「関係者に謝辞を述べる」
「関係者に謝意を表する」
この2つはよく似ていますが、「謝辞」と「謝意」はまったく同じ意味なのでしょうか。
どちらにも「謝」という漢字が使われているため、感謝や謝罪に関係する言葉だということはわかっても、
- 謝辞と謝意はどう違うのか
- 「謝辞を述べる」と「謝意を表す」はどう使い分けるのか
- 論文の最後に書くのは「謝辞」「謝意」のどちらなのか
- 謝意には「感謝」と「謝罪」のどちらの意味があるのか
- ビジネスメールで使う場合はどちらが自然なのか
と迷うことがあります。
結論からいうと、「謝辞」は感謝やおわびを表すために実際に述べる「言葉」を指し、「謝意」は感謝やおわびについての「気持ち・意思」を指すという違いがあります。
簡単に表すなら、
謝辞=言葉
謝意=気持ち
です。
たとえば、研究に協力してくれた人への感謝の気持ちは「謝意」であり、その気持ちを論文の最後に文章として書いたものは「謝辞」と考えることができます。
この記事では、「謝辞」と「謝意」の違いを基本から整理し、スピーチ・論文・卒業式・ビジネス・お詫びなど、場面別の使い分けを詳しく解説します。
- 結論:「謝辞」と「謝意」の違い
- 「謝辞」と「謝意」の違いを比較表で整理
- 「謝辞」とは?意味をわかりやすく解説
- 論文でよく見る「謝辞」とは?
- 「謝意」とは?意味をわかりやすく解説
- なぜ「謝意」には感謝と謝罪の両方の意味がある?
- 「謝辞を述べる」と「謝意を表す」の違い
- 「謝辞を表す」は正しい?
- 「謝意を述べる」は間違い?
- 「謝意を伝える」と「謝意を表す」はどう違う?
- 「謝辞」と「感謝」の違い
- 「謝意」と「感謝」の違い
- 卒業式では「謝辞」と「謝意」のどちら?
- 表彰式・受賞スピーチではどちらを使う?
- 論文では「謝辞」と「謝意」のどちらを書く?
- ビジネスでは「謝辞」と「謝意」のどちらを使う?
- ビジネスメールで「謝意」は使える?
- おわびでは「謝辞」と「謝意」のどちら?
- 「謝辞」と「答辞」の違い
- 「謝辞」と「謝罪」の違い
- 「謝辞」「謝意」「感謝」「謝罪」の違い一覧
- 実践:「謝辞」と「謝意」を迷わず使い分ける4つのポイント
- 「深甚なる謝意」とは?
- 「謝意を申し上げる」は正しい?
- 「心からの謝辞」と「心からの謝意」はどちらが自然?
- 例文で確認:「謝辞」と「謝意」の使い分け
- FAQ:「謝辞」と「謝意」に関するよくある質問
- 参考リンク
- まとめ
結論:「謝辞」と「謝意」の違い
「謝辞」と「謝意」の違いを最も簡単に整理すると、次のようになります。
- 謝辞=感謝やおわびを表すために述べる言葉
- 謝意=感謝やおわびについての気持ち・意思
たとえば、式典で主催者が協力者に対して感謝の言葉を述べる場合、その言葉は「謝辞」です。
その人が心の中に持っている感謝の気持ちは「謝意」と呼ぶことができます。
したがって、次のような使い分けになります。
○ ご支援いただいた皆様に謝辞を述べる。
○ ご支援いただいた皆様に謝意を表する。
どちらも自然ですが、表しているものが違います。
「謝辞を述べる」は、実際に感謝の言葉を口にしたり文章にしたりすることです。
「謝意を表する」は、感謝やおわびの気持ちを何らかの形で示すことです。
「謝辞」と「謝意」の違いを比較表で整理
| 比較項目 | 謝辞 | 謝意 |
|---|---|---|
| 読み方 | しゃじ | しゃい |
| 基本的な意味 | 感謝・おわびを表す言葉 | 感謝・おわびの気持ち |
| 何を表す? | 言葉・文章 | 気持ち・意思 |
| 代表的な表現 | 謝辞を述べる | 謝意を表す |
| 論文 | ○ 謝辞を書く | ○ 謝意を表する |
| 式典・スピーチ | ◎ | ○ |
| 感謝の意味 | ある | ある |
| おわびの意味 | ある | ある |
| 日常会話での頻度 | 低め | 低め |
| 文章の硬さ | 硬い・改まった表現 | 硬い・改まった表現 |
最大のポイントは、「言葉そのもの」なのか「言葉に込められた気持ち」なのかという違いです。
「謝辞」とは?意味をわかりやすく解説
「謝辞(しゃじ)」とは、感謝の意を表す言葉を意味します。
式典・スピーチ・論文・著書など、改まった場面で使われることの多い言葉です。
辞書では、感謝を表す言葉だけでなく、非をわびる言葉という意味もあります。
ただし、現代では「謝辞」というと、特に協力してくれた人や関係者に対して感謝を述べる言葉として使われるケースが目立ちます。
代表的な表現には、
- 謝辞を述べる
- 謝辞を読む
- 謝辞を書く
- 謝辞を掲載する
- 謝辞を贈る
などがあります。
「謝辞」の例文
- 式典の最後に主催者が関係者への謝辞を述べた。
- 研究論文の末尾に、調査へ協力してくれた方々への謝辞を記載した。
- 受賞者はスピーチの中で家族やスタッフへの謝辞を述べた。
- 卒業式では代表者が先生方への謝辞を読み上げた。
- 著書の巻末に取材協力者への謝辞を掲載した。
これらはいずれも「感謝の気持ちそのもの」というより、実際に言葉や文章として表現されたものを指しています。
論文でよく見る「謝辞」とは?
大学の卒業論文、修士論文、博士論文、学術論文などでは、「謝辞」という項目を設けることがあります。
研究は一人だけで完結するとは限りません。
たとえば、
- 研究を指導した教授
- 実験を手伝った研究室のメンバー
- 調査に回答した参加者
- 資料を提供した団体
- 研究費を提供した機関
- 研究環境を整えた関係者
など、多くの人や組織から協力を受ける場合があります。
そうした人々への感謝を文章にして記載する部分が「謝辞」です。
たとえば、
「本研究を進めるにあたり、多大なるご指導を賜りました○○教授に心より御礼申し上げます。」
といった文章が謝辞にあたります。
つまり、論文では感謝の気持ち=謝意、その気持ちを文章にしたもの=謝辞と考えると非常にわかりやすくなります。
「謝意」とは?意味をわかりやすく解説
「謝意(しゃい)」とは、感謝する気持ち、または自分の過ちについてわびる気持ちを意味します。
ここが重要です。
「謝意」というと「感謝」を意味する言葉と思われがちですが、実際には感謝とおわびの両方の意味があります。
そのため、文脈を見なければ、感謝なのか謝罪なのか判断できない場合があります。
代表的な表現として、
- 謝意を表す
- 謝意を示す
- 謝意を伝える
- 深い謝意を表する
- 心からの謝意を表する
などがあります。
「謝意」の例文
- 長年のご支援に対し、心から謝意を表します。
- 救助活動に尽力した関係者へ謝意を示した。
- ご協力いただいた皆様に深い謝意を表したい。
- 今回の不手際について、会社側は利用者に謝意を示した。
- 多大なるご厚情に対し、改めて謝意を申し上げます。
最初の3つは感謝の意味で使われています。
一方、不手際などについて使われている場合には、おわびの気持ちを意味する場合があります。
「謝意」の感謝と謝罪の違いについては、「謝意」と「謝罪」の違いとは?謝意は感謝とお詫びのどっち?意味・使い分けを例文で徹底解説も参考にしてください。
なぜ「謝意」には感謝と謝罪の両方の意味がある?
「謝」という漢字を見ると、「謝る」という言葉を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、「謝」には「わびる」という意味だけでなく、礼を言う・感謝するという意味もあります。
「感謝」「謝礼」「謝恩」などを考えるとわかりやすいでしょう。
そのため、「謝意」という言葉も、
- 感謝する気持ち
- 自分の過ちをわびる気持ち
という2つの意味を持っています。
「謝辞」についても同様に、感謝の言葉とおわびの言葉という意味があります。
ただし実際の使用場面では、「論文の謝辞」「受賞者の謝辞」のように、感謝を表す言葉として使われるケースが多く見られます。
「謝辞を述べる」と「謝意を表す」の違い
最も混同しやすいのが、
「謝辞を述べる」
と
「謝意を表す」
の違いです。
「謝辞を述べる」は、感謝などについて実際に言葉で述べることです。
「謝意を表す」は、感謝・おわびの気持ちを外部に示すことです。
したがって、謝意を表す手段の一つとして謝辞を述べる、と考えることもできます。
たとえば、
「社長は支援者への謝意を表すため、式典で謝辞を述べた。」
という文章が成立します。
この場合、
- 心の中にある感謝の気持ち=謝意
- その気持ちを言葉にしたもの=謝辞
です。
「謝辞を表す」は正しい?
一般的には、「謝辞」には「述べる」を組み合わせるほうが自然です。
○ 謝辞を述べる
○ 謝辞を記す
○ 謝辞を掲載する
一方、「謝意」は、
○ 謝意を表す
○ 謝意を示す
○ 謝意を伝える
などと使います。
これは、「謝辞」が「言葉」を表し、「謝意」が「気持ち」を表すことを考えると理解できます。
「言葉」は述べるものであり、「気持ち」は表すものだからです。
「謝意を述べる」は間違い?
「謝意を述べる」という表現も意味は通じます。
ただし、「謝意」そのものは気持ち・意思を表す言葉なので、一般的には、
- 謝意を表す
- 謝意を表明する
- 謝意を示す
- 謝意を伝える
などの表現が使いやすいでしょう。
「述べる」を使いたい場合は、
「感謝の言葉を述べる」
あるいは、
「謝辞を述べる」
とすると自然です。
「謝意を伝える」と「謝意を表す」はどう違う?
どちらも自然な表現ですが、ニュアンスが少し異なります。
「謝意を伝える」は、感謝やおわびの気持ちを相手に届かせることに重点があります。
一方、「謝意を表す」は、感謝やおわびの気持ちを言葉・態度・行動などによって外部に示すことに重点があります。
たとえば、
「担当者に直接電話をして謝意を伝えた。」
なら、特定の相手に気持ちを届けたことが中心です。
「表彰式で関係者への謝意を表した。」
なら、公の場で気持ちを表明したことが中心です。
さらに詳しい違いは、「謝意を伝える」と「謝意を表す」の違いとは?意味・使い分けを感謝・お詫び・ビジネスの例文で徹底解説をご覧ください。
「謝辞」と「感謝」の違い
「謝辞」と「感謝」も似ていますが、意味の範囲が異なります。
「感謝」は、ありがたいと感じる気持ちそのものや、その気持ちを表すことを意味します。
日常生活でも非常によく使われます。
たとえば、
- 家族に感謝する
- 支援に感謝する
- 感謝の気持ち
- 感謝を伝える
などです。
一方、「謝辞」は感謝を具体的な言葉として述べる場面で使われる、より改まった表現です。
したがって、
「家族に感謝している」
は自然ですが、日常会話で単にありがたいと思っているだけなのに、
「家族に謝辞を持っている」
とはいいません。
謝辞は「持つもの」ではなく、基本的に「述べる・記す」ものです。
「謝意」と「感謝」の違い
「謝意」と「感謝」については、どちらもありがたいと思う気持ちを表せます。
ただし、「感謝」は日常会話からビジネスまで幅広く使える一般的な言葉です。
「謝意」はより硬く、改まった場面や文章で使われる傾向があります。
また、「謝意」にはおわびの意味もあるという違いがあります。
| 言葉 | 感謝の意味 | おわびの意味 | 日常会話 | 公的・改まった文章 |
|---|---|---|---|---|
| 感謝 | ◎ | × | ◎ | ◎ |
| 謝意 | ◎ | ○ | △ | ◎ |
「感謝」と「謝意」の詳しい違いについては、「感謝」と「謝意」の違いは?意味・使い分けを例文でわかりやすく解説も参考になります。
卒業式では「謝辞」と「謝意」のどちら?
卒業式などの式典では、「謝辞」がよく使われます。
たとえば、卒業生や保護者の代表が、学校関係者や先生方へお礼の言葉を述べる場合です。
「保護者代表が謝辞を述べた。」
という表現が自然です。
一方、その謝辞によって表している気持ちは「謝意」です。
したがって、
「保護者代表が先生方への謝意を込めて謝辞を述べた。」
という表現も可能です。
この文章では、「謝意」と「謝辞」の違いが非常にはっきりしています。
表彰式・受賞スピーチではどちらを使う?
表彰式や受賞スピーチでも基本的な考え方は同じです。
実際のスピーチや言葉について説明するなら「謝辞」です。
感謝する気持ちについて説明するなら「謝意」です。
例:
受賞者は関係者への謝辞を述べた。
受賞者は関係者への謝意を表した。
どちらも正しい文章ですが、前者は「何を述べたか」、後者は「どのような気持ちを示したか」に重点があります。
論文では「謝辞」と「謝意」のどちらを書く?
論文の項目名としては、一般的に「謝辞」が使われます。
研究に協力した人や指導者などへの感謝の言葉をまとめて記載するためです。
たとえば見出しとして、
「謝辞」
と置き、その下に、
「本研究に際してご指導いただいた○○先生に深く感謝申し上げます。」
などと記載します。
文章中では、
「ここに深甚なる謝意を表します。」
とすることもできます。
つまり論文では、
- 項目・文章そのもの=謝辞
- その中で表明する感謝の気持ち=謝意
という関係になります。
ビジネスでは「謝辞」と「謝意」のどちらを使う?
ビジネスでも両方使えますが、使用場面が異なります。
謝辞が自然な場面
- 式典のスピーチ
- 表彰式
- 創立記念式典
- 退任・退職の挨拶
- 報告書・出版物の巻末
たとえば、
「社長より取引先各社への謝辞が述べられました。」
といった使い方です。
謝意が自然な場面
- 正式な感謝を示す
- 協力に対するお礼を表明する
- 公式発表
- 公的な文書
- 事故や不祥事についておわびの意を示す
たとえば、
「長年にわたるご支援に対し、改めて謝意を表します。」
といった表現です。
ビジネスメールで「謝意」は使える?
使うことはできますが、かなり改まった表現です。
通常の取引先へのメールであれば、
「ご協力いただき、ありがとうございます。」
「心より御礼申し上げます。」
などのほうが自然な場合が多いでしょう。
一方、公式な挨拶文、社外向け文書、表彰関係の文章などでは、
「皆様のご尽力に対し、深甚なる謝意を表します。」
という表現も適しています。
「謝意」は便利な言葉ですが、日常的なメールで多用すると文章が硬くなりすぎる可能性があります。
おわびでは「謝辞」と「謝意」のどちら?
辞書上はどちらにも「わびる」という意味があります。
ただし、現代のビジネスや日常会話で相手に正式に謝る場合は、「謝罪」「お詫び」「陳謝」などのほうが意味が明確です。
たとえば、重大な不祥事について、
「会社側が謝意を示した。」
という表現は辞書上可能ですが、「謝意」が感謝を意味する可能性もあるため、文脈によってはわかりにくくなります。
その場合は、
「会社側が謝罪した。」
「会社側がお詫びの意を表した。」
としたほうが明確です。
「謝辞」と「答辞」の違い
式典では「答辞」という言葉もあります。
「答辞」は、祝辞や送辞などに対する答礼として述べる言葉です。
一方、「謝辞」は感謝やおわびを表す言葉です。
卒業式を例にすると、式の構成によっては卒業生側が在校生の送辞に対して「答辞」を述べます。
それに対し、保護者代表などが先生や学校関係者へ感謝の言葉を述べる場合には「謝辞」と呼ばれることがあります。
したがって、
- 謝辞=感謝・お礼を中心とした言葉
- 答辞=相手からの言葉に対する答礼の言葉
と整理できます。
「謝辞」と「謝罪」の違い
「謝辞」は感謝やおわびを表す「言葉」です。
それに対し、「謝罪」は自分の過ちや責任について相手にわびることです。
一般的な現代日本語では、問題を起こしたことについて相手に謝るなら「謝罪」のほうがはっきりしています。
たとえば、
○ 不手際について顧客に謝罪した。
が自然です。
「顧客に謝辞を述べた」とすると、感謝なのかおわびなのか、前後の文脈なしでは判断しにくい場合があります。
実務では、意味の誤解を避けるためにも「謝罪」「お詫び」といった具体的な言葉を選ぶとよいでしょう。
「謝辞」「謝意」「感謝」「謝罪」の違い一覧
| 言葉 | 意味の中心 | 対象 | 代表表現 |
|---|---|---|---|
| 謝辞 | 感謝・おわびを表す言葉 | 言葉・文章 | 謝辞を述べる |
| 謝意 | 感謝・おわびの気持ち | 気持ち・意思 | 謝意を表す |
| 感謝 | ありがたいと思う気持ち | 気持ち・行為 | 感謝する |
| 謝罪 | 過ちについてわびること | 行為 | 謝罪する |
実践:「謝辞」と「謝意」を迷わず使い分ける4つのポイント
1.「言葉」を指すなら謝辞
スピーチ、文章、論文などで、実際に述べたり書いたりする感謝の言葉を指す場合は「謝辞」が適しています。
「式典で謝辞を述べる」
「論文に謝辞を書く」
などです。
2.「気持ち」を指すなら謝意
相手に対する感謝・おわびの気持ちそのものについて述べるなら「謝意」です。
「協力者に謝意を表す」
「深い謝意を示す」
などと使います。
3.「述べる」なら謝辞、「表す」なら謝意と覚える
迷ったときには、よく使われる組み合わせで覚える方法もあります。
- 謝辞を述べる
- 謝意を表す
この2つを基本形として覚えておけば、多くの場面で使い分けやすくなります。
4.普通のお礼なら無理に「謝辞・謝意」を使わなくてもよい
「謝辞」と「謝意」はどちらも比較的硬い表現です。
友人や同僚との日常的なやり取りなら、
「ありがとう」
「感謝しています」
「お礼を伝えました」
などのほうが自然です。
難しい言葉を使えば丁寧になるとは限りません。場面に合った言葉を選ぶことが大切です。
「深甚なる謝意」とは?
公的文書や格式のある挨拶文などでは、「深甚なる謝意」という表現を見ることがあります。
「深甚」は、程度が非常に深いことを表す硬い言葉です。
したがって、
「深甚なる謝意を表します」
は、簡単にいえば、
「心から深く感謝いたします」
という意味になります。
非常に改まった表現なので、普段のメールや日常会話では「心より感謝申し上げます」「厚く御礼申し上げます」などのほうが使いやすいでしょう。
「謝意を申し上げる」は正しい?
「謝意を申し上げる」という言い方を見かけることもあります。
意味は理解できますが、一般的な定型表現としては、
「謝意を表します」
「謝意を表明します」
あるいは、
「御礼申し上げます」
などのほうがすっきりします。
文章では、前後の言葉との組み合わせも考えて選ぶとよいでしょう。
「心からの謝辞」と「心からの謝意」はどちらが自然?
どちらも文脈によって使えますが、意味が異なります。
「心からの謝辞」は、心からの感謝を表した「言葉」に重点があります。
「心からの謝意」は、心から感謝している「気持ち」に重点があります。
ただし、文章としては「心からの謝意を表します」「心より御礼申し上げます」といった表現のほうがよく使われます。
例文で確認:「謝辞」と「謝意」の使い分け
式典
謝辞:式典の最後に実行委員長が来賓への謝辞を述べた。
謝意:実行委員長は来賓の協力に対して深い謝意を表した。
論文
謝辞:論文の末尾に指導教員への謝辞を記載した。
謝意:研究に協力していただいたすべての方に謝意を表する。
表彰式
謝辞:受賞者はスタッフへの謝辞を述べた。
謝意:受賞者は長年支えてくれたスタッフへの謝意を示した。
ビジネス
謝辞:創立記念式典では社長から取引先への謝辞が述べられた。
謝意:当社の事業にご協力いただいた皆様に深く謝意を表します。
FAQ:「謝辞」と「謝意」に関するよくある質問
Q1.「謝辞」と「謝意」は同じ意味ですか?
完全に同じではありません。
「謝辞」は感謝やおわびを表す言葉、「謝意」は感謝やおわびの気持ちを意味します。
「言葉」と「気持ち」の違いと考えるとわかりやすいでしょう。
Q2.「謝辞を述べる」と「謝意を表す」はどちらも正しいですか?
どちらも正しい表現です。
「謝辞を述べる」は実際に感謝の言葉を述べること、「謝意を表す」は感謝などの気持ちを示すことを意味します。
Q3.論文では「謝辞」と「謝意」のどちらを使いますか?
論文の項目名としては「謝辞」がよく使われます。
その謝辞の文章中で「○○先生に深く謝意を表します」と書くこともできます。
Q4.「謝意」は感謝ですか?謝罪ですか?
両方の意味があります。
「謝意」は、感謝する気持ちだけでなく、自分の過ちをわびる気持ちを表す場合もあります。
そのため、前後の文脈から意味を判断する必要があります。
Q5.「謝辞」も謝罪の意味で使えますか?
辞書上は、おわびの言葉という意味があります。
ただし、現代では「謝辞」というと感謝の言葉を意味するケースが多いため、明確に謝罪を伝える場面では「謝罪」「お詫び」などを使ったほうが誤解されにくいでしょう。
Q6.卒業式で読むのは「謝辞」ですか?
学校や式典の形式によりますが、保護者代表などが学校や先生への感謝を述べる言葉は「謝辞」と呼ばれることがあります。
卒業生が在校生の送辞などに対して述べる言葉は「答辞」と呼ばれる場合があります。
Q7.「謝辞を書く」という言い方は正しいですか?
正しい表現です。
論文・著書・報告書などでは、協力者への感謝を文章にして「謝辞を書く」「謝辞を記載する」と表現できます。
Q8.「謝意を述べる」は間違いですか?
意味は通じますが、「謝意を表す」「謝意を示す」「謝意を伝える」などの表現が一般的です。
実際の言葉についていう場合は「謝辞を述べる」とすると、より明確です。
Q9.「謝辞」と「お礼」の違いは何ですか?
「お礼」は日常生活からビジネスまで幅広く使える一般的な言葉です。
「謝辞」は式典・論文・公式なスピーチなどで使われることが多い、より改まった言葉です。
Q10.「感謝の意」と「謝意」は同じですか?
感謝を意味する文脈では非常に近い表現です。
ただし「謝意」には謝罪の意味もあるため、常に完全な同義語というわけではありません。
Q11.「謝意を表する」と「謝意を表す」はどちらが正しいですか?
どちらも使われます。
「表する」は「表す」よりも硬く、公式文書や式辞などで見られる表現です。
一般的な文章なら「謝意を表す」でも十分自然です。
Q12.ビジネスメールで「謝辞」を使ってもよいですか?
使えないわけではありませんが、個別のメールで「謝辞」という言葉を使う機会はそれほど多くありません。
通常は「御礼申し上げます」「感謝申し上げます」などのほうが自然です。
「謝辞」は式典のスピーチや論文、報告書など、まとまった感謝の言葉を指す場合に特に適しています。
参考リンク
「謝辞」「謝意」「感謝」の辞書上の意味を確認したい場合は、以下の外部資料も参考になります。
-
コトバンク「謝辞」
謝辞(シャジ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 謝辞の用語解説 - 1 感謝の意を表す言葉。「来賓への謝辞」2 非をわびる言葉。「被害者に謝辞を述べる」式辞・祝辞・祝詞・送辞・答辞・弔辞・悼辞・礼・謝礼・返礼・報礼・謝儀・志こころざし・礼物・礼金・謝金・報謝・報酬・薄... -
コトバンク「謝意」
謝意(シャイ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 謝意の用語解説 - 1 感謝の気持ち。「御厚意に心から謝意を表します」2 自分の過ちをわびる気持ち。「謝意を表して辞任する」感謝・拝謝・深謝・万謝・謝恩・多謝・感佩かんぱい・勿体もったい無い・有り難い・恐れ多い・かたじけ... -
コトバンク「感謝」
感謝(カンシャ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 感謝の用語解説 - [名](スル)ありがたいと思う気持ちを表すこと。また、その気持ち。「感謝の心」「深く感謝する」拝謝・深謝・万謝・謝意・謝恩・多謝・感佩かんぱい・勿体もったい無い・有り難い・恐れ多い・かたじけない・うれ...
まとめ
「謝辞」と「謝意」は、どちらも感謝やおわびに関係する言葉ですが、表しているものが異なります。
- 謝辞:感謝やおわびを表す「言葉・文章」
- 謝意:感謝やおわびについての「気持ち・意思」
- 感謝:ありがたいと感じる気持ち、またはそれを表すこと
- 謝罪:自分の過ちについて相手にわびること
最も簡単に覚えるなら、「謝辞=言葉、謝意=気持ち」です。
たとえば、研究を助けてくれた人への感謝の気持ちは「謝意」であり、その気持ちを論文の末尾に文章として書けば「謝辞」になります。
また、式典では「謝辞を述べる」、感謝の意思を公式に示す場合には「謝意を表す」といった組み合わせがよく使われます。
ただし、「謝意」には感謝だけでなく、おわびの意味もある点には注意が必要です。誤解が生じそうな場面では、「感謝」「謝罪」「お詫び」など、意味が明確な言葉を選ぶのもよいでしょう。
「謝辞」と「謝意」で迷ったときは、「いま指しているのは実際に述べる言葉なのか、それともその言葉のもとになっている気持ちなのか」を考えると、自然に使い分けられます。
