「国民健康保険の所得割と均等割は何が違う?」「収入がゼロなのに保険料がかかるのはなぜ?」「家族が増えると国民健康保険料も高くなる?」など、国民健康保険の納付通知書を見て疑問に思うことはありませんか。
国民健康保険料・税の計算では、「所得割」と「均等割」という二つの項目がよく登場します。どちらも保険料・税を構成する重要な項目ですが、金額の決まり方は異なります。
結論からいうと、「所得割」は加入者の前年所得に応じて計算する部分、「均等割」は加入者の人数に応じて計算する部分です。
例えば、国民健康保険に加入している人が1人であれば、均等割は原則として1人分ですが、夫婦2人で加入している場合は2人分になります。一方、所得割は原則として加入者それぞれの前年所得を基に計算されるため、所得のない人には所得割がかからない場合があります。
ただし、所得がゼロだからといって、国民健康保険料・税の総額が必ずゼロになるわけではありません。均等割などが発生するほか、自治体によっては平等割が設けられている場合もあります。
また、2026年度からは子ども・子育て支援金分が導入され、国民健康保険料・税の構成も変わっています。
この記事では、所得割と均等割の違いを比較表で整理し、計算方法、平等割との違い、所得がない場合、家族がいる場合、7割・5割・2割軽減、未就学児の軽減、2026年度の制度改正まで詳しく解説します。
- 「所得割」と「均等割」の違い【結論】
- 【徹底比較】「所得割」と「均等割」の違いを比較表で整理
- 「所得割」とは?前年の所得に応じて計算する部分
- 「均等割」とは?加入者1人ごとにかかる部分
- 「所得割」「均等割」と「平等割」は何が違う?
- 【2026年度】国民健康保険料・税は4つの区分で計算する
- 【計算例】所得割と均等割を実際に計算してみよう
- 所得がないのに国民健康保険料がかかる理由
- 7割・5割・2割軽減は「所得割」と「均等割」のどちらに適用される?
- 未就学児の均等割は5割軽減される
- 【2026年度】子ども・子育て支援金分の均等割はどうなる?
- 退職・失業した場合、所得割と均等割はどう変わる?
- 【実践】所得割と均等割が関係する5つの場面
- 国民健康保険の納付通知書で確認したい5つのポイント
- 「所得割」「均等割」と似た言葉の違い
- 「所得割」と「均等割」の3秒判定
- よくある間違いと注意点
- 「所得割」と「均等割」の例文12選
- FAQ|「所得割」と「均等割」のよくある質問
- Q1. 所得割と均等割の最も大きな違いは何ですか?
- Q2. 所得がゼロでも均等割はかかりますか?
- Q3. 家族が増えると均等割も増えますか?
- Q4. 退職したら所得割はすぐにゼロになりますか?
- Q5. 7割・5割・2割軽減は所得割にも適用されますか?
- Q6. 未就学児の均等割は何割軽減されますか?
- Q7. 所得割の計算では、年収をそのまま使いますか?
- Q8. 夫婦のうち一方に所得がない場合はどうなりますか?
- Q9. 平等割と均等割は同じですか?
- Q10. 2026年度から新しく追加された項目は何ですか?
- Q11. 国民健康保険料の所得割や均等割は、どこで確認できますか?
- Q12. 所得割と均等割の金額が高く、支払えない場合はどうすればよいですか?
- まとめ|所得割は所得、均等割は加入人数に応じて計算する
- 参考資料・出典
「所得割」と「均等割」の違い【結論】
所得割と均等割を区別するポイントは、所得に応じて決まる金額なのか、加入人数に応じて決まる金額なのかという点です。
- 所得割:原則として、国民健康保険の加入者の前年所得から所定の控除額を差し引いた金額に、自治体の所得割率を掛けて算出する部分。
- 均等割:原則として、国民健康保険の加入者1人ごとに、自治体が定めた一定額を負担する部分。
例えば、所得割率が10%、加入者の算定基礎となる所得が200万円の場合、所得割は単純計算で20万円です。
一方、均等割額が1人当たり年間5万円の場合、加入者が1人なら5万円、2人なら10万円になります。
このように、所得割は所得、均等割は人数が主な計算要素です。
ただし、実際には医療分・後期高齢者支援金分・介護分・子ども・子育て支援金分などの区分ごとに計算するほか、上限額や軽減措置が設けられています。
【徹底比較】「所得割」と「均等割」の違いを比較表で整理
| 比較項目 | 所得割 | 均等割 |
|---|---|---|
| 読み方 | しょとくわり | きんとうわり |
| 意味 | 所得に応じて計算される部分 | 加入者の人数に応じて計算される部分 |
| 基本的な計算方法 | 算定基礎となる所得×所得割率 | 1人当たりの均等割額×対象となる加入者数 |
| 主な計算要素 | 前年の所得 | 加入者の人数 |
| 所得が増えた場合 | 原則として増える | 人数が同じなら原則として変わらない |
| 加入者が増えた場合 | 新しい加入者の所得によって変わる | 原則として増える |
| 前年所得がゼロの場合 | 原則として発生しない | 原則として発生するが、軽減される場合がある |
| 低所得世帯の7割・5割・2割軽減 | 通常、この法定軽減の直接の対象ではない | 対象となる |
| 未就学児の軽減 | 原則として対象外 | 対象となる均等割について5割軽減 |
| 自治体による違い | 所得割率などが異なる | 1人当たりの金額などが異なる |
所得割と均等割はいずれも国民健康保険料・税の計算に用いられますが、自治体によって料率や税率、均等割額、軽減の適用条件などが異なります。
「所得割」とは?前年の所得に応じて計算する部分
所得割は、所得が多いほど負担が増える仕組み
所得割は、国民健康保険の加入者の前年所得に応じて計算される部分です。
原則として、加入者それぞれの前年の所得から基礎控除額などを差し引き、自治体が定めた所得割率を掛けて計算します。
例えば、前年所得が300万円で、基礎控除額が43万円、所得割率が10%だった場合です。
このときの算定基礎となる所得は257万円になります。
(300万円-43万円)×10%=25万7,000円
ただし、これは仕組みを示す単純な例です。実際には、所得の種類や基礎控除額、適用される区分ごとの料率などを確認する必要があります。
所得割は、手取り給与ではなく前年所得を基にする
所得割を計算する際に注意したいのが、給与収入と給与所得の違いです。
会社員の場合、通常、給与収入から給与所得控除を差し引いた給与所得を基に計算します。
例えば、源泉徴収票の「支払金額」に記載された年収を、そのまま所得割率に掛けるわけではありません。
また、自営業者の場合は、原則として事業収入から必要経費などを差し引いた事業所得が関係します。
所得割の計算では、住民税と控除の扱いが異なる
国民健康保険料・税の所得割では、原則として前年の総所得金額等から基礎控除額を差し引いた金額を使用します。
一方、住民税では、基礎控除のほか、扶養控除や社会保険料控除など、さまざまな所得控除が適用されます。
そのため、住民税の課税所得と国民健康保険の所得割の算定基礎額が、必ず同じになるわけではありません。
退職した直後でも所得割が高い場合がある
国民健康保険料・税は、原則として前年の所得を基に計算されます。
例えば、2026年4月に会社を退職し、その後の給与収入がなくなった場合でも、2026年度の国民健康保険料・税には、原則として2025年の所得が反映されます。
そのため、退職直後でも所得割が高くなる場合があります。
一方、2026年中の所得が大きく減った場合には、その所得が2027年度の計算に反映されることで、所得割が下がる可能性があります。
「均等割」とは?加入者1人ごとにかかる部分
均等割は、原則として加入人数に応じて計算する
均等割は、国民健康保険に加入している人数に応じて計算される部分です。
例えば、1人当たり年間5万円の均等割額が設定されている場合を考えます。
| 加入人数 | 均等割額の計算例 |
|---|---|
| 1人 | 50,000円 |
| 2人 | 100,000円 |
| 3人 | 150,000円 |
| 4人 | 200,000円 |
この表は軽減を考慮しない単純な計算例です。
実際には、加入者の年齢によって介護分の対象となる人数が異なったり、低所得世帯や子どもに対する軽減が適用されたりするため、人数に単価を掛けるだけで最終的な負担額が決まるとは限りません。
所得がゼロでも均等割が発生する場合がある
均等割は、原則として所得があるかどうかに関係なく、加入者1人ごとに計算します。
そのため、前年所得がゼロの人でも、均等割の負担が発生する場合があります。
ただし、一定の所得基準以下の世帯には、均等割などについて7割・5割・2割の法定軽減があります。
例えば、7割軽減が適用される世帯では、対象となる均等割の負担が原則として3割になります。
国民健康保険には会社の健康保険のような扶養制度がない
会社の健康保険では、所定の条件を満たす配偶者や子どもなどを被扶養者にできる場合があります。
一方、市区町村の国民健康保険には、同じ仕組みの被扶養者制度がありません。
例えば、会社員だった人が退職し、それまで健康保険の扶養に入っていた配偶者と子どもも国民健康保険に加入する場合です。
この場合、本人だけでなく、配偶者や子どもも加入者として扱われるため、原則として人数に応じた均等割が計算されます。
ただし、子どもに対する軽減制度などがあるため、すべての人に同じ金額を最終的に負担させるわけではありません。
「所得割」「均等割」と「平等割」は何が違う?
国民健康保険料・税の計算では、自治体によって「平等割」という項目が設けられている場合があります。
平等割は、加入者1人ごとではなく、原則として国民健康保険に加入する1世帯ごとに課される部分です。
| 項目 | 主な計算方法 | 金額が変わる主な理由 |
|---|---|---|
| 所得割 | 前年所得に応じて計算 | 加入者の所得の増減 |
| 均等割 | 加入者1人ごとに計算 | 加入者数の増減 |
| 平等割 | 加入している1世帯ごとに計算 | 世帯数や適用される軽減など |
例えば、平等割が年間2万円の場合、原則として、国民健康保険に加入している人数が1人でも4人でも、1世帯当たり2万円です。
ただし、平等割を設けていない自治体もあります。
例えば、2026年度のさいたま市では、所得割と均等割を組み合わせて国民健康保険税を計算しています。
【2026年度】国民健康保険料・税は4つの区分で計算する
2026年度からは、子ども・子育て支援金制度の導入に伴い、国民健康保険料・税の構成が変わっています。
所得割と均等割は、それぞれ次のような区分について計算されます。
| 区分 | 主な目的 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 医療給付費分 | 国民健康保険加入者の医療給付に必要な費用 | 国民健康保険の加入者 |
| 後期高齢者支援金等分 | 後期高齢者医療制度を支えるための費用 | 国民健康保険の加入者 |
| 介護納付金分 | 介護保険制度を支えるための費用 | 原則として40歳以上65歳未満の加入者 |
| 子ども・子育て支援金分 | 子ども・子育て支援施策に必要な費用 | 制度上の算定対象となる加入者。年齢による均等割の軽減などがある |
ただし、具体的な区分ごとの所得割率や均等割額、端数処理、年齢による軽減方法などは、自治体の条例や年度によって異なります。
2026年度のさいたま市の計算例
さいたま市では、2026年度の国民健康保険税について、次の所得割率と均等割額が公表されています。
| 区分 | 所得割率 | 均等割額 |
|---|---|---|
| 医療給付費分 | 7.64% | 1人当たり43,300円 |
| 後期高齢者支援金等分 | 2.73% | 1人当たり14,900円 |
| 介護納付金分 | 2.37% | 対象者1人当たり16,100円 |
| 子ども・子育て支援納付金分 | 0.26% | 原則1人当たり1,700円。ただし年齢による軽減あり |
これらは2026年度のさいたま市の数値であり、全国共通の料率・税率ではありません。
また、2026年度からの子ども・子育て支援金分については、18歳未満の人に係る均等割の軽減措置があります。未成年だから所得割も必ずゼロになるという意味ではないため、注意しましょう。
【計算例】所得割と均等割を実際に計算してみよう
例1:42歳・一人暮らし・前年所得300万円の場合
2026年度のさいたま市の税率・均等割額を使い、42歳の人が国民健康保険に1人で加入する場合を考えます。
前年の所得が300万円で、基礎控除43万円を差し引くと、課税標準所得額は257万円です。
| 区分 | 所得割 | 均等割 |
|---|---|---|
| 医療給付費分 | 196,348円 | 43,300円 |
| 後期高齢者支援金等分 | 70,161円 | 14,900円 |
| 介護納付金分 | 60,909円 | 16,100円 |
| 子ども・子育て支援納付金分 | 6,682円 | 1,700円 |
各区分の所得割と均等割を合計した後、さいたま市の端数処理を適用すると、この例の2026年度の年間国民健康保険税は40万9,900円です。
これはさいたま市が公表している計算例です。実際の金額は所得や年齢、加入月数、軽減措置などによって異なります。
例2:前年所得がゼロの人の場合
前年の所得がゼロの人については、原則として所得割は発生しません。
一方、均等割は加入人数に応じて計算されます。
ただし、世帯の軽減判定所得が所定の基準以下であれば、7割・5割・2割軽減の対象になる場合があります。
例えば、均等割の対象額が年間6万円で、7割軽減が適用された場合です。
60,000円×30%=18,000円
この例では、軽減後の均等割は1万8,000円です。
なお、これは計算方法を示す架空の例です。実際には加入する世帯員の所得などによって軽減の可否が判断されます。
例3:夫婦2人で加入する場合
国民健康保険に夫婦2人で加入し、夫には所得があるものの、妻には前年所得がない場合です。
この場合、原則として夫の所得に応じた所得割が計算されます。
一方、均等割については、原則として夫婦2人分が計算されます。
ただし、40歳以上65歳未満の人が含まれる場合は、介護分についても対象者の所得や人数に応じて計算する必要があります。
所得がないのに国民健康保険料がかかる理由
所得がない人に国民健康保険料・税の請求が届く主な理由の一つが、均等割です。
所得割は前年所得を基に計算しますが、均等割は原則として加入人数に応じて発生します。
例えば、退職後に収入がなくなった人が、国民健康保険に加入している場合です。
前年の所得によっては所得割もかかりますし、所得割がゼロの場合でも均等割が発生する場合があります。
ただし、一定の所得基準を下回る世帯には、均等割や平等割の法定軽減があります。
また、自治体によっては、特別な事情によって所得が大幅に減少した人を対象とする減免制度なども設けられています。
7割・5割・2割軽減は「所得割」と「均等割」のどちらに適用される?
低所得世帯に対する7割・5割・2割の法定軽減は、原則として均等割と平等割が対象です。
所得割が同じ割合で直接軽減される仕組みではありません。
7割軽減の計算例
例えば、均等割が年間5万円で、7割軽減が適用された場合です。
50,000円×30%=15,000円
この場合、軽減後の均等割は1万5,000円です。
ただし、所得割など別の項目がある場合は、それらを含めて年間の保険料・税を計算します。
5割軽減と2割軽減の計算例
| 軽減割合 | 均等割5万円の場合の軽減後の金額 |
|---|---|
| 7割軽減 | 15,000円 |
| 5割軽減 | 25,000円 |
| 2割軽減 | 40,000円 |
| 軽減なし | 50,000円 |
法定軽減の判定には、原則として世帯の前年所得や加入者数などが使われます。
また、国民健康保険に加入していない世帯主の所得が判定に含まれる場合もあります。
所得の申告をしていない場合は注意
所得がゼロであっても、前年の所得について未申告の状態になっていると、法定軽減が適用されない場合があります。
そのため、納付通知書で軽減が適用されているか確認することが重要です。
記載された軽減額を確かめることと、所得情報や加入人数を照らし合わせて計算内容を調べることの違いについては、「確認」と「検証」の違いも参考になります。
未就学児の均等割は5割軽減される
国民健康保険では、2022年4月から未就学児の均等割を5割軽減する制度が設けられています。
これは、子育て世帯の負担を軽くするための全国共通の制度です。
例えば、未就学児の均等割が年間5万円だった場合、原則として2万5,000円が軽減されます。
ただし、低所得世帯の7割・5割・2割軽減が適用されている場合は、先にその軽減を適用した後、残った未就学児の均等割をさらに5割軽減します。
7割軽減と未就学児の5割軽減が両方適用される場合
例えば、未就学児に係る均等割が年間5万円で、世帯に7割軽減が適用されている場合です。
まず、7割軽減を適用します。
50,000円×30%=15,000円
さらに、その残額1万5,000円について、未就学児の5割軽減を適用します。
15,000円×50%=7,500円
この場合、もともとの均等割5万円に対して、最終的な負担は7,500円です。
なお、自治体の端数処理などによって実際の金額が異なる場合があります。
【2026年度】子ども・子育て支援金分の均等割はどうなる?
2026年度から、国民健康保険料・税に子ども・子育て支援金分が追加されました。
これは、国民健康保険を含む医療保険制度を通じて、子育て支援に必要な財源を確保する仕組みです。
国民健康保険では、所得割と均等割を組み合わせる形で計算する自治体があります。
ただし、子ども・子育て支援金分については、18歳未満の均等割に全額軽減措置が設けられるなど、通常の医療分とは異なる取り扱いがあります。
例えば、さいたま市では、2026年度の子ども・子育て支援納付金分について、原則として1人当たりの均等割額を1,700円とし、高校生年代までの子どもに係る均等割を全額軽減する仕組みを案内しています。
一方、所得割については、一定以上の所得がある場合、18歳未満でも計算対象になる場合があります。
そのため、子ども・子育て支援金分では、均等割の軽減と所得割の扱いを分けて確認することが重要です。
退職・失業した場合、所得割と均等割はどう変わる?
退職した年の所得割は、原則として前年所得で計算する
会社を退職して国民健康保険に加入した場合、所得割は原則として前年所得を基に計算されます。
そのため、退職後の収入がなくなったとしても、前年に高い給与所得があれば所得割が高くなる場合があります。
一方、翌年度に所得の減少が反映されれば、所得割が下がる可能性があります。
倒産や解雇などでは、給与所得を30%とみなす軽減制度がある
倒産や解雇、一定の雇止めなどによって離職した人については、所定の条件を満たす場合、非自発的失業者に対する国民健康保険料・税の軽減制度を利用できます。
この制度では、対象となる人の前年給与所得を30%とみなして、保険料・税を計算します。
そのため、所得割が下がるだけでなく、世帯所得の軽減判定にも影響する場合があります。
ただし、保険料・税の総額が必ず70%減額されるという意味ではありません。
自己都合退職でも自治体の減免制度が関係する場合がある
一般的な自己都合退職の場合、非自発的失業者の軽減制度の対象にならないことがあります。
しかし、退職後に所得が大幅に減少して納付が困難になった場合などには、自治体独自の減免制度が関係することがあります。
例えば、事業の廃止や病気によって所得が急減した場合などです。
ただし、減免の条件や申請期限、必要書類は自治体によって異なります。
【実践】所得割と均等割が関係する5つの場面
場面1:独身で国民健康保険に加入する
独身の人が会社を退職し、国民健康保険に加入する場合です。
原則として、本人の前年所得に応じた所得割と、1人分の均等割が計算されます。
自治体によっては、平等割が加算される場合もあります。
場面2:夫婦で国民健康保険に加入する
夫婦2人で国民健康保険に加入する場合です。
所得割については、原則としてそれぞれの前年所得を基に計算します。
一方、均等割については、原則として2人分が計算されます。
ただし、年齢や軽減措置などによって、最終的な負担額は異なります。
場面3:子どもが生まれた
国民健康保険に加入している世帯で子どもが生まれた場合です。
原則として、加入者が1人増えるため、均等割の計算対象になります。
ただし、未就学児の均等割には5割軽減が適用され、さらに低所得世帯の法定軽減が適用される場合もあります。
2026年度からの子ども・子育て支援金分については、18歳未満の均等割が全額軽減されるなど、別の取り扱いがあります。
場面4:退職後、翌年度に所得が大幅に減った
会社を退職した後、翌年度に前年所得の減少が反映される場合です。
原則として、所得が下がれば所得割も下がる方向になります。
一方、均等割は原則として加入人数によって計算されるため、所得が下がったという理由だけで自動的にゼロになるわけではありません。
ただし、世帯所得が法定軽減の基準を下回った場合は、均等割などが軽減される可能性があります。
場面5:別の市区町村へ引っ越した
国民健康保険に加入している人が、別の自治体へ引っ越した場合です。
新しい自治体では、所得割率や均等割額、平等割の有無などが異なる場合があります。
そのため、所得や加入人数が同じでも、年間の国民健康保険料・税が変わることがあります。
年度ごとの料率改定や自治体の切り替えによって負担額が変わった場合の表現については、「変更」と「修正」の違いも参考になります。
国民健康保険の納付通知書で確認したい5つのポイント
1. 所得割の算定基礎額を確認する
まず、前年の所得と、所得割の算定基礎額を確認しましょう。
給与収入と給与所得は異なるため、源泉徴収票の支払金額をそのまま算定基礎額と考えないように注意しましょう。
2. 均等割の対象人数を確認する
国民健康保険に加入している世帯員の人数を確認しましょう。
退職後、配偶者や子どもが新たに国民健康保険へ加入した場合は、均等割の計算対象人数が増える可能性があります。
3. 介護分の対象者を確認する
原則として、40歳以上65歳未満の国民健康保険加入者は、介護納付金分の対象になります。
そのため、同じ所得や加入人数であっても、年齢構成によって負担額が異なる場合があります。
4. 軽減制度が適用されているか確認する
所得が所定の基準以下の場合は、均等割や平等割に7割・5割・2割の法定軽減が適用される場合があります。
また、未就学児の均等割軽減や、非自発的失業者の軽減なども関係します。
ただし、制度によっては申請が必要なので、納付通知書の内容を確認しましょう。
5. 金額に疑問がある場合は自治体へ問い合わせる
所得割や均等割の計算内容に疑問がある場合は、住所地の市区町村の国民健康保険担当窓口へ問い合わせましょう。
例えば、加入人数や所得情報に誤りがある場合は、提出する資料や修正手続きについて確認する必要があります。
納期限までに支払うことが難しい場合は、自治体が設ける減免や納付相談などが関係することもあります。
問題が発生した際の行動の使い分けについては、「対応」と「対処」の違いも参考になります。
「所得割」「均等割」と似た言葉の違い
「応能割」との違い
応能割は、加入者の負担能力に応じて負担額を決める考え方です。
所得割は、その代表的な仕組みです。
例えば、所得の多い人ほど高い所得割を負担する仕組みは、応能負担の考え方に基づいています。
「応益割」との違い
応益割は、所得に関係なく、加入人数や世帯などを基準として負担する部分です。
均等割や平等割が、その代表的な仕組みです。
国民健康保険料・税では、所得割などの応能分と、均等割・平等割などの応益分を組み合わせて計算することが基本となっています。
「平等割」との違い
平等割は、国民健康保険に加入する1世帯ごとに一定額を計算する部分です。
一方、均等割は加入者1人ごとに計算する部分です。
ただし、平等割を設けていない自治体もあります。
「所得税」との違い
所得税は、個人の所得に対して課される国税です。
一方、国民健康保険の所得割は、国民健康保険料・税の一部として、前年所得に応じて計算される部分です。
名称に所得という共通の言葉が含まれていますが、税の目的や計算方法、控除の取り扱いなどが異なります。
「所得割」と「均等割」の3秒判定
| 確認したい内容 | 関係する項目 |
|---|---|
| 前年の所得に応じて金額が決まる | 所得割 |
| 加入者1人ごとに金額が決まる | 均等割 |
| 所得が増えたことで負担額が増える | 主に所得割 |
| 加入する家族が増えたことで負担額が増える | 主に均等割 |
| 低所得世帯の7割・5割・2割軽減の対象 | 均等割・平等割 |
| 未就学児に対する5割軽減の対象 | 均等割 |
| 1世帯ごとに計算される | 平等割 |
| 所得に応じて負担する考え方 | 応能割 |
| 加入人数や世帯に応じて負担する考え方 | 応益割 |
所得に応じて決まるのが所得割、加入人数に応じて決まるのが均等割と覚えましょう。
よくある間違いと注意点
「所得がゼロなら国民健康保険料もゼロになる」は誤り
前年所得がゼロの場合、原則として所得割は発生しませんが、均等割などが発生する場合があります。
ただし、低所得世帯に対する法定軽減などが適用される場合があります。
「家族の所得がゼロなら、その家族の均等割もゼロになる」は誤り
均等割は、原則として加入人数に応じて計算されます。
所得がゼロの家族についても均等割が発生する場合がありますが、法定軽減や子どもの軽減制度が適用されることがあります。
「7割軽減なら、年間の保険料が必ず7割減る」は誤り
7割・5割・2割の法定軽減は、原則として均等割や平等割を対象とします。
そのため、所得割などを含めた年間保険料・税の総額が、必ず同じ割合で減るわけではありません。
「子どもにも大人と同じ均等割が必ずかかる」は誤り
未就学児については、原則として所定の均等割が5割軽減されます。
また、2026年度からの子ども・子育て支援金分については、高校生年代までの均等割の軽減措置があります。
「所得割率と均等割額は全国共通」は誤り
所得割率や均等割額は、自治体の条例などによって定められています。
そのため、自治体が異なれば、所得や加入人数が同じでも保険料・税が異なる場合があります。
「所得割は今年の収入だけで計算される」は誤り
国民健康保険料・税の所得割は、原則として前年所得を基に計算されます。
例えば、2026年度の所得割は、通常、2025年中の所得を基に算定されます。
「所得割」と「均等割」の例文12選
「所得割」を使った例文
- 前年の所得が増えたため、国民健康保険の所得割が高くなった。
- 退職後の所得割について、市役所で試算してもらった。
- 所得割の算定基礎額を、納付通知書で確認した。
- 所得割率は自治体によって異なる。
- 倒産による失業で軽減対象となり、所得割の計算に使う給与所得が減額された。
- 所得割の金額について、前年の所得と照らし合わせて確認した。
「均等割」を使った例文
- 夫婦2人で国民健康保険に加入したため、2人分の均等割が計算された。
- 前年所得が少なかったため、均等割の7割軽減が適用された。
- 未就学児の均等割について、5割軽減が適用された。
- 家族が増えたため、均等割の計算対象人数が変わった。
- 均等割の金額は、自治体によって異なる。
- 国民健康保険の納付通知書で、所得割と均等割の内訳を確認した。
FAQ|「所得割」と「均等割」のよくある質問
Q1. 所得割と均等割の最も大きな違いは何ですか?
所得割は、原則として加入者の前年所得を基に計算する部分です。一方、均等割は、原則として国民健康保険の加入人数に応じて計算する部分です。
Q2. 所得がゼロでも均等割はかかりますか?
原則として発生します。ただし、世帯の所得が所定の基準以下であれば、均等割などに7割・5割・2割の法定軽減が適用される場合があります。
Q3. 家族が増えると均等割も増えますか?
原則として、国民健康保険の加入者が増えると均等割の計算対象人数も増えます。ただし、未就学児や低所得世帯などに対する軽減制度があります。
Q4. 退職したら所得割はすぐにゼロになりますか?
必ずしもそうではありません。所得割は原則として前年所得を基に計算するため、退職前の給与所得が反映される場合があります。所得の減少が翌年度の計算に反映されることで、所得割が下がる可能性があります。
Q5. 7割・5割・2割軽減は所得割にも適用されますか?
原則として、低所得世帯に対する法定軽減の対象となるのは均等割と平等割です。所得割が同じ割合で直接軽減される制度ではありません。
Q6. 未就学児の均等割は何割軽減されますか?
原則として5割軽減されます。低所得世帯に対する法定軽減が適用されている場合は、その軽減後の未就学児の均等割額を、さらに5割軽減します。
Q7. 所得割の計算では、年収をそのまま使いますか?
原則として、給与収入をそのまま使用するわけではありません。給与収入から給与所得控除を差し引いた給与所得などを基に、所定の計算を行います。
Q8. 夫婦のうち一方に所得がない場合はどうなりますか?
原則として、所得がある人の所得に応じて所得割が計算されます。一方、均等割については、国民健康保険に加入している夫婦2人分が計算対象になります。ただし、軽減措置などによって実際の金額が変わる場合があります。
Q9. 平等割と均等割は同じですか?
同じではありません。均等割は加入者1人ごとに計算する部分で、平等割は原則として国民健康保険に加入する1世帯ごとに計算する部分です。平等割を設けていない自治体もあります。
Q10. 2026年度から新しく追加された項目は何ですか?
子ども・子育て支援金分が追加されました。所得割と均等割による計算を行う自治体があり、18歳未満の均等割には軽減措置が設けられています。具体的な料率や金額は自治体によって異なります。
Q11. 国民健康保険料の所得割や均等割は、どこで確認できますか?
住所地の市区町村から届く保険料・税の納付通知書や、その自治体の公式サイトなどで確認できます。実際の計算内容に疑問がある場合は、国民健康保険担当窓口へ問い合わせましょう。
Q12. 所得割と均等割の金額が高く、支払えない場合はどうすればよいですか?
所得状況や離職理由などによって、軽減や減免の対象になる場合があります。また、納付が難しい場合は、自治体で分割納付や徴収猶予などを相談できることがあります。
まとめ|所得割は所得、均等割は加入人数に応じて計算する
「所得割」と「均等割」は、どちらも国民健康保険料・税を計算する際に使われる重要な項目ですが、金額の決まり方が異なります。
- 所得割:原則として、加入者の前年所得に応じて計算する部分。所得が増えると負担も増える仕組み。
- 均等割:原則として、国民健康保険の加入者1人ごとに計算する部分。所得がなくても発生する場合があるが、低所得世帯や未就学児への軽減制度がある。
- 平等割:原則として加入する1世帯ごとに計算する部分。自治体によっては設けられていない。
特に重要なのは、7割・5割・2割の法定軽減が、原則として所得割ではなく、均等割や平等割に適用されることです。
また、2026年度からは子ども・子育て支援金分が追加され、従来とは保険料・税の構成が変わっています。
納付通知書が届いたら、前年所得、加入人数、所得割率、均等割額、適用されている軽減制度などを確認しましょう。
参考資料・出典
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厚生労働省|国民健康保険の保険料・保険税について
所得に応じた応能分、加入人数や世帯に応じた応益分の仕組み、均等割・平等割の軽減制度について確認できます。
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さいたま市|国民健康保険税の計算
2026年度の所得割率・均等割額、医療分・支援金分・介護分・子ども・子育て支援納付金分の計算方法と具体例を確認できます。
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品川区|保険料の計算
2026年度の国民健康保険料について、所得割と均等割の区分ごとの計算方法を確認できます。
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足立区|令和8年度の国民健康保険料
2026年度から追加された子ども・子育て支援金分や、18歳未満の均等割の取り扱いなどを確認できます。
