「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」の違いとは?対象者・サービス内容・料金・選び方を徹底比較

「訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションは何が違う?」「自宅までリハビリの先生に来てもらえる?」「歩行が難しくてもデイケアへ通える?」「両方のサービスを利用することはできる?」など、介護保険によるリハビリを検討する際には、さまざまな疑問が生じます。

自宅で生活する高齢者などが利用できる介護保険のリハビリには、主に「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」があります。

どちらも身体機能や生活機能の維持・回復を目指すサービスですが、リハビリを受ける場所や利用条件、サービス内容、料金などが異なります。

結論からいうと、訪問リハビリテーションは、理学療法士などの専門職が自宅を訪問して行うリハビリ。通所リハビリテーションは、本人が病院や介護老人保健施設などへ通って受けるリハビリです。

例えば、自宅の階段やトイレ、浴室など、実際の生活環境で安全に動けるようになりたい場合は、訪問リハビリテーションが関係します。

一方、施設に通って専門職の指導を受けながら運動し、必要に応じてほかの利用者との交流や食事、入浴などのサービスも利用したい場合は、通所リハビリテーションが関係します。

ただし、訪問リハビリテーションを利用すれば必ず自宅で歩けるようになる、通所リハビリテーションへ通えば必ず身体機能が改善するというわけではありません。本人の病状や心身の状態、生活上の課題に応じて、リハビリの内容と目標を設定する必要があります。

この記事では、二つのサービスの違いを比較表で整理し、利用できる人、リハビリの内容、要支援と要介護の取り扱い、料金の目安、併用する場合の注意点、デイサービスとの違い、事業所の選び方まで詳しく解説します。

  1. 「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」の違い【結論】
  2. 【徹底比較】「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」の違い
  3. 「訪問リハビリテーション」とは?自宅の生活環境に合わせて行うリハビリ
    1. 理学療法士などの専門職が自宅を訪問する
    2. 自宅の段差や階段などを使用して練習できる
    3. 家族への介助方法の助言も受けられる
  4. 「通所リハビリテーション」とは?施設に通って受けるリハビリ
    1. 病院や介護老人保健施設などへ通って利用する
    2. 専門職による個別のリハビリを受けられる
    3. 食事・入浴・送迎などを利用できる場合がある
  5. 訪問リハビリと通所リハビリでは、どのような訓練を受けられる?
  6. 訪問リハビリテーションを利用できる人の条件
    1. 原則として通院が困難な人が対象
    2. 医師による診療や指示が必要
    3. 要支援の人には介護予防訪問リハビリがある
  7. 通所リハビリテーションを利用できる人の条件
    1. 施設に通ってリハビリを受けることが必要な人
    2. 歩行が難しくても利用できる場合がある
  8. 【2026年版】訪問リハビリと通所リハビリの料金を比較
    1. 訪問リハビリテーションの料金
    2. 通所リハビリテーションの料金
    3. 要支援の通所リハビリは月額制が基本
  9. 【計算例】訪問リハビリを週2回利用した場合
  10. 訪問リハビリと通所リハビリは併用できる?
    1. 原則としてサービスの必要性を整理する
    2. 不必要なサービスの重複に注意する
    3. ケアマネジャーや医師との相談が重要
  11. デイケアとデイサービスの違いは?
  12. 訪問リハビリと訪問看護からのリハビリの違い
    1. 訪問リハビリテーションは独立した介護保険サービス
    2. 訪問看護からのリハビリは訪問看護の一環
    3. どちらも同じサービスとして自由に選べるわけではない
  13. 【実践】訪問リハビリと通所リハビリの選び方
    1. 場面1:退院後、自宅の階段を安全に昇り降りしたい
    2. 場面2:施設で専門的な運動を継続したい
    3. 場面3:歩行が難しく、施設まで通うことが負担になる
    4. 場面4:家族以外の人と交流する機会を増やしたい
    5. 場面5:通所での訓練を自宅での生活につなげたい
  14. リハビリの目標は、どのように設定すればよい?
    1. 生活上の目標を具体的にする
    2. リハビリの内容と達成したい目標を区別する
  15. リハビリ事業所を選ぶ際に確認したい5つのポイント
    1. 1. 必要な専門職が在籍しているか
    2. 2. どのようなリハビリを実施しているか
    3. 3. 通所の場合は送迎体制を確認する
    4. 4. 食事や入浴の提供状況を確認する
    5. 5. 料金とサービスの実施内容を確認する
  16. 「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」の3秒判定
  17. よくある間違いと注意点
    1. 「訪問リハビリは、希望すれば誰でも利用できる」は誤り
    2. 「通所リハビリは、自力で歩ける人しか利用できない」は誤り
    3. 「デイケアとデイサービスは同じサービス」は誤り
    4. 「訪問リハビリと通所リハビリは、絶対に併用できない」は誤り
    5. 「要支援の通所リハビリは、利用した回数だけ料金が増える」は誤り
  18. 「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」の例文12選
    1. 「訪問リハビリテーション」を使った例文
    2. 「通所リハビリテーション」を使った例文
  19. FAQ|「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」のよくある質問
    1. Q1. 訪問リハビリと通所リハビリの最も大きな違いは何ですか?
    2. Q2. 訪問リハビリテーションは、誰でも利用できますか?
    3. Q3. 要支援1・2でも利用できますか?
    4. Q4. 通所リハビリは、車椅子でも利用できますか?
    5. Q5. 訪問リハビリでは、自宅の階段を使って練習できますか?
    6. Q6. 通所リハビリでは、食事や入浴も利用できますか?
    7. Q7. 訪問リハビリと通所リハビリを両方利用できますか?
    8. Q8. デイケアとデイサービスは同じですか?
    9. Q9. 訪問リハビリの料金はいくらですか?
    10. Q10. 通所リハビリの料金は、要介護度によって変わりますか?
    11. Q11. 訪問看護ステーションからのリハビリとは何が違いますか?
    12. Q12. 訪問リハビリと通所リハビリのどちらを利用するか、誰に相談すればよいですか?
  20. まとめ|訪問リハビリは自宅、通所リハビリは施設で受けるリハビリ
  21. 参考リンク

「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」の違い【結論】

二つのサービスを区別する際の基本は、リハビリを受ける場所と、どのような生活上の課題に取り組むのかという点です。

  • 訪問リハビリテーション:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが自宅を訪問し、実際の生活環境に合わせて心身機能の維持・回復や日常生活の自立を支援するサービス。
  • 通所リハビリテーション:本人が病院、診療所、介護老人保健施設などに通い、医師の医学的管理の下で、専門職によるリハビリテーションなどを受けるサービス。一般に「デイケア」とも呼ばれる。

例えば、自宅で転倒することが増え、普段使用している階段やトイレの動作を練習したい場合です。

訪問リハビリテーションなら、自宅の段差や手すり、家具の配置などを確認しながら、実際の生活に即した訓練や助言を受けられます。

一方、通所リハビリテーションでは、施設に通い、リハビリ専門職の指導の下で、身体機能の維持・回復や日常生活動作の改善などを目指します。

どちらも介護保険の居宅サービスであり、所定の条件を満たせば、要介護1~5の人が利用できます。また、要支援1・2の人にも、それぞれ介護予防サービスが設けられています。

【徹底比較】「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」の違い

比較項目 訪問リハビリテーション 通所リハビリテーション
主な実施場所 本人の自宅など 病院、診療所、介護老人保健施設など
一般的な呼び方 訪問リハビリ デイケア
主な担当者 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など
主な目的 自宅での生活動作や生活環境に即した自立支援 施設でのリハビリを通じた心身機能・生活機能の維持や改善
利用場所への移動 本人が施設へ通う必要はない 施設への通所が必要。送迎を実施する事業所もある
主な利用条件 通院が困難で、医学的な管理の下でリハビリが必要な人など 通所によるリハビリが必要で、利用できる状態にある人など
要介護1~5 所定の条件で利用可能 所定の条件で利用可能
要支援1・2 介護予防訪問リハビリテーション 介護予防通所リハビリテーション
料金の基本 原則として1回ごとに算定 要介護では所要時間や事業所規模などに応じて算定
食事・入浴 一般的な食事提供や入浴サービスはない 事業所によって提供している場合がある
施設での交流 原則としてない ほかの利用者と交流できる場合がある
医師の関与 いずれも医師の医学的管理や指示などに基づいて実施する

訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションは、単に自宅で行うか施設で行うかという違いだけではありません。

本人が取り組みたい生活上の課題、移動能力、病状、必要なリハビリの種類などによって、利用を検討する際のポイントが異なります。

「訪問リハビリテーション」とは?自宅の生活環境に合わせて行うリハビリ

理学療法士などの専門職が自宅を訪問する

訪問リハビリテーションは、医師の指示などに基づき、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が利用者の自宅を訪問して行うサービスです。

心身機能の維持・回復だけでなく、実際の日常生活で必要な動作を安全に行えるようにすることも重要な目的です。

例えば、ベッドから立ち上がる、トイレまで移動する、浴室へ出入りするなど、本人が普段生活している環境に合わせたリハビリを行います。

自宅の段差や階段などを使用して練習できる

訪問リハビリテーションの特徴は、本人が実際に暮らしている場所で、具体的な生活動作を確認できることです。

例えば、施設では問題なく歩けるものの、自宅の玄関に段差があり、転倒する危険がある場合です。

訪問リハビリテーションでは、実際の段差や階段、廊下の幅などを確認しながら、安全に移動するための練習や助言を行います。

また、本人の状態によっては、手すりの設置や福祉用具の利用などについて、専門的な助言を受けられる場合もあります。

家族への介助方法の助言も受けられる

自宅でのリハビリでは、本人だけでなく、家族などの介護者へ必要な助言を行う場合があります。

例えば、ベッドから車椅子へ安全に乗り移るための介助方法や、本人が転倒しにくい環境づくりなどです。

ただし、家族への介助指導が必要かどうかは、本人の状態やリハビリ計画などによって異なります。

「通所リハビリテーション」とは?施設に通って受けるリハビリ

病院や介護老人保健施設などへ通って利用する

通所リハビリテーションは、病院、診療所、介護老人保健施設などに通い、リハビリテーションを受けるサービスです。

一般に「デイケア」と呼ばれます。

医師の医学的管理の下で、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などによるリハビリテーションを受けます。

本人の状態や利用目的に応じて、身体機能の維持・回復、日常生活動作の改善、社会参加などを目指します。

専門職による個別のリハビリを受けられる

通所リハビリテーションでは、本人の状態やリハビリ計画に応じて、専門職による個別のリハビリテーションなどを受けます。

例えば、歩行能力の維持・向上、関節の動きの改善、日常生活動作の練習などです。

ただし、すべての事業所で、同じ時間・内容の個別リハビリを受けられるわけではありません。

実施するリハビリの内容や時間、担当する専門職などは、事業所によって異なります。

食事・入浴・送迎などを利用できる場合がある

通所リハビリテーションでは、リハビリに加えて、送迎や食事、入浴などのサービスを提供している事業所もあります。

例えば、施設でリハビリを受けた後に食事を取り、必要に応じて入浴サービスを利用する場合です。

ただし、すべての事業所が食事や入浴を提供しているわけではありません。

特に短時間型の通所リハビリテーションでは、リハビリを中心とし、食事や入浴を提供していない場合があります。

訪問リハビリと通所リハビリでは、どのような訓練を受けられる?

どちらのサービスも、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが、本人の状態や必要性に応じたリハビリテーションを提供します。

専門職 主な専門分野 リハビリの例
理学療法士(PT) 起き上がり、立ち上がり、歩行などの基本的な動作 歩行練習、筋力維持のための運動、移乗動作の練習など
作業療法士(OT) 食事、着替え、家事などの生活動作や社会参加 着替えや調理などの日常生活動作の練習、環境調整など
言語聴覚士(ST) 言語、コミュニケーション、摂食・嚥下など 発声・言語の訓練、飲み込みに関する評価や訓練など

例えば、脳卒中の後遺症によって歩行や着替えが難しくなった場合は、理学療法士や作業療法士によるリハビリが関係します。

また、飲み込みや言葉の問題がある場合は、言語聴覚士による支援が関係することがあります。

ただし、どの職種が担当するか、どのような訓練が適切かについては、医師の判断や本人の状態などによって決まります。

訪問リハビリテーションを利用できる人の条件

原則として通院が困難な人が対象

介護保険の訪問リハビリテーションは、原則として、通院が困難であり、医師の医学的管理の下でリハビリテーションが必要な人を対象としています。

例えば、歩行が難しく、自宅から病院などへ通うために大きな負担が生じる場合です。

ただし、通院が困難かどうかは、単に移動できるかどうかだけで判断するものではありません。

本人の病状や身体機能、生活環境、通院時の負担などを踏まえて検討します。

医師による診療や指示が必要

訪問リハビリテーションでは、原則として事業所の医師による計画的な医学的管理や、医師の指示などが必要です。

また、所定の条件を満たす場合には、別の医療機関の医師からの情報提供などを用いて、サービスを提供できる仕組みがあります。

具体的な利用手続きについては、主治医や利用予定の訪問リハビリテーション事業所などへ確認しましょう。

要支援の人には介護予防訪問リハビリがある

要支援1・2の人については、介護予防訪問リハビリテーションというサービスがあります。

本人が可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるように、生活機能の維持・向上などを目指します。

ただし、要支援認定を受けているだけで、必ず訪問リハビリテーションを利用できるわけではありません。

医学的な必要性や利用条件などを確認する必要があります。

通所リハビリテーションを利用できる人の条件

施設に通ってリハビリを受けることが必要な人

通所リハビリテーションは、本人の心身の状態や生活上の課題などから、施設へ通ってリハビリテーションを受けることが必要と判断された場合に利用します。

要介護1~5の人は、所定の条件を満たせば利用できます。

また、要支援1・2の人には、介護予防通所リハビリテーションが設けられています。

歩行が難しくても利用できる場合がある

通所リハビリテーションは、自分で歩いて施設へ行ける人だけを対象としたサービスではありません。

事業所によっては、車椅子を利用している人などに対応した送迎を行っている場合があります。

ただし、送迎体制や受け入れ可能な身体状況、医療的な管理への対応などは、事業所によって異なります。

本人の状態に合わせて、安全に利用できる事業所か確認しましょう。

【2026年版】訪問リハビリと通所リハビリの料金を比較

リハビリテーションの利用料金は、サービスの種類、所要時間、要介護度、事業所の規模、地域区分、各種加算などによって異なります。

以下は、2026年9月時点で適用される基本報酬を用い、1単位10円、利用者負担1割として計算した目安です。

訪問リハビリテーションの料金

区分 基本報酬 1割負担の単純換算
要介護1~5:1回20分以上 308単位 308円
要支援1・2:1回20分以上 298単位 298円

訪問リハビリテーションの基本報酬は、原則として20分を1回として計算します。

例えば、40分程度のリハビリを実施する場合は、所定の条件の下で2回分として算定することがあります。

ただし、短期集中リハビリテーション実施加算などの各種加算や、所定の条件を満たさない場合の減算などが適用されることがあります。

通所リハビリテーションの料金

通所リハビリテーションの基本報酬は、事業所の規模、所要時間、要介護度によって異なります。

以下は、通常規模型の事業所で1時間以上2時間未満のサービスを利用した場合の基本報酬です。

要介護度 基本報酬 1割負担の単純換算
要介護1 369単位 369円
要介護2 398単位 398円
要介護3 429単位 429円
要介護4 458単位 458円
要介護5 491単位 491円

一方、7時間以上8時間未満の通常規模型通所リハビリテーションでは、要介護1で762単位、要介護5で1,379単位となっています。

ただし、これらは基本報酬のみの金額です。事業所で適用される各種加算や地域区分などによって、実際の負担額は変わります。

要支援の通所リハビリは月額制が基本

介護予防通所リハビリテーションは、原則として月額の基本報酬が設定されています。

認定区分 月額の基本報酬 1割負担の単純換算
要支援1 2,268単位 2,268円
要支援2 4,228単位 4,228円

ただし、利用期間やサービスの提供体制などによって、日割り計算や各種加算・減算が適用される場合があります。

また、食費やおむつ代などの日常生活費は、原則として別途必要です。

【計算例】訪問リハビリを週2回利用した場合

ここでは、要介護認定を受けた人が、訪問リハビリテーションを週2回、1回40分程度利用する場合を考えます。

20分を1回として2回分を算定し、4週間で8日利用すると仮定します。

項目 金額・回数
20分当たりの基本報酬 308単位
1日の算定回数 2回分
1日当たりの基本報酬 616単位
4週間の利用日数 8日
4週間の基本報酬合計 4,928単位
1単位10円・1割負担の単純換算 4,928円

この条件では、4週間の基本報酬に対する自己負担額は4,928円です。

ただし、実際の請求額には、地域区分や各種加算・減算などが関係します。

訪問リハビリと通所リハビリは併用できる?

訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションは、本人の状態や必要性によって、併用を検討できる場合があります。

ただし、両方のサービスを希望すれば、必ず介護保険で利用できるわけではありません。

原則としてサービスの必要性を整理する

例えば、施設でのリハビリによって身体機能の維持・回復を図りながら、自宅での階段昇降や浴室への出入りなどについて、訪問リハビリテーションで練習する場合です。

このように、それぞれのサービスを利用する目的と役割を明確にすることが重要です。

不必要なサービスの重複に注意する

訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションで、同じ訓練を重複して提供するだけでは、両方を利用する必要性を十分に説明できない場合があります。

本人の心身の状態や生活環境を踏まえ、何を目標として、それぞれのサービスを利用するのかを検討しましょう。

ケアマネジャーや医師との相談が重要

併用を検討する場合は、担当ケアマネジャーや主治医、リハビリ専門職などへ相談しましょう。

また、利用する事業所や適用される報酬の算定条件などによって、取り扱いが異なる場合があります。

デイケアとデイサービスの違いは?

通所リハビリテーションを検討する際に、特に混同しやすいのがデイサービスです。

どちらも施設へ通って利用する介護保険サービスですが、主な役割が異なります。

比較項目 デイケア デイサービス
正式名称 通所リハビリテーション 通所介護
主な目的 医師の医学的管理の下で行うリハビリテーション 日常生活上の介護、生活機能の維持、社会的交流など
主な実施場所 病院、診療所、介護老人保健施設など デイサービスセンターなど
医師の関与 医学的管理の下でリハビリを実施 通所リハビリとは異なる人員・運営基準が適用される
リハビリ専門職 理学療法士などによるリハビリを提供 機能訓練指導員などによる機能訓練を提供する場合がある
食事・入浴 事業所によって提供 事業所によって提供

デイケアでは、医師の医学的管理の下で、リハビリ専門職によるリハビリテーションを提供します。

一方、デイサービスでは、食事や入浴などの日常生活上の介護や、生活機能を維持するための機能訓練などを提供します。

ただし、デイサービスでも機能訓練に力を入れている事業所があります。また、デイケアでも食事や入浴などを利用できる場合があります。

名称だけで判断せず、実際に提供されるサービス内容を確認しましょう。

訪問リハビリと訪問看護からのリハビリの違い

自宅で受けられるリハビリには、訪問リハビリテーションのほか、訪問看護ステーションから理学療法士などが訪問する仕組みもあります。

訪問リハビリテーションは独立した介護保険サービス

訪問リハビリテーションは、病院、診療所、介護老人保健施設などが提供する、独立した介護保険サービスです。

医師の医学的管理や指示などに基づいて、理学療法士などが自宅を訪問します。

訪問看護からのリハビリは訪問看護の一環

訪問看護ステーションから理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが訪問する場合は、訪問看護の一環としてリハビリを提供します。

そのため、訪問リハビリテーションとは、事業所の指定や運営体制、報酬体系などが異なります。

どちらも同じサービスとして自由に選べるわけではない

訪問リハビリテーションと、訪問看護からのリハビリは、提供できる事業所や利用条件などが異なります。

例えば、医療的な管理とリハビリの両方が必要な場合は、訪問看護ステーションによる支援が関係することがあります。

ただし、どちらが本人に適切かについては、主治医やケアマネジャーなどと相談して判断します。

【実践】訪問リハビリと通所リハビリの選び方

場面1:退院後、自宅の階段を安全に昇り降りしたい

退院後に自宅へ戻ったものの、玄関や階段などに不安がある場合です。

実際の生活環境で動作を確認しながら練習したい場合は、訪問リハビリテーションが関係します。

ただし、病状や通院の状況などによって利用条件が異なるため、主治医などへ相談しましょう。

場面2:施設で専門的な運動を継続したい

本人が施設へ通うことができ、専門職によるリハビリを継続して受けたい場合です。

このような場合は、通所リハビリテーションが関係します。

実際に受けられる訓練や利用時間、使用できる設備などは、事業所によって異なります。

場面3:歩行が難しく、施設まで通うことが負担になる

本人が自宅から病院や施設へ通うことに大きな負担を感じている場合です。

訪問リハビリテーションの利用条件を満たすか、主治医やケアマネジャーなどに相談しましょう。

一方、通所リハビリテーションでも、車椅子などに対応した送迎を行っている場合があります。

場面4:家族以外の人と交流する機会を増やしたい

本人が自宅で過ごす時間が長くなり、外出や交流の機会が少なくなっている場合です。

通所リハビリテーションでは、リハビリを受けながら、ほかの利用者と交流できる場合があります。

ただし、交流の機会やプログラムの内容は事業所によって異なります。

場面5:通所での訓練を自宅での生活につなげたい

施設で立ち上がりや歩行の練習を行っているものの、自宅では実際の生活動作に不安がある場合です。

本人の状態や医学的な必要性などに応じて、訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションの役割を整理し、必要なサービスを検討しましょう。

リハビリの目標は、どのように設定すればよい?

訪問リハビリと通所リハビリのどちらを利用する場合でも、重要なのは、本人が日常生活で何をできるようになりたいのかを明確にすることです。

例えば、「筋力を強くしたい」という希望がある場合でも、それ自体が最終的な生活上の目標とは限りません。

筋力を維持・向上させることによって、どのような生活を送りたいのかを考えることが重要です。

生活上の目標を具体的にする

例えば、次のような目標が考えられます。

  • 自宅のトイレまで安全に移動したい
  • 家族の介助を受けながらでも、浴槽へ入れるようになりたい
  • 近所の店まで買い物へ行けるようになりたい
  • 自宅で食事の準備を続けたい
  • 趣味や地域の活動に参加したい

こうした生活上の希望を、本人や家族、医師、リハビリ専門職などで共有することが重要です。

リハビリの内容と達成したい目標を区別する

例えば、歩行練習や筋力トレーニングは、目標を達成するための手段です。

一方、「自宅の玄関から安全に外出する」「近所のスーパーまで歩く」といった内容は、具体的な生活上の目標になります。

リハビリの目的と、達成状況を判断するための目標を整理する際には、「目的」と「目標」の違いも参考になります。

リハビリ事業所を選ぶ際に確認したい5つのポイント

1. 必要な専門職が在籍しているか

本人が必要としているリハビリによって、関係する専門職が異なります。

例えば、歩行や立ち上がりの練習が必要な場合は理学療法士、日常生活動作の練習が必要な場合は作業療法士などが関係します。

事業所によって在籍している職種や人数が異なるため、必要な支援を受けられるか確認しましょう。

2. どのようなリハビリを実施しているか

訪問リハビリテーションでは、自宅の生活環境に即した動作の練習などを受けられます。

一方、通所リハビリテーションでは、事業所によって設備やプログラムなどが異なります。

本人の目標に合ったリハビリを実施しているか、事前に確認しましょう。

3. 通所の場合は送迎体制を確認する

通所リハビリテーションを利用する場合は、送迎の有無や対応地域、車椅子などへの対応を確認しましょう。

特に、歩行が難しい人や、家族が送迎できない人にとっては重要なポイントです。

4. 食事や入浴の提供状況を確認する

通所リハビリテーションでは、事業所によって食事や入浴などの提供状況が異なります。

また、食費や日常生活費などは、介護保険の利用者負担とは別に必要になる場合があります。

5. 料金とサービスの実施内容を確認する

利用料金は、要介護度や利用時間、地域区分、各種加算などによって異なります。

契約前には、基本報酬だけでなく、各種加算や食費などを含めた実際の負担額を確認しましょう。

また、利用開始後は、リハビリの実施状況や請求内容などを確認し、必要に応じてケアマネジャーや事業所へ相談しましょう。

料金表や利用記録の内容を確かめることと、複数の資料を照らし合わせて妥当性を調べることについては、「確認」と「検証」の違いも参考になります。

「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」の3秒判定

本人の状況・希望 主に検討するサービス
自宅の階段やトイレの動作を練習したい 訪問リハビリテーション
通院が困難で、自宅でリハビリを受けたい 訪問リハビリテーション
自宅の生活環境に合った福祉用具の助言を受けたい 訪問リハビリテーション
施設の設備などを利用してリハビリを受けたい 通所リハビリテーション
送迎を利用して施設へ通いたい 通所リハビリテーション
リハビリに加えて食事や入浴を利用したい 通所リハビリテーションで対応している事業所
施設での訓練を実際の自宅生活につなげたい 必要性に応じて両方の役割を検討

ただし、上の表は一般的な違いを整理したものです。実際にどちらのサービスを利用できるかは、本人の病状や心身の状態、医師の判断、事業所の受け入れ状況などによって異なります。

よくある間違いと注意点

「訪問リハビリは、希望すれば誰でも利用できる」は誤り

訪問リハビリテーションは、原則として通院が困難であり、医学的な管理の下でリハビリが必要な人などを対象としています。

要介護認定を受けていれば、無条件に利用できるわけではありません。

「通所リハビリは、自力で歩ける人しか利用できない」は誤り

通所リハビリテーションには、送迎サービスを提供している事業所があります。

ただし、車椅子への対応や受け入れられる身体状況などは、事業所によって異なります。

「デイケアとデイサービスは同じサービス」は誤り

デイケアは通所リハビリテーション、デイサービスは通所介護の一般的な呼び方です。

主な目的や人員配置、医師の関与などが異なります。

「訪問リハビリと通所リハビリは、絶対に併用できない」は誤り

本人の状態や必要性などによって、併用を検討できる場合があります。

ただし、不必要な重複を避け、適切な計画や算定条件などを確認する必要があります。

「要支援の通所リハビリは、利用した回数だけ料金が増える」は誤り

介護予防通所リハビリテーションは、原則として月額の基本報酬が設定されています。

ただし、各種加算や日割り計算など、個別の条件によって請求額が変わる場合があります。

「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」の例文12選

「訪問リハビリテーション」を使った例文

  1. 父は自宅の階段を安全に昇り降りするため、訪問リハビリテーションを利用している。
  2. 退院後の生活に不安があるため、訪問リハビリテーションについて主治医へ相談した。
  3. 訪問リハビリテーションでは、専門職が自宅の生活環境を確認しながら支援する。
  4. 母の移乗動作について、訪問リハビリテーションの専門職から助言を受けた。
  5. 訪問リハビリテーションの利用料金について、ケアマネジャーへ確認した。
  6. 訪問リハビリテーションの利用条件を満たしているか、主治医へ確認した。

「通所リハビリテーション」を使った例文

  1. 母は週2回、通所リハビリテーションを利用している。
  2. 通所リハビリテーションでは、専門職によるリハビリを受けられる。
  3. 通所リハビリテーションの送迎範囲について、事業所へ問い合わせた。
  4. 短時間型の通所リハビリテーションを利用することにした。
  5. 通所リハビリテーションで食事や入浴も利用できるか確認した。
  6. 通所リハビリテーションの見学を行い、設備や実施している訓練の内容を確認した。

FAQ|「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」のよくある質問

Q1. 訪問リハビリと通所リハビリの最も大きな違いは何ですか?

リハビリを受ける場所とサービスの提供方法です。訪問リハビリテーションは専門職が自宅を訪問し、通所リハビリテーションは本人が病院や介護老人保健施設などへ通って利用します。

Q2. 訪問リハビリテーションは、誰でも利用できますか?

原則として、通院が困難で、医学的な管理の下でリハビリが必要な人などが対象です。具体的な利用条件については、主治医や事業所などへ確認しましょう。

Q3. 要支援1・2でも利用できますか?

所定の条件を満たせば、介護予防訪問リハビリテーションや介護予防通所リハビリテーションを利用できます。

Q4. 通所リハビリは、車椅子でも利用できますか?

車椅子に対応した送迎や設備を備えている事業所では、利用できる場合があります。ただし、本人の身体状況や事業所の受け入れ体制などによって異なります。

Q5. 訪問リハビリでは、自宅の階段を使って練習できますか?

本人の状態やリハビリ計画などに応じて、実際の生活環境を使用した階段昇降や移動動作の練習を行う場合があります。ただし、安全性や医学的な判断などが必要です。

Q6. 通所リハビリでは、食事や入浴も利用できますか?

事業所によっては、送迎や食事、入浴などを提供しています。ただし、すべての事業所で利用できるわけではありません。食費などは別途必要になる場合があります。

Q7. 訪問リハビリと通所リハビリを両方利用できますか?

本人の状態や必要性によって、併用を検討できる場合があります。ただし、サービス内容の不必要な重複を避け、医学的な必要性や報酬の算定条件などを確認する必要があります。

Q8. デイケアとデイサービスは同じですか?

異なります。デイケアは通所リハビリテーション、デイサービスは通所介護です。デイケアは医師の医学的管理の下で行うリハビリが中心で、デイサービスは日常生活上の介護や機能訓練などを提供します。

Q9. 訪問リハビリの料金はいくらですか?

2026年9月時点の介護保険の基本報酬は、要介護1~5の場合、原則として20分以上の1回につき308単位です。ただし、実際の請求額は地域区分や各種加算・減算などによって変わります。

Q10. 通所リハビリの料金は、要介護度によって変わりますか?

変わります。要介護1~5の場合は、原則として要介護度、所要時間、事業所の規模などに応じて基本報酬が設定されています。

Q11. 訪問看護ステーションからのリハビリとは何が違いますか?

訪問看護ステーションからのリハビリは、訪問看護の一環として提供されます。一方、訪問リハビリテーションは、独立した介護保険サービスです。事業所の指定や提供体制、報酬体系などが異なります。

Q12. 訪問リハビリと通所リハビリのどちらを利用するか、誰に相談すればよいですか?

主治医やケアマネジャー、地域包括支援センターなどへ相談しましょう。本人の病状や心身の状態、生活上の目標、移動の負担などを踏まえて、必要なサービスを検討します。

まとめ|訪問リハビリは自宅、通所リハビリは施設で受けるリハビリ

「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」は、どちらも心身機能の維持・回復や日常生活の自立を支援するサービスですが、利用する場所や提供方法などが異なります。

  • 訪問リハビリテーション:理学療法士などが自宅を訪問し、実際の生活環境に合わせてリハビリを行うサービス。
  • 通所リハビリテーション:本人が病院、診療所、介護老人保健施設などに通い、医師の医学的管理の下でリハビリを受けるサービス。一般にデイケアと呼ばれる。
  • 共通点:どちらも本人の心身の状態や必要性に応じて、医師の医学的管理や指示などに基づき、専門職がリハビリテーションを行う。

特に重要なのは、リハビリを受ける場所だけで判断するのではなく、本人が日常生活で何をできるようになりたいのかを整理することです。

自宅の階段や浴室など、実際の生活環境で動作を練習したい場合は訪問リハビリテーション、施設へ通って専門職の指導を受けたい場合は通所リハビリテーションが関係します。

また、通所リハビリテーションでは、事業所によって送迎や食事、入浴などを提供している場合があります。一方、訪問リハビリテーションでは、本人の自宅の環境を直接確認しながら、生活動作の練習や家族への助言などを行えます。

利用を検討する際は、主治医やケアマネジャーなどへ相談し、本人の病状や生活上の目標、必要なリハビリの内容に合ったサービスを確認しましょう。

参考リンク

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