機械・設備・プラント・システムなどの仕様書や見積書を読んでいると、
「客先所掌」
という言葉を目にすることがあります。
たとえば、
- 電源工事は客先所掌とする
- 一次側配線は客先所掌です
- 基礎工事は客先殿所掌となります
- 冷却水の準備はお客様所掌です
- 当社所掌と客先所掌の範囲を確認する
といった使い方です。
製造業・設備工事などに慣れている人には比較的わかりやすい表現ですが、初めて見ると、
- 「客先所掌」とは何なのか
- 「客先が担当する」という意味なのか
- 「客先負担」と同じなのか
- 「当社所掌」とは反対の意味なのか
- 「責任分界」と何が違うのか
- 「支給品」とはどのような関係なのか
- 仕様書ではどう書けばよいのか
と迷うことがあります。
結論からいうと、「客先所掌」は一般に、設備・工事・資材・作業などについて、発注者・顧客側が担当する範囲を表す実務上の表現です。
簡単にいえば、
客先所掌=「そこはお客様側で準備・施工・対応してください」という範囲
です。
反対に、受注者・メーカー側が担当する範囲は、文書によって、
- 当社所掌
- 弊社所掌
- メーカー所掌
- 受注者所掌
などと表現されます。
「客先所掌」をきちんと理解するうえで重要なのは、単に「誰が作業するか」だけでなく、誰が用意するのか・誰が施工するのか・どこまで責任を持つのかを明確にすることです。
この記事では、「客先所掌」の意味・読み方・使い方から、「当社所掌」「所掌範囲」「責任分界」「客先負担」「支給品」との違い、仕様書での具体例まで詳しく解説します。
- 結論:「客先所掌」とは顧客・発注者側が担当する範囲
- 「所掌」とは?
- 「客先」とは?
- 「客先所掌」をもっと簡単にいうと?
- 実際の仕様書でも「客先所掌」は使われている
- 「客先所掌」と「当社所掌」の違い
- 「弊社所掌」と「当社所掌」は同じ?
- 「客先所掌」と「所掌範囲」の違い
- 「客先所掌」と「所掌事務」の違い
- 「所管」と「所掌」の違いにも注意
- 「客先所掌」と「責任分界」の違い
- 「所掌」と「責任」は完全に同じではない
- 「客先所掌」と「客先負担」の違い
- 「客先所掌」と「支給品」の違い
- 「客先所掌」と「除外項目」の違い
- 「別途工事」と「客先所掌」の違い
- 「一次側は客先所掌」とは?
- 配管でも客先所掌は使われる
- 「取合点」と客先所掌の関係
- 客先所掌になりやすい項目
- メーカー所掌になりやすい項目
- 所掌区分表を作るとわかりやすい
- 「客先所掌」とだけ書くと危険な場合もある
- 仕様書での書き方の例
- 外部向け文書では「客先」より別表現が自然なこともある
- 「客先殿所掌」は正しい?
- 「客先にて準備」と「客先所掌」の違い
- 見積書で「客先所掌」を確認する理由
- 客先所掌を確認しないと起こりやすいトラブル
- 客先所掌を決めるときの確認ポイント
- 「客先所掌」を使った例文20選
- 客先所掌・当社所掌・客先負担・客先支給を一覧で比較
- 一番簡単な覚え方
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
- 参考リンク
結論:「客先所掌」とは顧客・発注者側が担当する範囲
「客先所掌」は、
きゃくさきしょしょう
と読みます。
「客先」と「所掌」を組み合わせた表現です。
一般的な設備・製造・工事などの実務では、
顧客・発注者側が準備、施工、接続、運用などを担当する範囲
という意味で使われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | きゃくさきしょしょう |
| 基本的な意味 | 顧客・発注者側が担当する範囲 |
| よく使われる分野 | 製造業、設備、機械、プラント、工事、システム導入など |
| 対象になりやすいもの | 工事、電源、配線、配管、材料、設置、調整など |
| 対になる表現 | 当社所掌、弊社所掌、メーカー所掌、受注者所掌 |
| 重要なポイント | 発注側・受注側の担当範囲を明確にする |
「所掌」とは?
「所掌」は、
しょしょう
と読みます。
本来は「つかさどること」を意味し、特に行政分野では、ある事務が特定の機関の職務として定められていることを表します。
たとえば、
- 所掌事務
- 所掌範囲
- 各部署が所掌する業務
などと使います。
製造・設備などの実務では、この「担当する」「受け持つ」という意味から、
「どちら側がその仕事・設備・工事を受け持つのか」
という意味で「所掌」が使われることがあります。
「所掌」については、辞書でも、ある事務を特定の機関がつかさどる意味が示されています。
「客先」とは?
「客先」は、ビジネスで、
- 顧客
- 取引先
- 発注者
- 顧客の事業所
などを指して使われる言葉です。
たとえば、
「今日は客先へ訪問します」
と言えば、顧客の会社・事業所へ訪問するという意味になります。
「客先所掌」の「客先」は、場所そのものというより、
顧客・発注者側
という意味で理解するとよいでしょう。
「客先所掌」をもっと簡単にいうと?
たとえば、メーカーから機械を購入したとします。
メーカーが、
- 機械本体を製作する
- 指定場所まで搬入する
ところまでは担当するものの、
- 機械を置くための基礎
- 工場側の電源
- 給水配管
- 排水配管
は購入者が用意する契約だったとします。
この場合、
機械本体の製作・搬入=メーカー所掌
基礎・電源・給排水=客先所掌
というように整理できます。
つまり、
「この部分まではメーカーがやります。ここから先はお客様側でお願いします」
という境界を示すために使うのが「客先所掌」です。
実際の仕様書でも「客先所掌」は使われている
「客先所掌」は、製造業・設備関連の実際の仕様書や取扱資料でも使われています。
たとえば、設備の保守点検仕様書では、特定の日常作業について「客先殿所掌」とする記載例があります。
また、機械メーカーの仕様書では、電源・冷却水・空気などの一次側施工や、装置条件によって一部の二次側工事を「お客様所掌」とする記載例があります。
さらに、設備機器の仕様書では、
「お客様所掌工事区分」
と
「当社所掌区分」
を明確に分けて記載している例もあります。
このように「客先所掌」は、特に設備を納入する側と使用する側の分担を明確にしたい場面で使われる表現です。
「客先所掌」と「当社所掌」の違い
最も簡単な違いは、担当する側です。
| 比較項目 | 客先所掌 | 当社所掌 |
|---|---|---|
| 担当する側 | 顧客・発注者 | 受注者・メーカー |
| 例 | 電源工事、一次側配管 | 機械製作、機器搬入 |
| 目的 | 双方の担当範囲を明確にする | |
例
ある装置について、
当社所掌
- 装置本体の設計
- 装置本体の製作
- 工場での検査
- 指定場所までの搬入
客先所掌
- 基礎工事
- 一次側電源
- 給水配管
- 排水設備
とすれば、双方がどこまで担当するのかがわかりやすくなります。
「弊社所掌」と「当社所掌」は同じ?
基本的には、どちらも文書を書いている会社側が担当する範囲を表します。
「弊社」は社外の相手に対して自社をへりくだって表す言葉で、「当社」は比較的中立的な自社表現です。
仕様書では、会社の文書ルールによって、
- 当社所掌
- 弊社所掌
- メーカー所掌
- 受注者所掌
などが使われます。
契約文書などでは、曖昧さを避けるため、
「発注者」「受注者」
のように契約上定義された呼称を使う方法もあります。
「客先所掌」と「所掌範囲」の違い
「所掌範囲」は、誰か・どこかが担当する仕事の範囲を表します。
一方、「客先所掌」は、その所掌範囲のうち、
客先側が受け持つ部分
を明確にした表現です。
つまり、
所掌範囲=担当範囲という大きな概念
客先所掌=その中の「顧客側担当部分」
と考えられます。
「所掌範囲」の詳しい意味についてはこちらの記事で解説しています。
「所掌範囲」とは?意味・「所管範囲」「担当範囲」との違いを行政・会社の例文で徹底解説
「客先所掌」と「所掌事務」の違い
「所掌事務」は、ある組織・部署・機関が担当する事務・業務です。
行政機関などで特によく使われます。
一方、「客先所掌」は、機械・設備などの取引において、
- 工事
- 配線
- 配管
- 準備
- 材料
などの分担を表す実務的な表現として使われます。
「所掌事務」とは?意味・読み方をわかりやすく解説|「所管事務・分掌事務・担当業務」との違いと例文
「所管」と「所掌」の違いにも注意
「所管」と「所掌」も似ています。
一般的には、
所管
→ 一定の事務を責任・権限をもって管理すること。
所掌
→ 特定の機関・部署などがつかさどる職務・担当範囲。
という違いを意識できます。
設備仕様書の「客先所掌」では、行政用語としての厳密な「所掌」よりも、
「客先が担当する範囲」
という実務上の意味で使われているケースがあります。
「所管」と「所掌」の違いとは?意味・使い分けを行政・官公庁・会社の具体例で徹底解説
「客先所掌」と「責任分界」の違い
非常に重要なのが、
「責任分界」
との違いです。
責任分界とは、発注者・受注者など複数の当事者について、
どこまでが誰の責任なのか、その境界を明確にすること
です。
「客先所掌」は、責任分界を明確にするために使われる情報の一つと考えられます。
例
配電盤から装置までの電源ケーブルについて、
「配電盤側端子から装置一次側端子まで:客先所掌」
「装置一次側端子以降の内部配線:メーカー所掌」
と決めれば、境界が明確になります。
この境界そのものが責任分界点になります。
「所掌」と「責任」は完全に同じではない
ここは注意したいポイントです。
ある作業を「客先所掌」としたからといって、契約上のあらゆる責任まで自動的に客先へ移るとは限りません。
たとえば、
「基礎施工は客先所掌」
だったとしても、メーカーが誤った基礎寸法を指定した結果、設備を設置できなかった場合などは、単純に「客先所掌だから客先の責任」とは判断できません。
実際の責任は、
- 契約内容
- 仕様書
- 図面
- 設計条件
- 指示内容
- 原因
などによって判断する必要があります。
したがって、
所掌=作業・担当範囲
責任=その結果について負うべき法的・実務的な責任
として分けて考えることが重要です。
「客先所掌」と「客先負担」の違い
「客先負担」も似ていますが、重点が異なります。
客先所掌
→ 誰が作業・準備を担当するか。
客先負担
→ 誰が費用を負担するか。
です。
| 客先所掌 | 客先負担 |
|---|---|
| 担当範囲の話 | 費用負担の話 |
| 誰が行うか | 誰がお金を払うか |
この二つが一致するケースは多いものの、必ずしも同じとは限りません。
例
メーカーが業者を手配して工事を実施するものの、その工事費を客先へ請求する契約なら、
「実作業はメーカー側」
「費用は客先負担」
となる可能性があります。
そのため、「所掌」と「費用負担」を別々に明記すると誤解を防ぎやすくなります。
「客先所掌」と「支給品」の違い
「支給品」とは、ある当事者が別の当事者へ提供する部品・材料などを指します。
たとえば、発注者が特定の部品を用意し、受注者へ渡して装置へ組み込んでもらう場合があります。
この部品は、
「客先支給品」
と呼ばれることがあります。
「客先所掌」との違いは、
客先所掌=担当範囲
客先支給=客先が物を用意して提供すること
です。
例
「通信機器は客先支給」
「通信機器までのLAN配線工事は客先所掌」
のように、同じ案件で両方を使うことができます。
「客先所掌」と「除外項目」の違い
見積書・仕様書では「除外項目」もよく使われます。
除外項目とは、その見積もり・契約・供給範囲に含まれていないものです。
ただし、
供給範囲から除外されている=必ず客先が施工する
とは限りません。
別業者が担当する可能性もあるからです。
そのため、
「当社供給範囲外」
と書くだけでなく、
「客先所掌」
「別途工事」
など、実際の担当者まで明確にするとわかりやすくなります。
「別途工事」と「客先所掌」の違い
「別途工事」は、本体工事とは別に実施される工事です。
しかし、誰がその工事を手配するのかは「別途工事」という表現だけでは明確でない場合があります。
たとえば、
「基礎工事は別途」
だけでは、
- 客先が手配するのか
- 元請会社が別途手配するのか
- メーカーへ追加発注できるのか
がわかりません。
「基礎工事:客先所掌」
と書けば、発注者側の担当であることが明確になります。
「一次側は客先所掌」とは?
設備仕様書で特によく見られる考え方です。
たとえば電気設備では、装置に電源を供給するまでの配線などを「一次側」と呼び、それより装置内部側を「二次側」として区別することがあります。
そのため、
「一次側電源工事は客先所掌」
と記載されていれば、一般には、装置を使用できる状態まで必要な電源設備・配線の一定範囲を客先側で準備するという意味になります。
ただし、「一次側」「二次側」の境界は設備によって異なるため、
どの端子・フランジ・接続点を境界とするのか
を図面などで明確にすることが重要です。
配管でも客先所掌は使われる
たとえば装置メーカーが、
「装置本体内の配管はメーカー所掌」
「工場側の給水配管は客先所掌」
とする場合があります。
この場合、装置と工場配管を接続する位置を明確にしておかないと、
「接続配管はどちらが施工するのか」
という問題が起こる可能性があります。
そのため、仕様書では、
「装置取合フランジまで当社所掌。それ以降は客先所掌」
のように境界を具体的に示す方法があります。
「取合点」と客先所掌の関係
設備設計では、複数の設備・工事範囲が接続する場所を、
「取合点」
などと表現することがあります。
客先所掌・メーカー所掌を明確にするには、
「どこまで」
を明確にすることが非常に重要です。
悪い例
「電気工事は客先所掌。」
→ どこからどこまでかわかりにくい。
より明確な例
「工場側配電盤から装置主電源端子までの電源ケーブル敷設・接続工事は客先所掌とする。」
これなら具体的です。
客先所掌になりやすい項目
設備案件では、次のような項目が客先所掌として設定される場合があります。
- 基礎工事
- 一次側電源
- 電源ケーブル
- 給水配管
- 排水配管
- 圧縮空気
- 蒸気
- 排気設備
- ネットワーク配線
- 搬入経路の確保
- フォークリフト・クレーンの準備
- ユーティリティの供給
- 必要な許認可
ただし、何が客先所掌になるかは契約によって異なります。
「普通は客先所掌だから今回もそうだろう」
と判断せず、案件ごとの仕様書・見積条件を確認することが大切です。
メーカー所掌になりやすい項目
反対に、設備メーカー側では、
- 機械・装置本体の設計
- 機器製作
- 社内検査
- 標準付属品
- 取扱説明書
- 指定場所までの搬入
- 装置内部配線・内部配管
などを所掌する契約が考えられます。
これも案件ごとに異なります。
所掌区分表を作るとわかりやすい
複雑な案件では、文章だけではなく、所掌区分表を作成するとわかりやすくなります。
| 項目 | 客先 | メーカー | 備考 |
|---|---|---|---|
| 装置本体 | ― | ○ | 設計・製作 |
| 基礎工事 | ○ | ― | メーカー図面による |
| 一次側電源 | ○ | ― | 主電源端子まで |
| 装置内部配線 | ― | ○ | 盤内配線含む |
| 給水配管 | ○ | △ | 取合点を図面で確認 |
| 試運転 | 協力 | ○ | ユーティリティは客先準備 |
このようにすると、双方の認識違いを減らせます。
「客先所掌」とだけ書くと危険な場合もある
「客先所掌」という言葉自体は便利ですが、対象・範囲が曖昧なままではトラブルの原因になります。
例
「配管:客先所掌」
だけでは、
- 配管材料を用意するのは誰か
- 施工するのは誰か
- 保温工事は誰か
- バルブは誰が用意するのか
- 接続部材は誰が用意するのか
が不明です。
したがって、重要な案件では、
所掌+具体的な作業内容+境界
まで記載するほうが安全です。
仕様書での書き方の例
例1:電源
「装置主電源端子までの一次側電源工事は客先所掌とする。」
例2:給水
「装置給水取合口までの給水配管は客先所掌とする。」
例3:基礎
「装置据付用基礎およびアンカーボルト施工は客先所掌とする。」
例4:ユーティリティ
「試運転に必要な電力・水・圧縮空気は客先にて準備するものとする。」
例5:搬入
「搬入口から据付位置までの搬入経路確保は客先所掌とする。」
外部向け文書では「客先」より別表現が自然なこともある
「客先」は社内・業界内ではよく使われますが、相手に直接渡す正式文書では、文体によって、
- お客様
- 発注者
- 甲
- 購入者
- 需要家
などを使ったほうが適切なことがあります。
たとえば、
「客先所掌工事」
より、
「お客様所掌工事」
「発注者所掌範囲」
としたほうが正式な文書になじむ場合があります。
契約書なら、「甲」「乙」「発注者」「受注者」など、文書中で定義した用語に統一するのがわかりやすいでしょう。
「客先殿所掌」は正しい?
設備関係の文書では、
「客先殿所掌」
という表現も見られます。
意味は「客先側の所掌」です。
ただし、「客先殿」は業界・会社によって使われる独特な敬称表現でもあります。
一般的なビジネス文書としては、
「お客様所掌」
「発注者所掌」
などのほうが自然な場合もあります。
既存の社内文書・取引慣行に合わせて統一するとよいでしょう。
「客先にて準備」と「客先所掌」の違い
「客先にて準備」は、準備という具体的な行為だけを示しています。
「客先所掌」は、より広く担当範囲を示せます。
例
「試運転用の水は客先にて準備願います。」
→ 水を用意することを依頼。
「試運転用ユーティリティは客先所掌とする。」
→ 必要なユーティリティについて客先側の担当範囲とする。
相手に具体的な行動を求める文章では、「客先所掌」だけよりも、何をしてほしいのかを具体的に書くほうがわかりやすい場合があります。
見積書で「客先所掌」を確認する理由
設備見積もりを比較するとき、価格だけを見てはいけない理由の一つが所掌範囲です。
たとえば、
A社:1000万円
B社:900万円
だったとしても、B社では、
- 搬入費
- 電気工事
- 配管工事
- 据付工事
がすべて客先所掌になっているかもしれません。
その場合、最終的な総費用ではA社のほうが安くなる可能性もあります。
見積比較では、
「価格に何が含まれているか」
と
「客先で別途何を準備する必要があるか」
をセットで確認することが大切です。
客先所掌を確認しないと起こりやすいトラブル
1.工事業者を手配していなかった
装置が到着してから、電源工事が客先所掌だったことに気づく。
2.必要な配管が用意されていない
試運転予定日に水・空気などを供給できない。
3.費用認識が食い違う
客先は「見積価格に工事費も含まれている」と思い、メーカーは「客先所掌」と考えている。
4.納期が遅れる
基礎工事・電気工事などが終わっておらず、据付できない。
5.責任範囲でもめる
不具合発生時に、どちらの担当部分に原因があるのか明確でない。
客先所掌を決めるときの確認ポイント
設備案件では、少なくとも次の点を確認するとよいでしょう。
| 確認項目 | 具体例 |
|---|---|
| 設計 | 基礎・配管・電源設計は誰が行うか |
| 材料 | ケーブル・配管・部材を誰が用意するか |
| 施工 | 誰が実際に工事するか |
| 費用 | 費用は誰が負担するか |
| 接続点 | どこを所掌境界とするか |
| 検査 | 施工後の確認を誰が行うか |
| 試運転 | 電気・水・材料等を誰が準備するか |
| 保守 | 納入後の日常点検を誰が行うか |
「客先所掌」を使った例文20選
- 一次側電源工事は客先所掌とします。
- 設備基礎の施工は客先所掌です。
- 給水配管については客先所掌となります。
- 客先所掌と当社所掌の境界を確認してください。
- 見積書に客先所掌の範囲を明記する。
- 試運転用の電気・水は客先所掌です。
- 搬入経路の確保は客先所掌とする。
- ネットワーク回線の準備は客先所掌です。
- 客先所掌工事の完了後に据付を開始する。
- 仕様打ち合わせで客先所掌範囲を確認した。
- 配管取合点までを客先所掌とする。
- 客先所掌品については納入前に準備をお願いします。
- 現地クレーンの手配は客先所掌となります。
- 工場側排気設備は客先所掌です。
- 所掌区分表で客先所掌を明確にする。
- 客先所掌の電気工事が遅れている。
- 契約前に客先所掌の内容を確認する。
- 必要な許認可の取得は客先所掌です。
- お客様所掌とメーカー所掌を仕様書に記載する。
- 責任分界を明確にするため客先所掌を具体化した。
客先所掌・当社所掌・客先負担・客先支給を一覧で比較
| 言葉 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| 客先所掌 | 客先が担当する範囲 | 誰が行うか |
| 当社所掌 | 受注者・メーカー側が担当する範囲 | 誰が行うか |
| 客先負担 | 客先が費用を負担する | 誰がお金を払うか |
| 客先支給 | 客先が部品・材料などを用意する | 誰が物を用意するか |
| 責任分界 | 双方の責任の境界 | どこまで責任を持つか |
| 除外項目 | 契約・供給範囲に含まない項目 | 契約に含むかどうか |
一番簡単な覚え方
言葉の違いに迷ったら、次のように覚えるとわかりやすいでしょう。
客先所掌=「お客様がやる」
当社所掌=「こちらがやる」
客先負担=「お客様がお金を負担する」
客先支給=「お客様が物を用意する」
責任分界=「どこまでが誰の責任か」
よくある質問(FAQ)
Q1.「客先所掌」の読み方は?
一般には「きゃくさきしょしょう」と読みます。
Q2.「客先所掌」とは簡単にいうと何ですか?
顧客・発注者側が準備・施工・対応する担当範囲です。
簡単にいえば、「そこはお客様側でお願いします」という範囲です。
Q3.「所掌」とはどういう意味ですか?
つかさどること、担当することを意味します。行政では、一定の事務が特定の機関の職務に属することを表します。
Q4.客先所掌と当社所掌の違いは?
担当する側が違います。
客先所掌は顧客・発注者側、当社所掌は受注者・メーカー側の担当です。
Q5.客先所掌と客先負担は同じですか?
同じとは限りません。
客先所掌は担当範囲、客先負担は費用負担を表します。
Q6.客先所掌と客先支給の違いは?
客先所掌は作業・準備などの担当範囲です。
客先支給は、客先が部品・材料などを用意して提供することです。
Q7.客先所掌と責任分界は同じですか?
同じではありません。
客先所掌は客先側の担当範囲、責任分界は双方の責任がどこで分かれるかを示します。
Q8.「一次側客先所掌」とは?
設備へ電気・水・空気などを供給する一次側の一定範囲を客先側で準備・施工するという意味で使われます。
どこが境界なのかは仕様書・図面で確認してください。
Q9.「客先所掌工事」とは?
顧客側が担当・手配する工事を意味します。
基礎工事・電気工事・配管工事などが指定される場合があります。
Q10.「客先殿所掌」はどういう意味ですか?
「客先側が担当する」という意味です。
設備・製造関係の仕様書などで使われることがあります。
Q11.「お客様所掌」のほうが正しいですか?
どちらが一律に正しいとはいえません。
社内文書では「客先所掌」、外部向け仕様書では「お客様所掌」「発注者所掌」など、会社・契約の表記ルールに合わせます。
Q12.客先所掌ならメーカーに責任はありませんか?
一概にはいえません。
所掌は担当範囲を示しますが、実際の責任は契約内容・設計条件・不具合原因などによって判断されます。
Q13.見積書で客先所掌を見る必要はありますか?
重要です。
価格が安くても、客先側で別途必要になる工事・設備が多ければ、総費用が増える場合があります。
Q14.客先所掌はどこまで細かく書くべきですか?
重要な設備では、単に「電気工事」と書くだけでなく、取合点・材料・施工・費用などがわかるようにすると認識違いを防ぎやすくなります。
Q15.一番簡単な意味は?
客先所掌=「客先側の担当範囲」
と覚えてください。
まとめ
「客先所掌」は、
「きゃくさきしょしょう」
と読みます。
設備・機械・製造・工事などの実務では、一般に、
顧客・発注者側が準備・施工・対応する担当範囲
という意味で使われます。
最も簡単にいえば、
客先所掌=「お客様側で担当してくださいという範囲」
です。
| 言葉 | 覚え方 |
|---|---|
| 客先所掌 | 客先が担当する |
| 当社所掌 | 受注者側が担当する |
| 客先負担 | 客先が費用を負担する |
| 客先支給 | 客先が部品・材料を用意する |
| 責任分界 | 責任がどこで分かれるか |
| 所掌範囲 | 担当する仕事の範囲 |
特に重要なのは、
「客先所掌」と書くだけでは、具体的な境界が十分に伝わらないことがある
という点です。
たとえば、
「電源工事は客先所掌」
だけではなく、
「工場側配電盤から装置主電源端子までの電源ケーブル敷設・接続工事は客先所掌」
と書けば、範囲がはるかに明確になります。
設備案件では、
- 誰が設計するのか
- 誰が物を準備するのか
- 誰が工事するのか
- 誰が費用を負担するのか
- どこを境界とするのか
- 誰が確認・検査するのか
を明確にすることが重要です。
使い分けに迷ったら、
「その作業・設備を誰が担当するのか」
という視点で考えてみましょう。
顧客・発注者側の担当であれば、「客先所掌」「お客様所掌」「発注者所掌」などの表現が使われます。
