注目する言い方です。

「連帯責任を取る」は事後の対応に焦点がある

  • 今回の失敗については、チーム全体で連帯責任を取り、再発防止策を実行します。
  • 管理職も連帯責任を取るべきだという声が上がりました。
  • 部員全員に連帯責任を取らせることが適切か、学校で話し合われました。

「取る」は謝罪、改善、処分などの具体的な対応を連想させます。ただし、「責任を取る」と言っただけで、金銭の支払いや退職など特定の措置が法的に決まるわけではありません。

「連帯責任を問う」「連帯責任を負わせる」

  • 委員会は複数の関係者に連帯責任を問いました。
  • 関係のない生徒にまで連帯責任を負わせることには疑問があります。
  • 事故の原因を確認せず、全員に連帯責任を求めるのは適切でしょうか。

「問う」は責任の所在を明らかにしようとする言い方、「負わせる」は他者に責任を負担させる言い方です。負わせる側が当然に正しいという意味は含みません。

連帯責任が問題になる理由と、適切に考えるための視点

関係のない人にも負担が及ぶことがある

学校や職場では、責任の範囲があいまいなまま「全員が連帯責任」とされると、問題に関わっていない人まで処分や不利益を受ける可能性があります。

責任を考えるときは、「誰が、何をしたのか」「誰にはどのような役割があったのか」を確認することが欠かせません。

一律の負担が必ずしも再発防止につながるとは限らない

全員に同じ対応を求めても、原因がわからなければ同じ問題が繰り返されるかもしれません。例えば、手順の複雑さが原因の仕事上のミスであれば、担当者全員を叱るよりも、手順や確認体制の改善が重要になることがあります。

責任をあいまいにしないための4つの確認

  1. 原因:何が起き、何が直接の原因だったのか。
  2. 関与:誰がどこまで関わり、どのような役割を持っていたか。
  3. 根拠:負担を求める理由は規則・契約・法令などに照らして妥当か。
  4. 対応:本人への指導、組織全体の改善、法的な賠償などを区別しているか。

「全員で改善する」という協力は有益なことがありますが、「全員に同じ責任を負わせる」ことまで当然に導かれるわけではありません。

連帯責任の言い換え表現は?

「連帯責任」は強い印象を与えることもあるため、伝えたい内容によって言い換えると誤解を減らせます。

伝えたい内容 言い換え例 文章例
組織全体で改善する 組織として対応する 今回の問題には組織として対応します。
複数の担当者に関係がある 共同で責任を担う 関係部署が共同で責任を担います。
管理職にも役割がある 管理上の責任を負う 管理職は確認体制について責任を負います。
チーム全体の課題にする 全員で改善に取り組む 次回に向けて全員で改善に取り組みます。
法律上の支払義務を明示する 連帯して債務を負担する 契約上、両名が連帯して債務を負担します。

とくに仕事のメールや報告書では、「連帯責任」という語だけで済ませず、誰がどの対応をするかを具体的に書く方がわかりやすくなります。

「連帯責任」に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 連帯責任とは一言でいうと何ですか?

複数の人が結びついて、ある行為や結果に関する責任を負うことです。ただし、責任の具体的な内容は学校・職場・法律などの場面によって異なります。

Q2. 連帯責任は全員が同じ罰を受けることですか?

いいえ。そのような意味で使われることはありますが、それだけを指す言葉ではありません。組織としての説明や改善、法律上の債務負担を指す場合もあります。

Q3. 何もしていない人にも連帯責任がありますか?

日常会話でそう言われることはありますが、法的責任が自動的に生じるわけではありません。集団への指導についても、本人の関与や負担の妥当性を確認する必要があります。

Q4. 学校での連帯責任は違法ですか?

「連帯責任」という言い方だけで違法かどうかは決まりません。具体的な指導内容が体罰に該当する場合は認められず、その他の指導も状況に応じた適切さが問われます。

Q5. 部活の一人の不祥事で全員が活動停止になるのは当然ですか?

当然とはいえません。事実関係、処分と安全確保の目的、他の部員への影響、学校や競技団体の規定など、個別の事情によって判断が変わります。

Q6. 会社では社員全員でミスを弁償するのですか?

ミスが起きただけで全社員に賠償義務が発生するわけではありません。法的根拠、本人の行為や関与、損害などを踏まえる必要があります。

Q7. 上司にも連帯責任がありますか?

管理・監督や説明の責任が問われることはあります。ただし、部下と同じ金銭的・法的責任を必ず負うわけではありません。

Q8. 「連帯責任」と「共同責任」は同じですか?

日常的には似た意味ですが、「連帯」は一体となった負担を強調します。法律上の意味は用いられている具体的な制度や契約で判断します。

Q9. 「連帯責任」と「自己責任」は反対の意味ですか?

対比されることはありますが、厳密な反対語ではありません。一つの出来事に個人の責任と組織としての対応責任が併存する場合もあります。

Q10. 連帯債務は全員が同じ金額を出す制度ですか?

いいえ。債権者が連帯債務者の一人に全額を請求できる場合があり、内部の負担部分とは分けて考えます。各人の負担割合が必ず均等とは限りません。

Q11. 連帯保証と連帯責任は同じですか?

同じではありません。連帯責任は広い表現で、連帯保証は債務の保証に関する具体的な法律制度です。

Q12. 家族や友人の借金も連帯責任になりますか?

家族や友人という関係だけで、当然に連帯債務者・連帯保証人になるわけではありません。保証契約や相続など、別の法律関係がないか確認する必要があります。

Q13. 「連帯責任を取る」と「連帯責任を負う」の違いは?

「負う」は責任を引き受ける立場に、「取る」は発生した問題への対応に重点がある言い方です。

Q14. 連帯責任は良いことですか、悪いことですか?

一律に決められません。協力や再発防止につながる面がある一方、関与していない人への不合理な不利益につながることもあります。何を、誰に、どの根拠で求めるのかが重要です。

Q15. 法律で連帯責任とされたら必ず全員が全額を支払いますか?

連帯債務では債権者が一人に全額を請求できる場合がありますが、全員がそれぞれ同じ総額を重複して支払うという意味ではありません。適用される制度と実際の履行状況を確認します。

まとめ|連帯責任は「誰が何を負うか」で意味が変わる

「連帯責任」とは、複数の人がある行為や結果について、互いに結びついた立場で責任を負うことです。

ただし、その中身は一つではありません。学校・部活動では集団としての指導や改善、会社では組織としての説明や再発防止、法律では一定の要件に基づく連帯債務や損害賠償、政治では内閣の国会に対する責任を指すことがあります。

「全員で改善すること」と「全員に同じ罰・賠償を負わせること」は別です。連帯責任という言葉を見聞きしたら、誰が、何について、どのような根拠で責任を負うのかを確かめると、正しく理解できます。

また、「責任を負う」の意味と「義務を負う」の意味を整理したい場合は、1202.html「義務を負う」とは?もあわせてご覧ください。

参考リンク

※法律に関する説明は一般的な仕組みを整理したものであり、個別の争いについて結論を示すものではありません。具体的な契約・処分・賠償請求については、状況に応じて公的相談窓口や専門家へ確認してください。

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