自宅のインターネット環境を見ると、回線の近くに複数の機器が置かれていることがあります。
そこで混同しやすいのが、
- ルーター
- モデム
- ONU
- Wi-Fiルーター
- ホームゲートウェイ
といった機器です。
「ルーターとモデムは同じもの?」
「光回線なのにモデムが見当たらないのはなぜ?」
「ONUだけでインターネットへ接続できる?」
「Wi-Fiルーターは普通のルーターと何が違う?」
「ホームゲートウェイがあれば別のルーターはいらない?」
と迷うことがあります。
結論からいうと、「ルーター」は異なるネットワークの間でIPパケットを転送する機器で、「モデム」は通信回線で送れる信号と端末側で扱うデータを相互変換・変調復調するための機器です。
一言で覚えるなら、
ルーター=「通信をどこへ送るか振り分ける」
モデム=「回線で送れる信号へ変換する」
です。
さらに現在の光回線では、従来の電話回線・ADSLなどで使われてきたモデムではなく、
ONU(Optical Network Unit:光回線終端装置)
が使われるのが一般的です。
NTT東日本も、ONUを光ファイバーから届く光信号と端末側で扱える信号を変換する装置、ルーターを内部ネットワークと外部ネットワーク間で通信を振り分ける装置として区別しています。
この記事では、「ルーター」と「モデム」の違いを中心に、ONU、Wi-Fiルーター、アクセスポイント、ホームゲートウェイとの違いまで詳しく解説します。
- 「ルーター」と「モデム」の違い【結論】
- 「ルーター」とは?
- ルーターを「道路の分岐点」に例えると?
- 家庭用ルーターは何をしている?
- 「モデム」とは?
- ルーターとモデムは役割がまったく違う
- 「ONU」とは?
- ONUとモデムの違い
- 光回線ではモデムを使わない?
- ONUだけでインターネットへ接続できる?
- 「Wi-Fiルーター」とは?
- ルーターとWi-Fiの違い
- 「アクセスポイント」とルーターの違い
- Wi-Fiルーターを2台つなぐとどうなる?
- 「ホームゲートウェイ」とは?
- ONU・ルーター・ホームゲートウェイを整理すると
- ホームゲートウェイがあればWi-Fiルーターはいらない?
- モデムとルーターが一体化した機器もある?
- ルーターがなくても1台のPCなら接続できる?
- ルーターがIPアドレスを作っている?
- ルーターがグローバルIPとプライベートIPを分ける?
- ルーターを交換すると回線速度は速くなる?
- モデムやONUを交換すると速くなる?
- インターネットにつながらないとき、どこを確認する?
- 「モデムを再起動してください」と言われたらONUも再起動する?
- 「ルーター・モデム」で迷ったときの3秒判定
- 「ルーター」を使った例文
- 「モデム」を使った例文
- 具体例で比較:光回線の一般的な家庭
- 具体例で比較:ADSLなどの回線
- よくある間違い1:「ルーターとモデムは同じ」と思う
- よくある間違い2:「光回線でも必ずモデムを使う」と思う
- よくある間違い3:「ONUとルーターは同じ」と思う
- よくある間違い4:「Wi-Fi=ルーター」と思う
- よくある間違い5:「ルーターを2台にすれば通信速度も2倍になる」と思う
- よくある間違い6:「ホームゲートウェイなら必ずONU内蔵」と思う
- よくある間違い7:「モデムやONUだけ交換すれば回線速度が必ず上がる」と思う
- 「ルーター」と「モデム」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考リンク・出典
「ルーター」と「モデム」の違い【結論】
| 比較項目 | ルーター | モデム |
|---|---|---|
| 主な役割 | 異なるネットワーク間でIPパケットを転送する | 通信回線に適した信号へ変調・復調する |
| 判断するもの | IPアドレスやルーティング情報 | 回線で利用する信号方式 |
| 複数端末の通信 | 振り分けを担当できる | 基本的な役割ではない |
| NAT・NAPT | 家庭用ルーターでは利用されることが多い | モデム本来の役割ではない |
| DHCP | 家庭用ルーターでは機能を持つことが多い | モデム本来の役割ではない |
| Wi-Fi | 無線LAN機能を内蔵する製品が多い | モデム本来の役割ではない |
| 光回線での対応機器 | ルーターを利用する | 一般にはONUが回線終端を担当 |
3秒で判断するなら、
「通信先を振り分ける機器?」 → ルーター
「回線用の信号へ変換する機器?」 → モデム
と考えると分かりやすいでしょう。
「ルーター」とは?
異なるネットワークをつなぎ、IPパケットを転送する機器
ルーターは、
Router
と書きます。
IETFのRFC 1812では、IPルーターを、複数のネットワークを接続し、IPデータグラムを次の通信先へ転送する装置として説明しています。
ルーターは受け取ったパケットの宛先IPアドレスなどを確認し、
「次にどこへ送れば目的地へ近づくか」
を判断します。
その判断に使われるのが、
ルーティングテーブル
です。
ルーターを「道路の分岐点」に例えると?
ルーターは、道路の分岐点にある案内役のようなものです。
荷物に、
「この住所へ届けてください」
と宛先が書かれているとします。
ルーターは宛先を見て、
「この荷物なら次はこの道路へ送ろう」
と判断します。
インターネット上では、このような転送を複数のルーターが繰り返すことで、パケットが目的地へ到達します。
家庭用ルーターは何をしている?
家庭で使うルーターには、純粋なIPルーティング以外にも、多くの機能がまとめられています。
代表的には、
- IPルーティング
- NAT・NAPT
- DHCPサーバー
- ファイアウォール
- DNS中継
- IPv4・IPv6接続
- Wi-Fiアクセスポイント
などです。
そのため家庭用の「ルーター」という製品は、実際には複数のネットワーク機能を1台にまとめた機器である場合が多くあります。
「モデム」とは?
データを通信回線に適した信号へ変換する機器
モデムは、
Modem
と書きます。
名称は、
Modulator(変調器)
と、
Demodulator(復調器)
に由来します。
コンピューターのデータを通信回線で伝送できる信号へ変換し、受信側ではその信号からデータを取り出します。
古くは電話回線を利用したダイヤルアップ接続などでモデムが使われました。
その後も、
- ADSL
- ケーブルテレビ回線
- 各種通信回線
で「モデム」という名称の回線終端・変換装置が利用されてきました。
ルーターとモデムは役割がまったく違う
両者を理解するうえで最も重要なのは、
モデムは「信号変換」
ルーターは「経路選択・転送」
という違いです。
たとえばインターネットからデータを受信するときは、概念的には、
回線 → モデム等の回線終端装置 → ルーター → パソコン
という役割分担になります。
回線の種類によって、モデムに相当する装置がONUなどへ変わります。
「ONU」とは?
光回線で使われる光回線終端装置
ONUは、
Optical Network Unit
の略です。
日本語では一般に、
光回線終端装置
と呼ばれます。
NTT東日本は、ONUについて、光ファイバーを通って送られてくる光信号を、パソコンなどが利用できる信号へ変換する役割を持つ装置と説明しています。
つまり光回線では、
光ファイバー → ONU → ルーター → 端末
という構成が代表的です。
ONUとモデムの違い
ONUとモデムは、どちらも、
「通信回線と利用者側の機器との間で信号を扱う」
という意味では似た位置にあります。
しかし対象となる回線が違います。
| 比較項目 | ONU | モデム |
|---|---|---|
| 主な回線 | 光ファイバー | 電話回線・ADSL・CATV等 |
| 主な役割 | 光回線を終端し、光信号と利用者側の信号を変換 | 通信路に合わせて信号を変調・復調 |
| 光回線で一般的か | 一般的 | 通常ONU等を利用 |
そのため現在の光回線利用者が、
「モデムはどこにあるの?」
と思った場合、ONUが設置されている可能性があります。
光回線ではモデムを使わない?
家庭向けFTTHなどでは、一般にONUやONTなどの光回線終端装置を利用します。
そのため、日本の光回線利用者向けの説明では、
「光回線ではモデムの代わりにONUを使う」
と説明されることがあります。
ただし通信機器の名称や機能はサービス・方式によって異なるため、あらゆる光通信設備を一律に「モデムではない」と分類するより、
家庭用光回線ではONUが回線終端を担うのが一般的
と理解するのがよいでしょう。
ONUだけでインターネットへ接続できる?
回線・契約・接続方式・ONUの機能によって異なります。
単体ONUは主に光回線を終端する機器なので、複数端末を家庭内LANへ接続したり、Wi-Fiを使ったりするためには、別途ルーターを接続する構成が一般的です。
たとえば、
光コンセント → ONU → Wi-Fiルーター → PC・スマホ
という構成です。
一方、ONU・ルーターなど複数の機能が一体化した機器が提供される場合もあります。
「Wi-Fiルーター」とは?
Wi-Fiルーターは、一般に、
ルーター機能+無線LANアクセスポイント機能
を1台へまとめた製品です。
そのため、
ルーター=Wi-Fiそのもの
ではありません。
純粋なルーターは、有線接続だけでもルーターとして動作できます。
Wi-Fiは、端末を無線でLANへ接続するための技術です。
ルーターとWi-Fiの違い
ここも非常に混同されやすいポイントです。
| ルーター | Wi-Fi |
|---|---|
| 異なるネットワーク間を接続する | 無線LANで端末を接続する |
| IPパケットを転送する | 無線通信を提供する |
| 有線だけでも存在できる | ルーター機能がなくてもアクセスポイントとして利用可能 |
家庭用製品では両方が一体化しているため、
「Wi-Fi=ルーター」
のように見えますが、技術的には別の機能です。
「アクセスポイント」とルーターの違い
アクセスポイントは、
Wi-Fi端末を有線LANなどへ接続するための無線LAN基地局
です。
アクセスポイントモード・ブリッジモードなどに設定したWi-Fiルーターでは、ルーター機能を停止し、既存LANへ無線接続を追加する目的で利用できます。
つまり、
ルーターモード=ネットワークを分けてルーティングする
アクセスポイントモード=既存LANへWi-Fiを追加する
という違いがあります。
Wi-Fiルーターを2台つなぐとどうなる?
2台ともルーターモードで接続すると、構成によっては、
二重ルーター
二重NAT
になることがあります。
通常のWeb閲覧では問題が出ない場合もありますが、
- オンラインゲーム
- ポートフォワーディング
- VPN
- 自宅サーバー
などでは設定が複雑になる可能性があります。
すでに上流機器がルーターとして動作している場合、追加するWi-Fi機器をアクセスポイントモードにする構成もあります。
「ホームゲートウェイ」とは?
家庭向け光回線では、
ホームゲートウェイ
という機器が提供される場合があります。
NTT東日本は、ホームゲートウェイを、ONU・ルーター・IP電話などの複数機能を備える複合機器として説明しています。
ただし製品によってはONUが内蔵されておらず、別途ONUと接続するタイプもあります。
つまり、
ホームゲートウェイ=必ずONU+ルーター+Wi-Fiが全部入っている
とは限りません。
実際の機能は機種・契約内容によって確認する必要があります。
ONU・ルーター・ホームゲートウェイを整理すると
| 機器 | 主な役割 |
|---|---|
| ONU | 光回線を終端し、光信号と利用者側の信号を変換 |
| ルーター | 異なるIPネットワーク間でパケットを転送 |
| Wi-Fiアクセスポイント | 無線LANで端末をLANへ接続 |
| Wi-Fiルーター | ルーター+Wi-Fiアクセスポイント等 |
| ホームゲートウェイ | ルーター・IP電話・場合によってONU等を統合した機器 |
ホームゲートウェイがあればWi-Fiルーターはいらない?
機器の機能によります。
ホームゲートウェイに、
- ルーター機能
- Wi-Fi機能
の両方があり、性能も十分なら、別のWi-Fiルーターが不要な場合があります。
一方、
- Wi-Fi機能がない
- Wi-Fi規格が古い
- 電波が届きにくい
- 高速な無線LANを使いたい
などの場合には、別のWi-Fi機器を追加することがあります。
モデムとルーターが一体化した機器もある?
あります。
通信サービスによっては、
モデム+ルーター
の機能を1台にまとめた機器が提供されることがあります。
そのため外見だけで、
「これはモデムだけ」
「これはルーターだけ」
と判断できないことがあります。
大切なのは機器名ではなく、
その装置にどの機能が入っているか
を確認することです。
ルーターがなくても1台のPCなら接続できる?
回線・契約方式・機器構成によっては、回線終端装置へ1台の端末を直接接続して通信できる場合があります。
しかし一般家庭では、
- 複数端末の接続
- NAT・NAPT
- DHCP
- ファイアウォール
- Wi-Fi
などが必要になるため、ルーターを利用する構成が一般的です。
また端末を回線側へ直接接続すると、ネットワーク上の露出が増える場合があるため、契約事業者が想定する接続方法に従うことが重要です。
ルーターがIPアドレスを作っている?
厳密には、ルーターという装置の本来の定義が「IPアドレスを作る機器」というわけではありません。
ただし家庭用ルーターにはDHCPサーバー機能が搭載されていることが多いため、LAN内の端末へ、
192.168.1.10
などのプライベートIPアドレスを自動的に割り当てます。
そのため利用者から見ると、
「ルーターがIPアドレスを配っている」
ように見えます。
これはルーター本来のルーティング機能とは別の、DHCPサーバー機能です。
ルーターがグローバルIPとプライベートIPを分ける?
家庭用IPv4ネットワークでは、ルーターの、
WAN側
と、
LAN側
で異なるIPアドレス体系を使うことがあります。
たとえば、
LAN側:192.168.1.1
WAN側:ISP側から割り当てられたアドレス
という構成です。
ルーターがNAPTを行えば、LAN内の多数端末が外部IPv4通信を共有できます。
ただしCGNATなど、さらにISP側でアドレス変換される場合もあるため、WAN側が必ず専用のグローバルIPv4アドレスとは限りません。
ルーターを交換すると回線速度は速くなる?
場合によります。
古いルーターが通信速度のボトルネックになっている場合には、新しい機器へ交換することで改善する可能性があります。
たとえば、
- WANポートが遅い
- LANポートが100Mbpsまで
- Wi-Fi規格が古い
- CPU性能が不足している
- 同時接続台数が多すぎる
場合です。
しかし回線自体が遅い場合や、ISP側・通信先サーバー側がボトルネックの場合には、ルーターだけ交換しても改善しないことがあります。
モデムやONUを交換すると速くなる?
これも一律には決まりません。
利用する回線方式や契約速度に対応できない古い機器がボトルネックなら、対応機器へ変更することで改善する可能性があります。
一方、通信事業者から提供されるONUなどは回線仕様に合わせて使用する機器であり、利用者が自由に別製品へ交換できないこともあります。
速度問題がある場合には、
- 契約回線
- ONU
- ルーター
- LANケーブル
- Wi-Fi
- 端末
- 回線混雑
を切り分けて考えることが重要です。
インターネットにつながらないとき、どこを確認する?
ONUとルーターが別々の場合、障害箇所を切り分けやすくなります。
たとえば、
- ONUの光回線関連ランプ
- ONUとルーター間のLANケーブル
- ルーターのInternet・WANランプ
- Wi-Fi接続状態
- 端末のIPアドレス
を順番に確認します。
ONUで光回線自体が成立していないなら、Wi-Fi設定を変更しても改善しない可能性があります。
逆にONUが正常でも、ルーターやWi-Fi側に問題があれば端末から通信できません。
「モデムを再起動してください」と言われたらONUも再起動する?
一般会話では、回線終端装置をまとめて「モデム」と呼ぶ人もいます。
しかし光回線の場合、実際の機器はONUやホームゲートウェイであることがあります。
トラブル対応では、機器の名称を決めつけず、
- ONU
- ホームゲートウェイ
- Wi-Fiルーター
のどの機器を指しているのか確認したほうが確実です。
また再起動方法や順序は機器・通信事業者の案内に従ってください。
「ルーター・モデム」で迷ったときの3秒判定
| こんな場合 | 答え |
|---|---|
| 異なるネットワーク間でパケットを転送 | ルーター |
| 通信回線向けに信号を変調・復調 | モデム |
| 光ファイバーを終端 | ONU |
| 家庭内端末へIPアドレスを配布 | 家庭用ルーターのDHCP機能 |
| Wi-Fiを提供 | 無線LANアクセスポイント機能 |
| ルーター+Wi-Fi | Wi-Fiルーター |
| ルーター・IP電話等を複合化 | ホームゲートウェイ |
最も簡単に覚えるなら、
モデム・ONU=「回線との橋渡し」
ルーター=「ネットワーク同士の交通整理」
です。
「ルーター」を使った例文
- ONUにルーターを接続する。
- ルーターがIPパケットを外部ネットワークへ転送する。
- Wi-Fiルーターへスマートフォンを接続する。
- ルーターのDHCP機能からIPアドレスを取得する。
- 二重ルーターになっていないか確認する。
「モデム」を使った例文
- 電話回線用のモデムを接続する。
- ADSLモデムで回線の信号を変換する。
- モデムとルーターが一体化した機器を利用する。
- 古いダイヤルアップモデムで通信する。
- 光回線ではモデムではなくONUを利用する構成が一般的だ。
具体例で比較:光回線の一般的な家庭
自宅へ光ファイバーが引き込まれているとします。
代表的な構成は、
インターネット
↓
光ファイバー
↓
ONU
↓
Wi-Fiルーター
↓
パソコン・スマートフォン・テレビ
です。
この場合、
ONU=光回線の終端・信号変換
ルーター=家庭LANと外部ネットワーク間の転送
Wi-Fi機能=スマホ等を無線LANへ接続
という分担になります。
具体例で比較:ADSLなどの回線
ADSLなどでは、回線側に、
ADSLモデム
を利用していました。
複数台の端末を接続する場合、構成によっては、
電話回線 → ADSLモデム → ルーター → PC
となります。
ただしモデムとルーターが一体になっている製品もあるため、機器が必ず2台になるわけではありません。
よくある間違い1:「ルーターとモデムは同じ」と思う
違います。
ルーターはネットワーク間でIPパケットを転送する機器、モデムは回線に適した信号へ変調・復調する機器です。
よくある間違い2:「光回線でも必ずモデムを使う」と思う
家庭向け光回線では、ONUなどの光回線終端装置を使うのが一般的です。
そのため光回線なのに「モデム」という名称の機器がなくても不思議ではありません。
よくある間違い3:「ONUとルーターは同じ」と思う
役割が違います。
ONUは光回線を終端し、ルーターはネットワーク間のパケット転送を担当します。
ただし両機能を一体化した装置もあります。
よくある間違い4:「Wi-Fi=ルーター」と思う
Wi-Fiは無線LAN技術で、ルーターはネットワーク間を接続する機能です。
市販のWi-Fiルーターに両機能が入っているため混同されやすくなっています。
よくある間違い5:「ルーターを2台にすれば通信速度も2倍になる」と思う
通常、そのようにはなりません。
むしろ2台ともルーターモードにすると二重NATなどで構成が複雑になる場合があります。
よくある間違い6:「ホームゲートウェイなら必ずONU内蔵」と思う
機種によります。
NTT東日本も、ONU一体型ではないホームゲートウェイがあり、その場合は別途ONUが必要になると説明しています。
よくある間違い7:「モデムやONUだけ交換すれば回線速度が必ず上がる」と思う
通信速度は回線契約、ルーター、LAN、Wi-Fi、端末、混雑状況など多くの要素に左右されます。
原因を切り分けず機器だけ交換しても改善しないことがあります。
「ルーター」と「モデム」に関するよくある質問
Q1. ルーターとモデムの一番簡単な違いは?
ルーターはネットワーク間で通信を転送し、モデムは通信回線で送れる信号へ変換する機器です。
Q2. 光回線ではモデムは必要ですか?
家庭向け光回線では通常、ONUなどの光回線終端装置を利用します。
従来の電話回線・ADSLなどで使われたモデムとは機器が異なります。
Q3. ONUとモデムは同じですか?
同じではありません。
どちらも回線と利用者側をつなぐ役割がありますが、ONUは光ファイバーを利用する光回線終端装置です。
Q4. ONUとルーターは両方必要ですか?
単体ONUを利用し、複数端末やWi-Fiを使う一般家庭ではルーターも必要になることが多いでしょう。
ただし一体型機器が提供される場合があります。
Q5. Wi-Fiルーターと普通のルーターの違いは?
Wi-Fiルーターは、ルーター機能に無線LANアクセスポイント機能を組み合わせた機器です。
Q6. ホームゲートウェイとルーターの違いは?
ホームゲートウェイは、ルーター機能にIP電話など複数機能を統合した機器として提供されます。
ONUやWi-Fi機能を備えるかどうかは機種によって異なります。
Q7. ルーターを買えば光回線へそのまま接続できますか?
通常は、光回線を終端するONUなどが必要です。
市販のWi-Fiルーターだけを光ファイバーへ直接接続する構成ではないことが一般的です。
Q8. ONUにパソコンを直接つないでもよいですか?
利用できるかどうかは回線・接続方式・ONUの仕様によります。
一般家庭ではルーターを介して接続する構成が一般的であり、通信事業者が指定する接続方法に従うのが安全です。
Q9. Wi-Fiが遅い場合、ONUとルーターのどちらを疑えばよいですか?
どちらとも限りません。
Wi-Fi電波、ルーター性能、ONU、回線、LANケーブル、端末、混雑などを順番に切り分ける必要があります。
Q10. 自宅にある機器がモデムかONUか分からない場合は?
機器のラベル・型番・取扱説明書を確認してください。
光コンセントへ光ケーブルで接続され、「ONU」「光回線終端装置」などと記載されていればONUである可能性が高いでしょう。
最も確実なのは、契約している通信事業者の機器情報を確認することです。
まとめ
「ルーター」と「モデム」は、どちらもインターネット接続で使われることがありますが、役割は異なります。
| ルーター | モデム |
|---|---|
| ネットワーク間を接続 | 通信回線との信号変換 |
| IPパケットを転送 | 変調・復調を行う |
| 宛先IPやルーティング情報を利用 | 回線方式に適した信号を扱う |
| NAT・DHCP等を備える家庭用製品が多い | 本来の役割はルーティングではない |
| 光回線でも利用 | 光回線ではONU等が回線終端を担当するのが一般的 |
最も簡単な覚え方は、
モデム・ONU=「回線を使える形にする機器」
ルーター=「通信を適切なネットワークへ振り分ける機器」
です。
光回線では代表的に、
光ファイバー → ONU → Wi-Fiルーター → パソコン・スマートフォン
という構成になります。
ただし実際には、
- ONU+ルーター
- ONU一体型ホームゲートウェイ
- ONU+ホームゲートウェイ
- ホームゲートウェイ+追加Wi-Fiアクセスポイント
など、回線・契約・機種によってさまざまな構成があります。
また、
ルーター=Wi-Fi
でもありません。
Wi-Fiは無線LAN接続を提供する機能で、ルーティングとは別です。
家庭用「Wi-Fiルーター」には両方が搭載されているため、1台の機器に見えているだけです。
ネットワーク機器を整理するなら、
モデム=回線信号の変調・復調
ONU=光回線の終端・信号変換
ルーター=異なるIPネットワーク間の転送
アクセスポイント=Wi-FiでLANへ接続
ホームゲートウェイ=複数の通信機能を統合した機器
と理解すると分かりやすいでしょう。
参考リンク・出典
-
IETF / RFC Editor「RFC 1812: Requirements for IP Version 4 Routers」
― IPルーターを、ネットワーク間を接続しIPデータグラムを転送する装置として説明。ルーティングテーブル・転送処理など、IPv4ルーターの基本的な役割を規定 -
NTT東日本「ONU(光回線終端装置)とは?」
― ONUを光回線終端装置として説明し、光信号と利用者側の信号を変換する役割、ルーター・モデム・ホームゲートウェイとの違いを解説
※本記事では家庭・小規模ネットワークを中心に「ルーター」「モデム」「ONU」を整理しています。実際の通信設備にはDSLモデム、ケーブルモデム、ONU、ONTなどさまざまな機器・方式があります。
※モデムは本来「変調(Modulation)」と「復調(Demodulation)」を行う装置を意味します。「アナログ信号とデジタル信号を変換する機器」とだけ説明されることもありますが、実際には利用する通信方式に応じた信号処理を行う装置と理解するほうが正確です。
※ONUとルーター、ルーターとWi-Fiアクセスポイント、ONUとホームゲートウェイなどは、物理的に1台へ統合されている場合があります。そのため機器の台数だけでは役割を判断できません。
※家庭用ルーターにはNAT・NAPT、DHCP、ファイアウォール、DNS中継、Wi-Fiなど複数機能が搭載されることがありますが、これらすべてが「ルーティング」という機能そのものを意味するわけではありません。
※実際の光回線の接続構成・対応機器は、契約している通信事業者・サービス・機種によって異なります。機器交換や配線変更を行う場合は、事業者の最新の取扱説明書・サポート情報も確認してください。
