ニュースや自治体の広報などで、「議会で議決された」「予算案の議決を得た」という表現を見かけることがあります。
しかし、似た言葉に「決議」「採決」「可決」「否決」があるため、それぞれ何が違うのか迷う方もいるのではないでしょうか。
「議決(ぎけつ)」とは、会議体が案件について話し合い、組織としての意思を決めることです。特に議会では、議案などに対して賛成・反対の意思を確認し、議会として結論を出すことを意味します。
大切なのは、議決は「賛成して成立した」という意味だけではないことです。議案を否決することも議決の一つであり、案件によっては「同意」「認定」「採択」などの言葉が用いられます。
この記事では「議決」の意味と読み方、議案が議決されるまでの流れ、決議・採決・可決・否決との違いを、具体例を交えながらわかりやすく解説します。
- 「議決」とは?意味と読み方をわかりやすく解説
- 「議決する」「議決を得る」「議決を経る」の意味と使い方
- 議案が議決されるまでの流れ
- 「議決」と「決議」の違い
- 「議決」と「採決」の違い
- 「議決」と「可決・否決」の違い
- 議決の種類とは?「同意・認定・承認・採択」も議決の結果
- 議決が必要になるのはどんなとき?具体例で確認
- 議決は多数決で決まる?全会一致や特別なルールとの違い
- 国会・地方議会・会社の会議では使い方が違う?
- 「議決」を使った自然な例文10選
- 議事録やお知らせで「議決結果」を書くときのポイント
- 「議決事項」「議決事件」「議決権」とは?関連語の意味
- 「議決」に関するよくある質問(FAQ)
- Q1. 議決と決議は同じ意味ですか?
- Q2. 議決と採決は、どちらが先ですか?
- Q3. 議決されれば、必ず可決されたという意味ですか?
- Q4. 「議決を経る」とはどういう意味ですか?
- Q5. 議決するには過半数の賛成が必要ですか?
- Q6. 全会一致でなければ議決できませんか?
- Q7. 「付議」と「議決」の違いは何ですか?
- Q8. 議決と承認は同じですか?
- Q9. 議決と議案はどう違いますか?
- Q10. 議決されれば、その日から条例や法律が有効になりますか?
- Q11. 委員会で採決されたら、本会議の議決は不要ですか?
- Q12. 「議決」と「採択」の違いは何ですか?
- Q13. 「否決」と「審議未了」はどう違いますか?
- Q14. 議決結果はどこで確認できますか?
- まとめ|「議決」は会議体として結論を決めること
- 参考リンク
「議決」とは?意味と読み方をわかりやすく解説
「議決」の読み方は「ぎけつ」
「議決」は「ぎけつ」と読みます。「議」は話し合いや審議、「決」は決定することを表す漢字です。
小学館『デジタル大辞泉』では「議決」を、複数人で相談して物事を決めること、またはその決定された事柄として説明しています。
簡単に言えば、一人の担当者が自分の判断で決めるのではなく、会議の構成員が定められた方法に従って、会議体として決定することです。
例えば、市議会が新しい図書館の建設に関する予算案を審議し、採決を経て承認する方向の結論を出した場合、その予算案は「議決された」と表現できます。この例で、賛成して成立したという結果を具体的に示すなら「可決された」が適切です。
「議決」は可決と否決の両方を含む
「議決」という言葉には、肯定的な結論だけでなく、否定的な結論も含まれます。
- 議案が可決された:議会がその議案を認める結論を出した。
- 議案が否決された:議会がその議案を認めない結論を出した。
- 議案が議決された:議会としての意思決定が行われた。可決か否決かなどの結果は文脈によって確認する必要がある。
例えば「市議会で予算案が議決された」という文章だけでは、予算案が原案どおり可決されたのか、修正されて可決されたのか、あるいは否決されたのかは明確ではありません。
結果を正確に伝える必要がある場合は、「原案可決」「修正可決」「否決」のように具体的な表現を使いましょう。
議決の意味を一目で確認
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | ぎけつ |
| 基本的な意味 | 会議体が話し合いや所定の手続きを経て意思を決定すること |
| 主な使用場面 | 国会、地方議会、各種会議体など |
| 対象になるもの | 議案、予算、条例、人事案件、請願など(会議体ごとに異なる) |
| 結果を表す言葉 | 可決・否決、同意・不同意、認定・不認定など |
| 例文 | 「条例案は本会議で議決された」 |
「議決する」「議決を得る」「議決を経る」の意味と使い方
「議決」は単独で使うほか、「議決する」「議決を得る」「議決を経る」といった形でもよく登場します。似ていますが、文章で強調する内容が異なります。
「議決する」とは?
「議決する」は、会議体として案件の結論を決めることです。決定する主体が議会や会議体であることを強調します。
- 「市議会は来年度の予算案を議決した」
- 「本会議で条例改正案を議決する予定です」
- 「その案件については、委員会で議決することになっています」
ただし、委員会の採決による決定が直ちに議会全体の最終決定になるとは限りません。地方議会では、委員会での審査や採決を経て、本会議で最終的に議決する案件もあります。
「議決を得る」とは?
「議決を得る」は、ある案件について、必要とされる会議体の意思決定を受けることです。
- 「新年度予算の成立には議会の議決を得る必要があります」
- 「必要な議決を得てから、計画を具体化します」
「議決を得た」は、必要な議会の決定を受けたという文脈で用いられます。ただし、議決があった事実と、議案が希望どおり認められた事実は、厳密には区別します。議案が認められたことを明示したいなら「可決された」「同意を得た」など、案件に応じた結果を記載する方が明確です。
「議決を経る」とは?
「議決を経る」は、手続きの一段階として、議会などによる決定を受けることを意味します。
例えば「議会の議決を経て契約を締結する」という文章では、契約締結に先立ち、定められた議会での意思決定手続きを踏むことが示されています。
「議決を得る」が必要な決定を受けることに、「議決を経る」が決定手続きを通過することに重点を置きやすいものの、実際の文書では近い意味で使われることもあります。
議案が議決されるまでの流れ
議決を理解するには、案件が出されてから結論が決まるまでの流れを知るとわかりやすくなります。
地方議会の一般的な案件を例にすると、次のような手順をたどります。
- 議案の提出:市長や議員など、提出権限のある人・機関が案件を提出する。
- 議題と説明:議案が本会議で扱われ、提案理由などが説明される。
- 質疑・審査:議員が内容を確認し、必要に応じて委員会で詳しく審査する。
- 討論:採決の前に、議案への賛成・反対の意見を表明する。
- 採決:所定の方法で賛否などを確認する。
- 議決:採決の結果を踏まえ、議会としての意思決定が成立する。
これは理解のために単純化した一般例です。すべての議案が必ず同じ順序をたどるわけではなく、委員会への付託を省略する場合などもあります。実際の手続きは、法律、会議規則、案件の種類によって異なります。
議決前の「審議」と議決後の「決定」を区別する
「審議」は、案件を詳しく調べ、議論・検討することです。「議決」は、その検討を経て会議体として意思を決めることです。
例えば「図書館の建設費が高すぎないか」「ほかの施設の整備を優先すべきではないか」といった点を話し合っている段階は審議であり、採決の結果として予算案を可決した段階は議決に当たります。
審議そのものを詳しく知りたい方は、1722.html「審議とは?」も参考になります。
「付議」は議決より前の段階で使う
「付議(ふぎ)」とは、案件を会議にかけ、審議や検討の対象にすることです。
そのため、「議案を付議した」というだけでは、議決に至ったとは限りません。「付議された案件を審議し、採決を経て議決した」という流れで理解できます。
「付議」と「議決」の違いや、取締役会での使い方については、1973.html「付議とは?」で詳しく解説しています。
「議決」と「決議」の違い
「議決」と特に混同しやすいのが「決議(けつぎ)」です。
どちらにも、複数人で話し合い、会議体として物事を決める意味があります。
| 比較項目 | 議決 | 決議 |
|---|---|---|
| 読み方 | ぎけつ | けつぎ |
| 基本的な意味 | 合議による意思決定、または決定事項 | 会議での決定、または決定した内容 |
| よく見られる表現 | 議会の議決、議決を経る、議決事件 | 決議案、不信任決議、株主総会決議 |
| 関係 | 意味が重なる。法律・会議体による用法の違いがある | |
「議決=行為、決議=内容」と断定してよい?
「議決は決める行為、決議は決まった内容」と説明されることがありますが、それだけで両者を区別するのは正確ではありません。
小学館『デジタル大辞泉』の「決議」の項目でも、このような使い分けが語られることはあるものの、明確な根拠はなく、法令文でも区別しない用例があると説明されています。
したがって、言葉の意味だけで一律に区別するのではなく、どの会議体について述べているのかを確認することが大切です。
地方議会の「決議」は、議会の意思を表明するもの
地方議会の用語としては、もう少し具体的な違いが見られます。
岡崎市議会では、「議決」を議案などに対する議会の意思決定と説明し、「決議」を議会の意思を対外的に表明する必要などから行う議決として解説しています。
例えば、議会がある取り組みを推進すべきだという考えを表明するために「推進に関する決議案」を審議し、可決する場合があります。この場合、「決議案を議決した」「決議案が可決された」という表現は矛盾しません。
なお、株主総会や取締役会の「決議」は、会社法などに基づく意思決定を指す場合があります。議会の意思表明としての決議と法的な効果を同一視せず、場面ごとに理解しましょう。
「議決」と「採決」の違い
「採決(さいけつ)」は、議員などに賛否の意思表示を求め、結果を確かめるための手続きです。一方、「議決」は、その結果による会議体の意思決定を意味します。
| 言葉 | 意味 | 注目する点 |
|---|---|---|
| 採決 | 賛否などを確認する手続き | どうやって賛否を確かめるか |
| 議決 | 会議体として意思を決定すること | どのような結論になったか |
| 表決 | 個々の構成員が賛否などを表明すること | 一人ひとりの意思表示 |
例えば、市議会で議長が条例案への賛成者に起立を求めることは採決に関する行為です。議員が賛成の意思を示すことは表決であり、その結果として議会が条例案を可決することは議決に当たります。
採決にはどのような方法がある?
議会では、起立による方法、投票による方法、異議がないか確認する簡易な方法などが使われます。どの方法を選ぶかは、会議規則や案件の性質によって異なります。
「採決する」という動詞は議長や委員長の行為を指す場面が多く、「議決する」という動詞は議会などの会議体の決定を指す場面が多いと覚えると、文章を読みやすくなります。
「採決に入った」と「議決された」は同じではない
「これから採決に入ります」は、これから賛否を確認するという意味です。この時点では最終的な結果がまだ確定していません。
これに対して「議決された」は、会議体としての意思決定が行われた段階を表します。ニュースを読むときも、採決の開始と議決の成立を区別すると状況を理解しやすくなります。
「議決」と「可決・否決」の違い
「可決(かけつ)」は議案をよいと認めること、「否決(ひけつ)」は議案を認めないことです。議決が意思決定全般を指すのに対し、可決・否決は特定の議案に対する結論を示します。
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 議決 | 会議体が意思を決めること | 予算案を議決した |
| 可決 | 議案を認める結論 | 予算案を可決した |
| 否決 | 議案を認めない結論 | 予算案を否決した |
| 原案可決 | 提出された案を変更せず可決 | 条例案を原案可決した |
| 修正可決 | 案の内容を修正して可決 | 修正した予算案を可決した |
可決は必ず「原案のまま」とは限らない
議案が可決されても、提出された内容が一字一句そのまま認められたとは限りません。
長崎市議会では、原案のとおりなら「原案可決」、一部を修正して可決した場合は「修正可決」と説明しています。
例えば、ある施設の整備計画について、費用や実施時期を修正して承認する場合は、修正可決という形になることがあります。
ニュースなどで単に「可決」と書かれている場合も、正確な内容を知りたいときは議決結果や修正内容を確認しましょう。
「否決」と「審議未了」は異なる
「否決」は、採決の結果、議案を認めないと議会が判断したことです。
一方、「審議未了」は、審議が終わらないまま所定の期間が終わるなどして、最終的な議決に至らなかった状態を指します。
反対多数で否決されたことと、採決まで進まず審議未了となったことは同じではありません。議案の結果を伝える際には注意が必要です。
議決の種類とは?「同意・認定・承認・採択」も議決の結果
議決は、いつも「可決」「否決」という言葉で表されるとは限りません。
地方議会では、何について意思を決めたかによって、結果の表現が変わります。例えば、長崎市議会や成田市議会は、次のように整理しています。
| 主な案件 | 肯定的な議決 | 否定的な議決 |
|---|---|---|
| 予算・条例・契約など | 可決 | 否決 |
| 人事案件など | 同意 | 不同意 |
| 決算の認定 | 認定 | 不認定 |
| 専決処分の承認など | 承認 | 不承認 |
| 請願など | 採択 | 不採択 |
なお、案件の分類や具体的な取り扱いは議会によって異なる部分があるため、個別の議会の議決結果を確認する際は、その議会の公式用語集も参考にしてください。
「人事案件に同意する」も議決
例えば、市長が特定の人をある役職に選任するため、法令に基づき議会の同意を求める場合があります。
この案件について議会が賛成すれば「同意」、同意しない結論なら「不同意」と表現します。こうした判断も議会の意思決定であり、議決に含まれます。
「決算を認定する」も議決
自治体の決算は、すでに行われた収入や支出の実績を整理したものです。議会が決算を審査して認める場合は「認定」と表現されます。
ここでの「認定」は、将来の予算を成立させる「可決」とは別の意味を持ちます。予算と決算の違いを意識すると理解しやすくなります。
請願には「採択・不採択」を使う
住民などが議会に要望を提出する「請願」については、その趣旨を認めることを「採択」、認めないことを「不採択」と呼びます。
「採択」と「採決」は漢字が似ていますが、採択は請願などへの判断結果、採決は賛否を確認する手続きです。読み違えや書き間違いにも注意しましょう。
議決が必要になるのはどんなとき?具体例で確認
議決の対象となる案件を「議決事件」と呼ぶことがあります。地方議会の場合、条例の制定・改廃や予算を定めることなどは、議会の重要な議決事項です。
代表的な場面を具体的に見てみましょう。
例1:自治体の新年度予算を決める
市が新しい学校の改修費や公園の整備費を計上した予算案を提出したとします。
議会は財政状況や事業の必要性などを審議し、採決によって予算案を認めるか判断します。予算案が認められれば「予算案を可決した」という議決結果になります。
ただし、予算案の可決だけで、その日に建設工事が始まるわけではありません。事業の実施には、その後の契約や準備など別の手続きが必要になることもあります。
例2:新しい条例を制定する
例えば、地域の安全を守るために新しい条例案が提出された場合、議会で条文や必要性を検討し、議決します。
条例案が可決されても、施行される日までには公布などの手続きが関係することがあります。「議決された日」と「条例が施行される日」が必ず同じになるわけではありません。
例3:人事案件について判断する
法律上、議会の同意が必要な人事案件では、議会が候補者について「同意」または「不同意」の判断をします。
この場合、報道や議会資料には「人事案を可決」と書くより、「人事案に同意した」と記載されることがあります。
例4:住民の請願について判断する
例えば、通学路の安全対策に関する請願が議会に提出されたとします。
議会がその請願を支持する結論を出せば「採択」、支持しない結論なら「不採択」となります。ただし、請願が採択されたからといって、要望された施策が必ずそのまま実現するという意味ではありません。
議決は多数決で決まる?全会一致や特別なルールとの違い
議決の方法を考えるとき、「賛成者が半分より多ければ必ず成立するのか」という疑問が生じます。
地方議会では、原則として出席議員の過半数によって議事を決する考え方があります。ただし、すべての議決に同じ人数・割合のルールが適用されるわけではありません。
「過半数」は半分より多いこと
例えば、議決に参加する議員が20人で、出席議員の過半数の賛成が必要とされる場合、過半数に当たるのは11人以上です。
10人はちょうど半分であり、「過半数」には含まれません。
ただし、法令によって議長の取り扱いや可否同数時の扱いなどが定められている場合があります。実際の議決要件を判断するときは、単純な計算だけでなく、適用されるルールを確認する必要があります。
特別な多数が必要な場合もある
案件の性質によっては、通常の過半数ではなく、特別な議決要件が定められていることがあります。
また、議決が有効に行われるには、一定数の議員が出席していること(定足数)などの条件も関係します。
したがって、「議員が多い方に賛成したのだから、必ず可決」とは言い切れません。議会の種類、議案の内容、法令や会議規則によって判断することが大切です。
全会一致と賛成多数の違い
- 全会一致:議決に参加する人全員が同じ結論に賛成すること。
- 賛成多数:賛成する人が反対する人より多いことを示す表現。ただし、法的に必要な賛成数を満たすかは別途確認する。
「全会一致で可決」と書かれていれば全員が賛成したことを示し、「賛成多数で可決」と書かれていれば、必要な賛成を得て可決されたことを示します。
国会・地方議会・会社の会議では使い方が違う?
「議決」「決議」は、政治の場だけでなく、企業や団体の会議でも使われます。ただし、同じ漢字でも法律上の仕組みや具体的な効果は異なります。
国会での「議決」
国会では、法律案や予算などについて、衆議院・参議院がそれぞれ議決を行う場面があります。案件の種類により、両院の関係や成立のための要件が異なります。
例えば、法律案について「衆議院で可決された」と報じられても、それだけで常に法律として成立したことを意味するわけではありません。どの段階まで進んでいるかを確認する必要があります。
地方議会での「議決」
地方議会では、住民の暮らしに関わる予算や条例、特定の契約などについて議決することがあります。
議案を提出し、審議し、必要に応じて委員会審査を行い、最終的な意思を決めるというのが基本的な考え方です。
会社では「決議」がよく使われる
会社法に関係する場面では、「株主総会の決議」「取締役会の決議」といった表現がよく使われます。
例えば、「取締役会で事業計画を決議した」という文章は、取締役会としてその計画に関する意思決定を行ったことを示します。
ただし、株主総会の普通決議・特別決議、取締役会の決議などは、それぞれ定められた要件や効果があります。地方議会の「議決」と、必要な賛成割合や法的効果が同じだと考えないようにしましょう。
「議決」を使った自然な例文10選
「議決」は日常会話より、議会資料、報道、会議録、公的な案内文などに登場しやすい言葉です。ここでは使う場面ごとに例文を紹介します。
自治体・議会に関する例文
- 「来年度の一般会計予算案は、本日の本会議で議決されました。」
- 「議会の議決を経て、新たな公共施設の整備計画を進めます。」
- 「議決の結果、条例改正案は原案どおり可決されました。」
- 「提出された議案の議決結果は、市議会の公式サイトで公開されています。」
会議の案内や説明に使う例文
- 「この案件は、関係する会議体の議決を必要とします。」
- 「議決に先立ち、資料の内容を十分に確認してください。」
- 「本件については、審議後に採決を行い、会議としての結論を決定します。」
議決の結果を伝える例文
- 「議決の結果、当初案は否決されました。」
- 「修正案が議決され、事業の実施時期が変更されました。」
- 「人事案件について議会の同意が得られたことを報告します。」
「議決した」だけでは結果が不明確なこともあるため、伝える相手が具体的な結果を知る必要がある場合は、「可決した」「否決した」「同意した」などを併記すると親切です。
議事録やお知らせで「議決結果」を書くときのポイント
議事録、ニュースレター、社内外向けのお知らせで議決について書くときは、結論だけでなく、どの会議で何が決まったのかを伝えることが重要です。
伝えるべき情報を整理する
- どの会議体で決めたのか
- いつの会議で決まったのか
- どの案件を対象としたのか
- 結論が可決・否決・同意・認定などのどれに当たるのか
- 修正や条件がある場合、その内容は何か
- 必要に応じ、議決後にどのような手続きが残るのか
伝わりにくい文章と改善例
情報が不足する例:「条例案について議決しました。」
これだけでは、条例案が通ったのかどうかがわかりません。
わかりやすい例:「10月開催の市議会本会議で、条例改正案は賛成多数により原案可決されました。」
このように、議決結果と対象案件を明示すると、読み手が誤解しにくくなります。実際の議決記録については、該当する議会の公式資料で確認してください。
「議決事項」「議決事件」「議決権」とは?関連語の意味
議決事項とは?
「議決事項」は、会議体として意思決定する事項を指す一般的な表現です。
例えば、会議規則に「重要な方針の変更は委員会の議決事項とする」と定められていれば、担当者一人の判断ではなく、その委員会での決定を必要とするという意味になります。
議決事件とは?
「議決事件」は、特に地方議会で、議会が議決しなければならない事項を指す専門用語として使われます。
具体的な範囲は法令や条例によって定められています。「議会に関係する話題なら何でも議決事件になる」というわけではありません。
議決権とは?
「議決権」は、会議体などの意思決定に参加し、議案について賛否を表明することのできる権利を指します。
会社では「株主の議決権」という使い方も一般的です。誰に何個の議決権があるか、どのように行使するかは、その組織や制度によって異なります。
「議決」は会議体の決定、「議決権」は意思決定に参加する権利だと区別すると理解しやすくなります。
審議事項との違い
「審議事項」は、会議で検討・議論する対象となる事項です。「議決事項」は、会議として意思決定を行う対象に注目した言葉です。
ある案件が審議事項でも、必ずその会議で議決するとは限りません。報告や意見交換だけを行う案件もあります。
審議事項の意味や使い方については、1503.html「審議事項とは?」もあわせてご覧ください。
「議決」に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 議決と決議は同じ意味ですか?
意味が大きく重なり、同じように使われる場面があります。ただし、地方議会での「決議」は、議会の意思を表明するための議決という意味で使われることがあります。両者を必ず別の行為として区別するのは適切ではありません。
Q2. 議決と採決は、どちらが先ですか?
一般的には、議長などが賛否を確認する「採決」が行われ、その結果として会議体の「議決」が成立します。ただし、具体的な会議運営の方法は案件や規則によって異なります。
Q3. 議決されれば、必ず可決されたという意味ですか?
いいえ。「議決」は意思決定そのものを指すため、否決された場合も含みます。議決の結果を知りたいときは、可決・否決などの表記を確認しましょう。
Q4. 「議決を経る」とはどういう意味ですか?
必要な会議体の意思決定手続きを通過することです。「議会の議決を経て実施する」という場合、実施前に議会の決定が求められることを表します。
Q5. 議決するには過半数の賛成が必要ですか?
地方議会では出席議員の過半数による議決が原則ですが、特別な要件がある案件もあります。定足数、議長の扱い、会議規則なども関係するため、案件ごとに確認する必要があります。
Q6. 全会一致でなければ議決できませんか?
いいえ。全会一致が必要とは限りません。所定の議決要件を満たしていれば、反対者がいる場合でも議決が成立します。
Q7. 「付議」と「議決」の違いは何ですか?
「付議」は案件を会議にかけること、「議決」は会議体として結論を決めることです。付議しただけで議決したことにはなりません。
Q8. 議決と承認は同じですか?
同じではありません。「議決」は会議体の意思決定全般を指します。「承認」は、特定の行為や処理を認める意味があり、議会では専決処分などの案件について議決結果の名称として用いられます。
Q9. 議決と議案はどう違いますか?
「議案」は議会などに提出される案件やその案のことです。「議決」は、その議案などについて会議体が意思を決めることです。「議案が提出され、議決された」という関係になります。
Q10. 議決されれば、その日から条例や法律が有効になりますか?
必ずしもそうではありません。条例や法律には、議決・成立の後に公布や施行といった別の段階があります。施行日は附則などで定められる場合があり、議決日と一致するとは限りません。
Q11. 委員会で採決されたら、本会議の議決は不要ですか?
一概には言えません。委員会で審査・採決した後、本会議で議会として最終決定する案件があります。どの会議体に決定権限があるかを確認する必要があります。
Q12. 「議決」と「採択」の違いは何ですか?
「議決」は意思決定の総称です。「採択」は、地方議会で請願などの趣旨を認める判断結果として用いられます。採択は議決結果の一つに当たります。
Q13. 「否決」と「審議未了」はどう違いますか?
「否決」は議案を認めないと決定したことです。「審議未了」は、審議が終わらず最終的な判断に至らなかった状態であり、否決したことにはなりません。
Q14. 議決結果はどこで確認できますか?
自治体の議会であれば、市区町村や都道府県議会の公式サイトに「議案の議決結果」「議決一覧」などのページが用意されていることがあります。対象の議会名と「議決結果」で検索すると見つけやすくなります。
まとめ|「議決」は会議体として結論を決めること
「議決(ぎけつ)」とは、議会などの会議体が、議案について組織としての意思を決めることです。
最後に、よく似た言葉の違いを整理します。
- 議決:会議体が意思を決めること。
- 決議:会議で決めること、または決めた内容。議決と意味が重なり、議会では意思表明のための議決を指す場合がある。
- 採決:賛否などの意思表示を確認する手続き。
- 可決:議案を認める議決結果。
- 否決:議案を認めない議決結果。
議会の議決結果は案件の種類に応じて「可決・否決」だけでなく、「同意」「認定」「承認」「採択」などと表現されることもあります。
ニュースや公式文書を読む際は、何を議決したのか、どの会議体が決めたのか、結果はどうなったのかを確認すると、正確に内容を理解できます。
参考リンク
- コトバンク「議決」
小学館『デジタル大辞泉』などに掲載された「議決」の意味や読み方を確認できます。 - コトバンク「決議」
「議決」と「決議」の使い分けについて、厳密な区別があるとは限らない点も確認できます。 - 長崎市議会「Vol.21 議決とは?」
可決・否決、同意・不同意、認定・不認定など、案件別の議決結果をわかりやすく説明しています。 - 岡崎市「議会の用語」
議決・決議・表決などの意味や、地方議会での用語の使われ方を確認できます。 - 成田市「議会用語解説」
議決、採決、採択をはじめ、議会の実際の進行に関わる用語を整理しています。
