「パスワードの代わりにパスキーを使えます」
最近、Google・Microsoft・Appleなどのサービスで、このような案内を見る機会が増えています。
しかし、
「パスキーって新しいパスワード?」
「指紋や顔そのものがパスキーなの?」
「パスキーを設定したらパスワードは不要?」
「スマホをなくしたらログインできなくなる?」
「パスキーのほうが本当に安全?」
と疑問に感じる人も多いでしょう。
簡単にいうと、「パスワード」は本人だけが知っている文字列などを入力して本人確認する仕組みです。一方、「パスキー」は公開鍵暗号を利用し、端末などに保存された認証用の鍵を、指紋・顔・PINなどで利用してサインインする仕組みです。
一言で覚えるなら、
パスワード=「覚えて入力する秘密」
パスキー=「端末側の暗号鍵を使って本人確認する仕組み」
です。
FIDO Allianceは、パスキーをFIDO標準に基づく認証資格情報であり、デバイスのロック解除と同じような生体認証・PIN・パターンなどによって、Webサイトやアプリへサインインできる仕組みと説明しています。
技術的には、パスキーでは公開鍵と秘密鍵の組み合わせが使われます。
サービス側には公開鍵が登録され、認証に使う秘密鍵はユーザー側のデバイスや認証情報管理システムなどに保持されます。
そのため、Webサイト側に「入力用の共通秘密」であるパスワードを保存して照合する方式とは仕組みが異なります。
この記事では、「パスワード」と「パスキー」の違いから、指紋認証・PINとの関係、フィッシングへの強さ、複数端末での利用、スマートフォンを紛失した場合、2段階認証との違いまで詳しく解説します。
- 「パスワード」と「パスキー」の違い【結論】
- 「パスワード」とは?
- パスワードの長所
- パスワードの弱点
- 安全なパスワードなら使ってもよい?
- 「パスキー」とは?
- パスキーは「新しいパスワード」ではない
- パスキーの仕組み
- W3CのWebAuthnとは?
- パスキーと指紋認証は同じ?
- パスキーとPINは同じ?
- 「パスワード」と「パスキー」の決定的な違い
- パスキーならフィッシング被害は絶対に起きない?
- パスキーを設定したらパスワードは消える?
- パスキーは複数端末で使える?
- Apple製デバイスではパスキーを同期できる?
- Googleアカウントではパスキーを使える?
- Microsoftアカウントでもパスキーを使える?
- 別のパソコンからでもパスキーでログインできる?
- スマートフォンをなくしたらパスキーも全部失う?
- 共有パソコンにパスキーを作ってもよい?
- パスキーと2段階認証の違い
- パスキーとセキュリティキーの違い
- パスキーとパスワードマネージャーの違い
- 「パスワード・パスキー」で迷ったときの3秒判定
- 「パスワード」を使った例文
- 「パスキー」を使った例文
- 具体例で比較:従来のパスワードログイン
- 具体例で比較:パスキーでログイン
- よくある間違い1:「パスキーは長いパスワード」だと思う
- よくある間違い2:「指紋=パスキー」だと思う
- よくある間違い3:「パスキーを設定したらパスワードが必ず削除される」と思う
- よくある間違い4:「パスキーなら絶対に不正アクセスされない」と思う
- よくある間違い5:「パスキーは作成した1台でしか使えない」と思う
- よくある間違い6:「スマホを紛失したらアカウントも永久に失う」と思う
- よくある間違い7:「パスキーなら共有PCへ保存しても問題ない」と思う
- 「パスワード」と「パスキー」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考リンク・出典
「パスワード」と「パスキー」の違い【結論】
| 比較項目 | パスワード | パスキー |
|---|---|---|
| 基本的な仕組み | 本人だけが知る文字列などを使って認証 | 公開鍵暗号を使って認証 |
| 利用者が覚える必要 | 原則として必要。ただしパスワード管理ツールで補助可能 | 通常、パスキーそのものを覚える必要はない |
| 入力 | 文字列を入力・自動入力する | 顔・指紋・端末PINなどで利用を承認することが多い |
| フィッシング | 偽サイトへ入力して盗まれるリスクがある | フィッシング耐性を持つよう設計されている |
| サービス側 | パスワード検証用情報を管理 | 公開鍵を保持し、秘密鍵は利用者側に保持 |
| 複数端末 | 同じパスワードを入力できる | 同期型または端末固定型などがある |
| 代表的な標準 | 特定の一つの認証標準ではない | FIDO2・WebAuthn等を基盤に利用 |
3秒で判断するなら、
「文字列を覚えて入力する?」 → パスワード
「端末に保存された暗号鍵を、顔・指紋・PINなどで使う?」 → パスキー
と考えると分かりやすいでしょう。
「パスワード」とは?
本人だけが知っている秘密の文字列などで認証する仕組み
パスワードは、アカウント利用者だけが知っている文字列などを使い、本人であることを確認するための認証情報です。
たとえば、
- 英大文字
- 英小文字
- 数字
- 記号
などを組み合わせて作成します。
Webサービスへログインするときには、一般に、
- メールアドレスやユーザー名を入力する
- パスワードを入力する
- サービス側が正しい認証情報か確認する
- 本人と判断されればログインできる
という流れになります。
パスワードの長所
パスワードは非常に長い間使われてきた仕組みで、多くのWebサイト・アプリ・機器で利用できます。
主な長所には、
- 幅広いサービスで利用できる
- 特別な対応端末がなくても入力できる
- 別の端末からでも文字列を知っていれば利用しやすい
- パスワード管理ツールを利用できる
などがあります。
現在でも、パスキーに未対応のサービスは存在するため、パスワードがすぐにすべてなくなるわけではありません。
パスワードの弱点
パスワードには、
- 覚える必要がある
- 使い回しが起きやすい
- 短く単純な文字列を選びやすい
- フィッシングサイトへ入力してしまう可能性がある
- 漏えいした認証情報が悪用される可能性がある
といった問題があります。
特に複数のサービスで同じパスワードを使い回すと、あるサービスから認証情報が漏えいした際、別のサービスへの不正ログインにも利用される危険があります。
安全なパスワードなら使ってもよい?
もちろん、パスワード方式そのものが直ちに危険という意味ではありません。
パスワードを利用する場合には、
- サービスごとに異なるパスワードを使う
- 十分に長く推測しにくいものを使う
- パスワード管理ツールを活用する
- 多要素認証を利用する
などによって安全性を高められます。
ただし、強力なパスワードでも、本人が巧妙な偽サイトへ入力してしまえば認証情報を盗まれる可能性があります。
この問題への対策として注目されているのがパスキーです。
「パスキー」とは?
パスワードの代わりとして設計された認証方法
FIDO Allianceは、パスキーを、
「パスワードの代わり」
として設計されたFIDO認証資格情報と説明しています。
パスキーを使うと、対応するWebサイト・アプリで、従来のパスワードを入力する代わりに、
- 顔認証
- 指紋認証
- 端末のPIN
- 端末のロック解除パターン
などを使ってサインインを承認できます。
Microsoftも、パスキーを利用すると、顔・指紋・PINなどの安全な方法でWebサイトやアプリへサインインできると説明しています。
パスキーは「新しいパスワード」ではない
名前に「キー」が入っているため、
「新しい長い文字列を覚えるのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、通常、利用者がパスキーそのものを文字列として覚えたり入力したりする必要はありません。
パスキーは、端末やパスキー管理機能に保存された暗号用の認証情報です。
利用者は端末側で本人確認を行い、そのパスキーを使うことを承認します。
パスキーの仕組み
パスキーでは、
公開鍵暗号
が利用されます。
簡略化すると、アカウントにパスキーを登録すると、
- 公開鍵
- 秘密鍵
という組み合わせが作成されます。
公開鍵はWebサイト・サービス側へ登録されます。
秘密鍵はユーザー側のデバイス、認証情報マネージャー、セキュリティキーなどで管理されます。
ログイン時には、サービス側から送られる情報に対し、秘密鍵を使った暗号学的な処理を行い、その結果を公開鍵で検証します。
秘密鍵そのものをWebサイトへ送信する必要はありません。
W3CのWebAuthnとは?
パスキーを理解するうえで重要なのが、
WebAuthn(Web Authentication)
です。
W3CはWeb Authenticationについて、Webアプリケーションが強力な公開鍵ベースの認証情報を作成・利用するためのAPI仕様と説明しています。
2026年8月25日には、
Web Authentication Level 3
がW3C Recommendationとして公開されました。
FIDO AllianceのCTAPとW3CのWebAuthnを組み合わせた仕組みは、一般にFIDO2として知られています。
パスキーと指紋認証は同じ?
同じではありません。
ここは特に間違いやすいポイントです。
パスキー=Webサイト等のアカウントを認証するための暗号資格情報
指紋・顔・PIN=その端末上でパスキーの利用を承認するための本人確認方法
と考えると分かりやすいでしょう。
Googleは、パスキーの利用時に指紋や顔で本人確認した場合でも、生体認証データはデバイスに保存され、Googleと共有されないと説明しています。
つまり、Webサイトへ指紋データそのものを送ってログインしているわけではありません。
パスキーとPINは同じ?
これも違います。
たとえばWindowsでパスキーを使用するとき、Windows HelloのPINを求められる場合があります。
このPINは、
端末上で本人確認してパスキーを使うことを許可するための情報
です。
パスキー自体がそのPINというわけではありません。
「パスワード」と「パスキー」の決定的な違い
違い1:秘密情報を入力するか
パスワードでは、利用者が知っている秘密の文字列を入力します。
パスキーでは、通常、利用者が暗号鍵そのものを入力することはありません。
端末の本人確認を通じて、保存されているパスキーを使用します。
違い2:サービス側との秘密の共有方法が違う
従来のパスワード認証では、サービス側がパスワードを検証できる情報を持つ必要があります。
一方、パスキーではサービス側へ登録されるのは公開鍵で、認証に必要な秘密鍵はユーザー側に保持されます。
違い3:フィッシングへの耐性が違う
パスワードは偽サイトに入力してしまうと盗まれる可能性があります。
一方、FIDO認証・WebAuthnでは認証情報が特定のWebサイト・サービスに関連付けられるよう設計されています。
W3Cも、WebAuthnの公開鍵認証情報は特定のRelying Partyにスコープされ、その認証情報を別のRelying Partyが利用できない仕組みを定めています。
そのためパスキーは、
フィッシング耐性の高い認証方法
として位置付けられています。
違い4:使い回しの問題が起きにくい
パスワードでは、同じ文字列を複数サービスで使い回すことができます。
パスキーはアカウント・サービスごとに固有の認証情報として作られるため、同じパスキーを人間が複数サイトへ入力して使い回すという仕組みではありません。
パスキーならフィッシング被害は絶対に起きない?
「絶対に安全」と言い切るのは適切ではありません。
パスキーはフィッシング耐性を持つよう設計されており、従来型の「偽ログイン画面へパスワードを入力させる」攻撃には強い仕組みです。
しかし、
- 端末自体の管理
- アカウント復旧方法
- 別の認証手段
- マルウェア
- サービス側の実装
など、アカウント全体ではほかのリスクも考える必要があります。
パスキー=あらゆる攻撃に対して100%安全
という意味ではありません。
パスキーを設定したらパスワードは消える?
サービスによります。
パスキー対応サービスの中には、従来のパスワードを残したまま、パスキーでもログインできるものがあります。
Googleは、Googleアカウントへパスキーを追加しても、現在設定されている認証要素・復元要素が自動的に削除されるわけではないと案内しています。
Appleも、対応するWebサイト・アプリによっては、同じアカウントについてパスワードとパスキーの両方を保存できると説明しています。
したがって、
「パスキーを作った瞬間にパスワードが必ずなくなる」
とは限りません。
パスキーは複数端末で使える?
使える場合があります。
パスキーには、大きく分けて、
- 複数端末に同期できるパスキー
- 特定の端末・セキュリティキーに固定されるパスキー
があります。
FIDO Allianceは、クラウドサービスなどを通して複数端末で利用できるものを、
同期パスキー
と説明しています。
一方、特定デバイスやハードウェアセキュリティキーに固定されるものは、
デバイスバインドパスキー
などと呼ばれます。
Apple製デバイスではパスキーを同期できる?
Appleでは、対応する環境でパスキーをiCloudキーチェーンに保存し、同じApple Accountを利用しているデバイス間で利用できます。
Appleの「パスワード」アプリでは、パスワード・パスキー・確認コードなどを管理できます。
そのため、iPhoneで作成したパスキーをMacなどで利用できる場合があります。
Googleアカウントではパスキーを使える?
はい。
Googleは、Googleアカウントへのログイン手段としてパスキーを提供しています。
対応する端末では、
- 指紋認証
- 顔認証
- 画面ロック用PINなど
を利用して本人確認できます。
Googleは、他人と共有している端末ではパスキーを作成しないよう注意を促しています。
Microsoftアカウントでもパスキーを使える?
はい。
Microsoftは、個人用Microsoftアカウント、職場・学校アカウント、および対応するWebサイト・アプリなどでパスキーを利用できると案内しています。
Windows 11などでは、顔・指紋・PINなどでパスキーの利用を承認できます。
別のパソコンからでもパスキーでログインできる?
対応する環境では可能です。
たとえば、自分のスマートフォンに保存されたパスキーを使って、別のパソコンに表示されたQRコードを読み取り、スマートフォン側で本人確認してログインする仕組みがあります。
Appleも、近くにあるiPhoneやiPadを使い、QRコードを読み取って別のデバイスからパスキーでサインインできる方法を案内しています。
FIDOのクロスデバイス認証では、近接確認のためBluetooth Low Energyが利用される場合があります。
スマートフォンをなくしたらパスキーも全部失う?
必ずしもそうではありません。
同期型パスキーを利用している場合は、認証情報管理サービスを通して別の端末で利用できる場合があります。
また、
- 別の登録済み端末
- 別のパスキー
- サービス側のアカウント復旧方法
- パスワードなどの代替手段
から復旧できる場合もあります。
具体的な復旧方法は、Google・Apple・Microsoftなど利用するサービスやパスキー管理方法によって異なります。
重要なアカウントでは、端末を失った場合の復旧方法を事前に確認しておくと安心です。
共有パソコンにパスキーを作ってもよい?
基本的には慎重に考える必要があります。
Googleは、共有デバイスではパスキーを作成しないよう案内しています。
パスキーを作成した端末を別の人も解除できる状況では、その人がアカウントへアクセスできるリスクが生じる可能性があります。
自分だけが管理する端末へ保存することが基本です。
パスキーと2段階認証の違い
2段階認証は、複数の確認手段を組み合わせて本人確認を強化する考え方です。
たとえば、
- パスワードを入力する
- スマートフォンへ届いた確認コードを入力する
という方法があります。
一方、パスキーでは端末に保持された認証情報と、端末側のPIN・生体認証などを組み合わせて利用できます。
Googleでは、2段階認証を有効にしているアカウントでも、パスキーを利用すると追加の第2段階を省略できる場合があると説明しています。
ただし、
「パスキーはどんな場面でも必ず2段階認証そのもの」
と単純化するのは適切ではありません。
サービス側の認証ポリシー・ユーザー確認設定などによって扱いが異なります。
パスキーとセキュリティキーの違い
「セキュリティキー」は、USB・NFCなどを利用する物理的な認証デバイスです。
FIDO2対応のハードウェアセキュリティキーには、パスキーを保存できるものがあります。
つまり、
パスキー=認証資格情報
セキュリティキー=パスキーなどを保存・利用できる物理デバイス
と整理すると分かりやすいでしょう。
パスキーとパスワードマネージャーの違い
パスワードマネージャーは、複数のパスワードを安全に保存・自動入力するための仕組みです。
一方、パスキーはパスワードそのものを使わずに認証するための資格情報です。
ただし現在の認証情報管理サービスでは、
- パスワード
- パスキー
- 確認コード
などを同じ管理アプリ・サービスで扱える場合があります。
Appleの「パスワード」アプリも、パスワードとパスキーの両方を管理できます。
「パスワード・パスキー」で迷ったときの3秒判定
| こんな場合 | 答え |
|---|---|
| 覚えた文字列を入力する | パスワード |
| 端末内の暗号資格情報で認証する | パスキー |
| 顔・指紋でパスキー利用を承認する | パスキー+端末のユーザー確認 |
| サービスごとに同じ文字列を使い回せてしまう | パスワード |
| 公開鍵・秘密鍵を利用する | パスキー |
| 偽サイトへの入力で盗まれる可能性がある | パスワード |
| フィッシング耐性を重視して設計されている | パスキー |
最も簡単に覚えるなら、
パスワード=「知っている秘密を入力する」
パスキー=「持っている暗号鍵を端末で使う」
です。
「パスワード」を使った例文
- アカウントごとに異なるパスワードを設定する。
- パスワードの使い回しを避ける。
- パスワード管理ツールを利用する。
- ログイン画面にパスワードを入力する。
- 漏えいした可能性があるパスワードを変更した。
「パスキー」を使った例文
- Googleアカウントにパスキーを設定した。
- 指紋認証でパスキーを使ってログインする。
- Webサイトがパスキーに対応している。
- スマートフォンに保存したパスキーでサインインした。
- ハードウェアセキュリティキーへパスキーを保存する。
具体例で比較:従来のパスワードログイン
Webサービスへ、
メールアドレス+パスワード
でログインするとします。
利用者は秘密の文字列を入力し、サービス側はその認証情報が正しいかを確認します。
これが典型的な、
パスワード認証
です。
具体例で比較:パスキーでログイン
同じサービスがパスキーに対応している場合、ログイン時に、
「パスキーを使用」
などを選択し、端末上で顔・指紋・PINなどによる確認を行います。
すると端末内の秘密鍵による暗号学的な認証が行われます。
利用者がパスワード文字列をWebサイトへ入力する必要はありません。
よくある間違い1:「パスキーは長いパスワード」だと思う
違います。
パスキーは文字列を覚えて入力する仕組みではなく、公開鍵暗号を利用した認証資格情報です。
よくある間違い2:「指紋=パスキー」だと思う
違います。
指紋・顔・PINなどは、端末に保存されているパスキーを使用する人が本人か確認するために使われます。
よくある間違い3:「パスキーを設定したらパスワードが必ず削除される」と思う
サービスによって異なります。
パスワードを残したままパスキーを追加できるサービスもあります。
よくある間違い4:「パスキーなら絶対に不正アクセスされない」と思う
パスキーはフィッシング耐性に優れた仕組みですが、端末管理・アカウント復旧・マルウェアなど別のリスクまでなくなるわけではありません。
よくある間違い5:「パスキーは作成した1台でしか使えない」と思う
同期型パスキーなら、対応する認証情報管理サービスを通して複数端末で利用できる場合があります。
一方、特定端末に固定されるパスキーもあります。
よくある間違い6:「スマホを紛失したらアカウントも永久に失う」と思う
同期済みの別端末や別のログイン方法、サービスの復旧手続を利用できる場合があります。
具体的な方法は利用サービスによって異なります。
よくある間違い7:「パスキーなら共有PCへ保存しても問題ない」と思う
共有端末へパスキーを作成するのは慎重に考える必要があります。
Googleも、自分が所有・使用する端末で作成し、共有端末では作成しないよう案内しています。
「パスワード」と「パスキー」に関するよくある質問
Q1. 「パスワード」と「パスキー」の一番簡単な違いは?
パスワードは覚えた秘密を入力する認証、パスキーは端末等に保存された暗号資格情報を使う認証です。
Q2. パスキーはパスワードより安全ですか?
パスキーは、サービスごとに固有の公開鍵認証を使い、フィッシング耐性を持つよう設計されています。
そのため、従来のパスワードが抱える「使い回し」「偽サイトへの入力」などの問題を減らせます。
ただし、アカウント全体の安全性は端末管理・復旧手段などにも左右されます。
Q3. パスキーにはパスワードが必要ですか?
パスキーでの通常のサインイン時には、従来のアカウントパスワードを入力せず利用できる場合があります。
ただし、パスキーの設定・アカウント復旧・別の認証手続などでパスワードが利用されるサービスもあります。
Q4. 指紋や顔の情報はWebサイトへ送られますか?
通常、パスキー利用時の生体認証は端末側で処理されます。
Googleも、生体認証データはデバイスに保存され、Googleとは共有されないと説明しています。
Q5. PINはパスキーですか?
いいえ。
PINは端末上で本人確認し、保存されているパスキーを使用するための方法として使われることがあります。
Q6. パスキーはiPhoneとパソコンの両方で使えますか?
利用するOS・ブラウザ・認証情報管理サービス・Webサイトの対応状況によります。
同期型パスキーや、QRコードを使ったクロスデバイス認証などを利用できる場合があります。
Q7. パスキーを削除したらアカウントも消えますか?
通常、パスキーの削除とサービスのアカウント削除は別です。
ただし、ほかのログイン方法がない状態で削除するとアクセスできなくなる可能性があるため、削除前に代替手段を確認してください。
Q8. パスワードとパスキーを両方使えますか?
サービスによっては可能です。
GoogleやAppleの案内でも、パスキー導入後に既存の認証手段やパスワードを併用できるケースがあります。
Q9. すべてのWebサイトでパスキーを使えますか?
いいえ。
Webサイト・アプリ側がパスキーに対応している必要があります。
未対応のサービスでは従来のパスワードなどを利用します。
Q10. パスキーとパスワード、どちらを使えばよいですか?
利用するサービスがパスキーに対応している場合、パスキーはフィッシング耐性やパスワード使い回し対策という点で有力な認証方法です。
一方、未対応サービスではパスワードが必要です。
現実的には、パスキー対応サービスではパスキーを活用し、パスワードが必要なサービスでは一意で十分に強いパスワードと多要素認証を組み合わせる方法が考えられます。
まとめ
「パスワード」と「パスキー」は、どちらもアカウントへログインするための認証に利用されますが、仕組みは大きく異なります。
| パスワード | パスキー |
|---|---|
| 秘密の文字列などを利用 | 公開鍵暗号を利用 |
| 覚える・入力することが多い | 暗号鍵そのものを覚える必要はない |
| 使い回しの問題が起きやすい | サービスごとに固有 |
| 偽サイトへ入力する危険がある | フィッシング耐性を持つよう設計 |
| パスワード管理ツールで管理可能 | 認証情報管理サービス等で保存・同期可能 |
最も簡単な覚え方は、
パスワード=「覚えて入力する秘密」
パスキー=「端末側の暗号鍵で認証する仕組み」
です。
パスキーでは、サービス側に公開鍵、ユーザー側に秘密鍵を持つ公開鍵暗号が利用されます。
本人確認には、
- 顔認証
- 指紋認証
- PIN
- 端末のロック解除方式
などが利用されることがありますが、これら自体がパスキーというわけではありません。
FIDO Allianceは、パスキーをパスワードの代替として位置付け、フィッシング耐性と使いやすさを特徴として挙げています。
また、W3CのWebAuthnでは、公開鍵認証情報が特定のサービスに関連付けられる仕組みが標準化されています。
ただし、現在はすべてのサービスがパスキーへ移行したわけではありません。
パスキーに対応するサービスでは活用しつつ、パスワードが必要なサービスでは、
「長く推測しにくい」「サービスごとに異なる」「多要素認証を併用する」
といった基本的な対策を続けることが重要です。
参考リンク・出典
-
FIDO Alliance「パスキー:パスワードレス認証」
― パスキーをFIDO標準に基づく認証資格情報として説明し、パスワードとの違い、公開鍵暗号、同期型・デバイス固定型、フィッシング耐性などを解説 -
W3C「Web Authentication: An API for accessing Public Key Credentials – Level 3」
― Webアプリケーションで強力な公開鍵ベースの認証情報を作成・利用するためのWebAuthn仕様。2026年8月25日にLevel 3がW3C Recommendationとして公開 -
Google アカウント ヘルプ「パスワードの代わりにパスキーでログインする」
― Googleアカウントでパスキーを作成・利用・削除する方法、顔・指紋・画面ロックによる本人確認、共有端末での注意点などを説明 -
Microsoft Support「パスキーを作成して保存する」
― MicrosoftアカウントやWebサイト・アプリで利用するパスキーの作成・保存と、顔・指紋・PIN等によるサインイン方法を説明 -
Apple Support「パスワードアプリでパスワードやパスキーを作成・管理し、Apple製デバイス間で共有する」
― Appleのパスワードアプリによるパスワード・パスキー管理、iCloudキーチェーンによる同期、パスキーの特徴を説明
※本記事では一般ユーザー向けに、「パスワード=秘密の文字列等を利用する認証」「パスキー=公開鍵暗号を利用するFIDO認証資格情報」と整理しています。
※パスキーの保存・同期・復旧方法は、Google パスワード マネージャー、AppleのiCloudキーチェーン、Microsoftの認証情報管理機能、第三者のパスキー管理サービス、ハードウェアセキュリティキーなどによって異なります。
※パスキーはフィッシング耐性を持つよう設計されていますが、端末の不正利用、アカウント復旧手段、マルウェアなどを含むすべてのセキュリティリスクをなくすものではありません。
※パスキーを設定した際に、従来のパスワードが残るか、パスワードレスへ完全移行するかはサービスによって異なります。
※2026年9月時点でも、すべてのWebサイト・アプリがパスキーに対応しているわけではありません。実際の利用方法は各サービスの最新の公式案内を確認してください。
