報告書や品質管理、社内文書などで使われる「査閲」という言葉。
英語にしようとすると、
- reviewでよいのか
- examineとの違いは何か
- inspectは「検査する」ではないのか
- auditは査閲に使えるのか
- 「文書を査閲する」は英語でどう言うのか
- 「査閲者」「査閲済み」はどう表現すればよいのか
と迷うことがあります。
結論からいうと、日本語の「査閲」に完全に対応する英単語が一つだけあるわけではありません。
代表的には、次のように使い分けます。
- review:内容を見直し、問題や改善点がないか確認する
- examine:対象を詳しく調べる・吟味する
- inspect:品質・状態・規則への適合などを点検する
- audit:一定の基準に基づいて正式に監査・査閲する
特に会社で報告書・仕様書・手順書などを「査閲する」という場合には、reviewが最も使いやすいことが多いでしょう。
一方、製品・設備・現場などを実際に確認するならinspect、品質システムや会計・業務プロセスなどを正式に監査するならauditが適しています。
この記事では、「査閲する」を英語でどう表現すればよいのかを、review・examine・inspect・auditの違いを中心に、文書・品質管理・報告書・研究・監査などの具体例とともに詳しく解説します。
- 結論:「査閲する」の英語は何をどう確認するかで変わる
- そもそも「査閲」とはどんな意味?
- reviewとは?文書の「査閲」で最も使いやすい英語
- reviewには「レビュー・評価」という意味もある
- 「査閲済み」はreviewedで表現できる
- 「査閲者」はreviewerが使える
- reviewとapproveは違う
- examineとは?内容を詳しく「調べる・吟味する」
- reviewとexamineの違い
- inspectとは?品質・状態を「点検する」
- reviewとinspectの違い
- auditとは?正式な「監査・査閲」
- reviewとauditの違い
- 「文書を査閲する」はreviewが最も使いやすい
- 「報告書を査閲する」は英語で何と言う?
- 「査閲して承認する」は英語でどう言う?
- 「査閲依頼」は英語で何と言う?
- 「査閲中」は英語で何と言う?
- 「査閲待ち」は英語で何と言う?
- 「査閲完了」は英語で何と言う?
- 「査閲日」は英語で何と言う?
- 「査閲者」と「承認者」は英語でどう区別する?
- 「査閲」と「校閲」は英語でどう違う?
- 「査閲」と「査読」は英語ではreviewが重なることがある
- 品質管理でのreview・inspection・auditの使い分け
- 品質文書の「査閲」はinspectionではなくreviewが基本
- 「内容を査閲する」はreview the contentsでよい?
- 「詳細に査閲する」はcarefully review / thoroughly review
- 「再査閲」はre-reviewでよい?
- 「定期査閲」はperiodic reviewが使える
- review・examine・inspect・auditを同じ例で比較
- 「査閲」の英訳を決める4ステップ
- 場面別:「査閲する」のおすすめ英語
- よくある間違い1:「査閲する」を何でもinspectにする
- よくある間違い2:reviewとapproveを同じ意味で使う
- よくある間違い3:auditを普通の文書確認に使う
- よくある質問(FAQ)
- Q1. 「査閲する」は英語で何と言いますか?
- Q2. 「文書を査閲する」は英語で何と言いますか?
- Q3. reviewとexamineの違いは何ですか?
- Q4. reviewとinspectの違いは何ですか?
- Q5. reviewとauditの違いは何ですか?
- Q6. 「査閲者」は英語で何と言いますか?
- Q7. 「査閲済み」は英語で何と言いますか?
- Q8. 「査閲中」は英語で何と言いますか?
- Q9. 「査閲待ち」は英語で何と言いますか?
- Q10. 「査閲して承認する」は英語で何と言いますか?
- Q11. 「品質文書を査閲する」はinspectではないのですか?
- Q12. 「報告書を詳しく査閲した」はどう表現しますか?
- Q13. 査閲と監査は英語では同じですか?
- まとめ
- 参考リンク・出典
結論:「査閲する」の英語は何をどう確認するかで変わる
まず、4つの代表的な表現を比較してみましょう。
| 英語 | 中心的な意味 | 「査閲する」として使いやすい場面 |
|---|---|---|
| review | 内容を見直して評価・確認する | 文書・報告書・仕様書・手順書 |
| examine | 詳しく調べる・吟味する | 資料・証拠・契約・問題点 |
| inspect | 品質・状態などを注意深く点検する | 製品・設備・施設・現場 |
| audit | 基準に基づいて正式に監査する | 会計・品質システム・業務・組織 |
簡単に整理すると、
文書を見直す → review
内容を詳しく調べる → examine
現物・状態を点検する → inspect
基準に基づいて正式に監査する → audit
という違いがあります。
そもそも「査閲」とはどんな意味?
「査閲」とは、内容を調べながら見て、適切かどうかを確認することを表します。
「査」には「調べる」、「閲」には「見る・読む」という意味があります。
そのため、査閲は単に目を通すだけではなく、
- 内容に問題がないか
- 誤りがないか
- 基準を満たしているか
- 修正が必要ではないか
- 承認へ進めてもよいか
などを確認する意味を持ちます。
たとえば、
- 報告書を査閲する
- 品質文書を査閲する
- 査閲者が内容を確認する
- 査閲後に承認者へ回す
などと使われます。
日本語の「査閲」そのものの意味については、「査閲」とは?意味・読み方・使い方をわかりやすく解説|「承認・校閲・査読・検査」との違いと例文も参考にしてください。
reviewとは?文書の「査閲」で最も使いやすい英語
reviewは、「査閲する」の英訳として特に重要な単語です。
仕事では、文書・計画・手順・契約などについて、
「内容を注意して確認し、問題点や改善の必要性がないかを見る」
という意味で広く使われます。
そのため、
- 報告書
- 仕様書
- 手順書
- 契約書
- 計画書
- 品質文書
などの査閲では、まずreviewを検討するとよいでしょう。
報告書を査閲する
Please review the report before submission.
提出前に報告書を査閲してください。
文書を査閲する
The document was reviewed by the department manager.
その文書は部門長によって査閲されました。
手順書を査閲する
The procedure must be reviewed before approval.
その手順書は承認前に査閲する必要があります。
このように、社内文書の「査閲」はreviewで表現しやすくなります。
reviewには「レビュー・評価」という意味もある
reviewは非常に幅広い単語です。
日本語でも「レビュー」という言葉が使われますが、英語では、
- 見直す
- 再確認する
- 評価する
- 批評する
- 検討する
など、多くの意味があります。
そのため、reviewを必ず「査閲する」と訳すわけではありません。
たとえば、
review a movie
なら「映画を査閲する」ではなく、「映画を批評する」という意味です。
一方、
review a quality document
なら、文書内容を確認するという意味なので「品質文書を査閲する」と訳しやすくなります。
「査閲済み」はreviewedで表現できる
文書がすでに査閲されている場合には、
reviewed
を使えます。
たとえば、
Reviewed by: John Smith
という表記なら、文書管理票などで、
「査閲者:John Smith」
「査閲:John Smith」
といった意味になります。
また、
This document has been reviewed.
この文書は査閲済みです。
と表現できます。
「査閲者」はreviewerが使える
「査閲者」を英語にする場合、文書を確認する人なら、
reviewer
が使いやすい表現です。
例:
The reviewer identified several errors in the document.
査閲者は文書内にいくつかの誤りを発見しました。
ただし、reviewerは学術論文の「査読者」や商品・映画などの「評論者」を意味することもあります。
したがって、文書管理システムなどでは、前後の役割名とあわせて判断する必要があります。
reviewとapproveは違う
品質文書や社内文書では、
review
と、
approve
の違いが特に重要です。
reviewは内容を確認・検討すること。
approveは最終的に「よい」と正式に承認することです。
たとえば、
The document was reviewed by the section manager and approved by the department head.
その文書は課長が査閲し、部長が承認しました。
という使い分けができます。
つまり、
review=査閲
approve=承認
と整理するとわかりやすい場面が多くなります。
日本語での両者の違いについては、「査閲」と「承認」の違いとは?意味・使い分けを報告書・品質管理・ビジネスの例文で徹底解説も参考にしてください。
examineとは?内容を詳しく「調べる・吟味する」
examineも、「査閲する」と訳せる場合があります。
examineの中心的な意味は、
「何かについて詳しい情報を得るため、注意深く調べる」
ことです。
reviewよりも、「詳しく調べる」という動作そのものに重点があります。
契約条件を詳しく調べる
We carefully examined the terms of the contract.
私たちは契約条件を注意深く査閲・検討しました。
資料を詳しく確認する
The committee examined the documents in detail.
委員会は文書を詳しく調査・査閲しました。
問題を詳しく調べる
We need to examine the issue more carefully.
その問題をさらに詳しく検討する必要があります。
examineは必ずしも「文書管理上の査閲」という意味ではなく、対象を注意深く調査・吟味するという広い意味を持っています。
reviewとexamineの違い
reviewとexamineは、どちらも「注意深く見る」という意味があります。
しかし、焦点が少し違います。
| review | examine | |
|---|---|---|
| 中心 | 内容を見直して評価する | 詳しく調べる |
| 文書査閲 | 非常に使いやすい | 使えるが意味が広い |
| 改善点確認 | 向いている | 必ずしも含まない |
| 詳細な調査 | 使える | 特に使いやすい |
たとえば、作成された報告書について、
「内容をチェックして修正すべきところがないか確認する」
ならreviewが自然です。
一方、事故資料について、
「原因を明らかにするため細部まで調べる」
ならexamineが自然です。
inspectとは?品質・状態を「点検する」
inspectは、「査閲する」より日本語の「検査する」「点検する」に近い場合が多い単語です。
中心的な意味は、
「品質・状態などを確認するため、対象を注意深く見る」
ことです。
そのため、
- 製品
- 工場
- 設備
- 建物
- 現場
- 部品
など、実物の状態を確認する場面でよく使われます。
製品を検査する
All products are inspected before shipment.
すべての製品は出荷前に検査されます。
設備を点検する
The equipment is inspected regularly.
その設備は定期的に点検されています。
工場を査察する
Officials inspected the factory.
担当官が工場を査察しました。
このように、inspectは文書の査閲より、実物や現場を確認する場合に適しています。
reviewとinspectの違い
日本語ではどちらも「確認する」と訳せますが、典型的な対象が異なります。
reviewは、情報・内容・計画・文書などを確認する。
inspectは、物・設備・現場などを実際に確認する。
たとえば、
review the inspection report
なら、
「検査報告書を査閲する」
です。
一方、
inspect the equipment
なら、
「設備を検査・点検する」
です。
つまり、一つの品質管理業務の中でも、inspectとreviewが両方登場することがあります。
auditとは?正式な「監査・査閲」
auditは、一定のルール・基準・要求事項などに基づいて、組織や業務を正式に調べることを表します。
特に有名なのが会計監査です。
audit the company’s accounts
会社の会計を監査する
という使い方があります。
しかしauditは会計だけではありません。
品質・環境・情報セキュリティなどでも使われます。
品質システムを監査する
The quality management system is audited annually.
品質マネジメントシステムは毎年監査されます。
業務を監査する
The company’s operations are regularly audited.
会社の業務は定期的に監査されています。
内部監査
internal audit
内部監査
という表現もあります。
reviewとauditの違い
reviewとauditは、どちらも対象を確認・評価しますが、正式さと目的が違います。
| review | audit | |
|---|---|---|
| 中心 | 内容の確認・見直し | 基準への適合などを正式に監査 |
| 対象 | 文書・計画・状況など幅広い | 会計・システム・業務・組織など |
| 正式さ | 幅広い | 比較的高い |
| 監査基準 | 必ずしも必要ない | 基準・要求事項を伴うことが多い |
たとえば、品質手順書の内容を部門責任者が確認するならreview。
その会社の品質マネジメントシステム全体が規格要求事項を満たしているか正式に調査するならaudit。
と考えるとわかりやすくなります。
「文書を査閲する」はreviewが最も使いやすい
社内文書や品質文書における「査閲」であれば、基本的にはreviewが有力です。
review a document
文書を査閲する
review a report
報告書を査閲する
review a procedure
手順書を査閲する
review a specification
仕様書を査閲する
などと表現できます。
「報告書を査閲する」は英語で何と言う?
一般的には、
review the report
が最も使いやすいでしょう。
例:
Please review the report and provide your comments.
報告書を査閲し、コメントをお願いします。
内容をより詳しく調査・分析するニュアンスを出したければ、
examine the report
を使うこともできます。
「査閲して承認する」は英語でどう言う?
品質文書などでは、査閲と承認が別工程になっていることがあります。
その場合は、
review and approve
と表現できます。
例:
The manager must review and approve the document.
管理者は文書を査閲し、承認する必要があります。
ただし、査閲者と承認者が別の人なら、それぞれ分けて書くほうが明確です。
The document must be reviewed by the section manager and approved by the department head.
その文書は課長が査閲し、部長が承認する必要があります。
「査閲依頼」は英語で何と言う?
文書の査閲を依頼するときには、
request for review
という表現が使えます。
メールなら、
Please review the attached document.
添付文書をご査閲ください。
とすれば自然です。
日本語の「ご査閲のほどよろしくお願いいたします」を直訳するより、英語ではPlease review ~と簡潔に書くほうが自然です。
「査閲中」は英語で何と言う?
文書管理などで「査閲中」と表示するなら、
under review
が非常に便利です。
The document is currently under review.
その文書は現在査閲中です。
under reviewは、
- 審査中
- 検討中
- 査閲中
- 見直し中
など、文脈によってさまざまに訳されます。
「査閲待ち」は英語で何と言う?
ワークフローで「査閲待ち」と表現したい場合には、
pending review
などが使えます。
The document is pending review.
その文書は査閲待ちです。
システムのステータス表示なら、
Pending Review
とすることもできます。
「査閲完了」は英語で何と言う?
文書の査閲が完了した状態なら、
review completed
または文章として、
The review has been completed.
査閲が完了しました。
と表現できます。
文書そのものを「査閲済み」と示すなら、
Reviewed
という表示も使えます。
「査閲日」は英語で何と言う?
文書管理票などで「査閲日」を表す場合には、
review date
が使いやすい表現です。
ただし、review dateは「次回見直し日」という意味で使われる場合もあります。
そのため、査閲を実施した日を明確にしたい場合は、
Date Reviewed
などとすることもできます。
「査閲者」と「承認者」は英語でどう区別する?
代表的には、
- reviewer:査閲者
- approver:承認者
と区別できます。
文書管理表なら、
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| 作成者 | Author / Prepared by |
| 査閲者 | Reviewer / Reviewed by |
| 承認者 | Approver / Approved by |
などの形が考えられます。
ただし、会社の文書管理規程で正式な英語名称が定められている場合は、その用語を優先してください。
「査閲」と「校閲」は英語でどう違う?
日本語の「査閲」と「校閲」は近いものの、対象や目的が異なります。
査閲は、文書の内容を確認して適切かどうかを見ること。
校閲は、文章中の誤り・事実関係・表記などを確認する意味で使われます。
英語では査閲にreviewが使いやすい一方、校閲については、内容によって、
- edit
- proofread
- fact-check
- review
などが使われます。
そのため、
査閲=review、校閲=proofread
と常に一対一で対応するわけではありません。
日本語での詳しい違いについては、「査閲」と「校閲」の違いとは?意味・使い分けを文書・報告書・原稿・品質管理の例文で徹底解説も参考になります。
「査閲」と「査読」は英語ではreviewが重なることがある
日本語では「査閲」と「査読」は異なります。
査読は特に学術論文などについて、専門家が内容を評価することを表します。
英語では、
peer review
という表現が一般的です。
この場合もreviewという単語が使われます。
したがって、英語のreviewは、日本語では、
- 査閲
- 査読
- 検討
- 見直し
- 評価
など複数の意味になる可能性があります。
英語を日本語へ訳す場合にも、何を誰がreviewしているのかを見る必要があります。
品質管理でのreview・inspection・auditの使い分け
品質管理では、review・inspection・auditが同じ職場で使われることがあります。
たとえば、製品を製造する会社なら、次のような流れが考えられます。
review
品質手順書や試験報告書の内容を確認する。
review the test report
inspect
実際の製品に傷・寸法不良などがないか確認する。
inspect the finished product
audit
品質マネジメントシステム全体が規格や社内ルールに沿って運用されているか確認する。
audit the quality management system
日本語ではすべて広い意味で「確認」と言えても、英語ではこのように役割が異なります。
品質文書の「査閲」はinspectionではなくreviewが基本
品質管理という言葉が出てくると、inspectionを使いたくなるかもしれません。
しかし、品質文書の内容を査閲する場合には、通常はreviewのほうが自然です。
たとえば、
The quality manager reviewed the procedure.
品質管理責任者が手順書を査閲しました。
一方、完成した製品を検査したのであれば、
The quality inspector inspected the product.
品質検査員が製品を検査しました。
となります。
「品質」という分野だけで英単語を選ばず、文書なのか現物なのかを見ることが重要です。
「内容を査閲する」はreview the contentsでよい?
文法的には可能ですが、多くの場合は対象となる文書そのものをreviewすると表現するほうが自然です。
たとえば、
「この報告書の内容を査閲してください」
なら、
Please review this report.
だけでも十分です。
特に内容そのものを強調したいなら、
Please review the contents of the report.
と表現できます。
「詳細に査閲する」はcarefully review / thoroughly review
査閲の程度を強調する場合には、副詞を加えます。
carefully review
注意深く査閲する
thoroughly review
徹底的に査閲する
closely examine
詳しく調べる
などがあります。
例:
Please thoroughly review the document before approval.
承認前に文書を十分に査閲してください。
「再査閲」はre-reviewでよい?
すでに査閲した文書をもう一度確認する場合には、
review again
とするのが自然です。
特定の業界・組織ではre-reviewという表現も使われますが、一般的な文章ではreview againのほうがわかりやすいでしょう。
例:
The revised document must be reviewed again.
修正版の文書は再度査閲する必要があります。
「定期査閲」はperiodic reviewが使える
文書や手順を一定期間ごとに見直す場合には、
periodic review
が使えます。
The procedure is subject to periodic review.
その手順書は定期的に査閲・見直しされます。
また、
annual review
なら、
「年次査閲」「年次見直し」
などと訳せます。
review・examine・inspect・auditを同じ例で比較
違いをよりわかりやすくするため、工場の品質管理を例に考えてみましょう。
review
The manager reviewed the quality report.
→品質報告書の内容を査閲した。
examine
The team examined the test results in detail.
→試験結果を詳しく調べた・吟味した。
inspect
The inspector inspected the finished products.
→完成品を検査した。
audit
An external body audited the quality management system.
→外部機関が品質マネジメントシステムを監査した。
同じ品質管理でも、確認する対象と目的によって英語が変わります。
「査閲」の英訳を決める4ステップ
1. 文書の内容を確認・見直すのか
→ review
2. 内容を詳しく調査・吟味するのか
→ examine
3. 製品・設備・現場などの状態を点検するのか
→ inspect
4. 一定の基準に基づいて正式に監査するのか
→ audit
この4つを分けると、日本語の「査閲」「検査」「監査」「審査」なども英語へ訳しやすくなります。
場面別:「査閲する」のおすすめ英語
| 日本語 | 英語表現の例 |
|---|---|
| 文書を査閲する | review a document |
| 報告書を査閲する | review a report |
| 手順書を査閲する | review a procedure |
| 仕様書を査閲する | review a specification |
| 内容を詳しく調べる | examine the contents |
| 製品を検査する | inspect a product |
| 設備を点検する | inspect equipment |
| 品質システムを監査する | audit a quality management system |
| 査閲者 | reviewer |
| 査閲済み | reviewed |
| 査閲中 | under review |
| 査閲待ち | pending review |
| 査閲日 | review date / date reviewed |
| 定期査閲 | periodic review |
よくある間違い1:「査閲する」を何でもinspectにする
「査」という漢字から、「検査する=inspect」と考えたくなることがあります。
しかし、報告書や手順書の内容を確認する場合には、inspectよりreviewが自然です。
review a report
は自然ですが、単なる社内報告書の内容確認をinspect a reportとすると、通常の文書査閲としては不自然になりやすくなります。
よくある間違い2:reviewとapproveを同じ意味で使う
査閲と承認が別工程になっている会社では特に注意が必要です。
reviewは「内容を確認する」。
approveは「正式に認める」。
です。
査閲者に最終決裁権がないなら、reviewとapproveを同じ意味として扱わないほうがよいでしょう。
よくある間違い3:auditを普通の文書確認に使う
auditは正式な監査を意味します。
単に同僚の報告書を確認するだけなら、auditは大げさです。
auditは、
- 会計
- 品質システム
- 情報セキュリティ
- 業務プロセス
- 法令遵守
などを一定の基準で正式に調べる場面で使うと考えるとよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「査閲する」は英語で何と言いますか?
文書の内容を査閲する場合には、reviewが最も使いやすい表現です。
ただし、詳しく調べるならexamine、製品・設備などを点検するならinspect、正式な監査ならauditが適しています。
Q2. 「文書を査閲する」は英語で何と言いますか?
review a documentが自然です。
例:
Please review the document before approval.
承認前に文書を査閲してください。
Q3. reviewとexamineの違いは何ですか?
reviewは、内容を見直し、問題点・改善点などを確認する意味で使いやすい言葉です。
examineは、対象を詳しく調べて情報・問題点などを明らかにする意味が中心です。
Q4. reviewとinspectの違いは何ですか?
reviewは文書・計画・内容などを確認する場面でよく使います。
inspectは製品・設備・建物・現場などの品質や状態を点検する場面でよく使います。
Q5. reviewとauditの違いは何ですか?
reviewは一般的な内容確認・見直しです。
auditは一定の基準に従って正式に調査・監査する意味が強くなります。
Q6. 「査閲者」は英語で何と言いますか?
文書を査閲する人ならreviewerが使えます。
文書管理表では、Reviewed byとして査閲者名を記載する方法もあります。
Q7. 「査閲済み」は英語で何と言いますか?
reviewedが使えます。
文章なら、
The document has been reviewed.
その文書は査閲済みです。
と表現できます。
Q8. 「査閲中」は英語で何と言いますか?
under reviewが代表的です。
The document is under review.
文書は査閲中です。
Q9. 「査閲待ち」は英語で何と言いますか?
pending reviewが使えます。
ワークフローのステータス名としてPending Reviewと表示することもできます。
Q10. 「査閲して承認する」は英語で何と言いますか?
review and approveと表現できます。
査閲者と承認者が別なら、reviewed by ~ / approved by ~と役割を分けたほうが明確です。
Q11. 「品質文書を査閲する」はinspectではないのですか?
通常、文書の内容を確認するのであればreviewのほうが自然です。
inspectは製品・設備・現場などの実物について品質・状態を確認する場合に適しています。
Q12. 「報告書を詳しく査閲した」はどう表現しますか?
一般的には、
carefully reviewed the report
または、調査・吟味の意味を強調するなら、
examined the report in detail
などと表現できます。
Q13. 査閲と監査は英語では同じですか?
同じではありません。
一般的な文書査閲はreviewが使いやすく、正式な監査はauditが代表的です。
ただし、組織や業界で正式な用語が定められている場合は、その定義を優先する必要があります。
まとめ
「査閲する」を英語にするときは、日本語の「査閲」という言葉だけを見て一つの単語に固定するのではなく、何を、何の目的で確認しているのかを考えることが重要です。
| 英語 | 使い分け |
|---|---|
| review | 文書・計画・内容などを見直して確認・評価する |
| examine | 対象を詳しく調べ、吟味する |
| inspect | 製品・設備・現場などの品質・状態を点検する |
| audit | 一定の基準に基づいて正式に監査する |
迷ったときは、次のように整理すると使い分けやすくなります。
- 文書を査閲する → review
- 内容を詳しく調べる → examine
- 製品・設備を検査する → inspect
- システム・業務を正式に監査する → audit
たとえば、
「課長が報告書を査閲した」
なら、
The section manager reviewed the report.
「調査委員会が資料を詳しく調べた」
なら、
The committee examined the documents in detail.
「検査員が製品を検査した」
なら、
The inspector inspected the product.
「外部機関が品質システムを監査した」
なら、
An external organization audited the quality management system.
と表現できます。
特に会社の文書管理では、review=査閲、approve=承認という役割分担が非常にわかりやすい組み合わせです。
一方、現物を確認するinspectionや、正式な監査であるauditとは目的が異なります。
「査閲」を英語にするときは、文書なのか現物なのか、単なる確認なのか正式な監査なのかまで確認して選ぶと、自然で正確な表現になります。
参考リンク・出典
-
Cambridge Dictionary:review
review1. to think or talk about something again, in order to make changes to it or to… -
Cambridge Dictionary:examine
examine1. to look at or consider a person or thing carefully and in detail in order to… -
Cambridge Dictionary:inspect
inspect1. to look at something or someone carefully in order to discover information… -
Cambridge Dictionary:audit
audit1. to make an official examination of the accounts of a business and produce a…
