「契約書を起案する」「担当者が起案した文書を回議する」「起案後に上司の決裁を受ける」など、「起案」という言葉は行政・会社・学校・団体などの文書事務で使われます。
一方、日常会話ではそれほど頻繁に使わないため、
- 「起案」とは簡単にいうと何なのか
- 「起案」の読み方は?
- 「起案する」とは具体的に何をすることなのか
- 「起案書」「起案文書」とは何なのか
- 「立案」と「起案」はどう違うのか
- 「稟議」と「起案」は同じなのか
- 「回議」「決裁」とはどのような関係なのか
- 起案者と決裁者は同じ人なのか
- 起案書には何を書けばよいのか
- 「起案を上げる」「起案を回す」という表現は正しいのか
など、実務上の疑問が数多くあります。
結論からいうと、「起案」とは、何らかの事務・案件について、上司などの判断・決裁を受けられるよう、処理案や文書の原案を作成することです。
簡単にいえば、
「このように処理したい」という案を、正式な文書として形にすること
と考えるとわかりやすいでしょう。
この記事では、「起案」の意味・読み方から、「起案書・起案文書・稟議・立案・回議・合議・決裁」との関係、起案書に記載する内容、会社や行政での具体的な使い方まで詳しく解説します。
- 結論:「起案」とは正式な処理のもとになる案・文書を作ること
- 「起案する」とは?
- 「起案」は単なる文書作成とは違う
- 「起案書」とは?
- 「起案文書」とは?
- 起案書には何を書く?
- 起案書の簡単な例
- 「起案」と「立案」の違い
- 「起案」と「発案」の違い
- 「起案」と「提案」の違い
- 「起案」と「稟議」の違い
- 「起案」と「回議」の違い
- 「回議」と「合議」の違い
- 「起案」と「決裁」の違い
- 起案から決裁までの基本的な流れ
- 「起案者」とは?
- 起案者と決裁者の違い
- 「起案日」とは?
- 「起案理由」とは?
- 良い起案書のポイント
- 「起案を上げる」とは?
- 「起案を回す」とは?
- 「起案を起こす」はおかしい?
- 「起案を作成する」は重複表現?
- 「電子起案」とは?
- 「起案」と「起草」の違い
- 会社で使う「起案」
- 行政で使う「起案」
- 起案が差し戻されるとは?
- 「再起案」とは?
- 「起案中」「決裁中」とは?
- 起案するときにありがちなミス
- 「起案」を使った例文
- 「起案」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考リンク
結論:「起案」とは正式な処理のもとになる案・文書を作ること
「起案」は、
起案(きあん)
と読みます。
辞書では、公式文書などの草案を作ること、正式なものの基礎となる案・文書を作ること、といった意味で説明されています。
仕事の場面で考えると、単に頭の中でアイデアを思いつくのではありません。
たとえば担当者が、
「来月から新しい管理システムを導入したい」
と考えたとします。
その考えについて、
- なぜ導入するのか
- 何を導入するのか
- いくらかかるのか
- いつ実施するのか
- どのような効果が見込まれるのか
- 誰の決裁が必要なのか
などを整理し、上司が承認・決裁できる文書にまとめるのが「起案」です。
つまり、
考えを正式な意思決定に進めるための文書化
が「起案」の重要な役割です。
| 言葉 | 簡単な意味 | 重点 |
|---|---|---|
| 起案 | 正式な処理のもとになる案・文書を作る | 文書化・意思決定の準備 |
| 立案 | 計画・方針などの案を立てる | 計画内容を考える |
| 回議 | 起案文書を関係者へ順に回す | 上司・関係者による確認 |
| 合議 | 関係部署などの同意・意見を求める | 他部署との調整 |
| 決裁 | 権限を持つ人が最終的に決定する | 正式な意思決定 |
「起案する」とは?
「起案」は名詞ですが、
起案する
という形で動詞として使われます。
「起案する」とは、案件について正式な処理案・文書案を作成することです。
例文
- 契約締結について担当者が起案する。
- 新しい社内規程を起案した。
- 予算執行について起案する。
- 担当課で通知文書を起案した。
- 出張申請について電子システム上で起案する。
- 変更内容を反映して改めて起案した。
「起案する」という場合、単に文書を入力するだけではなく、一般的には、その案件について必要な内容を整理し、判断を受けられる状態にまとめることまで含みます。
「起案」は単なる文書作成とは違う
Wordなどで文書を書くことと「起案」は完全には同じではありません。
たとえば、会議のメモを作ることも文書作成です。
しかし、そのメモについて上司の判断を受ける必要がなければ、通常それだけで「起案した」とはいいません。
「起案」は、
組織として何らかの処理・判断・決定を行うための案を文書として作る
という意味合いが強い言葉です。
そのため、行政機関や会社では、
- 契約
- 支出
- 通知
- 規程制定
- 人事
- 事業実施
- 物品購入
などについて起案を行うことがあります。
「起案書」とは?
「起案書(きあんしょ)」とは、起案した内容を記載した文書です。
組織によっては、
- 起案書
- 起案用紙
- 決裁書
- 事案書
- 稟議書
など、異なる名称が使われる場合があります。
現在は紙だけでなく、文書管理システム・ワークフローシステムなどに入力する「電子起案」も広く行われています。
そのため、起案書は必ずしも紙の書類を意味するわけではありません。
「起案文書」とは?
「起案文書」は、起案によって作成され、決裁などの手続きに回される文書です。
たとえば自治体の文書管理規程では、起案文書を起案者から順次回議して決裁を受ける、という形が定められている例があります。
起案文書には、案件そのものの文書だけでなく、判断に必要な説明・資料などが付属する場合もあります。
たとえば、
- 起案理由
- これまでの経緯
- 根拠となる規程・法令
- 見積書
- 予算資料
- 参考資料
などです。
起案書には何を書く?
起案書の様式・記載項目は組織によって異なります。
ただし、上司・決裁者が判断するための文書なので、一般的には次のような情報が重要です。
1.件名
何について判断してほしいのかが、一目でわかる件名にします。
たとえば、
「○○システム更新契約の締結について」
などです。
2.起案の目的
何を実現するための起案なのかを示します。
3.起案理由
なぜその処理・実施が必要なのかを説明します。
たとえば、
- 既存設備が老朽化している
- 契約期限が終了する
- 法令改正への対応が必要
- 現在の方法では業務負担が大きい
などです。
4.これまでの経緯
決裁者が背景を理解する必要がある案件では、過去の経過を記載します。
5.具体的な処理案
最終的に何を承認してほしいのかを明確にします。
6.金額・予算
費用を伴う場合は、
- 金額
- 予算科目
- 予算残額
- 見積内容
などを確認することがあります。
7.根拠
必要に応じて、
- 法律
- 条例
- 規則
- 社内規程
- 契約条項
- 過去の決定
などを示します。
8.添付資料
判断に必要な資料を添付します。
起案書は「担当者が知っていることを書く文書」ではなく、決裁者がその起案書を読んで判断できるようにする文書と考えると、何を書くべきか整理しやすくなります。
起案書の簡単な例
たとえば備品購入について起案するなら、次のような構成が考えられます。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 件名 | 業務用パソコンの購入について |
| 目的 | 老朽化した端末を更新するため |
| 理由 | 現行端末では業務ソフトの動作が遅く、業務に支障が生じている |
| 購入内容 | ノートパソコン5台 |
| 金額 | ○○円 |
| 予算 | 備品購入費から支出 |
| 実施時期 | ○月中 |
| 添付資料 | 見積書・機種仕様書 |
実際には会社・行政機関ごとの様式・決裁規程に従います。
「起案」と「立案」の違い
「起案」と最も混同しやすい言葉の一つが「立案」です。
どちらも「案」を作る意味がありますが、重点が違います。
立案は、計画・方針・方法などについて案を立てることです。
起案は、正式な処理・決裁などへ進めるための案・文書を作成することです。
| 比較 | 起案 | 立案 |
|---|---|---|
| 基本 | 正式な文書・原案を作る | 計画・方針の案を考える |
| 文書化 | 強く意識される | 必ずしも正式文書とは限らない |
| 決裁との関係 | 決裁へ進む案件でよく使う | 計画段階でも使える |
| 使用場面 | 行政・組織の文書事務 | 企画・計画・政策など幅広い |
たとえば、
「新しい研修制度の内容を考える」
のは立案です。
その案を社内で正式に実施するため、目的・費用・実施時期などを文書化し、部長決裁へ回すなら起案です。
詳しい使い分けは、「起案」と「立案」の違いは?意味・使い分けを企画・稟議の例文で解説も参考にしてください。
「起案」と「発案」の違い
「発案」は、新しい案を考え出したり、最初に言い出したりすることです。
「起案」は、その案を正式な処理へ進めるため、原案・文書を作成する意味が中心です。
たとえば、
「社内に新しい表彰制度を作ってはどうか」
と最初に考えたのがAさんなら、Aさんが「発案者」です。
その後、人事担当のBさんが制度案を文書にまとめ、決裁を受けるための書類を作れば、Bさんが「起案者」になることがあります。
つまり、
発案者と起案者は同じ人とは限りません。
「起案」と「提案」の違い
「提案」は、自分の案を相手へ示して検討を求めることです。
「起案」は、正式な処理のために原案・文書を作ることです。
たとえば、
「新しい勤務制度を導入してはどうでしょうか」
と上司へ案を示すのは「提案」です。
提案が検討対象となり、正式な導入について決裁を求める文書を作るのが「起案」という流れもあります。
ただし、組織では起案文書自体が提案の役割を果たす場合もあり、両者が常に明確に時系列で分かれるとは限りません。
「起案」と「稟議」の違い
「起案」と「稟議」は実務で特に混同されます。
簡単にいうと、
起案=案・文書を作ること
稟議=その案を関係者・上司へ回し、承認を得る意思決定方法
と考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば、
- 担当者が購入案を起案する
- 起案書・稟議書を上司や関係部署へ回す
- 必要な承認を得る
- 決裁権者が決裁する
という流れです。
会社によっては、起案文書を「稟議書」と呼んでいることもあります。
したがって、実際の文書名称については組織内の規程・システムを確認してください。
「起案」と「回議」の違い
「回議」は、起案した文書を、上司や関係者へ順番に回して意見・確認などを受けることです。
つまり、
起案=文書を作る
回議=作った文書を関係者へ回す
という違いです。
自治体の規程では、起案者から順次回議し、決裁を受ける仕組みが定められている例があります。
起案しただけで意思決定が完了するわけではなく、その後に回議・審議・決裁などが行われることがあります。
「回議」と「合議」の違い
「回議」と「合議」は似ています。
回議は、起案文書を上司などへ順に回して確認を受けることです。
合議は、その案件と関係する他の部署・担当者などへ文書を回し、同意・意見を求めることを指します。
たとえば、総務部が起案した案件でも、情報システム部に関係する内容なら、情報システム部との合議が必要になる場合があります。
詳しくは、「回議」と「合議」の違いは?意味・使い分けを起案・決裁の例文で解説も参考になります。
「起案」と「決裁」の違い
「決裁」は、権限を持つ人が、部下などから提出された案について最終的に決定することです。
「起案」と「決裁」では行う人も役割も異なることがあります。
たとえば、
担当者 → 起案
係長・課長 → 内容確認・回議
部長 → 決裁
という組織も考えられます。
| 起案 | 決裁 |
|---|---|
| 案・文書を作る | 案について最終判断する |
| 担当者などが行う | 決裁権者が行う |
| 意思決定の準備 | 意思決定 |
「回議」と「決裁」の関係については、「回議」と「決裁」の違いとは?起案・承認・合議との関係を行政・会社の業務フローで徹底解説もご覧ください。
起案から決裁までの基本的な流れ
組織によって手続きは異なりますが、一般的な理解としては次のような流れをイメージできます。
- 案件が発生する
- 必要な情報を集める
- 担当者が処理案を検討する
- 起案する
- 上司などへ回議する
- 必要に応じて関係部署と合議する
- 決裁権者が決裁する
- 決裁後に実施・施行する
- 文書を保存する
イメージすると、
検討 → 起案 → 回議・合議 → 決裁 → 実施
です。
ただし、すべての案件がこの順番・手続きになるわけではありません。
軽微な案件について簡略な処理方法が定められていたり、電子決裁システム上で複数の処理が統合されていたりする場合があります。
「起案者」とは?
「起案者」とは、その案件の起案を行った人です。
つまり、処理案や起案文書を作成した担当者です。
例文
- 内容については起案者に確認してください。
- 起案者は必要な資料を添付する。
- 修正箇所を起案者へ差し戻した。
- 起案者が内容を修正して再度回議した。
起案者と決裁者の違い
起案者と決裁者は通常、役割が異なります。
起案者は案を作る人です。
決裁者はその案について決定する権限を持つ人です。
たとえば、100万円の備品購入について一般社員が起案し、部長に決裁権限があるなら、
- 一般社員=起案者
- 部長=決裁者
となります。
起案者が「これで実施したい」と考えていても、決裁者が承認しなければ、その内容で実施できない場合があります。
「起案日」とは?
「起案日」は、一般にはその案件を起案した日・起案文書を作成した日として扱われます。
ただし、
- 起案日
- 決裁日
- 施行日
- 文書発送日
は同じ日とは限りません。
たとえば、
10月1日:起案
10月2~3日:回議
10月4日:決裁
10月5日:通知文書を発送
ということもあります。
文書管理では、これらの日付を混同しないことが重要です。
「起案理由」とは?
「起案理由」は、なぜその案件を起案する必要があるのかを説明する部分です。
たとえば、設備を更新する案件なら、
「現在使用している設備が導入から15年経過し、故障が頻発しているため」
などが起案理由になります。
起案理由を書くときには、
- 現状
- 問題
- なぜ今対応が必要なのか
を整理すると伝わりやすくなります。
良い起案書のポイント
結論が明確
決裁者が「結局何を承認すればよいのか」すぐわかるようにします。
理由が具体的
「必要だから」ではなく、なぜ必要なのかを説明します。
数字を具体的にする
金額・件数・期間などは、できる限り具体的に示します。
根拠を示す
規程・法律・契約・データなど、判断の根拠がある場合は示します。
必要資料を添付する
見積書・図面・比較表など、決裁に必要な資料をそろえます。
読み手の疑問を先回りする
決裁者が、
- なぜ必要なのか
- ほかの方法はないのか
- 費用はいくらか
- リスクはないのか
と考える可能性があるなら、その回答を起案書に含めておくと判断しやすくなります。
「起案を上げる」とは?
職場では、
「この件、今日中に起案を上げてください」
という言い方がされることがあります。
一般には、
起案文書を作成し、上司などの決裁ルートへ提出する
という意味です。
ただし、「起案を上げる」は職場で使われる実務的・口語的な表現です。
正式な文書では、
「起案する」
「起案文書を提出する」
「決裁を受けるため回議する」
などと書いたほうが意味が明確です。
「起案を回す」とは?
「起案を回す」は、作成した起案文書を上司・関係者などへ回す意味で使われます。
より正式には、
「起案文書を回議する」
などと表現できます。
電子決裁システムでも、
「次の承認者へ起案を回す」
などと口語的にいうことがあります。
「起案を起こす」はおかしい?
職場では「起案を起こす」という表現を聞くことがあります。
意味としては、起案を新しく作成するということで通じます。
ただし、「起案」自体に案を作る意味があるため、一般的で簡潔な表現にするなら、
「起案する」
で十分です。
文章を書く際は、
「○○について起案する」
「起案文書を作成する」
とすれば明確です。
「起案を作成する」は重複表現?
「起案」には案・文書を作る意味があるため、厳密には「起案を作成する」は意味が重なるように感じることがあります。
ただし、職場では「起案書・起案データを作成する」という意味で使われることがあります。
文章を簡潔にするなら、
- 起案する
- 起案書を作成する
- 起案文書を作成する
と使い分けるとよいでしょう。
「電子起案」とは?
「電子起案」は、紙の起案用紙ではなく、文書管理システム・電子決裁システムなどを使って起案することです。
システム上で、
- 件名
- 起案理由
- 本文
- 金額
- 決裁ルート
- 添付資料
などを入力し、承認者・決裁者へ電子的に回します。
自治体の文書規程でも、文書管理システムによる電子起案・電子決裁を定めている例があります。
紙でも電子でも、「何を判断してほしいのかを明確にしたうえで、必要な情報をそろえる」という起案の本質は変わりません。
「起案」と「起草」の違い
「起草」は、文章の草稿・原稿を書くことです。
特に、
- 法律
- 規程
- 声明
- 文書
などの原案を書く場面で使われます。
「起案」も辞書では「起草」と近い意味を持ちますが、実務では、単なる文章作成だけでなく、決裁を受ける案件全体をまとめる意味で使われることがあります。
たとえば、契約について起案する場合、契約文書だけでなく、
- 契約理由
- 相手先
- 契約金額
- 契約期間
- 予算
までまとめることがあります。
会社で使う「起案」
民間企業では、会社によって「起案」という言葉を頻繁に使うところと、ほとんど使わないところがあります。
たとえば、
- 購買申請
- 契約承認
- 稟議
- 採用
- 設備投資
- 新規事業
などについて起案することがあります。
例文
- 新規契約について起案してください。
- 購入申請を電子システムで起案した。
- 起案内容に不備があったため差し戻された。
- 見積書を添付して再起案する。
行政で使う「起案」
行政機関では、文書事務の正式な用語として「起案」が使われます。
行政の文書管理規程では、起案方法、回議、合議、決裁などが定められていることがあります。
たとえば、起案に当たって、
- 目的
- 理由
- 経過
- 根拠法令
- 予算関係
- 参考資料
などを記載・添付するよう求めている自治体があります。
つまり行政での起案は、組織の意思決定と公文書管理に深く関わる業務です。
起案が差し戻されるとは?
「起案が差し戻される」とは、決裁・確認の途中で、起案者に文書が戻されることです。
理由としては、
- 説明不足
- 添付資料不足
- 金額の誤り
- 根拠が不明確
- 処理方法の変更が必要
- 関係部署との調整不足
などが考えられます。
差し戻しは必ずしも「起案そのものが否定された」という意味ではありません。
修正したうえで再度決裁へ回す場合もあります。
「再起案」とは?
「再起案」は、一度作成・処理した起案について、内容の修正・事情変更などにより改めて起案することを指す場合があります。
ただし、
- 既存起案を修正するのか
- 差し戻し後に再申請するのか
- 新規の起案番号を取得するのか
などは組織・システムによって扱いが異なります。
実際の処理は組織内の文書管理規程に従ってください。
「起案中」「決裁中」とは?
電子ワークフローなどでは、案件の状態として、
- 作成中
- 起案済み
- 回議中
- 承認待ち
- 決裁中
- 決裁済み
などが表示されることがあります。
「起案中」は、まだ文書作成・提出の段階にある状態として使われることがあります。
「決裁中」は、決裁権者までの承認手続きを進めている状態などを表します。
ただし、システムごとにステータス名称の定義は異なります。
起案するときにありがちなミス
何を承認してほしいのかわからない
説明が長くても、最終的な決裁事項が不明では判断できません。
理由が「必要だから」だけ
必要性を客観的に説明することが重要です。
金額の根拠がない
見積書・比較表などを添付すると判断しやすくなります。
関係部署との調整をしていない
他部署に影響する案件では、事前協議・合議が必要になる場合があります。
古い資料を使っている
価格・法令・規程などが現在も有効か確認します。
決裁権限を確認していない
金額・案件内容によって決裁者が異なる組織もあります。
「起案」を使った例文
一般的な仕事
- この契約について起案をお願いします。
- 担当者が購入案件を起案した。
- 必要な資料をそろえて起案する。
- 起案内容について上司から修正指示を受けた。
行政・公文書
- 主管課で通知文書を起案する。
- 起案文書を順次回議し、決裁を受ける。
- 起案理由と根拠法令を記載する。
- 関係課との合議後、決裁権者へ回付する。
電子決裁
- 文書管理システムから電子起案を行う。
- 起案後に承認ルートを設定する。
- 差し戻された起案を修正して再申請した。
- 決裁済みの起案文書をシステム上で確認する。
「起案」に関するよくある質問
Q1.「起案」とは簡単にいうと何ですか?
正式な判断・決裁などを受けるため、処理案や文書の原案を作成することです。
Q2.「起案」の読み方は?
「きあん」と読みます。
Q3.「起案する」とは?
案件について、目的・理由・処理内容などを整理し、正式な原案・文書として作ることです。
Q4.「起案書」とは何ですか?
起案した内容を記載し、上司などの確認・決裁を受けるために使う文書です。
Q5.起案書と稟議書は同じですか?
組織によって名称・運用が異なります。
一般には、起案は案・文書を作る行為、稟議は案を関係者へ回して承認を得る意思決定方式と考えると整理しやすいでしょう。
Q6.「起案」と「立案」の違いは?
「立案」は計画・方針の案を立てること、「起案」は正式な処理・決裁へ進める原案・文書を作ることです。
Q7.「起案」と「回議」の違いは?
「起案」は文書を作ること、「回議」はその文書を上司・関係者などへ順に回すことです。
Q8.「起案」と「決裁」の違いは?
「起案」は案を作ること、「決裁」は権限を持つ人がその案について最終判断することです。
Q9.起案者と決裁者は同じ人ですか?
通常は役割が異なります。
担当者が起案し、その上司・権限者が決裁するケースがあります。
Q10.「起案を上げる」とは?
起案文書を作成し、上司などの決裁ルートへ提出する意味で使われる職場表現です。
Q11.「起案を回す」とは?
起案した文書を上司や関係者へ回して確認・承認を受けることです。「回議する」と表現する場合もあります。
Q12.「起案を起こす」は正しいですか?
職場では使われることがありますが、簡潔に「起案する」と表現できます。
Q13.起案書には何を書けばよいですか?
組織によりますが、件名・目的・理由・経過・具体的な処理案・金額・根拠・添付資料などが考えられます。
Q14.「電子起案」とは?
文書管理・電子決裁システムなどを使って、紙を使わず電子的に起案することです。
Q15.起案が差し戻されるとは?
内容の修正・資料追加などのため、決裁途中の文書が起案者へ戻されることです。
Q16.「起案」と「起草」の違いは?
どちらも原案を作る意味があります。
「起草」は文章の草稿を作る意味が強く、「起案」は組織で正式な処理・決裁を受ける案件を文書化する意味で使われることがあります。
Q17.起案したら必ず承認されますか?
いいえ。
起案は意思決定を求めるための案を作る段階です。修正・差し戻し・却下などになる場合もあります。
まとめ
「起案」とは、正式なものの基礎となる案・文書を作成することです。
読み方は「きあん」です。
会社・行政などの実務では、特に、
「このように処理したい」という案を文書化し、上司・決裁権者の判断を受けられる状態にすること
と考えるとわかりやすいでしょう。
関連する言葉との違いを整理すると、
- 起案:正式な処理のもとになる案・文書を作る
- 立案:計画・方針などの案を立てる
- 発案:新しい案を考え出す・最初に言い出す
- 提案:案を相手へ示して検討を求める
- 回議:起案文書を関係者へ順番に回す
- 合議:関係部署などの意見・同意を求める
- 決裁:権限を持つ人が最終的に判断する
という違いがあります。
業務の流れとしては、
検討・立案 → 起案 → 回議・合議 → 決裁 → 実施
という形になる場合があります。
ただし、起案方法・決裁ルート・文書様式は組織によって異なります。
実際に起案業務を行う場合は、自社・自治体などの文書管理規程、決裁規程、電子決裁システムの運用ルールを確認してください。
「起案」は単に書類を作る作業ではありません。
決裁者が判断できるだけの理由・情報・根拠を整理して、組織の意思決定につなげる作業と理解すると、仕事上の意味がより明確になります。
参考リンク
「起案」の辞書的な意味や、行政実務における起案・回議・決裁の具体的な扱いについては、以下の資料も参考になります。
- コトバンク「起案」
起案(キアン)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 起案の用語解説 - [名](スル)公式文書などの草案を作ること。起草。「会則を起案する」 - コトバンク「起案書」
起案書(きあんしょ)とは? 意味や使い方 - コトバンク改訂新版 世界大百科事典 - 起案書の用語解説 - この意向伺いの書類が稟議書である。今日では一般に起案書とか事案書といわれている。この稟議書による組織体の意思決定の方式を稟議制という。 - 常陸大宮市「文書管理規程」
常陸大宮市文書管理規程 - 相良村「文書規程」
相良村文書規程 - 日進市「文書管理規程」
日進市文書管理規程
