「お問い合わせへの回答をお送りします」「先方から返答がありました」。ビジネスメールや日常会話では、「返答」と「回答」という言葉が頻繁に使われます。
どちらも相手からの質問や連絡などに答えることを意味しますが、まったく同じ言葉なのでしょうか。
例えば、取引先から商品の仕様について質問を受け、必要な情報を調べたうえで説明する場合には、「お問い合わせに回答する」という表現が自然です。
一方、取引先に日程の変更を打診し、承諾できるかどうかの返事を待っている場合には、「先方からの返答を待っています」と表現できます。
しかし、「お問い合わせに返答する」「日程変更について回答する」という文章も、必ずしも間違いではありません。
両者は意味が重なる部分が多いため、厳密な正誤だけでなく、何について答えるのか、相手にどのような内容を伝えるのかによって使い分けることが重要です。
「返答」は、相手からの質問・要求などに対して答えること。「回答」は、質問・要求・調査などに対し、具体的な内容や判断を示して答えることです。
この記事では、返答と回答の意味や違いを比較表で整理し、ビジネスメール、問い合わせ対応、取引先との交渉、アンケート、日常会話などの例文を交えて解説します。さらに、「返事」「返信」「応答」「解答」との違いや、返答・回答を依頼するメールの書き方も紹介します。
- 結論|「返答」は相手への返事、「回答」は質問などに対する答えの内容に注目する
- 【徹底比較】「返答」と「回答」の違いを一覧表で解説
- 「返答」とは?意味・特徴・正しい使い方
- 「回答」とは?意味・特徴・正しい使い方
- 「返答」と「回答」は、何を基準に使い分ける?
- ビジネスメールでは「返答」と「回答」のどちらが適切?
- 「ご返答」と「ご回答」は、どちらが丁寧?
- 「ご返答ください」と「ご回答ください」はどう違う?
- 「返答待ち」と「回答待ち」の違いとは?
- 問い合わせ対応では「返答」と「回答」をどう使い分ける?
- アンケートでは「返答」と「回答」のどちらを使う?
- 日常会話では「返答」と「回答」をどう使い分ける?
- 「返答」と「返事」の違いとは?
- 「返答」と「返信」の違いとは?
- 「返答」と「応答」の違いとは?
- 「回答」と「解答」の違いとは?
- 「回答」と「報告」の違いとは?
- 「回答」と「了承・承知」はどう違う?
- 「返答」と「回答」の例文を場面別に比較
- 【実践】「返答」と「回答」を迷わず使い分ける3つの判断基準
- ビジネスメールでの「返答」と「回答」の使い分け
- 「返答」と「回答」を使う際によくある4つの間違い
- 参考リンク
- FAQ|「返答」と「回答」に関するよくある質問
- まとめ|「返答」は相手への返事、「回答」は質問などへの具体的な答え
結論|「返答」は相手への返事、「回答」は質問などに対する答えの内容に注目する
「返答」と「回答」は、どちらも相手からの質問や要求などに答えることを意味します。
そのため、すべての場面で明確に区別できるわけではありません。ただし、一般的な使い方には、次のような傾向があります。
- 返答(へんとう):相手からの質問や要求などに対して答えること。相手とのやり取りの中で、返事をする行為や、その返事を表す。
- 回答(かいとう):質問・要求・調査などに対して答えること。特に、問いに対する具体的な答えや、組織として示す見解・判断などを伝える場合に使いやすい。
例えば、上司から「明日の会議に参加できますか」と聞かれ、「参加できます」と答える場合には、「返答する」が自然です。
一方、顧客から商品の仕様について詳しい問い合わせがあり、調査した結果を説明する場合には、「回答する」が使いやすいでしょう。
ただし、参加できるかどうかについて正式な確認が求められている場合には、「会議への参加可否を回答する」とも表現できます。
また、商品の問い合わせについても、「顧客からの質問に返答する」と言うことができます。
つまり、相手とのやり取りの中で返事をすることを強調するなら「返答」、質問や要求に対して答えの内容を示すことを強調するなら「回答」と考えると分かりやすくなります。
【徹底比較】「返答」と「回答」の違いを一覧表で解説
| 比較項目 | 返答 | 回答 |
|---|---|---|
| 読み方 | へんとう | かいとう |
| 基本的な意味 | 質問や要求などに対して答えること | 質問・要求・調査などに答えること |
| 主な着眼点 | 相手からの問いかけや要求に返事をすること | 質問などに対する答えや、その内容 |
| よく使う場面 | 相手への返事、申し入れへの応答、交渉など | 問い合わせ、調査、アンケート、公式な質問など |
| 代表的な表現 | 返答を待つ、返答に困る、明確な返答 | 回答を求める、回答期限、回答内容、公式回答 |
| 答えの形式 | 口頭・書面のどちらにも使える | 口頭・書面のどちらにも使える |
| 改まった文章 | 使用できる | 特に公式な質問や調査で使いやすい |
| アンケート | 通常は「回答」が一般的 | アンケートに回答する |
| 例文 | 取引先からの返答を待っています。 | お問い合わせの内容について回答いたします。 |
例えば、「先方からの返答を待つ」と「先方からの回答を待つ」は、どちらも自然です。
ただし、前者は先方が何らかの返事をすることに、後者は質問や要求に対して具体的な答えを示すことに重点が置かれやすいでしょう。
言葉だけで意味が完全に決まるわけではないため、何に対する答えなのかを文章全体から判断することが大切です。
「返答」とは?意味・特徴・正しい使い方
返答の基本的な意味
「返答」は、相手からの質問や要求などに対して答えることを意味します。
例えば、次のような表現があります。
- 取引先からの返答を待つ。
- 突然の質問に返答できなかった。
- 日程変更の申し入れに返答する。
- 上司からの問いかけに、明確に返答する。
- 相手の返答が曖昧だったため、改めて確認した。
これらに共通しているのは、相手とのやり取りの中で、問いかけや要求などに答えていることです。
返答は、相手とのやり取りを意識させる
例えば、取引先へ納期の変更を依頼し、相手が承諾するかどうかを確認している場合を考えてみましょう。
この場合、「取引先からの返答を待っています」という表現が自然です。
返答という言葉によって、こちらからの働きかけに対して、相手がどのような返事をするのかを待っていることが伝わります。
返答は、短い答えにも詳しい説明にも使える
例えば、「参加できますか」という質問に対して、「参加できます」と答える場合にも返答が使えます。
一方、複雑な質問について詳しく説明する場合にも、「質問に返答する」と表現できます。
したがって、「短い返事なら返答、詳しい説明なら回答」という厳密な決まりがあるわけではありません。
返答には、改まった響きがある
例えば、親しい友人との会話では、「返答してね」よりも「返事してね」と言う方が自然な場合があります。
一方、仕事上の交渉や正式な申し入れについては、「返答」という言葉が使いやすいでしょう。
「先方からの正式な返答を待っています」という文章は、ビジネスの場面でも自然です。
「返答」という言葉そのものの意味や使い方については、「返答」とは?意味・読み方・使い方をわかりやすく解説も参考にしてください。
「回答」とは?意味・特徴・正しい使い方
回答の基本的な意味
「回答」は、質問や要求、調査などに答えること、またはその答えを意味します。
例えば、次のような表現があります。
- お客様からのお問い合わせに回答する。
- アンケートに回答する。
- 社内からの質問について回答をまとめる。
- 調査結果に基づいて正式に回答する。
- 回答期限までに必要事項を提出する。
これらの文章では、質問や調査などに対して、求められている答えを示すことが中心です。
回答は、具体的な答えの内容に注目する場合に使いやすい
例えば、顧客から「この製品は屋外で使用できますか」という質問を受けた場合を考えてみましょう。
製品の仕様や使用条件を確認したうえで説明する場合には、「お問い合わせについて回答いたします」という表現が自然です。
この場合、単に返事をするだけでなく、質問の内容に応じて必要な情報を示しています。
回答は、アンケートや調査にも使われる
例えば、「従業員満足度アンケートに回答する」という文章です。
この場合、アンケートには必ずしも特定の相手との個別のやり取りがあるわけではありません。
用意された質問に答えを記入するため、「回答」という表現が一般的です。
回答は、正式な見解や判断を伝える場合にも使う
例えば、取引先から契約条件の変更について正式な申し入れがあった場合を考えてみましょう。
社内で検討した結果を相手に伝えるときには、「検討結果について、正式に回答いたします」という表現が自然です。
ただし、「正式に返答する」という表現も可能です。どちらを使用するかは、文章の目的や会社での用語の使い方によって異なります。
「返答」と「回答」は、何を基準に使い分ける?
返答と回答の違いを理解するためには、次の三つの点を確認すると分かりやすくなります。
相手とのやり取りに注目するか
例えば、ある申し入れについて、先方が受け入れるかどうかを待っている場合には、「返答を待つ」という表現が自然です。
この場合、相手から何らかの返事が届くことが重要です。
質問に対する具体的な答えに注目するか
例えば、顧客からの問い合わせに対し、調査した結果や会社としての判断を示す場合には、「回答する」という表現が使いやすいでしょう。
この場合、どのような内容を答えるかが重要になります。
両方が当てはまる場合は、文章の目的で選ぶ
例えば、取引先から質問を受け、調査した結果を伝える場合には、「質問に返答する」と「質問に回答する」の両方が使用できます。
ただし、お客様向けの問い合わせ窓口では、「お問い合わせへの回答」という表現が一般的です。
一方、交渉の相手からの返事を待つ場面では、「先方からの返答」という表現が使いやすいでしょう。
ビジネスメールでは「返答」と「回答」のどちらが適切?
ビジネスメールでは、返答と回答の両方が使用されます。
ただし、問い合わせへの答えなのか、相手からの返事を求めているのかによって、自然な表現が異なる場合があります。
質問への答えを送る場合は「回答」が使いやすい
例えば、顧客から商品の仕様について問い合わせがあった場合には、次のような文章が自然です。
「お問い合わせいただいた件について、以下のとおり回答いたします。」
この場合、質問への具体的な答えを示しています。
申し入れへの返事を求める場合は「返答」も自然
例えば、取引先へ納期変更を申し入れ、受け入れられるかどうかの返事を待っている場合には、次のように書けます。
「納期変更の件につきまして、ご検討のうえ、ご返答いただけますと幸いです。」
ただし、「ご回答いただけますと幸いです」と書いても、不自然ではありません。
相手に具体的な確認事項がある場合は「回答」を選ぶ
例えば、見積書について価格、数量、納期など、複数の確認事項を送った場合には、「各確認事項についてご回答ください」という表現が自然です。
確認事項に対する答えを、項目ごとに求めていることが伝わります。
「ご返答」と「ご回答」は、どちらが丁寧?
「ご返答」と「ご回答」は、どちらも丁寧な表現として使用できます。
一方だけが常に丁寧で、もう一方が失礼になるというわけではありません。
「ご返答」は、返事を求める際に使える
例えば、次のような文章です。
「ご検討のうえ、ご返答いただけますと幸いです。」
「お忙しいところ恐縮ですが、ご返答をお待ちしております。」
相手からの返事を丁寧に求めています。
「ご回答」は、質問への答えを求める際に使える
例えば、次のような文章です。
「恐れ入りますが、下記の質問についてご回答いただけますでしょうか。」
「ご回答いただき、誠にありがとうございます。」
質問などへの答えを丁寧に求めたり、回答してくれたことに感謝したりする場合に使用できます。
丁寧さは、言葉だけでなく文章全体で決まる
例えば、「至急ご回答ください」という文章は、内容によっては相手に強い印象を与える場合があります。
一方、「恐れ入りますが、〇月〇日までにご回答いただけますと幸いです」と書けば、期限を示しながら丁寧に依頼できます。
返答と回答のどちらを使うかだけでなく、相手への配慮や依頼内容の明確さも重要です。
「ご返答ください」と「ご回答ください」はどう違う?
どちらも相手に答えを求める表現ですが、向いている場面に違いがあります。
参加可否などの返事を求める場合
例えば、取引先へ打ち合わせの日程を打診した場合には、次のような表現が考えられます。
「日程について、ご都合をご確認のうえ、ご返答ください。」
相手が参加できるかどうか、返事をすることが中心です。
複数の質問への答えを求める場合
一方、仕様書について複数の質問がある場合には、次のような表現が自然です。
「添付資料に記載した確認事項について、それぞれご回答ください。」
この場合、質問ごとに具体的な答えを示してもらう必要があります。
相手の負担を考えて、回答方法も明確にする
例えば、質問が多い場合には、質問表を作成し、回答欄へ記入してもらう方法があります。
また、参加可否だけを知りたい場合には、「参加・不参加のいずれかをご連絡ください」と書くと、相手が返答しやすくなります。
「返答待ち」と「回答待ち」の違いとは?
仕事の進捗管理では、「返答待ち」「回答待ち」という表現が使われます。
返答待ちは、相手からの返事を待っている状態
例えば、取引先へ打ち合わせの日程を打診し、相手が参加できるかどうかの返事を待っている場合には、「先方からの返答待ちです」という表現が自然です。
回答待ちは、質問や要求に対する答えを待っている状態
一方、製品の仕様についてメーカーへ質問し、確認結果を待っている場合には、「メーカーからの回答待ちです」という表現が使いやすいでしょう。
進捗表では、具体的な待機内容を明記する
例えば、単に「回答待ち」と記載するだけでは、誰から、何について、いつまでに回答を受ける予定なのかが分からない場合があります。
「メーカーへ仕様を照会中。9月30日までに回答予定」など、内容を具体的に記載すると、ほかの担当者にも状況が伝わりやすくなります。
問い合わせ対応では「返答」と「回答」をどう使い分ける?
問い合わせ対応では、「回答」という言葉が広く使用されます。
問い合わせに必要な情報を示す場合は「回答」
例えば、顧客から製品の保証期間について問い合わせを受けた場合には、「お問い合わせに回答いたします」という表現が自然です。
製品の保証条件や購入日などを確認したうえで、具体的な情報を示すことが重要になります。
すぐに答えられない場合は、いったん返事を送ることもできる
例えば、質問内容について社内での確認が必要な場合には、次のように伝えられます。
「お問い合わせいただき、ありがとうございます。現在、担当部署に確認しております。確認が取れ次第、改めて回答いたします。」
この場合、まず問い合わせを受け付けたことを伝える連絡を行い、その後に正式な回答を送るという流れです。
質問に答えていない内容を、正式な回答として扱わない
例えば、顧客から納期を尋ねられているのに、「担当部署に確認いたします」とだけ伝えた場合、その時点では具体的な納期を回答したわけではありません。
問い合わせの受付連絡と、質問に対する正式な回答を区別すると、顧客との認識のずれを防ぎやすくなります。
アンケートでは「返答」と「回答」のどちらを使う?
アンケートについては、一般的に「回答」が使われます。
質問に答えるため「アンケートに回答する」が自然
例えば、会社で従業員満足度調査を実施する場合には、「アンケートへの回答をお願いいたします」という表現が自然です。
この場合、複数の質問に対して、それぞれ答えを記入したり選択したりすることになります。
「アンケートに返答する」は一般的ではない
例えば、「アンケートに返答してください」という文章は、意味が全く伝わらないわけではありません。
ただし、アンケートは質問票に答える形式であるため、「アンケートに回答してください」と書く方が自然です。
回答するかどうかと、回答内容は別に考える
例えば、任意のアンケートでは、回答するかどうかを本人が選べます。
一方、回答することを選んだ場合でも、個別の質問について回答を省略できるかどうかは、アンケートの設計によって異なります。
案内文では、「アンケートへの回答は任意です」「回答必須の項目には印が付いています」など、必要な情報を具体的に示しましょう。
日常会話では「返答」と「回答」をどう使い分ける?
日常会話では、「返事」という言葉が最も使いやすい場面も多くあります。
相手からの返事については「返答」
例えば、友人に旅行の日程について相談し、相手からの返事を待っている場合には、「返答を待っている」と表現できます。
ただし、親しい友人との会話では、「返事を待っている」の方が自然な場合があります。
質問への具体的な答えについては「回答」
例えば、地域のイベントに関する問い合わせに対して、主催者が詳しい内容を説明する場合には、「主催者から回答があった」と表現できます。
会話では、無理に漢語を使わなくてもよい
例えば、友人に「明日来られる?」と尋ねた場合、「返答してください」よりも「返事をちょうだい」と言う方が、関係性に合う場合があります。
言葉を選ぶ際には、相手との関係や会話の雰囲気を考えましょう。
「返答」と「返事」の違いとは?
返答と意味が近い言葉に「返事」があります。
返事は、呼びかけや質問などに答えることを幅広く表す
例えば、「名前を呼ばれて返事をする」「友人からの返事を待つ」などの表現です。
返事は、日常会話や手紙、仕事など、幅広い場面で使用できます。
返答は、質問や要求などに対する答えを表す
一方、返答は、質問や要求などに答える場合に使われ、返事よりもやや改まった印象になることがあります。
例えば、「取引先からの返答を待っています」という文章です。
単なる呼びかけなら「返事」が自然
例えば、先生が生徒の名前を呼び、生徒が「はい」と答える場合には、「返事をする」が自然です。
この場面で「返答する」と言っても意味が通じる場合はありますが、通常は返事の方が使いやすいでしょう。
「返答」と「返信」の違いとは?
メールを使用する場面では、「返答」と「返信」が混同される場合があります。
返答は、相手への答えを表す
例えば、取引先から質問があり、その質問に答える場合には、「質問に返答する」という表現が自然です。
答える内容や、返事をすることに注目しています。
返信は、届いたメールや手紙などに返して送ること
一方、返信は、相手から届いたメールや手紙などに対して、返事のメールや手紙を送ることを意味します。
例えば、「先ほどのメールに返信しました」という文章です。
メールを返信しても、質問に回答したとは限らない
例えば、取引先から商品の仕様について質問を受け、「お問い合わせを受け付けました」とメールで伝えた場合を考えてみましょう。
この場合、メールへの返信は行っていますが、商品の仕様について具体的に回答したわけではありません。
そのため、「返信済み」と「回答済み」は、必ずしも同じ状態を意味しません。
「返答」と「応答」の違いとは?
返答と似た言葉に「応答」があります。
返答は、質問や要求などに対して答えること
例えば、「相手からの質問に返答する」という表現です。
相手が求めている返事をすることに注目しています。
応答は、呼びかけや働きかけに対して反応すること
一方、応答は、相手からの呼びかけや問いかけに応じる場合に使用されます。
例えば、「電話をかけたが応答がない」「質問に応答する」などの表現です。
機械やシステムについては「応答」が使いやすい
例えば、コンピューターシステムが利用者からの操作に反応しない場合には、「システムからの応答がない」という表現が自然です。
この場合、機械が実際に質問の意味を理解しているかどうかではなく、入力に対して反応しているかが問題です。
「回答」と「解答」の違いとは?
回答と同じ読み方を持つ言葉に「解答」があります。
回答は、質問や要求などに答えること
例えば、「お問い合わせに回答する」「アンケートに回答する」などの表現です。
相手からの質問や調査などに対して、答えを示しています。
解答は、問題を解いて答えを出すこと
一方、解答は、問題を解いて答えを出すこと、またはその答えを意味します。
例えば、「数学の問題に解答する」「試験の解答を確認する」などの表現です。
アンケートと試験では、一般的な表記が異なる
例えば、アンケート用紙に答えを記入する場合には、「回答欄」という表現が自然です。
一方、数学の試験で計算問題の答えを書く場所については、「解答欄」という表現が使われます。
詳しくは、「回答」と「解答」の違い|アンケート・試験・ビジネスでの使い分けをご覧ください。
「回答」と「報告」の違いとは?
ビジネスでは、「回答」と「報告」も混同されることがあります。
回答は、質問や要求に対して答えること
例えば、上司から「この製品の出荷状況を教えてください」と質問され、その内容を調べて答える場合には、「回答する」が自然です。
報告は、調査結果や業務の進捗などを知らせること
一方、上司から質問されていなくても、業務の進捗や発生した問題について必要な情報を伝える場合には、「報告する」という表現が自然です。
同じ文章が、回答と報告の両方になる場合もある
例えば、上司から不具合の発生原因について質問され、調査結果をまとめて伝える場合を考えてみましょう。
この場合、上司の質問への回答であると同時に、調査結果の報告でもあります。
「回答」と「報告」の違いをさらに詳しく確認したい場合は、「回答」と「報告」の違いも参考にしてください。
詳しくは、「連絡」と「報告」の違い|仕事・メール・事故対応での使い分けも参考になります。
「回答」と「了承・承知」はどう違う?
ビジネスメールでは、質問への回答と、相手からの連絡を理解したことを伝える表現も区別する必要があります。
回答は、質問に対して答えを示すこと
例えば、取引先から見積書の内容について質問を受け、その質問に具体的な情報を示す場合には、「回答する」が自然です。
承知は、相手の事情や依頼などを理解すること
一方、相手から日程変更の連絡があり、その内容を理解したことを伝える場合には、「承知いたしました」という表現が使用できます。
「承知しました」だけでは、質問への回答にならない場合がある
例えば、顧客から「この製品は屋外で使用できますか」と聞かれた場合、「承知いたしました」と答えただけでは、使用できるかどうかは伝わりません。
この場合には、確認のうえ、「屋外では使用できません」など、具体的な回答が必要です。
了解と承知の詳しい使い分けについては、「了解」と「承知」の違いと、ビジネスでの適切な使い方をご覧ください。
「返答」と「回答」の例文を場面別に比較
| 場面 | 返答を使った例文 | 回答を使った例文 |
|---|---|---|
| 日程調整 | 先方からの返答を待っています。 | 参加可能な日程について回答してください。 |
| 問い合わせ | 顧客からの質問に返答しました。 | お問い合わせいただいた件について回答いたします。 |
| 交渉 | 条件変更の申し入れに返答する。 | 条件変更の要望について、正式に回答する。 |
| アンケート | 通常は「回答」が一般的です。 | アンケートへの回答をお願いします。 |
| 社内の質問 | 上司からの質問に返答する。 | 確認事項について回答をまとめる。 |
| 進捗管理 | 取引先からの返答待ちです。 | メーカーへ照会しており、現在は回答待ちです。 |
| 謝意 | 早速ご返答いただき、ありがとうございます。 | 詳細にご回答いただき、ありがとうございます。 |
返答と回答のどちらも自然な場合には、相手とのやり取りを表したいのか、質問に対する答えの内容を表したいのかによって選びましょう。
【実践】「返答」と「回答」を迷わず使い分ける3つの判断基準
1. 相手からの返事を表すなら「返答」
例えば、日程変更の申し入れや、取引先との交渉に対する返事を表す場合には、「返答」が使いやすいでしょう。
- 先方からの返答を待つ。
- 申し入れに返答する。
- 相手の返答を確認する。
2. 質問や調査への具体的な答えなら「回答」
例えば、問い合わせやアンケート、社内調査などに答える場合には、「回答」が自然です。
- お問い合わせに回答する。
- アンケートに回答する。
- 質問事項への回答をまとめる。
3. 両方使える場合は、相手と文章の目的に合わせる
例えば、「ご返答をお願いいたします」と「ご回答をお願いいたします」は、どちらも丁寧な依頼表現です。
ただし、単純な参加可否を尋ねるなら「返答」、複数の質問項目について具体的に答えてもらうなら「回答」を選ぶと、内容が伝わりやすくなります。
ビジネスメールでの「返答」と「回答」の使い分け
例文1:取引先からの返答を依頼する場合
件名:打ち合わせ日程についてのご確認
〇〇株式会社
営業部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
先日ご相談いたしました打ち合わせの日程について、改めてご連絡いたします。
ご提示した日程でのご参加が可能かどうか、ご確認いただけますでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、〇月〇日までにご返答いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
この例文では、日程に関する相手からの返事を求めているため、「ご返答」が自然です。
例文2:問い合わせに回答する場合
件名:製品仕様に関するお問い合わせへの回答
〇〇株式会社
品質保証部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
このたびは、弊社製品についてお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
ご質問いただいた件について、担当部署で確認いたしましたので、以下のとおり回答いたします。
詳細につきましては、添付資料をご確認いただけますと幸いです。
ご不明な点がございましたら、お知らせください。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
この例文では、相手の質問に対して具体的な答えを示すため、「回答」が適しています。
例文3:調査に時間が必要な場合
件名:お問い合わせいただいた件について
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
このたびは、お問い合わせいただき、ありがとうございます。
ご質問いただいた内容について、現在、担当部署に確認しております。
確認が取れ次第、改めて回答いたします。
お時間をいただき恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
この場合、問い合わせを受け付けたことについては先に連絡していますが、質問への具体的な回答はまだ行っていません。
例文4:回答期限を指定する場合
件名:確認事項へのご回答のお願い
関係者各位
お疲れさまです。
現在進めている案件について、関係部署への確認事項を添付資料にまとめました。
各項目をご確認のうえ、回答欄に必要事項をご記入ください。
お忙しいところ恐縮ですが、〇月〇日までにご回答いただきますようお願いいたします。
なお、期限までの回答が難しい場合には、事前にご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
この例文では、複数の確認事項について具体的な答えを求めているため、「回答」が使いやすいでしょう。
「返答」と「回答」を使う際によくある4つの間違い
1. 返答は日常会話、回答はビジネス専用だと考える
返答はビジネスの交渉や正式な申し入れでも使用されます。
また、回答も日常生活のアンケートや問い合わせなどで使われます。
そのため、使用場面だけで厳密に区別することはできません。
2. 短い答えなら返答、長い答えなら回答だと考える
例えば、「参加できます」という短い答えでも、参加可否を正式に確認するアンケートであれば「回答」と表現できます。
一方、複雑な質問について詳しく説明する場合にも、「返答」という言葉を使用できます。
答えの長さだけで両者を区別しないようにしましょう。
3. メールを返信すれば、回答が完了したと考える
例えば、「お問い合わせを受け付けました」とメールを送っただけでは、顧客の質問に具体的に答えたことにはなりません。
返信したことと、必要な回答を行ったことは、区別する必要があります。
4. 回答と解答を、すべて同じ意味で使う
例えば、顧客からの問い合わせには「回答」、数学の計算問題には「解答」が一般的です。
両方とも「かいとう」と読みますが、用いる場面が異なるため、漢字の間違いに注意しましょう。
参考リンク
FAQ|「返答」と「回答」に関するよくある質問
Q1. 「返答」と「回答」は同じ意味ですか?
どちらも質問や要求などに答えることを意味し、意味が重なる部分は多くあります。ただし、返答は相手とのやり取りの中で返事をすることに、回答は質問や要求に対する具体的な答えの内容に重点が置かれやすい言葉です。
Q2. 「返答」と「回答」は、それぞれ何と読みますか?
「返答」は「へんとう」、「回答」は「かいとう」と読みます。
Q3. ビジネスメールでは「ご返答」と「ご回答」のどちらが丁寧ですか?
どちらも丁寧な表現です。日程変更などの返事を求める場合には「ご返答」、具体的な質問に対する答えを求める場合には「ご回答」が使いやすいでしょう。ただし、どちらも自然な場面があります。
Q4. 「ご返答をお待ちしております」は正しい表現ですか?
はい。相手からの返事を待つことを丁寧に伝える表現として自然です。ビジネスメールでも使用できます。
Q5. 「ご回答をお願いいたします」は失礼ですか?
失礼な表現ではありません。ただし、相手に複数の質問へ答えてもらう場合や、回答期限を設ける場合には、依頼内容や期限を具体的に示し、必要に応じて配慮のある言葉を添えるとよいでしょう。
Q6. アンケートでは「返答」と「回答」のどちらを使いますか?
一般的には「回答」を使います。「アンケートに回答する」「回答欄に記入する」「回答期限」などの表現が自然です。
Q7. 「返答」と「返事」はどう違いますか?
返事は、呼びかけや質問、手紙などに対する答えを幅広く表します。一方、返答は、特に質問や要求などに対する答えとして使われ、返事よりもやや改まった印象になる場合があります。
Q8. 「返答」と「返信」は同じ意味ですか?
同じではありません。返答は相手の質問や要求などに答えることです。一方、返信は、届いたメールや手紙などに対して返事を送ることを意味します。メールを返信しても、質問への回答が完了していない場合があります。
Q9. 「回答」と「解答」はどう違いますか?
回答は、質問や要求、調査などに答えることです。一方、解答は、問題を解いて答えを出すことを意味します。アンケートでは「回答」、数学の試験では「解答」が一般的です。
Q10. 「返答待ち」と「回答待ち」は、どちらが正しいですか?
どちらも正しい表現です。相手からの返事を待っている場合には「返答待ち」、質問や照会に対する具体的な答えを待っている場合には「回答待ち」が使いやすいでしょう。
まとめ|「返答」は相手への返事、「回答」は質問などへの具体的な答え
「返答」と「回答」は、どちらも質問や要求などに答えることを意味しますが、中心となる使い方には違いがあります。
- 返答:相手からの質問や要求などに対して答えること。特に、相手とのやり取りの中で返事をすることに注目する場合に使いやすい。
- 回答:質問や要求、調査などに対して答えること。問い合わせやアンケート、正式な質問などに対して、具体的な答えを示す場合に使いやすい。
例えば、取引先へ日程変更を申し入れ、その返事を待っている場合には、「先方からの返答を待つ」という表現が自然です。
一方、顧客から製品の仕様について質問を受け、必要な情報を調べて説明する場合には、「お問い合わせに回答する」が使いやすいでしょう。
ただし、両者は意味が重なるため、すべての場面で明確に分けられるわけではありません。「質問に返答する」と「質問に回答する」は、どちらも自然な場合があります。
ビジネスメールでは、相手とのやり取りや、求めている答えの内容に応じて選ぶことが大切です。また、「返答」「回答」「返信」は似ていますが、返事をすること、質問に答えること、メールを送り返すことという、それぞれの意味を区別すると、業務上の認識のずれを防ぎやすくなります。
相手からの問いかけや申し入れに返事をすることを強調するなら「返答」、質問や要求に対して具体的な答えを示すことを強調するなら「回答」と理解すると、ビジネスメール、問い合わせ対応、アンケート、日常会話などで自然に使い分けられるでしょう。
