「答申を受ける」とは?意味・誰が誰から受ける?「答申する・諮問を受ける・答申を踏まえる」との違いを徹底解説

行政・審議会に関するニュースや公的資料では、

「答申を受ける」

「答申を受けて」

という表現をよく目にします。

たとえば、

  • 審議会から答申を受ける
  • 大臣が答申を受けた
  • 答申を受けて制度を見直す
  • 答申を踏まえて法案を準備する
  • 答申を受け、今後の方針を決定する

といった使い方です。

ところが「答申」という言葉に慣れていないと、

  • そもそも「答申を受ける」とはどういう意味なのか
  • 誰が誰から答申を受けるのか
  • 審議会が答申を受けるのか、それとも大臣が受けるのか
  • 「諮問を受ける」と「答申を受ける」は何が違うのか
  • 「答申を受けて」と「答申を踏まえて」は同じなのか
  • 答申を受けたら必ずその内容どおりに実行するのか

と迷うことがあります。

結論からいうと、一般的な審議会の流れでは、

「答申を受ける」とは、諮問した行政機関・大臣などが、審議会などからまとめられた意見・結論を受け取ること

です。

簡単にいえば、

答申を受ける=「専門家に意見を聞き、その回答を正式に受け取る」

と考えるとわかりやすいでしょう。

典型的な流れは、

行政機関・大臣などが諮問する

↓

審議会が諮問を受ける

↓

審議会が調査・審議する

↓

審議会が答申する

↓

行政機関・大臣などが答申を受ける

という関係です。

この記事では、「答申を受ける」の意味を中心に、「答申する」「諮問を受ける」「答申を踏まえる」「答申を尊重する」との違い、誰が主語になるのか、答申を受けた後に何が行われるのかまで詳しく解説します。

  1. 結論:「答申を受ける」とは審議会などから正式な意見を受け取ること
  2. 「答申」を簡単にいうと?
  3. 「答申を受ける」を簡単にいうと?
    1. 例
  4. 「答申を受ける」の主語は誰?
  5. 「審議会が答申を受ける」は通常の流れでは逆
  6. 「諮問を受ける」と「答申を受ける」の違い
    1. 諮問を受ける
    2. 答申を受ける
  7. 「諮問」と「答申」の関係
  8. 「答申を受けて」とは?
    1. 例
  9. 「答申を受け」と「答申を受けて」の違い
    1. 例
    2. 例
  10. 実際の公的資料でも「答申を受けて」は使われている
  11. 「答申を受ける」と「答申を受け取る」の違い
    1. 答申を受け取る
    2. 答申を受ける
    3. 例
  12. 「答申を受ける」と「答申を踏まえる」の違い
    1. 例
  13. 「答申を受けて」と「答申を踏まえて」の違い
    1. 答申を受けて
    2. 答申を踏まえて
  14. 「答申を受けて」と「答申に基づいて」は同じ?
  15. 「答申を尊重する」とは?
    1. 例
  16. 「答申を重く受け止める」とは?
  17. 答申を受けたら必ずその内容どおりに実行する?
  18. 「答申」と「決定」の違い
    1. 例
  19. 「答申する」と「答申を受ける」の違い
    1. 答申する
    2. 答申を受ける
    3. 一つの出来事を言い換えると
  20. 「答申する」と「回答する」の違い
    1. 回答
    2. 答申
  21. 「答申」と「上申」の違い
  22. 「答申」とは?をさらに詳しく知りたい場合
  23. 「答申を受ける」の基本的な流れ
    1. 1.課題が生じる
    2. 2.審議会へ諮問する
    3. 3.審議会が諮問を受ける
    4. 4.調査・審議する
    5. 5.答申をまとめる
    6. 6.答申する
    7. 7.行政機関が答申を受ける
    8. 8.答申を踏まえて対応を検討する
  24. 「答申を受ける」を使った自然な例文
  25. 「答申をもらう」は使える?
  26. 「答申を頂く」は?
  27. 「答申が出る」と「答申を受ける」の違い
    1. 答申が出る
    2. 答申を受ける
    3. 例
  28. 「答申が提出される」と「答申を受ける」の違い
  29. 「答申を受ける」の言い換え
  30. 「答申を受ける」をビジネスで使う?
  31. 普通の質問への返事を「答申」とは言わない
    1. 自然
    2. 不自然になりやすい例
  32. 「答申を受ける」と「承認を受ける」は違う
    1. 答申を受ける
    2. 承認を受ける
  33. 「答申」と「提言」の違い
  34. 答申を受けた後に行われることの例
  35. 「答申を受けた=法律が決まった」ではない
  36. 「答申を受ける」の時系列を一言で覚える
  37. よくある質問(FAQ)
    1. Q1.「答申を受ける」とは簡単にいうと何ですか?
    2. Q2.誰が答申を受けるのですか?
    3. Q3.審議会は何を受けるのですか?
    4. Q4.「答申する」と「答申を受ける」の違いは?
    5. Q5.「答申を受けて」とはどういう意味ですか?
    6. Q6.「答申を受けて」と「答申を踏まえて」の違いは?
    7. Q7.「答申を受ける」と「答申を受け取る」は同じですか?
    8. Q8.「答申をいただく」は使えますか?
    9. Q9.答申を受けたら必ずその内容に従うのですか?
    10. Q10.答申を受けたら法律が変わるのですか?
    11. Q11.「答申が出た」と「答申を受けた」は同じですか?
    12. Q12.「答申」と「回答」は違いますか?
    13. Q13.会社でも「答申を受ける」を使えますか?
    14. Q14.「答申を重く受け止める」とは?
    15. Q15.最も簡単な覚え方は?
  38. まとめ
  39. 参考リンク

結論:「答申を受ける」とは審議会などから正式な意見を受け取ること

「答申」は、

とうしん

と読みます。

辞書では、上司などからの問いに対して意見を申し述べること、特に諮問機関が諮問された事項について行政官庁などへ意見を述べることを意味します。

したがって、

答申を受ける

とは、その答申を受け取る側から見た表現です。

項目 内容
読み方 とうしんをうける
意味 諮問機関などからまとめられた意見・回答を受け取る
答申する側 審議会、委員会、諮問機関など
答申を受ける側 大臣、行政機関、自治体の長など
よく使う形 答申を受ける、答申を受けた、答申を受けて
その後 制度設計、法令整備、計画策定、方針決定などを検討することがある

「答申」を簡単にいうと?

「答申」を非常に簡単に説明すると、

「専門家の集まりが、質問されたテーマについて検討し、正式な意見を返すこと」

です。

たとえば、国が教育制度について専門家の意見を聞きたいとします。

大臣が審議会へ、

「これからの教育制度をどのようにしていくべきでしょうか」

と正式に意見を求めます。

これが諮問です。

審議会はその問題を調査・議論します。

そして、

「今後はこのような制度にすることが望ましい」

という意見をまとめて大臣へ返します。

これが答申です。

「答申を受ける」を簡単にいうと?

もっと簡単にいえば、

「専門家に聞いた結果を受け取る」

です。

例

文部科学大臣:

「今後の教育制度について検討してください。」

↓

中央教育審議会:

「わかりました。審議します。」

↓

審議会:

「検討の結果、このようにすることが望ましいと考えます。」

↓

大臣:

「答申を受けました。」

というイメージです。

「答申を受ける」の主語は誰?

ここが最も間違えやすいポイントです。

一般的な諮問・答申の関係では、

答申を受けるのは、最初に諮問した側

です。

たとえば、

大臣が審議会へ諮問する

のであれば、

審議会が答申し、大臣が答申を受ける

という関係になります。

段階 行政機関・大臣 審議会
1 諮問する 諮問を受ける
2 審議を待つ 調査・審議する
3 答申を受ける 答申する
4 答申を踏まえて対応を検討 必要に応じて引き続き審議等

「審議会が答申を受ける」は通常の流れでは逆

一般的な諮問機関の説明として、

「審議会が大臣から答申を受けた」

というと、通常の諮問・答申の関係とは逆になります。

基本的には、

審議会が大臣から受けるもの=諮問

大臣が審議会から受けるもの=答申

です。

覚え方は簡単です。

質問を受ける側が、あとで答える。

つまり、

諮問を受けた審議会が答申し、諮問した側が答申を受ける

という関係になります。

「諮問を受ける」と「答申を受ける」の違い

「受ける」という動詞が共通しているため、混同しやすい表現です。

諮問を受ける

専門家・審議会などが、行政機関などから意見を求められること。

答申を受ける

行政機関などが、審議会から検討結果・意見を受け取ること。

比較項目 諮問を受ける 答申を受ける
受ける側 審議会・専門機関など 大臣・行政機関など
受けるもの 検討してほしいテーマ・問い 検討結果・意見
時系列 先 後
簡単な意味 質問される 回答を受け取る

「諮問」と「答申」の関係

「答申を受ける」を理解するには、「諮問」とセットで覚えるのが最もわかりやすいでしょう。

諮問

→ 「この問題について専門的な意見を聞かせてください」

答申

→ 「検討した結果、このように考えます」

という関係です。

より詳しい違いはこちらの記事で解説しています。

「諮問」と「答申」の違いとは?意味・使い分け・審議会での流れを例文で解説

「答申を受けて」とは?

公的文書では、

「答申を受けて」

という形が特によく使われます。

意味は、

「答申を受け取ったことを受け、その内容を考慮して次の対応を行う」

というものです。

例

「審議会の答申を受けて、制度改正の検討を進める。」

これは、

「審議会から正式な意見を受け取ったので、それを材料として制度改正を検討する」

という意味です。

「答申を受け」と「答申を受けて」の違い

意味に大きな違いはありません。

「答申を受け」は、文書・ニュースなどで簡潔に次の動作へつなぐ形です。

例

「答申を受け、政府は法案の準備を進める。」

「答申を受けて」は、会話でも文章でも使いやすい形です。

例

「答申を受けて、政府は法案の準備を進める。」

どちらも自然です。

実際の公的資料でも「答申を受けて」は使われている

「答申を受けて」は、実際の行政機関の資料でも頻繁に使われています。

たとえば文部科学省では、中央教育審議会の答申について、

「答申を受けての文部科学省の取り組み」

という表現が使われています。

また、別の中央教育審議会の答申では、答申を受けた後、政府内でさらに検討し、新しい計画の決定につなげる趣旨が示されています。

厚生労働省の審議会議事録でも、

「答申を受けまして、施行に向けて告示・通知の発出等を進める」

という趣旨の説明が確認できます。

つまり、

答申を受ける → その内容を踏まえて具体的な行政対応へ進む

という使い方が一般的です。

「答申を受ける」と「答申を受け取る」の違い

意味は非常に近いですが、ニュアンスが少し違います。

答申を受け取る

文書・答申書などを物理的・形式的に受領することに重点があります。

答申を受ける

単に文書を受け取るだけでなく、審議会から正式な意見を受けるという制度的な意味を含みやすい表現です。

例

「会長から大臣へ答申書が手渡された。」

→ 答申書を受け取る。

「大臣は審議会から答申を受けた。」

→ 審議会の正式な意見を受けた。

「答申を受ける」と「答申を踏まえる」の違い

「答申を踏まえる」も非常によく使われます。

答申を受ける

→ 答申を受領すること。

答申を踏まえる

→ 答申の内容を考慮し、それを前提・参考として判断すること。

答申を受ける 答申を踏まえる
受領・受ける行為 内容を考慮する行為
答申が来た段階 その後の判断・対応の段階

例

「政府は審議会から答申を受けた。」

その後、

「政府は答申を踏まえて制度改正を検討する。」

という流れになります。

「答申を受けて」と「答申を踏まえて」の違い

実際の文章ではかなり近い意味で使われます。

ただし、

「答申を受けて」

は、答申を受けたという出来事をきっかけとして次の行動へ進むニュアンス。

「答申を踏まえて」

は、答申の内容を考慮したうえで次の行動へ進むニュアンスが強くなります。

答申を受けて

「答申を受けて、法案作成を進める。」

答申を踏まえて

「答申の内容を踏まえて、具体的な制度設計を行う。」

「答申を受けて」と「答申に基づいて」は同じ?

完全に同じではありません。

「答申を受けて」は、答申を受けたことが次の対応につながったことを表します。

一方、

「答申に基づいて」

とすると、答申を対応・判断の基礎としていることを、より強く表します。

そのため、根拠関係を慎重に書く必要がある文書では、実際にどの程度答申を基礎としているのかを確認して使い分けることが大切です。

「答申を尊重する」とは?

「答申を尊重する」は、

審議会などがまとめた意見を重く受け止め、その内容を大切にして判断する

という意味です。

例

「審議会の答申を尊重し、今後の方針を決定する。」

「受ける」は受領する行為、「尊重する」はその内容に対する態度なので意味が異なります。

「答申を重く受け止める」とは?

こちらも公的な場面で使われることがあります。

意味は、

答申の内容を重要な意見として真剣に受け止める

ことです。

「受ける」だけでは内容への評価までは表しません。

「重く受け止める」とすることで、答申を重要視している姿勢を示せます。

答申を受けたら必ずその内容どおりに実行する?

必ずしも、

「答申を受けた=その内容がそのまま最終決定になった」

という意味ではありません。

答申は、諮問機関などがまとめた正式な意見です。

実際の制度変更・法令改正・計画決定などは、その後の行政上・立法上の手続きを経て行われる場合があります。

実際に文部科学省の公表資料でも、答申を受けた後、さらに政府内で検討して基本計画を決定するという流れが示されています。

また法務省でも、法制審議会の答申を受けた後、法律案の準備を進める例があります。

したがって、

答申=最終的な法律・制度そのもの

ではありません。

具体的な扱いは、制度・根拠法令・手続きによって異なります。

「答申」と「決定」の違い

「答申」は意見をまとめて示すことです。

「決定」は、複数の選択肢などから最終的な方針を定めることです。

例

審議会:

「制度をこのように改めるべきです。」

→ 答申。

行政機関:

「答申等を踏まえ、制度をこの内容に変更します。」

→ 決定。

したがって、答申を受けることと、最終決定することは別の段階です。

「答申する」と「答申を受ける」の違い

これは同じ出来事を、反対側から見た表現です。

答申する

審議会などが意見を提出する。

答申を受ける

行政機関・大臣などがその意見を受ける。

立場 表現
審議会側 答申する
行政機関側 答申を受ける

一つの出来事を言い換えると

「中央教育審議会が大臣に答申した。」

と、

「大臣が中央教育審議会から答申を受けた。」

は、同じ出来事をそれぞれ別の立場から表しています。

「答申する」と「回答する」の違い

「回答」は、質問・要求などに答えることを幅広く表します。

「答申」は、特に、

諮問機関などが、諮問を受けた事項について正式な意見を述べる

という制度的・公的な場面で使われやすい言葉です。

回答

「アンケートに回答する。」

「問い合わせに回答する。」

答申

「審議会が大臣に答申する。」

日常の質問への返事を「答申」とは通常言いません。

「答申」と「上申」の違い

「上申」も目上・上位の機関へ意見などを申し述べる言葉です。

大きな違いは、

答申

→ 諮問・問いを受け、それに対して意見を述べる。

上申

→ 上役・上級機関などへ意見・事情を申し上げる。

という点です。

「問いに対する答え」という関係が明確なのが「答申」です。

「答申」と「上申」の違いとは?意味・使い分けを行政・審議会・会社・上申書の例文で徹底解説

「答申」とは?をさらに詳しく知りたい場合

「答申」の基本的な意味・読み方や、「提言」「上申」との違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

「答申」とは?意味・読み方・使い方をわかりやすく解説|「諮問・提言・上申」との違いと審議会での流れ

「答申を受ける」の基本的な流れ

典型的な流れをもう一度整理してみましょう。

1.課題が生じる

行政機関などが、専門的に検討する必要のある課題を抱えます。

2.審議会へ諮問する

「この問題について意見をまとめてください」と審議会へ求めます。

3.審議会が諮問を受ける

審議すべきテーマを正式に受け取ります。

4.調査・審議する

専門家・関係者などが資料を確認し、議論します。

5.答申をまとめる

審議会としての意見・方向性などを取りまとめます。

6.答申する

審議会から、諮問した行政機関などへ意見を提出します。

7.行政機関が答申を受ける

ここが今回の「答申を受ける」です。

8.答申を踏まえて対応を検討する

必要に応じて、

  • 制度を見直す
  • 法律案を準備する
  • 省令・告示等を整備する
  • 計画を策定する
  • 具体的な施策を実施する

などへ進みます。

「答申を受ける」を使った自然な例文

  1. 大臣は審議会から答申を受けた。
  2. 政府は専門委員会から答申を受ける予定だ。
  3. 審議会の答申を受けて、制度の見直しを進める。
  4. 答申を受け、関係省庁が具体策の検討を開始した。
  5. 大臣は会長から答申書を受け取った。
  6. 今回の答申を受けて、新しい計画を策定する。
  7. 委員会から答申を受けた後、最終的な方針を決定する。
  8. 答申を受けて必要な法令整備を検討する。
  9. 審議会からの答申を受け、対応方針を取りまとめた。
  10. 自治体は審議会の答申を受けて条例改正を検討している。
  11. 答申を受けたことを受け、関係部署で協議を開始した。
  12. 答申書は会長から大臣へ手交された。
  13. 政府は答申を踏まえて制度設計を進めた。
  14. 審議会の意見を尊重し、答申後の対応を検討する。
  15. 答申を受けて直ちに制度が変更されるとは限らない。
  16. 今後は答申を踏まえ、具体的な施策を検討する。
  17. 市長は審議会から答申を受けた。
  18. 専門家会議の答申を受けて新方針を公表した。
  19. 答申内容を精査したうえで最終判断を行う。
  20. 答申を受けた行政機関が、次の手続きを進める。

「答申をもらう」は使える?

意味は伝わりますが、行政・公的な文脈では少しくだけています。

たとえば、

「審議会から答申をもらいました」

よりも、

「審議会から答申を受けました」

「審議会から答申がありました」

などのほうが自然です。

「答申を頂く」は?

会議の挨拶などで、

「御答申をいただき、ありがとうございました」

「本日、御答申を頂戴しました」

といった表現が使われることがあります。

これは、答申を行った審議会への敬意・感謝を込めた表現です。

一方、客観的な報告書では、

「答申を受けた」

と書くほうが簡潔です。

「答申が出る」と「答申を受ける」の違い

答申が出る

答申がまとめられ、公表・提出されることを表す一般的な言い方です。

答申を受ける

誰かがその答申を受領することに焦点を置きます。

例

「来月、審議会の答申が出る予定です。」

「政府はその答申を受けて法改正を検討します。」

「答申が提出される」と「答申を受ける」の違い

これも同じ出来事を異なる視点から表せます。

「答申が提出された」

→ 答申側・文書側を中心にした表現。

「大臣が答申を受けた」

→ 受領者を中心にした表現。

「答申を受ける」の言い換え

文脈によって、次のように言い換えられます。

表現 ニュアンス
答申を受領する 文書として正式に受け取る硬い表現
答申を受け取る 受領する行為をわかりやすく表す
答申が提出される 提出される側から客観的に表現
答申を受けて 受領後の行動につなげる
答申を踏まえて 内容を考慮することを強調
答申を尊重して 答申を重要視する態度を強調

「答申を受ける」をビジネスで使う?

一般企業の日常的な業務では、「答申」はあまり頻繁には使いません。

たとえば、

「部長に質問して答申を受けた」

とは通常言いません。

この場合は、

  • 回答を受ける
  • 返答を受ける
  • 意見をもらう
  • 承認を受ける

などのほうが自然です。

一方、会社の中に正式な諮問委員会・専門委員会などがあり、経営陣の諮問に対して正式に意見書を提出する制度がある場合には、「答申」という表現を使うことがあります。

普通の質問への返事を「答申」とは言わない

「答申」は公的・制度的な意味を持つ言葉です。

自然

「審議会が大臣へ答申する。」

不自然になりやすい例

「昨日のメールについて上司から答申を受けた。」

通常なら、

「上司から回答を受けた」

とするほうが自然です。

「答申を受ける」と「承認を受ける」は違う

「答申」は意見です。

「承認」は、ある事柄を認めることです。

答申を受ける

専門機関から意見を受ける。

承認を受ける

申請・計画などについて、権限を持つ者から認めてもらう。

したがって、審議会から答申を受けたからといって、何かが「承認された」とは限りません。

「答申」と「提言」の違い

「提言」は、意見・考えを提示することです。

答申との大きな違いは、

答申=諮問されたことへの回答という関係がある

という点です。

「提言」は、必ずしも誰かから質問・諮問を受けて行う必要はありません。

そのため、

「有識者会議の提言を受けて」

という表現もありますが、制度上の意味は「答申」と同じではありません。

答申を受けた後に行われることの例

答申のテーマによってさまざまですが、実際には次のような対応につながることがあります。

  • 基本計画を策定する
  • 法律案を準備する
  • 政省令を見直す
  • 告示・通知を発出する
  • 制度の具体的な運用方法を検討する
  • 関係機関へ周知する
  • 新しい施策を実施する

たとえば厚生労働省の審議会では、答申後に施行へ向けて告示・通知の発出などを進める旨が説明された例があります。

文部科学省でも、中央教育審議会の答申を受け、具体的な施策・体制整備などを進めている例があります。

「答申を受けた=法律が決まった」ではない

ニュースを読むときには特に注意したいところです。

たとえば、

「審議会が○○制度の変更を答申した」

というニュースがあったとしても、

その時点で法律改正・制度変更がすべて完了したとは限りません。

その後、必要に応じて、

  • 法案の作成
  • 閣議決定
  • 国会審議
  • 法令の公布
  • 施行準備

などの別の手続きが必要になる場合があります。

ニュースでは、

「答申が出た段階なのか」

「政府が方針を決めた段階なのか」

「法律が成立した段階なのか」

を分けて読むことが大切です。

「答申を受ける」の時系列を一言で覚える

迷ったら、

問う → 考える → 答える → 受け取る

と覚えましょう。

より正式な用語にすると、

諮問

↓

審議

↓

答申

↓

答申を受ける

↓

答申を踏まえて対応する

となります。

よくある質問(FAQ)

Q1.「答申を受ける」とは簡単にいうと何ですか?

審議会・専門機関などから、検討結果としてまとめられた正式な意見を受け取ることです。

Q2.誰が答申を受けるのですか?

一般的には、最初に審議会などへ諮問した大臣・行政機関・自治体の長などが答申を受けます。

Q3.審議会は何を受けるのですか?

一般的な流れでは、審議会は「諮問」を受けます。

その諮問事項について審議し、最終的に答申します。

Q4.「答申する」と「答申を受ける」の違いは?

答申するのは審議会側、答申を受けるのは諮問した行政機関などです。

Q5.「答申を受けて」とはどういう意味ですか?

答申を受け取ったことを受け、その内容を考慮しながら次の対応を進めるという意味です。

Q6.「答申を受けて」と「答申を踏まえて」の違いは?

「受けて」は答申を受けた出来事を起点にする表現、「踏まえて」は答申の内容を考慮することをより強く表す表現です。

Q7.「答申を受ける」と「答申を受け取る」は同じですか?

近い意味です。

「受け取る」は文書等を受領する行為に重点があり、「受ける」は正式な意見を受けるという制度的な意味も含みやすくなります。

Q8.「答申をいただく」は使えますか?

使えます。

審議会への敬意・感謝を含む挨拶などでは、「御答申をいただく」「御答申を頂戴する」といった表現が使われることがあります。

Q9.答申を受けたら必ずその内容に従うのですか?

「答申を受ける」という表現だけでは、答申どおりの内容が自動的に最終決定されたことまでは意味しません。

実際の扱いは、制度・根拠法令・その後の手続きなどによって異なります。

Q10.答申を受けたら法律が変わるのですか?

直ちに法律が変わるとは限りません。

答申を踏まえて法律案を準備し、その後、必要な立法手続きを経る場合があります。

Q11.「答申が出た」と「答申を受けた」は同じですか?

同じ出来事を異なる視点から表す場合があります。

「答申が出た」は答申そのもの、「答申を受けた」は受領した側に重点があります。

Q12.「答申」と「回答」は違いますか?

違います。

回答は質問・要求への返事全般です。

答申は、特に諮問機関などが諮問された問題について正式な意見を述べる場面で使われます。

Q13.会社でも「答申を受ける」を使えますか?

会社に正式な諮問委員会などがある場合には使えます。

通常の上司への質問・回答なら「回答を受ける」のほうが自然です。

Q14.「答申を重く受け止める」とは?

答申を重要な意見として真剣に考慮する姿勢を表します。

単に答申を「受け取る」ことより一歩踏み込んだ表現です。

Q15.最も簡単な覚え方は?

次のように覚えてください。

諮問する側=質問する側

諮問を受ける側=審議会

答申する側=審議会

答申を受ける側=最初に諮問した側

まとめ

「答申を受ける」とは、

審議会・専門機関などから、諮問に対する正式な意見・検討結果を受け取ること

です。

簡単にいえば、

「専門家に聞いた答えを正式に受け取る」

という意味です。

表現 意味
諮問する 専門家・審議会などへ意見を求める
諮問を受ける 審議会が検討テーマを受け取る
審議する 諮問された問題を詳しく検討する
答申する 審議会が検討結果・意見を返す
答申を受ける 諮問した行政機関などが意見を受け取る
答申を踏まえる 答申内容を考慮して判断・対応する

特に重要なのは、

「諮問を受ける人」と「答申を受ける人」は基本的に反対側

だということです。

典型的には、

大臣が審議会へ諮問する

↓

審議会が諮問を受ける

↓

審議会が審議する

↓

審議会が答申する

↓

大臣が答申を受ける

という流れになります。

また、

「答申を受けた」=すべてが最終決定した

とは限りません。

答申後に、制度設計・法案準備・計画策定・法令整備などの手続きへ進む場合があります。

ニュースや公的文書で、

「答申を受けて○○する」

と書かれていたら、

「専門機関から正式な意見を受け、その内容を踏まえて次の行政対応へ進む」

という流れをイメージすると理解しやすいでしょう。

参考リンク

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