「指摘」と「注意」の違いとは?意味・使い分けをビジネスや日常の例文で解説

「上司からミスを指摘された」「仕事中に注意を受けた」など、「指摘」と「注意」は、仕事や日常生活でよく使われる言葉です。どちらも間違いや問題点を相手に伝える場面で使われますが、意味や受け取られ方には違いがあります。

結論からいうと、「指摘」は重要な点や問題点を具体的に示すこと、「注意」は気をつけるよう促したり、誤りを戒めたりすることです。

例えば、報告書の数字が間違っていることを伝える場合は「誤りを指摘する」が自然です。一方、同じ誤りを繰り返さないよう、今後の確認を促す場合は「注意する」と表現できます。

ただし、両者は完全に別の行為ではありません。上司が部下のミスを指摘し、同時に注意することもあります。また、「注意」には、相手を戒める意味だけでなく、自分自身が気を配るという意味もあります。

この記事では、「指摘」と「注意」の意味を比較表で整理し、ビジネス、メール、学校、家庭、品質管理などの具体例を使って使い分けを解説します。さらに、「指導」「忠告」「警告」「叱責」との違いや、相手に配慮しながら問題点を伝える方法も紹介します。

  1. 「指摘」と「注意」の違い【結論】
  2. 【徹底比較】「指摘」と「注意」の違いを比較表で整理
  3. 「指摘」とは?意味と正しい使い方
    1. 指摘は、重要な点や問題点を具体的に示すこと
    2. 指摘は具体性が重要
    3. 「ご指摘」はビジネスでよく使われる
    4. 「指摘」の例文
  4. 「注意」とは?意味と正しい使い方
    1. 注意には主に三つの使い方がある
    2. 注意は、今後の行動に働きかける場合によく使う
    3. 注意は、相手を叱ることだけではない
    4. 「注意」の例文
  5. 「指摘」と「注意」の決定的な違い
    1. 違い1:問題の所在を示すか、気をつけるよう促すか
    2. 違い2:指摘は相手の行動を正すことが必須ではない
    3. 違い3:注意は問題が起きる前にも使える
  6. 【実践】場面別に「指摘」と「注意」を使い分ける
    1. 場面1:報告書の誤りを伝えるとき
    2. 場面2:取引先から資料の誤りを教えてもらったとき
    3. 場面3:製造現場で作業ミスが見つかったとき
    4. 場面4:学校で先生が生徒に伝えるとき
    5. 場面5:家庭で子どもに危険を伝えるとき
  7. 相手に問題点を伝えるときの実践的な方法
    1. 最初に事実を具体的に伝える
    2. 必要に応じて今後の対応を伝える
    3. 相手が理解できたか確認する
    4. 繰り返す問題は仕組みの改善も検討する
  8. 「指摘」「注意」と似た言葉の違い
    1. 「指導」との違い
    2. 「忠告」との違い
    3. 「警告」との違い
    4. 「叱責」との違い
    5. 「批判」との違い
    6. 「問題」と「課題」との関係
  9. 「指摘」と「注意」の3秒判定
  10. よくある間違いと注意点
    1. 「指摘」は悪い点だけを示す言葉ではない
    2. 「注意」は相手を叱ることだけではない
    3. 相手への伝え方によって印象が変わる
    4. 指摘された内容が必ず正しいとは限らない
  11. 「指摘」と「注意」の例文10選
    1. 「指摘」を使った例文
    2. 「注意」を使った例文
  12. FAQ|「指摘」と「注意」のよくある質問
    1. Q1. 「指摘」と「注意」は同じ意味ですか?
    2. Q2. 上司からミスを教えてもらった場合は、どちらを使いますか?
    3. Q3. 「ご指摘ありがとうございます」は正しい敬語ですか?
    4. Q4. 「ご注意ありがとうございます」は使えますか?
    5. Q5. 「指摘」と「指導」はどう違いますか?
    6. Q6. 「注意」と「警告」はどう違いますか?
    7. Q7. ビジネスメールでは「指摘」と「注意」のどちらが適切ですか?
  13. まとめ|指摘は問題点を示すこと、注意は気をつけるよう促すこと
  14. 参考資料・出典

「指摘」と「注意」の違い【結論】

「指摘」と「注意」の違いを理解するには、問題となる点を明らかにする行為なのか、相手に気をつけるよう促す行為なのかに注目するとわかりやすくなります。

  • 指摘:重要な点や注意すべきこと、欠点や過失などを具体的に取り上げて示すこと。
  • 注意:ある物事に気を配ること。悪い事態が起きないよう警戒すること。また、相手に気をつけるよう伝えること。

例えば、部下が作成した見積書に計算ミスがあった場合、「合計金額が間違っています」と具体的に伝えることは指摘です。

そのうえで、「提出前には必ず合計金額を確認してください」と伝えることは、注意に当たります。

前者では、どの部分に問題があるのかを明らかにしています。一方、後者では、今後の行動について気をつけるよう促しています。

もちろん、実際の会話では「合計金額が間違っているので、次回から気をつけてください」と一度に伝えることもあります。この場合、指摘と注意の両方が含まれています。

【徹底比較】「指摘」と「注意」の違いを比較表で整理

比較項目 指摘 注意
読み方 してき ちゅうい
基本的な意味 重要な点や問題点などを具体的に示すこと 気を配ること、警戒すること、気をつけるよう伝えること
主な着眼点 どこに問題や重要な点があるか 何に気をつける必要があるか
代表的な表現 誤りを指摘する ミスを繰り返さないよう注意する
対象 誤字、数値、発言、資料、問題点、長所など 人の行動、危険、誤り、不注意、健康など
相手への働きかけ 具体的な箇所や内容を明らかにする 確認や改善、警戒を促す場合がある
自分自身にも使えるか 自分の文章の問題点を指摘する、など 健康に注意する、足元に注意する、など
必ず否定的か いいえ。優れた点を指摘することもある いいえ。集中や配慮を表す用法もある
共通点 問題のある部分を取り上げ、相手に改善を促す場面では意味が重なる

一般的には、このような違いがあります。ただし、「指摘する」と「注意する」のどちらが厳しい表現なのかは、言葉だけでは決まりません。実際の口調や内容、相手との関係によって印象が変わります。

「指摘」とは?意味と正しい使い方

指摘は、重要な点や問題点を具体的に示すこと

「指摘」は、物事の中から重要な点や注意すべき点、欠点や過失などを取り上げ、具体的に示すことを意味します。

例えば、次のような場面で使います。

  • 契約書に記載された日付の誤りを指摘する。
  • 企画書に不足している情報を指摘する。
  • 会議で提案の問題点を指摘する。
  • 報告書の優れた点を指摘する。

このように、指摘の対象は必ずしも誤りや欠点だけではありません。特に注目すべき点や、優れている点を取り上げる場合にも使えます。

例えば、「この研究の独創的な点を指摘する」という表現も自然です。

指摘は具体性が重要

指摘という言葉には、問題や重要な部分を取り上げて示すという意味があります。

そのため、仕事で問題点を指摘する場合は、どの部分について話しているのかを明確にすると、相手にも伝わりやすくなります。

例えば、「この報告書には問題があります」とだけ述べた場合、相手は何を修正すればよいのかわからないかもしれません。

一方、「3ページに記載された販売数量が、集計表の数値と一致していません」と伝えれば、確認すべき箇所が明確になります。

このように、具体的な内容を示すことが、指摘を行ううえで重要です。

「ご指摘」はビジネスでよく使われる

ビジネスメールでは、「ご指摘いただきありがとうございます」「ご指摘の件について確認しました」といった表現が使われます。

例えば、取引先から資料の誤りを教えてもらった場合は、次のように書けます。

「資料の誤りについてご指摘いただき、ありがとうございます。該当箇所を確認し、修正版をお送りいたします。」

この場合、「ご指摘」は相手が問題点を示してくれた行為を丁寧に表しています。

なお、相手から指摘を受けた場合でも、指摘内容が事実と一致しているかどうかは必要に応じて確認しましょう。

「指摘」の例文

  • 上司から資料の誤字を指摘された。
  • 会議で新しい企画の問題点を指摘する。
  • 取引先からご指摘いただいた内容を確認しました。
  • 検査記録の数値が一致していないことを指摘した。
  • 講評では、作品の優れている点も指摘された。

「注意」とは?意味と正しい使い方

注意には主に三つの使い方がある

「注意」は、一つの意味だけを持つ言葉ではありません。日常的には、次の三つの使い方を理解しておくと便利です。

  • 気を配る:重要な点を見落とさないように、意識を向けること。
  • 警戒する:事故や失敗など、悪い事態が起きないように気をつけること。
  • 相手に注意する:相手の誤りや不適切な行動について、気をつけるよう伝えること。

例えば、「資料を注意して読む」は、重要な点を見落とさないよう集中して読むことを意味します。

「転倒に注意する」は、転倒しないよう警戒することです。

「遅刻した部下を注意する」は、相手の行動について、今後気をつけるよう伝えることを意味します。

指摘との違いを考える場合は、主に三つ目の「相手に注意する」という意味が関係します。

注意は、今後の行動に働きかける場合によく使う

例えば、会社で提出期限を過ぎてから資料を提出した従業員がいたとします。

このとき、提出期限を守れていなかった事実を具体的に伝えることは指摘です。

一方、「次回からは期限を守れるよう、余裕を持って準備してください」と伝えることは注意に当たります。

注意では、既に起きた問題を取り上げるだけでなく、同じ問題を繰り返さないよう促す意味が含まれることがあります。

注意は、相手を叱ることだけではない

「注意する」という表現から、相手を厳しく叱る場面を想像する人もいるかもしれません。

しかし、注意は必ずしも叱責を意味しません。

例えば、「床が濡れているので、滑らないよう注意してください」という案内は、安全のために気をつけるよう促すものです。

また、「細かな部品を扱うため、紛失しないよう注意してください」という指示も、相手の失敗を責めているわけではありません。

このように、注意は安全確保や失敗の予防など、幅広い場面で使われます。

「注意」の例文

  • 上司から、提出期限を守るよう注意された。
  • 作業中は、機械の可動部分に注意してください。
  • 同じミスを繰り返さないよう注意する。
  • 資料を注意深く読み、数値を確認した。
  • 健康に注意して、規則正しい生活を送る。

「指摘」と「注意」の決定的な違い

違い1:問題の所在を示すか、気をつけるよう促すか

両者を使い分ける際に最もわかりやすいのは、伝える内容の違いです。

指摘は、問題となる部分や重要な点を具体的に示すことです。

一方、注意は、気をつける必要があることを伝えたり、今後の行動について配慮を促したりします。

例えば、ある従業員が社内資料に古い価格を記載した場合を考えてみましょう。

「この資料には、改定前の価格が記載されています」と伝えることは指摘です。

「次回からは、資料を作成する前に最新の価格表を確認してください」と伝えることは注意です。

どちらも必要な場合には、問題点の指摘と、今後の注意を組み合わせて伝えられます。

違い2:指摘は相手の行動を正すことが必須ではない

指摘は、重要な点や問題点を示すことですが、必ずしも相手に行動を改めるよう求めるとは限りません。

例えば、「この報告書は、昨年度の調査結果と比較している点が特徴的です」と述べることは、報告書の重要な点を指摘する行為です。

この場合、相手の行動を正す必要はありません。

一方、人に対して注意する場合は、気をつけるよう促したり、不適切な行動を改めるよう求めたりする意味が含まれることがあります。

違い3:注意は問題が起きる前にも使える

指摘は、既に存在する問題点や重要な部分を取り上げて示す場合によく使われます。

一方、注意は、問題が発生する前にも使えます。

例えば、作業を始める前に「刃物を扱う際は、手を切らないよう注意してください」と伝えることができます。

この場合、実際に事故やミスが発生している必要はありません。

ただし、「作業手順に危険な点があると指摘する」のように、事故が起きる前に潜在的な問題を指摘することもできます。

【実践】場面別に「指摘」と「注意」を使い分ける

場面1:報告書の誤りを伝えるとき

部下が作成した報告書に数字の誤りが見つかった場合、まずどの数字が間違っているのかを具体的に示すことが大切です。

例えば、「集計表では125件ですが、報告書には152件と記載されています」と伝える場合は、誤りの指摘に当たります。

そのうえで、「次回からは、提出前に集計表と報告書を照らし合わせてください」と伝える場合は、注意に当たります。

このように、問題点を明らかにすることと、再発を防ぐよう促すことを分けると、伝えたい内容が明確になります。

場面2:取引先から資料の誤りを教えてもらったとき

取引先から資料の誤りについて連絡を受けた場合、「ご注意いただきありがとうございます」と書くよりも、「ご指摘いただきありがとうございます」のほうが自然な場面があります。

例えば、見積書の金額や商品名など、具体的な誤りを教えてもらった場合です。

メールでは、次のように表現できます。

「このたびは、見積書の金額についてご指摘いただき、ありがとうございます。該当箇所を確認し、修正版をお送りいたします。」

ただし、取引先から、今後の作業について気をつけるよう助言を受けた場合には、「ご注意いただいた点を踏まえ、今後の対応を見直します」という表現も使えます。

場面3:製造現場で作業ミスが見つかったとき

製造現場では、作業内容や検査結果について、具体的な問題を示す必要がある場合があります。

例えば、検査記録に記載された数値が実際の測定結果と一致していなかった場合、その不一致を指摘します。

一方、検査記録を作成する際に、測定値を転記するときは間違えないよう注意することがあります。

ただし、ミスの再発を防ぐには、注意を促すだけでなく、記録方法や作業手順などを見直す必要がある場合もあります。

同じ誤りが繰り返されている場合は、個人の不注意だけを原因と決めつけず、仕組みや作業環境も検討することが大切です。

場面4:学校で先生が生徒に伝えるとき

例えば、先生が生徒の作文を読み、漢字の間違いを見つけた場合、その誤りを指摘することができます。

「この漢字は、正しくは『確認』と書きます」と伝える場合は、具体的な誤りの指摘です。

一方、「次回は提出前に漢字を見直しましょう」と伝える場合は、今後の行動について注意を促しています。

指摘と注意を適切に組み合わせることで、どの部分を直す必要があるのか、次回から何に気をつければよいのかを明確にできます。

場面5:家庭で子どもに危険を伝えるとき

家庭では、安全のために注意を促す場面があります。

例えば、「階段では走らないよう注意する」「熱い鍋に触れないよう注意する」といった使い方です。

この場合、何かの誤りを具体的に指摘することよりも、危険な行動を避けるよう促すことが中心です。

一方、子どもが階段で走っていた場合、「階段で走っているよ」と行動を指摘し、「転ぶと危ないから歩こう」と注意することもできます。

相手に問題点を伝えるときの実践的な方法

最初に事実を具体的に伝える

仕事で相手に問題点を伝える場合は、最初に何が問題となっているのかを具体的に示しましょう。

例えば、「あなたはいつも確認が不十分です」と伝えるよりも、「今回の報告書では、3ページの数値が集計表と一致していません」と伝えたほうが、相手は問題となっている箇所を把握しやすくなります。

相手の性格や能力を評価するのではなく、具体的な行動や成果物について話すことが大切です。

必要に応じて今後の対応を伝える

問題点を指摘した後は、必要に応じて、どのように対応すべきかを伝えます。

例えば、「該当箇所を修正し、再提出してください」と伝える場合は、具体的な対応を求めています。

また、「次回からは、提出前に数値を確認してください」と伝える場合は、今後の注意を促しています。

問題に応じて、すぐに行うべき対応と、再発を防ぐための注意を分けると、指示が明確になります。

問題が発生した後の対応と、問題の原因などに対する対処については、「対応」と「対処」の違いも参考になります。

相手が理解できたか確認する

問題点を指摘したり、注意したりした後は、必要に応じて相手が内容を理解できたか確認しましょう。

例えば、複雑な作業手順について注意した場合、重要な箇所を相手に説明してもらう方法があります。

ただし、相手を問い詰めたり、過度に確認を繰り返したりすると、かえって意思疎通が難しくなることもあります。

業務の重要性や相手の状況に応じて、適切な確認方法を選びましょう。

繰り返す問題は仕組みの改善も検討する

同じ問題が繰り返される場合、注意するだけでは十分な対策にならないことがあります。

例えば、検査記録への転記ミスが繰り返される場合、作業者に注意を促すだけでなく、記録様式や入力方法を見直す必要があるかもしれません。

具体的には、入力欄をわかりやすくしたり、誤入力を防ぐ仕組みを導入したりする方法が考えられます。

このように、問題点の指摘や注意を、業務の改善につなげることも重要です。

関連する表現については、「改善」と「改良」の違いも参考になります。

「指摘」「注意」と似た言葉の違い

「指導」との違い

「指導」は、ある目的に向かって教え導くことです。

指摘は問題点などを具体的に示すこと、注意は気をつけるよう促すことですが、指導は知識や技能を教えたり、適切な行動ができるよう支援したりすることを含みます。

例えば、部下が作業手順を間違えた場合、誤っている箇所を指摘し、次回から気をつけるよう注意することがあります。

さらに、正しい作業方法を実演して教える場合は、指導に当たります。

「忠告」との違い

「忠告」は、相手のことを思い、過ちを犯したり不利益を受けたりしないように助言することです。

注意と意味が重なる場合もありますが、忠告は特に相手のためを思って伝える助言という意味合いを持っています。

例えば、「準備不足のまま契約を進めないほうがよい」と相手に助言する場合、「忠告する」と表現できます。

一方、「契約書の記載事項に注意してください」という表現では、気をつけるべき事項について知らせています。

「警告」との違い

「警告」は、危険や不利益などが生じる可能性について、あらかじめ知らせ、注意を促すことです。

注意よりも、危険や重大な結果を強調する場面で使われることがあります。

例えば、機械の操作中に危険な状態が発生した場合、「警告音が鳴る」という表現が使われます。

また、重大な規則違反について、同じ行為を繰り返さないよう警告する場合もあります。

ただし、具体的にどのような措置を意味するかは、組織の規程や使用される場面によって異なります。

「叱責」との違い

「叱責(しっせき)」は、人の過失や失敗などについて厳しく叱ることです。

注意は、気をつけるよう促すという幅広い意味を持つため、必ずしも厳しく叱ることではありません。

例えば、「提出期限を守るよう注意する」は、穏やかに伝える場合にも使えます。

一方、「提出期限を守らなかった部下を叱責する」という表現では、厳しく叱ったことが伝わります。

「批判」との違い

「批判」は、物事を検討して評価・判断すること、または問題点や欠点を指摘して論じることです。

指摘は、問題点などを具体的に示す行為ですが、批判では、その問題点について評価や判断を述べる意味が含まれる場合があります。

例えば、「企画書に必要な情報が不足していると指摘する」という表現では、問題点を示しています。

一方、「企画書は重要な情報が不足しており、現状では意思決定に使用できないと批判する」という表現では、その問題が企画書の価値や適切性にどう影響するのかまで論じています。

「問題」と「課題」との関係

指摘や注意を行う際には、問題点を明らかにすることと、解決に向けて取り組むべきことを整理することも重要です。

例えば、「作業記録に記載漏れが多い」という問題を指摘した場合、その原因を調べ、記載漏れを減らすための仕組みを整えることが課題となる場合があります。

問題と課題の使い分けについては、「問題」と「課題」の違いでも解説しています。

「指摘」と「注意」の3秒判定

どちらの言葉を使うか迷ったときは、次の表を参考にしてください。

伝えたい内容 使いやすい言葉
資料の誤字や数字の間違いを具体的に示す 指摘
会議で提案の問題点を示す 指摘
文章や作品の優れた部分を取り上げる 指摘
同じミスを繰り返さないよう伝える 注意
危険な場所で気をつけるよう呼びかける 注意
健康や安全に気を配る 注意
正しい作業方法を教える 指導
重大な危険や不利益をあらかじめ知らせる 警告
失敗や過失について厳しく叱る 叱責

問題となる点を具体的に示すなら「指摘」、気をつけるよう促すなら「注意」と考えると、基本的な使い分けができます。

よくある間違いと注意点

「指摘」は悪い点だけを示す言葉ではない

指摘という言葉は、ミスや欠点を伝える場面でよく使われますが、必ずしも否定的な意味ではありません。

例えば、研究の優れた点を指摘したり、作品の特徴を指摘したりする場合にも使えます。

指摘は、重要な点を取り上げて具体的に示す言葉だと理解しておきましょう。

「注意」は相手を叱ることだけではない

注意は、相手を戒める場合だけでなく、事故や失敗を防ぐために気をつけるよう促す場合にも使われます。

また、自分自身が気を配る場合にも使えます。

例えば、「交通事故に注意する」「体調に注意する」「注意して観察する」などの表現があります。

相手への伝え方によって印象が変わる

指摘と注意は、言葉の意味だけで、どちらが穏やかで、どちらが厳しいと決まるわけではありません。

例えば、「少し確認していただきたい点があります」と伝えれば、問題点を穏やかに指摘できます。

一方、「何度言えばわかるのですか」と強い口調で注意すれば、相手は厳しく叱られたと感じるかもしれません。

必要な内容を正確に伝えながら、相手との関係や状況に応じて表現を選ぶことが大切です。

指摘された内容が必ず正しいとは限らない

相手から指摘を受けた場合でも、その内容が必ず正しいとは限りません。

例えば、資料の数値について誤りを指摘された場合、指摘した側が別の期間のデータを見ている可能性もあります。

そのため、必要に応じて元の資料やデータを確認しましょう。

指摘を受けたことと、その指摘内容に誤りがないことは区別して考える必要があります。

「指摘」と「注意」の例文10選

「指摘」を使った例文

  1. 上司から報告書の数値の誤りを指摘された。
  2. 会議で企画書の問題点を指摘した。
  3. ご指摘いただいた箇所を修正いたしました。
  4. 検査記録に記載漏れがあることを指摘した。
  5. 先生は、作文の優れた表現を指摘した。

「注意」を使った例文

  1. 同じミスを繰り返さないよう、上司から注意された。
  2. 作業中は機械の可動部分に注意してください。
  3. 提出期限を守るよう注意する。
  4. 健康に注意して生活する。
  5. 雨で床が滑りやすくなっているため、足元に注意してください。

FAQ|「指摘」と「注意」のよくある質問

Q1. 「指摘」と「注意」は同じ意味ですか?

同じ意味ではありません。「指摘」は重要な点や問題点などを具体的に示すこと、「注意」は気をつけることや、気をつけるよう相手に伝えることです。ただし、問題点を指摘すると同時に注意する場合もあるため、実際の場面では意味が重なることがあります。

Q2. 上司からミスを教えてもらった場合は、どちらを使いますか?

具体的にどの部分が間違っているのかを教えてもらった場合は、「ミスを指摘された」が自然です。一方、今後同じミスを繰り返さないよう気をつけるよう伝えられた場合は、「注意された」と表現できます。

Q3. 「ご指摘ありがとうございます」は正しい敬語ですか?

はい。相手から問題点や誤りなどを教えてもらった場合に使用できる自然な表現です。より丁寧に伝えたい場合は、「ご指摘いただきありがとうございます」「ご指摘いただいた内容を確認いたしました」などと表現できます。

Q4. 「ご注意ありがとうございます」は使えますか?

文法的に不自然とは限りませんが、具体的な誤りを教えてもらったことに感謝する場合は、「ご指摘ありがとうございます」のほうが自然です。危険について知らせてもらった場合などには、「ご注意いただきありがとうございます」と表現できる場合もあります。

Q5. 「指摘」と「指導」はどう違いますか?

指摘は、重要な点や問題点を具体的に示すことです。一方、指導は、ある目的に向かって教え導くことです。例えば、作業手順の誤りを示すことは指摘、正しい作業方法を実際に教えることは指導に当たります。

Q6. 「注意」と「警告」はどう違いますか?

注意は、気をつけることや、気をつけるよう促すことです。一方、警告は、危険や不利益などが生じる可能性を知らせ、警戒を促すことを意味します。警告は、重大な結果が生じる可能性を強調する場面で使われることがあります。

Q7. ビジネスメールでは「指摘」と「注意」のどちらが適切ですか?

相手に具体的な誤りや問題点を示してもらった場合は、「ご指摘いただきありがとうございます」が自然です。一方、今後の作業で気をつけるべきことについて助言を受けた場合は、「ご注意いただいた点を踏まえます」などと表現できます。相手が何を伝えてくれたのかに合わせて選びましょう。

まとめ|指摘は問題点を示すこと、注意は気をつけるよう促すこと

「指摘」と「注意」は、どちらも問題点を相手に伝える場面で使われますが、基本的な意味は異なります。

  • 指摘:重要な点や問題点、欠点や過失などを具体的に取り上げて示すこと。
  • 注意:気をつけること、悪い事態を警戒すること、相手に気をつけるよう伝えること。
  • 共通点:問題点を取り上げ、相手に改善や配慮を促す場面では、両方が関係することがある。

資料の誤りや仕事の問題点を具体的に示す場合は「指摘」、今後同じミスを繰り返さないよう気をつけるよう伝える場合は「注意」が自然です。

ただし、指摘は悪い点だけを示す言葉ではなく、注意は相手を叱ることだけを意味するわけではありません。

実際の文章では、何を明らかにしたいのか、相手にどのような行動を促したいのかを考えて使い分けることが大切です。

参考資料・出典

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