「付議」とは?意味・読み方・使い方を例文で解説|付議事項と「上程・付託・回議」の違い

会議の案内や社内文書で、「次回の取締役会に付議する」「付議事項を整理する」といった表現を見かけることがあります。

しかし、「付議」は日常会話ではあまり使わない言葉です。そのため、「単に議題として取り上げるだけなのか」「付議されたら承認されたことになるのか」「上程や付託とは何が違うのか」と迷う方もいるでしょう。

結論から言うと、「付議(ふぎ)」とは、案件を会議にかけ、審議や検討の対象にすることです。

たとえば「設備更新計画を取締役会に付議する」は、設備更新計画を取締役会で取り上げて検討・判断してもらうことを意味します。付議したというだけで、計画が承認・決議されたとは限りません。

この記事では、「付議」の意味と読み方から、付議事項・付議案件・付議書の使い方、取締役会や議会での具体例、「上程・付託・回議」などとの違いまで、例文を交えてわかりやすく解説します。

  1. 「付議」とは?読み方と基本的な意味
    1. 「付議」の読み方は「ふぎ」
    2. 付議の意味は「案件を会議にかけること」
    3. 「付議」の意味を一言で言い換えると?
  2. 「付議する」とは?「付議した」「付議予定」の意味
    1. 「付議する」は案件を検討の場に出すこと
    2. 「付議した」「付議済み」は承認済みとは限らない
  3. 「付議事項」「付議案件」「付議書」とは?関連用語を整理
    1. 付議事項とは?
    2. 付議案件とは?
    3. 付議書とは?稟議書との違いは?
    4. 付議基準とは?
  4. 付議から結論までの流れを具体例で確認
  5. 「取締役会に付議する」とは?会社での使い方
    1. 取締役会に付議する意味
    2. 取締役会の「付議事項」と「報告事項」の違い
    3. 取締役会への付議前に確認したいこと
  6. 議会や委員会で使われる「付議」の意味
  7. 「付議」と「上程・付託・回議」の違い
    1. 付議と上程の違い:意味は近く、場面によって使い分ける
    2. 付議と付託の違い:「会議にかける」と「審査を委ねる」
    3. 付議と回議の違い:「会議に出す」と「文書を回す」
    4. 付議と審議の違い:会議にかける行為と内容を検討する行為
    5. 付議と承認・決議・決裁の違い:結果を示すかどうか
    6. 付議事項と審議事項の違い
  8. 「付議」の使い方がわかるビジネス・議会の例文
    1. 会議に案件を出すときの例文
    2. 取締役会や経営会議での例文
    3. 議事録や会議後の報告での例文
    4. 自治体・議会・委員会での例文
  9. 「付議をお願いします」を使った社内メール例文
    1. 付議を依頼するメール
    2. 付議の結果を報告するメール
  10. 「付議」で間違えやすい表現と注意点
    1. 注意1:「付議済み=決定済み」と書かない
    2. 注意2:「付議」と「付託」の読み方を混同しない
    3. 注意3:社外の相手にはわかりやすい言い換えも選ぶ
    4. 注意4:「付議する必要があるか」は自社の規程で確認する
  11. 「付議」に関するよくある質問(FAQ)
    1. Q1. 「付議」とは簡単に言うと何ですか?
    2. Q2. 「付議する」は何と読みますか?
    3. Q3. 「付議する」と「議題にする」は同じ意味ですか?
    4. Q4. 付議されたら承認されたことになりますか?
    5. Q5. 「付議事項」と「議題」はどう違いますか?
    6. Q6. 「付議」と「上程」のどちらを使えばよいですか?
    7. Q7. 取締役会にはどのような案件を付議しますか?
    8. Q8. 「付議書」は必ず作らなければいけませんか?
    9. Q9. 付議せずに決裁を受けることはありますか?
    10. Q10. 「付議をお願いいたします」は失礼ではありませんか?
  12. まとめ:「付議」は会議で扱うこと、承認や決議はその後の判断
  13. 参考リンク

「付議」とは?読み方と基本的な意味

「付議」の読み方は「ふぎ」

「付議」は「ふぎ」と読みます。「付」は「付ける」、「議」は「議論・会議」を表す漢字です。

字面のイメージから考えると、ある案件を会議に「付ける」、つまり議題にして話し合いの場へ出す行為だと理解できます。

「付議」のほかに「附議」と書くこともあります。漢字ペディアでも両方の表記が紹介されています。一般的なビジネス文書では「付議」を見かけることが多いものの、法令や団体の文書で「附議」が使われる場合もあります。

付議の意味は「案件を会議にかけること」

辞書でいう「付議」の中心的な意味は、相談・検討すべき事柄を会議や評議の場にかけることです。

たとえば、ある会社が新しい事業を始めるか検討しているとしましょう。担当部門だけで決められない重要案件なら、経営会議や取締役会の議題として取り上げることがあります。このように、案件を正式な検討の対象にする場面で「付議」という言葉を使えます。

なお、辞書には「ある案件に付け加えて討議すること」という意味もあります。ただし、実務で「付議事項」「取締役会に付議する」と表現する場合は、まず「会議にかける」という意味で捉えるとわかりやすいでしょう。

「付議」の意味を一言で言い換えると?

日常的な言葉に置き換えるなら、次のように表現できます。

  • 会議で取り上げる
  • 議題にする
  • 会議にかける
  • 話し合いや審議の対象にする
  • 会議で判断を求める(判断を求める案件の場合)

ただし、会議で単に情報を共有するだけなのか、検討・承認を求めるのかは、会議の種類や組織の規程によって異なります。「付議」は幅広い言葉なので、文脈も確認することが大切です。

「付議する」とは?「付議した」「付議予定」の意味

「付議する」は案件を検討の場に出すこと

「付議する」は、付議を動詞のように使った表現です。「何を」「どの会議に」付議するのかを示すと、文意が明確になります。

例:「来年度の投資計画を経営会議に付議します。」

この場合、来年度の投資計画を経営会議で議題として扱う予定だという意味になります。まだ投資計画の採用や実行まで決まったわけではありません。

「付議した」「付議済み」は承認済みとは限らない

次の表のように、案件の進行状況を表す言葉は分けて考えます。

表現 一般的に示す状態 注意点
付議予定 これから会議にかける予定 会議の開催や議題化が確定しているかは別途確認する
付議する 会議の議題・検討対象にする 可決や承認を意味しない
付議した・付議済み 案件を会議にかけた 結果が決まったとは限らない
審議中 内容について議論・検討している 結論が出ていない場合がある
承認済み・決議済み 所定の承認や決議が行われた 誰が何を承認・決議したかの確認が必要

たとえば「取締役会への付議は完了しました」という報告だけでは、取締役会が賛成したのか、継続審議になったのか、否決されたのかまではわかりません。

結果を正確に伝えたいときは、「付議した結果、原案どおり承認された」「審議したが、追加資料が必要となり次回に持ち越した」など、付議した事実と審議の結果を分けて書くことが大切です。

「付議事項」「付議案件」「付議書」とは?関連用語を整理

付議事項とは?

「付議事項(ふぎじこう)」とは、会議にかける事柄や項目のことです。

たとえば、ある企業の会議案内に次のように記載されていたとします。

  • 付議事項1:新店舗の出店計画
  • 付議事項2:設備投資予算の変更
  • 付議事項3:社内規程の改定

これらは会議で検討・判断の対象となる事項を示しています。なお、実際に何を「付議事項」として扱うかは、会議体の役割や各組織の規程によって変わります。

付議案件とは?

「付議案件(ふぎあんけん)」は、会議にかける具体的な案件を指します。「付議事項」とほぼ同じ場面で使われることもありますが、「事項」が議題の項目や内容を、「案件」が個々の具体的な案件を意識させる表現です。

たとえば「今月の付議案件は二件です」とあれば、今月の会議で取り扱う案件が二件あるという意味になります。

ただし、両者を明確に区別しない会社や団体もあります。社内の書類では、規程や様式に採用されている呼称に合わせるとよいでしょう。

付議書とは?稟議書との違いは?

「付議書」は、案件を会議にかける際に使用する申請書・説明書類などを指す名称として用いられることがあります。

例えば、会議で投資案件を検討してもらうために、目的、費用、期待される効果、リスクなどをまとめた文書を「付議書」と呼ぶケースです。ただし、すべての組織に共通する統一様式や、あらゆる会議で必須となる法定書類を意味するわけではありません。「議案書」「付議資料」「案件説明資料」など別の名称を使う場合もあります。

一方、「稟議書」は一般に、組織内で承認・決裁を求めるために起案する文書です。

書類の呼び方 主な目的 注意点
付議書・付議資料 会議で検討・判断してもらうための資料を用意する 名称・様式・必要記載事項は組織によって異なる
稟議書 所定の承認・決裁を求める 会議を開かずに回覧・電子決裁で進める場合もある

両方の書類が必要な組織もあれば、一つの文書やシステム上の手続で処理する組織もあります。実務では「どの会議にかけるための資料か」「誰の決裁を受けるための書類か」で判断しましょう。

付議基準とは?

「付議基準」とは、どのような案件を特定の会議にかけるかを定める基準のことです。企業では、取締役会規程や職務権限規程などによって、取締役会で決める案件と、それ以外の会議や役職者に委ねる案件の範囲を整理することがあります。

たとえば設備投資について、一定の金額や重要性を基準にして取り扱う会議を分ける運用が考えられます。ただし「○万円以上なら必ず取締役会」といった一律の全国共通基準があるわけではありません。会社法・定款・社内規程などに照らして判断する必要があります。

付議から結論までの流れを具体例で確認

付議を正しく理解するには、「案件を会議にかける段階」と「会議で結論を出す段階」は別だと知っておくことが重要です。

ここでは、会社が新たな生産設備の導入を検討する場合を例にします。

  1. 案件を準備する:担当部門が導入目的、費用、必要性、代替案、リスクなどを整理します。
  2. 付議の要否を確認する:会社の規程などを確認し、どの会議で検討・判断すべき案件かを判断します。
  3. 会議に付議する:所定の手続で案件を議題にし、参加者に資料を共有します。
  4. 審議・検討する:必要性、金額、実施時期などについて説明や質疑が行われます。
  5. 結果を確認する:承認・否決・継続審議など、その会議の権限と手続に応じた結果を記録し、必要な次の対応を進めます。

これは理解のための一般的な例であり、すべての会議がこの順序で進むとは限りません。付議前に社内承認が必要な場合や、会議で議論した後に別の権限者の決裁を受ける場合もあります。

重要なのは、「議題になった」ことと「実行してよいと決まった」ことを混同しない点です。

「取締役会に付議する」とは?会社での使い方

取締役会に付議する意味

「取締役会に付議する」は、案件を取締役会で取り扱う議題として出すことを意味します。

たとえば「重要な設備投資案件を次回取締役会に付議する」という場合、その投資案件を取締役会で検討・判断する対象にするということです。

取締役会には、会社法に基づいて決定すべき重要な業務執行事項などがあります。ただし、実際の付議対象や会議の運用は、会社の機関設計、定款、各種規程によって異なります。すべての設備投資や人事案件が必ず取締役会の決議事項になるわけではありません。

取締役会の「付議事項」と「報告事項」の違い

取締役会の資料では、「付議事項」「決議事項」「審議事項」「報告事項」などの区分が登場します。

用語 意味の目安 典型的な目的
付議事項 会議にかける事項の総称として使われることがある 案件を会議で取り扱う
決議事項 会議体としての決定を要する事項 賛否など所定の手続で決定する
審議事項 会議で内容を詳しく検討する事項 論点を整理し、必要な判断につなげる
報告事項 状況や事実を会議で共有する事項 進捗・結果・重要情報などを伝える

これらの区分がどのような関係になっているかは、組織ごとの定義を確認してください。「付議事項」を狭い意味で決議を求める案件のこととして扱う運用もあれば、より広い意味で会議にかける案件を指す場合もあります。

なお、単なる報告で足りる案件なのか、取締役会の決議が必要なのかは、使われている単語だけでは決められません。法令や定款、権限規程などを確認することが必要です。

取締役会への付議前に確認したいこと

  • 会議体:取締役会・経営会議・委員会のうち、どこで扱う案件なのか。
  • 議題の区分:決議・審議・報告のどれを求めるのか。
  • 判断材料:目的・金額・根拠・効果・リスク・選択肢が整理されているか。
  • 期限と手続:事前提出期限、資料形式、説明者などのルールを満たしているか。
  • 会議後の処理:決議結果の記録や次の決裁・実行手続を誰が担当するか。

付議すること自体が目的にならないように、「会議で何を判断してもらいたいのか」を明確にしておくと、説明資料も作りやすくなります。

議会や委員会で使われる「付議」の意味

「付議」は企業だけでなく、国会や地方議会、各種委員会などでも使われます。

岡山県議会の用語解説では、付議を、案件を議会の審議の対象とすることとして説明しています。議会では、予算案や条例案などの審議に関連して見かける言葉です。

例:「提出された議案を議会に付議する。」

また、委員会や審議会では、「制度改正案を委員会に付議する」といった言い方もできます。

ただし、地方議会の正式な議事日程、委員会への付託、議決の手続は、各議会の規則や関連法令に従います。会社の会議と同じ流れだと決めつけず、その会議体に定められた手続を確認するようにしましょう。

「付議」と「上程・付託・回議」の違い

「付議」と特に混同しやすいのが「上程(じょうてい)」「付託(ふたく)」「回議(かいぎ)」です。まず全体像を比較します。

言葉 読み方 中心となる意味 注目する点
付議 ふぎ 案件を会議にかける 会議で扱う対象にすること
上程 じょうてい 議案などを会議の議題にする 議事日程に載せるなど、議題として扱うこと
付託 ふたく 審査などを委員会等へ委ねる 別の機関・委員会へ託すこと
回議 かいぎ 文書を関係者へ順次回して意見や承認を求める 文書を回す手続

付議と上程の違い:意味は近く、場面によって使い分ける

「上程」は、議案などを会議にかけることを表します。したがって、付議と上程の基本的な意味はかなり近く、常に明確な線引きがあるわけではありません。

一方、議会運営では、議案を議事日程に組み入れて正式に議題とする場面で「上程」と呼ぶことがあります。たとえば墨田区議会の用語集では、そのような意味で説明されています。

  • 付議の例:「新制度の導入案を審議会に付議する。」
  • 上程の例:「条例改正案が本会議に上程された。」

「付議は準備段階、上程は審議開始後」といった固定的な段階差が必ずあると覚えるのは正確ではありません。文書を作成するときは、議会や組織で使われている正式な用語に合わせることが大切です。

付議と付託の違い:「会議にかける」と「審査を委ねる」

「付託」は、事柄の処置や審査をほかの人・機関に任せることです。特に議会では、本会議に提出された議案などを、詳しく審査するために委員会へ託す場面で使われます。

  • 付議:「案件を議会の審議対象にする」
  • 付託:「その案件の審査を所管の委員会などに委ねる」

例:「条例改正案が議会に付議され、その後、所管の委員会に付託された。」

この例は、議会にかけることと委員会に審査を任せることが別の手続であると示しています。ただし、具体的な順序や付託の要否は各議会の規則によります。

付議と回議の違い:「会議に出す」と「文書を回す」

「回議」は、担当者などが作成した文書を関係者へ順番に回し、意見・承認などを求めることです。

たとえば、企画書を係長から課長、部長へ順に回して確認してもらう手続は「回議」と呼ばれることがあります。その案件を経営会議の議題にするなら、そこで「付議」という言葉が登場します。

  • 付議の例:「設備導入案を経営会議に付議する。」
  • 回議の例:「設備導入の起案書を関係部署に回議する。」

なお、回議の詳しい手続や決裁との関係については、1293.html「回議とは?」でも解説しています。

付議と審議の違い:会議にかける行為と内容を検討する行為

「審議」は、議題となった事柄について、その内容や是非などを詳しく話し合い、検討することです。

「付議」は会議の対象にすること、「審議」は対象となった事柄について話し合うこと、と区別すると理解しやすいでしょう。

例:「制度改正案を委員会に付議し、費用や実施方法について審議した。」

審議の進め方や「協議」との違いが気になる場合は、1722.html「審議とは?」も参考にしてください。

付議と承認・決議・決裁の違い:結果を示すかどうか

「付議」が会議にかける行為なのに対し、「承認」「決議」「決裁」は、何らかの判断・意思決定に関わる言葉です。

  • 承認:内容を認めること。誰のどのような承認が必要かは状況によります。
  • 決議:会議で所定の手続により物事を決定すること。
  • 決裁:組織内で権限を持つ人が、案件について最終的な判断を行うこと。

そのため、「付議しました」という連絡だけでは、「承認されました」「決議されました」「決裁されました」と同じ意味にはなりません。

付議事項と審議事項の違い

「付議事項」は会議にかける項目を表すのに対し、「審議事項」は内容を検討する項目を表します。実務では重なることも多いですが、会議体ごとの規程で分類されることがあります。

議題・協議事項・報告事項も含めて整理したい方は、1503.html「審議事項とは?」もご覧ください。

「付議」の使い方がわかるビジネス・議会の例文

「付議」は主に書き言葉で使われ、会議案内、社内申請、議事録、業務報告などになじむ表現です。具体的な場面ごとに紹介します。

会議に案件を出すときの例文

  • 新しい販売方針について、来週の経営会議に付議します。
  • 事業計画の見直し案は、次回の委員会に付議する予定です。
  • 追加予算の必要性を整理したうえで、担当部門から会議に付議します。
  • この案件を付議する前に、費用の見積もりを再確認してください。

「付議する前に」は、会議に出すための準備段階を示しています。提出資料が不足しているときなどに使いやすい表現です。

取締役会や経営会議での例文

  • 重要な組織再編案については、所定の手続に従って取締役会に付議します。
  • 本件は取締役会の付議基準に該当するか、事務局に確認してください。
  • 今回の付議事項は、設備投資計画と業務規程の改定の二件です。
  • 付議資料には、期待される効果だけでなく想定されるリスクも記載しました。

「取締役会に付議する」と書く場合は、社内規程などでその案件が取締役会の扱う事項に当たるかを確認するのが適切です。

議事録や会議後の報告での例文

  • 新拠点の開設案が付議され、参加者から複数の質問が出された。
  • 当該案件は付議されたが、結論は次回会議へ持ち越された。
  • 設備更新案を付議した結果、原案どおりの実施が承認された。
  • 本件は付議済みですが、実施についての最終判断はまだ行われていません。

会議の結果を記録するときは、「付議された」という事実のほか、「審議した」「継続審議となった」「承認された」など結果に対応する表現を加えると、誤解を防げます。

自治体・議会・委員会での例文

  • 提出された議案を議会に付議し、審議を求める。
  • 地域交通に関する新たな計画案を審議会に付議した。
  • 重要な検討事項について、関係する委員会に付議することとなった。

議会や行政機関では、用語に手続上の意味があることも多いため、正式な会議録や議案文書ではその機関の用法を優先してください。

「付議をお願いします」を使った社内メール例文

付議を依頼するメール

事務局や上司に案件の付議を依頼する場合は、何をどの会議にかけたいのか、いつまでに何を確認してほしいのかを明確にします。

件名:次回経営会議への付議について(設備更新計画)

経営会議事務局 ご担当者様

お疲れさまです。製造部の佐藤です。

設備更新計画について、次回の経営会議への付議をお願いしたく、ご連絡いたしました。

検討用資料として、導入目的・概算費用・想定効果をまとめた資料を添付しております。

付議の可否および追加で必要となる資料がございましたら、ご教示いただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

この例では、「付議してください」と伝えるだけでなく、付議に必要な確認をお願いしている点がポイントです。実際の提出先や提出期限は組織のルールに合わせてください。

付議の結果を報告するメール

件名:設備更新計画の審議結果について

関係各位

お疲れさまです。

本日の経営会議に付議した設備更新計画について、ご報告いたします。

本件は審議の結果、追加の費用比較資料を準備したうえで、次回会議にて再度検討することとなりました。

担当部門にて資料を修正し、改めて共有いたします。

引き続きよろしくお願いいたします。

付議した後の報告では、「会議で扱ったこと」と「決まったこと」を別々に記載すると、関係者が次の行動を判断しやすくなります。

「付議」で間違えやすい表現と注意点

注意1:「付議済み=決定済み」と書かない

付議は会議で取り上げることです。結果が出たかどうかを示す言葉ではありません。

  • 誤解を招きやすい例:「本件は付議済みのため、実施が決定しました。」
  • 明確な例:「本件は付議済みですが、実施の可否は次回の会議で決定します。」

「付議済み」という事実だけを決定の根拠にしないよう注意しましょう。

注意2:「付議」と「付託」の読み方を混同しない

「付議」は「ふぎ」、「付託」は「ふたく」です。見た目が似ていますが、後者は審査などを委員会に託す意味です。

特に議会関係の文書では、二つの語を入れ替えると手続そのものが変わってしまう場合があるため、確認して使いましょう。

注意3:社外の相手にはわかりやすい言い換えも選ぶ

「付議」は企業や行政の内部では通じても、社外の相手には意味が伝わりにくいことがあります。

  • 「次回会議に付議いたします」→「次回の社内会議で検討いたします」
  • 「現在、付議準備中です」→「現在、社内会議に提出する資料を準備しています」
  • 「取締役会への付議が必要です」→「取締役会での審議・判断が必要です」

これらは厳密な一対一の同義語ではありません。相手に伝えたい手続の内容に合わせて言い換えるのが適切です。

注意4:「付議する必要があるか」は自社の規程で確認する

案件が重要そうだからといって、必ず取締役会に付議するとは限りません。反対に、担当者には小さく見える案件でも、法令や社内規程上の決議が必要な場合があります。

特に実務で判断が必要な場合には、会議の事務局や法務部門などに確認しましょう。

「付議」に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 「付議」とは簡単に言うと何ですか?

案件を会議にかけて、議題として検討してもらうことです。単なる話題の共有ではなく、会議で正式に取り扱う場面に使われます。

Q2. 「付議する」は何と読みますか?

「ふぎする」と読みます。「付議」は「ふぎ」です。「附議」と書く場合も、読み方は同じです。

Q3. 「付議する」と「議題にする」は同じ意味ですか?

基本的には近い意味です。ただし「付議する」は、特定の会議体に案件をかけるという、より改まった実務的な響きがあります。正式な文書では、組織の規程や慣行に従って使います。

Q4. 付議されたら承認されたことになりますか?

いいえ。付議されたことと、承認・可決・決議されたことは別です。議論の結果、修正を求められたり、結論が次回に持ち越されたりする場合もあります。

Q5. 「付議事項」と「議題」はどう違いますか?

どちらも会議で取り扱う事柄を指します。「議題」は日常的にも幅広く使う言葉で、「付議事項」は組織の会議運営や議案管理の文書で使われることが多い表現です。ただし、特定の会議における意味はその会議の規程によります。

Q6. 「付議」と「上程」のどちらを使えばよいですか?

両者は「案件を会議にかける」という点で意味が近い言葉です。議会では議事日程に組み入れて議題とする場面を「上程」と呼ぶことがありますが、すべての場面に通用する厳密な段階差があるわけではありません。所属する組織の用語に合わせましょう。

Q7. 取締役会にはどのような案件を付議しますか?

会社法や定款で取締役会の決定を要する重要事項などが対象となります。また、社内規程に従って審議・報告する事項を定めている場合もあります。具体的な対象は会社の機関設計や規程によって異なるため、個別に確認する必要があります。

Q8. 「付議書」は必ず作らなければいけませんか?

「付議書」という名称の書類が、すべての会議で一律に必要になるわけではありません。会議の運営規程に基づいて、議案書や説明資料、所定の申請フォームを提出する場合があります。

Q9. 付議せずに決裁を受けることはありますか?

あります。組織の権限規程により、決裁権者が文書や電子決裁で判断する案件もあります。ただし、本来会議体の決議が必要な案件について、付議を省略してよいという意味ではありません。

Q10. 「付議をお願いいたします」は失礼ではありませんか?

失礼な表現ではありません。ただし、相手が会議の事務局なのか、案件を審議する人なのかによって適切な依頼内容は異なります。「次回会議への付議をご検討いただけますでしょうか」のように、相手の役割に合わせて丁寧に伝えると自然です。

まとめ:「付議」は会議で扱うこと、承認や決議はその後の判断

「付議(ふぎ)」は、案件を会議にかけ、審議や検討の対象にすることを意味します。

  • 付議:案件を会議にかけること。
  • 付議事項・付議案件:会議で取り扱う事項や案件のこと。
  • 上程:議案などを会議の議題とすること。付議と意味が近い。
  • 付託:案件の審査などを委員会等に委ねること。
  • 回議:文書を関係者へ順次回して意見や承認を求めること。

特に覚えておきたいのは、「付議した=承認された」ではないという点です。

会議の案内や議事録では、案件を会議に出した段階なのか、審議中なのか、決定まで完了したのかを分けて書くと、相手に正確な情報を伝えられます。

参考リンク

  • コトバンク「付議」

    小学館『デジタル大辞泉』などによる「付議」の読み方と意味を確認できます。「附議」という表記や、会議にかける以外の用法も掲載されています。

  • 漢字ペディア「付議」

    日本漢字能力検定協会による言葉の解説です。「付議」の基本的な意味と異表記を簡潔に確認できます。

  • 岡山県議会「議会用語解説 は行」

    地方議会で使われる「付議」と「付託」の意味を比較できます。会議の審議対象にすることと委員会へ審査を託すことの違いがわかります。

  • 墨田区議会「議会用語集」

    「上程」をはじめとする議会運営の用語を確認できます。議案を議題として取り扱う手続を理解する際の参考になります。

  • J-Net21「取締役会の権限等について教えてください。」

    中小企業基盤整備機構のビジネス支援サイトです。取締役会で決定すべき事項を考えるための参考になります。

  • コトバンク「回議」

    「回議」の意味を辞書で確認できます。文書を関係者へ回す手続と、会議に付議することの違いを整理する際に役立ちます。

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